JP4863304B2 - 電源装置、電力接続回路、コンピュータ及び電気機器 - Google Patents
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Description
この種の電源装置としては、例えば、特許文献1及び2記載のものが提案されている。
これらの特許文献1及び2記載の電源装置は、例えば、負荷に対して並列接続された直流電力を出力する複数の電源ユニットを備えている。
これらの電源装置において、各電源ユニットは、負荷に応じて各電源ユニットが定電圧で所定の電流を出力できるようになっている。
この電源装置は、複合機の印刷部に供給する電力をフィードバックして、AC/DC電力変換効率が最もよくなるようにする回路が設けられている。
すなわち、一般的に電源装置に用いられる電力変換器は、図8に示すように、負荷が最大定格出力に近い状態だと最も電力変換効率が良くなるように設計されているので、複数の電力変換器のそれぞれが、定格出力の一部しか出力しない状態になり、電力変換効率が低い状態で作動してしまう。
また、特許文献1及び2記載の電源装置に、特許文献3記載の電源装置を適用して電力変換効率を高めることも考えられるが、回路構造が複雑になり製造コストを高くしてしまうという問題があった。
前記第2から第nの電力変換器を、前記負荷の消費電力に応じて、前記第1の電力変換器に、順次並列接続する接続手段を備えている。
[第一実施形態]
図1には、本発明の第一実施形態に係るコンピュータの概略構成図を示している。
同図に示すように、本実施形態の電源装置10が用いられるコンピュータ1は、プロセッサ21やメモリ22などを備える処理部20(負荷)と、処理部20に直流電力を供給する電源装置10とを備えている。
処理部20は、電源装置10から直流電力の供給を受けることにより所定の演算処理を行なう。
図2には、本実施形態に係るAC/DC変換ユニットの概略構成図を示している。
同図に示すように、各AC/DC変換ユニット101〜103は、AC電力が入力されて所定のDC電力を出力するAC/DC変換回路141と、AC/DC変換回路141からの出力を所定の電圧に可変する電圧可変回路142とを備えている。
電圧可変回路142は、DC−DCコンバータで構成されており、AC/DC変換回路141からのDC電力を、所定の電圧に変換して出力する。
また、電圧可変回路142は、最大定格電流出力Imaxになると、電圧を低減して定電流を流すようにする。
出力電圧設定手段は、各AC/DC変換ユニット101〜103に備えられ、出力電圧可変回路142の出力電圧に対応する値を保持する出力電圧値保持部と、出力電圧保持部に任意の値を保持させる制御部15とを備えている。
出力電圧設定回路143は、出力電圧に対応する値として出力電圧値自体を保持するとともに、出力電圧値に応じた設定信号を、電圧可変回路142に出力する機能を備えている。
そして、電圧可変回路142に、設定信号に応じた出力電圧を出力させる。
この出力電圧設定回路143は、例えば、I2Cレジスタで構成されている。このI2Cレジスタは、任意の値を出力電圧値として保持する。
制御部15は、例えば、マイクロプロセッサで構成されている。
制御部15は、マイクロプロセッサが内蔵するROMに記憶されたファームウェアを、CPUで実行することにより、上記の機能を実現している。
入力線151〜153は、例えば、I2Cバスといわれるシリアルバスで構成されている。
なお、制御部15は、ファームウェアを実行することにより、電源装置10全体が、正常に機能するか否かの診断制御などを行なうこともできる。
また、第1の抵抗132の抵抗値R1は、下記式(2)を満たす値とすることが好ましい。
R1=(V1−V2)/Imax 式(2)
第2の抵抗133の抵抗値R2は、下記式(3)を満たす値とすることが好ましい。
R2=(V2−V3)/2・Imax 式(3)
このようにすると、処理部20の消費電力に応じて、抵抗132,133に、接続部122,123の電位を降下させることができる。
このようにすると、出力電流が上昇することにより生じた抵抗132,133による電圧の降下で、ダイオード162,163が閉動作を行なうことができる。
図3には、各AC/DC変換ユニット101〜103の出力電流と負荷である処理部20の消費電力の関係を示すグラフ図を示している。
まず、予め、電源装置10は、制御部15から信号線151〜153を介し、AC/DC変換ユニット101〜103内の各々の出力電圧設定回路143において、任意の電圧を設定する。
なお、本実施形態において、制御部15が、人手により、各AC/DC変換ユニット101〜103の出力電圧を、V1>V2>V3のように、段階的な差のある関係が形成されるように、各出力電圧設定回路143の設定が行なわれる。
まず、AC/DC変換ユニット101〜103内のAC/DC変換回路141に商用電源14が供給される。
AC/DC変換回路141は、商用電源14のAC電力をDC電力に変換して電圧可変回路142に出力する。
また、第2及び第3のAC/DC変換ユニット102,103において、AC/DC変換回路141からの出力を受けた出力電圧可変回路142についても上記第1のAC/DC変換ユニット101と同様に、出力電圧設定回路143が保持する出力電圧値V2,V3に基づいて、出力電圧V2,V3を出力する。
そのため、第2のAC/DC変換ユニット102の出力112が、遮断される。
また、この場合、第2の接続部122の電位D2と第3のAC/DC変換ユニット103の出力電圧V3との関係が、上記式(3)により、D2(=V1−I1・R1−I1・R2)>V3(=V1−Imax・R1−Imax・R2)になるので、ダイオード163が開になる。
そのため、第3のAC/DC変換ユニット103の出力113が遮断される。
また、第1のAC/DC変換ユニット101の出力が、第2及び第3のAC/DC変換ユニット102,103に流れ込むことがない。
従って、処理部20の消費電力が小さいときは、電源装置10は、第1のAC/DC変換ユニット101の出力により、処理部20への給電をまかなう。
そして、第1のAC/DC変換ユニット101の出力電流I1が、最大定格電流出力Imaxに至ったときは(I1=Imax)、上記式(2)により、第1の接続部132の電位D1と第2のAC/DC変換ユニット102の出力電圧V2との関係が、D1(=V1−Imax・R1)=V2(=V1−Imax・R1)になるので、ダイオード162が閉になる。
そのため、第2のAC/DC変換ユニット102の出力112が、第1のAC/DC変換ユニット101に並列接続されて、第3のAC/DC変換ユニット103からも電力が供給される。
これにより、第3のAC/DC変換ユニット103には、第1及び第2のAC/DC変換ユニット101,102の出力が流れ込むことがない。
そして、第2のAC/DC変換ユニット102の出力電流I2が、最大定格電流出力Imaxに至ったときは(I2=Imax)、上記式(3)により、第2の接続部123の電位D2と第3のAC/DC変換ユニット103の出力電圧V3との関係が、D2(=V1−Imax・R1−2・Imax・R2)=V3(=V1−Imax・R1−2・Imax・R2)になるので、ダイオード163が閉になる。
そのため、第3のAC/DC変換ユニット103の出力が、第1のAC/DC変換ユニット101に並列接続されて、第3のAC/DC変換ユニット103からも電力が供給される。
従って、処理部20の消費電力の増加に応じて、第2及び第3のAC/DC変換ユニット102,103からも順次、電力が供給される。
すなわち、処理部20の消費電力が減少することにより、第2の接続部123の電位D2と第3のAC/DC変換ユニット103の出力電圧V3との関係が、D2>V3になるので、ダイオード163が閉になり、第3のAC/DC変換ユニット103の出力が遮断される。
また、第1の接続部122の電位D1と第2のAC/DC変換ユニット102の出力電圧V2との関係が、D1>V2になるので、ダイオード162が閉になり、第2のAC/DC変換ユニット102の出力が遮断される。
従って、処理部20の消費電力の減少に応じて、処理部20の消費電力に応じて、第2及び第3のAC/DC変換ユニット102,103からの電力の供給が、順次遮断される。
これにより、電源装置10は、処理部20の消費電力に応じて、第2及び第3のAC/DC変換ユニット102,103を第1のAC/DC変換ユニット101に並列接続することができ、出力電流を増減できるので、定格出力の一部しか出力しない状態のAC/DC変換ユニット101〜103は、第1〜第3のAC/DC変換ユニット101〜103のうちいずれか一つになる。
そのため、AC/DC変換ユニット101〜103は、AC/DC変換効率が一番高い状態で使用される頻度が高くなり、省電力効果を極めて高くすることができる(図8参照)。
すなわち、電源装置10が、電源装置10から出力される電流を測定する回路や、この測定した電流に基づいてAC/DC変換ユニット102,103の出力を組み込み及び切り替えを行なう回路を備える場合に比較して、これらを設けなくてもよくなり、それだけ構成を簡単にすることができる。
また、電源装置10は、構成が簡単になるので、制御の簡素化、回路の故障率を低減に寄与することもでき、製造コストを低減することができる。また、メンテナンスも簡単に行なうことができる。
同図に示すように、このコンピュータ1aは、処理部20に電力を供給する複数の(本実施形態では二つ)電源装置10を備える点で上記第一実施形態のものと異なる。
これらの電源装置10は、ダイオード40,41を介して処理部20に並列接続されている。
また、電源装置10は、例えば、第一実施形態の電源装置10と同様のもので構成されている。
そのため、処理部20に安定して電力を供給することができる。
また、電源装置10が二重化されると、AC/DC変換ユニットの搭載個数も多くなるが、個々の電源装置10は、構成が簡単なので、製造コストの低減の効果が大きくなる。
次に、本発明の第二実施形態に係る電源装置を用いた電気機器について図5を参照しつつ説明する。
同図に示すように、電気機器1bは、例えば、テレビ、冷蔵庫などの家電製品など種々のタイプの電気機器であってよい。
ディップスイッチ151a〜153aは、ユーザにより操作されて所定の値を設定可能となっている。
また、各出力電圧設定回路143は、電源装置の起動時に、ディップスイッチ151a〜153aの値を読み込んでこれを保持する。
その他の構成は上記実施形態と同様となっている。
即ち、制御部に依存することなく直接、出力電圧設定に、出力電圧値を設定できるので、設計の選択の幅が広げることができる。また、電源装置自体の構造が簡単にすることができ、電気機器の製造コストを低減できる。
次に、本発明の第三実施形態に係る電源装置を用いたコンピュータについて説明する。
図6には、本実施形態に係る電源装置10cを用いたコンピュータ1cを示している。
本実施形態の電源装置10cは、入力された電力を所定電圧の直流電力に変換して出力する第1から第nの電力変換器と、第1の電力変換器の出力から順に直列接続される第1から第n−1の抵抗と、これらの各抵抗の第1の電力変換器の出力方向後位に、各第2から第nの電力変換器が順に接続される接続部と、各接続部及び当接続部に接続された各電力変換器間に設けられ、電力変換器側にアノードが接続され、接続部側にカソードが接続されるダイオードとを備えている。
そして、第1〜第nのAC/DC変換ユニット101〜10nは、その出力電圧V1〜Vnが、上記実施形態と同様の制御部及び電圧可変回路(図示せず)により、V1>V2>・・・>Vnの関係になるように設定されている。
また、各AC/DC変換ユニット101〜10nは、出力する最大電流値Imaxを出力する構成としている。
また、各第1〜第n−1の抵抗132〜13nの抵抗値R1〜Rn−1は、前記第1〜第nの電圧変換器の最大電流出力Im1〜Imn及び各出力電圧V1〜Vnと、の関係が、下記式(1)を満たす値のものが用いられる。
本実施形態においては、各電圧変換器は、その最大電流出力が、Im1=Im2=・・・=Imn=Imaxに設定されている。また、Rk=(Vk−Vk−1)/k・Imaxとなっている。
まず、予め、制御部により、各AC/DC変換ユニット101〜10nの出力電圧が、V1>V2>・・・>Vnとなる関係に段階的に差を設ける。
まず、AC/DC変換ユニットのAC/DC変換回路141に商用電源が供給される。
AC/DC変換回路141は、商用電源のAC電力をDC電力に変換して出力電力可変回路に出力する。
そして、電源装置10は、上記と同様に動作する。
すなわち、第2〜第nのAC/DC変換ユニット102〜10nにおいて、第hのAC/DC変換ユニット10h(2≦h≦n)のダイオードが閉じており、しかも、このAC/DC変換ユニットの出力電流Ihが、最大出力電流Imaxに満たないときは(Ih<Imax)、次のようになる。
そのため、第tのAC/DC変換ユニット10tの出力11tが、第1のAC/DC変換ユニット101に並列接続される。
そのため、第1〜第hのAC/DC変換ユニット10hから電力が供給される。
そのため、第hのAC/DC変換ユニット10hより後位側のAC/DC変換ユニットからは、電力が供給されない。
また、第sのAC/DC変換ユニット10sより前位側の出力が、第sのAC/DC変換ユニット10s側に流れ込むことがない。
次に、本発明の第四実施形態に係る電源装置を用いたコンピュータについて説明する。
図7には、本実施形態の電源装置を用いたコンピュータを示している。
同図に示すように、本実施形態のコンピュータ1dに用いられる電源装置10dは、第一実施形態のものと異なり、各電力変換器が、DC/DC変換ユニット101a〜103aで構成されている。
その他の構成は、第一実施形態と同様の構成となっている。
本実施形態に係る電源装置10を用いたコンピュータ1は、DC/DC変換ユニットで、入力されたDC電力を変換して所定のDC電力にして出力する。
その他の作用は、第一実施形態と同様である。
このようにすると、電源装置10にDC電力が入力された場合にも、電力変換効率よく処理部20に電力を供給することができる。
例えば、各電力変換器から出力される最大出力電流をImaxとしたがこれに限定されるものでなく、別々の値であってもよい。
また、第一実施形態の変形例において、コンピュータが二つの電源装置を備える構成としたが、これに限定されるものでなく、電気機器が、複数の電源装置を備えてもよい。
また、第二実施形態において、ディップスイッチを、出力電圧設定回路が設けられた電力変換器と別体にしたが、各電力変換器に一体に設けてもよく、適宜設計変更して差支えない。
1b 電気機器
10〜10d 電源装置
101〜10n AC/DC変換ユニット(電力変換器)
122〜12n 接続部
132〜13n 抵抗
14 交流電源
14a 直流電源
141 AC/DC変換回路
142 電圧可変回路
143 出力電圧設定回路
15 制御部
162〜16n ダイオード
20 処理部
20a 負荷
Claims (6)
- 直流電力を負荷に供給する電源装置であって、
入力された電力を所定電圧の直流電力に変換して出力する第1から第nの電力変換器と、
前記第2から第nの電力変換器を、前記負荷の消費電力に応じて、前記第1電力変換器に、順次並列接続する接続手段とを備え、
前記接続手段が、
前記第1の電力変換器の出力から順に直列接続される第1から第n−1の抵抗と、これらの各抵抗の前記第1の電力変換器の出力方向後位に設けられた、前記各第2から第nの電力変換器が順に接続される接続部と、該各接続部及び当該接続部に接続された各電力変換器間に設けられ、前記電力変換器側にアノードが接続され、前記接続部側にカソードが接続されるダイオードと、を備え、
前記第1〜第nの各電力変換器が、出力電圧を可変する出力電圧可変回路を備えるとともに、前記各出力電圧可変回路に任意の出力電圧を設定する出力電圧設定手段を備え、
前記出力電圧設定手段により、前記第1〜第nの各電力変換器の出力電圧の出力電圧値V 1 〜V n の関係が、電力をV 1 >V 2 >・・・>V n になるように前記出力電圧可変回路の出力電圧が設定され、
前記第1〜第n−1の抵抗の各抵抗値R 1 〜R n−1 の関係が、R 1 >R 2 >・・・>R n−1 であり、
前記第1〜第n−1の抵抗の各抵抗値R 1 〜R n−1 と、前記第1〜第nの電力変換器の最大電流出力値Im 1 〜Im n 及び各出力電圧値V 1 〜V n と、の関係が、下記式(1)となることを特徴とする電源装置。
- 前記出力電圧設定手段が、前記各電力変換器に備えられて前記出力電圧可変回路の出力電圧に対応する値を保持する出力電圧値保持部と、該出力電圧設定回路に任意の値を保持させる制御部とを備え、
前記出力電圧可変回路が、前記出力電圧値保持部が保持した値に基づいて所定の出力電圧を出力する請求項1記載の電源装置。 - 交流電力の入力部を備え、
前記各電力変換器が、前記入力部に接続されるとともに前記電圧可変回路に直流電力を出力するAC/DC変換回路を備える請求項1又は2記載の電源装置。 - 入力された電力を所定電圧の直流電力に変換して出力する第1から第nの電力変換器を、負荷に接続する電力接続回路であって、
前記第2から第nの電力変換器を、前記負荷の消費電力に応じて、前記第1の電力変換器に、順次並列接続する接続手段を備え、
前記接続手段が、
前記第1の電力変換器の出力から順に直列接続される第1から第n−1の抵抗と、これらの各抵抗の前記第1の電力変換器の出力方向後位に設けられた、前記各第2から第nの電力変換器が順に接続される接続部と、該各接続部及び当該接続部に接続された各電力変換器間に設けられ、前記電力変換器側にアノードが接続され、前記接続部側にカソードが接続されるダイオードと、を備え、
前記第1〜第nの各電力変換器が、出力電圧を可変する出力電圧可変回路を備えるとともに、前記各出力電圧可変回路に任意の出力電圧を設定する出力電圧設定手段を備え、
前記出力電圧設定手段により、前記第1〜第nの各電力変換器の出力電圧の出力電圧値V 1 〜V n の関係が、電力をV 1 >V 2 >・・・>V n になるように前記出力電圧可変回路の出力電圧が設定され、
前記第1〜第n−1の抵抗の各抵抗値R 1 〜R n−1 の関係が、R 1 >R 2 >・・・>R n−1 であり、
前記第1〜第n−1の抵抗の各抵抗値R 1 〜R n−1 と、前記第1〜第nの電力変換器の最大電流出力値Im 1 〜Im n 及び各出力電圧値V 1 〜V n と、の関係が、下記式(1)となることを特徴とする電力接続回路。
- 電源装置と、該電源装置から直流電力が供給されて作動する処理部とを備えるコンピュータであって、
前記電源装置として、請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置を用いることを特徴とするコンピュータ。 - 電源装置と、該電源装置から直流電力が供給される負荷とを備える電気機器であって、
前記電源装置として、請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置を用いることを特徴とする電気機器。
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