JP4862533B2 - 浮遊粒子測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、気体中に浮遊する浮遊粒子の種別および量を判断する浮遊粒子識別システムに関し、例えば、空気のダストモニタ、クリーンルームのパーティクルカウンタ、空気中の浮遊粒子分析装置などに適用するものである。
従来から、光学式の浮遊粒子測定システムとして、レーザ光源と、レーザ光源からの出射光を二分するビームスプリッタからなる分波器と、被検対象の空気が導入され分波器により二分された一方のレーザ光が照射される検出用セルと、検出用セル内の浮遊粒子による散乱光をコリメートする複数のレンズおよびスリットからなるレンズ系と、分波器により二分された他方のレーザ光を周波数偏移させる音響光学変調器からなる光変調器と、レンズ系および光変調器それぞれから出射されるレーザ光を合波するビームスプリッタからなる合波器と、合波器から出射されるレーザ光を受光する受光素子と、受光素子から出力されるビート信号を信号処理して浮遊粒子の大きさと量とを求める信号処理部とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記特許文献1に開示された浮遊粒子測定システムでは、レーザ光源と受波素子と信号処理部との他に、分波器、光変調器、レンズ系、合波器など多数の光学部品が必要であり、システムが複雑で大規模になるとともにコストが高くなってしまう。
また、上記特許文献1に開示された浮遊粒子測定システムでは、検出用セル内に被検対象の空気をポンプなどにより一定速度で導入する必要があるので、更にコストが高くなり、しかも、ポンプと検出用セルとの間のサンプリング用チューブの内壁面に浮遊粒子が付着して、測定精度が低下してしまうという問題があった。
これに対して、光学式の浮遊粒子測定システムとして、レーザ光源と、複数の鏡面を有し回転自在であるとともにレーザ光源の光軸方向に移動可能でありレーザ光源からのレーザ光を測定空間内において走査させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーにて反射されたレーザ光が測定空間内の浮遊粒子に衝突することにより生じた散乱光を受光するCCDカメラと、CCDカメラの前方に配置され矩形状の開口部を有するマスクと、CCDカメラから出力される画像データに基づいて所定体積中の浮遊粒子の量や大きさを求めるコンピュータからなる画像処理装置とを備えた浮遊粒子測定システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、上記特許文献2に開示された浮遊粒子測定システムでは、レーザ光源からのレーザ光の光軸方向および光軸方向の軸回りにポリゴンミラーを動かすことによりレーザ光を走査するように構成されているので、測定空間を広くでき、ポンプやサンプリング用チューブが不要となり、測定精度を高めることが可能となる。
特開昭63−63944号公報(第3頁右下欄第10行〜第4頁右下欄第7行および第1図) 特開平7−229826号公報(段落〔0025〕〜〔0030〕および図1)
しかしながら、上記特許文献2に開示された浮遊粒子測定システムでは、レーザ光源からのレーザ光を走査するためのポリゴンミラーおよび当該ポリゴンミラーを駆動する駆動装置を含めた走査手段、散乱孔を受光する受光部が2次元アレイ状に配列されたCCDカメラ、画像処理装置などが必要なので、システム構成が複雑で高価なシステムとなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、システム構成が簡単で低コスト化が可能な浮遊粒子測定システムを提供することにある。
請求項1の発明は、超音波を送波可能な音源と、音源から周波数の異なる複数種の超音波が順次送波されるように音源を制御する制御部と、音源から送波された超音波の音圧を検出する受波素子と、受波素子の出力に基づいて音源と受波素子との間の測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別および量を判断する信号処理部とを備え、信号処理部は、測定空間に存在する浮遊粒子の種別および濃度に応じた音源の出力周波数と受波素子の出力の減衰率との関係データを記憶した記憶手段と、音源から送波された各周波数の超音波ごとの受波素子の出力と記憶手段に記憶されている関係データとを用いて測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別を識別する浮遊粒子識別手段とを有することを特徴とする。
この発明によれば、音源から送波された超音波の音圧を検出する受波素子の出力に基づいて測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別および量を判断する信号処理部を備え、信号処理部では、浮遊粒子識別手段において、音源から送波された各周波数の超音波ごとの受波素子の出力と記憶手段に記憶されている関係データとを用いて監視空間に浮遊している浮遊粒子の種別を識別するので、音源と、制御部と、受波素子と、信号処理部とで測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別および量を測定することができ、従来の光学式の浮遊粒子測定システムに比べて、システム構成が簡単になるとともに低コスト化が可能になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制御部は、前記音源から周波数の異なる2種類の超音波を順次送波させることを特徴とする。
この発明によれば、3種類以上の超音波を順次送波させる場合に比べて、前記制御部および前記信号処理部の負担を軽減できるとともに前記制御部および前記信号処理部の簡略化を図れる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記制御部は、前記音源から送波させる超音波の周波数を所定の周波数範囲の下限周波数から上限周波数まで変化させることを特徴とする。
この発明によれば、前記浮遊粒子識別手段での浮遊粒子の種別の識別精度を高めることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記信号処理部は、定期的に、所定周波数の超音波に対する前記受波素子の出力に基づいて前記制御部による前記音源の制御条件と前記受波素子の出力の信号処理条件との少なくとも一方を変更することを特徴とする。
この発明によれば、前記音源の出力変動や前記受波素子の感度変動を定期的にキャンセルすることが可能となり、長期的な信頼性が高くなる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記音源は、発熱体部への通電に伴う発熱体部の温度変化により空気に熱衝撃を与えることで超音波を発生する音波発生素子であることを特徴とする。
この発明によれば、前記音源から残響の少ない単パルス状の超音波を送波させることが可能となる。また、単一の音波発生素子で超音波の周波数を可変できるので、反射波の干渉を抑制でき、且つ、連続的に周波数を変化させることができるから、リアルタイム計測の点で有利であり、前記測定空間の空気環境が変化しやすい場合に特に有利である。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記制御部は、前記音源から超音波として単パルス状の超音波を送波させることを特徴とする。
この発明によれば、前記受波素子が反射波による干渉を受けにくくなり、前記浮遊粒子識別手段での識別精度を高めることができる。また、反射波の影響を受けにくくなるので、前記測定空間の設計が容易になり、反射波の影響を考慮することなく測定空間を自由に設計することが可能となる。
請求項1の発明では、従来の光学式の浮遊粒子測定システムに比べて、システム構成が簡単になるとともに低コスト化が可能になるという効果がある。
本実施形態の浮遊粒子測定システムは、図1に示すように、超音波を送波可能な音源1と、音源1を制御する制御部2と、音源1から送波された超音波の音圧を検出する受波素子3と、受波素子3の出力に基づいて音源1と受波素子3との間の測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別および量を判断する信号処理部4とを備えている。ここにおいて、音源1と受波素子3とは、図2に示すように、円板状のプリント基板からなる回路基板5の一表面側において互いに離間して対向配置されており、回路基板5に制御部2および信号処理部4が設けられている。ここで、受波素子3の周辺には、音源1以外で発生した超音波が受波素子3に入射するのを阻止する遮音板からなる遮音壁6が設けられている。また、回路基板5の上記一表面には、音源1から送波された超音波の反射を防止する吸音層(図示せず)が設けられているので、音源1から送波された超音波が回路基板5で反射して受波素子3に入射するのを防止することができて、反射波の干渉を防止することができ、特に、音源1から送波させる超音波として連続波を用いる場合に有効である。なお、本実施形態では、回路基板5が、音源1と受波素子3とが一表面側に実装されたベース部材を構成している。
本実施形態では、音源1として、後述のように空気に熱衝撃を与えることで超音波を発生させる音波発生素子を用いることで、圧電素子に比べて残響時間が短い超音波を送波するようにし、かつ、受波素子3として共振特性のQ値が圧電素子に比べて十分に小さく受波信号に含まれる残響成分の発生期間が短い静電容量型のマイクロホンを用いている。
ここにおいて、音源1は、図3に示すように、単結晶のp形のシリコン基板からなるベース基板11の一表面(図3における上面)側に多孔質シリコン層からなる熱絶縁層(断熱層)12が形成され、熱絶縁層12の表面側に発熱体部として金属薄膜からなる発熱体層13が形成され、ベース基板11の上記一表面側に発熱体層13と電気的に接続された一対のパッド14,14が形成されている。なお、ベース基板11の平面形状は長方形状であって、熱絶縁層12、発熱体層13それぞれの平面形状も長方形状に形成してある。また、ベース基板11の上記一表面側において熱絶縁層12が形成されていない部分の表面にはシリコン酸化膜からなる絶縁膜(図示せず)が形成されている。
上述の音源1では、発熱体層13の両端のパッド14,14間に通電して発熱体層13に急激な温度変化を生じさせると、発熱体層13に接触している空気(媒質)に急激な温度変化(熱衝撃)が生じる(つまり、発熱体層13に接触している空気に熱衝撃が与えられる)。したがって、発熱体層13に接触している空気は、発熱体層13の温度上昇時には膨張し発熱体層13の温度下降時には収縮するから、発熱体層13への通電を適宜に制御することによって空気中を伝搬する超音波を発生させることができる。要するに、音源1を構成する音波発生素子は、発熱体層13への通電に伴う発熱体層13の急激な温度変化を媒質の膨張収縮に変換することにより媒質を伝搬する超音波を発生するので、圧電素子のように機械的振動により超音波を発生する場合に比べて、残響の少ない単パルス状の超音波を送波させることができる。
上述の音源1は、ベース基板11としてp形のシリコン基板を用いており、熱絶縁層12を多孔度が略60〜略70%の多孔質シリコン層からなる多孔質層により構成しているので、ベース基板11として用いるシリコン基板の一部をフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液からなる電解液中で陽極酸化処理することにより熱絶縁層12となる多孔質シリコン層を形成することができる(ここで、陽極酸化処理により形成された多孔質シリコン層は、結晶粒径がナノメータオーダの微結晶シリコンからなるナノ結晶シリコンを多数含んでいる)。多孔質シリコン層は、多孔度が高くなるにつれて熱伝導率および熱容量が小さくなるので、熱絶縁層12の熱伝導度および熱容量をベース基板11の熱伝導度および熱容量に比べて小さくし、熱絶縁層12の熱伝導度と熱容量との積をベース基板11の熱伝導度と熱容量との積に比べて十分に小さくすることにより、発熱体層13の温度変化を空気に効率よく伝達することができ発熱体層13と空気との間で効率的な熱交換が起こり、かつ、ベース基板11が熱絶縁層12からの熱を効率良く受け取って熱絶縁層12の熱を逃がすことができて発熱体層13からの熱が熱絶縁層12に蓄積されるのを防止することができる。なお、熱伝導率が148W/(m・K)、熱容量が1.63×10J/(m・K)の単結晶のシリコン基板を陽極酸化して形成される多孔度が60%の多孔質シリコン層は、熱伝導率が1W/(m・K)、熱容量が0.7×10J/(m・K)であることが知られている。本実施形態では、熱絶縁層12を多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成してあり、熱絶縁層12の熱伝導率が0.12W/(m・K)、熱容量が0.5×10J/(m・K)となっている。
発熱体層13は、高融点金属の一種であるタングステンにより形成してあるが、発熱体層13の材料はタングステンに限らず、例えば、タンタル、モリブデン、イリジウム、アルミニウムなどを採用してもよい。また、上述の音源1では、ベース基板11の厚さを300〜700μm、熱絶縁層12の厚さを1〜10μm、発熱体層13の厚さを20〜100nm、各パッド14の厚さを0.5μmとしてあるが、これらの厚さは一例であって特に限定するものではない。また、ベース基板11の材料としてSiを採用しているが、ベース基板11の材料はSiに限らず、例えば、Ge,SiC,GaP,GaAs,InPなどの陽極酸化処理による多孔質化が可能な他の半導体材料でもよく、いずれの場合にも、ベース基板11の一部を多孔質化することで形成した多孔質層を熱絶縁層12とすることができる。
上述のように音源1は、一対のパッド14,14を介した発熱体層13への通電に伴う発熱体層13の温度変化に伴って超音波を発生するものであり、発熱体層13へ与える駆動電圧波形あるいは駆動電流波形からなる駆動入力波形を例えば周波数がf1の正弦波波形とした場合、理想的には、発熱体層13で生じる温度振動の周波数が駆動入力波形の周波数f1の2倍の周波数f2となり、駆動入力波形f1の略2倍の周波数の超音波を発生させることができる。すなわち、上述の音源1は、平坦な周波数特性を有しており、発生させる超音波の周波数を広範囲にわたって変化させることができる。また、上述の音源1では、例えば正弦波波形の半周期の孤立波を駆動入力波形として一対のパッド14,14間へ与えることによって、残響の少ない略1周期の単パルス状の超音波を発生させることができる。このような単パルス状の超音波を用いることにより、反射による干渉が起こりにくくなるので、上記吸音層を不要にすることもできる。また、音源1は、熱絶縁層12が多孔質層により構成されているので、熱絶縁層12が非多孔質層(例えば、SiO膜など)からなる場合に比べて、熱絶縁層12の断熱性が向上して超音波発生効率が高くなり、低消費電力化を図れる。
音源1を制御する制御部2は、図示していないが、音源1に駆動入力波形を与えて音源1を駆動する駆動回路と、当該駆動回路を制御するマイクロコンピュータからなる制御回路とで構成されている。
また、上述の受波素子3を構成する静電容量型のマイクロホンは、図4に示すように、シリコン基板に厚み方向に貫通する窓孔31aを設けることで形成された矩形枠状のフレーム31と、フレーム31の一表面側においてフレーム31の対向する2つの辺に跨る形で配置されるカンチレバー型の受圧部32とを備えている。ここにおいて、フレーム31の一表面側には熱酸化膜35と熱酸化膜35を覆うシリコン酸化膜36とシリコン酸化膜36を覆うシリコン窒化膜37とが形成されており、受圧部32の一端部がシリコン窒化膜37を介してフレーム31に支持され、他端部が上記シリコン基板の厚み方向においてシリコン窒化膜37に対向している。また、シリコン窒化膜37における受圧部32の他端部との対向面に金属薄膜(例えば、クロム膜など)からなる固定電極33aが形成され、受圧部32の他端部におけるシリコン窒化膜37との対向面とは反対側に金属薄膜(例えば、クロム膜など)からなる可動電極33bが形成されている。なお、フレーム31の他表面にはシリコン窒化膜38が形成されている。また、受圧部32は、上記各シリコン窒化膜37,38とは別工程で形成されるシリコン窒化膜により構成されている。
図4に示した構成の静電容量型のマイクロホンからなる受波素子3では、固定電極33aと可動電極33bとを電極とするコンデンサが形成されるから、受圧部32が超音波(疎密波)の圧力を受けることにより固定電極33aと可動電極33bとの間の距離が変化し、固定電極33aと可動電極33bとの間の静電容量が変化する。したがって、固定電極33aおよび可動電極33bに設けたパッド(図示せず)間に直流バイアス電圧を印加しておけば、パッドの間には超音波の音圧に応じて微小な電圧変化が生じるから、超音波の音圧を電気信号に変換することができる。
ところで、本願発明者らは、音源1と受波素子3との間の測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別に応じて図5に示すように音源1の出力周波数と音圧の減衰率(煙濃度%/m)との関係が異なるという知見を得た。図5中の「イ」は浮遊粒子が白煙の煙粒子である場合の出力周波数と音圧の減衰率(煙濃度%/m)との関係を示す近似直線(黒丸が測定データ)、「ロ」は浮遊粒子が黒煙の煙粒子である場合の出力周波数と音圧の減衰率(煙濃度%/m)との関係を示す近似直線(黒四角が測定データ)、「ハ」は浮遊粒子が湯気の粒子である場合の出力周波数と音圧の減衰率(煙濃度%/m)との関係を示す近似直線(黒三角が測定データ)であり、減衰率(煙濃度%/m)は、各出力周波数ごとの受波素子3の出力の基準値に対する減衰量を用いて求めた値である。なお、図5は、音源1と受波素子3との間の距離を30cmに設定した場合のデータである。また、図5における右端の各データは、出力周波数が82kHzのときのデータであり、出力周波数が82kHzのときのデータを1として各出力周波数の減衰率を規格化した結果を図6に示す。要するに、図6は、横軸が出力周波数、縦軸が相対的減衰率となっている。また、白煙の煙粒子のサイズは800nm程度、黒煙の煙粒子のサイズは200nm程度、湯気の粒子のサイズは数μm〜20μm程度である。
上述の知見に基づいて、本実施形態では、制御部2が、音源1から周波数の異なる複数種の超音波が順次送波されるように音源1を制御するようにし、信号処理部4は、音源1と受波素子3との間の上記測定空間に存在する浮遊粒子の種別および濃度に応じた音源1の出力周波数と受波素子3の出力の減衰率との関係データ(上述の図5の近似直線「イ」,「ロ」,「ハ」それぞれのデータ)を記憶した記憶手段43と、音源1から送波された各周波数の超音波ごとの受波素子3の出力と記憶手段43に記憶されている関係データとを用いて上記測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別を識別する浮遊粒子識別手段41と、浮遊粒子識別手段41にて識別された浮遊粒子の種別に応じ特定周波数(例えば、82kHz)の超音波に対する受波素子3の出力の基準値からの減衰量に基づいて上記測定空間の浮遊粒子の濃度(例えば、煙濃度)および量を推定する浮遊粒子濃度推定手段42とを有するようにしてある。
ここにおいて、記憶手段43には、上述の出力周波数と受波素子3の出力の減衰率との関係データの他に、浮遊粒子の種別ごとの浮遊粒子の濃度と特定周波数の超音波の減衰率との関係データが記憶されているので、浮遊粒子濃度推定手段42では、受波素子3の出力の基準値からの減衰量に基づいて浮遊粒子の濃度と特定周波数の超音波の減衰率との関係データを利用することで上記測定空間の浮遊粒子の濃度および量を推定することができる。ここで、浮遊粒子が白煙の煙粒子の場合の煙濃度と特定周波数の超音波の減衰率との関係データは、図7に示すような直線で示すことのできるデータであり、浮遊粒子が黒煙の煙粒子である場合の煙濃度と特定周波数の超音波の減衰率との関係データも同様に直線で示すことのできるデータである。なお、信号処理部4は、マイクロコンピュータにより構成されており、浮遊粒子識別手段41および浮遊粒子濃度推定手段42は、上記マイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより実現されている。また、信号処理部4は、受波素子3の出力信号をアナログ−ディジタル変換するA/D変換器などが設けられている。また、本実施形態では、浮遊粒子濃度推定手段42が特定周波数として1周波数を対象としているが、特定周波数として複数の周波数を対象とし、各特定周波数ごとに推定した浮遊粒子の濃度の平均値を求めるようにしてもよい。
本実施形態では、音源1として上述の音波発生素子を1つだけ用いており、上述の制御部2は、音源1へ与える駆動入力波形の周波数を順次変化させることにより、音源1から周波数の異なる複数種の超音波を順次送波させる。ここにおいて、制御部2は、音源1から送波させる超音波の周波数を所定の周波数範囲(例えば、20kHz〜82kHz)の下限周波数(例えば、20kHz)から上限周波数(例えば、82kHz)まで変化させるので、浮遊粒子の種別の識別精度を高めることができる。ここで、上記関係データに関し浮遊粒子の種別のパラメータとして、浮遊粒子の材質およびサイズを設定し、浮遊粒子の材質およびサイズから決まる浮遊粒子の種別ごとに上記関係データを記憶させておけば、より多くの周波数の超音波を順次送波させることにより、測定精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、音源1から周波数の異なる4種類の超音波が順次送波されるように制御部2が音源1を制御するように構成してあるが、音源1から送波させる超音波の周波数は4種類に限らず複数種類であればよく、例えば、2種類とすれば、3種類以上の超音波を順次送波させる場合に比べて、制御部2および信号処理部4の負担を軽減できるとともに制御部2および信号処理部4の簡略化を図れる。また、本実施形態では、音源1として上述の音波発生素子を用いており、単パルス状の超音波を送波することができるので、順次送波する超音波をそれぞれ周波数の異なる単パルス状の超音波とすれば、音源1として共振周波数の異なる複数の圧電素子を用いて各圧電素子から連続波の超音波を送波させる場合に比べて、低コスト化および低消費電力化を図れる。また、単一の音波発生素子で超音波の周波数を可変できるので、反射波の干渉を抑制でき、且つ、連続的に周波数を変化させることができるから、リアルタイム計測の点で有利であり、上記測定空間の空気環境が変化しやすい場合に特に有利である。また、制御部2が音源1から超音波として単パルス状の超音波を送波させるようにすれば、受波素子3が反射波による干渉を受けにくくなり、浮遊粒子識別手段41での識別精度を高めることができる。また、反射波の影響を受けにくくなるので、上記測定空間の設計が容易になり、反射波の影響を考慮することなく上記測定空間を自由に設計することが可能となる。
以上説明した本実施形態の浮遊粒子測定システムでは、音源1から送波された超音波の音圧を検出する受波素子3の出力に基づいて上記測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別および量を判断する信号処理部4を備え、信号処理部4では、浮遊粒子識別手段41において、音源1から送波された各周波数の超音波ごとの受波素子3の出力と記憶手段43に記憶されている関係データとを用いて上記測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別を識別するので、音源1と、制御部2と、受波素子3と、信号処理部4とで測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別および量を測定することができ、従来の光学式の浮遊粒子測定システムに比べて、システム構成が簡単になるとともに低コスト化が可能になる。
また、信号処理部4は、定期的に、所定周波数(例えば、上述の特定周波数と同じ82kHz)の超音波に対する受波素子3の出力に基づいて、音源1の出力変動や受波素子3の感度変動がキャンセルされるように制御部2による音源1の制御条件と受波素子3の出力の信号処理条件との少なくとも一方を変更させる変動キャンセル手段44を有しており、音源1の出力変動や受波素子3の感度変動を定期的にキャンセルすることが可能となり、長期的な信頼性が高くなる。
なお、上記実施形態では、音源1と制御部2と受波素子3と信号処理部4とを1枚の回路基板5に設けて図示しない器体内に収納してあるが、音源1と制御部2とを備えた音源側ユニットと、受波素子3と信号処理部4とを備えた受波側ユニットとを別体として互いに対向配置する分離型の構成としてもよい。また、音源1は上述の図3に示した構成の音波発生素子に限らず、例えば、アルミニウム製の薄板を発熱体部として当該発熱体部への通電に伴う発熱体部の急激な温度変化による熱衝撃によって音波を発生させるものでもよい。また、上記実施形態では、音源1を1つの音波発生素子により構成してあるが、互いに出力周波数の異なる複数の圧電素子を用いてもよい。
実施形態の浮遊粒子測定システムのブロック図である。 同上における浮遊粒子測定システムの要部を示し、(a)は概略下面図、(b)は概略側面図である。 同上における音源を構成する音波発生素子の概略断面図である。 同上における受波素子を示し、(a)は一部破断した概略斜視図、(b)は概略断面図である。 同上における音源の出力周波数と音圧の減衰率との関係図である。 同上における音源の出力周波数と相対的減衰率との関係図である。 同上における煙濃度と特定周波数の超音波の減衰率との関係図である。
符号の説明
1 音源
2 制御部
3 受波素子
4 信号処理部
11 ベース基板
12 熱絶縁層
13 発熱体層(発熱体部)
14 パッド
41 浮遊粒子識別手段
42 浮遊粒子濃度推定手段
43 記憶手段
44 変動キャンセル手段

Claims (6)

  1. 超音波を送波可能な音源と、音源から周波数の異なる複数種の超音波が順次送波されるように音源を制御する制御部と、音源から送波された超音波の音圧を検出する受波素子と、受波素子の出力に基づいて音源と受波素子との間の測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別および量を判断する信号処理部とを備え、信号処理部は、測定空間に存在する浮遊粒子の種別および濃度に応じた音源の出力周波数と受波素子の出力の減衰率との関係データを記憶した記憶手段と、音源から送波された各周波数の超音波ごとの受波素子の出力と記憶手段に記憶されている関係データとを用いて測定空間に浮遊している浮遊粒子の種別を識別する浮遊粒子識別手段とを有することを特徴とする浮遊粒子測定システム。
  2. 前記制御部は、前記音源から周波数の異なる2種類の超音波を順次送波させることを特徴とする請求項1記載の浮遊粒子測定システム。
  3. 前記制御部は、前記音源から送波させる超音波の周波数を所定の周波数範囲の下限周波数から上限周波数まで変化させることを特徴とする請求項1記載の浮遊粒子測定システム。
  4. 前記信号処理部は、定期的に、所定周波数の超音波に対する前記受波素子の出力に基づいて前記制御部による前記音源の制御条件と前記受波素子の出力の信号処理条件との少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の浮遊粒子測定システム。
  5. 前記音源は、発熱体部への通電に伴う発熱体部の温度変化により空気に熱衝撃を与えることで超音波を発生する音波発生素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の浮遊粒子測定システム。
  6. 前記制御部は、前記音源から超音波として単パルス状の超音波を送波させることを特徴とする請求項5記載の浮遊粒子測定システム。
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