JP2009253241A - レーザマイクロホン - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体レーザを用いた簡単な構成で高感度に音波を検出可能なレーザマイクロホンを提供する。
【解決手段】レーザマイクロホン1は、レーザ光を出射する半導体レーザ素子10と、半導体レーザ素子1とは音波が伝播する媒質である空気を介して離隔配置され且つ半導体レーザ素子10から出射されたレーザ光を反射してその一部分を半導体レーザ素子10内へ導入する反射板50と、半導体レーザ素子10内のレーザ光と反射板50からの反射光との自己結合効果により生じた出力光を受光して電気信号に変換する受光手段としてのフォトダイオード30とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】レーザマイクロホン1は、レーザ光を出射する半導体レーザ素子10と、半導体レーザ素子1とは音波が伝播する媒質である空気を介して離隔配置され且つ半導体レーザ素子10から出射されたレーザ光を反射してその一部分を半導体レーザ素子10内へ導入する反射板50と、半導体レーザ素子10内のレーザ光と反射板50からの反射光との自己結合効果により生じた出力光を受光して電気信号に変換する受光手段としてのフォトダイオード30とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明はマイクロホンに関し、より詳細には、半導体レーザを用いて音波を検出するレーザマイクロホンに関する。
従来、音波及び超音波の検出もしくは測定には、電磁型マイクロホン、静電型マイクロホン、圧電素子などのように、電気機械的な原理に基づくものが良く知られている。これらのマイクロホン類は、機械的な振動を電気信号に変換しているため、検出可能な周波数が制限されるという問題がある。危険な場所や高電磁界環境下、あるいは、防爆地域などへ適用することが困難であった。また、この種のマイクロホンは、固定された物体を集音場所に設置しなければならないので、音場を乱したり、設置条件に制約を受けたりすることも多いという問題がある。
一方、上述したような問題点に鑑みて、従来、レーザ光線が音波と接触することにより発生する回折波ないしは偏向波を利用した光マイクロホンが提案されている(例えば、特許文献1等参照。)。
特開2007−194677号公報
しかしながら、上述した従来の光マイクロホンには、音波による光の回折効率が10−4レベルと低く、感度が悪いという欠点がある。また、音波検出のために用いるフーリエ変換光学系を光学ベンチ上に設置する必要があるため光軸調整が困難であり、外部振動に弱い等実用的でないという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、半導体レーザを用いた簡単な構成で高感度に音波を検出可能なレーザマイクロホンを提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子とは音波が伝播する媒質を介して離隔配置され且つ前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射してその一部分を前記半導体レーザ素子内へ導入する反射体と、
前記半導体レーザ素子内のレーザ光と前記反射体からの反射光との自己結合効果により生じた出力光を受光して電気信号に変換する受光手段と
を備えたことを特徴とするレーザマイクロホン。
前記半導体レーザ素子とは音波が伝播する媒質を介して離隔配置され且つ前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射してその一部分を前記半導体レーザ素子内へ導入する反射体と、
前記半導体レーザ素子内のレーザ光と前記反射体からの反射光との自己結合効果により生じた出力光を受光して電気信号に変換する受光手段と
を備えたことを特徴とするレーザマイクロホン。
手段1によれば、半導体レーザ素子がレーザ光を出射すると、半導体レーザ素子とは音波(超音波を含む)が伝播する気体、液体又は固体等の媒質を介して離隔配置された反射体が、半導体レーザ素子からのレーザ光を反射してその一部を半導体レーザ素子内へ導入する。
ここで、半導体レーザ素子と反射体との間に存在する媒質を音波が伝播すると、粗密波である音波によって媒質の屈折率が変化するため、反射光は、媒質を通過することによって位相が変化する。この反射光の一部分が半導体レーザ素子内に導入されると、半導体レーザ素子内で発生したレーザ光と干渉する自己結合効果により出力光に変化が生じる。そして、受光手段は、この出力光を受光して電気信号に変換し、音波検出信号として出力する。
従って、本発明のレーザマイクロホンによれば、簡単且つ安価な構成で、半導体レーザ素子の自己結合効果を利用して高感度に音波を検出することができる。すなわち、従来のマイクロホンのように機械的振動板が不要なので、測定回路の周波数特性が満たされれば、1Hz以下の極低周波から、数百MHzの高周波まで一つのレーザマイクロホンにより周波数特性のないフラットな音波検出を行うことができる。また、振動板が不要であるので、衝撃波が加わるジェット気流中や、高電界、高磁界中等の悪環境下の場所であっても使用可能である。
また、音場と非接触で音波を検出できるので、音場を乱すことがない。すなわち、レーザ光を透過させる空間部があれば、半導体レーザ素子や反射板体を音場の外に配置することが可能である。
また、本手段のレーザマイクロホンは指向性を有しないので、レーザ光の光軸と直角方向をなす平面内で360度の指向性を持たせることが可能である。
2.レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子とは音波が伝播する媒質を介して離隔配置され且つ前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射してその一部分を前記半導体レーザ素子内へ導入する反射体と、
前記半導体レーザ素子内のレーザ光と前記反射体からの反射光との自己結合効果により生じた前記半導体レーザ素子の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と
を備えたことを特徴とするレーザマイクロホン。
前記半導体レーザ素子とは音波が伝播する媒質を介して離隔配置され且つ前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射してその一部分を前記半導体レーザ素子内へ導入する反射体と、
前記半導体レーザ素子内のレーザ光と前記反射体からの反射光との自己結合効果により生じた前記半導体レーザ素子の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と
を備えたことを特徴とするレーザマイクロホン。
手段2によれば、半導体レーザ素子がレーザ光を出射すると、半導体レーザ素子とは音波(超音波を含む)が伝播する気体、液体又は固体等の媒質を介して離隔配置された反射体が、半導体レーザ素子からのレーザ光を反射してその一部を半導体レーザ素子内へ導入する。
ここで、半導体レーザ素子と反射体との間に存在する媒質を音波が伝播すると、粗密波である音波によって媒質の屈折率が変化するため、反射光は、媒質を通過することによって位相が変化する。この反射光の一部分が半導体レーザ素子内に導入されると、半導体レーザ素子内で発生したレーザ光と干渉して生じる自己結合効果により半導体レーザ素子の端子電圧が変化する。そして、端子電圧検出手段は、この半導体レーザ素子における端子電圧の変化を検出し、音波検出信号として出力する。
従って、本発明のレーザマイクロホンによれば、簡単且つ安価な構成で、半導体レーザ素子の自己結合効果を利用して高感度に音波を検出することができる。すなわち、従来のマイクロホンのように機械的振動板が不要なので、測定回路の周波数特性が満たされれば、1Hz以下の極低周波から、数百MHzの高周波まで一つのレーザマイクロホンにより周波数特性のないフラットな音波検出を行うことができる。また、振動板が不要であるので、衝撃波が加わるジェット気流中や、高電界、高磁界中等の悪環境下の場所であっても使用可能である。
また、音場と非接触で音波を検出できるので、音場を乱すことがない。すなわち、レーザ光を透過させる空間部があれば、半導体レーザ素子や反射板体を音場の外に配置することが可能である。
また、本手段のレーザマイクロホンは指向性を有しないので、レーザ光の光軸と直角方向をなす平面内で360度の指向性を持たせることが可能である。
3.前記反射体は、回帰型反射体からなることを特徴とする手段1に記載のレーザマイクロホン。
手段2によれば、反射体が回帰型反射体からなり、±45°以内で入射された光に対しても入射方向へ反射光が戻るので、光軸調整が容易である。また、半導体レーザ素子内へ導入される反射光の量が多くなるので、自己結合効果によって生じる出力光及び端子電圧の変化が大きくなり、信号処理を行うことなく高感度に音波を検出することが可能となる。例えば、普通の会話程度で数十mVの出力を得ることができ、通常のオーディオ用アンプに接続することにより簡単に音声を聞くことが出来る。
4.前記回帰型反射体は、コーナキューブからなることを特徴とする手段3に記載のレーザマイクロホン。
手段4によれば、回帰型反射体がコーナキューブからなるので、簡単且つ安価な構成で半導体レーザ素子内へ導入される反射光の量を多くすることができる。
5.前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を集光して平行ビームに変換する集光光学系を備えたことを特徴とする手段1乃至4のいずれか1つに記載のレーザマイクロホン。
手段5によれば、集光光学系は、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を集光して平行ビームに変換するので、反射体によって半導体レーザ素子内へ導入される反射光の量が多くなって、自己結合効果によって生じる出力光及び端子電圧の変化が大きくなることにより、一層高感度に音波を検出することが可能となる。
6.前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射して前記反射体へ到達させると共に、前記反射体からの反射光を反射して前記半導体レーザ素子へ戻す反射光学系を備えたことを特徴とする手段1乃至5のいずれか1つに記載のレーザマイクロホン。
手段6によれば、反射光学系が、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射して反射体へ到達させると共に、反射体からの反射光を反射して半導体レーザ素子内へ導入するので、一つの半導体レーザ素子を用いた簡単且つ安価な構成で、広い場所で音源からの距離によることなく高感度に音波を検出することが可能となる。
本発明によれば、簡単且つ安価な構成で、半導体レーザ素子の自己結合効果を利用して高感度に音波を検出することができる。
以下、本発明のレーザマイクロホンを具体化した各実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第一の実施形態のレーザマイクロホン1の概略構成を示す図である。図2は、回帰型反射体の反射作用を説明するための模式図である。
レーザマイクロホン1は、図1に示すように、半導体レーザ素子10と、駆動回路20と、フォトダイオード30と、レンズ40と、反射板50と、測定回路60とを備えて構成されている。尚、フォトダイオード30が、本発明の受光手段を、レンズ40が集光光学系を、反射板50が反射体をそれぞれ構成するものである。
半導体レーザ素子10は、発光層である活性層をN型とP型のクラッド層ではさんで接合してなる半導体ヘテロ構造によってレーザ光を誘導放出する公知のレーザ素子である。半導体レーザ素子10として、任意の出力及び波長のレーザ光を出射するものを採用可能であるが、例えば、出力10mW、波長780nmのものを用いてもよい。尚、半導体レーザ素子10では、活性層の両側の端面からレーザ光が出射される。
レーザ駆動回路20は、半導体レーザ素子10を駆動するための定電流源回路である。
フォトダイオード30は、受光した光の強度によって電流が変化する公知の光電変換素子である。フォトダイオード30は、半導体レーザ素子10の活性層(発光層)に対してレンズ40側とは反対側の端面に隣接して配置され、半導体レーザ素子10における後述する自己結合効果による出力光を受光する。
レンズ40は、半導体レーザ素子10から出射されるレーザ光を集光して所定のスポット径の平行ビームに変換する集光光学系である。
反射板50は、±45°以内で入射された光に対しても、入射方向へ反射光が戻る回帰型反射体(再帰性反射体とも称される)である。反射板50としては、例えば、回帰型反射体の一種であって、三角反射板等の道路や車両の反射板として広く用いられるプラスチック製のコーナキューブ型反射体を好適に用いることができる。コーナキューブ型反射体は、プラスチック製の3枚の平面板を互いに直角に組み合わせて立方体の半分を形成したものであり、図2に示すように、レーザ光である入射光は平面板で2回の反射を繰り返した結果、反射光は入射方向へ戻る。
測定回路60は、フォトダイオード30における電流の変化を電圧に変換する電流−電圧変換回路である。
次に、レーザマイクロホン1の作用について説明する。レーザマイクロホン1は、半導体レーザの自己結合効果を用いて気体、液体又は固体中における粗密波である音波(超音波を含む)を直接、レーザ光により検出するように構成したものである。
ここで、まず、半導体レーザの自己結合効果について、図3を参照しつつ説明する。図3は、半導体レーザの自己結合効果を説明するための模式図である。半導体レーザの自己結合効果とは、半導体レーザ共振器(図1の半導体レーザ素子10に相当する)から出射したレーザ光が外部反射面(図1の反射板50に相当する)で散乱し、その一部がレーザ共振器内に戻り共振器内のレーザ光と干渉し、出力光が僅かに増減することである。尚、半導体レーザ共振器において、活性層の両端面が反射ミラーの役割を果たし、光は活性層内を往復して誘導放出により光増幅が行われる。
図3に示されるように、半導体レーザ共振器の出射面と外部反射面との距離Lがレーザの発振波長λの半波長の整数倍の時に出力が増加する。そして、外部反射面が微小振動した場合、出力光も同じ周期で振動するため、出力光を検出することによって振動を検出することができる。尚、本発明者らは、この原理を利用して波長λの数百分の一である数nmの微小振動の検出に成功している。
続いて、半導体レーザの自己結合効果を用いた音波の検出原理について説明する。図3で距離Lが一定の場合でも、外部共振器内の空気の屈折率nが変化すれば、実効的な波長が1/nに比例して変化するので、光出力が変化する。周知のように、音波は粗密波であり、音波が伝播している空間では、その粗密の程度に応じて媒質である空気の屈折率が変化する。ここで、1atmの空気の屈折率n−1=3×10−4は、1に比べて非常に小さく、普通の会話程度の音圧0.1Pa=10−6atmにおける屈折率変化は、3×10−10 程度と極めて小さいが、外部共振器内に立つ定在波の数はL=1mのとき、3×106と非常に多いので、全体としての位相変化は、3×10−10×3×106=10−3となり、自己結合効果を用いて十分検出できる量となる。
次に、レーザマイクロホン1において音波を検出する際の各部の作用について説明する。尚、以下の説明では、レーザマイクロホン1が空気中に設置されているものとする。
レーザ駆動回路20により半導体レーザ素子10を駆動すると、半導体レーザ素子10からレーザ光が出射される。レーザ光は、レンズ40によって集光されて平行ビームに変換され、音波入力空間Sを通過して反射板50に到達し、反射板50による反射光は、再び音波入力空間Sを通過してビーム入射方向へ戻る。ここで、音波入力空間Sでは粗密波である音波によって空気の屈折率が変化するため、反射光は、音波入力空間Sを通過することによって位相が変化する。そして、反射光の一部分がレンズ40を介して半導体レーザ素子10内に導入されると、半導体レーザ素子10内で発生するレーザ光と干渉する自己結合効果によって出力光に変化が生じる。
フォトダイオード30によって自己結合効果による出力光が受光されると、出力光の位相変化に伴う受光強度の変化に応じて電流が変化する。そして、測定回路60によって電流が電圧に変換されることにより音波検出信号が出力される。よって、測定回路60の出力側に市販のオーディオ用アンプ(図示せず)を接続して音波検出信号を送出することにより、音声を聞くことが可能となる。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態のレーザマイクロホン1は、レーザ光を出射する半導体レーザ素子10と、半導体レーザ素子1とは音波が伝播する媒質である空気を介して離隔配置され且つ半導体レーザ素子10から出射されたレーザ光を反射してその一部分を半導体レーザ素子10内へ導入する反射板50と、半導体レーザ素子10内のレーザ光と反射板50からの反射光との自己結合効果により生じた出力光を受光して電気信号に変換する受光手段としてのフォトダイオード30とを備えたことを特徴とする。
従って、本発明のレーザマイクロホン1によれば、簡単且つ安価な構成で、半導体レーザ素子10の自己結合効果を利用して高感度に音波を検出することができる。すなわち、従来のマイクロホンのように機械的振動板が不要なので、測定回路の周波数特性が満たされれば、1Hz以下の極低周波から、数百MHzの高周波まで一つのレーザマイクロホンにより周波数特性のないフラットな音波検出を行うことができる。また、振動板が不要であるので、衝撃波が加わるジェット気流中や、高電界、高磁界中等の悪環境下の場所であっても使用可能である。
また、音場と非接触で音波を検出できるので、音場を乱すことがない。すなわち、レーザ光を透過させる空間部があれば、半導体レーザ素子10や反射板50を音場の外に配置することが可能である。
また、レーザマイクロホン1は指向性を有しないので、レーザ光の光軸と直角方向をなす平面内で360度の指向性を持たせることが可能である。
また、反射板50として回帰型反射体を用いたので、光軸調整が容易であり、半導体レーザ素子10への戻り光が強く、音波の検出感度が高い。従って、普通の会話程度で数十mVの出力を得ることができ、信号処理の必要もなく、通常のオーディオ用アンプに接続すれば簡単に音声を聞くことが出来る。
また、集光光学系としてのレンズ40は、半導体レーザ素子10から出射されたレーザ光を集光して平行ビームに変換するので、反射板50によって半導体レーザ素子10内へ導入される反射光の量が多くなって、自己結合効果によって生じる出力光の変化が大きくなることにより、一層高感度に音波を検出することが可能となる。
また、ミラーを用いてレーザ光を張り巡らすことで、広い範囲の音を音源からの距離によらずに検出することも可能である。例えば、大きなホールの音や建物の周りの音を一つのマイクロホンで拾うことができる。
さらに、レーザ光を空間走査することにより、ミクロな音源の検出や、コンピュータトモグラフィとを組み合わせ音場の三次元分布を得ることも可能である。次に、上述した第一の実施形態に基づく第1実施例のレーザマイクロホン100について、図4を参照しつつ説明する。図4(a)は、第1実施例のレーザマイクロホン1の外観を示す側面図であり、(b)はその断面図である。
第1実施例のレーザマイクロホン100は、図4(a)に示すように、持ち運びの容易なハンディタイプのマイクロホンであって、本体110と、反射板支持部材120とを備えている。
本体110は、図4(b)に示すように、円筒状のケース111内に、半導体レーザ素子10と、駆動回路20と、フォトダイオード30と、測定回路60とを収容して構成されている。ケース111の先端部111aにはレンズ40が嵌め込まれており、半導体レーザ素子10のレーザ光はレンズ40を介して集光されるようになっている。尚、本体110(ケース111)の長さは、例えば数cm程度とすることができる。
反射板支持部材120は、細長い矩形板状のフレーム部121と、フレーム部121の先端に直角に設けられた矩形板状の反射板取付け部122とを備えている。尚、反射板支持部材120の長さは、例えば数cm程度とすることができる。
反射板支持部材120は、フレーム部121基端部においてケース111先端近傍の外周面に固定される。反射板取付け部122の内側、すなわちケース111の先端部111aに対向する面には、反射板50が、その反射面を先端部111a側に向けて取り付けられる。ここで、反射板50と先端部111aとの距離は、任意に設定可能であるが、例えば数cm程度に設定することができる。尚、本実施例において、反射板50と先端部111aとの間の空間が音波入力空間Sとなっている。
続いて、レーザマイクロホン100により音波検出を行う際の各部の作用について、図4(b)を参照しつつ説明する。
レーザ駆動回路20(図4において図示せず)により円筒状のケース111内に収容された半導体レーザ素子10を駆動すると、半導体レーザ素子10からレーザ光が出射される。レーザ光は、ケース先端部111aのレンズ40によって集光されて平行ビームに変換され、音波入力空間Sを通過して反射板50に到達し、反射板50による反射光は、再び音波入力空間Sを通過してビーム入射方向へ戻る。このとき、音源から発生される音波によって空気の屈折率が変化するため、反射光は、音波入力空間Sを通過することによって位相が変化する。
そして、反射光の一部分がレンズ40を介してケース111内に戻り半導体レーザ素子10内に導入されると、半導体レーザ素子10内で発生するレーザ光と干渉して自己結合効果による出力光が発生する。フォトダイオード30によって自己結合効果による出力光が受光されると、光強度の変化に応じて電流が変化し、測定回路60(図4において図示せず)によって電流が電圧に変換されて音波検出信号がアンプへ出力され、音声を聞くことが可能となる。
本実施例のレーザマイクロホン100によれば、上記実施形態で述べた効果に加えて、以下に示す種々の効果を有している。すなわち、反射板50が取り付けられた反射板支持部材120が、半導体レーザ素子10等を備えた本体部110に予め固定されているので、光軸調整等を行うことなく、音波の検出を行うことができる。
また、レーザマイクロホン100は、全長が数cm乃至十数cmのコンパクトなサイズとすることができるので、持ち運びが容易であり、簡単に音波の検出を行うことができる。
次に、上述した第一の実施形態に基づく他の実施例である第2実施例のレーザマイクロホン200について、図5を参照しつつ説明する。図5は、第2実施例のレーザマイクロホン200が設置された室内を示す上面図である。
レーザマイクロホン200は、会議室やホール等の広い室内に設置される固定タイプのマイクロホンであって、本体部210と、反射板50と、複数(本実施例では2枚)のミラー230とから構成される。本体部210は、第1実施例の本体部110と同一構成であるので、説明を省略する。
本体部210は、図5に示すように、例えば上面視矩形状の室内の四隅のうちの1箇所に設置される。
一方、反射板50は、図5に示すように、例えば室内の四隅のうちの本体部210と離れた他の1箇所に設置される。
各ミラー230は、光を反射可能な鏡であって、例えば、室内の壁面に設置されることにより、本体部110の半導体レーザ素子10から出射されたレーザ光を反射して反射板50へ到達させると共に、反射板50からの反射光を反射して本体部110の半導体レーザ素子10へ導入する反射光学系を構成する。尚、半導体レーザ素子10から出射されたレーザ光及び反射板50からの反射光が、室内に存在する人や物によって遮られることのない高さ(例えば、床面から2m以上)に設置されることが好ましい。
続いて、レーザマイクロホン200により音波検出を行う際の各部の作用について説明する。
本体部210においてレーザ駆動回路20(図5において図示せず)により半導体レーザ素子10(図5において図示せず)を駆動すると、半導体レーザ素子10からレーザ光が出射される。レーザ光は、レンズ40(図5において図示せず)によって集光されて平行ビームに変換され、音波入力空間Sを通過しつつ、2枚のミラー230によって反射されて反射板50に到達する。
また、反射板50による反射光は、再び音波入力空間Sを通過しつつ、2枚のミラー230によって反射されてビーム入射方向へ戻る。このとき、音源から発生される音波によって空気の屈折率が変化するため、反射光は、音波入力空間Sを通過することによって位相が変化する。
そして、反射光の一部分がレンズ40を介して半導体レーザ素子10内に導入されると、半導体レーザ素子10内で発生するレーザ光と干渉して自己結合効果による出力光が発生する。フォトダイオード30によって自己結合効果による出力光が受光されると、光強度の変化に応じて電流が変化し、測定回路60(図5において図示せず)によって電流が電圧に変換されて音波検出信号がアンプへ出力され、音声を聞くことが可能となる。
本実施例のレーザマイクロホン200によれば、上記実施形態で述べた効果に加えて、以下に示す種々の効果を有している。すなわち、レーザマイクロホン200によれば、広い場所においても、レーザ光を介して1つのマイクロホンで音波を簡単に検出することができるので、多数のマイクロホンを設置する必要がない。また、従来、複数の音源(例えば話者)がある場合に1つのマイクロホンで音波を検出しようとしたとき、音源の位置が変わる度にマイクロホンを当該音源の近くに移動させる必要があったが、レーザマイクロホン200によれば、1箇所に設置したままの状態で、複数の音源から発せられる音波を高感度に検出することができる。
次に、本発明の第二の実施形態のレーザマイクロホン300について説明する。図6は、第二の実施形態のレーザマイクロホン300の概略構成を示す図である。尚、上述した第一の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
上記第一の実施形態では、半導体レーザ素子10の自己結合効果に伴う出力光の変化をフォトダイオード30により電流変化として検出し、測定回路60によって電流を電圧に変換することにより音波検出信号を出力する構成とした。これに対し、本実施形態では、図6に示すように、フォトダイオード30及び測定回路60に代えて半導体レーザ素子10の端子電圧を検出するための端子電圧検出回路70を設けたことを特徴とする。尚、端子電圧検出回路70が、本発明の端子電圧検出手段を構成するものである。
レーザマイクロホン300において、レーザ駆動回路20により半導体レーザ素子10を駆動すると、半導体レーザ素子10からレーザ光が出射される。レーザ光は、レンズ40によって集光されて平行ビームに変換され、音波入力空間Sを通過して反射板50に到達し、反射板50による反射光は、再び音波入力空間Sを通過してビーム入射方向へ戻る。ここで、音波入力空間Sでは粗密波である音波によって空気の屈折率が変化するため、反射光は、音波入力空間Sを通過することによって位相が変化する。
そして、反射光の一部分がレンズ40を介して半導体レーザ素子10内に導入されると、半導体レーザ素子10内で発生するレーザ光と干渉する自己結合効果によって半導体レーザ素子10の端子電圧が変化する。そして、端子電圧検出回路70は、この半導体レーザ素子10における端子電圧の変化を検出し、音波検出信号として出力する。よって、端子電圧検出回路70に市販のオーディオ用アンプ(図示せず)を接続して音波検出信号を送出することにより、音声を聞くことが可能となる。
従って、本実施形態のレーザマイクロホン300によれば、簡単且つ安価な構成で、半導体レーザ素子10の自己結合効果を利用して高感度に音波を検出することができる。また、半導体レーザ素子10の出力光を受光する必要がないので、活性層の一方側の端面からのみレーザ光が出射されるタイプの半導体レーザ素子、例えば面発光型半導体レーザ素子(VCSEL)を用いた構成においては、フォトダイオード30で出力光を受光する第一の実施形態と比較して、構成が簡単になるという利点がある。その他、第一の実施形態と同様の種々の効果を奏する。
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能であることは云うまでもない。
例えば、上記各実施形態では、反射板50として回帰型反射体を用いた例を示したが、レーザ光を反射可能であれば、これ以外の反射体を用いてもよい。また、回帰型反射体として、コーナキューブ以外のものを採用してもよい。例えば、シート面に透明な球体を並べた構造を有するガラスビーズ式の反射体や、シート面に透明な三角錐(プリズム)を底面が上になるように配列した構造を有するマイクロプリズム式の反射体を採用してもよい。
また、上記各実施形態では、音波が伝播する媒質が空気である場合について説明したが、媒質が空気以外の気体であってもよく、水等の液体、或いは固体であってもよい。
さらに、第一の実施形態について第1実施例及び第2実施例を示したが、第二の実施形態についてもそれぞれ同様に実施することが可能である。
本発明は、半導体レーザを用いた簡単な構成で高感度に音波を検出することが必要な場合に利用可能である。
1 レーザマイクロホン(第一の実施形態)
10 半導体レーザ素子
30 フォトダイオード(受光手段)
40 レンズ(集光光学系)
50 反射板(反射体、回帰型反射体、コーナキューブ)
70 端子電圧検出回路(端子電圧検出手段)
100 レーザマイクロホン(第1実施例)
200 レーザマイクロホン(第2実施例)
230 ミラー(反射光学系)
300 レーザマイクロホン(第二の実施形態)
S 音波入力空間
10 半導体レーザ素子
30 フォトダイオード(受光手段)
40 レンズ(集光光学系)
50 反射板(反射体、回帰型反射体、コーナキューブ)
70 端子電圧検出回路(端子電圧検出手段)
100 レーザマイクロホン(第1実施例)
200 レーザマイクロホン(第2実施例)
230 ミラー(反射光学系)
300 レーザマイクロホン(第二の実施形態)
S 音波入力空間
Claims (6)
- レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子とは音波が伝播する媒質を介して離隔配置され且つ前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射してその一部分を前記半導体レーザ素子内へ導入する反射体と、
前記半導体レーザ素子内のレーザ光と前記反射体からの反射光との自己結合効果により生じた出力光を受光して電気信号に変換する受光手段と
を備えたことを特徴とするレーザマイクロホン。 - レーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子とは音波が伝播する媒質を介して離隔配置され且つ前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射してその一部分を前記半導体レーザ素子内へ導入する反射体と、
前記半導体レーザ素子内のレーザ光と前記反射体からの反射光との自己結合効果により生じた前記半導体レーザ素子の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と
を備えたことを特徴とするレーザマイクロホン。 - 前記反射体は、回帰型反射体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザマイクロホン。
- 前記回帰型反射体は、コーナキューブからなることを特徴とする請求項3に記載のレーザマイクロホン。
- 前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を集光して平行ビームに変換する集光光学系を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のレーザマイクロホン。
- 前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射して前記反射体へ到達させると共に、前記反射体からの反射光を反射して前記半導体レーザ素子へ導入する反射光学系を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のレーザマイクロホン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008103147A JP2009253241A (ja) | 2008-04-11 | 2008-04-11 | レーザマイクロホン |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012127808A1 (ja) * | 2011-03-22 | 2012-09-27 | パナソニック株式会社 | 光マイクロホン |
JP2014119310A (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Hitachi Metals Ltd | 光ファイバ振動センサ |
-
2008
- 2008-04-11 JP JP2008103147A patent/JP2009253241A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012127808A1 (ja) * | 2011-03-22 | 2012-09-27 | パナソニック株式会社 | 光マイクロホン |
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