JP4862239B2 - インクリメンタル成形押圧装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,インクリメンタル成形押圧装置,特に絞り変形が効率よくできるインクリメンタル成形押圧装置に関する。
【0002】
【従来技術】
金属板を成形してなる製品を大量に製造するには,専用の金型を作製し,プレス成形することが効率的でコストダウンにもつながる。しかしながら,小ロットの製品を作製する場合には,金型の作製コストが高いため,プレス成形はむしろコストアップにつながるので,板金職人による一品生産が採用される場合がある。しかしながらこの一品生産は,けっして効率のよいものではなく,製造コストを低減させることが困難であった。
【0003】
このような背景のもと,上記板金職人の作業と同様の作業を機械化する検討がなされてきた。そして例えば,日本塑性加工学会 平成7年度塑性加工春季講演会論文集,(1995),217.「ハンマリングによるインクリメンタルフォーミングに関する研究−インクリメンタルハンマリング装置の試作と実験−」(長谷部忠司他3名)に示されたような,成形方法及び装置が提案されている。
この方法及び装置では,共に半球面状の先端形状を有する一対の工具を用いて板状の被加工材を押圧して成形する方法である。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の方法では,上記工具により一度に押圧できる領域が狭く,また,発生するしわを伸ばすために押圧ピッチが狭くなる。つまり絞り変形の効率がよくない。また,成形時の板厚減少率が大きく,成形品の剛性が低下してしまう。
【0005】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,絞り変形の効率がよく,板厚減少率も少ないインクリメンタル成形押圧装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
第1の発明は,板状の被加工材を保持する保持手段と,上記被加工材の両側の面にそれぞれ対面するように配設される少なくとも一対の押圧工具及び対向工具と,上記被加工材を上記対向工具に対して相対的に移動させる被加工材移動手段と,上記押圧工具を上記対向工具に対して相対的に移動させる工具移動手段とを有し,上記押圧工具には,凹状に形成された凹状押圧面が設けられており,一方,上記対向工具には,上記凹状押圧面内に対面する対向面が設けられており,上記被加工材移動手段と上記工具移動手段によって上記被加工材と上記押圧工具及び上記対向工具との相対位置を逐次移動させると共に上記押圧工具の上記凹状押圧面によって上記被加工材を逐次押圧して上記対向工具の上記対向面との間に挟み込むことにより上記被加工材を成形するよう構成されていることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置にある(請求項1)。
【0007】
本発明では,上記押圧工具として上記凹状に形成された凹状押圧面を有するものを用いる。そのため,上記凹状押圧面により被加工材を押圧した際には,従来のような半球面状の押圧面により押圧する場合よりも広い範囲を一度に押圧することができる。また,凹状押圧面により押圧した際に被加工材上に生じるしわの発生状態を均一化することができ,さらにそのしわを周囲に逃げないように潰すことができる。そのため,絞り変形を効率よく行うことができると共に,従来よりも板厚減少率を低減することもできる。
【0008】
このように,本発明によれば,絞り変形の効率がよく,板厚減少率も少ないインクリメンタル成形押圧装置を提供することができる。
【0009】
第2の発明は,板状の被加工材を保持する保持手段と,
上記被加工材の両側の面にそれぞれ対面するように配設される少なくとも一対の押圧工具及び対向工具と,
上記被加工材を上記対向工具に対して相対的に移動させる被加工材移動手段と,
上記押圧工具を上記対向工具に対して相対的に移動させる工具移動手段とを有し,
上記押圧工具には,凹状を形取るように配設された3つ以上の分割部材よりなると共に,これらの分割部材の配置を変更できるよう構成された凹状押圧面が設けられており,一方,上記対向工具には上記凹状押圧面に対面する対向面が設けられており,
上記被加工材移動手段と上記工具移動手段によって上記被加工材と上記押圧工具及び上記対向工具との相対位置を逐次移動させると共に上記押圧工具の上記凹状押圧面によって上記被加工材を逐次押圧して上記対向工具の上記対向面との間に挟み込むことにより上記被加工材を成形するよう構成されており,
かつ,上記押圧工具の上記各分割部材の配置により形取る凹状形状は,上記押圧工具の押圧方向に対して傾いた斜めの基準線を谷部とする溝形状を呈していると共に,上記基準線に直行する断面形状が略円弧状であり,かつ,その曲率半径が上記基準線に沿って連続的又は断続的に変化している形状であることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置にある(請求項4)。
【0010】
本発明においては,凹状を形取るように3つ以上の分割部材を配置した上記凹状押圧面を有している。この凹状押圧面は,互いの配置を変更して形取る凹状形状を変更できるようになっている。そして,成形しようとする所望の形状に最適な凹状形状を有する凹状押圧面を構成して加工することができる。そのため,効率よくインクリメンタル成形を行うことができる。また,そのため,押圧回数も減らすことができ,絞り変形効率の向上に加えて板厚減少率の低減をも図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明においては,上記押圧工具の上記凹状押圧面は,上記押圧工具の押圧方向に対して傾いた斜めの基準線を谷部とする溝形状を呈していると共に,上記基準線に直行する断面形状が略円弧状であり,かつ,その曲率半径が上記基準線に沿って連続的又は断続的に変化していることが好ましい(請求項2)。この場合には,上記凹状押圧面における曲率が連続的又は断続的に変化しているので,実際に押圧させる部分をずらすことによって,異なる曲率の凹状の面を利用することができ,様々な形状の成形を1つの押圧工具で行うことができる。即ち汎用性が高い。
なお,上記略円弧状は,単純な円弧状,楕円状の他に,滑らかな曲線形状あるいは折れ線形状をも含み,全体的にほぼ円弧状となるあらゆる形状を含む概念である。また,上記基準線は必ずしも直線である必要はなく,滑らかな曲線あるいは折れ線状とすることもできる。
【0012】
また,上記基準線に沿った上記曲率半径の変化は,上記押圧方向に進むにつれて徐々に大きくなるよう変化していることが好ましい(請求項3)。この場合には,曲率半径が大きい先端側の面をより水平状に近づけることができ,しわ潰し部分として利用しやすくすることができる。
【0013】
また,上記第2の発明においては,上記分割部材は円柱状とすることができる(請求項5)。この場合には,上記分割部材の位置を変化させる際に,表面の向きを考慮する必要が無く,その軸芯位置だけを制御すればよく,制御が比較的容易である。
なお,上記分割部材としては,円錐状,四角柱状,凹面状を有する部材など,様々な形状のものを採用することができる。
【0014】
また,上記第1,第2いずれの発明においても,上記対向工具の上記対向面は,半球面状であることが好ましい(請求項6)。この場合には,上記押圧工具の凹状押圧面内に上記対向工具の上記半球面状の対向面を配置することができる。そのため,少なくとも上記凹状押圧面の両側端部の2点と上記半球面状の対向面の1点,合計3点による被加工材に対する押圧を行うこともできる。そのため,いわゆる3点曲げを容易に行うことができ,成形性をさらに向上させることができる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例に係るインクリメンタル成形押圧装置につき,図1〜図4を用いて説明する。
本例のインクリメンタル成形押圧装置1は,図4に示すごとく,板状の被加工材8を保持する保持手段10と,被加工材8の両側の面にそれぞれ対面するように配設される一対の押圧工具2及び対向工具3とを有する。また,インクリメンタル成形押圧装置1は,上記被加工材8を対向工具3に対して相対的に移動させる被加工材移動手段4と,上記押圧工具2を上記対向工具3に対して相対的に移動させる工具移動手段5とを有している。そして,押圧工具2には,凹状に形成された凹状押圧面20が設けられている。また対向工具3には,上記凹状押圧面20に対面する対向面30が設けられている。
【0016】
そして,被加工材移動手段4と工具移動手段5によって被加工材8と押圧工具2及び対向工具3との相対位置を逐次移動させると共に押圧工具2の凹状押圧面20によって被加工材8を逐次押圧して上記対向工具3の対向面30との間に挟み込むことにより被加工材8を成形するよう構成されている。
以下,これを詳説する。
【0017】
本例のインクリメンタル成形押圧装置1は,図4に示すごとく,ハウジング11内にベース部12を有し,このベース部12上およびハウジング11にすべての構成部分が配設されている。
まずベース部12上に立設された基台39上には対向工具3が固定されている。本例の対向工具3は,凸状,具体的には半球面状に形成された対向面30を有している。
【0018】
ベース部12上にはX−Yテーブル13が配設されており,さらにその上に被加工材移動手段4が配設されている。
被加工材移動手段4は,同図に示すごとく,2本のガイドポール41,42と,これらのガイドポール41,42に沿って昇降可能な昇降部43,44を有している。2つの昇降部43,44は互いに連動して昇降するように構成されている。
【0019】
上記2つの昇降部43,44の間には,上記被加工材8を保持する保持手段10が配設されている。そして,保持手段10は,上記X−Yテーブル13の移動に伴って平面状で任意の方向に移動し,上記昇降部43,44の移動に伴って上下方向に移動するよう構成されている。
【0020】
上記保持手段10は,被加工材8の中央部を固定する固定部102を有している。固定部102は,任意の方向に傾動可能に設けられている。そして,被加工材8を,上記固定部102の傾動によって任意の方向に傾けることができるよう構成されている。
【0021】
また,上記ハウジング11の天井部には,上記押圧工具2をセットした工具移動手段5が配設されている。工具移動手段5は,上記押圧工具2を上下方向に移動させ,押圧量(押し込み量)および対向工具とのX方向偏心量と回転方向相対位置を調整できるように構成されている。
押圧工具2は,図1〜図3に示すごとく,円柱状の基部22と,工具移動手段5に固定するための円柱状の固定端部23を有する。そして,上記基部22には,その先端に上記凹状押圧面20を設けた押圧面形成部21が配設されている。
【0022】
押圧面形成部21は,図1に示すごとく,押圧方向(矢印F)に直行する断面形状が台形状を呈している。そして,その押圧方向の先端部分に設けられた凹状押圧面20は,押圧方向に対して傾いた斜めの基準線Sを谷部とする溝形状を呈していると共に,上記基準線Sに直行する断面形状が略円弧状であり,かつ,その曲率半径が上記基準線に沿って連続的断続的に変化している。本例の基準線Sとしては,図2に示すごとく,押圧方向からの傾き角度αが45°である直線を採用した。
【0023】
また,図1〜図3に示すごとく,上記基準線Sに沿った上記曲率半径の変化は,上記押圧方向に進むにつれて徐々に大きくなるよう変化している。より具体的には,最も後端側の曲率半径R1は14mmであり,最も先端側の曲率半径R2は50mmである。また,図3に示すごとく,いずれの部分においても,上記基準線Sに直交する断面形状の円弧の中心角βが約60°となるように構成した。
【0024】
また,図1,図3に示すごとく,凹状押圧面20の両側端部205は,凹状押圧面20の凹状と逆の曲率を有する滑らかな曲面で面取りを行っている。
また,図1に示すごとく,凹状押圧面20の先端部204も同様に滑らかな曲面で面取りを行っており,しわ伸ばし部分としての役割をも果たせるように構成した。
【0025】
次に,本例では,上記インクリメンタル成形押圧装置1を用いて,板厚0.99mmの円盤状の被加工材8を図6に示すごとく,外径約84mm,深さ19mmの浅円筒絞りを行って,浅いカップ状の成形品88を成形した。
具体的には,図5に示すごとく,被加工材移動手段4と工具移動手段5によって被加工材8と押圧工具2及び対向工具3との相対位置を,被加工材8の中心側から外周側に徐々に随時移動させると共に,被加工材8を適度に傾けて回転させながら,上記押圧工具2を随時押し込んだ。これにより,押圧工具2の凹状押圧面20によって被加工材8を逐次押圧して対向工具3の対向面30との間に挟み込むことにより被加工材8を成形した。
【0026】
次に,本例の作用効果につき説明する。
本例では,上記押圧工具2として上記凹状に形成された凹状押圧面20を有するものを用いた。そのため,凹状押圧面20により被加工材2を押圧した際には,従来のような半球面状の押圧面により押圧する場合よりも広い範囲を一度に押圧することができた。また,凹状押圧面20により押圧した際に被加工材8上に生じるしわの発生状態を均一化することができ,しわを周囲に逃げないようにうまく潰すことができた。これにより発生するしわのピッチも大きくても良く,押圧ピッチも従来より大きくすることができた。
【0027】
また,本例では,図6,図7に示すごとく,得られた成形品88の板厚を測定した。その結果を図7に示す。同図は,横軸に成形品88の端部89からの距離をとり,縦軸に板厚ひずみεをとったものである。なお,図7中のa,bは,図6中のa,bの位置に対応した位置を示している。また板厚ひずみεは,ε=ln(t/to),ここで,to;変形前の板厚,t;変形後の板厚,という関係式により求めたものである。
図7より知られるごとく,全体的に板厚ひずみεがおよそ±0.15の範囲内に収まっており,板厚減少率が非常に小さかった。
【0028】
(比較例1)
本比較例では,図8に示すごとく,実施例1の優位性をさらに明らかにするため,半球面状の凸状の押圧面920を有する押圧工具92を用いて実施例1と同様に成形を行い,実施例1と比較した。
比較例1のインクリメンタル成形押圧装置9は,図8に示すごとく,半球面状の押圧面920を有する押圧工具92を用いた点以外は実施例1のインクリメンタル成形押圧装置1と同様である。
【0029】
比較例1及び実施例1において成形した際の押圧工具2,92の押圧回数を表1に示す。
表1より知られるごとく,実施例1のように凹状押圧面20を有する押圧工具2を採用することにより,半球面状の凸状の押圧面920を有する押圧工具92を使用する場合と比べて,押圧回数を半分以下に減少させることができた。
【0030】
【表1】
【0031】
(実施例2)
本例は,図9,図10に示すごとく,押圧工具7として,凹状を形取るように配設された3つの分割部材701〜703よりなると共に,これらの分割部材701〜703の配置を変更できるよう構成された凹状押圧面70を設けたものを用いた。その他の装置の構成は実施例1と同様である。
【0032】
上記押圧工具7は,図9,図10に示すごとく,円柱状の基部72と,工具移動手段5(図4参照)に固定するための円柱状の固定端部73を有する。そして,上記基部72には,その先端に上記凹状押圧面70を設けた押圧面形成部71が配設されている。
【0033】
押圧面形成部71は,図9に示すごとく,押圧方向(矢印F)に直行する断面形状が台形状を呈している。そして,その押圧方向の先端部分には,基準面700が設けられ,この基準面700から複数の油圧シリンダ708を介して分割部材701〜703が配設されている。
【0034】
分割部材701〜703はいずれも円柱状であり,その位置を上記油圧シリンダ708の伸縮により変更可能に構成されている。
図10に示すごとく,各分割部材701〜703の配置は,初期設定では,中央の分割部材701の上面が押圧方向Fに対して傾斜角度が45°となるようにし,その両側に2つの分割部材702,703を末広がりとなるように配置してある。
【0035】
そして,各分割部材701〜703の配置は,互いの表面が円弧状の接線Tに接するようにした。また,その円弧状の接線Tの上記分割部材701の軸方向に直行する断面の曲率半径は,各分割部材701〜703の位置変更により変更できるようになっている。初期設定では,上記分割部材の後端側に接する円弧状の接線Tの曲率半径R3が14mm,中心角γが60°となるように設定した。また,上記分割部材の先端側に接する円弧状の接線の曲率半径は50mm,中心角が60°となるように設定した。即ち,凹状押圧面70の基本的な凹状形状が実施例1の場合と同様となるようにした。
【0036】
本例の場合には,上記油圧シリンダ708の伸縮によって,分割部材701〜703の位置を変更し,凹状押圧面70の凹状形状を変更することができる。そのため,成形しようとする所望の形状に最適な凹状形状を有する凹状押圧面70を構成して加工することができる。そのため,効率よくインクリメンタル成形を行うことができる。また,そのため,押圧回数も減らすことができ,絞り変形効率の向上に加えて板厚減少率の低減をも図ることができる。
【0037】
なお,本例では,上記のごとく円柱状の分割部材701〜703を用いたが,図11に示すごとく,種々の形状の分割部材74〜78を適用することもできる。同図(a)に示すものは,上記と同様の円柱状の分割部材74であり,同図(b)に示すものは,若干大径化した円柱状の分割部材75である。同図(c)に示すものは四角柱状の分割部材76である。同図(d)に示すものは,四角柱の一つ面770を凹状にした分割部材77である。同図(e)に示すものは,円錐状の分割部材78である。
いずれの形状の分割部材でも,上記と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,押圧工具を示す斜視図。
【図2】実施例1における,図1のA−A線矢視断面図。
【図3】実施例1における,図1のB−B線矢視断面図。
【図4】実施例1における,インクリメンタル成形押圧装置の構成を示す説明図。
【図5】実施例1における,押圧工具と対向工具とによって被加工材を成形している状態を示す説明図。
【図6】実施例1において成形した成形品の断面形状を示す説明図。
【図7】実施例1において成形した成形品の板厚ひずみの測定結果を示す説明図。
【図8】比較例1における,押圧工具と対向工具とによって被加工材を成形している状態を示す説明図。
【図9】実施例2における,押圧工具を示す斜視図。
【図10】実施例2における,押圧工具の分割部材の配設状態を示す説明図。
【図11】実施例2における,押圧工具の分割部材の複数の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
1...インクリメンタル成形押圧装置,
2,7...押圧工具,
20,70...凹状押圧面,
3...対向工具,
4...被加工材移動手段,
5...工具移動手段,
701〜703,74〜78...分割部材,
Claims (6)
- 板状の被加工材を保持する保持手段と,
上記被加工材の両側の面にそれぞれ対面するように配設される少なくとも一対の押圧工具及び対向工具と,
上記被加工材を上記対向工具に対して相対的に移動させる被加工材移動手段と,
上記押圧工具を上記対向工具に対して相対的に移動させる工具移動手段とを有し,
上記押圧工具には,凹状に形成された凹状押圧面が設けられており,一方,上記対向工具には,上記凹状押圧面内に対面する対向面が設けられており,
上記被加工材移動手段と上記工具移動手段によって上記被加工材と上記押圧工具及び上記対向工具との相対位置を逐次移動させると共に上記押圧工具の上記凹状押圧面によって上記被加工材を逐次押圧して上記対向工具の上記対向面との間に挟み込むことにより上記被加工材を成形するよう構成されていることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置。 - 請求項1において,上記押圧工具の上記凹状押圧面は,上記押圧工具の押圧方向に対して傾いた斜めの基準線を谷部とする溝形状を呈していると共に,上記基準線に直行する断面形状が略円弧状であり,かつ,その曲率半径が上記基準線に沿って連続的又は断続的に変化していることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置。
- 請求項2において,上記基準線に沿った上記曲率半径の変化は,上記押圧方向に進むにつれて徐々に大きくなるよう変化していることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置。
- 板状の被加工材を保持する保持手段と,
上記被加工材の両側の面にそれぞれ対面するように配設される少なくとも一対の押圧工具及び対向工具と,
上記被加工材を上記対向工具に対して相対的に移動させる被加工材移動手段と,
上記押圧工具を上記対向工具に対して相対的に移動させる工具移動手段とを有し,
上記押圧工具には,凹状を形取るように配設された3つ以上の分割部材よりなると共に,これらの分割部材の配置を変更できるよう構成された凹状押圧面が設けられており,一方,上記対向工具には上記凹状押圧面に対面する対向面が設けられており,
上記被加工材移動手段と上記工具移動手段によって上記被加工材と上記押圧工具及び上記対向工具との相対位置を逐次移動させると共に上記押圧工具の上記凹状押圧面によって上記被加工材を逐次押圧して上記対向工具の上記対向面との間に挟み込むことにより上記被加工材を成形するよう構成されており,
かつ,上記押圧工具の上記各分割部材の配置により形取る凹状形状は,上記押圧工具の押圧方向に対して傾いた斜めの基準線を谷部とする溝形状を呈していると共に,上記基準線に直行する断面形状が略円弧状であり,かつ,その曲率半径が上記基準線に沿って連続的又は断続的に変化している形状であることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置。 - 請求項4において,上記分割部材は円柱状であることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項において,上記対向工具の上記対向面は,半球面状であることを特徴とするインクリメンタル成形押圧装置。
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