JP4861813B2 - 車両物理量推定装置及びプログラム - Google Patents

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本発明は、車両物理量推定装置及びプログラムにかかり、特に、車両物理量としての鉛直軸に対する車両の姿勢角であるロール角または車体スリップ角を推定する車両物理量推定装置及びプログラムに関する。
剛体運動の加速度及び角速度とオイラー角で記述される車両の姿勢角との関係は、非特許文献1等で知られており、この関係に基づいて積分演算を行うことによって、車両の姿勢角を導出することができる。しかしながら、単純な積分演算ではセンサドリフト誤差が蓄積されて正確な姿勢角を導出することはできない。このような積分演算での誤差の蓄積を回避するためには、他のセンサ信号の出力と比較し、略一致させるように出力を補正するオブザーバを構成する必要がある。
このような補正法を用いて自動車の加速度信号、及び角速度信号から姿勢角を推定する従来技術としては、車体固定軸上の重力加速度ベクトルを地面固定座標上のベクトルに変換し、地面固定座標での重力加速度ベクトル[0,0,1](単位G)と比較することによって姿勢角の誤差を推定し、この誤差に基づいて姿勢角の補正を行う技術が知られている(特許文献1)。
また、車体横速度に対応する車体スリップ角を推定する従来技術としては、車速とヨー角速度との積から横加速度を減算して差を求め、さらにこの差と車両運動モデルから演算される推定横速度変化率との和をカント推定値とし、このカント推定値の低周波数成分を路面カント成分として補正することによって、路面カントの影響を受けないスリップ角推定手法が知られている(特許文献2)。
航空機力学入門(P12、加藤、大屋、柄沢:東京大学出版会、1982) 特開平9−318382号公報 特開平8−332934号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術では、重力加速度ベクトルを計測する必要があり、車体固定座標では、車両の上下加速度を計測しなければならない、というコスト上の問題点がある。
また、カント推定値はスピン発生時の車体スリップ角増加に伴っても増加する値である。このため、上記特許文献2の従来技術では、低μ路面で発生する速度がゆっくりとしたスピン発生時には、低周波数成分にも影響するため路面カント成分と見なされ、車体スリップ角演算が補正されてしまう結果、スピンを推定できない、という問題点がある。
また、予め設定された周波数以上の路面カントが存在する場合には、カントの補正が遅れるため、車体スリップ角の推定値が増大する結果、スピンを誤判定する、という問題点もある。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、スピンが車両運動に及ぼす影響は、比較的高周波数領域に限定される、すなわち、長時間持続する現象ではないことに着目し、スピンの影響を受けない比較的低周波数領域の車両運動における横方向の成分と車両の鉛直軸に対する姿勢角の影響の関係とから車両物理量としての姿勢角であるロール角をオブザーバに基づいて推定する車両物理量推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
また、推定されたロール角を利用して、重力加速度成分が各軸の加速度センサ値に及ぼす影響を相殺演算することによって高精度な車体スリップ角を推定することができる車両物理量推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の車両物理量推定装置は、各輪の車輪速度に基づいて車両前後方向の車体速度である前後車体速度を推定する前後車体速度推定手段と、前記前後車体速度の推定値、及びセンサで検出された車両運動の前後加速度の検出値に基づいて、ピッチ角を推定するピッチ角推定手段と、前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算する横加速度状態量偏差演算手段と、前記横加速度状態量の偏差を表す信号から着目すべき運動に対応する信号のみを通過させる処理を行うローパスフィルタと、前記ローパスフィルタ処理後の横加速度状態量の偏差を表す信号、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出されたヨー角速度及びロール角速度の各検出値に基づいて、車両物理量としての姿勢角であるロール角を推定する姿勢角推定手段と、を含んで構成したものである。
また、本発明のプロブラムは、コンピュータを、各輪の車輪速度に基づいて車両前後方向の車体速度である前後車体速度を推定する前後車体速度推定手段と、前記前後車体速度の推定値、及びセンサで検出された車両運動の前後加速度の検出値に基づいて、ピッチ角を推定するピッチ角推定手段と、前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算する横加速度状態量偏差演算手段と、前記横加速度状態量の偏差を表す信号から着目すべき運動に対応する信号のみを通過させる処理を行うローパスフィルタと、前記ローパスフィルタ処理後の横加速度状態量の偏差を表す信号、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出されたヨー角速度及びロール角速度の各検出値に基づいて、車両物理量としての姿勢角であるロール角を推定する姿勢角推定手段と、して機能させるものである。
本発明では、前後車体速度の推定値、及び車両運動の前後加速度の検出値に基づいて、ピッチ角を推定し、前後車体速度の推定値、ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算する。
ローパスフィルタは、横加速度状態量の偏差を表す信号から着目すべき運動に対応する信号のみを通過させる処理を行い、ローパスフィルタ処理後の横加速度状態量の偏差を表す信号、ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出されたヨー角速度及びロール角速度の各検出値に基づいて、姿勢角であるロール角が推定される。
ローパスフィルタによって通過させる着目すべき運動に対応する信号の領域は、時定数が数秒から数十秒以上の車両運動の影響を受けない低周波数領域とすることができる。この低周波数領域では、前後方向の車体速度は、車輪速から演算される前後車体速度の推定値と一致し、車体横速度の微分値が0という自動車固有の特性を有するので、この特性を拘束条件として積分演算の発散抑制に利用することができる。このため、スピン等の車両運動が発生する周波数領域では、加速度及び角速度を積分演算したロール角が推定演算されると共に、車両運動の影響を受けない比較的低周波数領域では、センサドリフトに伴う積分誤差を抑制するための自動車固有の拘束条件が働くオブザーバが構成され、全周波数帯で高精度な姿勢角の推定を行うことができる。
また、横加速度状態量の偏差は、ヨー角速度の検出値と前後車体速度の推定値との積から横加速度の検出値を減算した値で表わすことができる。
本発明では、前後車体速度の推定値、ピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値、ロール角の推定値、並びにセンサで検出された操舵角の検出値に基づいて、車両物理量としての車体スリップ角を推定するようにすることができる。
これにより、スピン抑制に必要な車体スリップ角の推定を高精度に行うことが可能となる。
上記のピッチ角推定手段は、前回推定されたピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度、センサで検出された車両運動の上下加速度、及び前記姿勢角推定手段で推定されロール角の推定値を更に加え、前記前後車体速度の推定値、センサで検出された車両運動の前後加速度、車両運動の横加速度、及び車両運動の上下加速度の各検出値、前記前回推定されたピッチ角の推定値、並びに前記ロール角の推定値に基づいて、ピッチ角を推定すると効果的である。
さらにピッチ角推定手段は、前回推定されたピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度、センサで検出された車両運動の上下加速度、前記姿勢角推定手段で推定されロール角の推定値、車体横速度の推定値、及びヨー角速度を更に加え、前後車体速度の推定値、センサで検出された車両運動の前後加速度、車両運動の横加速度、車両運動の上下加速度、ヨー角速度の各検出値、前回推定されたピッチ角の推定値、ロール角の推定値、並びに車体横速度の推定値に基づいて、ピッチ角を推定することにより更に精度良くピッチ角を推定することができる。
本発明においては、センサで検出された車両運動の前後加速度、及びセンサで検出された車両運動の上下加速度を更に加え、前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、並びに前記車両運動の前後加速度、前記車両運動の横加速度、前記車両運動の上下加速度、及び前記車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算するようにしてもよい。
以上説明したように本発明によれば、高精度なロール角を推定することができるので、スピン制御に必要なスリップ角を推定することができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1を参照して、鉛直軸に対する車両の姿勢角であるロール角を推定する姿勢角推定装置に本発明を適用した第1の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の姿勢角推定装置には、各輪の車輪速度に基づいて車両の前後方向の車体速度Vs0を推定する前後速度推定手段10が設けられている。各輪の車輪速度は、各輪に対応して設けられた車輪速センサにより検出することができ、車体速度は各輪の車輪速度、または各輪の車輪速度及び車輪速度の微分値から推定することができる。例えば、制動時には、4輪の車輪速度の最大値を車体速度として出力したり、駆動時には従動輪の車輪速度の平均値を車体速度として出力する方法が考えられる。
また、本実施の形態の姿勢角推定装置には、車両運動のxy2軸方向の加速度である前後加速度Gx及び横加速度Gyを検出して検出値に応じたセンサ信号を出力する車両に固定された加速度センサ12、及びxz2軸回りの角速度であるロール角速度P及びヨー角速度Rを検出して検出値に応じたセンサ信号を出力する車両に固定された角速度センサ14が設けられている。図2に示すように、x軸は車両前後方向、y軸は車両幅方向、z軸は車両上下方向に対応している。
前後速度推定手段10及び加速度センサ12は、前後速度推定手段10により推定された前後車体速度の推定値及び加速度センサ12から出力される前後加速度Gxを示すセンサ信号に基づいて、後述する(8)式に従ってピッチ角θを推定するピッチ角推定手段16に接続されている。
ピッチ角推定手段16は、鉛直軸に対する車両の姿勢角(ロール角及びピッチ角)に応じて生じる横加速度状態量の偏差を後述する(9)式に従って演算する横加速度状態量偏差演算手段18に接続されている。
横加速度状態量偏差演算手段18は、横加速度状態量の偏差を表す信号から着目すべき運動に対応する信号のみ、すなわち時定数が数秒から数十秒以上のスピン及びタイヤスリップ等の車両運動の影響を受けない低周波数領域のみの信号を通過させるためのローパスフィルタ20に接続されている。ローパスフィルタ20は、ピッチ角推定手段16からの推定値、角速度センサ14からのセンサ信号、及びローパスフィルタ処理後の横加速度状態量の偏差を表す信号から車両の鉛直軸に対する姿勢角であるロール角を推定する姿勢角推定手段22に接続されている。姿勢角推定手段22は、横加速度状態量偏差演算手段18に接続され、横加速度状態量偏差演算手段18に推定されたロール角φが入力される。
前後速度推定手段10、ピッチ角推定手段16、横加速度状態量偏差演算手段18、ローパスフィルタ20、及び姿勢角推定手段22は、各手段の機能を実現する1つまたは複数のコンピュータ、または1つまたは複数の電子回路で構成することができる。
次に、本実施の形態のオブザーバについて説明する。剛体に固定されたxyz3軸加速度、及びxyz3軸角速度を検出する3軸センサから出力されるセンサ信号と運動状態量との関係を表す剛体の運動方程式は、以下のように記述することができる。
Figure 0004861813
ただし、 Gx:前後加速度、Gy:横加速度、Gz:上下加速度、P:ロール角速度、Q:ピッチ角速度、R:ヨー角速度、U:前後速度、V:横速度、W:上下速度、φ:ロール角、θ:ピッチ角、g:重力加速度である。
なお、ここでは、図2に示すように車体の上向きをz軸の正方向とする右手系で座標を記述すると共に角度はオイラー角で表現している。
次に、オブザーバを用いた場合の自動車固有の運動の拘束条件について説明する。上記の運動方程式を利用して図3に示すオブザーバ24を構成する場合、積分演算によって推定される速度及び角度の状態量が発散しないように測定できる物理量のフィードバックが必要となる。図3において車両運動を示すブロック26は、図1の前後速度推定手段10、ピッチ角推定手段16、横加速度状態量偏差推定手段18、ローパスフィルタ20、及び姿勢角推定手段22からなる部分に対応している。
本実施の形態では、「前後方向速度は車輪速から推定できる」など自動車運動固有の特徴をフィードバックする物理量として利用する。車輪速から車両前後方向の車体速を推定するアルゴリズムは、ABSで既に確立されており、一般にこの信号は、Vs0と表現されている。この信号を利用すると、車両前後方向の車体速度である前後速度Uは以下の代数方程式で表すことができる。
Figure 0004861813
また、上記(6)式を微分して上記(1)式に代入することによって、下記(7)式が得られる。
Figure 0004861813
ここで、Vs0の微分値は車輪速センサにより検出された検出値から求まる値であり、Gxは加速度センサにより検出された検出値であることを考慮すると、上記(7)式は、運動状態の拘束条件と捉えることができる。さらに、ある程度長い時間の運動のみを考慮すると、上下速度W及びヨー角速度Rは微小であり無視できるので、ピッチ角θは、以下の(8)式のように近似することができる。
Figure 0004861813
また、同様にスピン等の車両の不安定運動が無視できるある程度長い時間の運動を考慮する場合、上下速度W及びヨー角速度Rは微小であるので、(2)式は、次の(9)式のように近似することができる。
Figure 0004861813
次にロール角オブザーバについて説明する。図3は、基本的な非線形オブザーバの構成を示したものである。ここでは、加速度センサ12及び角速度センサ14から出力されるセンサ信号を以下の(10)式のように表現し、対象となる車両運動を下記(11)式のように表現する。
Figure 0004861813
オブザーバを構成するために測定できる物理量を
Figure 0004861813
と表現すると、非線形オブザーバは、以下の非線形運動方程式によって記述することができる。
Figure 0004861813
上記(9)式は、ある程度長い時間考慮したときに満足する条件であることから、オブザーバの測定量のフィードバックには、両辺をローパスフィルタ処理した値を利用する。オブザーバの出力としては、(9)式の右辺にローパスフィルタ処理した次式を用いる。
Figure 0004861813
ただし、τは(9)式で考慮するローパスフィルタの時定数を表している。また、測定出力としては、(9)式の左辺にローパスフィルタ処理した次式を用いる。
Figure 0004861813
なお、(16)式右辺第2項の分子は、センサで検出されたヨー角速度Rと前後車体速度の推定値Vs0との積からセンサで検出された横加速度Gを減算した横加速度状態量の偏差である。
ここで、オブザーバの状態量を下記(17)式とし、
Figure 0004861813
フィードバックに用いるオブザーバ出力を下記(18)式とし、
Figure 0004861813
さらに、センサ信号等から演算される車両出力を下記(19)式として、
Figure 0004861813
ここでは、オブザーバゲインの一例として、オブザーバの安定性を確保するため、線形化を行ったときの対角成分が負の係数を持つように、次の(20)式のように表わした。
Figure 0004861813
ただし、Kφy、Kは適切な正の定数である。したがって、ロール角を推定する非線形オブザーバは、以下の(21)式の運動方程式で記述することができる。
Figure 0004861813
なお、上記(21)式の導出において、(4)式右辺の第2項は微小のため無視できると仮定している。図4は、ロール角の推定結果を示したものである。図4(a)は、速度100km/hでレーンチェンジを行ったときのロール角推定値を、(2)式の積分結果と本実施の形態のオブザーバとを比較して示したものである。このような数秒間のレーンチェンジでは、積分誤差は無視できるため、積分結果は真値と見なすことができる。この結果から、レーンチェンジ時に±1deg程度の誤差で推定できていることがわかる。
また、図4(b)は、速度60km/hでバンクを走行したときのロール角推定結果を示したものである。積分結果は長時間の誤差が蓄積されるためバンク終了後に0に戻らない。これに対し、オブザーバはフィードバックの安定化による効果によって、0に戻っていることがわかる。これらの結果は、オブザーバゲインの設定に依存するものであり、ゲインを大きくすると積分誤差の影響は減少するものの、レーンチェンジなどの急激な操作時の推定遅れが増加する。
以上説明したように本実施の形態によれば、スピンの影響を受けない比較的低周波数領域の車両運動における横方向成分と車両の鉛直軸に対する姿勢角の影響との関係からロール角をオブザーバに基づいて推定しているため、重力加速度ベクトルを推定することなくロール角を推定することができる。
また、本実施の形態では、路面カントは、鉛直軸に対する車体のロール角として高精度、高応答に推定されており、この推定値を利用して車体速度を推定すれば、車体スリップ角も路面カントの影響に対しロバストに推定ができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図5に示すように、図1に示す姿勢角推定装置に、姿勢角推定手段22によって推定されたロール角φ、加速度センサ12によって検出された横加速度Gy、角速度センサ14によって検出されたヨー角速度R、前後車体速度推定手段10によって推定された車両の前後方向の車体速度の推定値Vs0、ピッチ推定手段16によって推定されたピッチ角θ、及び操舵角を検出する操舵角センサ20によって検出された操舵角である前輪実舵角δに基づいて、車体スリップ角βを推定する車体スリップ角推定手段26を設けたものである。
本実施の形態の車体スリップ角を推定する車体スリップ角オブザーバについて説明する。ここでは、車両運動の線形モデルを利用し、横加速度のモデル演算値が実測値に等しいという下記(22)式で示される条件を拘束条件として利用している。
Figure 0004861813
ただし、β:車体スリップ角、m:車両質量、c、c:前後輪コーナリングパワー、l、l:前後軸−重心間距離、δ:前輪実舵角である。
なお、(22)式は、タイヤ特性に余裕のある線形領域のみで成立するものであることから、下記(23)式で表わされる出力の偏差の絶対値に応じてフィードバックゲインを小さくし、限界領域でモデルの影響を小さくしていくことが必要となる。
Figure 0004861813
ところで、車体スリップ角に関する運動方程式は、上記(2)式より、下記(24)式のように表される。
Figure 0004861813
上下速度Wが微小であることから、(24)式は、左辺第3項を無視することによって、下記(25)式に近似することができる。
Figure 0004861813
次に、ロール角オブザーバのその他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、センサで検出された車両運動の前後加速度G、センサで検出された車両運動の上下加速度Gを更に加え、前後車体速度の推定値Vs0、ピッチ角の推定値θ、並びに車両運動の前後加速度G、車両運動の横加速度G、車両運動の上下加速度G、及び車両運動のヨー角速度Rの各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算するようにしたものである。
本実施の形態では、ロール角オブザーバに用いるセンサ信号として下記(26)式に示す信号を用いている。
Figure 0004861813
すなわち、上記(10)式のセンサ信号にセンサで検出された上下加速度Gzを示す信号を追加した。この場合、車両固有の特徴として、一般的な道路勾配を考慮して、鉛直軸方向の加速度は、重力加速度に略一致しているという条件を利用する。この条件は、次の(27)式の代数方程式によって記述することができる。
Figure 0004861813
(27)式は、(9)式同様、ある程度長い時間考慮したときに満足する条件であることから、オブザーバの測定量のフィードバックには、両辺をローパスフィルタ処理した値を利用する。オブザーバの出力としては、(27)式の右辺にローパスフィルタ処理した次の(28)式を用いる。
Figure 0004861813
ただし、τは(27)式で考慮するローパスフィルタの時定数を表している。また、(27)式の左辺は定数であることから、ローバスフィルタ処理は不要である。
ここで、オブザーバの状態量を下記(29)式とし、
Figure 0004861813
フィードバックに用いるオブザーバ出力を下記(30)式とし、
Figure 0004861813
さらに、センサ信号等から演算される車両出力を下記(31)式として
Figure 0004861813
Figure 0004861813
ただし、Kφy、Kφg、K、Kは適切な正の定数である。したがって、ロール角を推定する非線形オブザーバは、下記(33)式の運動方程式で記述することができる。なお、(33)式には、上記(16)式で説明したセンサで検出されたヨー角速度Rと前後車体速度の推定値Vs0との積からセンサで検出された横加速度Gを減算した横加速度状態量の偏差が含まれている。
Figure 0004861813
図7は、速度60km/hでバンクを走行したときのロール角推定結果を示したものである。ここでは、センサ誤差の影響を調査するためにロール角速度に−1.0deg/sのドリフト誤差を与えてオブザーバ演算を実施している。また、比較のために上下加速度信号を用いない構成での推定結果と、ロール角速度誤差を与えないときの積分による推定結果を示す。
破線は積分結果(センサ誤差なし)を示し、実線は上下加速度利用オブザーバ(ロール角速度センサ誤差−1.0deg/s)を示し、一点鎖線は上下加速度なしオブザーバ(ロール角速度センサ誤差=−1.0deg/s)を示している。
ロール角速度誤差を与えないときの積分による推定結果を真値と仮定すると、上下加速度信号の利用により、推定結果が真値に近づく、すなわち、センサ誤差に対するロバスト性が向上することがわかる。
上記の第2の実施の形態において、前後速度推定手段10、ピッチ角推定手段16、横加速度状態量偏差演算手段18、ローパスフィルタ20、姿勢角推定手段22、及び車体スリップ角推定手段26を、これらの手段の機能を実現するコンピュータで構成し、車体スリップ角を演算するようにすると、コンピュータを用いたプログラムによる情報処理は図8に示す手順で実行される。このプログラムは、コンピュータのROM等の記録媒体に記録される。
この手順を説明すると、ステップ100で上記で説明したように各輪の車輪速度に基づいて前後車体速度を推定し、ステップ102で前後車体速度の推定値、及びセンサで検出された車両運動の前後加速度の検出値に基づいて、ピッチ角を推定し、ステップ104において、前後車体速度の推定値、ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算する。
次のステップ106では、横加速度状態量の偏差を表す信号から着目すべき運動に対応する信号のみを通過させるローパスフィルタ処理を行い、ステップ108においてローパスフィルタ処理後の横加速度状態量の偏差を表す信号、ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出されたヨー角速度及びロール角速度の各検出値に基づいて、ロール角を推定する。
次のステップ110では、前後車体速度の推定値、ピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値、ロール角の推定値、並びにセンサで検出された操舵角の検出値に基づいて、車体スリップ角を推定する。
なお、第1の実施の形態の手段の機能を実現するコンピュータを構成すると、コンピュータを用いたプログラムによる情報処理は、図8からステップ110を削除した手順になる。また、(26)式に示すセンサ信号を用いるロール角オブザーバについても用いるセンサ信号が異なるのみで、図8と同様に処理することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上記(7)式は、「前後運動の時間微分と前後加速度の差は、ピッチ角による重力成分に等しい」ということを示しているが、通常の車両走行状態では、鉛直方向には大きな加速度の変化はないので、上記のロール角オブザーバのその他の実施の形態で説明したように「鉛直方向の加速度は、重力加速と等しい」ということができるので、上記(27)と同様の以下の関係が成立する。
Figure 0004861813
本実施の形態は、上記(7)式で示される関係に(34)式で示される関係を更に用いてピッチ角θの推定精度を更に向上させたものである。
ノイズ等の影響を考慮すると、(7)式及び(34)式を同時に満足するピッチ角θが存在することを保証することができない。このため、本実施の形態では、(7)式及び(34)式の誤差を最小にするθを求める。この誤差を最小にするためには、前ステップで求めたθの回りで線形化し、擬似逆行列を用いて演算すればよい。
まず、(7)式及び(34)式を線形化して行列で表わすと、以下の式が得られる。
Figure 0004861813
ただし、θは、θの前回値であり、(7)式のQW、RVは、微小であることから無視するものとする。上記(35)式を次の((36)式のように表現すると、θは以下の(37)式で求めることができる。
Figure 0004861813
なお、本実施の形態では、演算値の安定性を確保するために1次のローパスフィルタを通した以下の演算を行う。
Figure 0004861813
ただし、Tはサンプル時間、τは例えば、0.1sの時定数である。
図9は、ピッチ角推定手段16に代えてピッチ角推定手段30を設けた本実施の形態の姿勢角推定装置を示すブロック図であり、ピッチ角推定手段30は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した車体速度の推定値VSO及びセンサで検出された車両運動の前後加速度Gに、前回推定されたピッチ角の推定値θ、センサで検出された車両運動の横加速度G、センサで検出された車両運動の上下加速度G、及び姿勢角推定手段で推定されロール角φの推定値を更に加え、前後車体速度の推定値VSO、センサで検出された車両運動の前後加速度G、車両運動の横加速度G、及び車両運動の上下加速度Gの各検出値、前回推定されたピッチ角の推定値θ、並びにロール角φの推定値に基づいて、上記(37)式に従ってピッチ角θを推定する。
上記の第3の実施の形態では、ヨー角速度Rは微小であることから0と近似してRVを無視して演算した例について説明したが、ヨー角速度Rを無視することなく、車体スリップ角推定によって推定したスリップ角と車体前後方向の速度とを用いて推定した車体横速度Vを用いることにより、更にピッチ角の推定精度を更に向上することができる。
以下、ヨー角速度Rを無視しない場合の本発明の第4の実施の形態について説明する。
ヨー角速度Rを無視しない場合、上記(35)式は、以下に示すように表わすことができる。
Figure 0004861813
従って、上記第3の実施の形態と同様に表現すると、θは以下の(41)式で求めることができる。
Figure 0004861813
なお、本実施の形態においても第3の実施の形態と同様に、演算値の安定性を確保するために1次のローパスフィルタを通した以下の演算を行う。
Figure 0004861813
ただし、Tはサンプル時間、τは例えば、0.1sの時定数である。
図10は、第3の実施の形態のピッチ角推定手段30に代えてピッチ角推定手段32を設けると共に、車体スリップ角推定手段で推定されたスリップ角βに基づいて、車体横速度Vを推定する横速度推定手段34を設けた本実施の形態の姿勢角推定装置を示すブロック図である。ピッチ角推定手段32には、第3の実施の形態のピッチ角推定手段30への入力に加えて、車体横速度Vの推定値及び角速度センサ14で検出されたヨー角速度Rが入力されている。
ピッチ角推定手段32は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した車体速度の推定値VSO及びセンサで検出された車両運動の前後加速度Gに、前回推定されたピッチ角の推定値θ、センサで検出された車両運動の横加速度G、センサで検出された車両運動の上下加速度G、及び姿勢角推定手段で推定されロール角φの推定値、車体横速度Vの推定値、及びヨー角速度Rを更に加え、前後車体速度の推定値VSO、センサで検出された車両運動の前後加速度G、車両運動の横加速度G、車両運動の上下加速度G、及びヨー角速度Rの各検出値、前回推定されたピッチ角の推定値θ、ロール角φの推定値、並びに車体横速度Vの推定値に基づいて、上記(42)式に従ってピッチ角θを推定する。
図11は、本実施の形態で推定したロール角及びピッチ角を示すものである。
一点鎖線はレーザ変位計で計測した真値、細線は3軸加速度センサを使用したときの値、太い実線は2軸角速度センサと3軸加速度センサを使用した本実施の形態の値、破線は第1の実施の形態の値である。第1の実施の形態の推定結果と比較すると、大幅に精度が向上していることが理解できる。
なお、上記第4の実施の形態では、車体スリップ角推定手段26を設け、スリップ角から車体横加速度を推定する例について説明したが、車体スリップ角推定手段を用いることなく車体横速度を推定するようにしてもよい。
上記第3の実施の形態においても前後速度推定手段10、ピッチ角推定手段30、横加速度状態量偏差演算手段18、ローパスフィルタ20、及び姿勢角推定手段22は、各手段の機能を実現する1つまたは複数のコンピュータ、または1つまたは複数の電子回路で構成することができ、コンピュータを用いたプログラムによる情報処理は、図8のステップ102において上記で説明したようにピッチ角を推定すると共に、図8からステップ110を削除した手順になる。また、第4の実施の形態においても、前後速度推定手段10、ピッチ角推定手段32、横加速度状態量偏差演算手段18、ローパスフィルタ20、姿勢角推定手段22、及び車体スリップ角推定手段26は、各手段の機能を実現する1つまたは複数のコンピュータ、または1つまたは複数の電子回路で構成することができ、コンピュータを用いたプログラムによる情報処理は、図8のステップ102において上記で説明したようにピッチ角を推定する手順になる。
また、第3及び第4の実施の形態においてもセンサ信号が異なるのみで、上記で説明したオブザーバを同様にもちいることができるものである。
本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。 本実施の形態の座標系を示す説明図である。 本発明の各実施の形態におけるオブザーバを示すブロック図である。 第1の実施の形態におけるロール角の推定結果を示す線図である。 本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。 非線形オブザーバゲインを示すグラフである。 バンク走行時のロール角推定結果を示す線図である。 本発明の第2の実施の形態の処理を示す流れ図である。 本発明の第3の実施の形態の処理を示す流れ図である。 本発明の第4の実施の形態の処理を示す流れ図である。 本発明の第4の実施の形態のロール角及びピッチ角の推定結果を真値等と比較して示す線図である処理を示す流れ図である。
符号の説明
10 前後速度推定手段
12 加速度センサ
14 角速度センサ
16 ピッチ角推定手段
20 ローパスフィルタ
22 姿勢角推定手段
24 オブザーバ

Claims (12)

  1. 各輪の車輪速度に基づいて車両前後方向の車体速度である前後車体速度を推定する前後車体速度推定手段と、
    前記前後車体速度の推定値、及びセンサで検出された車両運動の前後加速度の検出値に基づいて、ピッチ角を推定するピッチ角推定手段と、
    前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じ、かつセンサで検出された車両運動のヨー角速度の検出値と前後車体速度の推定値との積からセンサで検出された車両運動の横加速度の検出値を減算した値で表される横加速度状態量の偏差を演算する横加速度状態量偏差演算手段と、
    前記横加速度状態量の偏差を表す信号から予め定めた車両運動の影響を受けない低周波数領域の信号のみを通過させる処理を行うローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタ処理後の横加速度状態量の偏差を表す信号、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出されたヨー角速度及びロール角速度の各検出値に基づいて、車両物理量としての姿勢角であるロール角を推定する姿勢角推定手段と、
    を含む車両物理量推定装置。
  2. 前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値、前記姿勢角推定手段によって推定されたロール角の推定値、並びにセンサで検出された操舵角の検出値に基づいて、車両物理量としての車体スリップ角を推定するスリップ角推定手段を更に含む請求項1記載の車両物理量推定装置。
  3. 前記ピッチ角推定手段は、前回推定されたピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度、センサで検出された車両運動の上下加速度、及び前記姿勢角推定手段で推定されロール角の推定値を更に加え、前記前後車体速度の推定値、センサで検出された車両運動の前後加速度、車両運動の横加速度、及び車両運動の上下加速度の各検出値、前記前回推定されたピッチ角の推定値、並びに前記ロール角の推定値に基づいて、ピッチ角を推定する請求項1または請求項2記載の物理量推定装置。
  4. 前記ピッチ角推定手段は、前回推定されたピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度、センサで検出された車両運動の上下加速度、前記姿勢角推定手段で推定されロール角の推定値、車体横速度の推定値、及びセンサで検出されたヨー角速度を更に加え、前後車体速度の推定値、センサで検出された車両運動の前後加速度、車両運動の横加速度、車両運動の上下加速度、ヨー角速度の各検出値、前記前回推定されたピッチ角の推定値、前記ロール角の推定値、並びに前記車体横速度の推定値に基づいて、ピッチ角を推定する請求項1または請求項2記載の物理量推定装置。
  5. 横加速度状態量偏差演算手段は、センサで検出された車両運動の前後加速度、及びセンサで検出された車両運動の上下加速度を更に加え、前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、並びに前記車両運動の前後加速度、前記車両運動の横加速度、前記車両運動の上下加速度、及び前記車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算する請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の車両物理量推定装置。
  6. 前記前後加速度、前記横加速度、前記ロール角速度、及び前記ヨー角速度を検出するセンサを更に含む請求項1または請求項2記載の車両物理量推定装置。
  7. 前記前後加速度、前記横加速度、前記上下加速度、前記ロール角速度、及び前記ヨー角速度を検出するセンサを更に含む請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の車両物理量推定装置。
  8. コンピュータを、
    各輪の車輪速度に基づいて車両前後方向の車体速度である前後車体速度を推定する前後車体速度推定手段と、
    前記前後車体速度の推定値、及びセンサで検出された車両運動の前後加速度の検出値に基づいて、ピッチ角を推定するピッチ角推定手段と、
    前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じ、かつセンサで検出された車両運動のヨー角速度の検出値と前後車体速度の推定値との積からセンサで検出された車両運動の横加速度の検出値を減算した値で表される横加速度状態量の偏差を演算する横加速度状態量偏差演算手段と、
    前記横加速度状態量の偏差を表す信号から予め定めた車両運動の影響を受けない低周波数領域の信号のみを通過させる処理を行うローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタ処理後の横加速度状態量の偏差を表す信号、前記ピッチ角の推定値、並びにセンサで検出されたヨー角速度及びロール角速度の各検出値に基づいて、車両物理量としての姿勢角であるロール角を推定する姿勢角推定手段と、
    して機能させるためのプロブラム。
  9. 前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度及び車両運動のヨー角速度の各検出値、前記姿勢角推定手段によって推定されたロール角の推定値、並びにセンサで検出された操舵角の検出値に基づいて、車両物理量としての車体スリップ角を推定するスリップ角推定手段を更に含む請求項8記載のプログラム。
  10. 前記ピッチ角推定手段は、前回推定されたピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度、センサで検出された車両運動の上下加速度、及び前記姿勢角推定手段で推定されロール角の推定値を更に加え、前記前後車体速度の推定値、センサで検出された車両運動の前後加速度、車両運動の横加速度、及び車両運動の上下加速度の各検出値、前記前回推定されたピッチ角の推定値、並びに前記ロール角の推定値に基づいて、ピッチ角を推定する請求項8または請求項9記載のプログラム。
  11. 前記ピッチ角推定手段は、前回推定されたピッチ角の推定値、センサで検出された車両運動の横加速度、センサで検出された車両運動の上下加速度、前記姿勢角推定手段で推定されロール角の推定値、車体横速度の推定値、及びヨー角速度を更に加え、前後車体速度の推定値、センサで検出された車両運動の前後加速度、車両運動の横加速度、車両運動の上下加速度、ヨー角速度の各検出値、前回推定されたピッチ角の推定値、ロール角の推定値、並びに車体横速度の推定値に基づいて、ピッチ角を推定する請求項8または請求項9記載のプログラム。
  12. 横加速度状態量偏差演算手段は、センサで検出された車両運動の前後加速度、及びセンサで検出された車両運動の上下加速度を更に加え、前記前後車体速度の推定値、前記ピッチ角の推定値、並びに前記車両運動の前後加速度、前記車両運動の横加速度、前記車両運動の上下加速度、及び前記車両運動のヨー角速度の各検出値に基づいて、車両の姿勢角に応じて生じる横加速度状態量の偏差を演算する請求項8請求項11のいずれか1項記載のプログラム。
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