JP4861324B2 - 単一プライマー核酸増幅法 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/604,830号(2004年8月27日出願)および米国仮特許出願第60/639,110号(2004年12月23日出願)(これらの各々は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
(発明の分野)
本発明は、単独で存在するか、あるいは核酸の同質混合物または異質混合物の成分(多量もしくは少量)として存在し得る特定の核酸配列(すなわち「標的配列」)の複数のコピーを生成するための方法、反応混合物およびキットに関する。核酸の混合物は、診断試験のため、血液製剤のスクリーニングのため、食物試験、水試験、工業試験もしくは環境試験のため、研究調査のため、他のプロセス(例えば、クローニング)用の試薬もしくは材料の調製のため、または他の目的のために取得されたサンプル中に見出されるものであり得る。
特定の核酸配列の選択的増幅は、特異性を維持しながら診断的検出アッセイおよび他の検出アッセイの感度を増大させることにおいて;種々の研究手順の感度、利便性、精度および信頼性を増大させることにおいて;ならびに種々の目的のために特定のオリゴヌクレオチドの十分な供給をもたらすことにおいて価値がある。
(発明の背景)
特定の核酸配列の検出および/または定量は、微生物を同定して分類すること、感染症を診断すること、遺伝的異常を同定して特徴付けすること、癌に関連する遺伝的変化を同定すること、疾患に対する遺伝的感受性を研究すること、および種々の型の処置に対する応答を測定するために重要な技術である。そのような手順はまた、食品サンプル、水サンプル、工業サンプルおよび環境サンプル、種および特定の微生物の存在がモニタリングされる必要があり得る他の型の物質中の微生物を検出して定量することにおいて有用である。他の適用は、法医科学、人類学、考古学および生物学で見出され得、ここでは、核酸配列の関連性の測定が、犯罪容疑者を同定するため、父親論争を解決するため、系統樹(genealogical treeおよびphylogenetic tree)を作成するため、そして種々の生活型を分類するのを補助するために使用されている。
核酸配列を検出および/または定量するための多くの方法が、当該分野で周知である。これらとしては、標識プローブに対するハイブリダイゼーション、および標識プローブに対するハイブリダイゼーションと併用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の種々の並べ替え(permutation)が挙げられる。例えば、Mullisら,「Process for Amplifying, Detecting and/or Cloning Nucleic Acid Sequences」,特許文献1;Mullis,「Process for Amplifying Nucleic Acid Sequences」,特許文献2;Mullisら,「Process for Amplifying, Detecting and/or Cloning Nucleic Acid Sequences」,特許文献3;非特許文献1;および非特許文献2を参照のこと。数種の異なる極端な温度間で反応温度を繰り返しサイクリングするための要件は、PCR手順の不利な点である。PCRを都合よくするためには、高価なプログラム可能な熱サイクリング機器が必要とされる。
さらに、転写媒介性増幅(TMA)法(Transcription−Mediated Amplification)が使用されて、標的配列の複数のRNAコピーが自己触媒的にさらなるコピーを生成する実質的に一定の温度、イオン強度およびpHの条件下で、標的核酸配列の複数のコピーが自己触媒的に合成され得る。例えば、Kacianら,「Nucleic Acid Sequence Amplification Methods」(特許文献4)、およびKacianら,「Nucleic Acid Sequence Amplification Methods」(特許文献5)(これらの各々の内容は、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。TMAは、目的(臨床サンプル、環境サンプル、法医学サンプルおよび同様のサンプル中の標的核酸配列を定量するためのアッセイ、プローブをクローニングおよび生成することが挙げられる)のために核酸標的配列のコピーを生成するのに有用である。TMAは、強力かつ高感度の増幅系であり、効力は証明されている。TMAは、PCRベースの増幅系に関係する多くの問題を克服する。特に、温度サイクリングを必要としない。他の転写ベースの増幅方法は、Malekら、「Enhanced Nucleic Acid Amplification Process」,特許文献6;Daveyら、「Nucleic Acid Amplification Process」,特許文献7;Daveyら、「Method for the Synthesis of Ribonucleic Acid (RNA)」,特許文献8;Daveyら、「Nucleic Acid Amplification Process」,特許文献9;Burgら、「Selective Amplification of Target Polynucleotide Sequences」,特許文献10;およびBurgら、「Selective Amplification of Target Polynucleotide Sequences」,特許文献11によって開示されている。
高感度の核酸増幅系の固有の結果は、副産物の発生である。副産物としては、いくつかの系において増幅反応を妨害し、それによって特異性を低下させる分子が挙げられる。これにより、限られた増幅供給源(プライマー伸長および転写産物の形成に必要とされるプライマーおよび酵素を含む)が副産物の形成に流用される。いくつかの状況において、副産物の出現はまた、種々の分子技術によるアンプリコン産物の分析を複雑にし得る。
米国特許第4,683,195号明細書 米国特許第4,683,202号明細書 米国特許第4,800,159号明細書 米国特許第5,399,491号明細書 米国特許第5,824,518号明細書 米国特許第5,130,238号明細書 米国特許第5,409,818号明細書 米国特許第5,466,586号明細書 米国特許第5,554,517号明細書 米国特許第6,090,591号明細書 米国特許第6,410,276号明細書 Mullisら,Meth.Enzymol.,(1987),155,335−350 Murakawaら,DNA,(1988),7,287−295
したがって、当該分野において、副産物の出現を減少させ、それによって特異性を増大させ増幅産物の検出および定量を改善する実質的に一定の温度、イオン強度およびpHの条件下で、標的核酸配列の複数のコピーを自己触媒的に合成するための、強力な核酸増幅系に対する必要性が残る。
(発明の要旨)
本発明は、標的配列の複数のコピーを合成する新規な方法に関し、この方法は、自己触媒的である(すなわち、反応条件(例えば、温度、pHまたはイオン強度)を改変する必要なく、1回のサイクルの産物を次のサイクルに用いて自動的にサイクルし得る)。特に、本発明は、副産物の出現を減少させる一方で、強力かつ効率的である核酸増幅の方法を開示する。この方法は、たった1つのプライマーである「プライミングオリゴヌクレオチド」、そこからのDNA合成の開始を防ぐように改変されたプロモーターオリゴヌクレオチド(例えば、3’ブロッキング部分を含む)、および必要に応じて、結合分子および/または3’がブロックされたエクステンダーオリゴヌクレオチドを使用して、インビトロでRNA分子もしくはDNA分子を増幅する。本発明の方法は、副産物の発生を最小限にするかまたは実質的になくし、したがって、高レベルの特異性を提供する。さらに、副産物の出現は、種々の分子検出技術による増幅反応の分析を複雑にし得る。本発明は、この問題を最小限にするかまたは実質的に排除し、したがって、上昇したレベルの感度を提供する。
一実施形態において、本発明は、標的配列の複数のコピーを合成する方法に達し、この方法は、RNA標的配列を含む標的核酸をプライミングオリゴヌクレオチドおよび結合分子(例えば、終結オリゴヌクレオチド(terminating オリゴヌクレオチド)または消化オリゴヌクレオチド(digestion オリゴヌクレオチド))で処理する工程であって、このプライミングオリゴヌクレオチドはプライマー伸長反応が標的配列の3’末端から開始され得るように標的配列の3’末端にハイブリダイズし、この結合分子は標的配列の5’末端に隣接するかもしくは5’末端に近い標的核酸に結合する(「〜に隣接する」とは、結合分子が標的配列の5’末端塩基に近く、標的配列に対して十分に5’側の標的核酸の塩基に結合することを意味する)、工程;プライマー伸長反応において、そのプライミングオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)で伸長させ、その標的配列に相補的なDNAプライマー伸長産物を得る工程であって、このプライマー伸長産物は、結合分子によって決定される3’末端を有し、このプライマー伸長産物の3’末端は、その標的配列の5’末端に相補的である、工程;そのプライマー伸長産物を、その標的配列を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性を有する酵素)を用いてその標的配列から分離する工程;そのプライマー伸長産物を、第一の領域および第二の領域を含むプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する工程であって、この第一の領域は、そのプライマー伸長産物の3’領域にハイブリダイズしてプロモーターオリゴヌクレオチド:プライマー伸長産物ハイブリッドを形成し、この第二の領域は、RNAポリメラーゼに対するプロモーターを含み、かつその第一の領域に対して5’側に位置し、このプロモーターオリゴヌクレオチドは、そのプロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変される(例えば、ブロッキング部分がそのプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に位置し、ポリメラーゼ伸長を防ぐ)、工程;そのプロモーターオリゴヌクレオチド:プライマー伸長産物ハイブリッドにおけるプライマー伸長産物の3’末端を伸長させて、そのプロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域に配列相補性を付加する工程;ならびにそのプロモーターオリゴヌクレオチド:プライマー伸長産物ハイブリッドから、そのプロモーターオリゴヌクレオチド中のプロモーターを認識しそのプロモーターから転写を開始するRNAポリメラーゼを用いて、そのプライマー伸長産物と相補的な複数のRNA産物を転写する工程、を包含する。この実施形態にしたがって、得られるRNA産物の塩基配列は、標的配列の塩基配列と実質的に同一である。この実施形態に従う好ましい方法において、DNAポリメラーゼの活性は、プライミングオリゴヌクレオチドを含むプライマー伸長産物の形成に実質的に制限される。この実施形態に従うさらに別の好ましい方法において、その方法における副産物の形成は、そのプロモーターオリゴヌクレオチドがそのプロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変されていない場合よりも、実質的に少ない。この実施形態のさらに別の好ましい方法にしたがって、オリゴヌクレオチドがRNAポリメラーゼに対するプロモーターを含む増幅反応で使用される場合、そのオリゴヌクレオチドは、その3’末端からのDNA合成の開始を防ぐようにその3’末端に位置するブロッキング部分をさらに含む。
本発明の第二の実施形態は、標的配列の複数のコピーを合成する方法に達し、この方法は、RNA標的配列を含む標的核酸を、プライマー伸長反応が標的核酸の3’末端から開始され得るように標的核酸の3’末端にハイブリダイズするプライミングオリゴヌクレオチドで処理する工程;プライマー伸長反応において、そのプライミングオリゴヌクレオチドを、DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)で伸長させて、不確定の(indeterminate)3’末端を有しかつその標的核酸に相補的な塩基領域を含む第一のDNAプライマー伸長産物を得る工程;その第一のプライマー伸長産物を、この第一のプライマー伸長産物に相補的な標的核酸の部分を選択的に分解する酵素(RNAse H活性を有する酵素)を用いて、その標的核酸から分離する工程;その第一のプライマー伸長産物を、第一の領域および第二の領域を含むプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する工程であって、この第一の領域は、その第一のプライマー伸長産物の3’領域とハイブリダイズしてプロモーターオリゴヌクレオチド:第一のプライマー伸長産物ハイブリッドを形成し、この第二の領域は、RNAポリメラーゼに対するプロモーターを含みかつ第一の領域に対して5’側に位置し、このプロモーターオリゴヌクレオチドは、そのプロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変される(例えば、ブロッキング部分が、ポリメラーゼ伸長を防ぐプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に位置する)、工程;ならびにそのプロモーターオリゴヌクレオチド:第一のプライマー伸長産物ハイブリッドから、プロモーターを認識しそのプロモーターから転写を開始するRNAポリメラーゼを用いて、その第一のプライマー伸長産物の少なくとも一部と相補的な複数の第一のRNA産物を転写する工程であって、この得られる第一のRNA産物の塩基配列は、その標的配列の塩基配列と実質的に同一である、工程、を包含する。この実施形態に従う好ましい方法において、その方法におけるDNAポリメラーゼの活性は、プライミングオリゴヌクレオチドを含むプライマー伸長産物の形成に実質的に制限される。この実施形態に従うさらに別の好ましい方法において、その方法における副産物の形成は、プロモーターオリゴヌクレオチドがそのプロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変されていない場合よりも、実質的に少ない。この実施形態のさらに別の好ましい方法にしたがって、オリゴヌクレオチドがRNAポリメラーゼに対するプロモーターを含む増幅反応で使用される場合、このオリゴヌクレオチドは、その3’末端からのDNA合成の開始を防ぐためにその3’末端に位置するブロッキング部分をさらに含む。
この実施形態は、好ましくは、以下のさらなる工程に達する;プロモーターオリゴヌクレオチド:第一のプライマー伸長産物から転写された第一のRNA産物を上記のプライミングオリゴヌクレオチドで処理して、そのプライミングオリゴヌクレオチドからプライマー伸長反応が開始され得るようにプライミングオリゴヌクレオチド:第一のRNA産物ハイブリッドを形成する工程;プライマー伸長反応において、そのプライミングオリゴヌクレオチドを、DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)で伸長させて、その第一のRNA産物と相補的な第二のDNAプライマー伸長産物を得る工程であって、この第二のプライマー伸長産物は、その第一のRNA産物の5’末端に相補的である3’末端を有する、工程;その第二のプライマー伸長産物を、その第一のRNA産物を選択的に分解する酵素(例えば、RNAse H活性を有する酵素)を用いて、その第一のRNA産物から分離する工程;その第二のプライマー伸長産物を上記のプロモーターオリゴヌクレオチドで処理して、プロモーターオリゴヌクレオチド:第二のプライマー伸長産物ハイブリッドを形成させる工程;そのプロモーターオリゴヌクレオチド:第二のプライマー伸長産物ハイブリッドにおける第二のプライマー伸長産物の3’末端を伸長させて、プロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域に配列相補性を付加する工程;ならびにそのプロモーターオリゴヌクレオチド:第二のプライマー伸長産物ハイブリッドから、RNAポリメラーゼを用いてその第二のプライマー伸長産物に相補的な複数の第二のRNA産物を転写する工程であって、その第二のRNA産物の塩基配列は、その標的配列の塩基配列と実質的に同一である、工程。
本発明の第三の実施形態は、標的配列の複数のコピーを合成する方法に達し、この方法は、DNA標的配列を含む標的核酸を、第一の領域および第二の領域を含むプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する工程であって、この第一の領域は、その標的配列の3’末端にハイブリダイズしてプロモーターオリゴヌクレオチド:標的核酸ハイブリッドを形成し、この第二の領域は、RNAポリメラーゼに対するプロモーターを含みかつその第一の領域に対して5’側に位置し、このプロモーターオリゴヌクレオチドは、そのプロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変される(例えば、ブロッキング部分がそのプロモーターオリゴヌクレオチドの3’領域に位置される)、工程;そのプロモーターオリゴヌクレオチド:標的核酸ハイブリッドから、そのプロモーターを認識しそのプロモーターから転写を開始するRNAポリメラーゼを用いて、その標的配列に相補的な塩基領域を含む複数の第一のRNA産物を転写する工程;その第一のRNA産物を、プライマー伸長反応がその第一のRNA産物の3’領域から開始され得るようにその第一のRNA産物の3’末端にハイブリダイズするプライミングオリゴヌクレオチドで処理する工程;プライマー伸長反応において、そのプライミングオリゴヌクレオチドを、DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)で伸長させて、その第一のRNA産物の少なくとも一部と相補的なDNAプライマー伸長産物を得る工程であって、そのプライマー伸長産物は、その第一のRNA産物の5’末端に相補的である3’末端を有する、工程;そのプライマー伸長産物を、その第一のRNA産物を選択的に分解する酵素を用いてその第一のRNA産物から分離する工程;そのプライマー伸長産物を、上記のプロモーターオリゴヌクレオチドで処理して、プロモーターオリゴヌクレオチド:プライマー伸長産物ハイブリッドを形成させる工程;ならびにそのプロモーターオリゴヌクレオチド:プライマー伸長産物ハイブリッドから、RNAポリメラーゼを用いてそのプライマー伸長産物に相補的な複数の第二のRNA産物を転写する工程であって、その第二のRNA産物の塩基配列はその標的配列の塩基配列と実質的に相補的である、工程、を包含する。この実施形態に従う好ましい方法において、その方法における上記DNAポリメラーゼの活性は、プライミングオリゴヌクレオチドを含むプライマー伸長産物の形成に実質的に制限される。この実施形態に従うさらに別の好ましい方法において、その方法における副産物の形成は、プロモーターオリゴヌクレオチドがそのプロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変されていない場合よりも、実質的に少ない。この実施形態のさらに別の好ましい方法にしたがって、その増幅反応で使用されるオリゴヌクレオチドがRNAポリメラーゼに対するプロモーターを含む場合、そのオリゴヌクレオチドは3’末端からのDNA合成の開始を防ぐようにその3’末端に位置するブロッキング部分をさらに含む。さらに、この実施形態の任意の方法は、上記のプロモーターオリゴヌクレオチド:プライマー伸長産物ハイブリッドにおけるプライマー伸長産物の3’末端を伸長させて、そのプロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域に配列相補性を付加する工程を包含し得る。
上記の実施形態のいずれかを実施するのに適切な試薬および条件は、実施例の節に記載される。
本発明の方法は、臨床サンプル、食品サンプル、水サンプル、工業サンプル、環境サンプル、法医学サンプルおよび同様のサンプル中の特定の核酸標的配列を検出および/または定量するためのアッセイの成分として、あるいは種々の用途のために特定の標的配列のDNAおよび/またはRNAの多数のコピーを生成するために使用され得る。(本明細書で使用される場合、用語「コピー」とは、標的配列と同じセンスまたは反対のセンスのいずれかを有する増幅産物を指す)。これらの方法はまた、クローニング用の標的配列の複数のコピーを生成するため、またはプローブを生成するため、または塩基配列決定用のRNAおよびDNAのコピーを生成するために使用され得る。
上記の実施形態のプライミングオリゴヌクレオチドは、必要に応じて、プライミングオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐために、標的核酸またはRNA産物をプライミングオリゴヌクレオチドで処理する前に、その3’末端にハイブリダイズした塩基領域を含むキャップを有する。そのキャップの5’末端塩基(すなわち、最も5’側の塩基)は、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端塩基(すなわち、最も3’側の塩基)にハイブリダイズする。しかし、キャップは、標的核酸またはRNA産物によってプライミングオリゴヌクレオチドから優先的に外されるように設計される。本発明のキャップは、個別のキャッピングオリゴヌクレオチドの形態を取っても、リンカーを介してプライミングオリゴヌクレオチドの5’末端に結合されてもよい。好ましいキャッピングオリゴヌクレオチドは、そのキャッピングオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変される(例えば、その3’末端にブロッキング部分を含む)。
標的配列またはその相補体に対するプライミングオリゴヌクレオチドの結合親和性を増大させるために、プライミングオリゴヌクレオチドの5’末端は、その改変がプライミングオリゴヌクレオチドがプライマー伸長反応において伸長されるのを妨げず、プライミングオリゴヌクレオチドがハイブリダイズされるRNAテンプレートの切断を実質的に妨害しないという条件で、標的配列またはRNA産物に対するプライミングオリゴヌクレオチドの結合特性(例えば、ハイブリダイゼーションまたは塩基のスタッキング)を改善する1以上の改変を含み得る。この改変は、好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端から少なくとも15塩基の間隔を空けられ、最も好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドの最も5’側の3つもしくは4つのヌクレオチドに限定された領域に影響を及ぼす。好ましい改変としては、2’−O−メチルリボヌクレオチドおよび「ロックド核酸(Locked Nucleic Acids)」または「ロックドヌクレオシドアナログ(Locked Nucleoside Analogues)」(LNA)が挙げられる。Beckerら、「Method for Amplifying Target Nucleic Acids Using Modified Primers」,米国特許第6,130,038号;Imanishiら、「Bicyclonucleoside and Oligonucleotide Analogues」,米国特許第6,268,490号;およびWengelら、「Oligonucleotide Analogues」,米国特許第6,670,461号を参照のこと。上記の参考文献の内容は、参考として本明細書に援用される。
上記の方法で使用されるプロモーターオリゴヌクレオチドはさらに、RNA産物が形成される速度を高めるように選択される挿入配列を含み得る。挿入配列は、好ましくは、長さが5ヌクレオチド〜20ヌクレオチドであり、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域と第二の領域との間、またはその第一の領域および第二の領域に隣接して配置される。本発明の好ましい挿入配列としては、配列番号1 ccacaaおよび配列番号2 acgtagcatccの塩基配列が挙げられる。
増幅の速度はまた、上記の方法のいずれかにおいてエクステンダーオリゴヌクレオチドを含めることによって影響を及ぼされ得る。エクステンダーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、長さが10ヌクレオチド〜50ヌクレオチドであり、エクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端がプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に隣接するかもしくはその3’末端の近くにあるように、DNAテンプレートにハイブリダイズするように設計される。エクステンダーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、そのエクステンダーオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変される(例えば、3’末端ブロッキング部分を含む)。
上記の方法のいくつかの適用において、結合分子は、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域の5’末端と重複する5’末端を有するオリゴヌクレオチドを含み得る。プロモーターオリゴヌクレオチドに対する結合分子のハイブリダイゼーションを制限するために、第一の領域の5’末端は、プロモーターオリゴヌクレオチドが結合分子にハイブリダイズするのを防ぐために結合分子の5’末端と十分な数のミスマッチを含むように合成され得る。一般的に単一のミスマッチで十分であるはずだが、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域で必要とされる不安定ミスマッチの数は、重複領域(overlapping region)の長さおよび塩基組成に依存する。
上記の方法の適応において、ブロッキング部分は、プライマー伸長産物または第一のプライマー伸長産物をプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する前に、プロモーターオリゴヌクレオチドから解放(release)され得る。ブロッキング部分の解放を容易にするために、プロモーターオリゴヌクレオチドは、オリゴデオキシヌクレオチドに予めハイブリダイズされた反応混合物に提供される。このオリゴデオキシヌクレオチドは、十分な数の連続するリボヌクレオチドを含むプロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域の3’領域にハイブリダイズされ、その結果、ブロッキング部分が、その3’領域のリボヌクレオチドを切断し得る酵素活性の存在下で、プロモーターオリゴヌクレオチドから解放される。リボヌクレオチドの切断の間、オリゴデオキシヌクレオチドもまた、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域から解放され、残りの第一の領域の非切断部分は、プライマー伸長産物または第一のプライマー伸長産物にハイブリダイズする。リボヌクレオチドの3’セクションは、好ましくは、少なくとも6つの連続するリボヌクレオチドを含み、オリゴデオキシヌクレオチドは、好ましくは、そのリボヌクレオチドの3’セクションと同じ長さであり、かつリボヌクレオチドの3’セクションに完全に相補的である。オリゴデオキシヌクレオチドは、別個の分子であっても、リンカーによってプロモーターオリゴヌクレオチドに結合されてもよい。
本発明はさらに、上記の方法を行うのに有用な反応混合物に関する。本発明の反応混合物は、上記の方法を行うために必要な各成分、または成分のいくつかのサブコンビネーションを含み得る。
本発明の方法で使用される材料および/または試薬は、キット(例えば、臨床研究室もしくは犯罪研究室用の診断キット、または一般的な研究室での使用のための核酸増幅キット)の部分として組み込まれ得る。したがって、本発明はキットを包含し、このキットは、本発明の方法を行うのに必要な試薬(例えば、オリゴヌクレオチド、結合分子、ストック溶液、酵素、ポジティブコントロール標的配列およびネガティブコントロール標的配列、試験管または試験プレート、検出試薬)、ならびに取扱説明書のうちのいくつかまたはすべてを備える。
本発明の特定の実施形態は、増幅反応混合物中のRNAおよび/またはDNA産物の存在または量を決定するための1以上の検出プローブを含む。プローブは、増幅反応後にRNAおよび/またはDNA産物を検出(すなわち、終点検出)するように、あるいは増幅反応中にRNAおよび/またはDNA産物を検出(すなわち、リアルタイム検出)するように設計され得る。したがって、プローブは、増幅反応の前、増幅反応中または増幅反応の完了時に、反応混合物に提供され得る。上記の最初の2つの方法におけるRNA産物のリアルタイム検出について、第一のプライマー伸長反応が開始した(すなわち、増幅酵素の添加)後にプローブを反応混合物に提供することが望ましくあり得る。なぜなら、RNA産物ではなく標的配列に対するプローブの結合が、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)がプライミングオリゴヌクレオチドを伸長し得る速度を遅くし得るからである。好ましいプローブは、検出を容易にするために1以上の付随標識を有する。
本発明はさらに、種々のオリゴヌクレオチド(本明細書に記載されるプライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、終結オリゴヌクレオチド、キャッピングオリゴヌクレオチド、エクステンダーオリゴヌクレオチドおよびプローブを含む)に達する。本発明のオリゴヌクレオチドがDNAまたはRNA(およびそれらのアナログ)であり得、いずれの場合でも、本発明は、DNAオリゴヌクレオチドのRNA等価物およびRNAオリゴヌクレオチドのDNA等価物を包含することが理解されるべきである。以下に記載される好ましいプライミングオリゴヌクレオチドおよびプローブを除いて、以下の段落に記載されるオリゴヌクレオチドは、好ましくは、DNA合成ポリメラーゼへの関与を妨げるように改変される(例えば、その3’末端にブロッキング部分を含む)。
標的核酸がC型肝炎ウイルス(HCV)5’非翻訳領域を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までの、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列(hybridizing sequence)を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含む。プロモーター配列は、RNAポリメラーゼ(T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼ)によって認識され、好ましくは、配列番号3 aatttaatacgactcac tatagggagaのT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列は、配列番号4 ctagccatggcgttagtatgagtgtcgtgcagの塩基配列またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30または32個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、これらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズするハイブリダイズ配列に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号5 aatttaatacgactcactatagggagactagccatggcgttagtatgagtgtcgtgcagまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、これらの配列からなるか、本質的にこれらの配列からなる。プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列からなり、このハイブリダイズ配列は、配列番号4またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの少なくとも10、15、20、25、30または32個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がHCV 5’非翻訳領域を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までのプライミングオリゴヌクレオチドを含む。好ましいプライミングオリゴヌクレオチドとしては、配列番号6 aggcattgagcgggttgatccaagaaaggacまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30または31個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。より好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号6またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、これらの塩基配列からなるか、または本質的にこれらの塩基配列からなる。プライミングオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、配列番号6またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30または31個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がHCV 5’非翻訳領域を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号7 guacucaccgguucc、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、非ヒト核酸)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、13または15個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号7、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号7、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、13または15個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、AE置換基)を含む。
標的核酸がHCV 5’非翻訳領域を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが40塩基または50塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号8 agaccacuauggcucucccggg、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、非ヒト核酸)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも18、20または22個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号8、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号8、その相補体、ウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも18、20または22個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、AE置換基)を含む。
標的核酸がヒト免疫不全ウイルス(HIV)pol遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までの、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含む。プロモーター配列は、RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼ)によって認識され、好ましくは、配列番号3のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列は、配列番号9 acaaatggcagtattcatccacaatttaaaaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30または31個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれら塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズするハイブリダイズ配列に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号10 aatttaatacgactcactatagggagacta gccatggcgttagtatgagtgtcgtgcagまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列からなり、このハイブリダイズ配列は、配列番号9またはチミン塩基に対して置換されたウラシル配列を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30または31個の連続する塩基からなるか、これらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がHIV pol遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までのプライミングオリゴヌクレオチドを含む。好ましいプライミングオリゴヌクレオチドとしては、配列番号11 gtttgtatgtctgttgctattatgtctまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、%90または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。より好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号11またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プライミングオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、配列番号11またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基からなるか、これらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がHIV pol遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは、標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号12 acuguaccccccaaucc、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、非ヒト核酸)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも13、15または17個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号12、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号12、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも13、15または17個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基配列に含まれこれらの塩基配列を包含し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、AE置換基)を含む。
標的核酸がヒトパピローマウイルス(HPV)E6およびE7遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までの、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含む。プロモーター配列は、RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼ)によって認識され、好ましくは、配列番号3のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列は、配列番号13 gaacagatggggcacacaattcctagtまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、%90または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズするハイブリダイズ配列に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号14 aatttaatacgactcactatagggagagaa cagatggggcacacaattcctagtまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列からなり、このハイブリダイズ配列は、配列番号13またはチミン塩基に対して置換されたウラシル配列を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基からなるか、これらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がHPV E6およびE7遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までのプライミングオリゴヌクレオチドを含む。好ましいプライミングオリゴヌクレオチドとしては、配列番号15 gacagctcagaggaggaggまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15または19個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。より好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号15またはチミン塩基に対して置換されたウラシル配列を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プライミングオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、配列番号15またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15または19個の連続する塩基を含むか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がHPV E6およびE7遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは、標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号16 ggacaagcagaaccggacaまたはその相補体の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、非ヒト核酸)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも15、17または19個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号16またはその相補体の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号16またはその相補体の塩基配列のうちの、少なくとも15、17または19個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、AE置換基)を含む。
標的核酸が、西ナイルウイルス(WNV)非構造タンパク質5遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までの、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含む。プロモーター配列は、RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼ)によって認識され、好ましくは、配列番号3のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列は、配列番号17 gagtagacggtgctgcctgcgactcaaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズするハイブリダイズ配列に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号18 aatttaatacgactcactcactatagggagagagtagacggtgctgcctgcgactcaaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列からなり、このハイブリダイズ配列は、配列番号17またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基を含むかまたはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がWNV非構造タンパク質5遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までのプライミングオリゴヌクレオチドを含む。好ましいプライミングオリゴヌクレオチドとしては、配列番号19 tccgagacggttctgagggcttaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20または23個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか。本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。より好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号19またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プライミングオリゴヌクレオチドが塩基配列は、好ましくは、配列番号19またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20または23個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がWNV非構造タンパク質5遺伝子を含む特定の増幅反応について、本発明はさらには、長さ35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号20 gaucacuucgcggcuuug、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、非ヒト核酸)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも14、16または18個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号20、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号20、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも14、16または18個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、AE置換基)を含む。
標的核酸がChlamydia trachomatisの23S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までの、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含む。プロモーター配列は、RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼ)によって認識され、好ましくは、配列番号3のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列は、配列番号21 cggagtaagttaagcacgcggacgattggaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸とハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または30この連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか。これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、増幅条件下で標的核酸とハイブリダイズするハイブリダイズ配列に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号22 aatttaatacgactcactatagggagacgg agtaagttaagcacgcggacgattggaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸とハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列からなり、このハイブリダイズ配列は、配列番号21またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または30個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸とハイブリダイズする。
標的核酸がChlamydia trachomatisの23S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までのプライミングオリゴヌクレオチドを含む。好ましいプライミングオリゴヌクレオチドとしては、配列番号23 cccgaagattccccttgatcgcgacctgaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸とハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または29個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。より好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号23またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸とハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プライミングオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、配列番号23またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または29個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸とハイブリダイズする。
標的核酸がChlamydia trachomatisの23S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号24 cguucucaucgcucuacggacucu、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、非Chlamydia psittaci核酸)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも19、22または24個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基かなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号24、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号24、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも19、22または24個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、AE置換基)を含む。
標的核酸がMycobacterium tuberculosisの16S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までの、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含む。プロモーター配列は、RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼ)によって認識され、好ましくは、配列番号3のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列は、配列番号25 actgggtctaataccggataggaccacgggatgcatまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30、35または36個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズするハイブリダイズ配列に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号26 aattctaatacgactcactat agggagaactgggtctaataccggataggaccacgggatgcatまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列からなり、このハイブリダイズ配列は、配列番号25またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30、35または36個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がMycobacterium tuberculosisの16S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までの、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを含む。プロモーター配列は、RNAポリメラーゼ(例えば、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼ)によって認識され、好ましくは、配列番号3のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ配列は、配列番号27 actgggtctaataccggataggaccacgggaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30または31個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。プロモーターオリゴヌクレオチドは、好ましくは、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズするハイブリダイズ配列に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号28 aattctaatacgactcactat agggagaactgggtctaataccggataggaccacgggaまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、プロモーター配列およびハイブリダイズ配列からなり、このハイブリダイズ配列は、配列番号27またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25、30または31個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がMycobacterium tuberculosisの16S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明は、長さが40塩基または50塩基までのプライミングオリゴヌクレオチドを含む。好ましいプライミングオリゴヌクレオチドとしては、配列番号29 gccgtcaccccaccaacaagctgatagまたはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなる、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。より好ましくは、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号29またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつ増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。プライミングオリゴヌクレオチドの塩基配列は、好ましくは、配列番号29またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも10、15、20、25または27個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸がMycobacterium tuberculosisの16S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号30 gcucaucccacaccgcuaaagc、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、Mycobacterium avium複合生物に由来する核酸ではないもの)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも18、20または22個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号30またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号30またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも18、20または22個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プロモーターは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(AE置換基)を含む。
標的核酸がMycobacterium tuberculosisの16S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号31 ccgagaucccacaccgcuaaagccucgg、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、Mycobacterium avium複合生物に由来する核酸ではないもの)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも22、25または28個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号31、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号31、その相補体、またはウラシル塩基に対して置換されたチミン塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも22、25または28個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、フルオロフォア/クエンチャー色素対)を含む。
標的核酸がMycobacterium tuberculosisの16S rRNA配列を含む特定の増幅反応について、本発明はさらに、長さが35塩基、50塩基または100塩基までの検出プローブに関する。好ましい検出プローブは標的結合領域を含み、この標的結合領域は、配列番号32 gctcatcccacaccgctaaagc、その相補体、またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列と少なくとも80%、90%または100%同一であり、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体(例えば、Mycobacterium avium複合生物に由来する核酸ではないもの)に優先的にハイブリダイズする塩基配列のうちの、少なくとも18、20または22個の連続する塩基を含むか、これらの塩基からなるか、本質的にこれらの塩基からなるか、これらの塩基と重複するか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有する。検出プローブは、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体にハイブリダイズする標的結合領域に加えて1つも領域を含まない。より好ましくは、検出プローブは、配列番号32、その相補体、またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列に実質的に対応し、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする塩基配列を含むか、この塩基配列からなるか、または本質的にこの塩基配列からなる。検出プローブの塩基配列は、好ましくは、配列番号32、その相補体、またはチミン塩基に対して置換されたウラシル塩基を含む等価配列の塩基配列のうちの、少なくとも18、20または22個の連続する塩基からなるか、またはこれらの塩基に含まれこれらの塩基を含有し、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸またはその相補体に優先的にハイブリダイズする。特定の実施形態において、プローブは、必要に応じて、1以上の検出可能な標識(例えば、AE置換基)を含む。
本発明の一部を形成しない増幅反応について、上記のプロモーターオリゴヌクレオチドは、プロモーター配列を除くように改変され得、そして/またはプライミングオリゴヌクレオチドは、プロモーター配列を含むように改変され得る。さらに、標的配列に対する望ましい特異性が達成され得る場合、上記のプロモーターオリゴヌクレオチドおよび/またはプライミングオリゴヌクレオチドは改変され得、検出プローブとして使用され得る。また、上記の検出プローブは、増幅オリゴヌクレオチドとして使用するために適合され得る。
本発明の他の特徴および利点は、以下のそれらの好ましい実施形態の説明、および特許請求の範囲から明らかである。
(発明の詳細な説明)
本発明にしたがって、新規な方法、反応混合物および組成物が、特定の核酸標的配列の検出および/または定量のためのアッセイにおいて使用するためのそのような核酸標的配列の増幅のため、あるいは種々の用途のための特定の標的配列のDNAおよび/またはRNAの多数のコピーの生成のために提供される。特に、本発明の実施形態は、特異性および感度が増強された核酸標的配列の増幅を提供する。本発明の増幅方法は、単一のプライマーのみを用いて行われ得、この増幅方法で使用される他のすべてのオリゴヌクレオチドは、好ましくは、それらが核酸ポリメラーゼによって伸長され得ないように、その3’末端においてブロッキング部分を含む。
(定義)
以下の用語は、明示的に反対に規定されない限り、以下の意味を有する。用語「1つの」(「a」または「an」)実体とは、その実体の1以上を指すことに注意されるべきである;例えば、「1つの核酸(a nucleic acid)」は、1以上の核酸を表すことが理解される。そのようなものとして、用語「1(つ)」(「a」(または「an」))、「1(つ)以上」(「one or more」)および「少なくとも1(つ)」(「at least one」)は、本明細書で交換可能に使用され得る。
(1.核酸)
用語「核酸」は、単数の「核酸」および複数の「核酸」を包含することが意図され、共有結合で一緒に結合された2以上のヌクレオチド、ヌクレオシド、または核酸塩基(例えば、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド)の任意の鎖を指す。核酸としては、ウイルスゲノム、またはその一部、DNAもしくはRNAのいずれか、細菌ゲノム、またはその一部、真菌ゲノム、植物ゲノムもしくは動物ゲノム、またはそれらの一部、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、または合成DNAもしくはRNAが挙げられるが、これらに限定されない。核酸は、直鎖状形態(例えば、mRNA)、環状形態(例えば、プラスミド)または分枝鎖形態、ならびに二本鎖形態または一本鎖形態で提供され得る。核酸は、その核酸の機能および挙動を変化させるための改変塩基(例えば、さらなるヌクレオチドがその核酸に付加されるのをブロックするための、3’末端ジデオキシヌクレオチドの付加)を含み得る。本明細書中で使用される場合、核酸の「配列」とは、核酸を構成する塩基の配列を指す。用語「ポリヌクレオチド」は、核酸鎖を表すために本明細書で使用され得る。本出願の全体にわたって、核酸は、5’末端および3’末端を有するものとして表される。標準的な核酸(例えば、DNAおよびRNA)は、代表的に、「5’から3’」、すなわち、伸びている核酸の3’末端へのヌクレオチドの付加によって合成される。
「ヌクレオチド」は、リン酸基、五炭糖および窒素塩基からなる核酸のサブユニットである。RNAで見られる五炭糖はリボースである。DNAでは、五炭糖は2’−デオキシリボースである。この用語はまた、そのようなサブユニットのアナログ(例えば、リボースの2’位におけるメトキシ基(2’−O−Me))を包含する。本明細書中で使用される場合、「T」残基を含むメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース部分の2’位にメトキシ基を有し、そのヌクレオチドの塩基位置にウラシルを有する。
「非ヌクレオチドユニット」は、ポリマーのハイブリダイゼーションに有意に関与しないユニットである。そのようなユニットは、例えば、ヌクレオチドとのいかなる有意な水素結合に関与してはならず、5つのヌクレオチド塩基またはそれらのアナログの1つを成分として有するユニットを除外する。
(2.オリゴヌクレオチド)
本明細書中で使用される場合、用語「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、単数の「オリゴヌクレオチド」および複数の「オリゴヌクレオチド」を包含することが意図され、本発明の増幅方法、およびその後の検出方法で試薬として使用される2以上のヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸塩基または関連化合物の任意のポリマーを指す。オリゴヌクレオチドは、DNAおよび/またはRNAおよび/またはそれらのアナログであり得る。用語オリゴヌクレオチドは、試薬に対するいかなる特定の機能を示さず、むしろ、一般的に、本明細書に記載されるそのようなすべての試薬を包含するように使用される。オリゴヌクレオチドは、種々様々な機能を果たし得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドが相補鎖にハイブリダイズすることが可能でありさらに核酸ポリメラーゼの存在下で伸長され得る場合にプライマーとして機能し得、そのオリゴヌクレオチドがRNAポリメラーゼによって認識される配列を含み転写を可能にする場合にプロモーターを提供し、そして適切に位置付けられかつ/または改変された場合にハイブリダイゼーションを妨げるかまたはプライマー伸長を妨害するように機能し得る。本発明の特定のオリゴヌクレオチドは、以下により詳細に記載される。本明細書中で使用される場合、オリゴヌクレオチドは、実質的に任意の長さであり得、増幅反応または増幅反応の増幅産物を検出することにおけるその特定の機能によってのみ制限される。
規定された配列および化学構造のオリゴヌクレオチドは、当業者に公知の技術によって(例えば、化学合成または生化学合成によって、ならびに組換え核酸分子(例えば、細菌ベクターまたはウイルスベクター)からのインビトロ発現またはインビボ発現によって)生成され得る。本開示によって意図されるように、オリゴヌクレオチドは、単独で野生型染色体DNAからもそのインビボ転写産物からも構成されない。
オリゴヌクレオチドは、与えられた改変が与えられたオリゴヌクレオチドの望ましい機能に適合する限り、任意の方法で改変され得る。当業者は、与えられた改変が本発明の任意の所定のオリゴヌクレオチドに適切であるかまたは望ましいかどうかを容易に決定し得る。改変は、塩基改変、糖改変または骨格改変を含む。塩基改変としては、アデニン、シチジン、グアノシン、チミンおよびウラシルに加えて以下の塩基の使用が挙げられるが、これらに限定されない:C−5プロピン、2−アミノアデノシン、5−メチルシチジン、イノシン、ならびにdPおよびdK塩基。ヌクレオシドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボースおよびそれらのアナログ(例えば、リボフラノシル部分に対する2’−O−メチル置換基を有するリボヌクレオシドが挙げられる)であり得る。Beckerら、米国特許第6,130,038号を参照のこと。他の糖改変としては、2’−アミノ,2’−フルオロ,(L)−α−スレオフラノシルおよびペントプラノシル(pentopuranosyl)改変が挙げられるが、これらに限定されない。ヌクレオシドサブユニットは、結合(例えば、ホスホジエステル結合、改変された結合)によって、またはその相補的な標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを妨げない非ヌクレオチド部分によって結合され得る。改変された結合は、標準的なホスホジエステル結合が異なる結合(例えば、ホスホロチオエート結合またはメチルホスホネート結合)で置き換えられる結合を含む。核酸塩基サブユニットは、例えば、DNAの天然のデオキシリボースホスフェート骨格を偽のペプチド骨格(例えば、カルボキシメチルリンカーによって核酸塩基サブユニットを中央の第二級アミンに結合させる2−アミノエチルグリシン骨格)で置き換えることによって結合され得る。(偽のペプチド骨格を有するDNAアナログは、一般に、「ペプチド核酸」または「PNA」と称され、Nielsenら、「Peptide Nucleic Acids」,米国特許第5,539,082号によって開示されている)。他の結合改変としては、モルホリノ結合が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明によって企図されるオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの非限定的な例としては、二環式および三環式のヌクレオシドおよびヌクレオチドアナログ(LNA)を含む核酸アナログが挙げられる。(Imanishiら、米国特許第6,268,490号;およびWengelら、米国特許第6,670,461号を参照のこと)。改変されたオリゴヌクレオチドがその意図された機能(例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件もしくは増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズするか、またはDNAもしくはRNAと相互作用し、それによって伸長もしくは転写を開始する)を果たし得るという条件で、任意の核酸アナログが本発明によって企図される。検出プローブの場合、改変されたオリゴヌクレオチドもまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸に優先的にハイブリダイズすることが可能でなくてはならない。
本発明のためのオリゴヌクレオチドの設計および配列は以下に記載されるようなそれらの機能に依存するが、数個の変数が、一般的に、考慮されなければならない。最も重要なものの中には、長さ、融解温度(Tm)、特異性、系における他のオリゴヌクレオチドとの相補性、G/C含有量、ポリピリミジン(T、C)またはポリプリン(A、G)ストレッチ、および3’末端配列がある。これらの変数および他の変数を制御することは、オリゴヌクレオチド設計の標準的かつ周知の局面であり、最適なオリゴヌクレオチドについて多数の潜在的なオリゴヌクレオチドをスクリーニングするために、種々のコンピュータプログラムが容易に入手可能である。
オリゴヌクレオチド(または他の核酸)の3’末端は、以下に記載されるように、ブロッキング部分を用いて種々の方法でブロックされ得る。「ブロックされた」オリゴヌクレオチドは、DNAの相補鎖を生成するために、その3’末端にヌクレオチドを付加しても、DNA依存性DNAポリメラーゼによってもRNA依存性DNAポリメラーゼによっても伸長され得ない。そのようなものとして、「ブロックされた」オリゴヌクレオチドは、「プライマー」であり得ない。
本開示において使用される場合、句「(特定の配列の群)から選択される配列「を含む」か、(特定の配列の群)から選択される配列「からなる」か、または(特定の配列の群)から選択される配列「から本質的になる」核酸配列を有するオリゴヌクレオチド」は、オリゴヌクレオチドが、基本的および新規な特徴として、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、その群の列挙された核酸配列のうちの1つの正確な補体を有する核酸に安定にハイブリダイズし得ることを意味する。正確な補体は、対応するDNA配列またはRNA配列を含む。
句「核酸配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチド」は、その言及されたオリゴヌクレオチドが参照核酸配列に十分に類似し、その結果、そのオリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で同じ標的核酸配列とハイブリダイズするという点で、その参照核酸配列に類似するハイブリダイゼーション特性を有することを意味する。
当業者は、本発明の「実質的に対応する」オリゴヌクレオチドが、その言及された配列と異なり得、依然として同じ標的核酸配列にハイブリダイズし得ることを理解する。この核酸のバリエーションは、その配列内の同一塩基の割合、またはプローブもしくはプライマーとその標的配列との間の完全に相補的な塩基の割合の点から記載され得る。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、その塩基同一性または相補性の割合が100%〜約80%である場合に、参照核酸配列に実質的に対応する。好ましい実施形態において、この割合は、100%〜約85%である。より好ましい実施形態において、この割合は、100%〜約90%であり得る;他の好ましい実施形態において、この割合は、100%〜約95%である。当業者は、許容不可能なレベルの非特異的なハイブリダイゼーションを引き起こすことなく特定の標的核酸に対するハイブリダイゼーションを可能にするために、種々の相補性の割合において必要とされる可能性のあるハイブリダイゼーション条件に対する種々の改変を理解する。
(3.ブロッキング部分)
本明細書中で使用される場合、「ブロッキング部分」は、オリゴヌクレオチドもしくは他の核酸が核酸ポリメラーゼによって伸長され得ないように、そのオリゴヌクレオチドもしくは他の核酸の3’末端を「ブロックする」ために使用される物質である。ブロッキング部分は、小分子(例えば、リン酸基またはアンモニウム基)であっても、改変ヌクレオチド(例えば、3’2’ジデオキシヌクレオチドまたは3’デオキシアデノシン5’三リン酸(コルジセピン))であっても、他の改変ヌクレオチドであってもよい。さらなるブロッキング部分は、例えば、3’末端に遊離のヒドロキシル基が存在しないような3’から5’の方向性を有するヌクレオチドもしくは短いヌクレオチド配列の使用、3’アルキル基、3’非ヌクレオチド部分(例えば、Arnoldら、「Non−Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes」,米国特許第6,031,091号(この内容は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと)、ホスホロチオエート、アルカンジオール残基、ペプチド核酸(PNA)、3’末端において3’ヒドロキシル基を欠くヌクレオチド残基、または核酸結合タンパク質の使用を含む。好ましくは、3’ブロッキング部分は、3’から5’の方向性を有するヌクレオチドもしくはヌクレオチド配列、または3’非ヌクレオチド部分を含み、3’2’−ジデオキシヌクレオチドも遊離のヒドロキシル基を有する3’末端も含まない。3’ブロッキングオリゴヌクレオチドを調製するためのさらなる方法は、当業者に周知である。
(4.結合分子)
本明細書中で使用される場合、「結合分子」は、DNAプライマー伸長産物を所望の長さに制限する(すなわち、プライマー伸長産物が一般に、規定された3’末端を有する)ように、所望の標的配列の5’末端に隣接するかもしくはその5’末端に近いRNA標的核酸にハイブリダイズするか、他の場合にはRNA標的核酸に結合する物質である。本明細書中で使用される場合、句「規定された3’末端」は、結合分子の非存在下で生じるプライマー伸長反応の場合のように、プライマー伸長産物の3’末端が全く不確定ではなく、プライマー伸長産物の3’末端が小さい範囲の塩基内でおおむね分かることを意味する。特定の実施形態において、結合分子は塩基領域を含む。この塩基領域は、DNA、RNA、DNA:RNAキメラ分子、またはそのアナログであり得る。塩基領域を含む結合分子は、本明細書に記載されるように、1以上の方法で改変され得る。例示的な塩基領域としては、以下に記載されるように、終結オリゴヌクレオチドおよび消化オリゴヌクレオチドが挙げられる。他の実施形態において、結合分子は、例えば、DNAプライマー伸長産物を予め決定された長さに制限するために十分な親和性かつ特異性でRNAに結合し得るタンパク質または薬物を含み得る。
(5.終結オリゴヌクレオチド)
本発明において、「終結オリゴヌクレオチド」は、プライミングオリゴヌクレオチドを含む新生核酸のプライマー伸長を「終結させ」、それによって、その新生核酸鎖に規定された3’末端を提供するように、標的配列の5’末端の近傍において標的核酸の一定の領域に相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである。終結オリゴヌクレオチドは、その新生核酸鎖に所望の3’末端をもたらすのに十分な位置で標的核酸にハイブリダイズするように設計される。終結オリゴヌクレオチドの位置決めは、その設計に依存して柔軟性(flexible)である。終結オリゴヌクレオチドは、改変されても改変されなくてもよい。特定の実施形態において、終結オリゴヌクレオチドは、少なくとも1以上の2’−O−メチルリボヌクレオチドで合成される。これらの改変ヌクレオチドは、相補二重鎖の熱安定性がより高いことが示されている。この2’−O−メチルリボヌクレオチドはまた、エキソヌクレアーゼに対するオリゴヌクレオチドの耐性を増大させ、それによって、改変されたオリゴヌクレオチドの半減期を増大するように機能する。例えば、Majlessiら、(1988) Nucleic Acids Res. 26,2224−9(この内容は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと。本明細書の他の箇所で記載されるような他の改変は、2’−O−メチルリボヌクレオチドに加えて、または2’−O−メチルリボヌクレオチドの代わりに利用され得る。例えば、終結オリゴヌクレオチドは、PNAまたはLNAを含み得る。例えば、Petersenら、(2000)J.Mol.Recognit.13,44−53(この内容は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと。本発明の終結オリゴヌクレオチドは、代表的に、伸長を防ぐためにその3’末端にブロッキング部分を含む。終結オリゴヌクレオチドはまた、ポリメラーゼによる新生核酸のさらなる伸長を終了させるように、オリゴヌクレオチドに結合されたタンパク質またはペプチドを含み得る。本発明の終結オリゴヌクレオチドは、代表的に、長さが少なくとも10塩基であり、15、20、25、30、35、40、50ヌクレオチドまたはそれ以上のヌクレオチドの長さまで伸長し得る。適切かつ好ましい終結オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される。終結オリゴヌクレオチドは代表的に、または必然的に3’ブロッキング部分を含むが、「3’がブロックされた」オリゴヌクレオチドは必ずしも終結オリゴヌクレオチドではないことが注意されるべきである。本発明の他のオリゴヌクレオチド(例えば、プロモーターオリゴヌクレオチドおよびキャッピングオリゴヌクレオチド)は、同様に、代表的にまたは必然的に3’がブロックされる。
(6.改変オリゴヌクレオチド/消化オリゴヌクレオチド)
改変オリゴヌクレオチドは、プライマー伸長産物の3’末端が決定される機構を提供する。改変オリゴヌクレオチドは、代表的に、RNA標的配列の5’末端の近傍において1以上の塩基にハイブリダイズし、改変酵素(ヌクレアーゼ)によるプライマー伸長の終了を容易にするモチーフを含む。あるいは、改変オリゴヌクレオチドは、RNA標的配列の3’末端の近傍でハイブリダイズし、特定の改変酵素またはその後プライマー伸長を終了し得る化学物質につながれる塩基領域を含む可能性がある。
ある特定の改変オリゴヌクレオチドは、消化オリゴヌクレオチドである。消化オリゴヌクレオチドは、DNA、好ましくは少なくとも約6個のデオキシリボヌクレオチドのストレッチからなる。消化オリゴヌクレオチドは、RNAテンプレートにハイブリダイズし、そのRNA:DNAハイブリッドのRNAが本明細書に記載されるような選択的RNAseによって(例えば、RNAse H活性を有する酵素によって)消化される。
(7.プロモーターオリゴヌクレオチド/プロモーター配列)
当該分野で周知であるように、「プロモーター」は、核酸に結合するためのシグナルとしてDNA依存性RNAポリメラーゼ(「トランスクリプターゼ」)によって認識され、特定の部位においてRNAの転写を開始する特定の核酸配列である。結合について、一般に、そのようなトランスクリプターゼは、伸長反応を介してプロモーター配列を含む領域において二本鎖に翻訳されたDNAを必要とすると考えられたが、しかし、本発明者らは、RNAの効率的な転写が二本鎖プロモーターがテンプレート核酸を用いる伸長反応を通して形成されない条件下でさえも起こり得ることを決定した。テンプレート核酸(転写されるべき核酸)は、二本鎖である必要はない。個々のDNA依存性RNAポリメラーゼは、転写を促進するその効率が顕著に異なる種々様々なプロモーター配列を認識する。RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合して転写を開始する場合、このプロモーター配列は、転写される配列の一部ではない。したがって、それによって生成されるRNA転写産物は、この配列を含まない。
本発明によると、「プロモーターオリゴヌクレオチド」は、第一の領域および第二の領域を含み、その3’末端からのDNA合成の開始を防ぐように改変されるオリゴヌクレオチドを指す。本発明のプロモーターオリゴヌクレオチドの「第一の領域」は、DNAテンプレートにハイブリダイズする塩基配列を含み、このハイブリダイズ配列は、プロモーター領域の3’に位置するが、必ずしもプロモーター領域に隣接しない。本発明のプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ部分は、代表的に、長さが少なくとも10ヌクレオチドであり、15、20、25、30、35、40、50ヌクレオチドまたはそれ以上のヌクレオチドの長さまで伸長し得る。「第二の領域」は、RNAポリメラーゼに対するプロモーターを含む。本発明のプロモーターオリゴヌクレオチドは、そのプロモーターオリゴヌクレオチドがRNA依存性DNAポリメラーゼまたはDNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって伸長され得ず、好ましくは上に記載されるようにその3’末端にブロッキング部分を含むように操作される。適切かつ好ましいプロモーターオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される。
本発明のプロモーターオリゴヌクレオチドは、第一の領域のリボヌクレオチド含有セクションに結合されたオリゴデオキシヌクレオチドを含む反応混合物に提供され得る。このリボヌクレオチド含有セクションは、好ましくは、その第一の領域の3’末端に、もしくはその3’末端の近くに位置する少なくとも6個の連続するリボヌクレオチドを含み、オリゴデオキシヌクレオチドは、好ましくは、第一の領域のリボヌクレオチド含有セクションと同じ長さであり、かつその第一の領域のリボヌクレオチド含有セクションに完全に相補的である。RNA:DNA二重鎖のRNAを切断し得る(例えば、RNAse H活性)酵素への曝露の際、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端におけるブロッキング部分は外され、第一の領域の残りは、DNAテンプレートに対するハイブリダイゼーションに利用可能な一本鎖形態である。第一の領域の残りの非切断部分は、好ましくは、上に記載されるように、長さが10ヌクレオチド〜50ヌクレオチドである。
(8.挿入配列)
本明細書中で使用される場合、「挿入配列」は、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域(すなわち、テンプレート結合部分)と第二の領域との間に位置する配列である。挿入配列は、好ましくは、長さが5ヌクレオチド〜20ヌクレオチドであり、より好ましくは長さが6ヌクレオチド〜18ヌクレオチドであり、最も好ましくは長さが6ヌクレオチド〜12ヌクレオチドである。プロモーターオリゴヌクレオチド中の挿入配列に含まれるものは、RNA増幅産物が形成される速度を増大させる。代表的な挿入配列は、本明細書に記載される。
(9.エクステンダーオリゴヌクレオチド)
エクステンダーオリゴヌクレオチドは、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域の3’末端に隣接するかもしくはその3’末端に近いDNAテンプレートにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。エクステンダーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、そのエクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基がプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基の3、2もしくは1塩基であるように、DNAテンプレートにハイブリダイズする。最も好ましくは、エクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基は、エクステンダーオリゴヌクレオチドおよびプロモーターオリゴヌクレオチドがDNAテンプレートにハイブリダイズされる場合に、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基に隣接する。エクステンダーオリゴヌクレオチドの伸長を防ぐために、代表的に、3’末端ブロッキング部分が含まれる。エクステンダーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、長さが10ヌクレオチド〜50ヌクレオチドであり、より好ましくは、長さが20ヌクレオチド〜40ヌクレオチドであり、最も好ましくは、長さが30ヌクレオチド〜35ヌクレオチドである。
(10.プライミングオリゴヌクレオチド)
プライミングオリゴヌクレオチドは、少なくともその3’末端が核酸テンプレートに相補的であり、そのテンプレートと(水素結合またはハイブリダイゼーションによって)複合体化して、RNA依存性DNAポリメラーゼもしくはDNA依存性DNAポリメラーゼによる合成の開始のために適切なプライマー:テンプレート複合体を生じるオリゴヌクレオチドである。プライミングオリゴヌクレオチドは、その3’末端に共有結合されるヌクレオチド塩基の付加によって伸長され、この塩基は、テンプレートに相補的である。その結果がプライマー伸長産物である。本発明のプライミングオリゴヌクレオチドは、代表的に、少なくとも10ヌクレオオチドの長さであり、15、20、25、30、35、40、50ヌクレオチドまたはそれ以上のヌクレオチドの長さまで伸長される。適切かつ好ましいプライミングオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される。実質的には、公知であるすべてのDNAポリメラーゼ(逆転写酵素を含む)は、DNA合成を開始するためにオリゴヌクレオチドが一本鎖テンプレートに複合体化すること(「プライミング」)を必要とするが、RNA複製および転写(DNAからRNAのコピー)は一般的にプライマーを必要としない。DNAポリメラーゼによって伸長されるまさにその性質により、プライミングオリゴヌクレオチドは3’ブロッキング部分を含まない。
(11.キャップまたはキャッピングオリゴヌクレオチド)
本明細書中で使用される場合、「キャップ」は、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端に相補的なオリゴヌクレオチドを含み、ここで、そのキャップの5’末端塩基がプライミングオリゴヌクレオチドの3’末端塩基にハイブリダイズする。本発明に従うキャップは、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端に優先的にハイブリダイズするように設計され、例えば、プロモーターオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしないが、その結果、キャップは標的核酸に対するプライミングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって置き換えられる。キャップは、別個のキャッピングオリゴヌクレオチドの形態を取っても、リンカー領域を介してプライミングオリゴヌクレオチドの5’末端に結合されることによって増幅条件下でプライミングオリゴヌクレオチドとステム−ループ構造を形成してもよい。そのようなリンカー領域は、従来のヌクレオチド、無塩基ヌクレオチドまたはその他の改変されたヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド領域を含み得る。本明細書により詳細に記載されるように、適切なキャップは、少なくとも3塩基の長さであり、約14塩基未満の長さである。代表的なキャップは、長さが約5塩基〜7塩基である。
(12.プローブ)
「プローブ」または「検出プローブ」により、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で検出しようとされる標的配列にハイブリダイズするように、その検出しようとされる標的配列の一定の領域に部分的もしくは完全に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む分子が意味される。当業者によって理解されるように、プローブは、単離された核酸分子、またはそのアナログを、人間の介入なしに天然では見出されない形態で含む(例えば、外来の核酸と組換えられるか、単離されるか、またはある程度精製される)。
本発明のプローブは、そのようなヌクレオシドまたは核酸塩基がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションに実質的に影響を及ぼさず、検出プローブの場合には、標的核酸に対する優先的なハイブリダイゼーションを妨げない限り、その標的とされた領域の外側にさらなるヌクレオシドまたは核酸塩基を有し得る。また、標的捕捉配列(一般的に、ホモポリマー領域(例えば、ポリA、ポリTまたはポリUテイル))、プロモーター配列、RNA転写のための結合部位、制限エンドヌクレアーゼ認識部位のような非相補的配列が含まれても、標的核酸において所望の二次構造もしくは三次構造(例えば、触媒活性部位またはプローブにおけるヘアピン構造)を与える配列が含まれても、それらのいずれもが含まれてもよい。
プローブは、好ましくは、少なくとも1つの検出可能な標識を含む。この標識は、任意の適切な標識物質であり得、放射性同位体、酵素、酵素補因子、酵素基質、色素、ハプテン、化学発光分子、蛍光分子、リン光分子、電気化学発光分子、発色団、規定の条件下で標的核酸に安定にハイブリダイズし得ない塩基配列領域、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。1つの特に好ましい実施形態において、標識は、アクリジニウムエステルである。プローブはまた、そのプローブが標的配列にハイブリダイズしたかどうかに依存して異なるシグナルを放出する相互作用標識を含み得る。相互作用標識の例としては、酵素/基質、酵素/補因子、発光/クエンチャー、発光/付加体、色素ダイマー、およびフォレスターエネルギー移動対が挙げられる。本発明の特定のプローブは、標識を含まない。例えば、非標識「捕捉」プローブが標的配列またはその複製物について富化するために使用され得、次いでこれは第二の「検出」プローブによって検出され得る。例えば、Weisburgら、「Two−Step Hybridization and Capture of a Polynucleotide」,米国特許第6,534,273号(この内容は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと。検出プローブは代表的に標識されるが、特定の検出技術は、プローブが標識されることを必要としない。例えば、Nygrenら、「Devices and Methods for Optical Detection of Nucleic Acid tep Hybridization」,米国特許第6,060,237号を参照のこと。
「安定な」または「検出のために安定な」によって、反応混合物の温度が核酸二重鎖の融解温度よりも少なくとも2℃低いことが意味される。反応混合物の温度は、より好ましくは、核酸二重鎖の融解温度よりも少なくとも5℃低く、さらにより好ましくは、反応混合物の融解温度よりも少なくとも10℃低い。
「優先的にハイブリダイズする」によって、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、本発明のプローブがその標的配列またはその複製物にハイブリダイズして、安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する一方で、安定なプローブ:非標的ハイブリッドが同時に形成されることを最小限にすることが意味される。したがって、プローブは、
当業者が増幅の間に形成される標的配列のRNA複製物または相補DNA(cDNA)を正確に定量し得るように、非標的配列よりも十分に高程度に標的配列またはその複製物にハイブリダイズする。
規定された配列のプローブは、当業者に公知の技術によって(例えば、化学合成によって、および組換え核酸分子からのインビトロ発現またはインビボ発現によって)生成され得る。好ましいプローブは、長さが10ヌクレオチド〜100ヌクレオチドであり、より好ましくは、長さが12ヌクレオチド〜50ヌクレオチドであり、さらにより好ましくは、長さが18ヌクレオチド〜35ヌクレオチドである。
(13.ハイブリダイズする/ハイブリダイゼーション)
核酸ハイブリダイゼーションは、完全にもしくは部分的に相補的なヌクレオチド配列を有する2つの核酸鎖が、所定の反応条件下で一緒になり、安定な二本鎖ハイブリッドを形成するプロセスである。いずれかの核酸鎖が、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)あるいはそれらのアナログであり得る。したがって、ハイブリダイゼーションは、RNA:RNAハイブリッド、DNA:DNAハイブリッド、RNA:DNAハイブリッドまたはこれらのアナログを含み得る。この二本鎖構造体(ハイブリッドと呼ばれることがある)の2つの構成鎖は、水素結合によって結合される。これらの水素結合は、最も一般的には、一本鎖核酸上に塩基のアデニンおよびチミンもしくはウラシル(AおよびTもしくはU)またはシトシンおよびグアニン(CおよびG)を含むヌクレオチド間で形成されるが、塩基対はまた、これらの「正準な」対のメンバーではない塩基間でも形成され得る。正準でない塩基対は、当該分野で周知である。(例えば、ROGER L.P.ADAMSら、THE BIOCHEMISTRY OF THE NUCLEIC ACIDS(第11版、1992)を参照のこと)。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェントな条件」とは、特定の検出プローブがその試験サンプル中に存在する他の核酸を上回って標的核酸とハイブリダイズし得る条件を指す。これらの条件は、因子(プローブのGC含量および長さ、ハイブリダイゼーション温度、ハイブリダイゼーション試薬または溶液の組成、求められるハイブリダイゼーション特異性の程度が挙げられる)に依存して変化し得ることが理解される。特定のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下の開示で提供される。
「核酸ハイブリッド」または「ハイブリッド」または「二重鎖」によって、二本鎖領域、水素結合領域を含む核酸構造体ことが意味される。ここで、各々の鎖は、他方に相補的であり、その領域は、手段(化学発光もしくは蛍光の光検出、オートラジオグラフィー、またはゲル電気泳動が挙げられるが、これらに限定されない)によって検出されるように、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で十分に安定である。そのようなハイブリッドは、RNA:RNA、RNA:DNA、またはDNA:DNA二重鎖分子を含み得る。
「相補的」によって、2つの一本鎖核酸の類似の領域のヌクレオチド配列または同じ一本鎖核酸の2つの異なる領域のヌクレオチド配列が、その一本鎖領域がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件または増幅条件下で一緒に安定な二本鎖水素結合領域でハイブリダイズするヌクレオチド組成を有することが意味される。一方の一本鎖領域のヌクレオチドの隣接する配列が、他方の一本鎖領域のヌクレオチドの類似配列と、AがUもしくはTと対になりCがGと対になるように一連の「正準な」水素結合塩基対を形成し得る場合、そのヌクレオチド配列は「完全に」相補的である。
「優先的にハイブリダイズする」によって、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、特定の相補的なヌクレオチドまたは核酸塩基配列がハイブリダイズして、他の安定性の低い二重鎖よりも優先的に安定なハイブリッドを形成することが意味される。
(14.核酸「同一性」)
特定の実施形態において、本発明の核酸は、参照核酸の連続する塩基領域と少なくとも80%、90%または100%同一である一定の連続する塩基領域を含む。短い核酸(例えば、本発明の特定のオリゴヌクレオチド)について、「クエリー」核酸の塩基領域と参照核酸の塩基領域との間の同一性の程度は、手動のアラインメントによって決定され得る。「同一性」は、比較される核酸の糖および骨格領域に関係なく、窒素塩基の配列だけを比較することによって決定される。したがって、クエリー:参照塩基配列アラインメントは、DNA:DNA、RNA:RNA、DNA:RNA、RNA:DNA、あるいは任意の組み合わせまたはそれらのアナログであり得る。等価なRNAおよびDNA塩基配列は、(RNAでの)Uを(DNAでの)Tに変換することによって比較され得る。
(15.標的核酸/標的配列)
「標的核酸」は、増幅されるべき「標的配列」を含む核酸である。標的核酸は、本明細書に記載されるようなDNAまたはRNAであり得、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得る。標的核酸は、標的配列に加えて他の配列を含み得、この配列は増幅され得ない。代表的な標的核酸としては、ウイルスゲノム、細菌ゲノム、真菌ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、ウイルス、細菌もしくは真核生物細胞由来のrRNA、tRNAまたはmRNA、ミトコンドリアDNA、あるいは染色体DNAが挙げられる。
標的核酸は、実行される増幅アッセイの目的に基づいて、任意の数の供給源から単離され得る。標的核酸の供給源としては、犯罪の証拠に由来する臨床標本(例えば、血液、尿、唾液、糞便、精液または髄液);環境サンプル(水または土壌サンプル)、食物、工業サンプル、cDNAライブラリー、あるいは全細胞RNAに由来する標本が挙げられるが、これらに限定されない。「単離された」によって、標的核酸を含むサンプルがその天然の環境から取得されることが意味されるが、この用語は、精製のいかなる程度も暗示しない。必要な場合、本発明の標的核酸は、本発明の種々のオリゴヌクレオチドとの相互作用のために利用可能にされる。これは、例えば、細胞から標的核酸を放出させるために細胞溶解または細胞透過化処理を含み得、次いでこの後に、1つ以上の精製工程(例えば、一連の単離および洗浄工程)が続き得る。例えば、Clarkら、「Method for Extracting Nucleic Acids from a Wide Range of Organisms」,米国特許第5,786,208号(この内容は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと。これは、サンプルが増幅反応を妨害し得る成分(例えば、血液サンプル中に存在するヘム)を含み得る場合に特に重要である。Ryderら、「Amplification of Nucleic Acids from Mononuclear Cells Using Iron Complexing and Other Agents」,米国特許第5,639,599号(この内容は、参考として本明細書に援用される)を参照のこと。増幅のために種々の供給源から標的核酸を調製するための方法は、当業者に周知である。本発明の標的核酸は、本明細書に記載される増幅反応の前にある程度精製され得るが、他の場合では、サンプルは、さらなる操作を全く行わずに増幅反応に加えられる。
用語「標的配列」とは、増幅されるべき標的核酸の特定のヌクレオチド配列を指す。この「標的配列」は、本発明のプロセスの間にオリゴヌクレオチド(例えば、プライミングオリゴヌクレオチドおよび/またはプロモーターオリゴヌクレオチド)が複合体化する複合配列を含む。標的核酸もともと一本鎖である場合、用語「標的配列」はまた、標的核酸に存在するような「標的配列」に相補的な配列を指す。「標的核酸」がもともと二重鎖である場合、用語「標的配列」は、センス(+)鎖およびアンチセンス(−)鎖の両方を指す。標的配列を選択することにおいて、当業者は、無関係な標的核酸または密接に関係する標的核酸を区別するために、「独特の(unique)」配列が選択されるべきであることを理解する。当業者に理解されるように、「独特の」配列は、試験環境から判断される。(本明細書の他の箇所でより詳細に記載されるように)少なくとも検出プローブによって認識される配列は、試験される環境において独特であるべきであるが、可能性のあるすべての配列の範囲内で独特である必要はない。さらに、標的配列は検出プローブによる認識のための「独特の」配列を含むが、プライミングオリゴヌクレオチドおよび/またはプロモーターオリゴヌクレオチドが必ずしも「独特の」配列を認識する場合であるわけではない。いくつかの実施形態において、関連する生物のファミリーに共通する標的配列(例えば、サンプル中に存在する可能性のあるすべてのHIV株に共通する配列)を選択することが望ましくあり得る。他の状況では、極めて特異的な標的配列、または少なくとも検出プローブによって認識される非常に特異的な領域が、密接に関係する生物を(例えば、病原性のE.coliと非病原性のE.coliとを)区別するために選択される。本発明の標的配列は、任意の実用的な長さであり得る。最小限の標的配列は、プライミングオリゴヌクレオチド(またはその相補体)にハイブリダイズする領域、プロモーターオリゴヌクレオチド(またはその相補体)のハイブリダイズ領域にハイブリダイズする領域、および検出のために使用される領域(例えば、検出プローブにハイブリダイズする領域)を含み、これらは、本明細書の他の箇所でより詳細に記載される。検出プローブとハイブリダイズする領域は、プライミングオリゴヌクレオチド(またはその相補体)とハイブリダイズする領域あるいはプロモーターオリゴヌクレオチド(またはその相補体)のハイブリダイズ領域と重複してもそれらの領域に含まれてもよい。最小限の要件に加えて、標的配列の最適な長さは、多くの考慮事項(例えば、二次構造の量、または配列中の自己ハイブリダイズ領域)に依存する。最適な長さを決定することは、慣用的な最適化方法を用いて当業者によって容易に達成される。代表的に、本発明の標的配列は、約100ヌクレオチドの長さから約150ヌクレオチドから約250ヌクレオチドの長さの範囲である。最適な長さまたは好ましい長さは、様々な条件下で変わり得、これは、本明細書に記載される方法にしたがって当業者によって容易に試験され得る。用語「アンプリコン」とは、増幅手順の間に生成される核酸分子を指し、これは、標的配列内に含まれる配列に相補的であるかまたは相同である。
(16.テンプレート)
「テンプレート」は、核酸ポリメラーゼによってコピーされている核酸分子である。テンプレートは、ポリメラーゼに依存して、一本鎖、二本鎖、または部分的に二本鎖であり得る。合成されたコピーは、そのテンプレート、または二本鎖テンプレートもしくは部分的に二本鎖のテンプレートのうちの少なくとも一方の鎖に相補的である。RNAおよびDNAの両方は、代表的に、5’から3’の方向に合成され、核酸二重鎖の2つの鎖は、その2つの鎖の5’末端がその二重鎖の反対の端部にあるように整列される(それゆえ、必然的に3’末端もそのようになる)。本発明によると「標的配列」は常に「テンプレート」であるが、テンプレートはまた二次的なプライマー伸長産物および増幅産物を含み得る。
(17.DNA依存性DNAポリメラーゼ)
「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNAテンプレートから相補DNAコピーを合成する酵素である。その例は、E.coli由来のDNAポリメラーゼI、バクテリオファージT7 DNAポリメラーゼ、あるいはバクテリオファージT4、Phi−29、M2、またはT5由来のDNAポリメラーゼである。本発明のDNA依存性DNAポリメラーゼは、細菌もしくはバクテリオファージから単離された天然に存在する酵素、または組換え発現された酵素であるか、あるいは改変されるかまたは特定の望ましい特徴(例えば、熱安定性)、または種々の改変型テンプレートからDNA鎖を認識もしくは合成する能力を有するように操作されて「進化された」形態であり得る。公知のすべてのDNA依存性DNAポリメラーゼは、合成を開始するために相補的なプライマーを必要とする。適切な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼがRNAテンプレートから相補DNAコピーを合成し得ることが公知である。RNA依存性DNAポリメラーゼ(以下に記載される)もまた、代表的に、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する。
(18.DNA依存性RNAポリメラーゼ(トランスクリプターゼ))
「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「トランスクリプターゼ」は、プロモーター配列(これは通常は二本鎖である)を有する二本鎖もしくは部分的に二本鎖のDNA分子から、複数のRNAコピーを合成する酵素である。このRNA分子(転写物)は、プロモーターのすぐ下流の特定の位置から始まって、5’から3’の方向に合成される。トランスクリプターゼの例は、E.coliならびにバクテリオファージT7、T3およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
(19.RNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素))
「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」(「RT」)は、RNAテンプレートから相補DNAコピーを合成する酵素である。公知のすべての逆転写酵素はまた、DNAテンプレートから相補DNAコピーを作製する能力を有する;したがって、逆転写酵素はRNA依存性DNAポリメラーゼでもDNA依存性DNAポリメラーゼでもある。RTはまた、RNAse H活性を有し得る。Maloneyマウス白血病ウイルスに由来する逆転写酵素(MMLV−RT)が好ましい。RNAテンプレートおよびDNAテンプレートの両方を用いて合成を開始するために、プライマーが必要とされる。
(20.選択的RNAse)
本明細書中で使用される場合、「選択的RNAse」は、RNA:DNA二重鎖のRNA部分を分解するが、一本鎖RNAも二本鎖RNAもDNAも分解しない酵素である。例示的な選択的RNAseは、RNAse Hである。同じもしくは類似の活性を有するRNAse H以外の酵素もまた、本発明で企図される。選択的RNAseは、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。ほとんどの逆転写酵素は、そのポリメラーゼ活性に加えてRNAse H活性を含む。しかし、RNAse Hの他の供給源が付随するポリメラーゼ活性を伴わずに入手可能である。分解は、RNA:DNA複合体からRNAの分離を生じ得る。あるいは、選択的RNAseは、単に、種々の位置でRNAを切断し得、その結果RNAの部分が融解するか、または酵素がRNAの部分を巻き戻すことを可能にする。本発明のRNA標的配列またはRNA産物を選択的に分解する他の酵素は、当業者に容易に明らかである。
(21.センス/アンチセンス鎖)
核酸合成の議論は、核酸二重鎖の2つの相補鎖を名付けるための用語を採用することによって大いに単純化かつ明確にされる。伝統的に、タンパク質または構造RNAを生成するために使用される配列をコードする鎖は、「センス(+)」鎖と指定され、その相補体は「アンチセンス(−)」鎖と指定される。多くの場合、いずれの鎖も機能的であり、それゆえ一方に「センス」と指定し、他方に「アンチセンス」と指定することの割り当ては、任意にならざるを得ないことが現在知られている。それにもかかわらず、この用語は、核酸の配列の方向性を指定するのに非常に有用であり、その目的のために本明細書で利用される。
(22.系の特異性)
増幅系の文脈において、用語「特異性」は、増幅系の特徴に言及するために本明細書で使用され、この用語は、その増幅系が配列およびアッセイ条件に依存して標的と非標的配列とを区別する能力を表す。核酸増幅に関して、特異性は、一般的に、副産物の数に対して産生される特定のアンプリコンの数の割合(すなわち、シグナル対ノイズ比)を指す、以下でより詳細に記載される。
(23.感度)
用語「感度」は、核酸増幅反応が検出または定量され得る精度に言及するために本明細書で使用される。増幅反応の感度は、一般的に、その増幅系で確実に検出され得る標的核酸の最も少ないコピー数の尺度であり、例えば、利用される検出アッセイおよび増幅反応の特異性(すなわち、副産物に対する特定のアンプリコンの割合)に依存する。
(24.増幅条件)
「増幅条件」によって、本発明に従って核酸増幅を可能にする条件が意味される。増幅条件は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」よりもストリンジェントでなくてもよい。本発明の増幅反応で使用されるオリゴヌクレオチドは、増幅条件下でそれらの意図された標的にハイブリダイズするが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしてもハイブリダイズしなくてもよい。他方では、本発明の検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。以下の実施例の節は、本発明に従って標的核酸配列を増幅するための好ましい増幅条件を提供するが、本発明に従って核酸増幅反応を行うために許容される他の条件は、利用される特定の増幅方法に依存して当業者によって容易に理解され得る。
本発明は、高い特異性および感受性を有するRNAまたはDNA標的配列の多数のRNAコピーを合成する自己触媒増幅法を提供する。本発明の重要な局面は、増幅の間の副産物の最小限の生成である。副産物の例としては、オリゴヌクレオチドダイマーおよび自己複製分子が挙げられる。標的核酸は、増幅されるべき標的配列を含む。標的配列は、プライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、および必要に応じて結合分子(例えば、終結オリゴヌクレオチド、または改変オリゴヌクレオチド(以下により詳細に記載される))、ならびに/あるいは天然の標的核酸末端によるいずれかの末端で規定される標的核酸の領域であり、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方を含む。本発明のプロモーターオリゴヌクレオチドは、そのプロモーターオリゴヌクレオチドからのDNAの合成を防ぐように改変される。好ましくは、このプロモーターオリゴヌクレオチドは、ポリメラーゼの存在下においてプライマー伸長を防ぐように、それらの3’末端に結合されたブロッキング部分を含む。実際に、本発明に従って、増幅反応に存在するオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも80%が、3’ブロッキング部分をさらに含むプロモーターを含む。さらなる実施形態において、増幅反応に提供されるプロモーターを含むオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%は、3’ブロッキング部分を含むようにさらに改変される。特定の実施形態において、本発明の増幅反応に使用されるプロモーター配列を含む任意のオリゴヌクレオチドは、3’末端ブロッキング部分をさらに含まなければならない。
本発明の一実施形態は、RNA標的配列を含む標的核酸の増幅を含む。標的核酸は、所望のRNA標的配列に対して不確定の3’末端および5’末端を有する。この標的核酸は、その標的核酸とハイブリダイズするRNA標的配列の3’領域に対して十分に相補的な塩基領域を有するプライミングオリゴヌクレオチドで処理される。プライミングオリゴヌクレオチドは、当業者に周知のプライマー設計法に従って、任意の所望の標的配列の適切な領域にハイブリダイズするように設計される。適切なプライミングオリゴヌクレオチドは、本明細書中により詳細に記載される。本発明のプライミングオリゴヌクレオチドは、必要に応じて、標的核酸とハイブリダイズする領域に対して5’側に位置する非ハイブリダイズ塩基領域を含み得、本発明に従って、プライミングオリゴヌクレオチドの5’領域は、RNAポリメラーゼによって認識されるプロモーター配列を含まない。従って、プライミングオリゴヌクレオチドの5’末端は、下記により十分に議論されるように、標的配列またはRNA増幅産物に対するプライミングオリゴヌクレオチドの結合特性(例えば、ハイブリダイゼーションまたは塩基スタッキング)を改良するものまたは改変体を含み得るが、但し、この改変体は、プライミングオリゴヌクレオチドの開始機能またはプライミングオリゴヌクレオチドがハイブリダイズされるテンプレートRNAの切断を実質的に干渉しない。プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端は、テンプレートとしてRNA標的配列を用いる伸長反応において適切なDNAポリメラーゼ(例えば、RNA依存性DNAポリメラーゼ(「逆転写」))によって伸長されて、RNAテンプレートに相補的であるDNAプライマー伸長産物を得る。
DNAプライマー伸長産物は、RNAテンプレートを分解する酵素を用いてRNAテンプレートから(少なくとも部分的に)分離される。適切な酵素(すなわち、「選択的RNAse」)は、RNA:DNA複合体のRNA鎖で作用するものであり、RNAse H活性を含む酵素を含む。いくつかの逆転写酵素は、RNAse H活性(モロニーマウス白血病ウイルスおよび鳥類の骨髄芽細胞症ウイルス由来のものが挙げられる)を含む。この方法に従って、選択的RNAseは、逆転写酵素のRNAse H活性を提供され得るか、または別の酵素(例えば、E.coli RNAse HまたはT.thermophilus RNAse H.)として提供され得る。RNA:DNA二重鎖に存在する選択的にRNAを分解する他の酵素もまた、使用され得る。
ある特定の実施形態において、本発明の方法はさらに、上記のように標的核酸を処理して、特定の所望の長さにDNAプライマー伸長産物の長さを制限する工程を包含する。このような長さの制限は、代表的に、ハイブリダイズするか、あるいはそうでなければ所望の標的配列の5’末端に隣接するかまたは5’末端近くのRNA標的核酸に結合する「結合分子」の使用によって行われる。特定の実施形態において、結合分子は、塩基領域を含む。塩基領域は、DNA、RNA、DNA:RNAキメラ分子、またはそれらのアナログを含む。塩基領域を含む結合分子は、本明細書中の他の場所で記載されるように、1つ以上の方法で改変され得る。適切な結合分子としては、RNAに結合してその結合領域を越えるプライマー伸長を防ぐ終結オリゴヌクレオチドまたは終結タンパク質(terminating protein)を含む結合分子、あるいは改変分子(例えば、改変オリゴヌクレオチド(例えば、消化オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるRNA標的の一部の加水分解を指向する「消化」オリゴヌクレオチド))、またはRNA標的を切断する配列特異的ヌクレアーゼを含む結合分子が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の終結オリゴヌクレオチドは、標的核酸とハイブリダイズするために、標的配列の5’末端に隣接するか、標的配列の5’末端に近いか、または、標的配列の5’末端と重複する領域において、標的核酸に対して十分に相補的である5’塩基領域を有する。特定の実施形態において、終結オリゴヌクレオチドは、1個以上の改変ヌクレオチドを含むように合成される。例えば、本発明の特定の終結オリゴヌクレオチドは、1個以上の2’−O−メチルリボヌクレオチドを含むか、または、合成された2’−O−メチルリボヌクレオチド全体である。例えば、Majlessiら(1998)Nucleic Acids Res.,26,2224−2229を参照のこと。本発明の終結オリゴヌクレオチドはまた、代表的に、終結オリゴヌクレオチドがDNAポリメラーゼのためのプライマーとして機能することを防ぐために、その3’末端に、ブロッキング部分を含む。いくつかの実施形態において、本発明の終結オリゴヌクレオチドの5’末端は、標的配列の5’末端の少なくとも約2個のヌクレオチドと重複するか、または、これに対して相補的である。代表的に、本発明の改変オリゴヌクレオチドの5’末端は、標的配列の5’末端の少なくとも3個、4個、5個、6個、7個または8個のヌクレオチドと重なっており、そして、相補的であるが、標的配列の5’末端の約10個のヌクレオチドとは重なってもいないし、これに対して相補的でもない。(本明細書中で使用される場合、用語「末端」とは、それぞれ、オリゴヌクレオチド、核酸もしくは核酸領域の5’末端塩基もしくは3’末端塩基を含む、オリゴヌクレオチド、核酸または核酸領域の5’領域もしくは3’領域を指す。)適切な改変オリゴヌクレオチドは、本明細書においてより詳細に記載される。
終結オリゴヌクレオチドのプロモーターオリゴヌクレオチドに対するハイブリダイゼーションを最小限にするか、または、防止するために、終結オリゴヌクレオチドが、標的配列と重複する5’塩基領域を有する程度まで、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域の5’末端に1個以上の塩基ミスマッチを導入することが望ましくあり得る。なぜならば、終結オリゴヌクレオチド:プロモーターオリゴヌクレオチドハイブリッドの形成は、増幅反応速度に負の影響を与え得るからである。一般に、重複部分の領域における1個の塩基ミスマッチで十分であるが、必要とされる正確な数は、重複領域の長さおよび塩基組成、ならびに、増幅反応の条件のような要因に依存する。改変プロモーターオリゴヌクレオチドの考えられる利点にもかかわらず、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域における変異は、このプロモーターオリゴヌクレオチドを、増幅のためにはより質の悪いテンプレート(poorer template)にし得ることに注意すべきである。さらに、所定の増幅系において、終結オリゴヌクレオチド:プロモーターオリゴヌクレオチドハイブリッドの形成は、プライマー伸長に利用可能な3’末端を有するプライミングオリゴヌクレオチド:プロモーターオリゴヌクレオチドハイブリッドの形成を有利に防止もしくは干渉することが完全に可能である。図5(プライマー依存性の副産物の形成)を参照のこと。
改変オリゴヌクレオチドは、プライマー伸長産物の3’末端が決定される機構を提供する。改変オリゴヌクレオチドは、RNA標的配列の5’末端の近傍に1個以上の塩基を含むモチーフを提供し得、このモチーフは、改変酵素(例えば、ヌクレアーゼ)によるプライマー伸長の終結を促進する。あるいは、改変オリゴヌクレオチドは、特定の改変酵素、または、化学物質に係留されて、その後、プライマー伸長を終結させ得る。
1つの特定の改変オリゴヌクレオチドは、消化オリゴヌクレオチドである。消化オリゴヌクレオチドは、DNA(好ましくは、少なくとも約6個のデオキシリボヌクレオチドのストレッチ)から構成される。消化オリゴヌクレオチドは、RNAテンプレートとハイブリダイズし、そして、RNA:DNAハイブリッドのRNAが、本明細書中に記載される選択的RNAseによって(例えば、RNAse H活性によって)消化される。
次いで、規定された3’末端または中間体の3’末端のいずれかを有する、一本鎖DNAプライマー伸長産物または「第一の」DNAプライマー伸長産物が、DNAプライマー伸長産物とハイブリダイズするために、DNAプライマー伸長産物の3’領域に対して十分相補的な第一の領域と、RNAポリメラーゼ(例えば、T7ポリメラーゼ)のためのプロモーターを含む第二の領域(第一の領域に対して5’側に、すなわち、第一の領域の直ぐ5’側にまたは第一の領域から間隔を開けて置かれ、そして、プロモーターオリゴヌクレオチドが、DNAポリメラーゼのためのプライマーとして機能することを防止するように改変されている(例えば、プロモーターオリゴヌクレオチドは、その3’末端に付着されたブロッキング部分を含む))と、を含むプロモーターオリゴヌクレオチドを用いて処理される。所望にハイブリダイズする「第一の領域」を同定する際、慣用的な手順のみを用いて、当業者により適切なプロモーターオリゴヌクレオチドが構築され得る。当業者は、プロモーター領域が、所定のRNAポリメラーゼによる認識に必要とされる特定のヌクレオチドを有することを容易に理解する。さらに、プロモーター配列中の特定のヌクレオチド変化(挿入配列の使用を含む)は、所定の酵素によるプロモーターの機能を向上させ得る。
挿入配列は、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域と第二の領域との間に位置付けされ、そして、増幅速度を高めるように機能する。高められた増幅速度は、いくつかの要因に起因し得る。第一に、挿入配列は、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端とプロモーター配列との間の距離を増やすので、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に結合したポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)が、RNAポリメラーゼのプロモーター配列への結合を干渉する可能性が低くなり、それによって、転写が開始され得る速度を増加させる。第二に、選択された挿入配列は、それ自体が、標的配列よりも良好な転写のためのテンプレートとして機能することによって転写速度を高め得る。第三に、RNAポリメラーゼは、挿入配列において転写を開始するので、テンプレートとしてRNA転写産物を用いて、プライミングオリゴヌクレオチドにより合成されたプライマー伸長産物は、プライマー伸長産物の3’末端に向かって挿入配列の相補体を含む。より大きな標的結合領域(すなわち、挿入配列の相補体を含むもの)を提供することによって、プロモーターオリゴヌクレオチドは、より速くプライマー伸長産物に結合し、それによって、より速く追加のRNA転写産物の生成をもたらし得る。挿入配列は、好ましくは、5〜20ヌクレオチド長であり、そして、分子内折り畳みおよび増幅反応混合物中に存在する他のオリゴヌクレオチドとの分子間結合を最小限にするように設計されるべきである。二次構造を最小限にするのを支援するプログラムは、当該分野で周知であり、そして、最隣接熱力学則(nearest neighbor thermodynamic rule)を用いて、RNAおよびDNAの二次構造を予測するための、Michael Zuckerのmfoldソフトウェアが挙げられる。Michael Zuckerのmfoldソフトウェアの最新のバージョンは、URL中にハイパーテキスト転送プロトコル(http)を用いた、www.bioinfo.rpi.edu/applications/mfoldにおいて、Web上でアクセス可能である。現在好ましい挿入配列としては、配列番号3のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列と組み合せた、配列番号1および配列番号2のヌクレオチド配列が挙げられる。Ikedaら(1992)J.Biol.Chem.267,2640−2649を参照のこと。他の有用な挿入配列は、慣用的な実験を越えるものに従事することなく、当該分野で周知のインビトロ選択法を用いて同定され得る。
プロモーター配列中に変化を有するプロモーターオリゴヌクレオチドのアッセイは、慣用的な方法を用いて、当業者により容易に行なわれる。さらに、異なるRNAポリメラーゼを利用することが望ましい場合、プロモーターオリゴヌクレオチド中のプロモーター配列は、異なるプロモーターにより容易に置換される。異なるプロモーター配列の置換は、十分に、当業者の理解および能力の範囲内である。本発明によれば、増幅反応混合物に提供されたプロモーターオリゴヌクレオチドは、その3’末端からのDNA合成の開始を防止するように改変され、そして、好ましくは、その3’末端に付着されたブロッキング部分を含むことに注意することが重要である。さらに、改変オリゴヌクレオチドおよびキャッピングオリゴヌクレオチド、そして、本発明の方法において使用されるプローブでさえもまた、必要に応じて、その3’末端に付着されたブロッキング部分を含む。
終結オリゴヌクレオチドが使用される場合、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域は、DNAプライマー伸長産物の所望の3’末端と、実質的ではあるが、必ずしも正確ではない精度でハイブリダイズするように設計される。その後、プロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域が、テンプレートとして機能し得、第一のDNAプライマー伸長産物を、プロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域に対して相補的な塩基領域(すなわち、プロモーター配列を含む領域)を追加して、プロモーターを二重鎖にするためにさらに伸長させる。図1Aを参照のこと。プロモーターを認識するRNAポリメラーゼは、プロモーター配列に結合し、そして、DNAプライマー伸長産物に対して相補的な複数のRNAのコピーの転写を開始し、このコピーは、標的配列と実質的に同一である。「実質的に同一」により、複数のRNAのコピーが、例えば、「標的配列」の境界、転写開始点、または、プライミングオリゴヌクレオチドがプライマー領域の5’側に追加のヌクレオチド(例えば、本明細書中に記載されるような連結された「キャップ」)を含むかどうかに依存して、標的配列に対して5’側もしくは3’側のいずれかに追加のヌクレオチドを有し得るか、または、標的配列に対して5’側もしくは3’側のいずれかに、より少ないヌクレオチドを有し得る。標的配列がDNAである場合、RNAコピーの配列は、標的配列に対して「実質的に同一」であるものとして、本明細書中に記載される。しかし、DNA標的配列のチミジン残基の代わりにウリジン残基を有するRNA配列は、なお、「実質的に同一」な配列を有することが理解されるべきである。このようにして生成されたRNA転写物は、さらなる操作なしで、上記の系において自動的に再利用され得る。従って、この反応は、自己触媒的である。結合分子、または、プライマー伸長反応を終結させるさらなる手段が使用されない実施形態において、プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域は、第一のDNAプライマー伸長産物の5’末端〜3’末端であると予想される、第一のDNAプライマー伸長産物の選択された領域に対してハイブリダイズするように設計されるが、第一のDNAプライマー伸長産物の3’末端は中間体であるので、プロモーターオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域は、おそらく、第一のDNAプライマー伸長産物の実際の3’末端ではない。この実施形態によれば、これは、一般に、第一のDNAプライマー伸長産物の少なくとも3’末端の塩基は、プロモーターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしない場合である。図1Bを参照のこと。従って、この実施形態によれば、第一のDNAプライマー伸長産物は、二重鎖プロモーターを形成するためにさらに伸長される可能性は低い。
驚くべきことに、本発明者らは、テンプレートの核酸の伸長による二重鎖プロモーター配列の形成は、必ずしも第一のDNAプライマー伸長産物に対して相補的なRNAの転写の開始を可能にする必要はないことを発見した。得られた「第一の」RNA産物は、標的配列と実質的に同一であり、転写開始点により規定される5’末端と、第一のDNAプライマー伸長産物の5’末端により規定される3’末端とを有する。図1Bを参照のこと。図1Bに例示されるように、第一のRNA産物の十分な数が生成され、さらなる操作なしにこの系において自動的に再利用される。プライミングオリゴヌクレオチドは、第一のRNA産物の3’末端にハイブリダイズし、そして、DNAポリメラーゼにより伸長されて、第二のDNAプライマー伸長産物を形成する。改変オリゴヌクレオチドまたは他の結合分子を用いることなく形成される第一のDNAプライマー伸長産物とは異なり、第二のDNAプライマー伸長産物は、第一のRNA産物の5’末端に相補的な、規定される3’末端を有する。図1Bを参照のこと。第二のDNAプライマー伸長産物は、RNAテンプレートを選択的に消化する酵素を用いて、(少なくとも部分的に)RNAテンプレートから分離される。一本鎖の第二のDNAプライマー伸長産物は、次いで、上記のプロモーターオリゴヌクレオチドで処理され、そして、プロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域がテンプレートとして機能し、第二のDNAプライマー伸長産物が、さらに伸長されて、プロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域に対して相補的な塩基領域(すなわち、プロモーター配列を含む領域)を加えて、プロモーターを二本鎖にする。プロモーターを認識するRNAポリメラーゼは、プロモーター配列に結合し、第二のDNAプライマー伸長産物に対して相補的でありかつ標的配列と実質的に同一である、複数の「第二の」RNA産物の転写を開始する。このように生成された第二のRNA転写物は、さらなる操作なしに、上記の系において自動的に再利用される。従って、この反応は自己触媒的である。
別の実施形態において、本発明は、DNA標的配列を含む標的配列から、標的配列の複数のコピーを合成する方法を記載する。この実施形態は、図1Cに図示される。標的核酸は、一本鎖DNA、部分的に一本鎖のDNA、または、二本鎖DNAのいずれかであり得る。DNAが二本鎖である場合、このDNAは、増幅の前に、変性されるか、または、部分的に変性される。DNA標的核酸は、規定された3’末端を有する必要はない。一本鎖DNA標的核酸、部分的に一本鎖のDNA標的核酸、または、変性DNA標的核酸は、上記のようなプロモーターオリゴヌクレオチドで処理される。プロモーターオリゴヌクレオチドの第一の領域は、所望の標的配列の3’領域における標的配列の選択された領域とハイブリダイズするように設計されるが、標的核酸の3’末端は、標的配列の3’末端と両辺を共有する(coterminal)必要はないので、プロモーターオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域は、標的核酸配列の3’末端にもその近くにもない可能性がある。図1Cを参照のこと。従って、プロモーターオリゴヌクレオチドのプロモーター領域は、一本鎖のままである可能性がある。
上述のように、本発明者らは、驚くべきことに、プロモーター配列が対応するRNAポリメラーゼにより認識されるためには、プロモーターオリゴヌクレオチド上の一本鎖プロモーター配列が、テンプレート核酸の伸長により、二本鎖プロモーターを形成し、そしてこの場合、DNA標的配列に対して相補的なRNAの転写を開始することが必要ではないことを発見した。得られた「第一のRNA産物」は、プロモーターのための転写開始点により規定される5’末端を有するが、3’領域は、中間体のままである。図1Cを参照のこと。これらの第一のRNA産物は、次いで、プライミングオリゴヌクレオチドで処理される。プライミングオリゴヌクレオチドは、所望の標的配列の5’領域に対して相補的な位置において、第一のRNA産物の領域とハイブリダイズし、そして、DNAポリメラーゼにより伸長されて、DNAプライマー伸長産物を形成する。このDNAプライマー伸長産物は、プライミングオリゴヌクレオチドの5’末端と両辺を共有する5’末端と、第一のRNA産物の5’末端と両辺を共有する3’末端とを有する。図1Cを参照のこと。DNAプライマー伸長産物は、上記のように、RNAテンプレートを選択的に消化する酵素を用いて、そのRNAテンプレートから(少なくとも部分的に)分離される。DNAプライマー伸長産物は、次いで、上記のプロモーターオリゴヌクレオチドで処理され、そして、プロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域がテンプレートとして機能し、DNAプライマー伸長産物が、さらに伸長されて、プロモーターオリゴヌクレオチドの第二の領域に対して相補的な塩基領域(すなわち、プロモーター配列を含む領域)を加えて、プロモーターを二本鎖にする。プロモーターを認識するRNAポリメラーゼは、プロモーター配列に結合し、DNAプライマー伸長産物に対して相補的である複数のRNA産物の転写を開始する。これらの「第二のRNA産物」の配列は、所望の標的配列に対して実質的に相補的である。このようにして生成されたRNA産物は、さらなる操作なしに、上記の系において自動的に再利用される。従って、この反応は自己触媒的である。
本発明者らはまた、エクステンダーオリゴヌクレオチドを反応混合物に提供することによって、増幅の速度が増強され得ることを見出した(図2A〜図2Cに図示される)。エクステンダーオリゴヌクレオチドは、一般に、10〜50ヌクレオチド長であり、プロモーターオリゴヌクレオチドより下流のDNAテンプレート(すなわち、DNA標的配列または本明細書中に記載される任意のDNAプライマー伸長産物)にハイブリダイズする。エクステンダーオリゴヌクレオチドが含まれる場合、エクステンダーオリゴヌクレオチドおよびプロモーターオリゴヌクレオチドの両方がDNAテンプレートにハイブリダイズされる際に、エクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基は、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基の近くに位置するか、もしくはこれに隣接して位置する。(「隣接する」とは、両オリゴヌクレオチドがDNAテンプレートにハイブリダイズされる際に、DNAテンプレートが、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基とエクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基との間に未結合塩基対を有さないことを意味する。)最も好ましくは、エクステンダーオリゴヌクレオチドは、エクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基が、DNAテンプレートに対してプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基から3ヌクレオチドより多くの間隔をあけない(すなわち、DNAテンプレートは、両オリゴヌクレオチドがDNAテンプレートにハイブリダイズされる際に、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基とエクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基との間に位置する連続する未結合ヌクレオチドを最大で3個有する)ように、DNAテンプレートにハイブリダイズする。エクステンダーオリゴヌクレオチドがプライマー伸長反応におけるプライマーとして機能することを防止するために、エクステンダーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、3’末端ブロッキング部分を含む。理論に拘束されることを望まないが、エクステンダーオリゴヌクレオチドの3’末端におけるリン酸は、DNA依存的DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)を、プロモーターオリゴヌクレオチドのプロモーター配列から遠くに引き付け、それによって転写におけるRNAポリメラーゼの結合および進行による干渉を最小化すると考えられる。また、エクステンダーオリゴヌクレオチドは、標的配列内の二次構造を制限することによって、転写反応をさらに促進することが考えられる。
一局面において、本発明は、核酸増幅反応における副産物の形成の最小化に関連する。副産物の1つの型は、本明細書中で、「オリゴヌクレオチドダイマー」と呼ばれる。この副産物は、プライミングオリゴヌクレオチドが増幅反応物中の別の核酸(例えば、プロモーターオリゴヌクレオチド)と非特異的に塩基対形成する場合に生じる。プライミングオリゴヌクレオチドは、DNAポリメラーゼを介して伸長し得るので、プロモーターオリゴヌクレオチドの二本鎖形態が生じ得、この二本鎖形態は、非特定的な増幅可能な副産物に転写され得る。プライミングオリゴヌクレオチドがオリゴヌクレオチドダイマーの形成に関与することを防止するための1つの選択肢は、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端に対する短い相補的ヌクレオチド「キャップ」を添加することである。図6Aおよび図6Bを参照のこと。キャップは、プライミングオリゴヌクレオチドと反応物中の他の核酸(例えば、プロモーターオリゴヌクレオチド)との間の非特異的ハイブリダイゼーションを減少させ、それによって「オリゴヌクレオチドダイマー」副産物の産生を、排除するか、もしくはキャップの使用を伴わないこと以外は同一の条件下で行った増幅反応と比較して実質的に減少させると考えられる。本明細書中で使用される場合、キャップは、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端における領域に相補的である塩基領域を含み、増幅反応混合物中に導入される前に、プライミングオリゴヌクレオチドにプレハイブリダイズされることが好ましい。適切なキャップの長さは、塩基含量、ストリンジェンシー条件などに基づいて変動するが、代表的には、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端における3個、6個、9個、12個、15個、18個または20個までの連続するかもしくは連続しないヌクレオチドにハイブリダイズする。適切なキャップは、好ましくは5〜10塩基の長さの範囲である。相補的キャップ領域の長さは、幾つかの変数(例えば、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端によって形成される二本鎖ハイブリッドの融解温度)に依存する。一般的に、効率的なキャップは、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端における領域に、増幅反応物中に存在する他のオリゴヌクレオチドとのいかなる非特異的反応よりも強く、特異的にハイブリダイズするが、プライミングオリゴヌクレオチドと所望のテンプレートとの特異的ハイブリダイゼーションを優先して、すぐに置き換えられる。例示的なキャップは、キャップの5’末端塩基がプライミングオリゴヌクレオチドの3’末端塩基にハイブリダイズするように、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端における領域にハイブリダイズする5〜7塩基の長さのオリゴヌクレオチドを含むか、あるいはこのオリゴヌクレオチドから本質的に構成されるか、あるいはこのオリゴヌクレオチドから構成される。代表的に、キャップは、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端における領域の8個、9個または10個を超えるヌクレオチドにはハイブリダイズしない。
キャップは、キャッピングオリゴヌクレオチド、すなわちプライミングオリゴヌクレオチドの5’末端に直接的に結合するかもしくはリンカーを通して結合するかのいずれかである塩基領域の形態を取り得る。図6Aおよび図6Bを参照のこと。キャッピングオリゴヌクレオチドは、プライミングオリゴヌクレオチドとは別個のオリゴヌクレオチドとして合成され、通常は、図6Aに図示されるようなDNAポリメラーゼによるプライマー伸長防ぐために、その3’末端にブロッキング部分を含む。あるいは、キャップは、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端における領域に相補的な塩基領域を含み、この塩基領域は、連結領域を介してプライミングオリゴヌクレオチドの5’末端に接続し、この連結領域は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個のヌクレオチドを含むか、あるいはこのヌクレオチドから本質的に構成されるか、あるいはこのオリゴヌクレオチドから構成される。図6Bを参照のこと。代表的に、連結領域におけるヌクレオチドは、無塩基ヌクレオチドである。「無塩基ヌクレオチド」により、リン酸基および糖基を含むが塩基の基を含まないヌクレオチドが意味される。5’末端に結合するキャップを有するプライミングオリゴヌクレオチドの構築は、プライミング部分およびキャップの両方を含む1個のオリゴヌクレオチドのみの合成を必要とすることによって、オリゴヌクレオチド合成を単純化する。
上述の実施形態のいずれかにおいて、標的配列についての所望の領域が一旦同定されると、この領域は分析されて、選択的RNase分解がRNA:DNA二本鎖からのRNAの切断もしくは除去を最適に生じる場所が決定され得る。分析は、AMV逆転写酵素もしくはMMLV逆転写酵素に存在するRNase H活性による標的配列のRNase分解の効果、外因的添加されたRNase活性を有する選択的酵素(例えば、E.coli RNase Hもしくは他の供給源由来のRNase活性を有する選択的酵素)による標的配列のRNase分解の効果、およびその両方による効果を決定するために実施され得る。このような分析に従って、プライミングオリゴヌクレオチドは、反応混合物中に存在する選択的RNaseによって実質的に分解されないRNAの部分にハイブリダイズするように選択され得る。何故なら、プライミングオリゴヌクレオチドのための結合部位における実質的な分解は、DNA合成の開始を阻害し得、そしてプライマーの最適な伸長を妨げるからである。言い換えると、プライミングオリゴヌクレオチドは、代表的に、RNA標的核酸の領域もしくはDNA標的核酸の相補体にハイブリダイズするように選択され、RNAが選択的RNase分解に供された場合に、プライマー伸長産物の形成を妨げる分解が実質的に存在しないように配置される。
逆に言えば、プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションのための部位は、RNA鎖の十分な分解が起こり、プロモーターオリゴヌクレオチドのDNA鎖に対するハイブリダイゼーションを効率的にするように選択される。代表的に、選択的RNase分解を通して、RNAの一部分のみがRNA:DNA二本鎖から除去され、従って、RNA鎖の幾つかの部分は二本鎖中に残る。RNA:DNAハイブリッドのRNA鎖における選択的RNase分解は、ハイブリッドからのRNAの小さな断片の分解を生じる。RNAが選択的に分解される位置は、標準的ハイブリダイゼーション分析を通して決定され得る。従って、プロモーターオリゴヌクレオチドは、選択的RNase分解の後にDNAにより効率的に結合する(すなわち、RNAフラグメントが選択的に除去される領域に結合する)ように選択され得る。
図1A〜図1Cおよび図2A〜図2Cは、選択的RNase分解後に残り得るRNA部分を示していない。しかし、図1A〜図1Cおよび図2A〜図2CがRNA:DNA二本鎖からのRNAの完全な除去を示したとしても、特定の条件下では、実際には部分的な除去しか起こらないことが、理解される。実際、図1A〜図1Cおよび図2A〜図2Cに図示される増幅は、RNA:DNAハイブリッドのRNA鎖の実質的部分が分解されずに残り、従ってプロモーターオリゴヌクレオチドおよび/または場合によってエクステンダーオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを妨げる場合に、阻害され得る。しかし、本出願において開示される原則および方法、ならびにKacianらによって開示された米国特許第5,339,491号の原則および方法に基づき、本発明の教示に従って、RNAの増幅のための効率的かつ効果的な手段を提供するために、慣用的な改変が当業者によってなされ得る。
まとめると、本発明は、反応条件(例えば、温度、イオン強度およびpH)の反復的な操作なしに標的核酸から標的配列の多数のコピーを自己触媒的に合成するための方法を提供する。この方法は、反応混合物中に以下を混合する工程を包含する:標的核酸(RNA標的配列、一本鎖DNA標的配列もしくは部分的一本鎖DNA標的配列、または少なくとも部分的に一本鎖にされている二本鎖DNA標的配列のいずれかを含む);プライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、ならびに必要に応じて、エクステンダーオリゴヌクレオチドおよび/または結合分子もしくはプライマー伸長反応を停止するための他の手段(全て上述の通りである);逆転写酵素もしくはRNA依存的DNAポリメラーゼおよびDNA依存的DNAポリメラーゼ;RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を選択的に分解する酵素活性(例えば、RNase H活性);ならびにプロモーターオリゴヌクレオチド中のプロモーター配列を認識するRNAポリメラーゼ。この反応混合物はまた、核酸増幅のために必須である構成単位(例えば、リボヌクレオチド三リン酸および/またはデオキシリボヌクレオチド三リン酸)、緩衝液、塩および安定化剤を含有する。この反応混合物の構成成分は、段階的に混合されても、一度に混合されてもよい。この反応混合物は、オリゴヌクレオチド:標的核酸が形成される条件下でインキュベートされ、そしてDNAプライミングおよび核酸合成は、標的配列もしくはその相補体の多数のコピーを産生させるために十分な時間の間、起こり得る。この反応は、有利にも、反応構成要素(例えば、酵素)の安定性について安定な条件下で起こり、一連の増幅反応の間、反応条件の改変および操作を必要としない。従って、この反応は、実質的に等温であり、そして実質的に一定のイオン強度およびpHを含む条件下で起こり得る。
従って、本発明の増幅方法は、プライミングオリゴヌクレオチドの伸長の際に産生されるRNA:DNA複合体を分離するための反復される変性工程を必要としない。変性工程は、反応混合物の温度を実質的に(一般に周囲温度から約80℃と105℃との間の温度まで)上げること、そのイオン強度を(一般に10倍以上)下げること、またはpHを変えること(通常pH10以上に上げること)によるような、反応条件の操作を必要とする。反応条件のこのような操作は、しばしば、酵素活性に有害な影響をもたらし、さらなる酵素の添加を必要とし、そしてまた、さらなる核酸合成のために反応混合物を適切な条件に戻すためのさらなる操作をも必要とする。これらの実施形態において、標的核酸が二本鎖DNAである場合、最初の変性工程が必要とされる。変性は、上述のように、反応混合物の残りの構成成分を添加する前に、温度、イオン強度、および/またはpHを変えることによって実施され得る。一旦、残りの構成成分が添加されると、反応混合物のさらなる操作は、必要ではない。
本発明の方法は、増幅反応における副産物形成を低減するか、減少するか、または実質的に排除するように設計される。例えば、副産物は、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長を防止するように改変されたプロモーターオリゴヌクレオチドの利用を介して、一般的には、そのプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端にブロッキング部分を含めることによって、低減されるか、減少されるか、または実質的に排除される。さらなる実施形態は、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にある領域にハイブリダイズするキャップを使用することによってオリゴヌクレオチドダイマー形成を防止することを介して、副産物を低減するか、減少するか、または実質的に排除する。本発明に従って、プロモーターを含む増幅反応中に存在するオリゴヌクレオチドのうちのほとんど(例えば、少なくとも約90%)は、プライマー伸長を防止するために3’ブロッキング部分をさらに含む。特定の実施形態において、プロモーターを含む増幅反応において使用される任意のオリゴヌクレオチド(プロモーターオリゴヌクレオチドだけではない)が、3’ブロッキング部分をさらに含む。特定の好ましい実施形態において、増幅反応のために必要なほとんど(例えば、少なくとも約80%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%、またはすべて)のオリゴヌクレオチド(プライミングオリゴヌクレオチド以外)は、3’ブロッキング部分を含む。従って、特定の実施形態において、増幅反応における(すべてではないにしても)ほとんどすべてのDNAポリメラーゼ活性は、プライミングオリゴヌクレオチドを含むDNAプライマー伸長産物の形成に限定される。
本発明の方法において使用されるプロモーターオリゴヌクレオチド中に組込むために適切なプロモーター配列は、核酸配列(天然に存在するか、合成により生成されるか、または制限酵素消化産物であるかのいずれかである)であり、この核酸配列は、その配列を認識してその配列に結合しかつ転写プロセスを開始してRNA転写物が生成されるようにする、RNAポリメラーゼによって特異的に認識される。代表的で公知の有用なプロモーターとしては、特定のバクテリオファージポリメラーゼにより認識されるプロモーター(例えば、バクテリオファージT3由来のプロモーター、バクテリオファージT7由来のプロモーター、およびバクテリオファージSP6、ならびにE.coli由来のプロモーター)が挙げられる。その配列は、安定性の付加、または分解プロセスに対する感受性、または転写効率の増加を付与し得るRNAポリメラーゼに対する実際の認識部位を越えて延びるヌクレオチド塩基を、必要に応じて含み得る。開始配列を認識可能な公知かつ利用可能なポリメラーゼが存在するプロモーター配列が、使用するために特に適切である。
適切なDNAポリメラーゼとしては、逆転写酵素が挙げられる。特に適切なDNAポリメラーゼとしては、AMV逆転写酵素およびMMLV逆転写酵素が挙げられる。本発明の方法において使用するために適切な逆転写酵素のうちのいくつか(例えば、AMV逆転写酵素およびMMLV逆転写酵素)は、RNAse H活性を有する。実際、本発明の特定の実施形態に従って、増幅反応における唯一の選択的RNAse活性が、上記逆転写酵素によって提供される−−さらなる選択的RNAseは添加されない。しかし、いくつかの状況においては、外因性選択的RNAse(例えば、E.coli RNAse H)を添加することもまた、有用であり得る。外因性選択的RNAseの添加は、特定の条件下では必要ではないが、例えば、AMV逆転写酵素中に存在するRNAse H活性は、反応混合物中に存在する他の成分によって阻害または不活化され得る。そのような状況において、外因性選択的RNAseの添加は、望ましいものであり得る。例えば、比較的大量の不均質DNAが反応混合物中に存在する場合、AMV逆転写酵素のネイティブのRNAse H活性が、いくらか阻害され得、それにより、生成される標的配列のコピー数が、それに応じて低減される。標的核酸が、存在する核酸のうちのほんの少量を構成する(例えば、サンプルが、かなりの量の不均質DNAおよび/または不均質RNAを含む)条件下では、外因性選択的RNAseを添加することは特に有用である。例えば、Kacianら、米国特許第5,399,491号(その内容は、本明細書において参考として援用される)を参照のこと(実施例8を参照のこと)。
上記の方法により生成されるRNA増幅産物は、上記の機構を介して標的配列に関連するさらなる増幅産物を生成するためのテンプレートとして役立つ。この機構は、自己触媒性であり、本発明の方法による増殖は、反応条件(例えば、温度、pH、イオン強度など)を反復して改変する必要も変化させる必要もなく、生じる。これらの方法は、高価な熱サイクリング装置を必要とせず、増幅反応過程の間に酵素または他の試薬を数回添加する必要もない。
本発明の方法は、臨床サンプル、環境サンプル、法医学サンプル、および同様のサンプルを検出および/もしくは定量するためのアッセイにおいて、または種々の用途のために特定の標的配列から多数のRNA増幅産物を生成するために、有用である。例えば、本発明は、臨床サンプル(例えば、血液、尿、糞便、唾液、精液、もしくは髄液)、食物、水、実験室サンプルおよび/もしくは産業サンプルを、特定の核酸の存在についてスクリーニングするために有用である。本発明は、例えば、ウイルス、細菌、真菌、または寄生生物の存在を検出するために使用され得る。本発明はまた、遺伝子スクリーニングのためのヒト核酸、動物核酸、もしくは植物核酸を検出するため、または臨床調査、考古学的研究、もしくは社会学的研究において、有用である。
代表的アッセイにおいて、増幅されるべき標的核酸を含むサンプルが、緩衝剤濃縮物(緩衝剤、塩、マグネシウム、三リン酸、オリゴヌクレオチド(例えば、プライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、必要に応じてエクステンダーオリゴヌクレオチド)、および/または結合分子(例えば、終結オリゴヌクレオチドもしくは消化オリゴヌクレオチド、および/もしくはキャップオリゴヌクレオチド)、ならびに他の試薬を含む)と、混合される。この反応は、必要に応じて、一定温度(例えば、60℃〜100℃)にて、標的核酸中のあらゆる二次構造を変性させるかまたは二本鎖DNA標的核酸を変性させるために充分な時間、インキュベートされ得る。冷却した後、逆転写酵素、RNAポリメラーゼ、そして望ましい場合には別個の選択的RNAse(例えば、RNAse H)が、添加される。その反応は、上記の試薬および他の反応条件に依存して、特定の時間(例えば、約10分間〜約120分間)、最適温度(例えば、約20℃〜約55℃以上)にて、インキュベートされる。
その増幅産物は、検出可能に標識されたプローブとのハイブリダイゼーションによって、検出され得る。生じるハイブリッドの測定は、簡便な任意の様式で実施され得る。特定の標的配列を検出するためのプローブを選択する際の設計基準は、当該分野において周知であり、それは、例えば、Hoganら、「Methods for Making Oligonucleotide Probes for the Detection and/or Quantitation of Non−Viral Organisms」、米国特許第6,150,517号(その内容は、本明細書において参考として援用される)。Hoganは、プローブは、標的配列に対する相同性を最大にするように、かつ考えられる非標的配列に対する相同性は最小にするように、設計されるべきであると教示している。非標的配列との安定性を最小にするために、Hoganは、グアニン・システインがリッチな領域が回避されるべきこと、そのプローブは、可能な限り多くの不安定なミスマッチに広がるべきこと、そして非標的配列に対する完全な相補性の長さは最小限にすべきことを、指示している。反対に、そのプローブと標的配列との安定性は、最大にすべきであり、アデニン・チミンがリッチな領域は回避されるべきであり、プローブ:標的ハイブリッドは、好ましくはグアニン・シトシン塩基対で終端し、過剰な自己相補性は一般的に回避されるべきであり、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度は、アッセイ温度よりも約2℃〜約10℃高いものであるべきである。
具体的には、増幅産物は、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(「HPA」)(これは、標的配列に対して、化学発光オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、アクリジニウムエステル標識(「AE」)プローブ(これは、ハイブリダイズしていないプローブ上に存在する化学発光プローブを選択的に加水分解する))をハイブリダイズさせること、および残りのプローブから生じた化学発光を照度計において測定すること、を含む)によってアッセイされ得る。例えば、Arnoldら、「Homogenous Protection Assay」、米国特許第5,283,174号、およびNORMAN C.NELSONら、NONISOTOPIC PROBING, BLOTTING, AND SEQUENCING, 第17章(Larry J. Kricka編,第2版,1995),(その各々は、本明細書において全体として参考として援用される)を参照のこと。AEプローブを使用してHPAを実行するための具体的方法は、本明細書中の以下の実施例の節において開示されている。
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される方法による、リアルタイムでの増幅プロセスの定量評価を提供する。「リアルタイム」での増幅プロセスの評価は、反応混合物中のアンプリコンの量を、増幅反応の間に連続的にかまたは定期的に決定することを含み、決定された値が、サンプル中に最初に存在する標的配列の量を算出するために使用される。リアルタイム増幅に基づいてサンプル中に存在する初期の標的配列の量を決定するために、種々の方法が存在する。これらの方法としては、Wittwerら、「Method for Quantification of an Analyte」、米国特許第6, 303,305号、およびYokoyamaら、「Method for Assaying Nucleic Acid」、米国特許第6,541,205号(その各々は、本明細書において全体として参考として援用される)に開示される方法が挙げられる。サンプル中に最初に存在した標的配列の量を決定するための別の方法(しかし、これは、リアルタイム増幅には基づかない)が、Ryderら、「Method for Determining Pre−Amplification Levels of a Nucleic Acid Target Sequence from Post−Amplification Levels of Product」、米国特許第5,710,029号(その内容は、本明細書において参考として援用される)によって開示されている。本発明は、リアルタイム評価のために特に適切である。なぜなら、副産物の生成が、低減されるか、減少されるか、または実質的に排除されるからである。
増幅産物は、種々の自己ハイブリダイズプローブ(そのほとんどは、ステムループ構造を有する)の使用を介して、リアルタイムで検出され得る。そのような自己ハイブリダイズプローブは、そのプローブが自己ハイブリダイズした状態にあるか、または標的配列に対するハイブリダイゼーションを介して変化した状態にあるかに依存して、差次的に検出可能なシグナルをそれらが発するように標識される。例として、「分子トーチ」は、明確な自己相補性領域(「標的結合ドメイン」および「標的接近ドメイン」と呼ばれる)を含む型の自己ハイブリダイズプローブであり、これらの自己相補性領域は、接続領域(例えば、非ヌクレオチドリンカー)によって接続され、かつ所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いに対してハイブリダイズする。好ましい実施形態において、分子トーチは、標的結合ドメイン中において1塩基長〜約10塩基長の一本鎖塩基領域を含み、これは、鎖置換条件下で増幅産物中に存在する標的配列に対するハイブリダイゼーションのために利用可能である。この一本鎖領域は、例えば、末端領域または内部領域(例えば、ループ領域)を含み得る。あるいは、上記の鎖置換条件は、その分子トーチの二本鎖末端領域において「呼吸(breathing)」を引き起こし得、それによって、標的配列に対するハイブリダイゼーションのために利用可能な一過性一本鎖領域をその末端領域で生じる。鎖置換条件下で、その分子トーチの2つの相補性領域(これは、完全に相補的であっても、部分的に相補的であってもよい)のハイブリダイゼーションが、標的配列(これは、標的結合ドメイン中に存在する一本鎖領域に結合し、標的接近ドメインのすべてもしくは一部を置換する)の存在下を除いて、支持される。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的接近ドメインは、検出可能な標識、および相互作用標識(例えば、発光標識/クエンチャー標識)を含む。これらは、その分子トーチが標的配列に対してハイブリダイズした場合とは異なるシグナルを、その分子トーチが自己ハイブリダイズした場合に生成するように配置され、それによって、ハイブリダイズしていない分子トーチの存在下において試験サンプル中のプローブ:標的二重鎖の検出を可能にする。分子トーチおよび種々の型の相互作用標識対が、Beckerら、「Molecular Torches」、米国特許第6,534,274号(その内容は、本明細書において参考として援用される)によって開示されている。
自己相補性を有する検出プローブの別の例は、「分子ビーコン」である。分子ビーコンは、標的相補的配列を含む核酸分子と、増幅産物中に存在する標的配列が存在しない場合にプローブを閉鎖型構成(closed conformation)で保持するアフィニティ対(または核酸アーム)と、そのプローブが閉鎖型構成にある場合に相互作用する標識対とを含む。標的配列と標的相補的配列とのハイブリダイゼーションは、上記アフィニティ対のメンバーを分離させ、それによって、プローブを開放型構成(open conformation)へとシフトさせる。この開放型構成へのシフトは、標識対(これは、例えば、発蛍光団およびクエンチャー(例えば、DABCYLおよびEDANS)であり得る)の相互作用の低下に起因して、検出可能である。分子ビーコンは、Tyagiら、「Detectably Labeled Dual Confirmation オリゴヌクレオチド Probes, Assays and Kits」、米国特許第5,925,517号、ならびにTyagiら、「Nucleic Acid Detection Probes Having Non−FRET Fluorescence Quenching and Kits and Assays Including Such Probes」、米国特許第6,150,097号(その各々は、本明細書において全体として参考として援用される)によって開示されている。
本発明において使用するための他の自己ハイブリダイズプローブは、当業者にとって周知である。例として、相互作用標識を備えるプローブ結合対(例えば、Morrison,「Competitive Homogenous Assay」、米国特許第5,928,862号(その内容は、本明細書において参考として援用される))は、本発明において使用するために適合され得る。一塩基多型(snp)を検出するために使用されるプローブ系もまた、本発明において利用され得る。さらなる検出系としては、「分子スイッチ」(Arnoldら、「Oligonucleotide Comprising a Molecular Switch」、U.S.仮特許出願第60/467,517号,(これは、本願と共通の所有権を享受し、本明細書においてその全体が参考として援用される)によって開示される)が挙げられる。他のプローブ(例えば、相互作用する色素および/または蛍光色素を含むプローブ)が、本発明における増幅産物の検出のために有用であり得る。例えば、Ishiguroら、「Method of Detecting Specific Nucleic Acid Sequences」、米国特許第5,814,447号(その内容は、本明細書において参考として援用される)を参照のこと。
初期の標的配列とそのRNA転写産物とが同じセンスを共有する本発明の方法において、リアルタイム検出のためにプローブを添加する前に増幅を開始することが、望ましいものであり得る。増幅反応を開始する前にプローブを添加することは、増幅速度を遅くし得る。なぜなら、初期の標的配列に結合するプローブは、プライマー伸長の間に置換または除去されて、標的配列の相補鎖を有するプライマー伸長産物を完成させなければならないからである。増幅の開始は、増幅酵素(例えば、逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ)の添加によって判断される。
本明細書中に記載される方法に加えて、本発明は、本発明の方法を実施するために必要な試薬のうちの1種以上を含むキットに関する。本発明を実施する際に使用される種々の成分を含むキットは、核酸標的分子の増幅を必要とする任意の手順において使用するために構成され得、そのようなキットは、種々の様々なエンドユーザーのために特別生産され得る。適切なキットが、例えば、血液スクリーニング、疾患診断、環境分析、臨床検査、または他の法医学的分析、遺伝子分析、考古学的分析もしくは社会学的分析、または一般的実験室用途のために、調製され得る。本発明のキットは、本発明に従う核酸増幅を実施するために必要な成分のうちの1種以上を提供する。キットは、1つの特定の標的から核酸を増幅するために適切な試薬を含み得るか、または複数の標的を増幅するために適切な試薬を含み得る。本発明のキットは、1つのサンプル中にある1種以上の核酸標的のリアルタイム検出のための試薬(例えば、上記の1種以上の自己ハイブリダイズプローブ)をさらに提供し得る。キットは、1つ以上の容器(例えば、バイアル、試験管、ウェルなど)を厳重に閉じ込めて受容するように区画分けされ得るキャリアを含み得る。好ましくは、そのような容器のうちの少なくとも1つは、本発明の増幅方法を実施するために必要な1つ以上の成分または成分の混合物を含む。
本発明に従うキットは、例えば、1つ以上の容器中に、プライミングオリゴヌクレオチド、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長を防止するように改変された(例えば、3’ブロッキング部分を含むように改変された)プロモーターオリゴヌクレオチド、結合分子、またはプライマー伸長反応を終結するための他の手段を含み、そして必要に応じて、本明細書中に記載されるようなエクステンダーオリゴヌクレオチドおよび/もしくはキャッピングオリゴヌクレオチドを含み得る。リアルタイム検出が使用される場合、その1つ以上の容器は、1つのサンプル中にある少なくとも1つの核酸標的配列のリアルタイム検出のための1種以上の試薬(例えば、上記の1つ以上の自己ハイブリダイズプローブ)を含み得る。別の容器は、酵素試薬(例えば、逆転写酵素(RNAse H活性を有するかまたは有さないかのいずれか)と、RNAポリメラーゼと、必要に応じてさらなる選択的RNAse酵素との混合物)を含み得る。これらの酵素は、通常は、酵素の安定性を促進する形態で、濃縮形態または作業濃度にて提供され得る。上記の酵素試薬はまた、凍結乾燥形態で提供され得る。Shenら、「Stabilized Enzyme Compositions for Nucleic Acid Amplification」、米国特許第5,834,254号(その内容は、本明細書において参考として援用される)を参照のこと。別の1つ以上の容器は、濃縮形態(例えば、10×、50×、もしくは100×)、でかまたは作業濃度にて、増幅試薬を含み得る。増幅試薬は、増幅反応を実施するために必要な成分(例えば、緩衝液、MgCl、KCl、dNTP、rNTP、EDTA、安定剤など)のうちの1つ以上を含む。特定の上記成分(例えば、MgClおよびrNTP)が、残りの成分とは別々に提供され得、それによって、エンドユーザーは、より最適な増幅反応を達成するためにこれらの試薬を徐々に増やす(titrate)ことが可能になる。別の1つ以上の容器は、増幅産物の検出のための試薬(1つ以上の標識オリゴヌクレオチドプローブを含む)を含み得る。プローブは、多数の代替的方法で、例えば、放射性同位体、蛍光標識、化学発光標識、核タグ、生体発光標識、インターカレート色素、または酵素標識を用いて、標識され得る。いくつかの実施形態において、本発明のキットはまた、エンドユーザーにより実施される試験増幅を確認するために増幅実験において利用され得る、1つ以上のポジティブコントロール核酸およびネガティブコントロール核酸を含む、1つ以上の容器を含む。いくつかの場合において、上記に列挙された試薬のうちの1つ以上が、内部コントロールと組み合わされ得る。当然、これらの試薬のうちの1つ以上を、1つのチューブ中または他の容器中で合わせることも可能である。
本発明とともに使用するために適切な支持体(例えば、試験管、マルチチューブユニット、マルチウェルプレートなど)もまた、本発明のキットに含まれ得る。最後に、本発明のキットは、1つ以上の指示書を含み得る。本発明のキットは、上記に示されているかまたは本明細書中の他の箇所に記載されている成分の、事実上あらゆる組み合わせを含み得る。当業者が認識するように、本発明のキットに含まれる成分は、そのキットについての意図される用途および意図されるエンドユーザーにより変化する。従って、キットは、本願において示される種々の機能を実施するために具体的に設計され得、そのようなキットの成分は、それに応じて変化する。
本発明はまた、プライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、または終結オリゴヌクレオチドとして有用な、オリゴヌクレオチドに関する。
本発明はさらに、種々のオリゴヌクレオチド(プライミングオリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、終結オリゴヌクレオチド、キャッピングオリゴヌクレオチド、および本明細書中に記載されるプローブが挙げられる)に関する。本発明のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA,DNA:RNAキメラ、およびそれらのアナログであり得、どの場合にでも、本発明は、DNAオリゴヌクレオチドのRNA等価物、およびRNAオリゴヌクレオチドのDNA等価物を包含することが、理解されるべきである。好ましいプライミングオリゴヌクレオチドおよび下記のプローブ、以下の段落に記載されるオリゴヌクレオチドは、好ましくは、その3’末端にブロッキング部分を含む。
本発明の検出プローブは、例えば、アクリジニウムエステル標識を含み得るか、または標的配列にハイブリダイズする配列に隣接する標識された自己ハイブリダイズする領域を含み得る。種々の実施形態において、これらの標識されたオリゴヌクレオチドプローブは、必要に応じて、または好ましくは、少なくとも1つの改変型ヌクレオチド(例えば、2’−O−メチルリボヌクレオチド)を含むように合成される;あるいは、これらの標識されたオリゴヌクレオチドプローブは、必要に応じて、または好ましくは、改変型ヌクレオチド(例えば、2’−O−メチルリボヌクレオチド)から完全に合成される。
本明細書中に記載される方法および組成物に対する他の適切な改変および適合は、当業者にとって公知である種々の情報を考慮すれば、本明細書中に含まれる発明の説明から容易に明らかであり、本発明の範囲からもそのどの実施形態からも逸脱することなくなされ得ることが、当業者によって理解される。ここに本発明が詳細に記載されているが、本発明は、以下の実施例を参照することによって、より明確に理解される。以下の実施例は、例示のためだけに本明細書中に含まれており、本発明を限定することは意図されない。
本発明の異なる局面および実施形態を例示する実施例を以下に提供する。これらの実施例は、正確に実施される実験の詳細を正確に反映すると考えられるが、しかし、正確に実施される作業と以下に記載される実験の詳細との間にいくらかの少しの不一致(これらの実験の結果には影響を与えない)が存在し得る可能性がある。当業者は、これらの実施例が、本発明を本明細書中に記載される特定の実施形態に限定することを意図しないことを理解する。さらに、本明細書中に記載される技術、物質および方法を用いる当業者は、任意の標的配列を検出および/または定量するための代替の増幅系を容易に考案し、最適化し得る。
本発明の実施は、他に示されない限り、当該分野の範囲内である分子生物学、組換えDNA、および化学の従来技術を用いる。このような技術は、文献に十分に説明される。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual,2nd Ed.,Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press:(1989);DNA Clonig,Volumes IおよびII(D.N.Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Mullisら、米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins編、1984);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);the treatise,Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);ならびにAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John WileyおよびSons,Baltimore,Maryland(1989)を参照のこと。
他に示さない限り、以下の実施例においてオリゴヌクレオチドおよび改変オリゴヌクレオチドは、種々の方法が当該分野において周知である標準的なホスホラミダイト化学物質を用いて合成した。例えば、Carruthersら、154 Methods in Enzymology,287(1987)(この内容は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。本明細書中に他に示さない限り、改変されたヌクレオチドは、2’−メチルリボヌクレオチドであり、これを、それらのホスホラミダイトアナログとして合成に用いた。本出願人は、ExpediteTM 8909 DNA合成機(PerSeptive Biosystems,Framingham,Mass)を用いてオリゴヌクレオチドを調製した。
種々の試薬を以下の実施例において同定した。これらの試薬としては、増幅試薬、酵素試薬、ハイブリダイゼーション試薬、選択試薬および検出試薬が挙げられる。これらの試薬の処方およびpH値(関連する場合)は、以下の通りであった。
(増幅試薬)
「増幅試薬」は、11.6mM Trizma(登録商標)塩基緩衝液、15mM Trizma(登録商標)塩酸塩緩衝液、22.7mM MgCl、23.3mM KCl、3.33%(v/v)グリセロール、0.05mM 酢酸亜鉛、0.665mM dATP、0.665mM dCTP、0.665mM dGTP、0.665mM dTTP、0.02%(v/v)ProClin 300 Preservative(Supelco, Bellefonte, PA;カタログ番号48126)、5.32mM ATP、5.32mM CTP、5.32mM GTP、5.32mM UTP、および6M HCl(22℃でpH7.81〜8.0)から構成された。
(酵素試薬)
「酵素試薬」は、70mM N−アセチル−L−システイン、10%(v/v)TRITON(登録商標)X−102、16mM HEPES、3mM EDTA、0.05%(w/v)アジ化ナトリウム、20mM Trizma(登録商標)塩基緩衝液、50mM KCl、20%(v/v)グリセロール、150mM トレハロース、4M NaOH(pH7)から構成され、そして224RTU/μL モロニーマウス白血病ウイルス(「MMLV」)逆転写酵素、および140U/μL T7 RNAポリメラーゼを含み、ここで1ユニット(すなわち、RTUまたはU)の活性は、MMLV逆転写について37℃で15分における5.75fmol cDNAの合成および遊離、ならびにT7 RNAポリメラーゼについて37℃で20分における5.0fmol RNA転写物の産性と定義する。
(ハイブリダイゼーション試薬)
「ハイブリダイゼーション試薬」は、100mM コハク酸、2%(w/v) ラウリル硫酸リチウム、230mM LiOH、15mM アルドリチオール(aldrithiol)−2、1.2M LiCl、20mM EDTA、20mM EGTA、3.0%(v/v)エチルアルコール、および2M LiOH(pH4.7)から構成された。
(選択試薬)
「選択試薬」は、600mM HBO、182mM NaOH、1%(v/v)TRITON(登録商標)X−100界面活性剤、および4M NaOH(pH8.5)から構成された。
(検出試薬I)
「検出試薬I」は、1mM HNOおよび30mM Hから構成された。
(検出試薬II)
「検出試薬II」は、1M NaOHおよび2%(w/v)Zwittergent(登録商標)3−14界面活性剤から構成された。
(オイル試薬)
「オイル試薬」は、シリコーンオイル(United Chemical Technologies,Inc.Bristol,PA;カタログ番号PS038)から構成された。
(実施例1)
(ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドとブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドとの比較)
この実験は、本発明に従った増幅法の特異性を評価するために行い、ここで、C型肝炎ウイルス(「転写物」)の5’非翻訳領域由来のクローニングされた転写物の領域(「標的領域」)を増幅のために標的とした。この実験のために、本発明者らは、同一の塩基配列を有する2セットのプライミングオリゴヌクレオチドおよびプロモーターオリゴヌクレオチドを調製した。2セットのオリゴヌクレオチドは、プロモーターオリゴヌクレオチド上の3’末端ブロッキング部分の存在または非存在が異なる。各セットにおけるプロモーターオリゴヌクレオチドは、標的領域の5’末端内に含まれて、配列番号5
の塩基配列を有する配列の相補体を標的とし、ここで、プロモーターオリゴヌクレオチドの下線の部分は、T7プロモーター配列(配列番号3)を構成し、下線を引いていない部分は、ハイブリダイズしている配列(配列番号4)を表す。各セットにおけるプライミングオリゴヌクレオチドは、標的領域の3’末端内に含まれて、配列番号6の塩基配列を有する配列を標的とする。配列番号33 ggcuagacgcuuucugcgugaagaの塩基配列を有する2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製された終結オリゴヌクレオチドもまた、この増幅法に含んだ。終結オリゴヌクレオチドは、3’末端ブロッキング部分を有し、標的領域に対してちょうど5’側の転写物の領域を標的とした。終結オリゴヌクレオチドとプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズしている配列の5’末端とは、6塩基が重複する。プロモーターオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの両方の3’末端ブロッキング部分は、3’−ジメチルトリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン、5’−スクシノイル−長鎖アルキルアミノ−CPG(Glen Research Corporation, Sterling, VA;カタログ番号20−0102−01)を用いて調製される3’−3’リンケージから構成される。
増幅のために、75μLの増幅試薬を、8つの反応チューブの各々に添加した。次いで、増幅試薬を、30pmolのプロモーターオリゴヌクレオチド、30pmolのプライミングオリゴヌクレオチドおよび5pmolの終結オリゴヌクレオチドと混合した。1セットの4つのチューブを、30pmolのブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチド(I群)に与え、別のセットの4つのチューブを30pmolのブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド(II群)に与えた。次に、1000コピー/μLの転写物を含む1μLの0.1%(w/v)硫酸ラウリルリチウム(「LLS」)緩衝液を、各群の2つのチューブに添加し、一方、各群に残っている2つのチューブを、ネガティブコントロールとして利用した。反応混合物に、200μLのオイル試薬をかけ、次いで、チューブを60℃のウォーターバスに10分間、インキュベートする前に、チューブをシールして5〜10秒間水平に手で振盪した。次いで、チューブを、41.5℃のウォーターバスに移し、25μLの酵素試薬を各チューブに添加する前に15分間インキュベートした。酵素試薬を添加した後、チューブをシールし、ウォーターバスから取り出し、5〜10秒間、水平に手で振盪して、反応混合物の成分を十分に混合した。チューブを、41.5℃のウォーターバスに戻し、さらに60分間インキュベートして、MMLV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼの存在下で標的領域の増幅を促進した。増幅後、チューブを、41.5℃のウォーターバスから取り出し、10〜15分間、室温まで冷やした。
各反応混合物の5μLアリコートを、チューブから取り、2×Novex(登録商標)TBE−尿素サンプル緩衝液(Invitrogen Corporation、Carlsbad、CA;カタログ番号LC6876)で1:1に希釈し、Novex(登録商標)TBE−尿素変性ゲル(Invitrogen;カタログ番号EC6865BOX)上に負荷した。ゲルを、Xcell SurelockTMMini−Cell(Invitrogen;カタログ番号EI0001)によって保持し、脱イオン水で1:4に希釈した5×Novex(登録商標)TBEランニング緩衝液(Invitrogen;カタログ番号LC6675)を用いて180ボルトで50分間電気泳動した。その後、ゲルを、1×TBE(Tris−Borate−EDTA)溶液中で0.5μg/mLのエチジウムブロマイドで染色し、FisherBiotech(登録商標)Ultraviolet Transilluminator(Fisher Scientific International Inc.,Hampton,NH;Model No.FB−TIV−816A)上で可視化し、Polaroid 667フィルムを用いて携帯用のカメラで撮影した。
この実験の結果を、撮影した図3のゲルに示す。上記の各番号の写真のゲルは、異なるレーンを表し、ここで、レーン1は、100、200、300、400、500、750および1000塩基のオリゴヌクレオチドのRNAラダーであり、残りのレーンは、以下の反応混合物に相当するレーンである:(i)レーン2および3は、I群(ブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチド)の複製を含む転写物に相当し;(ii)レーン4および5は、II群(ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド)の転写物含有複製に相当し;(iii)レーン6および7は、I群の転写物ネガティブ複製に相当し;そして(iv)レーン8および9は、II群の転写物ネガティブ複製に相当した。レーン2〜5における最初の目に見えるバンドは、標的領域の増幅に由来するアンプリコンを構成する。レーン2、3、6および7のバンドの残りは、非特異的増幅産物を構成する。従って、この結果は、完全にブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドを用いる唯一の増幅が、特異的であることを示し、転写物を含むブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド、または転写物ネガティブ反応混合物を含むブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドのいずれかにおいて目に見える副産物の形成は存在しなかったが、転写物を含むブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドおよび転写物ネガティブ反応混合物を含むブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドの両方において目に見える副産物が形成された。
(実施例2)
(複製分子の形成の減少)
この実験は、本発明の増幅法におけるブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドの使用が、標準的な転写ベースの増幅手順より、複製分子の形成の減少をもたらすか否かを評価するために設計した。複製分子は一般に、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端がヘアピン構造を形成する場合に形成して、ポリメラーゼの存在下で伸長して、それによって、二本鎖プロモーター配列を形成すると考えられる。二本鎖プロモーター配列から開始した転写は、アンチセンス型のプロモーター配列を含むアンプリコンの形成を生じる。
この実験において、本発明者らは、Mycobacterium tuberculosisの16S rRNA(「標的核酸」)の領域(「標的領域」)を標的とする2つの検出プローブの1つを用いてMycobacterium tuberculosis(ATCC番号25177)由来の精製されたrRNAの存在下または非存在下でそれらの3’末端においてブロックまたはブロックされていないずれかのプロモーターオリゴヌクレオチドを含む増幅反応における複製分子の生成を比較した。ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドおよびブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドは、標的領域の5’末端の相補体内に含まれる配列を標的とした。ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号26
の塩基配列を有し、ブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号28
の塩基配列を有し、ここで、各プロモーターオリゴヌクレオチドの下線を引いた部分は、T7プロモーター配列(配列番号3)を構成し、下線を引いていない部分は、ハイブリダイズしている配列(配列番号25および配列番号27)を表す。プライミングオリゴヌクレオチドは、標的配列の3’末端内に含まれて配列番号29の塩基配列を有する配列を標的とした。配列番号34 cccaguuucccaggcuuauc ccの塩基配列を有する2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製された終結オリゴヌクレオチドもまた、含んだ。終結オリゴヌクレオチドは、標的領域に対してちょうど5’側の標的核酸の領域を標的とし、3’末端ブロッキング部分を含んだ。終結オリゴヌクレオチドとプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズしている配列の5’末端とは、6塩基が重複した。ブロックされたオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの両方の3’末端ブロッキング部分は、実施例1に記載される3’−3’リンケージからなる。さらに検出のために、2つの検出プローブを合成した。第1の検出プローブ(「検出プローブI」)は、標的領域内に含まれて、配列番号30 gcucaucccacaccgcuaaagcの塩基配列を有する配列を標的とする2’−O−メチルリボヌクレオチドから構成された。第2の検出プローブ(「検出プローブII」)は、T7プロモーター配列内に含まれて、配列番号35 atacgactcactataの塩基配列を有する領域のアンチセンスを標的とした。両方の検出プローブ配列におけるアスタリスクは、Arnoldら、「Linking Reagents for Nucleotide Probes」、米国特許第5,585,481号(その内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるように、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに連結される4−(2−スクシニミジルオキシカルボニルエチル)−フェニル−10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレートフルオロスルホネートアクリジニウムエステル標識(「標準AE」)の位置を示す。
全部で8種の異なる増幅反応を、5つの複製において実施した。増幅反応のために使用した全ての反応チューブに、75μLの増幅試薬、続いて、各々5pmolのブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドまたはブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチド、プライミングオリゴヌクレオチド、および終結オリゴヌクレオチドを与えた。2セットのチューブに250コピー/μLの標的核酸を含む2μLの0.2%(w/v)LLS緩衝液を各々与え、もう一方の2セットのチューブには標的核酸を与えなかった。反応混合物に、200μLのオイル試薬をかけ、次いで、60℃のウォーターバス中に10分間、インキュベートする前にチューブをシールして、5〜10秒間、水平に手で振盪した。次いで、チューブを、41.5℃のウォーターバスに移し、25μLの酵素試薬を各チューブに添加する前に、10分間、インキュベートした。酵素試薬を添加した後、チューブをシールして、ウォーターバスから取り出し、5〜10秒間、水平に手で振盪して、反応混合物の成分を十分に混合した。チューブを41.5℃のウォーターバスに戻し、さらに60分間、インキュベートして、標的配列の増幅を可能した。増幅後、チューブを41.5℃のウォーターバスから取り出し、10〜15分間、室温まで冷やした。
検出工程を、Arnoldら、「Homogenous Protection Assay」、米国特許第5,283,174号に開示されるハイブリダイゼーション保護アッセイ(Hybridization Protection Assay)に従って実施した。この工程において、52fmolの検出プローブIまたは10.2fmolの検出プローブIIのいずれかを含む100μLのハイブリダイゼーション試薬を、各チューブに添加した。検出プローブを添加した後、チューブをシールして、5〜10秒間、水平に手で振盪して、60℃のウォーターバス中に15分間、インキュベートして、検出プローブをそれらの対応する標的配列にハイブリダイゼーションさせた。ハイブリダイゼーション後、250μLの選択試薬を、チューブに添加して、60℃のウォーターバス中に10分間、インキュベートする前に、チューブをシールして、5〜10秒間、水平に手で振盪して、ハイブリダイズされていないプローブと会合したアクリジニウムエステル標識を加水分解した。このサンプルを、検出試薬Iの自動注入に続いて、検出試薬IIの自動注入を備えるLEADER(登録商標)HC+Luminometer(Gen−Probe Incorporated,San Diego, CA;カタログ番号4747)で分析する前に、少なくとも10分間、室温まで冷やした。チューブから放射したシグナルを、相対発光量(relative light unit)(「RLU」)で測定した(これは、化学発光の測定である)。
結果を、各セットの反応条件について平均化し、以下の表1に示す。これらの結果から、実施されたブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドを含むそれらの増幅反応および標的核酸の標的領域を増幅させる時にブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドを含むそれらの増幅反応が見られ得る。しかしながら、転写物の存在下および非存在下の両方において、ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドを含むそれらの増幅反応は、ブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドを含む増幅反応で行ったものより、実質的に少ない複製分子を生成した。
(表1)
複製分子の形成に対する3’ブロッキング部分プロモーターオリゴヌクレオチドの効果
(実施例3)
(ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドを用いる増幅アッセイの感受性)
この実験は、本発明に従った増幅系の感受性を調べ、ここで、Chlamydia trachomatis(ATCC No.VR−878)由来の精製された23S rRNA(「標的核酸」)の領域(「標的領域」)を、増幅のための標的とした。この実験において、3’末端ブロッキング部分を有するプロモーターオリゴヌクレオチド、プライミングオリゴヌクレオチド、3’末端部分を有する終結オリゴヌクレオチド、および標識された検出プローブを含んだ。プロモーターオリゴヌクレオチドは、標的配列の5’末端内に含まれて、配列番号22
の塩基配列を有する配列の相補体を標的とし、ここで、プロモーターオリゴヌクレオチドの下線を引いた部分は、T7プロモーター配列(配列番号3)を構成し、下線を引いていない部分は、ハイブリダイズしている配列(配列番号21)を示す。プライミングオリゴヌクレオチドは、標的領域の3’末端内に含まれて、配列番号23の塩基配列を有する配列を標的とした。終結オリゴヌクレオチドは、配列番号36 uccgucauuccuucgcuauaguの塩基配列を有する2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製され、標的領域に対してちょうど5’側の標的核酸の領域を標的とした。終結オリゴヌクレオチドとプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズしている配列の5’末端とは、4塩基が重複した。プロモーターオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの両方の3’末端ブロッキング部分は、実施例1に記載した3’−3’リンケージからなる。検出プローブは、標的領域内に含まれて、配列番号24 cguucucaucgcucuacggacucuの塩基配列を有する2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製された配列を標的とし、ここで、アスタリスクは、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに連結された標準AE標識の位置を示す。例えば、Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照のこと。
この実験における増幅は、本質的に実施例1に記載されるように行った。各増幅反応を、3つの複製において実施し、標的核酸を、それぞれ、10、100、1000または10,000コピー/μLを含む0.1%(w/v)LLS緩衝液からの10、100、1000または10,000のコピー数の各セットの複製における各反応チューブに添加した。プロモーターおよびプライミングオリゴヌクレオチドを、30pmol/反応量においてチューブに各々添加し、5pmolの終結オリゴヌクレオチドを、各チューブに添加した。この実験のChlamydia trachomatisプローブを用いて、検出を本質的に実施例2に記載されるように行った。この実験の結果を以下の表2に示し、これにより、この増幅系について100コピーの感受性が示され、ここで、10,000を超える平均RLU値が、ポジティブな結果となった。
(表2)
Chlamydia trachomatis増幅系の感受性
(実施例4)
(二本鎖標的配列の増幅)
この実施例は、本発明に従った増幅系を調べ、ここで、ヒト乳頭腫ウイルス16型(「HPV−16」)のE6およびE7遺伝子由来のクローニングされた二本鎖の転写物(「転写物」)の領域(「標的領域」)を、増幅のための標的とした。図1を参照のこと。この実験は、3’末端ブロッキング部分を有するプロモーターオリゴヌクレオチド、プライミングオリゴヌクレオチド、および標識された検出プローブを含んだ。プロモーターオリゴヌクレオチドは、標的配列の5’末端内に含まれ、配列番号14
の塩基配列を有する配列の相補体を標的とし、ここで、プロモーターオリゴヌクレオチドの下線を引いた部分は、T7プロモーター配列(配列番号3)を構成し、下線を引いていない部分は、ハイブリダイズしている配列(配列番号13)を示す。プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端ブロッキング部分は、実施例1に記載される3’−3’リンケージからなる。プライミングオリゴヌクレオチドは、標的領域の3’末端内に含まれ、配列番号15の塩基配列を有する配列を標的とした。2’−O−メチルリボヌクレオチドからなる検出プローブは、配列番号16 ggacaagcagaaccggacaの塩基配列を有し、標的領域内に含まれる配列を標的とした。アスタリスクは、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに連結された標準AE標識の位置を示す。Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照のこと。
この実験の増幅反応を、5つの複製において実施し、各チューブは、0、50、100、500、1000または5000コピーの転写物を含む75μLの増幅試薬を含んだ。各チューブにまた、40pmolのプロモーターオリゴヌクレオチドおよび15pmolのプライミングオリゴヌクレオチドを与えた。反応混合物に、200μLのオイル試薬をかけ、次いで、チューブをシールして、5〜10秒間水平に手で振盪した。二本鎖転写物の相補鎖を分離するために、チューブを95℃で10分間、ヒートブロック中でインキュベートした。このインキュベーションの終わりに、チューブを、ヒートブロックから取り出し、5分間氷上で急速に冷やして、プライミングオリゴヌクレオチドと転写物の標的領域との会合を促進した。次いで、チューブを、41.5℃のウォーターバス中で10分間、インキュベートした。増幅を開始するために、25μLの酵素試薬をチューブに添加し、次いで、これをシールして5〜10秒間水平に手で振盪して、増幅試薬および酵素試薬を十分に混合した。次いで、チューブを41.5℃のウォーターバスに戻すことによって、1時間のインキュベーションを行った。
増幅後、増幅産物の検出を、100fmol/反応の検出プローブを用いて、実施例2に記載される様式において実施した。この実験の結果を、以下の表3に示し、これにより、この増幅系について500コピーの感受性が示され、ここで、10,000以上のRLU値が、ポジティブな結果となった。
(表3)
HPV−16増幅系の感受性
(実施例5)
(ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドとブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドとの比較)
この実験の目的は、実施例1のHCV増幅系において終結オリゴヌクレオチドを含むことの利点を評価することであった。図1Aを参照のこと。この実験のために、4種の異なる反応混合物を、終結オリゴヌクレオチドの存在下または非存在下で0または10コピーの実施例1の転写物を含む10の複製において用意した。プロモーター、プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドは、実施例1で使用したものと同一であった。実施例1とは異なり、この実験は2種の検出プローブを含み、その両方は、2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製され、増幅のために標的にされた転写物の領域内に含まれる配列を標的とした。第1の検出プローブは、配列番号7 guacucaccgguuccの塩基配列を有し、第2の検出プローブは、配列番号8 agaccacuauggcucucccgggの塩基配列を有した。各検出プローブは、「コールド(cold)」すなわち非標識型、および「ホット(hot)」すなわち標識された型を有した(非常に過剰なアンプリコンの存在下においてホットプローブの飽和を防ぐために、コールドプローブをこの実験において使用し、それによって、増幅の範囲を評価することを可能にした)。アスタリスクは、非ヌクレオチドリンカーによってホットプローブに連結された標準AE標識の位置を示す。Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照のこと。
増幅反応を、本質的に、30pmol/反応のプロモーターオリゴヌクレオチドおよび15pmol/反応のプライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの各々を用いて、実施例2に記載される様式において行った。検出を、以下の表4に示される比に相当する量で100fmol/反応の2種のホットプローブの各々および2種のコールドプローブの各々を用いて、実施例2に記載されるように実施した。平均化した結果を、相対発光量(「RLU」)で表4に示し、これにより、終結オリゴヌクレオチドを含むこれらの反応混合物のみが、HCV増幅系において10コピーレベルの感受性を有したことが示される。試験した異なるコピーレベルについて表4に示される係数の種々の値(「%CV」)は、複製の平均をパーセントする複製の標準偏差である。
(表4)
終結オリゴヌクレオチドの存在下および非存在下におけるHCV増幅系の感受性
(実施例6)
(プロモーターオリゴヌクレオチドと終結オリゴヌクレオチドとの間の塩基重複の種々の長さ)
この実験において、本発明者らは、実施例1のHCV増幅系において増幅効果に対するブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドと終結オリゴヌクレオチドとの間の種々の長さの重複の効果を研究した。反応混合物を4つの複製において用意し、各セットに0または50コピーの実施例1の転写物を与えた。存在する場合、プロモーターオリゴヌクレオチドと終結オリゴヌクレオチドとの間の重複の量は、各セットの反応混合物について2塩基、4塩基または6塩基であった。プロモーターオリゴヌクレオチド、プライミングオリゴヌクレオチド、および検出プローブは、実施例5に使用したものと同一であった。コールドプローブおよびホットプローブを、4:1の比で使用した。この実験の3つの終結オリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製され、以下の塩基配列を有した:(i)配列番号37 agacgcuuucugcgugaagacagu(2塩基重複);(ii)配列番号38 cuagacgcuuucugcgugaagaca(4塩基重複);および(iii)配列番号33(6塩基重複)。
増幅反応を、30pmol/反応のプロモーターオリゴヌクレオチドおよび15pmol/反応のプライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドの各々を用いて、実施例5に記載される様式において反応チューブで行った。検出を、100fmol/反応の2つのホットプローブの各々、および400fmol/反応の2つのコールドプローブの各々を用いて、実施例2に記載されるように実施した。平均化した結果を、相対発光量(「RUL」)で表5に示し、これにより、試験した条件下で、プロモーターオリゴヌクレオチドと終結オリゴヌクレオチドとの間の6塩基の重複が、HCV増幅系について最適であることが示される。当業者は、この方法を任意の増幅系に適用して、慣例の実験以外を用いないで、プロモーターオリゴヌクレオチドと終結オリゴヌクレオチドとの間の重複の最適な量を決定し得る。
(表5)
増幅効果に対する終結オリゴヌクレオチド/プロモーターオリゴヌクレオチドの塩基重複の効果
(実施例7)
(終結オリゴヌクレオチドの存在下または非存在下におけるリアルタイム増幅アッセイの比較)
この実験は、終結オリゴヌクレオチドが、リアルタイム増幅アッセイにおいて増幅能力を向上するか否かを決定するために行った。この実験のために、本発明者らは、実施例2のMycobacterium tuberculosis増幅系を用い、これは、配列番号28の塩基配列を有するブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチド、配列番号29の塩基配列を有するプライミングオリゴヌクレオチド、および配列番号34の塩基配列を有するブロックされた終結オリゴヌクレオチドを含んだ。配列番号31の塩基配列を有する分子ビーコンプローブもまた含んだ。検出プローブを、BHQ−2 Glycolate CPG(Biosearch Technologies,Inc.,Novato,CA;カタログ番号CG5−5042G−1)を用いて、その3’末端に連結されたBHQ−2 Black Hole QuencherTMDye、およびCyTM5−CEホスホラミダイト(Glen Research;カタログ番号105915−90)を用いて、その5’末端に連結されたCyTM5Dyeを含むように合成した。この反応を、Thermo Labsystems White Cliniplate 96(VWR International,Inc.,West Chester, PA;カタログ番号28298−610)のウェル中で行い、各反応ウェルは、0、100または1000コピーの実施例2の標的核酸を含んだ。試験した各コピー数について、終結オリゴヌクレオチドを含む4つの複製、および終結オリゴヌクレオチドを含まない4つの複製が存在した。
増幅および検出のために、75μLの増幅試薬を各反応ウェルに添加し、続いて、50コピー/μLを含む2μLの0.1%(w/v)LLS緩衝液を1セットの複製の各チューブに添加し、500コピー/μLを含む2μLの0.1%(w/v)LLS緩衝液を、別のセットの複製の各チューブに添加した。プロモーターオリゴヌクレオチド、プライミングオリゴヌクレオチドおよび含まれる場合、終結オリゴヌクレオチドを、各々、5pmol/反応量でチューブに添加し、2pmol/反応量の検出プローブを各チューブに添加した。標的核酸を示した量で反応ウェルに与え、反応混合物に80μLのオイル試薬をかけた。プレートを、ThermalSeal RTTMフィルム(Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO;Product No.Z369675)でシールして、プレートの内容物を、Solo HT Microplate Incubator(Thermo Electron Corporation,Waltham,MA;Model No.5161580)中で60℃のインキュベーションに15分間、続いて、Solo HT Microplate Incubator中で42℃のインキュベーションに10分間、供した。
次に、25μLの酵素試薬(42℃に予熱した)を各ウェルに添加して、その内容物を、ピペットを用いて数回混合した。次いで、プレートの内容物を、BioluminTM960 Micro Assay Reader(Molecular Dynamics Inc.,Sunnyvale,CA)中で42℃で120分間、インキュベートして、CyTM5Dyeチャネルからの蛍光を、1分間隔において時間の関数としてモニタリングした。このモニタリングの結果を、グラフとして図4A〜Fに示し、これにより、終結オリゴヌクレオチドが、Mycobacterium tuberculosisリアルタイム増幅アッセイにおいて劇的に標的配列の増幅を向上させたことが示された。
(実施例8)
(終結オリゴヌクレオチド対消化オリゴヌクレオチド)
この実験は、ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドまたはブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチドの存在下において終結オリゴヌクレオチドまたは消化オリゴヌクレオチドのいずれかを用いて、実施例2のMycobacterium tuberculosis増幅系の増幅レベルを比較した。この実施例の終結オリゴヌクレオチドは、標的RNAに結合するように消化されて、物理的に逆転写酵素の活性をブロックするが、DNAからなる消化オリゴヌクレオチドは、標的RNAに結合するように消化されて、RNAse H活性によって基質RNAの消化を導く。終結オリゴヌクレオチドまたは消化オリゴヌクレオチドの使用は、規定された3’末端を有する、テンプレート−相補鎖、またはcDNAの形成を生じる。プロモーターオリゴヌクレオチドは、そのテンプレート−結合部分が、テンプレート−相補鎖に存在する3’末端配列にハイブリダイズして、それによって、逆転写酵素の存在下において二本鎖プロモーター配列の形成を促進するように設計される。
実施例2のように、この実験のプロモーターオリゴヌクレオチドは、配列番号28の塩基配列を有し、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号29の塩基配列を有した。終結オリゴヌクレオチドは、配列番号39 caguuucccaggcuuaucccの塩基配列を有する2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製され、消化オリゴヌクレオチドは、配列番号40 gtattagacccagtttcccaggctの塩基配列を有した。実施例2に同定された終結オリゴヌクレオチドおよびプロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズしている配列の5’末端は、4塩基が重複し、消化オリゴヌクレオチドの5’末端から伸長する最初の14塩基は、プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズしている配列の5’側のほとんどの14塩基と重複した。ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド、終結オリゴヌクレオチド、および消化オリゴヌクレオチドの全ては、実施例1に記載される3’−3’リンケージからなる3’末端ブロッキング部分を含んだ。そして検出プローブは、配列番号32 gctcatcccacaccgctaaagcの塩基配列を有し、ここで、アスタリスクは、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに連結された標準AE標識の部分を示す。Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照のこと。
全部で6の異なる反応を、以下の表6に示すように2つの複製において実施した。テンプレートのポジティブ反応を、各々、実施例2の50コピー/μLのMycobacterium tuberculosis標的核酸を含む1μLの0.1%(w/v)LLS緩衝液に与え、テンプレートネガティブ反応は、標的核酸を含まなかった。増幅および検出を、本質的に、30pmol/反応のプロモーターオリゴヌクレオチドおよびプライミングオリゴヌクレオチドの各々、5pmol/反応の終結オリゴヌクレオチド、30pmol/反応の消化オリゴヌクレオチド、および10fmol/反応の検出プローブを用いて、実施例2のように行った。これらの反応の結果を、相対発光量(「RLU」)で測定し、これを表6に示し、これにより、この増幅系の増幅が、終結オリゴヌクレオチドまたは消化オリゴヌクレオチドのいずれかの存在下において類似しているが、能力は、消化オリゴヌクレオチドを用いるといくらか向上することが示された。さらに、この結果は、このコピー数でのこの増幅系における増幅レベルが、消化オリゴヌクレオチドの存在下で向上したことを示した。
(表6)
終結オリゴヌクレオチドおよび消化オリゴヌクレオチドを用いるアンプリコン産生
(実施例9)
(キャップされたプライミングオリゴヌクレオチド)
この実験は、実施例2のMycobacterium tuberculosis増幅系を用いて、副産物形成に対するプライミングオリゴヌクレオチドキャップを含む効果を研究した。「キャップ」は、プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端に相補的な短いオリゴヌクレオチドであり、末端の3’−OH基からの伸長を防ぐための3’末端ブロッキング部分を含む。キャップは、プライミングオリゴヌクレオチドがプロモーターオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドダイマー(プライミングオリゴヌクレオチドが、逆転写酵素の存在下において伸長される場合、機能的二本鎖プロモーター配列の形成を生じ得る)を形成することを防ぐために含まれる。図5Aに示すように、機能的二本鎖プロモーター配列を有するオリゴヌクレオチドダイマーの形成は、RNAポリメラーゼの存在下において望ましくない副産物の産性をもたらし得る。キャップは、オリゴヌクレオチドダイマー形成を阻害するが、キャップは、テンプレート配列を有する特定のハイブリダイゼーションによって、容易にプライミングオリゴヌクレオチドと置換され得る。キャップ使用の図を、図6Aに示す。
この実験のために、本発明者らは、実施例2のMycobacterium tuberculosis標的核酸の存在下または非存在下での2つの複製における3つの異なる反応条件を試験した。3つの反応条件の成分は、以下のように異なる:(i)第1セットの反応条件は、ブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチド、キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチドおよびブロックされた終結オリゴヌクレオチドを含んだ;(ii)第2セットの反応条件は、ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド、キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチド、ブロックされたオリゴヌクレオチドを含んだ;(iii)第3セットの反応条件は、ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド、その3’末端でブロックされたキャップにハイブリダイズされるプライミングオリゴヌクレオチド、およびブロックされた終結オリゴヌクレオチドを含んだ。実施例2のように、プロモーターオリゴヌクレオチドは、配列版互応28の塩基配列を有し、プライミングオリゴヌクレオチドは、配列番号29の塩基配列を有した。キャップは、配列番号41 ctatcの塩基配列を有した。終結オリゴヌクレオチドは、配列番号39 caguuucccaggcuuaucccの塩基配列を有する2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製された。そして、終結オリゴヌクレオチド、プロモーターオリゴヌクレオチド、およびキャップ(ブロックされる場合)の全ては、実施例1に記載される3’−3’リンケージからなる3’末端ブロッキング部分を含んだ。
増幅を開始する前に、プライミングオリゴヌクレオチドおよびキャップは、1:1の比でプライミングオリゴヌクレオチドおよびキャップを含む10mM NaCl溶液中で予めハイブリダイズされた。ハイブリダイゼーションを促進するために、溶液を含む反応チューブを、95℃のウォーターバス中で10分間インキュベートし、次いで、2時間室温まで冷やした。この予めハイブリダイゼーションする工程の後、増幅を、30pmol/反応のプロモーターオリゴヌクレオチドおよびキャップされたプライミングオリゴヌクレオチドの各々、ならびに5pmol/反応の終結オリゴヌクレオチドを用いて実施例2のように行い、ここで、各反応混合物にまた、10,000コピー/μLを含む1μLの0.1%(w/v)LLS緩衝液を与えた。 増幅後、5μLのサンプルを各チューブから取り、10×BlueJuiceTMGel Loading緩衝液(Invitrogen;カタログ番号10816−015)で1:1に希釈し、これを、TBE(Tris−Borate−EDTA)で2倍に希釈し、エチジウムブロマイド(Invitrogen;カタログ番号G5018−04)で予め染色したE−Gel(登録商標)Single Comb Gel(4%高分解アガロース)上に負荷した。ゲルを、30分間、80ボルトにてE−Gel(登録商標)Base(Invitrogen;カタログ番号G5100−01)上で電気泳動した。次いで、ゲルを、FisherBiotech(登録商標)Ultraviolet Transilluminator可視化して、Polaroid 667フィルムを用いて携帯用のカメラで撮影した。
この実験の結果を、図7A(テンプレートネガティブゲル)および図7B(テンプレートポジティブゲル)の写真撮影したゲルで示す。写真のゲルの上の数字は、異なるレーンを示し、ここで、レーン7は、ブランクであり、レーン8は、100塩基対のRNAラダーであり、レーン9は、20塩基対のRNAラダーであり、残りのレーンは、以下の反応混合物由来の産物を含む:(i)レーン1および2は、ブロックされていないプロモーターオリゴヌクレオチド、キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチド、およびブロックされた終結オリゴヌクレオチドを含む反応混合物に相当した;(ii)レーン3および4は、ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド、キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチド、および終結オリゴヌクレオチドを含む反応混合物に相当した;そして(iii)レーン5および6は、ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチド、キャップされたプライミングオリゴヌクレオチド、および終結オリゴヌクレオチドを含む反応混合物に相当した。この結果は、プライミングオリゴヌクレオチドをキャップすることが、副産物形成のさらなる減少を生じたことをはっきりと示す(これらの反応におけるオリゴヌクレオチドダイマーである副産物は、20マー〜60マーの範囲であり、ここで、アンプリコンは、長さが100塩基より長い)。
(実施例10)
(ループしたプライミングオリゴヌクレオチド)
この実験において、実施例2のMycobacterium tuberculosis増幅系における増幅に対するループしたプライミングオリゴヌクレオチドの効果を試験した。ループしたプライミングオリゴヌクレオチドは、種々のプライミングオリゴヌクレオチドおよび実施例9において評価したキャップである。ループしたプライミングオリゴヌクレオチドは、非ヌクレオチドリンカー(例えば、無塩基ヌクレオチド)によって、プライミングオリゴヌクレオチドのその3’末端〜5’末端に連結されるキャップを含む。ループしたプライミングオリゴヌクレオチドの1つの利点は、標的テンプレートの非存在下でのプライミングオリゴヌクレオチドおよびキャップの再会合であり、これは、2つのオリゴヌクレオチドが、互いに近い位置に維持される場合、より速い。ループしたプライミングオリゴヌクレオチドの別の利点は、別のプライミングオリゴヌクレオチドおよびキャップオリゴヌクレオチドの時間集中的な合成と対照的に、プライミングオリゴヌクレオチドおよびキャップが、単一の合成手順で生じ得ることである。
キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチドと種々の長さのキャップを有するループしたプライミングオリゴヌクレオチドとの間の比較を行った。プロモーター、プライミングオリゴヌクレオチドおよび終結オリゴヌクレオチドは、実施例9に使用したものと同一であり、検出プローブは、実施例2に使用したプローブIと同じであった。検出プローブに、実施例5に記載した理由のために、「コールド」および「ホット」形態の両方の反応混合物を与え、各々の反応混合物のコールド:ホットのプローブの比を250:1にした。ループしたプライミングオリゴヌクレオチドは、以下の配列を有し、ここで、各「n」は、無塩基ヌクレオチド(Glen Research;カタログ番号10−1924−xx)を示す;
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドI(LPO I):配列番号42 ctatttnngccgtcaccccaccaaca agctgatag;
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドII(LPO II):配列番号43 ctatcnnnnngccgtcacccca ccaacaagctgatag;
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドIII(LPO III):配列番号44 ctatnnnnngccgtcacccca ccaacaagctgatag;
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドIV(LPO IV):配列番号45 ctatcannnnngccgtcaccc caccaacaagctgatag;
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドV(LPO V):配列番号46 ctatcnnnngccgtcaccccac caacaagctgatag;
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドVI(LPO VI):配列番号47 ctatcannnngccgtcacccc accaacaagctgatag; and
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドVII(LPO VII):配列番号48 ctatcagcttgttggnnnnn gccgtcaccccaccaacaagctgatag。
異なる反応混合物を、各々のプライミングオリゴヌクレオチドについて調製し、反応混合物を、1000コピー/μLの標的核酸を含む0.1%(w/v)LLS緩衝液から得られる実施例2の1000コピーのMycobacterium tuberculosis標的核酸を用いて、3つの複製において試験した。増幅および検出工程を、30pmol/反応のプロモーターオリゴヌクレオチドおよびプライミングオリゴヌクレオチドの各々、5pmol/反応の終結オリゴヌクレオチド、10fmol/反応のホットプローブ、および2.5pmol/反応のコールドプローブを用いて、実施例2のように行った。チューブからのシグナルを、相対発光量(「RLU」)で測定し、平均RLU値を、以下の表7に示す。この結果は、テンプレートが、ループしたプライミングオリゴヌクレオチドを用いて増幅され得、4つの無塩基および5つの塩基のキャップを有するループしたプライミングオリゴヌクレオチドが、Mycobacterium tuberculosisアッセイのために最適であることを示す。
(表7)
増幅に対するプライミングオリゴヌクレオチドの効果
(実施例11)
(ループしたプライミングオリゴヌクレオチドとキャップとの比較)
この実験は、ループしたプライミングオリゴヌクレオチドが、プライマー依存性副産物形成を阻害する能力を評価した。この実験のために、実施例10のループしたプライミングオリゴヌクレオチドLPO VおよびLPO VIIを、キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチドおよび14塩基のキャップを有するプライミングオリゴヌクレオチドと比較した。キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチドとキャップされたプライミングオリゴヌクレオチドは、実施例10に使用されるキャップされていないプライミングオリゴヌクレオチドと同じであり、キャップは、配列番号49 ctatcagcttgttgの(キャップおよびプライミングオリゴヌクレオチドは、実施例9のように予めハイブリダイズされた)塩基配列を有した。終結オリゴヌクレオチドは、実施例10に使用した終結オリゴヌクレオチドと同じであり、検出プローブは、プライミングオリゴヌクレオチドの相補体を標的とし、配列番号29 gccgtcaccccaccaacaagctgatagの塩基配列を有し、ここで、アスタリスクは、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに連結された標準AE標識の位置を示す。Arnoldら、米国特許第5,585,481号を参照のこと。検出プローブに、実施例5に記載した理由のために、「コールド」および「ホット」形態の両方において反応混合物を与え、各反応混合物のコールド:ホットのプローブの比は、4000:1であった。プロモーターおよび終結オリゴヌクレオチドに関して、キャップは、実施例1に記載される3’−3’リンケージからなる3’末端ブロッキング部分を有した。
反応混合物は、全てテンプレートを含まず、各プライミングオリゴヌクレオチドについて調製される異なるセットの反応混合物に関して3つの複製において試験した。増幅および検出プローブの工程を、30pmol/反応のプロモーターオリゴヌクレオチドおよびプライミングオリゴヌクレオチドの各々、5pmol/反応の終結オリゴヌクレオチド、20fmol/反応のホットプローブ、および80pmol/反応のコールドプローブを用いて実施例2のように行った。チューブからのシグナルを、相対発光量(「RLU」)で測定し、これらのRLU値の平均を、以下の表9に示す。この結果は、キャップされたプライミングオリゴヌクレオチドが、ループしたプライミングオリゴヌクレオチドより、長い伸長に対してプライマー依存性の副産物の形成を阻害したが、ループしたオリゴヌクレオチドの使用は、キャップされていないプライミングオリゴヌクレオチドをこの増幅アッセイにおいて使用した場合より、プライマー依存性の副産物の形成が少なかったことを示す。
(表8)
ループしたプライミングオリゴヌクレオチドおよびキャップを用いるプライマー依存性の副産物形成の阻害
(実施例12)
(エクステンダーオリゴヌクレオチドの存在下および非存在下でのRNA転写産物の比較)
この実験は、ブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドを含む増幅反応混合物におけるアンプリコン産生に対するエクステンダーオリゴヌクレオチドの効果を調べた。この実験のエクステンダーオリゴヌクレオチドは、ブロックされるかまたはブロックされていないかのいずれかであり、配列番号50 cctccaggaccccccctcccgggagagccataの塩基配列を有した。3’末端がブロックされた終結オリゴヌクレオチドは、配列番号51 auggcuagacgcuuucugcgugaagaの塩基配列を有する2’−O−メチルリボヌクレオチドから作製されたものを含んだ。標的核酸「標的」、プライミングオリゴヌクレオチドおよびプロモーターオリゴヌクレオチドは、実施例1に使用したものと同じであった。この実験に使用した各々のブロックされたオリゴヌクレオチドのブロッキング部分は、実施例1に記載される3’−3’リンケージからなる3’末端ブロッキング部分であった。コールドおよびホットプローブを、転写産物の検出のために使用し、これは、配列番号7の配列を有した。この実験のホットプローブは、実施例5において使用した第1検出プローブと同じであった。
6つの群の増幅反応混合物を、以下のように4つの複製において試験した:(i)エクステンダーオリゴヌクレオチドを含まず、標的を含まない(I群);(ii)エクステンダーオリゴヌクレオチドを含まず、100コピーの標的を含む(II群);(iii)ブロックされたエクステンダーオリゴヌクレオチドを含み、標的を含まない(III群);(iv)ブロックされたエクステンダーオリゴヌクレオチドを含み、100コピーの標的を含む(IV群);(v)ブロックされていないエクステンダーオリゴヌクレオチドを含み、標的を含まない(V群);(iv)ブロックされていないエクステンダーオリゴヌクレオチドを含み、100コピーの標的を含む(VI群)。6群からの反応チューブに、6pmolのプライミングオリゴヌクレオチド、4pmolのプロモーターオリゴヌクレオチドおよび0.8pmolの終結オリゴヌクレオチドを含む30μLの増幅試薬を用意した。III群およびIV群の反応チューブは、4pmolのブロックされたエクステンダーオリゴヌクレオチドを含み、V群およびVI群の反応チューブは、4pmolのブロックされていないエクステンダーオリゴヌクレオチドを含んだ。上記のように、II群、IV群およびVI群の反応チューブはさらに、100コピーの標的を含んだが、I群、III群およびV群の反応チューブは、標的を含まなかった。反応混合物に、200μLのオイル試薬をかけて、次いで、60℃のウォーターバス中に10分間インキュベートする前に、チューブをシールして、10秒間ボルテックスした。次いで、チューブを、41.5℃のウォーターバスに移し、10μLの酵素試薬を添加する前に、15分間、インキュベートした。酵素試薬を添加した後、チューブを再びシールして、5〜10秒間水平に手で振盪して、反応混合物の成分を十分に混合した。チューブを、41.5℃のウォーターバスに戻し、さらに60分間、インキュベートして、標的配列の増幅を可能にした。増幅後、チューブを41.5℃のウォーターバスから取り出し、2分間、氷浴中に置いた。
RNA転写産物の検出を、本質的に、100fmol/反応のホットプローブおよび300pmol/反応のコールドプローブを用いて、実施例2に記載するように実施した(反応チューブを手で振盪するのではなくボルテックスした)。平均化した結果を、相対発光量(「RLU」)で表9に示し、これにより、この実験のエクステンダーオリゴヌクレオチドが、より速い速度の増幅に寄与することが示された。試験した異なる反応条件について表9に表す係数の種々の値(「%CV」)は、複製の平均をパーセントとする複製の標準偏差である。
(表9)
アンプリコン産生に対するエクステンダーオリゴヌクレオチドの効果
本発明は、特定の好ましい実施形態に関してかなり詳細に記載され、示されるが、当業者は、本発明の他の実施形態を容易に理解する。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる全ての改変および変更を含むと判断される。
図1A〜図1Cは、本発明の3つの一般的な方法を示す。 図1A〜図1Cは、本発明の3つの一般的な方法を示す。 図1A〜図1Cは、本発明の3つの一般的な方法を示す。 図2A〜図2Cは、伸長産物またはブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドに対して3’側の標的配列にハイブリダイズしたエクステンダーオリゴヌクレオチドをさらに含む、図1A〜図1Cの一般的な方法を示す。 図2A〜図2Cは、伸長産物またはブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドに対して3’側の標的配列にハイブリダイズしたエクステンダーオリゴヌクレオチドをさらに含む、図1A〜図1Cの一般的な方法を示す。 図2A〜図2Cは、伸長産物またはブロックされたプロモーターオリゴヌクレオチドに対して3’側の標的配列にハイブリダイズしたエクステンダーオリゴヌクレオチドをさらに含む、図1A〜図1Cの一般的な方法を示す。 図3は、変性アガロースゲルを示し、3’ブロッキング部分を有するプロモーターオリゴヌクレオチドを用いることの効果を示す。 図4は、2’−O−メチルリボヌクレオチドを完全に含むように改変した終結オリゴヌクレオチドの存在下(図4A、4Cおよび4E)、ならびにその終結オリゴヌクレオチドの非存在下(図4B、4Dおよび4F)の両方での、Mycobacterium tuberculosis系における増幅産物のリアルタイム累積を示す。これらの反応についての投入標的核酸は、0コピー(図4Aおよび4B)、100コピー(図4Cおよび4D)、1000コピー(図4Eおよび4F)であった。 図4は、2’−O−メチルリボヌクレオチドを完全に含むように改変した終結オリゴヌクレオチドの存在下(図4A、4Cおよび4E)、ならびにその終結オリゴヌクレオチドの非存在下(図4B、4Dおよび4F)の両方での、Mycobacterium tuberculosis系における増幅産物のリアルタイム累積を示す。これらの反応についての投入標的核酸は、0コピー(図4Aおよび4B)、100コピー(図4Cおよび4D)、1000コピー(図4Eおよび4F)であった。 図4は、2’−O−メチルリボヌクレオチドを完全に含むように改変した終結オリゴヌクレオチドの存在下(図4A、4Cおよび4E)、ならびにその終結オリゴヌクレオチドの非存在下(図4B、4Dおよび4F)の両方での、Mycobacterium tuberculosis系における増幅産物のリアルタイム累積を示す。これらの反応についての投入標的核酸は、0コピー(図4Aおよび4B)、100コピー(図4Cおよび4D)、1000コピー(図4Eおよび4F)であった。 図5は、プライマー依存性副産物の形成を示す。 図6Aおよび図6Bは、副産物形成を制限するためのキャップの使用を示す。このキャップおよびプライミングオリゴヌクレオチドは、図6Aでは別々の分子であり、図6Bでは互いに連結している。 図7Aおよび図7Bは、非変性アガロースゲルを示し、副産物形成におけるキャッピングオリゴヌクレオチドの効果を示す。図7Aは、テンプレートの添加なしの反応を示し、図7Bは、テンプレートを添加した反応を示す。

Claims (47)

  1. 標的配列の複数のコピーを合成する方法であって、該方法は、
    (A)RNA標的配列を含む標的核酸を、以下の(1)および(2)で処理する工程:
    (1)該標的配列の3’末端からプライマー伸長反応が開始され得るように、該標的配列の3’末端にハイブリダイズするプライミングオリゴヌクレオチドであって、ここで、以下の条件(a)および(b)のうちの一方または両方が満たされる、プライミングオリゴヌクレオチド:
    (a)該プライミングオリゴヌクレオチドが、RNAを含まない;および
    (b)該プライミングオリゴヌクレオチドが、該標的配列にハイブリダイズする前該標的配列の3’末端にハイブリダイズされキャップを有し、該キャップは、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にある少なくとも3個のヌクレオチドに相補的な塩基領域を含み、該キャップの5’末端の塩基は、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端の塩基に相補的であり、かつ、該キャップは、該キャップからのDNA合成の開始を防ぐように改変される;
    (2)該標的配列の5’末端に隣接するかもしくは該5’末端に近い該標的核酸に結合する結合分子;
    (B)プライマー伸長反応において該プライミングオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼで伸長させて該標的配列に相補的なDNAプライマー伸長産物を得る工程であって、該DNAプライマー伸長産物は、該結合分子によって決定されかつ該標的配列の5’末端に相補的である3’末端を有する、工程;
    (C)該DNAプライマー伸長産物を、該標的配列を選択的に分解する酵素を用いて、該標的配列から分離する工程;
    (D)該DNAプライマー伸長産物を、第一の領域および第二の領域を含むプロモーターオリゴヌクレオチドで処理する工程であって、該第一の領域は、該DNAプライマー伸長産物の3’領域にハイブリダイズしてプロモーターオリゴヌクレオチド:DNAプライマー伸長産物ハイブリッドを形成し、該第二の領域は、RNAポリメラーゼに対するプロモーターでありかつ該第一の領域に対して5’側に位置し、ここで、該方法において提供される、RNAポリメラーゼに対するプロモーターを含む任意のオリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防ぐように改変される、工程;
    (E)該プロモーターオリゴヌクレオチド:DNAプライマー伸長産物ハイブリッドにおいて、該DNAプライマー伸長産物の3’末端を伸長させて、該プロモーターオリゴヌクレオチドの該第二の領域に対する配列相補性を付加する工程;ならびに
    (F)該プロモーターオリゴヌクレオチド:DNAプライマー伸長産物ハイブリッドから、該プロモーターを認識し該プロモーターから転写を開始するRNAポリメラーゼを用いて、該DNAプライマー伸長産物に相補的な複数のRNA産物を転写する工程であって、ここで、該RNA産物の塩基配列は、該標的配列の塩基配列と実質的に同一である、工程
    を包含する、方法。
  2. 前記プライミングオリゴヌクレオチドが、前記標的配列にハイブリダイズする前に、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズされるキャップを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記キャップが、前記プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にある8個以下のヌクレオチドに相補的である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記キャップが前記プライミングオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるとき、該キャップが、該プライミングオリゴヌクレオチドと前記プロモーターオリゴヌクレオチドとの間の非特異的なハイブリダイゼーションを防ぐ、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記キャップが、その3’末端にブロッキング部分を含むように改変されたキャッピングオリゴヌクレオチドである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記キャップの3’末端が、前記プライミングオリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合され、該キャップは、ループを形成することにより、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記キャップが、リンカー領域を介して前記プライミングオリゴヌクレオチドに結合される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記リンカー領域が少なくとも5個のヌクレオチドを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記リンカー領域が少なくとも5個の無塩基ヌクレオチドを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記プライミングオリゴヌクレオチドがRNAを含まない、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記プライミングオリゴヌクレオチドが、デオキシヌクレオチドおよび/またはそのアナログから構成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記プライミングオリゴヌクレオチドが、デオキシヌクレオチドから構成される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記プライミングオリゴヌクレオチドが、前記標的配列にハイブリダイズする前記塩基領域の5’側に、非ハイブリダイズ塩基領域を含まない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記プライミングオリゴヌクレオチドが、RNAse H活性を有する逆転写酵素を用いて伸長される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記逆転写酵素がMaloneyマウス白血病ウイルスに由来する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記酵素が、RNAse H活性を持ち、該酵素が、逆転写酵素以外の酵素である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記結合分子がオリゴヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチドが、3’末端からのDNA合成の開始を防ぐために、該オリゴヌクレオチドの3’末端にブロッキング部分を持つものである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記結合分子の前記オリゴヌクレオチドの5’末端が、前記プロモーターオリゴヌクレオチドの前記第一の領域の5’末端と重複し、該第一の領域の5’末端が、該結合分子の該オリゴヌクレオチドの5’末端と十分な数のミスマッチを有し、該プロモーターオリゴヌクレオチドが、該結合分子にハイブリダイズすることを防ぐ、請求項17に記載の方法。
  19. 前記結合分子が終結オリゴヌクレオチドである、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記終結オリゴヌクレオチドの5’末端が、前記プロモーターオリゴヌクレオチドの前記第一の領域の5’末端にある少なくとも2個のヌクレオチドに相補的である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記終結オリゴヌクレオチドの5’末端が、前記プロモーターオリゴヌクレオチドの前記第一の領域の5’末端にある、少なくとも3個、かつ10個以下のヌクレオチドに相補的である、請求項19に記載の方法。
  22. 前記結合分子が改変オリゴヌクレオチドである、請求項17または18に記載の方法。
  23. 前記改変オリゴヌクレオチドが消化オリゴヌクレオチドである、請求項22に記載の方法。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法であって、工程(D)において、前記DNAプライマー伸長産物をエクステンダーオリゴヌクレオチドで処理する工程をさらに包含し、該エクステンダーオリゴヌクレオチドは、前記プロモーターオリゴヌクレオチド:DNAプライマー伸長産物ハイブリッドの前記プロモーターオリゴヌクレオチドの3’側にある前記DNAプライマー伸長産物の一領域にハイブリダイズし、それにより、エクステンダーオリゴヌクレオチド:DNAプライマー伸長産物ハイブリッドが形成される、方法。
  25. 前記エクステンダーオリゴヌクレオチドがさらに、該エクステンダーオリゴヌクレオチドの3’末端からのDNA合成の開始を防ぐために、該エクステンダーオリゴヌクレオチドの3’末端に位置するブロッキング部分を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記エクステンダーオリゴヌクレオチドが、前記DNAプライマー伸長産物にハイブリダイズし、それにより、該エクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端が、前記DNAプライマー伸長産物に対して、前記プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端の塩基から3ヌクレオチドより多くの間隔をあけない、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記エクステンダーオリゴヌクレオチドが、工程(D)において、前記プロモーターオリゴヌクレオチドに隣接する前記プライマー伸長産物にハイブリダイズする、請求項24または25に記載の方法。
  28. 前記プロモーターオリゴヌクレオチドはさらに、前記第一の領域と前記第二の領域との間、または、該第一の領域および該第二の領域に隣接して位置する挿入配列を含み、該プロモーターオリゴヌクレオチドにおける該挿入配列の存在が、前記RNA産物が形成される速度を高める、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記プロモーターオリゴヌクレオチドが、該プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端に位置するブロッキング部分を含むように改変される、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記プロモーターオリゴヌクレオチドの前記ブロッキング部分が、改変ヌクレオチド、3’から5’の方向性を有するヌクレオチドまたはヌクレオチド配列、3’アルキル基、3’2’−ジデオキシヌクレオチド、3’コルジセピン、3’アルカン−ジオール残基、3’非ヌクレオチド部分、前記標的配列に相補的でないヌクレオチド配列、核酸結合タンパク質、およびこれらの混合物からなる群より選択される置換基を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記ブロッキング部分が、3’から5’の方向性を有するヌクレオチドもしくはヌクレオチド配列、または、3’非ヌクレオチド部分を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記標的配列の前記複数のコピーの在または量を決定する工程をさらに包含する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記標的配列の前記複数のコピーの存在または量が、検出可能な標識を有するオリゴヌクレオチドプローブを用いて決定される、請求項32に記載の方法。
  34. 実質的に一定の温度において実施される、請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 標的核酸の存在下で、伸長のために利用可能なプライミングオリゴヌクレオチドを作製するための方法であって、該方法は、
    (a)該標的核酸を含む反応混合物に該プライミングオリゴヌクレオチドを提供する工程であって、該プライミングオリゴヌクレオチドは、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端の一領域にハイブリダイズされたキャップを有し、該キャップの5’末端の塩基は、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端の塩基に相補的であり、そして、該キャップは、該キャップからのDNA合成の開始を防ぐように改変される、工程;
    (b)該標的核酸内に含まれる標的配列に該プライミングオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、それにより、該プライミングオリゴヌクレオチドから該キャップを解放する、工程;および
    (c)プライマー伸長反応において、該プライミングオリゴヌクレオチドをDNAポリメラーゼで伸長させて、該標的配列に相補的なDNAプライマー伸長産物を得る、工程
    を包含する、方法。
  36. 前記キャップが、前記プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にある8個以下のヌクレオチドに相補的である、請求項35に記載の方法。
  37. 前記キャップが、その3’末端に位置するブロッキング部分を含むように改変されたキャッピングオリゴヌクレオチドである、請求項35または36に記載の方法。
  38. 前記キャップの3’末端が、前記プライミングオリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合され、該キャップは、ループを形成することにより、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする、請求項35または36に記載の方法。
  39. 前記キャップが、リンカー領域を介して前記プライミングオリゴヌクレオチドに結合される、請求項38に記載の方法。
  40. 前記リンカー領域が少なくとも5個のヌクレオチドを含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記リンカー領域が少なくとも5個の無塩基ヌクレオチドを含む、請求項39に記載の方法。
  42. 容器であって、以下:
    プライミングオリゴヌクレオチドであって、該プライミングオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の3’末端にハイブリダイズして、該標的核酸配列に相補的なDNAプライマー伸長産物の合成を開始する、プライミングオリゴヌクレオチド;および
    該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端の一領域にハイブリダイズするキャップであって、該キャップの5’末端の塩基は、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端に相補的であり、そして、該キャップは、その3’末端に位置するブロッキング部分を含むように改変されたキャッピングオリゴヌクレオチドである、キャップ
    を含む、容器。
  43. 前記キャップは、前記プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にある8個以下のヌクレオチドに相補的である、請求項42に記載の容器。
  44. 前記キャップの3’末端が、前記プライミングオリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合され、該キャップは、ループを形成することにより、該プライミングオリゴヌクレオチドの3’末端にハイブリダイズする、請求項42または43に記載の容器。
  45. 前記キャップが、リンカー領域を介して前記プライミングオリゴヌクレオチドに結合される、請求項4に記載の容器。
  46. 前記リンカー領域が少なくとも5個のヌクレオチドを含む、請求項4に記載の容器。
  47. 前記リンカー領域が少なくとも5個の無塩基ヌクレオチドを含む、請求項4に記載の容器。
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