JP4861092B2 - マッド材の充填特性評価方法、及び充填特性評価装置 - Google Patents

マッド材の充填特性評価方法、及び充填特性評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、マッド材の充填特性評価方法と、この方法の実施に用いるに適した充填特性評価装置とに関する。
マッド材は、粒度調整された耐火材料をタールやレジン等のバインダで錬り込んだ錬り土状の耐火物である。高炉の操業を例にとってマッド材の使用形態を説明すると、マッド材は出銑終了後の出銑孔にマッドガンによって圧入充填されて出銑孔を閉塞する。この出銑孔による次回の出銑時期が到来すると、それまでの期間に炉熱で焼成されたマッド材をドリルで掘削して湯道を形成する。この湯道を通して炉内の溶銑及び溶滓が炉外に排出される。湯道の口径の拡大の進行を抑えて、安定した出銑を長時間可能とするためには、マッド材が優れた耐用性を有していることが必要である。
マッド材の耐用性は、その成分構成だけでなく、出銑孔へ充填する際の充填特性によっても左右される。例えば、マッド材が疎な組織をもった状態で出銑孔内に充填されてしまうと、マッド材の焼成物で構成される湯道の強度が不充分となって、その口径の拡大の進行が早くなったり、ドリルで掘削して湯道を形成する際にマッド材の組織に亀裂が生じることによって貫通する前に溶銑滓が出てくる孔切れという現象が発生しやすくなる結果、充分な出銑時間を確保できない。このような不具合の生じくい、充填特性に優れたマッド材を開発するためには、マッド材の充填特性を事前に評価する技術が必要となる。
従来、マッド材の充填特性は、舗装用アスファルトの軟度評価に用いられるマーシャル試験機を用い、マッドガンの砲身先端部を模した金枠からマッド材を押し出す際の押し出し抵抗値を測定し、この値によって評価していた。例えば、この方法で適度な押し出し抵抗値が観測されれば、実際のマッドガンによる圧入時にも適度な充填圧力が得られることが分かる。即ち、マッド材を適度に密な状態で充填できると推定される。この他、マッド材の充填特性を事前に評価できるものとして下記特許文献1〜3の技術が知られている。
特許文献1及び2は、加熱したコークスを収容した模擬炉内に、この模擬炉の炉壁に形成した充填孔からマッド材を圧入充填し、一定時間放置した後にマッド材の充填状況を観察し、観察結果によってマッド材の充填特性を評価する方法を提案する。この技術によると、マッド材が充填された状態を実際に観察することができるため、マッド材の拡散形態、組織、及び溶銑や溶滓との反応性を評価することができる。
特許文献3は、加熱炉内に中空パイプを位置させ、マッド材を圧入装置によって中空パイプ内に圧入しながら、その圧入圧力を記録する方法を提案する。この方法では、加熱炉によって加熱された中空パイプにマッド材を圧入するため、マーシャル試験機を用いる場合よりも、実機使用によく合致した圧入条件を再現できる。
特開平9−194917号公報 特開昭62−179634号公報 特開平6−306422号公報
特許文献1及び2の評価技術では、充填されたマッド材を実際に観察できるものの、視覚的な観察によってはマッド材の充填特性を客観的かつ定量的に評価しにくく、マッド材の充填特性の良否の判断基準があいまいとなる。
特許文献3の評価技術では、マッド材の充填特性の定量的な評価は行えるが、中空パイプへの圧入圧力の情報だけでは、マッド材の充填特性を正確に評価するには不充分である。即ち、圧入圧力の情報によれば、出銑孔内におけるマッド材の組織の粗密の度合いや、いわゆる不押しが発生する可能性といったことは評価できるが、マッド材に求められる充填特性はこれらだけでない。例えば、マッド材には、組織欠陥のない状態で、出銑孔内及び炉壁内側に隙間なく広く展開できる充填特性も要求されるが、圧入圧力の情報だけからは、マッド材の組織に欠陥が生じる可能性までは評価できない。
本発明の目的は、マッド材の充填特性の良否を適切に評価することができる技術を提供することにある。
本発明の一観点によれば、(a)錬り土状に調整されたマッド材の試料を加圧成形する工程と、(b)加圧成形して得られた成形体をある回転軸まわりにねじりながら、該回転軸まわりに作用するトルクを、該成形体の該回転軸まわりのねじり角と対応付けて測定する工程とを有するマッド材の充填特性評価方法が提供される。この方法においては、さらに、測定したトルクとねじり角のデータからマッド材の性状を表すパラメータ値を求め、求めたパラメータ値を所与のしきい値と比較することにより、マッド材の充填特性の良否を判別する工程を有することが好ましい。
本発明の他の観点によれば、錬り土状に調整されたマッド材の加圧成形体を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された加圧成形体をある回転軸まわりにねじる回転機構と、前記加圧成形体の前記回転軸まわりのねじり角を検出するねじり角検出器と、前記回転機構によって前記加圧成形体に付与される前記回転軸まわりのトルクを検出するトルク検出器とを備えたマッド材の充填特性評価装置も提供される。この装置においては、さらに、前記ねじり角検出器及び前記トルク検出器の検出結果から、マッド材の性状を表すパラメータ値を求める演算手段を備えることが好ましい。
マッド材のねじり角に対するトルクの変化のデータから、マッド材のもちもち感の度合い、粘り強さ、こしの強さ、軟らかさといった性状を表す評価パラメータを定義することができ、その評価パラメータの値によってマッド材の充填特性の良否を適切に評価することができる。
図1は、本発明の一実施形態による充填特性評価装置の概略図を示す。水平なベース1の上に、モータ2と減速機3とからなる回転機構4が配置されている。モータ2は、制御盤5から与えられる制御指令に応じて作動する。モータ2の動力は、減速機3を介して出力軸6に伝達される。なお、制御盤5において、モータ2の回転数をある範囲で制御することができることにより、減速機3の出力軸6の回転数を例えば、0.5rpm〜15rpmの範囲で任意に調整することができる。出力軸6の回転は、トルク検出器7を介して第1のチャック11に伝達される。
トルク検出器7は、出力軸6から第1のチャック11へ伝達されるトルクTを検出するもので、例えばスリップリング内蔵型の歪ゲージ式トルクコンバータによって構成される。また、出力軸6には、ねじり角検出器8も取り付けられている。ねじり角検出器8は、出力軸6の回転角θを検出するもので、例えばロータリーエンコーダによって構成される。
トルク検出器7及びねじり角検出器8の検出結果は、例えば電圧に変換されて、データロガー9にリアルタイムに送られる。これら検出器7及び8のサンプリング周波数は、例えば1000Hz程度である。データロガー9は、それら検出器7及び8の検出結果に基づいて、回転角θに対するトルクTの変化を表すグラフを画面に表示出力することができ、かつ印字出力することができる。また、データロガー9は、内部にメモリを有していて、トルクTを回転角θと対応付けた時系列データを記憶することもできる。
回転機構4によって回転される第1のチャック11と相対向する位置に、第2のチャック12が配置されている。第2のチャック12は、回転不能なようにスライダ13に固定されている。スライダ13は、レール14に載っていて、一対のチャック11及び12の対向方向に移動自在となっている。スライダ13に設けられた固定レバー13aによって、スライダ13の位置を自在に調整でき、かつ所望の位置で固定することができる。
一対のチャック11及び12によって、圧入筒20を把持するホルダ10が構成されている。圧入筒20は、その柱面の母線を出力軸6と平行にした姿勢で、ホルダ10に保持されている。圧入筒20は、その柱面の母線に平行な方向、即ち出力軸6と平行な方向に関して、第1の筒状体21と、第2の筒状体22とに分割して構成されている。
第1の筒状体21が、第1のチャック11に保持され、第2の筒状体22が、第2のチャック12に保持される。チャック11及び12の各々には、固定用ねじ15が設けられており、この固定用ねじ15によって圧入筒20をホルダ10に固定することができる。なお、チャック11及び12の内面と、筒状体21及び22の外面との一方にキーを設け、他方にキー溝を設けることとすれば、ホルダ10に対する圧入筒20の回転が阻止されるので、固定用ねじ15を省略することもできる。
なお、第1及び第2の筒状体21及び22は、例えば一つの円筒を適当な位置で切断して得ることができる。その切断面、即ち第1の筒状体21と第2の筒状体22の境界面は、第1の筒状体21が、第2の筒状体22に対して出力軸6まわりに回転することを妨げないように、出力軸6を延長する仮想直線に対して垂直となっている。なお、図1では、第1の筒状体21と第2の筒状体22との間隔を誇張して示しており、その間隔においてマッド材の加圧成形体Sが露出した状態を示すが、必ずしも加圧成形体Sが露出していなくてもよい。
図2は、圧入筒20の一部破断斜視図を示す。図2に示すように、第1及び第2の筒状体21及び22の各々の内面には、複数の凸部23が設けられている。凸部23の各々の高さは、例えば5mm以上であることが好ましい。筒状体21及び22の各々の内径は、例えば30mm〜100mm程度である。
以下、上記充填特性評価装置を用いた充填特性評価試験の手順について説明する。
〔加圧成形工程〕
まず、空きの第1の筒状体21と、第2の筒状体22とを好ましくはガムテープを用いて連結させた状態で、両者21及び22にわたって、錬り土状に調整されたマッド材を圧入充填する。これにより、マッド材が圧入筒20の形状に加圧成形される。このときの成形圧力、即ち圧入筒20へのマッド材の充填圧力は、例えば4〜10MPa程度である。
なお、圧入筒20へのマッド材の圧入は、例えば、圧入筒20の内径と対応した内径を有するシリンダと、圧入筒20をそのシリンダと連結させた状態で保持する保持具と、そのシリンダ内に予め収容されたマッド材を圧入筒20へ押し出すピストンとを備えた圧入機を用いて行うと便利である。
〔加熱工程〕
次に、マッド材が圧入充填された圧入筒20を、30℃〜150℃、好ましくは60℃〜100℃に加熱する。この温度は、実際の現場で使用されるマッドガン内のマッド材の温度と一致するため、以下に述べる充填特性評価の精度を向上させることができる。
〔測定工程〕
次に、圧入筒20を一対のチャック11及び12に把持させ、かつ固定用ねじ15を締めつけて、第1の筒状体21を第1のチャック11に、第2の筒状体22を第2のチャック12にそれぞれ固定する。そして、制御盤5にて所定の操作を行うことによりモータ2を作動させ、第1の筒状体21を第2の筒状体22に対して回転させる。
圧入筒20の内面と、圧入筒20内のマッド材の加圧成形体Sとの間には、摩擦力が作用するとともに、図2に示したように圧入筒20の内面に凸部23を設けたことにより、圧入筒20に対する加圧成形体Sのすべりが防止される。即ち、加圧成形体Sのうち第1の筒状体21で覆われた部分は第1の筒状体21と共に回転し、第2の筒状体22で覆われた部分の回転は防止される。このため、マッド材の加圧成形体Sには、第1の筒状体21と第2の筒状体22との境界部分において、ねじり応力が付与される。
加圧成形体Sがねじられる過程で、トルク検出器7によって検出されたトルクT、及びねじり角検出器8によって検出された回転角θ(ねじり角θ)が、データロガー9にリアルタイムに出力される。成形体Sのねじり角θが所定の最終値θEND、例えば60°〜90°のある値に達したときに、試験を終了する。
図3は、データロガー9にて表示出力又は印字出力されるT−θ波形を模式的に示す。
波形Aは、トルクTがねじり角θの増大とともに立ち上がってピーク値に達し、その後もトルク値が殆ど低下することなく、維持されている。このことは、ねじり角θの増大によっても加圧成形体Sがねじ切れにくいことを示す。このような特性を示すマッド材は、適度なもちもち感があって粘り強く、実機使用においてはマッド材の組織に亀裂等が生じにくいため孔切れの発生率が低い。即ち、充填特性は良好である。
波形Bは、トルクTがピーク値に達した後、直ちに低下している。このことは、加圧成形体Sが容易にねじ切れることを示す。このような特性を示すマッドはぱさぱさ感が強く、実機使用においても、例えば断層状の欠陥が生じやすく、また炉壁内側への展開性にも乏しいため炉壁保護効果が小さく、充填特性が良好とは言い難い。以上から、T−θ波形の、ピーク値からの立下り方が、マッド材の充填特性の良否を判別するための一つの指標になると考えられる。
そこで一般に、ねじり角θ=0〜θENDの範囲におけるトルクTのピーク値をT、ねじり角θがθENDのときのトルクをTとしたとき、下記式(1)で表されるトルク低下率を定義する。なお、図3には、便宜的に、波形BにのみTとTの位置を示す補助線を付与している。
(T−T)/T・・・(1)
このトルク低下率は、マッド材の性状を表す評価パラメータの一つであって、この値によると、マッド材の充填特性を定量的に評価することができる。また、この値にあるしきい値を設け、そのしきい値と、実測されたトルク低下率との対比によってマッド材の良否を判別することもできる。最適なしきい値は、実機の使用条件によって変わってくる。なお、式(1)の値に100を乗じて%で表示した値も、トルク低下率と等価な値である。
波形Cは、波形Bのようにはトルク低下率が大きくないが、全体的にトルクTの絶対値が小さすぎる。このようなマッド材はこしが殆どなく、軟らか過ぎ、実機使用において出銑孔に充填したときに、出銑孔内でマッド材の組織が疎となりやすい。このため、マッド材の耐用低下を招き、充分な出銑時間を確保することができない。このことから、トルクTのピーク値Tの絶対値も、マッド材の充填特性を評価するための評価パラメータの一つになると考えられる。トルクTのピーク値に或るしきい値を設け、そのしきい値と、実測されたトルクのピーク値Tとの対比によってマッド材の良否を判別することもできる。なお、このしきい値も、実機の使用条件によって変わってくる。
なお、ねじり角θ=0〜θENDの範囲におけるトルクTの平均値を求めることとしてもよく、その平均値もマッド材の充填特性の良否を判別するための評価パラメータの一つとなりうる。
図4には、T−θ波形の他の例を模式的に示す。波形Dは、出力軸6の回転数を高い値、例えば10rpm〜15rpmの値に設定した際に得られる波形である。波形Eは、波形Dの測定に用いた試料と同一の試料に対して、出力軸6の回転数を低い値、例えば0.5rpm〜1rpmに設定した以外は、同一の測定条件で得られる波形である。一般にマッド材には、ねじり速度に比例する復元力が作用するから、試料を高速でねじった場合のトルクのピーク値T1−Fの方が、同じ試料を低速でねじった場合のトルクのピーク値T1−Lよりも大きい。そして、両者の差の値T1‐F−T1‐Lは、マッド材の復元力の速度依存性を示すもので、この値もマッド材の充填特性の良否を評価するための評価パラメータの一つになると考えられる。
なお、加圧成形体Sのねじり速度をn段階回(nは2以上の自然数とする。)に変化させて、ねじり速度別に求められたn個のトルクピーク値を用いて、マッド材の復元力の速度依存性を表す評価パラメータを定義することもできる。このような指標としては、例えばそれらn個のトルクピーク値の分散が挙げられる。加圧成形体Sのねじり速度をn段階に変化させ、ねじり速度別に評価パラメータを求める場合は、上述した加圧成形工程から測定工程までをn−1回繰り返すこととなる。
以上説明した各種評価パラメータは、データロガー9において自動的に求めることができる。それらの評価パラメータの少なくともいずれかに基づいて、マッド材の充填特性の良否を評価することができる。具体的には、例えば上記トルク低下率が或る第1のしきい値以下で、かつトルクTのピーク値Tが或る第2のしきい値以上である場合に、充填特性が良好であるという評価を与えるようにすることができる。
なお、データロガー9に代えて、又はデータロガー9と共に検出器7及び8にコンピュータを接続すれば、コンピュータにおいて、上記評価パラメータと、予め設定されたしきい値との比較を行って、マッド材の充填特性の良否を自動的に判別し、かつその判別結果を表示出力することも可能となる。
表1に、第1〜第3のマッド材の、実機使用におけるパフォーマンスと、本発明実施例による評価方法を適用して求めた各種評価パラメータとを示す。
実機パフォーマンスについて説明する。第1〜第3のマッド材の各々を高炉の操業において出銑回数が50回に達するまで実際に使用した。表1中、孔切れ発生率とは、50回の出銑工程のうち、孔切れが発生した出銑工程の割合のことである。平均出銑時間とは、各出銑工程における出銑時間を出銑工程間で平均した値のことである。短時間出銑率とは、50回の出銑工程のうち、出銑時間が150分未満であった出銑工程の割合のことである。マッド充填圧とは、充填時にマッドガンに加わった充填圧力のことである。
なお、本発明実施例による評価方法は、予め80℃に加熱された第1〜第3のマッド材の加圧成形体に対して行った。トルク低下率は、上記(1)式の値を100倍して%表示した。
Figure 0004861092
第1のマッド材は、実際に触った場合に、適度なもちもち感及びこしのある触感を示しており、実機パフォーマンスにおいては、表1に示すように、最も優れた耐用性を示した。このことから、充填特性は良好であったと考えられる。本発明実施例による評価でも、ねじり速度を高速(12rpm)とした場合、及び低速(0.6rpm)とした場合のいずれにおいても、トルクのピーク値T1−F又はT1−Lの絶対値が適度に大きく、しかもトルク低下率が小さいため、充填時に組織欠陥が生じる可能性は低く、充填特性が良好であるという評価結果が得られることとなる。
第2のマッド材は、実際に触った場合に、パサパサして粘りがない触感を示しており、実機パフォーマンスにおいては、表1に示すように、孔切れ発生率及び短時間出銑率がやや高く、第1のマッド材よりも耐用性に劣った。このことから、充填特性はやや不良であったと考えられる。本発明実施例による評価では、ねじり速度を高速とした場合、及び低速とした場合のいずれにおいても、トルク低下率が大きいため、充填特性が良好とは言い難いという評価結果が得られることとなる。これにより、トルク低下率を評価パラメータとすることの妥当性が示された。
第3のマッド材は、実際に触った場合に、粘りはあるが、こしがなく、軟らかい触感を示しており、実機パフォーマンスにおいては、表1に示すように、マッド材充填圧が小さく、第2のマッド材よりも耐用性に劣る。このことから、充填特性は良好ではなかったといえる。本発明実施例による評価では、ねじり速度を高速とした場合、及び低速とした場合のいずれにおいても、トルク低下率は小さいものの、トルクのピーク値T1−F又はT1−Lの絶対値が小さいため、充填特性が良好とは言い難いという評価結果が得られることとなる。これにより、トルクのピーク値の絶対値を評価パラメータとすることの妥当性が示された。
以上のように実機パフォーマンスが最も優れているのは、第1のマッド材である。T1‐F−T1‐Lの値は、第1のマッド材において最も小さい値を示していることから、一般にこの値は小さい方が好ましいのではないかと推定される。
また、本発明実施例による評価において、第2のマッド材に対する第1のマッド材の優位性は、トルク低下率によって示されるが、両者のトルク低下率の差は、ねじり速度を低速とした場合よりも、高速とした場合において顕著となる。このことから、ねじりの回転速度を複数段階に変化させない場合は、トルク低下率は、ねじりの速度を高速、例えば10〜15rpmとして測定すると、評価精度を向上できると考えられる。
さらに、第2のマッド材は、ねじり速度に対するトルク低下率の変化が相対的に大きい。このことから、トルク低下率のねじり速度に対する依存性、例えば、ねじり速度を低速とした場合のトルク低下率と、高速とした場合のトルク低下率の差又はその絶対値も、マッド材の充填特性の良否を判別する評価パラメータになりうると考えられる。
また、表1には、トルクがピーク値T1−Lに達したときのねじり角θ1−L、及びトルクがピーク値T1−Fに達したときのねじり角θ1−Fも示した。第1のマッド材の方が、第2のマッド材よりも大きなθ1−L及びθ1−Fを有することから、トルクがピーク値に達するときのねじり角の値も、マッド材の充填特性の良否を判別する評価パラメータになりうると考えられる。
以上、本発明の一実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれに限られない。上記実施形態では、充填特性評価試験をねじり角度θが最終値θENDに達したときに終了することとしたが、トルクTの値がある値を下回ったときに試験を終了することとしてもよい。この場合、マッド材の充填特性を評価するための評価パラメータとしては、トルクがピーク値に達するときのねじり角をθ、トルクがピーク値に達した後、あるしきい値を下回るときのねじり角をθとしたとき、θ−θの値も、評価パラメータになりうると考えられる。この値が大きい程、マッド材が粘り強く、実機使用において、断層状の不連続部分を生じることなく炉壁内側まで広く展開できるため、充填特性に優れると考えられる。
図2には、筒状体21及び22の内面に凸部23を設けた例を示したが、凸部23に代えて、又は凸部23と共に凹部を形成してもよい。凹部を形成した場合には、圧入筒20へのマッド材の圧入時にその凹部がマッド材で埋められることとなる。凸部とは、圧入筒内面の周方向と交差する方向、好ましくは出力軸6と平行な方向に連続的又は断続的に延在する突条を含む概念とする。凹部とは、圧入筒内面の周方向と交差する方向、好ましくは出力軸6と平行な方向に連続的又は断続的に延在する溝条を含む概念とする。
図2には、横断面形状が円形の円筒状の圧入筒20を示したが、圧入筒の横断面形状は、例えば多角形状であってもよい。この場合は、圧入筒の内面に凸部及び/又は凹部を形成しなくても、マッド材の加圧成形体に対する圧入筒のすべりを防止できる。
図1には、トルク検出器7を、回転機構4と第1のチャック11との間に配置した例を示したが、第2のチャック12とスライダ13との間にトルク検出器7を配置してもよい。また、図1にはモータ2と出力軸6との間に減速機3を介在させた例を示したが、減速機3は必ずしも必須ではない。減速機3を省略する場合は、モータ2の回転軸が図1の出力軸6となる。この場合も、出力軸(モータの回転軸)の回転数を例えば0.5〜15rpmの範囲で制御できるようにすることが好ましい。このことは、モータ2として、例えばDCサーボモータを用いることにより容易に実現できる。この他、種々の設計変更及び組合せが可能なことは当業者に自明であろう。
本発明による充填特性評価技術の対象となるマッド材は、高炉出銑孔の閉塞用に用いられるものに限られない。本発明は、例えば、電気炉、廃棄物溶融炉、その他の間欠出湯方式の溶解炉における溶湯の出湯口の閉塞に用いられるマッド材の、出湯口への充填特性の評価に広く利用することができる。また、本発明による充填特性評価技術は、マッド材の開発段階において充填特性に優れたマッド材の開発のために使用できるのは勿論、例えばマッド材の製造現場において検定用に用いることもできる。即ち、マッド材の充填特性は、その粒度構成やバインダの含有量だけでなく、その混練条件等によっても変わってくる。これにより、マッド材間での充填特性のばらつきを抑えることが可能となるから、安定した出銑(出湯)作業を行えるようになる。
本発明の一実施形態による充填特性評価装置の概略図である。 圧入筒の一部破断斜視図である。 T−θ波形を模式的に示すグラフである。 T−θ波形を模式的に示す他のグラフである。
符号の説明
1…ベース、2…モータ、3…減速機、4…回転機構、5…制御盤、6…出力軸、7…トルク検出器、8…ねじり角検出器、9…データロガー(表示手段;演算手段)、10…ホルダ、11…第1のチャック、12…第2のチャック、13…スライダ、14…レール、15…固定用ねじ、20…圧入筒、21…第1の筒状体、22…第2の筒状体、23…凸部。

Claims (7)

  1. (a)錬り土状に調整されたマッド材を加圧成形する工程と、
    (b)加圧成形して得られた成形体をある回転軸まわりにねじりながら、該回転軸まわりに作用するトルクを、該成形体の該回転軸まわりのねじり角と対応付けて測定する工程とを有するマッド材の充填特性評価方法。
  2. 前記工程(a)が、前記加圧成形して得られた成形体を30℃〜150℃に加熱する工程を含む請求項1に記載のマッド材の充填特性評価方法。
  3. 前記工程(b)では、ねじり角がある値θENDに達するまでトルクの測定を行い、ねじり角0〜θENDの間でのトルクのピーク値をT、ねじり角がθENDのときのトルクをTとしたとき、(T−T)/Tで定義されるトルク低下率を求める請求項1又は2に記載のマッド材の充填特性評価方法。
  4. さらに、(c)同一のマッド材よりなる成形体に対して、前記ねじり角に対する前記トルクの変化を、該成形体をねじる際のねじりの回転速度別に複数回測定するために、前記工程(a)及び(b)を複数回繰り返す工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載のマッド材の充填特性評価方法。
  5. 錬り土状に調整されたマッド材の加圧成形体を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された加圧成形体をある回転軸まわりにねじる回転機構と、
    前記加圧成形体の前記回転軸まわりのねじり角を検出するねじり角検出器と、
    前記回転機構によって前記加圧成形体に付与される前記回転軸まわりのトルクを検出するトルク検出器と
    を備えたマッド材の充填特性評価装置。
  6. 前記保持手段が、
    マッド材を圧入する圧入筒であって、その柱面の母線に平行な方向に関して第1及び第2の筒状体に分割して構成された圧入筒と、
    前記第1及び第2の筒状体の双方にわたってマッド材が圧入された状態の圧入筒を、その柱面の母線を前記回転軸と平行にした姿勢で保持するホルダであって、前記第1及び第2の筒状体をそれぞれ保持する第1及び第2のチャックよりなるホルダとを備え、
    前記回転機構が、前記第1及び第2のチャックの一方を他方に対して相対的に回転させる請求項5に記載のマッド材の充填特性評価装置。
  7. 前記第1及び第2の筒状体の内面に、凸部及び/又は凹部を設けた請求項6に記載のマッド材の充填特性評価装置。
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