JP4859689B2 - シート状多孔質体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属等の繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料の集合体からなるシート状多孔質体を製造するための方法に係り、特に、原料を均一に分散および充填することができるシート状多孔質体の製造方法に関する。
多孔性焼結体からなる金属薄膜は、高温融体等のフィルターとして古くから用いられているが、近年、ニッケル水素電池やリチウム電池用電極板の基材、生体材料、触媒基材、燃料電池の部材等の用途においても脚光を浴びており、開発が進められている。このような金属薄膜は、一般的には、金属繊維を圧縮して所定の形状を有する成形体を作製し、これを焼結させることにより得られるが、様々な製造方法が検討されている。
例えば、金属繊維ウェブを支持体上に載置し、高圧柱状水流にて繊維間を交絡させて金属繊維シートを得、脱水・乾燥・熱処理を行うことにより得られる電池電極用金属繊維多孔体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、生体材料用として、所定の空隙率を有するチタン繊維の三次元構造体が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、鋼、ニッケル、チタンから選択される金属繊維からなる燃料電池の部材が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、金属粉末を用いた多孔体では、金属粉末、バインダー(または発泡剤)を用い、金属多孔体を製造する方法が知られている。
金属繊維を用いたシート状多孔質体は、例えば、セッターと呼ばれる基板の上に載置した型に金属繊維を充填して、これを成形後、焼結して得ることができる。このように製造されたシート状多孔質体の焼結後の厚みの均一性は、焼結前の金属繊維の充填状況に支配されることが多い。したがって、金属繊維をセッター上にいかに均一に分散配置させるかが、焼結後の厚みの均一性を保証する上で重要な点となる。金属繊維をセッターの上に載置する工程は、人手により繊維を均して行うことも可能であるが、工業規模で実施する場合には自動化が望まれている。
金属繊維を用いたシート状多孔質体の他の製造方法としては、特許文献4には、金属繊維塊を空気により分離し、ランダムな向きに並べてウェブを形成する方法が開示されている。特許文献5には、金属繊維で構成されるスラリーを湿式抄造により金属繊維シートを形成する方法が開示されている。なお、金属粉末、バインダー(または発泡剤)を用い金属多孔体を製造する方法を金属繊維に応用することも可能である。
特開平9−143510号公報 特開2004−18951号公報 特表2004−503069号公報 特表平9−504905号公報 特開2000−80591号公報
しかしながら、上述の技術のうち、金属繊維原料に他の添加剤を混合してシート状多孔質体を得る方法においては、製造後のシート状多孔質体に添加剤成分が残留し、これを完全に除去することが難しいという問題があった。また、添加剤を用いずに空気流等の物理的な作用によって金属繊維原料を所望の形状に配置してシート状多孔質体を得る方法においては、金属繊維原料の均一な分散は可能であるものの、金属繊維を用いた膜厚が薄い多孔質シートを作製する場合、同一シート内で厚さが異なるなど形状にばらつきが生じたり、形状が均一であっても金属繊維原料の分散が不十分な凝集体が残留し、その状態で成形を行うことで空隙率にばらつきが生じるという問題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、特に繊維状原料を解砕、分散、充填してシート状多孔質体成形体を製造する方法であって、金属または無機材料の繊維、特に金属繊維を均一に分散、充填することができるシート状多孔質体の製造方法の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて前記課題について鋭意検討を進めて来たところ、分散室を備えた充填装置に、繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料を供給して分散することにより、充填装置下部に配置した基材または型上に上記原料を均一に分散および充填できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のシート状多孔質体の製造方法は、繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料を、空気流を利用した搬送手段によって充填装置の上部部材に設けられた分散室に供給し、原料を分散室内で均一に分散し、分散した上記原料を分散室内から上部部材の下方に備えられた下部部材に落下させ、上部部材と下部部材との間に設けられた開口部によって、上部部材からの空気流を逃がしつつ、下部部材の下方に配置した基材上に均一に充填することを特徴としている。
前記した本発明の方法によれば、繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料が凝集体を形成していてもこれを分散させることができ、分散された原料を基板や型上に均一に充填することができる。その結果、均一に充填したシートを焼結することで、気孔率が高く、かつ孔の分布が均一なシート状多孔質体を製造できるという効果を奏する。
本発明の好適な実施形態について、図面を用いて以下に説明する。図1は、繊維状原料、粉体原料またはこれらの混合原料を基板上に均一に分散および充填した繊維シートを得るための充填装置Fを模式的に例示した物である。
図1において、符号1は、例えば振動フィーダやコンベア等の原料供給手段であり、原料供給手段1によって繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料2(以下、単に原料2と略称する場合がある)は充填装置Fに供給される。後述する分散装置によって単独繊維に分散された原料2は、原料供給手段1の下流端部から落下し、原料供給手段1の下流側に設けられた搬送手段3により充填装置Fの頂部に搬送される。搬送手段3は、原料取り込み口31、充填装置への搬送管32、その管内部に設けられた空気吹き出し口33より構成される。空気吹き出し口33は充填装置F方向に常時空気を吹き出して空気流を生じさせており、取り込み口31より原料2は吸引され、充填装置Fに供給される。また、搬送手段3は、原料の閉塞を防ぐため、急激な曲がりが無い様に形成される。
充填装置Fの頂部には、充填装置面内の原料分布を均一に分散させるための第1調整手段41を有する。図1においては、第1調整手段41は閉空間の分散室よりなる。その形状は、分散室の上部の壁に衝突した空気流により、充填装置F内の繊維分布を均一とするように構成される。分散室の片側から搬送空気により原料は搬送されてくるため、分散室の上部(天井部)は非対称に形成される。それ以外の部分は対称に構成される。また、分散室下部は開口状態となっている。
分散室下部の開口部から、重力と搬送空気により下降した原料2は、充填装置Fの中間部(分散室の下端開口部)に設けられた第2調整手段42によりさらに充填装置Fの面内方向に繊維分布が均一となるように制御される。第2調整手段42は、角度の調整が可能なスリットから構成される。また、充填装置の上部は、前後左右上下に可動可能となっている。スリットの角度、充填装置の上部の位置は、供給される原料2の解砕および分散状態、後述する基板上へ充填された原料の分布状態を見ながら調整する。この調整により、原料2の落下速度および落下方向をコントロールすることができる。
充填装置の中間部には、空気吹き出し口33からの搬送空気を逃す開口部43が設けられている。開口部43を設けることで、充填装置の下方に配置された基材5に積層される原料2に流れる空気流を大幅に減少させ、積層された原料2が搬送空気により舞い上がることを防ぐ。また、開口部43は充填装置F内に繊維の対流を生じさせないように構成する。また、下降している原料が滞留しないように、開口部43は上向きに設けられることが好ましい。
なお、充填装置Fの高さ、すなわち原料2の落差は、短すぎると積層される分散状態は均一とならない。したがって、充填装置Fの高さは、積層される繊維の分散状態が均一となる高さに調整される。充填装置Fの高さは1.7m以上が好ましい。一方、充填装置Fの高さの上限は、設置スペース、操作性などが許す範囲なら構わない。また、充填装置F内部は、原料2の滞留が生じないように、表面に凹凸が無いよう、平滑に加工される。滞留部が生じると、滞留部に原料2の一部が蓄積され、この原料集合体が積層中に突然落下することにより、均一性を損なうためである。
充填装置Fの下方には、均一分散した繊維状または粉状の原料を充填するための基材5が配置される。基材5は、平板状や、所定の形状に充填するための型であってもよく、後工程に充填体を搬送するためのベルトコンベア等の搬送手段をそのまま基材5としてもよい。なお、本充填装置では、充填装置F内の分散された原料2を、基材5上に穏やかな条件下で充填するため、基材5を多孔体としさらにその下部に負圧とすることにより積層した繊維を吸引することは行わないことが好ましい。また、搬送空気の一部が充填装置F下部へも吹き出すため、充填装置Fの下端と基材5との距離は、原料2の充填状態を乱さないような距離に調整する。充填装置Fの下端と基材5との距離は、好ましくは、0.1m以上0.3m以下の間隔を有する。
上述の作用の結果、原料2は、基材5状に均一に分散および充填され、その後の焼結、加圧、成形等の後工程に供される。
充填装置Fの材質は特に限定されないが、原料との接触により静電気を帯びない材質が選択される。好ましくは金属原料、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、チタン等が挙げられる。特に汚染を気にする場合は原料と同じ材質で構成することが好ましい。
充填装置Fの搬送手段3の原料取り込み口31は、図1に示すように、原料供給手段1の下流であってかつ下部にあることが好ましい。また、後述する分散装置によって原料を分散して充填装置Fに直接供給する場合は、分散装置からの分散された原料の排出口より下部にあることが望ましい。このように、原料供給手段1の下流端部または分散装置からの分散された原料の排出口より重力で落下している原料を吸引することで、原料を分散状態のまま充填装置Fの分散室に搬送できて好ましい。分散した原料を一旦受容手段等で受け止めてから充填装置Fに供給すると、受容手段において原料どうしが接触するため、再度凝集が起こる可能性があるからである。また、原料の落下距離を調整することで、分散された繊維の篩別機構(大きな繊維を取り除く)を付与することもできる。さらに、空気吹き出し口33からの風量を調整することによって原料取り込み口31からの吸引力を調節し、大きな繊維はそのまま落下させて小さな繊維のみを吸引する篩別機構を付与することもできる。
強度を有するシート状多孔質体とするために、基材上に積層された繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料は、焼結または加圧などの処理が行われる。加圧条件、焼結条件は原料の材質、特性により適宜選択される。得られた積層された原料を加圧しながら焼結を行ってもよいし、仮焼後、加圧→本焼結、焼結後、加圧成形などを行ってもよい。例えば、チタン繊維の積層体を焼結する場合は、焼結温度800〜1200℃、より好ましくは900〜1100℃、真空または不活性雰囲気下、ジルコニア、イットリア、モリブデン、マグネシア、カルシア、溶融シリカ等の板材で押圧しながら行うことが好ましい。さらに所望の厚さとするために、焼結後加圧成形を行っても構わない。
上記の構成とすることにより、繊維が数層と非常に薄い場合においても、気孔の分布が均一なシート状多孔質体を得ることができる。例えば、金属繊維、特にチタン繊維の場合、積層後焼結、または必要に応じて加圧成形することにより、空隙率75〜95%、特に80〜95%、膜厚0.1〜1mmのシート状多孔質体を得ることができる。
本発明で使用される原料は、分散した繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料が用いられる。ここでいう「分散した」とは、繊維どうしが弱く絡んだ状態ではなく、一本、一本に解砕されたことを意味する。繊維は、例えば、繊維長が1〜10mmの短繊維が好ましく用いることができる。また、短繊維だけではなく、短繊維と粉末の混合物でも用いることができる。
なお、分散した繊維の解砕手段については、特に限定されない。後述する分散装置による方法、篩による分散方法であってもよい。
原料繊維の材質は、金属繊維、無機繊維、高分子繊維などを用いることができる。金属繊維としては、チタン、ステンレス、アルミニウム、銅等、無機繊維としては、カーボン、ガラス、アルミナ、ジルコニア、チタン酸アルミニウム等、高分子繊維としては例えばセルロース、パルプ、コットン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の天然繊維や合成繊維等が挙げられる。また、複数種の金属繊維、複数種の無機繊維、金属繊維と無機繊維、金属繊維と高分子繊維、無機繊維と高分子繊維、金属繊維と無機繊維と高分子繊維等、混合物であってもよい。
特に、本発明では、チタン繊維を好適に用いることができる。このチタン繊維は、短径すなわち繊維直径が10〜100μm、長径すなわち繊維長が1〜10mmのチタン繊維である。このようなチタン繊維としては、びびり振動法によって製造されたものが好ましい。びびり振動法とは、金属インゴットを旋盤切削して針状のチタン粉を製造する方法であり、切削バイトを高速で振動させることを特徴とするものである。ただし、びびり粉は、針状を呈しているため高い空隙率を有する焼結体を構成するにはやや不利な場合がある。このような場合には、チタン繊維に応力を加えて変形させ繊維の断面をU型あるいはV型に変形させたものを用いても良い。このような異形繊維形状とすることで小さい応力で空隙率の高い焼結体を成形することができる。また、純チタンの他、耐食性を向上させたチタン合金等を用いることができる。チタン合金の例としては、Ti−0.15Pd合金、NiやRuを添加したTi−0.5Ni−0.05Ru、Ti−0.8Ni−0.05Mo合金等がある。
原料に使用できる粉体は、均一に分散できる粉体であれば、特に制限はない。例えば、金属粉としては、チタン、アルミニウム、ステンレス等、無機粉としてはカーボン、ガラス、セラミックス等、高分子粉としては天然繊維や合成繊維(例えばセルロース、パルプ、コットン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられる。また、複数種の金属、複数種の無機、金属と無機、金属と高分子、無機と高分子、金属と無機と高分子等、混合物であっても構わない。なお、原料は、分散した繊維状、粉状の原料の混合物であっても構わない。
本発明の更なる実施形態として、本発明の充填装置Fに供給する原料を前段階で解砕および分散させるのに好適に使用される繊維分散装置について以下に説明する。図2に繊維分散装置Dの概念図を示す。
原料となる繊維凝集体21は、符号6で示すように供給され、搬送手段7によって繊維分散装置D上部より供給する。搬送手段7は、充填装置Fと同様に、原料取り込み口71、搬送管72および搬送管72の途中に設けられた図示しない空気吹き出し口からなる。空気吹き出し口から吹き出される空気流によって繊維凝集体21は原料取り込み口71から繊維分散装置Dの上部へ供給される。
繊維分散装置D上部には、フォーク状部材81と開口部91が設けられている。フォーク状部材81は下向きに傾斜を持たせ、形成されている。図2に示すように、フォーク状部材を複数、段違いに形成してもよい。搬送された繊維凝集体21は、フォーク状部材81に衝突し、ある程度解砕された微小繊維凝集体22や完全に解砕された単繊維23となるが、解砕されずに残るものも存在する。フォーク状部材81は、例えば、材質ステンレス(SUS304)、径2mmφ、間隔5mmで構成されるが、この構成のみに限定されない。
分散装置Dの下部には空気導入口92が設けられ、空気導入口92からの空気流および搬送手段7からの空気流によって、分散装置D内には、回転する空気流が生じている。フォーク状部材81によって解砕された微小繊維凝集体22および単繊維23や、解砕されなかった繊維凝集体21は、共に分散装置D内を回転し、解砕・分散がさらに進行する。分散装置D内の下部の空気導入口の上部には、フォーク状部材82が、下向きに傾斜を持たせ、形成されている。微小繊維凝集体22および単繊維23は、フォーク状部材82を通過し、解砕・分散が進んでいない繊維凝集体21は、フォーク状部材82を通過しないため、供給される空気により分散装置内の回転空気流に戻される。フォーク材82は、例えば、材質ステンレス(SUS304)、径2mmφ、間隔5mmで構成されるが、この構成のみに限定されない。
フォーク状部材82を通過し、分散室を通過した微小繊維凝集体22および単繊維23は、分散装置Dの開口部の下方に設けられた捕集手段83に供給される。先述したように、分散装置D頂部には、開口部91が設けられている。開口部91を設けることにより、分散室の下部からの空気の抜けを大幅に減少させることができ、解砕・分散された繊維の落下を乱すことを抑制することができる。
捕集手段83は、さらに、十分に解砕・分散された単繊維23と解砕・分散が不十分な微小繊維凝集体22を選り分けられるものである。捕集手段83は、緩く下向きに傾斜させた数段のフォーク状の部材や網状の部材により構成され、振動が与えられている。解砕・分散が十分な単繊維23は捕集手段83を通過し、前述の充填装置Fへの振動フィーダ等の原料供給手段1に到達し、充填装置Fへ供給される。一方、解砕・分散が不十分な微小繊維凝集体22は、繊維分散装置Dの原料取り込み口71へ移送されて再度分散装置Dの上部へ供給される。捕集手段83は、フォーク状部材、網などで構成され、例えば、短径が10〜100μm、長径(繊維長)が1〜10mmのチタン繊維の場合は、例えば、径2mmφ、間隔5mmで4段(段違い)に構成されたフォーク状部材や、0.5〜8mmの網が好ましい。材質は原料との摩擦により静電気を生じ、目詰まりを起こさないもの、付着しないものが好ましい。例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスやチタン等が好ましい。
充填装置への搬送手段、すなわち原料供給手段1は、解砕・分散された繊維が再度凝集体とならないような構造であることが好ましい。好ましい例としては、振動フィーダ等がある。原料と接触する部分の材質は、原料と静電気を生じない材質であり、繊維が滞留しない構造であることが好ましい。また、その表面は、繊維の滞留が生じないように、滑らかに仕上げておくことが好ましい。材質としては、例えば、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。また、分散装置Dの捕集手段83の下方に充填装置Fへの原料取り込み口31を直接配置し、捕集手段83通過して落下してきた単繊維23を直接充填装置Fへ供給しても良い。
分散装置Dに供給される繊維の形態は、単独の繊維から繊維同士が弱く絡んだ凝集体まで様々である。凝集体の大きさは、その繊維の絡まり方により大きい凝集体から小さい凝集体まで幅広く存在する。
[実施例1]
図1、2に示した充填装置および分散装置を用い、前記条件にてチタン繊維を解砕した。
1)充填装置の概要
・高さ 1.7m
・充填塔下部と基材との距離 0.1m
2)原料チタン繊維
・材質 :チタン(JIS 2種)
・形状 :針状
・大きさ:短径30μm、長径6mm(繊維径は顕微鏡による測定)
・充填量:30g
・その他:びびり振動法により作製。単独の針状のものから直径約50mmの凝集体まで、種々の大きさの凝集体の混合物からなる。
3)評価
充填装置を通過した繊維を溶融シリカ板上に300mm×300mm×約2〜5mmで積層させた。その積層した繊維集合体は、積層体より縦・横がそれぞれ約5mm大きい4mm厚の溶融シリカ板で押圧しながら、1000℃、真空雰囲気下(10−2〜10−5Torr)で焼結した。得られたチタン繊維よりなるシート状多孔質体は厚さ0.5mmとなるように加圧成形を行った。得られたシートの厚さのばらつき、空隙率、分布状態により評価を行った。
空隙分布の均一性の評価は、得られた焼結シートをCCD画像処理装置(商品名:PRO−7、株式会社シーシーデー製)にて行った。シートを三分割し、得られた画像を解析し、得られる面積比より評価した。
厚さの評価は、得られた焼結シートの面内100箇所(端部を除き、面内各辺を10等分間隔)の厚さを測定し、その平均値より、所望の厚さとなっていることを確認した。測定はシックネスゲージ(商品名547−312、株式会社ミツトヨ製)を用いて実施した。
空隙率の評価は、得られた焼結シートの重さと見かけの容積、チタンの真比重より求めることで行った。
以上の評価を行った結果、空隙率は84%、膜厚0.5mmのシートが得られた。空隙分布の均一性の評価を以下に示す。表中、面積比(%)は、2値化した白黒画像の白い部分の面積比を示す。
Figure 0004859689
以上の結果より、空隙率84%と非常に高く、膜厚0.5mmと薄いにも関わらず、空隙の分布状態は均一であるチタン繊維のシート状多孔質体を得ることができた。
[比較例1]
実施例1の充填装置の高さを1mとした以外は、同様にチタン繊維を積層した。その結果、目視において、面内の均一性が悪かった。
[比較例2]
実施例1の充填装置下端と基材との距離を0.01mと以外は、同様にチタン繊維を積層した。その結果、搬送空気の影響により、目視において、面内の均一性が悪かった。
[比較例3]
実施例1の充填装置上部と下部と間の中間部の空気吹き出し口を設けない充填装置を用い、同様にチタン繊維を積層した。その結果、搬送空気によりチタン繊維が飛散し、目視において、面内の均一性が悪かった。
[比較例4]
実施例1と同じ原料を用い、基材上に人手により分散充填を行い、実施例1と同じ条件で焼結した。その結果、空隙率84%、膜厚0.5mmのシートが得られた。実施例1と同様にして空隙分布の均一性を評価し、表2に結果を示す。
Figure 0004859689
以上の結果より、空隙率は84%と非常に高く、膜厚は0.5mmと薄いチタン繊維シート状多孔質体が得られたが、空隙の分布状態のばらつきが大きかった。また、焼結前の充填体の製造時間は、実施例1では1〜5分、比較例では1〜3時間と、本願発明により大幅に減少した。このように、本願発明を実施することで、従来困難とされてきたチタン繊維の解砕・分散を精度良く実施することができる。その結果、得られるシート状多孔質体は、厚さ方向の寸法精度がよく、かつ効率良く製造できる。
[実施例2]
図1に示した装置構成を用い、前記条件にてチタン粉を原料としたシート状多孔質体を作製した。原料のチタン粉は手により静かに充填装置の原料取り込み口に落下させ、吸引させながら供給した。
1)原料チタン粉
・材質 :チタン(JIS 2種)
・形状 :不定形状
・大きさ:目開き150μm篩網通過品(平均粒径90μm)
・充填量:60g
・その他:バインダ類の添加は行わなかった。
2)結果
充填装置を通過したチタン粉を溶融シリカ板上に300mm×300mm×約0.5mmで積層した。積層体は、900〜1000℃、真空雰囲気下(10−2〜10−5Torr)で焼結した。得られたシート状多孔質体の分布状態を目視により、空隙率を重量より評価を行った。その結果、空隙率65%で、均一に孔が分散した焼結体が得られた。
本発明によって得られるシート状多孔質体は、空隙率が高く、さらに、厚みおよび気孔の分布が全体にわたって均一であり、金属フィルターや電池用電極板の基材、生体材料、構造材、燃料電池の部材などに好適に用いることができる。
本発明のシート状多孔質体の製造方法に係る繊維充填装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明のシート状多孔質体の製造方法に係る繊維分散装置の一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
D 分散装置
F 充填装置
1 原料供給手段
2 原料
21 繊維凝集体
22 微小繊維凝集体
23 単繊維
3 搬送手段
31 原料取り込み口
32 搬送管
33 空気吹き出し口
41 第1調整手段
42 第2調整手段
43 開口部
5 基材
6 原料供給口
7 搬送手段
71 原料取り込み口
72 搬送管
81,82 フォーク状部材
83 捕集手段
91 開口部
92 空気導入口

Claims (9)

  1. 繊維状原料、粉体状原料またはこれらの混合原料を、空気流を利用した搬送手段によって充填装置の上部部材に設けられた分散室に供給し、
    上記原料を上記分散室内で均一に分散し、
    分散した上記原料を上記分散室内から上記上部部材の下方に備えられた下部部材に落下させ、
    上記上部部材と上記下部部材との間に設けられた開口部によって、上記上部部材からの空気流を逃がしつつ、
    上記下部部材の下方に配置した基材上に均一に充填することを特徴とするシート状多孔質体の製造方法。
  2. 前記原料を前記基材上に落下させて均一に充填した後、上記原料を焼結することを特徴とする請求項に記載のシート状多孔質体の製造方法。
  3. 前記原料を焼結した後、さらに、加圧成形することを特徴とする請求項に記載のシート状多孔質体の製造方法。
  4. 前記焼結は、加圧焼結であることを特徴とする請求項2または3に記載のシート状多孔質体の製造方法。
  5. 前記充填装置の中間部に設けられたスリット板によって、前記原料の落下速度および/または落下方向を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシート状多孔質体の製造方法。
  6. 前記原料は、前記分散室内に搬送された原料の凝集体に、空気を吹き付けることにより解砕および分散することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート状多孔質体の製造方法。
  7. 前記原料は、繊維状原料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシート状多孔質体の製造方法。
  8. 前記繊維状原料は、金属繊維または無機繊維であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシート状多孔質体の製造方法。
  9. 前記繊維状原料は、短径が10〜100μm、長径が1〜10mmのチタン繊維であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシート状多孔質体の製造方法。
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