JP4859114B2 - フォトクロミック材 - Google Patents

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Description

本発明は、多色性を有し、優れた光安定性、高い発色濃度を示すフォトクロミック材に関する。
特定波長の光を照射すると色相変化が生じ、光照射を停止すると元の色相に戻り、可逆的な色相変化を起こす現象をフォトクロミズムという。
このような現象を利用し、調光性素子、表示素子、光遮蔽素子、センサー素子などの機能性素材としての研究がなされており、例えば、各種標識板、表示シール、安全誘導板、看板、車輌、生活用品、建築物の内外壁、天井、床等の建材等様々な分野・部位での適用が期待されている。
この様な材料としては、種々の有機系もしくは無機系の化合物が使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6等)。
例えば、有機系フォトクロミック材料としては、スピロピラン系、スピロピランオキサジン系、ジアリルエテン系などが用いられており、これらの材料が内包されたマイクロカプセルとして利用されることもある。また、この様な有機系フォトクロミック材料は、鮮やかな演色性が期待されている。
しかしながら、有機系フォトクロミック材料は、光に対する耐久性(光安定性)が低く、繰り返し使用によるフォトクロミズム性の低下が生じ易いという問題点があった。
一方、無機系フォトクロミック材料としては、チタン酸ストロンチウムなどのペロブスカイト型酸化物や酸化チタンへ、鉄、モリブデン、ニッケル、銅、クロム、バナジウム、マンガン、コバルトなどの元素をドープしたものが知られている。これら無機系フォトクロミズム材料は、光に対する耐久性は高いが、発色濃度が弱いという問題点があった。
また、一般にフォトクロミズム材料は、ある1種の波長の光で、1種の色に変化する単色性を示すものが多く、各波長の光の照射で、各波長の光に伴う色に変化する多色性を示すためには、複数のフォトクロミック材料やフィルター等を組み合わせた複雑な構造をとらざるを得ないという問題があった。
特開昭56−49312号公報 特開昭56−10079号公報 特許第3213996号公報 特開平4−364117号公報 特開平5−17152号公報 特開平5−51209号公報
本発明は、上述のような問題点を解決するために、鋭意検討を行った結果、銀(A−1)が、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する化合物(A−2)で錯体形成された化合物(A)を、光触媒活性を有する粉粒体(B)に担持させてなることを特徴とするフォトクロミック材が、多色性を有し、光安定性に優れ、高い発色濃度を示すことを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.銀(A−1)が、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する化合物(A−2)で錯体形成された化合物(A)を、光触媒活性を有する粉粒体(B)に担持させてなることを特徴とするフォトクロミック材。
2.(A−2)が、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有するシリコン化合物であることを特徴とする1.に記載のフォトクロミック材。
本発明のフォトクロミック材は、多色性を有し、光安定性に優れ、高い発色濃度を示す。さらに、発色時の応答速度が速いフォトクロミック材を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明のフォトクロミック材は、銀(以下、「(A−1)成分」ともいう。)が、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する化合物(以下、「(A−2)成分」ともいう。)で錯体形成された化合物(以下、「(A)成分」ともいう。)を、光触媒活性を有する粉粒体(以下、「(B)成分」ともいう。)に担持させてなることを特徴とする。
このようなフォトクロミック材は、多色性を有し、光安定性に優れ、高い発色濃度を示す。さらに、発色時の応答速度が速いフォトクロミック材を得ることができる。
本発明のフォトクロミック材における(A)成分は、銀((A−1)成分)が、(A−2)成分で錯体形成されてなる化合物である。
本発明では、銀((A−1)成分)を(A−2)成分で錯体を形成させることにより、(A−1)成分を、イオン状態で安定化させることができ、発色性を向上させることができる。かつ、イオン状態から金属状態、また、金属状態からイオン状態へとすばやく変化させることができる。
さらに、本発明では、銀((A−1)成分)を用いることにより、光安定性を高めることができるとともに、フォトクロミズムの多色性が簡便に発現される。
通常フォトクロミック材料は、ある1種の波長の光で、1種の色に変化する単色性を示すものが多い。本発明では、各波長の光を照射することによって、各波長の光に伴う色に変化する多色性を有するフォトクロミック材が得られる。
一般に多色性を有するフォトクロミック材料は、複数のフォトクロミック材料やフィルター等を組み合わせて複雑な構造をとっているが、本発明のフォトクロミック材は、単独で多色性を示すことができるため、シンプルな構造で、簡便に多色性を有する材料を得ることができる。
本発明における(A−2)成分は、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する化合物であり、このような化合物は、銀((A−1)成分)と錯体形成しやすく、かつ、銀((A−1)成分)を安定化させやすい。また、(A−2)成分は、(B)成分に担持されやすい化合物である。
このような(A−2)成分としては、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する化合物であれば特に限定されない。
硫黄原子を含む官能基を有する化合物としては、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シリコン化合物、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類等が挙げられる。
窒素原子を含む官能基を有する化合物としては、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シリコン化合物、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類、
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、アンモニア等が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、グリシン、セリン、グルタミン酸、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、プロリン等のアミノ酸類等が挙げられる。
本発明では、(A−2)成分として、メルカプト基含有シリコン化合物、アミノ基含有シリコン化合物等のシリコン化合物が好ましく、このようなシリコン化合物は、錯体の形成しやすさや、(B)への担持のしやすさの点で有利である。
このような(A−1)成分、(A−2)成分から(A)成分を得る方法としては、特に限定されないが、水溶液中にて攪拌混合する方法、または(A−2)成分が液状の場合、直接撹拌混合する方法等で得ることができる。
具体的には、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、硼フッ化銀、酸化銀、ハロゲン化銀等の銀含有化合物と、水、アルコール等の極性溶媒とを混合し銀をイオン化し、(A−2)成分と攪拌混合する方法、また、(A−2)成分が液状の場合、(A−2)成分に上記銀含有化合物を直接撹拌混合する方法等で(A)成分を得ることができる。
本発明のフォトクロミック材における(B)成分は、光触媒活性を有する粉粒体である。このような光触媒活性を有する粉粒体を用いることにより、高い発色濃度、多色クロミズム性を示すことができる。また、光触媒機能により環境汚染物質、室内汚染物質等の除去等の効果もある。
このような(B)成分としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化錫、酸化ビスマス、酸化銅、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化ハフニウム、酸化ルテニウム、酸化セリウム、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化カドミウム、窒化タンタル、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ガリウム砒素、ガリウムリン、インジウムリン、ニオブ酸カリウム、バナジン酸ビスマス、シリコンカーバイド等、または、これらの複合物等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。また、助触媒として、白金、金、パラジウム等の貴金属を用いてもよい。また、本発明の(B)成分としては、紫外光領域さらには可視光領域でも光触媒能を有するものが好ましく、発色時の応答速度を向上させることができる。
可視光領域で光触媒能を有するものとしては、窒素元素ドープ酸化チタン、炭素ドープ酸化チタン、白金錯体担持酸化チタン、銅、バナジウム、鉄等の金属イオンをドープした酸化チタン、バナジン酸ビスマス、酸化タングステンと酸化チタンの複合酸化物等も用いることができる。
(B)成分の平均粒子径は、特に限定されることはないが、0.001〜10μm程度であることが好ましい。また、(B)成分は、多孔質であってもよく、多孔質である場合は、(A)成分を担持しやすいため好ましい。
さらに(B)成分は、平均粒子径の異なる2種以上の(B)成分を併用することが好ましい。平均粒子径の異なる2種以上の(B)成分を併用することによって、(B)成分間の間隙が、サイズ、形状ともに多様になるため、(B)成分間に担持される(A)成分のサイズ、形状が多様化し、多色クロミズム性を向上させるとともに、より鮮明な発色性を示すことができる。
本発明のフォトクロミック材は、(B)成分に、(A)成分を担持して得ることができる。
担持方法としては、特に限定されないが、例えば、予め(A)成分を作製しておき、(A)成分と(B)成分を混合し担持する方法、(A−1)成分、(A−2)成分、(B)成分を混合し担持する方法等が挙げられ、本発明では、特に、(A)成分と(B)成分を混合し担持する方法が好ましい。
(B)成分と(A)成分の混合比率としては、(B)成分100重量部に対し、(A)成分0.001重量部〜10重量部、さらには0.01重量部〜5重量部であることが好ましい。
(A)成分を(B)成分に担持させる際には、その他に、酸化剤、還元剤、架橋剤、分散剤、紫外線吸収剤、顔料、結合剤等の成分を混合させることもできる。
このようにして得られるフォトクロミック材は、粉粒体として使用することもできるし、粉粒体を結合材等で固定化して使用することもできる。
フォトクロミック材を固定化する方法としては、例えば、フォトクロミック材粉粒体と結合材等を混合し硬化させる方法、フォトクロミック材粉粒体と結合材等を混合したフォトクロミック液を塗膜化、シート化する方法、フォトクロミック材粉粒体を各基材の表面に、接着材、粘着材等を用いて積層する方法、フォトクロミック材粉粒体を各種繊維に担持させる方法等が挙げられる。
例えば、フォトクロミック材粉粒体と結合材等を混合しフォトクロミック液を得る場合、結合材は、特に限定されず、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、セルロース樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩ビ樹脂、ビニル樹脂等の合成樹脂等が挙げられ、このような合成樹脂の無溶剤型、溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型等を結合材として使用することができる。本発明では、特に、酸素透過性を有する樹脂を用いることが好ましい。
また、結合材としては、上述した合成樹脂のほかに、本発明(A−2)成分自体を結合材として用いることもできる。このような場合、(A)成分の(B)成分への担持する工程と、塗料化する工程を一段階で得ることができる。
基材としては、例えば、ガラス板、セラミック基板、高分子フィルム、プラスチック基板、紙、金属板、木材等が挙げられる。
このような基材の上に、前述したフォトクロミック液を塗付することもできるし、フォトクロミックシートを接着材、粘着材等を用いて積層してもよいし、フォトクロミック材粉粒体を接着材、粘着材等を用いて積層してもよい。
本発明のフォトクロミック材の利用分野は、特に限定されないが、例えば、各種標識板、安全誘導板、設備機器等の表示板、車輌、生活用品、建築物の内外壁、天井、床等の建材、土木材料、また、各種木質材料、ガラス材料、金属材料、プラスチック材料のような箇所に適用することができる。また、本発明のフォトクロミック材は、銀を使用しているため抗菌性を必要とする部位にも適用できる。
(実施例1)
硝酸銀水溶液(0.1mol%水溶液)100重量部に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを8重量部添加し、温度23℃相対湿度50%(以下「標準状態」ともいう。)で、5分間攪拌し、銀錯体溶液Aを製造した。
次に、光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
(フォトクロミック性試験)
得られたフォトクロミック材を、ガラス板(25mm×75mm)に、ディップコーティング法にて、乾燥膜厚1μmとなるように塗付し、温度80℃、3時間乾燥させ、試験体を得た。
該試験体表面に、まず、15cmの距離から6Wの紫外線を30分照射し、次に、15cmの距離から15Wの白色蛍光灯を30分照射した。
フォトクロミック性試験では、6Wの紫外線を30分照射後、15Wの白色蛍光灯を30分照射後の試験体表面の色相を、目視にて評価した。
その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は青色の色相を示し、多色性を示した。
(実施例2)
硝酸銀水溶液(0.1mol%水溶液)100重量部に、3−アミノプロピルトリメトキシシランを8重量部添加し、標準状態で、5分間攪拌し、銀錯体溶液Bを製造した。
次に、光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、銀錯体溶液B30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は青色の色相を示し、多色性を示した。
(実施例3)
光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)20重量部、光触媒B(酸化亜鉛、平均粒子径:20nm)10重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は青色の色相を示し、多色性を示した。
(実施例4)
光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)20重量部、光触媒C(三酸化タングステン、平均粒子径:500nm)10重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は青色の色相を示し、多色性を示した。
(実施例5)
光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)20重量部、光触媒D(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:20nm)10重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は鮮明な赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して30分照射すると試験体表面は鮮明な青色の色相を示し、多色性を示した。
(実施例6)
光触媒E(白金錯体担持可視光応答型酸化チタン、平均粒子径:18nm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を10分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して10分照射すると試験体表面は赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して10分照射すると試験体表面は青色の色相を示し、多色性を示した。
(実施例7)
光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)20重量部、光触媒E(白金錯体担持可視光応答型酸化チタン、平均粒子径:18nm)10重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を15分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して15分照射すると試験体表面は鮮明な赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して15分照射すると試験体表面は鮮明な青色の色相を示し、多色性を示した。
(実施例8)
光触媒E(白金錯体担持可視光応答型酸化チタン、平均粒子径:18nm)20重量部、光触媒F(白金錯体担持可視光応答型酸化チタン、平均粒子径:10nm)20重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を15分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
また、このような操作を30回繰り返しても、褐色と白色が退色することはなかった。
さらに、試験体表面に、15Wの白色蛍光灯を、赤色のフィルターを介して10分照射すると試験体表面は鮮明な赤色の色相を示し、青色のフィルターを介して10分照射すると試験体表面は鮮明な青色の色相を示し、多色性を示した。
(比較例1)
光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、硝酸銀水溶液(0.1mol%水溶液)30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。しかし15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示さなかった。白色の色相を示すには、15Wの白色蛍光灯を120分以上照射する必要があった。
(比較例2)
硝酸銀水溶液(0.1mol%水溶液)100重量部に、メチルトリメトキシシランを8重量部添加し、標準状態で、5分間攪拌し、銀錯体溶液Cを製造した。
次に、光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、銀錯体溶液C30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、褐色の色相を示した。しかし15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示さなかった。白色の色相を示すには、15Wの白色蛍光灯を100分以上照射する必要があった。
(比較例3)
重質炭酸カルシウム(平均粒子径:1μm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された粉粒体(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面の色相の変化は認められなかった。また15Wの白色蛍光灯を30分照射した後も、試験体表面の色相の変化は認められなかった。
(比較例4)
硫酸バリウム(平均粒子径:300nm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、実施例1で製造した銀錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、銀錯体が担持された粉粒体(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面の色相の変化は認められなかった。また15Wの白色蛍光灯を30分照射した後も、試験体表面の色相の変化は認められなかった。
(比較例5)
硝酸亜鉛水溶液(0.1mol%水溶液)100重量部に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを8重量部添加し、温度23℃相対湿度50%(以下「標準状態」ともいう。)で、5分間攪拌し、亜鉛錯体溶液Aを製造した。
次に、光触媒A(アナターゼ型酸化チタン、平均粒子径:7nm)30重量部、イソプロパノール70重量部を混合した溶液に、亜鉛錯体溶液A30重量部を添加し、標準状態で、30分間攪拌し、亜鉛錯体が担持された光触媒(フォトクロミック材)を製造した。
得られたフォトクロミック材につき、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、黄色の色相を示した。しかし、15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面の色相の変化は認められなかった。
(比較例6)
有機系フォトクロミック材(スピロオキサジン)30重量部、イソプロパノール70重量部混合した溶液を、ガラス板(25mm×75mm)に、ディップコーティング法にて、乾燥膜厚1μmとなるように塗付し、温度80℃、3時間乾燥させ、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、赤色の色相を示した。また15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、無色を示した。
しかしながらこのような操作を30回繰り返すと、赤色発色が退色してしまった。
(比較例7)
無機系フォトクロミック材料(酸化鉄担持アナターゼ型酸化チタン)30重量部、イソプロパノール70重量部混合した溶液を、ガラス板(25mm×75mm)に、ディップコーティング法にて、乾燥膜厚1μmとなるように塗付し、温度80℃、3時間乾燥させ、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の方法でフォトクロミック性試験を行った。その結果、6Wの紫外線を30分照射後、試験体表面は、灰色の色相を示したが、極めて弱い発色であった。また15Wの白色蛍光灯を30分照射後、試験体表面は、白色の色相を示した。
しかしながら、試験体は、白色−灰色間の色相変化のみしか示さず、発色も極めて弱いものであった。

Claims (2)

  1. 銀(A−1)が、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する化合物(A−2)で錯体形成された化合物(A)を、光触媒活性を有する粉粒体(B)に担持させてなることを特徴とするフォトクロミック材。
  2. (A−2)が、硫黄原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有するシリコン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフォトクロミック材。

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