以下、本発明の一実施形態を図1〜図12(B)に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ100の概略構成が示されている。
図1に示されるレーザプリンタ100は、光走査装置900、走査対象物としての感光体ドラム901、帯電ブラシ902、現像ローラ903、トナーカートリッジ904、クリーニングブレード905、給紙トレイ906、給紙コロ907、レジストローラ対908、転写ローラ911、定着ローラ909、排紙ローラ912、排紙トレイ910、及び画素形成位置検出器915などを備えている。
上記帯電ブラシ902、現像ローラ903、転写ローラ911及びクリーニングブレード905は、それぞれ感光体ドラム901の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム901の回転方向に関して、帯電ブラシ902→現像ローラ903→転写ローラ911→クリーニングブレード905の順に配置されている。
前記感光体ドラム901の表面には、感光層が形成されている。ここでは、感光体ドラム901は、図1における面内で時計回り(矢印方向)に回転するようになっている。前記帯電ブラシ902は、感光体ドラム901の表面を帯電させる。
前記光走査装置900は、帯電ブラシ902で帯電された感光体ドラム901の表面に、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光を照射する。これにより、感光体ドラム901の表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が感光体ドラム901の表面に形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム901の回転に伴って前記現像ローラ903の方向に移動する。なお、感光体ドラム901の長手方向(回転軸に沿った方向)は「主走査方向」と呼ばれ、感光体ドラム901の回転方向は「副走査方向」と呼ばれている。また、以下では、便宜上、感光体ドラム901の表面に形成される潜像における画素の主走査方向に関する長さを「画素の幅」ともいう。また、この光走査装置900の構成については後述する。
前記トナーカートリッジ904にはトナーが格納されており、該トナーは前記現像ローラ903に供給される。このトナーカートリッジ904内のトナー量は、電源投入時や印刷終了時などにチェックされ、残量が少ないときには不図示の表示部に交換を促すメッセージが表示される。
前記現像ローラ903は、回転に伴ってその表面にトナーカートリッジ904から供給されたトナーが帯電されて薄く均一に付着される。また、この現像ローラ903には、感光体ドラム901における帯電している部分(光が照射されなかった部分)と帯電していない部分(光が照射された部分)とで互いに逆方向の電界が生じるような電圧が印加されている。そして、この電圧によって、現像ローラ903の表面に付着しているトナーは、感光体ドラム901の表面の光が照射された部分にだけ付着する。すなわち、現像ローラ903は、感光体ドラム901の表面に形成された潜像にトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着された潜像は、感光体ドラム901の回転に伴って前記転写ローラ911の方向に移動する。
前記給紙トレイ906には転写対象物としての記録紙913が格納されている。この給紙トレイ906の近傍には前記給紙コロ907が配置されており、該給紙コロ907は、記録紙913を給紙トレイ906から1枚づつ取り出し、前記レジストローラ対908に搬送する。該レジストローラ対908は、前記転写ローラ911の近傍に配置され、給紙コロ907によって取り出された記録紙913を一旦保持するとともに、該記録紙913を感光体ドラム901の回転に合わせて感光体ドラム901と転写ローラ911との間隙部に向けて送り出す。
前記転写ローラ911には、感光体ドラム901の表面上のトナーを電気的に記録紙913に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム901の表面の潜像が記録紙913に転写される。ここで転写された記録紙913は、前記定着ローラ909に送られる。
この定着ローラ909では、熱と圧力とが記録紙913に加えられ、これによってトナーが記録紙913上に定着される。ここで定着された記録紙913は、前記排紙ローラ912を介して前記排紙トレイ910に送られ、排紙トレイ910上に順次スタックされる。
前記クリーニングブレード905は、感光体ドラム901の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。なお、除去された残留トナーは、再度利用されるようになっている。残留トナーが除去された感光体ドラム901の表面は、再度帯電ブラシ902の位置に戻る。
前記画素形成位置検出器915は、感光体ドラム901の近傍に配置され、感光体ドラム901に形成された画素の位置を検出し、副走査方向における位置ずれ情報を含む信号を出力する。
次に、前記光走査装置900の構成について図2及び図3を用いて説明する。
この光走査装置900は、光源ユニット801、コリメートレンズCL、シリンダレンズ805、ポリゴンミラー808、該ポリゴンミラー808を回転させる不図示のポリゴンモータ、fθレンズ806、折り返しミラー807、トロイダルレンズ812、2つの受光素子(813、814)、2つのプリント基板(802、809)、及び処理回路815などを備えている。なお、以下では、光源ユニット801から感光体ドラム901に至る光の光路上に配置された、コリメートレンズCL、シリンダレンズ805、ポリゴンミラー808、fθレンズ806、折り返しミラー807、及びトロイダルレンズ812などからなる光学系を「走査光学系」ともいう。
前記光源ユニット801は、画像情報に応じて変調されたレーザ光をポリゴンミラー808に向けて出射する半導体レーザLDを含んでいる。この半導体レーザLDは、一例として図4に示されるように、それぞれ互いにほぼ同じ発光特性を有する48個の発光部を有する、いわゆる面発光レーザである。
48個の発光部は、副走査方向に対応する方向(以下、便宜上、「dir_sub方向」ともいう)と、該dir_sub方向とは異なる方向であり、かつ主走査方向に対応する方向(以下、便宜上、「dir_main方向」ともいう)に対して角度θ(0度<θ<90度)だけ傾斜した方向(以下、便宜上、「α方向」ともいう)と、にそれぞれ沿って二次元的に配列されている。ここでは、一例として、α方向に並ぶ発光部列の数を8列(図4における紙面上から下に向かって順に「A列〜H列」とする)、dir_sub方向に並ぶ発光部列の数を6列(図4における紙面左から右に向かって順に「第1列〜第6列」とする)、としている。そこで、以下では、例えば、B列で第3列目の発光部をB3発光部、F列で第6列目の発光部をF6発光部と呼ぶこととする。また、dir_sub方向については、図4における紙面上側から下側に向かう方向を+方向といい、α方向については、図4における紙面左側から右側に向かう方向を+方向というものとする。また、48個の発光部は、dir_main方向及びdir_sub方向のいずれの方向においても、それぞれ等間隔に配置されている。ここでは、dir_main方向の間隔はΔXa1であり、dir_sub方向の間隔はΔYa1である。従って、α方向においても、各発光部は等間隔に並んでいる。
本実施形態では、B1発光部とB5発光部とC3発光部とD1発光部とD5発光部とE3発光部とF1発光部とF5発光部とG3発光部とが、主画素を形成する際に用いられる主光源である。また、A1発光部とA2発光部とA3発光部とH1発光部〜H6発光部とが、副走査方向に関する主画素の1画素以上の大きさの位置ずれを補正する際に用いられる予備光源である。そして、残りの発光部が、副走査方向に関する主画素の1画素未満の大きさの位置ずれを補正する際に用いられる副光源である。すなわち、光源ユニット801は、9個の主光源と、30個の副光源と、9個の予備光源と、を含む複数の光源を有している。
なお、位置ずれは、感光体ドラム901の表面に形成される潜像の位置ずれを意味し、fθレンズ806の特性に起因する走査ムラ、ポリゴンミラー808における偏向反射面のいわゆる面倒れや、偏向反射面の回転軸からの距離のばらつき、ポリゴンミラー808の回転ムラ、半導体レーザLDから出射されるレーザ光の波長変動などによって生じるものである。そして、以下では、便宜上、主走査方向の位置ずれを「主走査方向ずれ」ともいい、副走査方向の位置ずれを「副走査方向ずれ」ともいう。
また、各主光源は、dir_sub方向及びα方向のいずれの方向に関しても、副光源あるいは予備光源のいずれかが隣接している。そして、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源の間に、3個の副光源が配置されている。従って、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源の、dir_sub方向に関する距離(ΔYa1とする)は、ΔYa2×4である。すなわち、dir_sub方向の1画素の大きさはΔYa1(=ΔYa2×4)である。
そこで、例えば、図5に示されるように、B5発光部で形成された主画素の副走査方向の位置ずれ量(devB5とする)がΔYa2以下であれば、そのずれを補正するための副光源としてB4発光部又はB6発光部が用いられる。また、ΔYa2<devB5≦ΔYa2×2であれば、そのずれを補正するための副光源としてB3発光部又はC1発光部が用いられる。また、ΔYa2×2<devB5≦ΔYa2×3であれば、そのずれを補正するための副光源としてB2発光部又はC2発光部が用いられる。
同様に、例えば、図6(A)に示されるように、B1発光部で形成された主画素が副走査方向の+側に位置ずれを生じ、その副走査方向の位置ずれ量(devB1とする)が、ΔYa2以下であれば、そのずれを補正するための副光源としてA6発光部が用いられる。また、ΔYa2<devB1≦ΔYa2×2であれば、そのずれを補正するための副光源としてA5が用いられる。また、ΔYa2×2<devB1≦ΔYa2×3であれば、そのずれを補正するための副光源としてA4発光部が用いられる。また、ΔYa2×3<devB1≦ΔYa2×4であれば、そのずれを補正するための予備光源としてA3発光部が用いられる。また、ΔYa2×4<devB1≦ΔYa2×5であれば、そのずれを補正するための予備光源としてA2発光部が用いられる。また、ΔYa2×5<devB1≦ΔYa2×6であれば、そのずれを補正するための予備光源としてA1発光部が用いられる。
また、例えば、図6(B)に示されるように、G3発光部で形成された主画素が副走査方向の−側に位置ずれを生じ、その副走査方向の位置ずれ量(devG3とする)が、ΔYa2以下であれば、そのずれを補正するための副光源としてG4発光部が用いられる。また、ΔYa2<devG3≦ΔYa2×2であれば、そのずれを補正するための副光源としてG5が用いられる。また、ΔYa2×2<devG3≦ΔYa2×3であれば、そのずれを補正するための副光源としてG6発光部が用いられる。また、ΔYa2×3<devG3≦ΔYa2×4であれば、そのずれを補正するための予備光源としてH1発光部が用いられる。また、ΔYa2×4<devG3≦ΔYa2×5であれば、そのずれを補正するための予備光源としてH2発光部が用いられる。また、ΔYa2×5<devG3≦ΔYa2×6であれば、そのずれを補正するための予備光源としてH3発光部が用いられる。また、ΔYa2×6<devG3≦ΔYa2×7であれば、そのずれを補正するための予備光源としてH4発光部が用いられる。また、ΔYa2×7<devG3≦ΔYa2×8であれば、そのずれを補正するための予備光源としてH5発光部が用いられる。また、ΔYa2×8<devG3≦ΔYa2×9であれば、そのずれを補正するための予備光源としてH6発光部が用いられる。
図2に戻り、この光源ユニット801は、その背面に前記プリント基板802が装着された状態で光学ハウジング804の壁面にスプリングにより当接されている。なお、壁面に対する前記当接の姿勢は調節ネジ803によって調節可能となっている。これにより、光源ユニット801からの光の出射方向を調節することができる。この調節ネジ803は光学ハウジング804の壁面に形成された突起部に螺合されている。光学ハウジング804の内部には、図3に示されるように、前記コリメートレンズCL、シリンダレンズ805、ポリゴンミラー808、ポリゴンモータ(不図示)、fθレンズ806、折り返しミラー807、トロイダルレンズ812、及び2つの受光素子(813、814)が、それぞれ所定の位置に位置決めされ支持されている。また、プリント基板809は、光学ハウジング804の壁面に前記光源ユニット801と同様に、外側より装着されている。光学ハウジング804は、カバー811により上部が封止され、その壁面から突出した複数の取付部810にてレーザプリンタ100のフレーム部材にネジで固定される。
前記コリメートレンズCLは、光源ユニット801からの光を略平行光とする。前記シリンダレンズ805は、コリメートレンズCLからの光を整形する。
走査光学系の動作について簡単に説明する。光源ユニット801からの光は、コリメートレンズCLおよびシリンダレンズ805を介して、ポリゴンミラー808の偏向面近傍に一旦結像される。ポリゴンミラー808は、ポリゴンモータ(不図示)によって一定の速度で図3中の矢印B方向に回転しており、その回転に伴って偏向面近傍に結像された光は等角速度的に偏向される。このポリゴンミラー808で偏向された光は、fθレンズ806を介して、折り返しミラー807に入射し、折り返しミラー807で反射され、トロイダルレンズ812を介して感光体ドラム901の表面を走査する。なお、以下では、主走査方向の走査において、走査開始位置から走査終了位置までの1回の走査を「1ライン走査」ともいう。
また、主走査方向に関して前記折り返しミラー807の両端には、1ライン走査の開始及び終了をそれぞれ検出するための前記2つの受光素子(813、814)が設けられている。ここでは、ポリゴンミラー808により偏向された光が、感光体ドラム901の表面を1ライン走査する前に受光素子813に入射され、1ライン走査した後に受光素子814に入射されるように配置されている。各受光素子は、それぞれ受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
前記プリント基板809には、図7に示されるように、2つのI/Vアンプ(60、61)、2つの2値化回路(62、63)及び2つのインバータ(64、65)などが実装されている。
I/Vアンプ60は、受光素子813からの光電変換信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。I/Vアンプ61は、受光素子814からの光電変換信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。
2値化回路62は、I/Vアンプ60の出力信号を2値化する。2値化回路63は、I/Vアンプ61の出力信号を2値化する。
インバータ64は、2値化回路62の出力信号を反転させ、第1水平同期信号Hsync1として出力する。インバータ65は、2値化回路63の出力信号を反転させ、第2水平同期信号Hsync2として出力する。そこで、受光素子813に光が入射されると第1水平同期信号Hsync1は「H(ハイレベル)」から「L(ローレベル)」に変化する。また、受光素子814に光が入射されると第2水平同期信号Hsync2は「H」から「L」に変化する。
前記プリント基板802には、図7に示されるように、レーザ駆動回路50などが実装されている。このレーザ駆動回路50は、処理回路815からの後述するパルス列信号(制御信号)に基づいて、半導体レーザLDの駆動信号を生成し、該駆動信号を前記光源ユニット801に出力する。光源ユニット801では、前記駆動信号を半導体レーザLDに供給する。
前記処理回路815は、図7に示されるように、位置ずれ情報取得回路10、画素クロック生成回路20、パルス列生成回路30、画像データ生成回路40、及びメモリ15などを有している。
位置ずれ情報取得回路10は、前記第1水平同期信号Hsync1と前記第2水平同期信号Hsync2とに基づいて主走査方向ずれ情報を取得し、前記画素形成位置検出器915の出力信号に基づいて副走査方向ずれ情報を取得する。
ここでは、一例として、位置ずれ情報取得回路10は、第1水平同期信号Hsync1と第2水平同期信号Hsync2とから算出される1ライン走査に要した時間(以下、便宜上「走査時間」ともいう)と、予め設定されている基準時間(以下「走査基準時間」ともいう)との差(以下「走査時間差」ともいう)に基づいて、主走査方向ずれ情報を取得し、メモリ15に格納されている主走査方向ずれ補正情報テーブルを参照して、位相データSphaseを生成する。ここで生成された位相データSphaseは、画素クロック生成回路20に出力される。
本実施形態では、予め実験などにより、複数の走査時間差について、走査時間差毎に各画素の主走査方向ずれを計測し、その計測結果に基づいて、走査時間差に対応して位相を変更させる画素及びその変更量についてマップを作成し、走査時間差毎のマップを前記主走査方向ずれ補正情報テーブルとしてメモリ15に格納している。
また、位置ずれ情報取得回路10は、予め行われた試し走査の走査結果に対する前記画素形成位置検出器915の出力信号から、副走査方向ずれを取得し、副走査方向ずれ情報テーブルとしてメモリ15に格納する。そして、実際の走査の際に副走査方向ずれ情報テーブルを参照して、副走査方向ずれを補正するための補正信号Sdevをパルス列生成回路30に出力する。具体的には、光源ユニット801からの光をdir_sub方向に関して、副走査方向ずれの大きさと同じだけ副走査方向ずれの方向と反対の方向にシフトさせるための補正信号Sdevを生成する。
ここで、補正信号Sdevについて図8(A)〜図10(F)を用いて説明する。ここでは、一例として、B5発光部で形成された主画素の副走査方向の位置ずれ量devB5がΔYa2以下であり、そのずれを補正するための副光源としてB4発光部又はB6発光部が用いられる場合について説明する。そして、一例として図8(A)及び図8(B)に示されるように、11種類(M1〜M11)の駆動モードを用いるものとする。
駆動モードM1は、副走査方向ずれが0の画素に適用され、B5発光部のみが通常のパルス幅(「Ts」とする)で駆動される。このときの光の重心は図9(A)に符号Gaで示されるように、B5発光部の発光点とほぼ一致する。すなわち、シフト量は0である。
駆動モードM2は、副走査方向ずれが−d1/5の画素に適用され、B5発光部が4/5Tsのパルス幅で駆動され、B6発光部が1/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図9(B)に符号Gbで示されるように、Gaよりもd1/5だけdir_sub方向に+となる。すなわち、シフト量は+d1/5である。なお、d1=ΔYa2である。
駆動モードM3は、副走査方向ずれが−2×d1/5の画素に適用され、B5発光部が3/5Tsのパルス幅で駆動され、B6発光部が2/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図9(C)に符号Gcで示されるように、Gaよりも2×d1/5だけdir_sub方向に+となる。すなわち、シフト量は+2×d1/5である。
駆動モードM4は、副走査方向ずれが−3×d1/5の画素に適用され、B5発光部が2/5Tsのパルス幅で駆動され、B6発光部が3/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図9(D)に符号Gdで示されるように、Gaよりも3×d1/5だけdir_sub方向に+となる。すなわち、シフト量は+3×d1/5である。
駆動モードM5は、副走査方向ずれが−4×d1/5の画素に適用され、B5発光部が1/5Tsのパルス幅で駆動され、B6発光部が4/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図9(E)に符号Geで示されるように、Gaよりも4×d1/5だけdir_sub方向に+となる。すなわち、シフト量は+4×d1/5である。
駆動モードM6は、副走査方向ずれが−d1の画素に適用され、B6発光部のみがTsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図9(F)に符号Gfで示されるように、B6発光部の発光点とほぼ一致し、Gaよりもd1だけdir_sub方向に+となる。すなわち、シフト量は+d1である。
駆動モードM7は、副走査方向ずれが+d1/5の画素に適用され、B5発光部が4/5Tsのパルス幅で駆動され、B4発光部が1/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図10(B)に符号Ggで示されるように、Gaよりもd1/5だけdir_sub方向に−となる。すなわち、シフト量は−d1/5である。
駆動モードM8は、副走査方向ずれが+2×d1/5の画素に適用され、B5発光部が3/5Tsのパルス幅で駆動され、B4発光部が2/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図10(C)に符号Ghで示されるように、Gaよりも2×d1/5だけdir_sub方向に−となる。すなわち、シフト量は−2×d1/5である。
駆動モードM9は、副走査方向ずれが+3×d1/5の画素に適用され、B5発光部が2/5Tsのパルス幅で駆動され、B4発光部が3/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図10(D)に符号Giで示されるように、Gaよりも3×d1/5だけdir_sub方向に−となる。すなわち、シフト量は−3×d1/5である。
駆動モードM10は、副走査方向ずれが+4×d1/5の画素に適用され、B5発光部が1/5Tsのパルス幅で駆動され、B4発光部が4/5Tsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図10(E)に符号Gjで示されるように、Gaよりも4×d1/5だけdir_sub方向に−となる。すなわち、シフト量は−4×d1/5である。
駆動モードM11は、副走査方向ずれが+d1の画素に適用され、B4発光部のみがTsのパルス幅で駆動される。このときの光の重心は図10(F)に符号Gkで示されるように、B4発光部の発光点とほぼ一致し、Gaよりもd1だけdir_sub方向に−となる。すなわち、シフト量は−d1である。
なお、補正信号については、パルス列生成回路30で認識可能であれば、駆動モードそのものであっても良いし、各光源のパルス幅情報であっても良い。これにより、光源ユニット801からの光の光量を一定に保ちつつ、光源ユニット801からの光の重心をdir_sub方向にシフトさせることができる。
例えば、図11(A)に示されるような上位装置からの直線の画像情報が、試し走査において図11(B)に示されるように非直線となった場合には、図11(C)に示されるような駆動モードが選択され、図11(D)に示されるように潜像において各画素を副走査方向における最適位置に形成することが可能となる。
図7に戻り、前記画素クロック生成回路20は、前記位相データSphaseに基づいて、部分的に位相が異なる画素クロック信号PCLKを生成する。この画素クロック信号PCLKは、位置ずれ情報取得回路10及びパルス列生成回路30に供給される。
画像データ生成回路40は、上位装置からの画像情報に基づいて、画像データを生成する。ここで生成された画像データは、パルス列生成回路30に出力される。
前記パルス列生成回路30は、画像データ、補正信号Sdev、及び画素クロック信号PCLKに基づいて、パルス列信号を生成する。なお、副走査方向ずれのずれ量が、予め設定されている許容範囲内であれば、一例として図12(A)に示されるように、主画素のみで最適位置に画素が形成されるため、副画素を形成する必要はなく、一例として図12(B)に示されるように、B5発光部のパルス列信号は生成されるが、B4発光部のパルス列信号及びB6発光部のパルス列信号は、いずれも生成されない。すなわち、通常は、主光源のみが用いられる。一方、副走査方向ずれのずれ量が許容範囲を超え、副走査方向ずれの補正が必要となったときにのみ、副光源及び予備光源が用いられる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置900では、処理回路815によって光源ユニット801の制御手段が構成されている。
また、本実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ100では、帯電ブラシ902と現像ローラ903とトナーカートリッジ904と転写ローラ911とによって転写装置が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置900によると、主光源と副光源と予備光源とを含む複数の光源を有する光源ユニット801からの画像情報を含む光を感光体ドラム901に対して走査する際に、処理回路815により、走査において形成される画素の位置情報に基づいて複数の光源の駆動信号が生成される。この場合に、副走査方向に関する主光源からの光の位置に許容範囲を超える位置ずれがあり、その位置ずれが1画素未満の大きさであれば、その位置ずれを補正するために少なくとも1つの副光源の駆動信号が生成され、その位置ずれが1画素以上の大きさであれば、その位置ずれを補正するために少なくとも1つの予備光源の駆動信号が生成される。これにより、複数の光源からの光を感光体ドラム901に対して走査する際に、副走査方向ずれを補正することが可能となる。従って、光源ユニットからの複数の光を走査対象物に対して、精度良く走査させることが可能となる。
また、本実施形態によると、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源間の距離を従来よりも長くすることができ、これにより、いわゆるクロストークを低減することができる。
また、本実施形態に係るレーザプリンタ100によると、複数の光の精度良い走査ができる光走査装置900を備えているため、高速で、高品質の画像を形成することが可能となる。
なお、上記実施形態では、駆動モードが11種類の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、副走査方向ずれが正のときと負のときとで、駆動モードの数が同じ場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、副走査方向ずれが正のときと負のときとで、駆動モードの数が異なっていても良い。
また、上記実施形態では、前記半導体レーザLDが面発光レーザの場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、複数の発光部が、dir_sub方向とα方向とにそれぞれ沿って二次元的に配列されていれば良い。
例えば、上記実施形態における前記半導体レーザLDに代えて、図13に示される半導体レーザLDaを用いても良い。この半導体レーザLDaは、前記半導体レーザLDに予備光源が追加されたものである。すなわち、上記実施形態における予備光源では補正できない大きな副走査方向ずれがある場合に、この半導体レーザLDaを用いると良い。この場合であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態における前記半導体レーザLDに代えて、図14に示される半導体レーザLDbを用いても良い。この半導体レーザLDbは、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源間に副光源が2個配置されている。また、半導体レーザLDbは、α方向に並ぶ発光部列の数を6列(A列〜F列)、dir_sub方向に並ぶ発光部列の数を4列(第1列〜第4列)、としている。この場合であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。ここで主光源により形成される画素の解像度を1200dpiとすると、副光源により1200dpiを3分割することができるので、3600dpi相当の精度で副走査方向ずれを補正することが可能となる。
また、上記実施形態における前記半導体レーザLDに代えて、図15に示される半導体レーザLDcを用いても良い。この半導体レーザLDcは、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源間に副光源が2個配置されている。また、半導体レーザLDcは、α方向に並ぶ発光部列の数を6列(A列〜F列)、dir_sub方向に並ぶ発光部列の数を5列(第1列〜第5列)、としている。この場合であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。ここで主光源により形成される画素の解像度を1200dpiとすると、副光源により1200dpiを3分割することができるので、3600dpi相当の精度で副走査方向ずれを補正することが可能となる。
また、上記実施形態における前記半導体レーザLDに代えて、図16に示される半導体レーザLDdを用いても良い。この半導体レーザLDdは、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源間に副光源が1個配置されている。また、半導体レーザLDdは、α方向に並ぶ発光部列の数を7列(A列〜G列)、dir_sub方向に並ぶ発光部列の数を5列(第1列〜第5列)、としている。この場合であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。ここで主光源により形成される画素の解像度を1200dpiとすると、副光源により1200dpiを2分割することができるので、2400dpi相当の精度で副走査方向ずれを補正することが可能となる。
また、上記実施形態における前記半導体レーザLDに代えて、図17に示される半導体レーザLDeを用いても良い。この半導体レーザLDeは、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源間に副光源が1個配置されている。また、半導体レーザLDeは、α方向に並ぶ発光部列の数を10列(A列〜J列)、dir_sub方向に並ぶ発光部列の数を3列(第1列〜第3列)、としている。この場合であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。ここで主光源により形成される画素の解像度を1200dpiとすると、副光源により1200dpiを2分割することができるので、2400dpi相当の精度で副走査方向ずれを補正することが可能となる。
また、上記実施形態における前記半導体レーザLDに代えて、図18に示される半導体レーザLDfを用いても良い。この半導体レーザLDfは、dir_sub方向の位置に関して互いに隣り合う2つの主光源間に副光源が3個配置されている。また、半導体レーザLDfは、α方向に並ぶ発光部列の数を7列(A列〜G列)、dir_sub方向に並ぶ発光部列の数を5列(第1列〜第5列)、としている。この場合であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。そして、1画素の大きさが1/2になると、図19に示されるように、3つの副光源のうち中央の副光源を主光源に変更することにより、容易に対応することができる。例えば、図18に示される状態のときに、副走査方向に600dpiの解像度を持つとすると、図19に示される状態のときには、1200dpiの解像度を持つことが可能となる。このように、光源の機能切替により、解像度切替可能な光走査装置を実現することができる。なお、この光源の機能切替は、処理回路815で行われる。
また、カラー画像を形成する画像形成装置であっても、カラー画像に対応した光走査装置を用いることにより、高品質の画像を形成することが可能となる。この場合に、例えば、画像情報が、黄色に関する画像情報(以下「Y画像情報」という)と、マゼンダに関する画像情報(以下「M画像情報」という)と、シアンに関する画像情報(以下「C画像情報」という)と、黒色に関する画像情報(以下「K画像情報」という)とから構成されているときは、画像情報毎に前記副走査方向ずれ情報テーブルを準備しても良いが、4色のうち、予め設定されている特定の色(例えば黄色)についての副走査方向ずれ情報テーブルのみを準備しても良い。この場合に、特定の色以外の色についてずれ情報を取得するときには、特定の色の副走査方向ずれ情報テーブルを参照し、得られた各ずれ情報をそのまま用いても良いし、予め設定されている変換方式(変換式、変換テーブルなど)によって変換された各ずれ情報を用いても良い。これにより、例えば図19(A)及び図19(B)に示されるように、各画像情報における副走査方向ずれの傾向をほぼ等しくすることができ、色ずれを抑制することができる。また、副走査方向ずれ情報テーブルが格納されるメモリの記録容量を減らすことが可能となる。なお、この場合に、主光源と副光源と予備光源からなる光源群を画像情報毎(ここでは、4つの光源群)に設けても良い。
また、画像形成装置として、カラー画像に対応し、画像情報毎に感光ドラムを備えるタンデムカラー機であっても良い。一例として図20に示されるタンデムカラー機には、Y画像情報用の感光ドラム901aにY画像情報の潜像を形成する光走査装置900aと、M画像情報用の感光ドラム901bにM画像情報の潜像を形成する光走査装置900bと、C画像情報用の感光ドラム901cにC画像情報の潜像を形成する光走査装置900cと、K画像情報用の感光ドラム901dにK画像情報の潜像を形成する光走査装置900dと、を有している。この場合には、上記実施形態と同様にして各感光ドラムにおける副走査方向ずれが補正されるため、高速で高品質の画像を形成することが可能となる。
また、上記実施形態において、前記処理回路815を構成する回路の少なくとも一部が前記プリント基板802に実装されても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置がレーザプリンタ100の場合について説明したが、これに限らず、例えば、光走査装置900を備えたデジタル複写機、スキャナ、ファクシミリ、及びいわゆる複合機であっても良い。要するに、光走査装置900を備えた画像形成装置であれば、高速で高品質の画像を形成することが可能となる。