JP4858917B2 - 温風暖房機 - Google Patents

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Description

本発明は、室内の空気を給気口から吸引し、吸引された空気をバーナの燃焼排ガスと混合させて、温風を吹出口から室内に吹出す温風暖房機に関する。
従来、温風暖房機の背面やリモコンにCO濃度検出手段を設けることにより、室内空気中のCO濃度(室内CO濃度)を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、CO濃度検出手段が故障した場合には、室内CO濃度を正確に検出することができず、誤って検出された室内CO濃度に基づいて、温風暖房機が制御されてしまう虞がある。従って、CO濃度検出手段が正常に機能しているか否かを定期的に検査することが望まれる。
ここで、従来、給気口から吸引した室内空気とバーナの燃焼排ガスとを混合させた温風の通路内に設けられ温風中のCO濃度を検出するCOセンサと、燃焼ファンの送風量を検出するための回転数センサとを備え、回転数センサの出力から求められる燃焼ファンの送風量とバーナの燃焼量とから過剰空気量を算出して温風中のCO濃度を推定し、この推定された温風中のCO濃度と実際にCOセンサにより検出された温風中のCO濃度との差が許容範囲内でない場合には、COセンサが故障していると判断する温風暖房機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2の技術では燃焼ファンの送風量とバーナの燃焼量からCO濃度を推定するため、温風暖房機から吹出される温風中のCO濃度を推定することはできても、室内CO濃度を推定することはできない。従って、特許文献1に記載された室内CO濃度を検出するCO濃度検出手段の故障を検知するために、特許文献2の技術を適用することはできない。
特開昭64−79544号公報 特開平7−83433号公報
本発明は、以上の点に鑑み、室内CO濃度を検出するCO濃度検出手段の故障を検知することができる温風暖房機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、室内の空気を給気口から吸引し、吸引された空気をバーナの燃焼排ガスと混合させて、温風を吹出口から室内に吹出す温風暖房機であって、室内温度を検出する室温検出手段と、室内CO濃度を検出するCO濃度検出手段とを備えるものにおいて、運転開始時から所定時間経過時の室内温度が運転開始時の室内温度から上昇している場合に、前記運転開始時から前記所定時間経過時の室内CO濃度が運転開始時の室内CO濃度以下となっている場合には、CO濃度検出手段が故障していると判定する故障判定手段を有することを特徴とする。
運転開始時から所定時間経過した時に室内温度が上昇していれば、その分だけバーナが燃焼し燃焼排ガスが室内に吹出されていることとなるため、室内CO濃度も上昇するはずである。
そこで、本発明においては、故障判定手段により、運転開始時から所定時間経過時に室内温度が上昇している場合に、前記所定時間経過時の室内CO濃度が運転開始時の室内CO濃度以下となっている場合には、CO濃度検出手段が故障していると判定している。これにより、室内CO濃度を検出するCO濃度検出手段の故障を確実に検知することができる。
また、温風暖房機の運転開始時においてCO濃度検出手段が正常であっても、暖房運転中にCO濃度検出手段が故障する場合も考えられる。ここで、室内温度がバーナの燃焼中に低下したときは、室内の換気が行われていると考えられる。更に、温風暖房機の使用者は、ある程度暖房運転を継続した場合には室内換気を行うものである。
そこで、故障判定手段を、バーナの燃焼中に室内温度が低下したときの室内CO濃度が、室内温度が低下する前の室内CO濃度以上である場合には、CO濃度検出手段が故障していると判定するように構成すれば、暖房運転中に発生したCO濃度検出手段の故障を確実に検知することができる。
また、本発明は、室内の空気を給気口から吸引し、吸引された空気をバーナの燃焼排ガスと混合させて、温風を吹出口から室内に吹出す温風暖房機であって、バーナの火炎温度を検出する火炎温度検出手段と、室内CO濃度を検出するCO濃度検出手段とを備えるものにおいて、火炎温度が良好燃焼時の正規火炎温度であるときの室内CO濃度を基準濃度として記憶し、火炎温度が正規火炎温度より所定温度低下したときの室内CO濃度の基準濃度に対する増加量が所定量以下である場合には、CO濃度検出手段が故障していると判定する故障判定手段を有することを特徴とする。
火炎温度が正規火炎温度よりも低下する場合には、バーナに供給される酸素が減少して燃焼排ガス中のCO濃度が増加し、室内空気中のCO濃度も増加する。ここで、火炎温度が良好燃焼時の正規火炎温度より所定温度低下したときの室内CO濃度の基準濃度に対する増加量を実験等により予め求め、この増加量よりある程度低い値に前記所定量を設定しておけば、火炎温度が正規火炎温度より所定温度低下したときの室内CO濃度の基準濃度に対する増加量が所定量以下になる場合には、CO濃度検出手段が故障していると判断できる。従って、本発明によれば、CO濃度検出手段の故障を確実に検知することができる。
本発明の実施形態の温風暖房機は、ガスファンヒータであり、図1に示す外観形状の筐体1を備える。筐体1は、その前面側を覆う前面パネル2と、背面側を覆う背面パネル3とを備えている。前面パネル2には、下方部に位置させて吹出口4が形成され、上面部に位置させて設定温度等を表示する液晶表示部2aと運転操作部2bとが設けられている。
筐体1内には、図2に示すように、通風ケース5が配置され、通風ケース5の側方に空気室6が画成されている。図3に示すように、通風ケース5内の上方部には、ガスバーナ7を備える燃焼室8が配置されている。燃焼室8内にはガスバーナ7の火炎温度を検出する火炎温度検出手段としての熱電対7aが設けられている。
図2に示すように、通風ケース5の前面下方部には、前面パネル2の吹出口4に連通する開口部9が形成されている。通風ケース5内の下方部には、燃焼室8の下方に位置させて温風ファン10が設けられている。
図3に示すように、背面パネル3の通風ケース5に対応する位置には、通風ケース5内に室内空気を取り入れる給気口11aが形成されている。給気口11aからは、温風ファン10の作動により室内空気が通風ケース5内に吸引され、吸引された空気の一部は二次空気として燃焼室8内に流れる。
ガスバーナ7の燃焼により発生する燃焼排ガスは、燃焼室8の上部に形成された開口から通風ケース5と燃焼室8との間の通風路に流れて、給気口11aから吸引された空気と混合され、温風として吹出口4から室内へ吹出される。
図2に示すように、背面パネル3の空気室6に対応する位置にも室内空気を取り入れる給気口11bが形成されている。空気室6内には、通風ケース5の側壁5aから露出するガスバーナ7の混合管部12が配置されている。混合管部12の先端には吸入口12aが形成されている。吸入口12aには、ガスバーナ7に燃料ガスを供給するガス供給管13の下流端に取り付けられたノズル13aが隙間を存して内挿されている。吸入口12aには、ノズル13aから噴出する燃料ガス流によるエジェクタ効果によって、ノズル13aとの隙間から一次空気が吸入される。混合管部12内では燃料ガスと一次空気とが混合される。
また、空気室6内には、ガス供給管13に介設されたバルブユニット14と、温風ファン10及びバルブユニット14を制御するコントローラ15とが設けられている。
また、図4に示すように、室内空気が取り入れられる給気口11bと混合管部12の吸入口12aとの間には、室内温度を検出する室温検出手段としての室温センサ16と室内CO濃度(室内空気中のCO濃度)を検出するCO濃度検出手段としてのCOセンサ17とが配置されている。
熱電対7a、室温センサ16、COセンサ17からの信号はコントローラ15に入力され、コントローラ15は、これらの信号に基づいて温風ファン10及びバルブユニット14を制御する。即ち、コントローラ15は、室温センサ16で検出された室内温度と暖房設定温度との偏差に応じて温風ファン10の回転数とガスバーナ7の燃焼量とを可変する温調制御と、熱電対7aで検出される火炎温度に基づいてガスバーナ7が不完全燃焼状態であると判別されたときにガスバーナ7の燃焼を停止する制御と、COセンサ17で検出された室内CO濃度が所定の許容値を上回ったときにガスバーナ7の燃焼を停止する制御とを行う。
なお、温調制御において、温風ファン10の回転数とガスバーナ7の燃焼量は段階的に変化されるようになっており、良好燃焼しているときの火炎温度が正規火炎温度として各段階の燃焼量毎にコントローラ15に記憶されている。そして、酸素不足による火炎リフトで熱電対7aで検出される火炎温度が正規火炎温度を下回り、両者の差が所定の判定温度以上になったとき不完全燃焼状態であると判断して燃焼を停止する。
また、コントローラ15はCOセンサ17の故障を検知する処理も行う。この処理の詳細は図5に示す通りであり、以下これについて説明する。
なお、コントローラ15は、室温センサ16およびCOセンサ17により検出された室内温度および室内CO濃度とを逐次記憶する。また、熱電対7aにより検出されるバーナの火炎温度が正規火炎温度であるときには、そのときのCOセンサ17により検出された室内CO濃度を基準濃度として逐次記憶・更新する。
コントローラ15は、暖房運転が開始されると、STEP1で室温センサ16により検出される室内温度を初期室温として記憶すると共に、STEP2でCOセンサ17により検出される室内CO濃度を初期濃度として記憶する。
そして、STEP3に進み、温風ファン10を作動させると共に、バルブユニット14を開としてガスバーナ7に燃料ガスを供給し点火させる。
そして、STEP4に進み、ガスバーナ7の点火時から所定時間経過したか否かをチェックする。ここで、所定時間は、室内温度が上昇するのに十分な時間を予め実験等により求めて設定される。また、実施形態のガスファンヒータにおいては、運転開始時をガスバーナ7の点火時としている。
STEP4で所定時間が経過したら、STEP5に進み、コントローラ15は、室温センサ16により検出される室内温度とコントローラ15に記憶された初期室温とを比較し、室内温度が上昇したか否か、具体的には室内温度が初期温度から所定温度以上上昇したか否かをチェックする。室内温度が上昇していない場合にはSTEP4に戻る。
STEP5で室内温度が上昇している場合には、STEP6に進み、コントローラ15は、COセンサ17により検出される室内CO濃度とコントローラ15に記憶された初期濃度とを比較して、室内CO濃度が上昇しているか否かをチェックする。
室内温度が上昇している場合には、その分だけ温風が室内に吹出されているため室内CO濃度も上昇する。従って、コントローラ15は、COセンサ17により検出される室内CO濃度が初期濃度以下となっている場合には、COセンサが故障していると判定する。そして、STEP7に進み、バルブユニット14を閉としてガスバーナ7の燃焼を停止すると共に、STEP8で、液晶表示部1aにCOセンサ17が故障していることを示すエラーコードを表示し、更に図示省略したスピーカから警告音を出力させる報知処理を実行し、暖房運転を終了する。なお、報知処理は所定のリセット操作によりリセット可能としてもよいし、コンセントを外さなければリセットされない電源リセットとしてもよい。
STEP6で室内CO濃度が上昇している場合には、STEP9に進み、コントローラ15は、室温センサ16により検出される室内温度が低下しているか否か、具体的には所定時間前に検出記憶された室内温度より現時点で検出された室内温度が所定温度以上低下したか否かをチェックする。室内温度が低下している場合には、STEP10に進み、コントローラ15は、室内温度低下時にCOセンサ17により検出される室内CO濃度が、室内温度が低下する前に検出記憶された室内CO濃度よりも増加しているか否かをチェックする。
室内温度が低下したときは室内換気が行われていると考えられる。この場合、COセンサ17により検出される室内CO濃度も低下するはずである。そこで、コントローラ15は、室内温度低下時にCOセンサ17により検出される室内CO濃度が、室内温度が低下する前にコントローラ15に検出記憶された前回の室内CO濃度以上である場合には、COセンサ17が故障していると判定する。そして、STEP7に進み、ガスバーナ7の燃焼を強制終了すると共にSTEP8で報知処理を実行し、暖房運転を終了させる。
STEP9で室内温度が低下していない場合、またはSTEP10で室内CO濃度が低下している場合には、STEP11に進み、コントローラ15は熱電対7aにより検出されるガスバーナ7の火炎温度が正規火炎温度よりも所定温度低下したか否かをチェックする。ここで所定温度は上述した不完全燃焼の判定のための判定温度より小さく設定される。
検出された火炎温度が正規火炎温度より所定温度低下している場合には、ガスバーナ7に供給される酸素量が減少して、燃焼排ガス中のCO濃度が増加する。従って、COセンサにより検出される室内CO濃度は正規火炎温度時の室内CO濃度である基準濃度よりも増加するはずである。
そこで、STEP11で火炎温度が正規火炎温度よりも所定温度低下している場合には、STEP12に進み、室内CO濃度の増加量が所定量以下であるか否かをチェックする。所定量は、熱電対7aにより検出される火炎温度が正規火炎温度よりも所定温度低下しているときの室内CO濃度の増加量を予め実験により求めておき、火炎温度の検出誤差を考慮して、求められた増加量よりもある程度低い量に設定される。CO濃度増加量が所定量以下である場合には、COセンサ17が故障していると判定する。そして、STEP7に進み、ガスバーナ7の燃焼を強制終了すると共に、STEP8で報知処理を実行して暖房運転を終了する。
STEP11で火炎温度が低下していない場合、または、STEP12で室内CO濃度の増加量が所定量を超える場合には、STEP13に進み、コントローラ15は、運転操作部1bにより運転停止操作が行われたか否かをチェックする。運転停止操作が行われている場合には、STEP14に進み、コントローラ15は、バルブユニット14を閉としてガスバーナ7の燃焼を停止させ、暖房運転を終了させる。
STEP13で、運転停止操作が行われていない場合には、STEP9に戻り、コントローラ15は、室内温度が低下したか否かをチェックする。実施形態では、コントローラ15が故障判定手段に該当する。
実施形態のガスファンヒータ1によれば、コントローラ15により、ガスバーナ7の点火時(運転開始時)から所定時間経過時に室内温度が上昇しているときに、前記所定時間経過時にCOセンサ17により検出された室内CO濃度(室内空気中のCO濃度)が初期濃度以下となっている場合には、COセンサ17が故障していると判定している。これにより、室内CO濃度を検出するCOセンサ17の故障を確実に検知することができる。
また、コントローラ15は、室温センサ16により検出される室内温度がバーナの燃焼中に低下したとき、室内温度が低下したときにCOセンサ17により検出される室内CO濃度が、室内温度が低下する前にCOセンサ17により検出された室内CO濃度以上である場合には、COセンサ17が故障していると判定するため、暖房運転中に発生したCOセンサ17の故障を確実に検知することができる。
また、コントローラ15は、熱電対7aにより検出される火炎温度が良好燃焼時の正規火炎温度より所定温度低下したときに、COセンサ17により検出される室内CO濃度の基準濃度に対する増加量が、実験等により予め求められた室内CO濃度の増加量未満に設定される所定量以下である場合には、COセンサ17が故障している判定するため、室内CO濃度を検出するCOセンサ17の故障を確実に検知することができる。
また、COセンサ17が故障していると判定された場合には、報知処理が実行され、ガスバーナ7の燃焼が強制的に停止され、使用者にCOセンサ17が故障していることを液晶表示部2aおよび図示省略したスピーカにより報知するため、安全性をより向上させることができる。
本発明の温風暖房機の実施形態を示す斜視図。 実施形態の温風暖房機の内部を示す正面図。 実施形態の温風暖房機の通風ケース内を示す断面図。 実施形態の温風暖房機の空気室内を示す断面図。 実施形態の温風暖房機の制御処理を示すフローチャート。
符号の説明
4…吹出口、 7…ガスバーナ、 7a…熱電対(火炎温度検出手段)、 11a,11b…給気口、 15…コントローラ(故障判定手段)、 16…室温センサ(室温検出手段)、 17…COセンサ(CO濃度検出手段)。

Claims (3)

  1. 室内の空気を給気口から吸引し、吸引された空気をバーナの燃焼排ガスと混合させて、温風を吹出口から室内に吹出す温風暖房機であって、室内温度を検出する室温検出手段と、室内CO濃度を検出するCO濃度検出手段とを備えるものにおいて、
    運転開始時から所定時間経過時の室内温度が運転開始時の室内温度から上昇している場合に、前記運転開始時から前記所定時間経過時の室内CO濃度が運転開始時の室内CO濃度以下となっている場合には、CO濃度検出手段が故障していると判定する故障判定手段を有することを特徴とする温風暖房機。
  2. 前記故障判定手段は、前記バーナの燃焼中に室内温度が低下したときの室内CO濃度が、室内温度が低下する前の室内CO濃度以上である場合には、前記CO濃度検出手段が故障していると判定することを特徴とする請求項1記載の温風暖房機。
  3. 室内の空気を給気口から吸引し、吸引された空気をバーナの燃焼排ガスと混合させて、温風を吹出口から室内に吹出す温風暖房機であって、バーナの火炎温度を検出する火炎温度検出手段と、室内CO濃度を検出するCO濃度検出手段とを備えるものにおいて、
    火炎温度が良好燃焼時の正規火炎温度であるときの室内CO濃度を基準濃度として記憶し、火炎温度が正規火炎温度より所定温度低下したときの室内CO濃度の基準濃度に対する増加量が所定量以下である場合には、CO濃度検出手段が故障していると判定する故障判定手段を有することを特徴とする温風暖房機。
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