JP4857867B2 - 皮膚用ウォータープルーフ製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚保護用化粧料に有用な撥水・耐水性に優れた皮膚用ウォータープルーフ製剤に関する。
皮膚の表面にバリアー層を形成し、外部からの水や薬品、有害菌などの皮膚への浸入を防ぎ、手/肌荒れを予防するため、耐水性や撥水性に優れることを目的とした皮膚外用剤には、バリアー層の形成因子としてシリコーンやセルロース誘導体が頻繁に利用されている。即ち、シリコーンは毒性が低く、また皮膚生理を妨げにくいといった特徴を持っており、かつ耐水性及び撥水性に優れることから、これまで、耐水性や撥水性に優れることを目的とした化粧料に用いられてきた。
しかし、水を含有する化粧料にシリコーンを安定に配合するのは非常に困難であり、この目的でシリコーンの安定乳化を行うには、刺激の強い水溶性界面活性剤(乳化剤)を多量に用いる必要があった。しかし、水溶性界面活性剤を多量に用いると、皮膚に対する安全性への影響が懸念され、皮膚のカサつきなど使用感を損ねることがあり、更に、水仕事時には、皮膚上の化粧料の再乳化を促すことから、撥水・耐水効果を半減させてしまうという問題があった。
ところで、特許文献1、2において2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略すことがある)の単独重合体、あるいは、MPCと親水性単量体または疎水性単量体との共重合体が、皮膚に対して極めて優れた保湿効果及び肌荒れ改善効果を示し、化粧料として有用であることが報告されている。また、特許文献3、4には、MPCと疎水性モノマーの共重合体が、優良な可溶化剤、乳化剤、分散剤として利用できることが開示されている。しかし、生体膜の主成分であるホスファチジルコリン等のリン脂質の極性基と同様の構造を有する基を持つMPC共重合体は、MPCが親水成分であるため、耐水性や撥水性に優れることを目的とした化粧料への適用には課題があった。
一方、セルロース誘導体は耐pH性、温度安定性、耐薬品性、耐塩性に優れ、またフィルム形成能を有しており、皮膚保護用の化粧料に汎用されている成分である。さらに増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エマルジョン安定化剤等として広く利用されており、シリコーンを乳化させた水溶液などの粘度安定化作用及び油剤乳化性が優れている。しかしセルロース誘導体を増粘剤及び乳化安定化剤として化粧料に利用する場合、安定化剤としての特性を十分に発揮させるためには、セルロース誘導体の使用量を多くする必要があった。しかしセルロース誘導体を多量に配合すると、べたつきや皮膜感が強く感じられ、更に、よれを生じさせる原因になることがあり、これらの問題を解決した、耐水性や撥水性に優れる化粧料の開発が望まれていた。
特開平5−70321号公報 特開平6−157269号公報 特開平10−109029号公報 特開2000−119130号公報
本発明の目的は、特定のシリコーンを水中に安定に分散させた、安全性、使用感、撥水・耐水性に優れた皮膚用ウォータープルーフ製剤を提供することにある。
すなわち本発明によれば、式(3)で示される単量体1モルに対してステアリルメタクリレート1.5〜4モルの割合で重合した共重合体(以下、MPC-SMA重合体と略すことがある)を0.3〜0.7重量%と、25℃における動粘度が100〜10000mm2/sのメチルポリシロキサンまたは架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種または2種のシリコーン4〜6重量%と、重量平均分子量10000〜500000のヒドロキシエチルセルロース1〜3重量%と、25℃における粘度が1500〜150000mPa・sであるカルボキシビニルポリマー0.05〜0.5重量%と、水とを混合した皮膚用ウォータープルーフ製剤が提供される
Figure 0004857867
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、安定性が良好で、使用感に優れたものであり、また水仕事時の撥水・耐久性に著しく優れている。さらに安全性が非常に高く、また皮膚バリア効果が高く、手/肌荒れ防止性がある。
このことから医療・介護業界におけるエタノール消毒からの手肌の保護、介護における床擦れ予防、理美容業界におけるパーマ液や染毛剤からの保護、オムツかぶれ、食品業界および一般家庭など手や肌の荒れることの多い機会において手/肌荒れを予防し、皮膚を保護する皮膚用ウォータープルーフ製剤として使用できる。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤には、上記(3)で示される単量体である、2−メタクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(MPCと略す)1モルに対してステアリルメタクリレート(SMAと略す)1.5〜4モルの割合で重合した共重合体を使用することを特徴とする。
これらの式(2)で示されるLA単量体として、具体的には、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;デカン酸ビニル単量体、ドデカン酸ビニル単量体、ヘキサデカン酸ビニル単量体、オクタデカン酸ビニル単量体などのビニルエーテル系の単量体;が挙げられる。このうち、式(2)で示されるLA単量体としてはアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくはオクタデシル(メタ)アクリレートが、安定性、乳化特性から最も好ましく挙げられる。また式(2)で示されるLA単量体として、これらの1種または2種以上を混合して用いても良い。
前記MPC−SMA共重合体を得るには、MPCとSMAとからなる単量体混合組成物を、公知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の方法を用いて重合することにより製造することができる。重合条件としては、例えば、重合の際に、重合系を、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガスの雰囲気下、重合温度0〜100℃、重合時間10分〜48時間の重合条件でラジカル重合させる方法等が挙げられる。重合に際しては、通常のラジカル重合開始剤を用いて重合を行うことができる。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロピル)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、ラジカル重合開始剤に通常用いられるレドックス系の促進剤を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体混合組成物100重量部に対して0.01〜5.0重量部が好ましい。
前記重合により得られるMPC−SMA共重合体は、重量平均分子量で5000〜10000000が望ましい。使用目的に応じて重量平均分子量は種々調整することができるが、使用感、扱い易さ等を勘案した場合、好ましくは重量平均分子量で10000〜1000000である。
本発明に用いるMPC−SMA共重合体中におけるMPCSMAに由来するユニットのモル比は、適切な乳化特性を得るためには、MPC1モルに対してSMA1.5〜4モルのモル比である。MPCに対してSMAのモル比が1.5より小さい場合や4を超えた場合、乳化特性が低下することがある。また共重合体の皮膚用ウォータープルーフ製剤中の配合量は0.3〜0.7重量%である。ここで0.3重量%以上であると乳化安定性が良く、また0.7重量%以下では、べとつきを感じず、使用感が良い。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤には25℃における動粘度が100〜10000mm2/sのメチルポリシロキサンまたは架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種又は2種のシリコーンを配合する。前記、25℃における動粘度が100〜10000mm2/sのシリコーンは、従来知られた市販のシリコーンを用いることができる。
前記、25℃における動粘度が100〜10000mm2/sのメチルポリシロキサンの具体例としては、KF−96A−100cs(商品名、信越化学工業(株)製、25℃における動粘度100mm2/sのメチルポリシロキサン)、SH200 C Fluid 100CS(商品名、東レダウ・コーニングシリコーン(株)製、25℃における動粘度100mm2/sのメチルポリシロキサン)、KF−96A−1000cs(商品名、信越化学工業(株)製、25℃における動粘度1000mm2/sのメチルポリシロキサン)、SH200 C Fluid 1000CS(商品名、東レダウ・コーニングシリコーン(株)製、25℃における動粘度1000mm2/sのメチルポリシロキサン)などが挙げられる。
前記、25℃における動粘度が100〜10000mm2/sの架橋型メチルポリシロキサンの具体例としては、KSG−15(商品名、信越化学工業(株)製)、BY29―131(商品名、東レダウ・コーニングシリコーン(株)製)、KSG−16(商品名、信越化学工業(株)製)、BY29―140(商品名、東レダウ・コーニングシリコーン(株)製)などが挙げられる。尚これらの架橋型メチルポリシロキサンは、シリコーン中に架橋型メチルポリシロキサンの粉体が分散した状態で提供されることがあるが、そのようにシリコーン中に分散した状態で25℃における動粘度が100〜10000mm2/sである架橋型メチルポリシロキサンも、本発明の25℃における動粘度が100〜10000mm2/sの架橋型メチルポリシロキサンとして用いることが出来る。
前記シリコーンの配合量は、皮膚用ウォータープルーフ製剤中の全量当り4〜6重量%である。ここでシリコーンの含有量が4重量%未満であると製剤の耐水・撥水性が不十分になり、また6重量%を超えて配合すると、べとつきの原因になる。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤には、乳化安定性の向上と皮膚保護性の向上のために重量平均分子量10000〜500000のヒドロキシエチルセルロースを配合する。
前記、重量平均分子量10000〜500000のヒドロキシエチルセルロースの具体例としては、メトローズSM(商品名、信越化学工業(株)製)、HECダイセルSE500(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、HECダイセルSE550(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、HECダイセルSE600(商品名、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。
記ヒドロキシエチルセルロースの配合量は、皮膚用ウォータープルーフ製剤の全量当り1〜3重量%である。含有量が1重量%未満であると皮膜形成能が不十分で皮膚保護性を満足に発揮できなくなり、また乳化安定性も悪くなる。また3重量%を超えて配合すると粘度が高くなり、使用感を損ねる。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、25℃における粘度が1500〜150000mPa・sであるカルボキシビニルポリマーを含む。
前記、25℃における粘度が1500〜150000mPa・sであるカルボキシビニルポリマーとしては、具体的には、25℃における粘度が16000〜28000mPa・sのカルボキシビニルポリマー(日光ケミカルズ(株)製、商品名:カーボポール 980)、25℃における粘度が2500〜6500mPa・sのカルボキシビニルポリマー(日光ケミカルズ(株)製、商品名:カーボポール 2984)などが好ましく用いられる。
本発明に用いる25℃における粘度が1500〜150000mPa・sであるカルボキシビニルポリマーとしては、化粧品における汎用性、乳化安定性、使用感の点からは、25℃における0.2重量%カルボキシビニルポリマーのアルカリ中和水溶液の粘度が5000〜50000mPa・sであるカルボキシビニルポリマーが最も好ましく、このような25℃における0.2重量%カルボキシビニルポリマーのアルカリ中和水溶液の粘度が5000〜50000mPa・sであるカルボキシビニルポリマーとしては、具体的には、BF Goodrich社製、商品名カーボポール940;和光純薬工業(株)製、商品名ハイビスワコー104;日光ケミカルズ(株)製、商品名カーボポール980;が挙げられる。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤への前記カルボキシビニルポリマーの配合量は0.05〜0.5重量%である。0.05重量%未満では乳化安定性に寄与することができなくなり、0.5重量%を超えて配合すると、使用感を損ねてしまう。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は水を含んでなる。ここで水とは、例えば蒸留水、精製水、水道水、海洋深層水、緩衝水溶液などの水を示し、使用に際しては水‐エタノール混合水などのように、本発明の目的を逸脱しない範囲で、通常知られている水以外の水溶性媒体と混合して用いられてもよい。本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤における水の配合量は、本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤に含まれる水以外の成分と、水との合計量が100重量%となるように用いればよい。即ち、本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤に含まれる水以外の成分の残部が水である。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤には、その他、外観安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で、必要に応じて、有機酸、無機塩類、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、香料、色素などの、通常の化粧料に使用される添加剤を配合することができる。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、撥水性・耐水性に優れたものである。ここで撥水性・耐水性の基準である、皮膚用ウォータープルーフ製剤により得られる乾燥皮膜の水に対する接触角は、本製剤が汗や外部からの水の接触に対して流されにくい程度を示すものであり、以下の方法で測定することができる。
即ち、豚皮(日本チャールス・リバー(株)製、10cm×10cm)を用意し、その表面5cm四方(25cm2)に均一になるように皮膚用ウォータープルーフ製剤1mLを指で塗布し、60℃にて2時間乾燥して皮膚用ウォータープルーフ製剤の乾燥皮膜を得る。その後、豚皮を接触角測定装置(協和界面科学(株)製)に挿入できる大きさにカッターを用いて分割し、20℃、湿度50±10%の環境下でイオン交換水1滴をマイクロシリンジの先端から皮膚用ウォータープルーフ製剤の乾燥皮膜上に滴下し、その時の接触角(度)を1分後に測定する。本発明においては、このようにして、皮膚用ウォータープルーフ製剤の乾燥皮膜の水に対する接触角が、60度以上である撥水性を有する皮膚用ウォータープルーフ製剤を確認することができる。本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、皮膚用ウォータープルーフ製剤を豚皮に塗布後、乾燥することにより得られる乾燥皮膜の水に対する接触角が60度以上の、撥水性を有する皮膚用ウォータープルーフ製剤であることが好ましい。
本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、各原料を乳化機により混合して製造することができる。本発明に用いる乳化機は、例えばディスパーミキサー、ウルトラミキサー、ホモミキサーなど通常乳化に使用される乳化装置のいずれでも良いが、高い剪断力と汎用性の点からホモミキサーが最も好ましい。特に、20〜100℃において回転数500〜10000rpm、処理時間1分以上の条件で、各原料をホモミキサーを用いて混合する製造方法が、目的とする皮膚用ウォータープルーフ製剤を得る上で最も好ましい。この製造条件のとき、皮膚用ウォータープルーフ製剤中の乳化粒子の平均粒子径は、10〜5000nmの範囲であり、乳化粒子の平均粒子径がこの範囲にあるときは、特に皮膚用ウォータープルーフ製剤の使用感がよい。乳化粒子の平均粒子径は、動的光散乱法などを測定原理とする市販の粒子径測定機で測定することができる。
このようにして得られた本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は皮膚保護用の化粧料として使用することができる。本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、調製後、場合により乾燥させて濃厚液にしたり、または水溶性媒体を更に加えて希釈したりして濃度を調整して用いてもよい。
また、本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、市販の染毛剤などに含まれる、フェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラトルエンジアミン等のジアミン系化学物質からの保護効果に特に優れる特徴を持つ。この、ジアミン系化学物質からの保護効果については、次の方法で測定することができる。即ち、予め皮膚用ウォータープルーフ製剤1gを前腕内側部に塗布し十分なじませた後、塗布部位に12時間パラフェニレンジアミンを閉塞パッチし、その後の皮膚表面の状態をビデオマイクロスコープにより観察する。このようにして観察することにより、本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤を用いた場合は、ジアミン系化学物質にさらされた状態でも、皮膚状態が健常に近く、ジアミン系物質からの保護効果に優れていることを確認することができる。本発明の皮膚用ウォータープルーフ製剤は、このことから、適量を皮膚に塗布することによって、染毛剤に含まれるジアミン系物質からの皮膚保護剤としても、特に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1
MPCとSMAの共重合体(モル組成比;MPC/SMA=3/7;以下、MPC-SMA重合体と略す)を用いて、表1の組成に従い皮膚用ウォータープルーフ製剤を得た。表中の組成は重量%で示している。即ち、蒸留水71.0gに添加物1.0gを加え完全に溶解したのち、ヒドロキシエチルセルロース2gを徐々に加え、溶液が透明になるまで撹拌を続け粘稠の水相液体を得た。一方、多価アルコール9.5gにMPC−SMA重合体0.5gを溶解し、この溶液にメチルポリシロキサン2gと架橋型メチルポリシロキサン3gを加え、80℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1、みずほ工業(株)製)を用いて混合撹拌し、油相を得た。油相を卓上ホモミキサーで撹拌しながら水相液体を少しずつ加えていき、全て添加後80℃で20分間、3600rpmで撹拌を続け乳化物を得た。乳化終了後、予め調製しておいた1%カルボキシビニルポリマー水溶液10gを添加してホモミキサーで均一になるまで混合し、その後中和剤である10%L−アルギニン水溶液1gを加えて皮膚用ウォータープルーフ製剤を得た。
得られた製剤を用いて、45℃で1ヶ月間の安定性について後述の試験例1の方法で目視により確認し、さらに使用感及び撥水性・耐水性の評価を後述の試験例2及び3の方法で測定した。それぞれの試験の結果は、表1にあわせて示した。
Figure 0004857867
実施例2〜6
配合成分の種類・配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1に記載の方法に準じて、実施例2〜6の皮膚用ウォータープルーフ製剤を調製した。得られた製剤を用いて、45℃で1ヶ月間の安定性について後述の試験例1の方法で目視により確認し、さらに使用感及び撥水性・耐水性の評価を後述の試験例2及び3の方法で測定した。それぞれの試験の結果は、表1にあわせて示した。
比較例1〜12
配合成分の種類・配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例2に記載の方法に準じて、比較例1〜12の皮膚用ウォータープルーフ製剤を調製した。得られた製剤を用いて、45℃で1ヶ月間の安定性について後述の試験例1の方法で目視により確認し、さらに使用感及び撥水性・耐水性の評価を後述の試験例2及び3の方法で測定した。それぞれの試験の結果は、表2にあわせて示した。
Figure 0004857867
試験例1 : 乳化安定性
得られた皮膚用ウォータープルーフ製剤をポリプロピレン製の100mL容器に取り蓋をして、製造直後から45℃の条件下に静置して目視により分離状態を確認した。1ヵ月後分離したものを×で示し、1ヵ月後安定なものを○で示した。
試験例2 : 使用感
乳化安定性に問題のなかった実施例1〜6、比較例3〜5及び比較例7、9で得られたウォータープルーフ製剤について使用感を評価した。具体的には10名の男女に実使用し、しっとり感、伸び、なじみ易さについて比較例12を基準に官能評価を行い、下記の判定基準により評価した。比較例12に比べ、しっとり感が得られかつ伸びが良く、またなじみの良い試料について良好と判断した。
<判定基準>
○ : 8〜10名が良好
△ : 5〜7名が良好
× : 0〜4名が良好
試験例3 : 撥水・耐水性
乳化安定性に問題のなかった実施例1〜6、比較例3〜5及び比較例7、9で得られたウォータープルーフ製剤について水に対する接触角を次の方法で測定した。
すなわち、豚皮(日本チャールス・リバー(株)製、10cm×10cm)を用意し、その表面5cm四方(25cm2)に均一になるように皮膚用ウォータープルーフ製剤1mLを指で塗布し、60℃にて2時間乾燥して皮膚用ウォータープルーフ製剤の乾燥皮膜を得る。その後、豚皮を接触角測定装置(協和界面科学(株)製)に挿入できる大きさにカッターを用いて分割し、20℃、湿度50±10%の環境下でイオン交換水1滴をマイクロシリンジの先端から皮膚用ウォータープルーフ製剤の乾燥皮膜上に滴下し、その時の接触角(度)を1分後に測定した。結果を、以下の基準で評価した。
○ : 接触角80度以上
△ : 接触角60〜80度
× : 接触角60度未満
実施例7 : 安全性試験
実施例1〜6で得られたウォータープルーフ製剤の安全性を細胞毒性試験から評価した。具体的には、予め10%牛胎児血清を添加したDulbecco’s Modified Eagle Medium (D−MEM FCS+)にて前培養したSIRC細胞(ウサギ角膜由来細胞)を96ウェルプレートに一穴あたり約10000個を添加した。24時間後にD−MEM FCS+に溶解した細胞毒性を持つ被験物質を添加し、さらに24時間培養を継続した。培地を除去後、50μg/mLのニュートラルレッド溶液を添加して3時間培養を継続し、生細胞内にニュートラルレッドを取り込ませた。リン酸緩衝生理食塩水で洗浄後、0.01mLの50%エタノール-1%酢酸水溶液で生細胞に取り込まれたニュートラルレッドを溶解し、550nmの吸収を測定することにより細胞毒性を評価した。細胞毒性物質を無添加の550nmの吸収を細胞生存率100%として、細胞毒性の判定は以下の細胞毒性の評価基準に従った。結果を表3の「安全性」の欄に示した。
(細胞毒性の評価基準)
○ : 細胞生存率70%以上
△ : 細胞生存率30%以上〜70%未満
× : 細胞生存率30%未満
Figure 0004857867
実施例8: 手/肌荒れ防止性
男女10名をモニターとして、実施例1〜6で得られたウォータープルーフ製剤のパラフェニレンジアミンに対する肌荒れ防止性を検証した。具体的には、予め前記ウォータープルーフ製剤1gを前腕内側部に塗布し十分なじませた後、塗布部位に12時間パラフェニレンジアミン50μLを閉塞パッチし、その後の皮膚表面の状態をビデオマイクロスコープにより観察した。肌荒れが進むと紅斑が明確に観察されるのに基づき、全く紅斑が確認されなければ変化なしとし、僅かに紅斑が確認されたものをやや悪化、紅斑がはっきり確認できるものを悪化、紅斑が拡大しているものを明らかに悪化として、下記の肌荒れ評価基準からスコアー化した。その評価の結果を平均して下記の肌荒れ防止効果判定基準に従い判定した。結果を表3の「パラフェニレンジアミンからの手/肌荒れ防止性」の欄に示した。
(肌荒れ防止効果判定基準)
評価点 ; 4点:変化なし 3点:やや悪化 2点:悪化 1点:明らかに悪化
(肌荒れ防止効果判定基準)
○ : 平均点3.0点以上
△ : 平均点2.0点以上3.0点未満
× : 平均点3.0点未満

Claims (1)

  1. 式(3)で示される単量体1モルに対してステアリルメタクリレート1.5〜4モルの割合で重合した共重合体を0.3〜0.7重量%と、25℃における動粘度が100〜10000mm2/sのメチルポリシロキサンまたは架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種または2種のシリコーン4〜6重量%と、重量平均分子量10000〜500000のヒドロキシエチルセルロース1〜3重量%と、25℃における粘度が1500〜150000mPa・sであるカルボキシビニルポリマー0.05〜0.5重量%と、水とを混合した皮膚用ウォータープルーフ製剤。
    Figure 0004857867
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