JP4857175B2 - 樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置 - Google Patents

樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4857175B2
JP4857175B2 JP2007116446A JP2007116446A JP4857175B2 JP 4857175 B2 JP4857175 B2 JP 4857175B2 JP 2007116446 A JP2007116446 A JP 2007116446A JP 2007116446 A JP2007116446 A JP 2007116446A JP 4857175 B2 JP4857175 B2 JP 4857175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
substrate
contact
resin layer
layer forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007116446A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008276824A (ja
Inventor
寿 西垣
昌平 田辺
治道 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Mechatronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibaura Mechatronics Corp filed Critical Shibaura Mechatronics Corp
Priority to JP2007116446A priority Critical patent/JP4857175B2/ja
Publication of JP2008276824A publication Critical patent/JP2008276824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4857175B2 publication Critical patent/JP4857175B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Description

本発明は、例えば、光ディスクのような平板状記録媒体の製造のために、基板に樹脂層を形成する樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置に関する。
光ディスクや光磁気ディスク等の光学読み取り式の円盤状記録媒体は、基板に形成された記録面を保護する保護層や、記録面を構成する記録層として、樹脂による層を形成する必要がある。例えば、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc、以下、BDとする)においては、単層の場合、ポリカーボネート製の基板を射出成型し、スパッタ室においてスパッタリングによって金属の記録膜を形成した後に、樹脂をスピンコートで塗布し、これを硬化させることにより、保護層を形成している。
このようなスピンコートによる保護層の形成方法を、図10及び図11を参照して説明する。まず、図10(A)に示すように、ターンテーブルT上に基板Sを載置する。そして、図10(B)に示すように、塗布ノズルNによって、基板Sの内周側に樹脂Rを滴下する。次に、図10(C)に示すように、ターンテーブルTを回転させることにより基板Sを回転させると、滴下された樹脂Rは、遠心力によって薄く展延する。
このように展延される樹脂Rとしては、一般的には、紫外線硬化型のものが用いられており、図10(D)に示すように、紫外線(UV)照射装置UがUV照射を行うことによって、樹脂Rが硬化する。これにより、図10(E)に示すように、基板S上に樹脂Rによる保護層が形成される。
ところで、BDの保護層や、ホログラムディスク(Holographic Versatile Disc、以下、HVDとする)の記録層などは、比較的厚膜の樹脂層を形成する必要があることから、使用される樹脂の粘度は高くなる傾向がある。しかし、上記のようなスピンコートによって粘度の高い樹脂を塗布する場合、樹脂に含まれる気泡が残存する問題がある。
例えば、図11に示すように、スピンによって振り切った樹脂Rは、回収して使用されるが、その場合、回収した樹脂Rには多くの気泡Bが含まれる。このため、回収した樹脂Rは、真空脱泡器Eなどにより脱泡する処理が必要となる。しかし、樹脂Rの粘度が高くなると、樹脂R中に含まれる気泡Bは、樹脂Rの外へなかなか到達することができず、脱泡には非常に時間がかかる。
さらに、通常、このような真空脱泡器Eによる脱泡処理は、樹脂Rを送り出すポンプPによって、複数の槽を経由させることにより行うため、装置構成も大きくなり、かつ複雑となる。しかも、樹脂Rの粘度が高い場合、下の方に存在する気泡は、ほとんど動かないので、完全には脱泡しきれない。そして、長時間真空中に置くことは、槽内の液面表層から樹脂中の(揮発)成分のアウトガスが生じることになる。このため、あらためて塗布ノズルNへ供給される樹脂Rには、元々気泡Bが含まれており、使用前にいわば変質している状態となる。
また、粘度の高い樹脂をスピンコートによって塗布する場合、樹脂が移動し難いため、展延過程で気泡の巻き込みが発生しやすいという問題もある。そして、かかる樹脂を基板全域に万遍なく行き渡らせるために、高速かつ長時間のスピンを行うと、遠心力で基板の外周辺りに樹脂が引き寄せられることになり、塗布膜の均一性を確保することが難しい。
以上のように、樹脂中に気泡が存在したり、膜厚が不均一な場合には、記録された情報の読み取り時にエラーとなる可能性がある。特に、気泡は、樹脂の表面から排出されたものも、その表面に気泡痕を残すので、平坦な面の形成を妨げる。このような気泡痕による凹凸も、情報の読み取りエラーにつながる。
これに対処するため、特許文献1〜4に記載された技術が提案されている。すなわち、特許文献1は、スピンにより塗布した樹脂が硬化する前に、透明あて板を押し当てて、平坦なカバー層表面を得る技術である。
特許文献2は、基板の反射層に紫外線硬化型フィルムを貼り合せて、この紫外線硬化型フィルムを平滑基板により押圧してから硬化させる技術である。特許文献3は、インクジェットプリンタにより塗布した膜形成用の液を、振動により平滑化させる技術である。特許文献4は、容器内で、スピンコートにより塗布液を基板に塗布後、その基板を真空引きした雰囲気中に置くものである。
特開2004−158124号公報 特開2004−22143号公報 特開2005−174490号公報 特開平6−31241号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、透明あて板を大気中で樹脂に押し当てる場合、透明あて板と樹脂との間に大気が含まれてしまう。特許文献1では、透明あて板を真空中で樹脂に押し当てることも記載されているが、真空中で透明あて板を押し当てた場合、その押圧力により、基板の外周側の樹脂がはみ出してしまう可能性がある。また、真空中で透明あて板を押し当てた状態を長時間維持していると、真空脱泡後に樹脂の内部から発生してくるアウトガスによる気泡が増大するため、そのまま硬化させると気泡は残留してしまう。
また、特許文献2の技術では、紫外線硬化型フィルムを使用するため、フィルムに残留するバリ等による貼り合せ不良が生じる可能性がある。また、フィルムを貼り合せ位置まで搬送する作業や、粘着膜付のフィルムを剥離する作業のために、複雑な機構が必要となる。さらに、一般的に使用されるフィルムは、スピンコート用の樹脂に比べて高価であるため、製品コストが高くなるという問題もある。結局、特許文献2の技術は、スピンコートに比べて不利である。たとえスピンコートした樹脂を、特許文献2の平滑基板により押圧したとしても、上記の特許文献1と同様の問題が生じることになる。
また、特許文献3の技術では、振動によって得られる平坦の程度は低く、平板の押し付けによる場合に比較して、平坦面を得るのは困難であり、処理時間もかかる。特許文献4の技術では、基板を真空引きした雰囲気中に置くことにより、塗布液の内部から生じる気泡は、その表面から外部へ出て行くが、その際の気泡痕は残るため、表面を平坦にすることは困難である。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、気泡がなく平坦で均一な樹脂層を、短時間に効率よく形成できる樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置を提供することにある。
上記のような目的を達成するため、請求項1の発明は、基板に樹脂層を形成する樹脂層形成方法において、基板上に樹脂を供給し、基板を回転させることにより、基板上の樹脂を展延し、樹脂が展延された基板の周囲を真空とし、基板に対して対向配置された接触部が有する平滑な平坦面を、基板上に展延された樹脂に対して、真空中で接触させると同時若しくは接触直後に、真空破壊を行うことを特徴とする。
請求項4の発明は、基板に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、基板上に樹脂を供給する供給部と、基板を回転させることにより、基板上の樹脂を展延させる展延部と、樹脂を展延された基板の周囲を真空とする減圧部と、基板に対向して配置され、平滑な平坦面を有し、前記平坦面が基板上に展延された樹脂に接離可能に設けられた接触部と、基板に展延された樹脂に、真空中で前記接触部の平坦面が接触すると同時に若しくは前記接触部の接触直後に、減圧部の真空破壊を行う開閉手段と、を有することを特徴とする。
以上のような請求項1及び4の発明では、樹脂が展延された基板の周囲を真空とすることにより、樹脂の表面から気泡が排出されて行く。樹脂は回転により薄く展延されているので、気泡は排出され易い。そして、樹脂の表面に接触部の平坦面を接触させることにより、気泡痕が平坦にならされる。これと同時に、若しくはその直後に真空破壊を行うと、樹脂の周囲から気圧が加わるので、樹脂のはみ出しが防止され、内部から発生する気泡が圧縮、縮小される。
請求項2の発明は、請求項1の樹脂層形成方法において、真空破壊後、前記接触部の平坦面が樹脂に接触した状態で、樹脂を硬化させることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の樹脂層形成装置において、真空破壊後、前記接触部の平坦面が前記樹脂に接触した状態で、前記樹脂を硬化させる硬化手段を有することを特徴とする。
以上のような請求項2及び5の発明では、樹脂表面が接触部によって平坦にされ、気圧によって樹脂内の気泡が縮小化された状態で、樹脂が硬化するので、表面の平坦化、均一化と、残留気泡の減少を実現できる。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5の樹脂層形成装置において、前記接触部を、前記平坦面が樹脂へ接離する方向へ駆動する駆動部と、前記駆動部及び前記開閉手段の作動を制御する制御装置と、を有することを特徴とする。
以上のような請求項6の発明では、複雑な機構を必要とせずに、接触部が樹脂に接触するタイミングと開閉手段による真空破壊のタイミングとが、同時若しくは短時間となるように設定することによって、樹脂層の平坦化と気泡の低減を実現できる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の樹脂層形成方法において、前記基板の周囲の圧力が、平衡状態後の低下状態にあることを検出し、検出された低下状態において、前記接触部の平坦面を樹脂に接触させることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項4又は請求項5の樹脂層形成装置において、前記基板の周囲の圧力が、平衡状態後の低下状態にあることを検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された低下状態において、前記接触部の平坦面が樹脂に接するように、前記接触部を駆動する駆動部と、を有することを特徴とする。
以上のような請求項3及び7の発明では、圧力の低下過程では、ある圧力において樹脂内にアウトガスが生じることにより、圧力は平衡状態となる。そして、アウトガスがある程度排出されると、その圧力ではアウトガスが出なくなり、圧力が低下し始める。このとき、接触部を樹脂に接触させるので、アウトガスによる気泡が存在しない最適の状態で、樹脂表面を平坦化させることができる。
以上、説明したように、本発明によれば、気泡がなく平坦で均一な樹脂層を、短時間に効率よく形成できる樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[構成]
まず、本実施形態の構成を、図1〜9を参照して説明する。なお、本実施形態は、射出成型されて記録層が形成された基板に、保護用の樹脂層を形成する装置であり、基板の成型や記録層の形成のための装置、本実施形態に基板を搬入、搬出する装置等については、公知のあらゆる技術を適用可能であるため、説明を省略する。
すなわち、本実施形態は、図1〜5に示すように、スピンコートにより基板Sに樹脂を塗布するための塗布部1、基板Sに塗布された樹脂にUVを照射して硬化させる硬化部2を有している。
塗布部1は、図1〜3に示すように、ターンテーブル11と塗布ノズル12を有している。ターンテーブル11は、基板S上の樹脂Rを展延するための展延部であり、基板Sが載置され、図示しない駆動源により回転可能に構成されている。塗布ノズル12は、基板S上に樹脂Rを供給するための供給部であり、図示しないタンクから紫外線硬化型の樹脂Rを基板S上に滴下できるように構成されている。この塗布ノズル12は、図示しない駆動機構によって移動可能に設けられ、基板Sの内縁の周囲に位置決め可能となっている。
硬化部2は、図4及び図5に示すように、土台部21、真空チャンバー22、配管23、排気弁24、真空ポンプ25、真空計26、ベント弁27、プレート28及びUV照射装置29を有している。土台部21は、塗布部1において樹脂Rが展延された基板Sが載置される台である。この土台部21の基板Sの載置面は、平坦面となっている。なお、土台部21は、例えば、アクリルや石英ガラスなど、紫外線を透過する材質で形成されている。
真空チャンバー22は、土台部21を覆い、基板Sの周囲の空間を密閉できる部材である。この真空チャンバー22は、配管23を介して排気弁24及び真空ポンプ25に接続され、密閉した時に真空ポンプ25の排気により減圧される減圧部を構成している。また、配管23には、圧力を検出する真空計26及び開閉手段であるベント弁27が接続されている。
プレート28は、下面が平坦で平滑な部材であり、その下面が基板S上の樹脂Rに接離可能に設けられた接触部である。つまり、接触部(プレート28)は、下面が平坦で平滑であり、基板S上の樹脂Rに接離可能に設けられた部材である。なお、真空チャンバー22及びプレート28は、それぞれ図示しない昇降機構によって、昇降可能に設けられている。さらに、UV照射装置29は、土台部21の下方からUVを照射して、基板S上の樹脂Rを硬化させる硬化手段である。
ターンテーブル11、塗布ノズル12、真空チャンバー22、排気弁24、真空ポンプ25、ベント弁27、プレート28、UV照射装置29等の動作タイミングの制御は、あらかじめ設定された時間、真空計26からの信号等に基づいて、それぞれを動作させる機構を制御装置によって制御することにより行われる。この制御装置は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって実現できる。従って、以下に説明する手順で本装置の動作を制御するためのコンピュータプログラム及びこれを記録した記録媒体も、本発明の一態様である。
[作用]
上記のような構成を有する本実施形態の作用を、図1〜6の構成図とともに、図7のフローチャート、図8のタイムチャートを参照して説明する。まず、図1に示すように、基板Sをターンテーブル11に載置する。そして、図2に示すように、基板Sの内径近傍に、塗布ノズル12を移動させ、樹脂Rを滴下しながら低速回転させることにより、リング状に樹脂Rを塗布する。さらに、図3に示すように、ターンテーブル11を高速回転させて、塗布された樹脂Rを、遠心力により展延させる(スピンコート)。
次に、図4に示すように、樹脂Rが展延された基板Sを、土台部21上に搬入する(ステップ701)。そして、図5に示すように、真空チャンバー22を下降させて、土台部21上の基板Sを覆う(ステップ702)。このように基板Sの周囲を密閉した状態で、真空ポンプ25を作動させて排気弁24を開くことにより、真空チャンバー22内の減圧を開始する(ステップ703)。基板Sの搬入から真空チャンバー22の下降、排気弁24の開放までの時間は、例えば、図8に示すように、約0.2秒である。
真空計26により、真空チャンバー22内の圧力が設定値以下になったことが検出された場合には、真空状態になったことを示す信号(ON)が、制御装置に出力される(ステップ704)。このとき、排気弁24を閉じると同時に、プレート28を下降させる(ステップ705)。図5に示すように、プレート28の下面が、基板S上の樹脂Rに接触した場合には(ステップ706)、プレート28を停止する(ステップ707)。排気弁24の閉止及びプレート28の下降開始から、プレート28の停止までの時間は、例えば、図8に示すように、約0.1秒である。
なお、スピンコート時には、樹脂Rは薄く延ばされている。このため、樹脂R内の気泡は、真空チャンバー22内の減圧開始とともに、外部に排出されて、表面から消失する。このときに残る気泡痕は、プレート28の下面との接触によって、平坦にならされる。
このようにプレート28が樹脂Rに接すると即座に、ベント弁27が開放され、真空破壊が行われる(ステップ708)。すると、プレート28と接触している樹脂Rには、上下のみならず、外周からも気圧がかかり、これにより内部に発生するアウトガスによる気泡が圧縮され、縮小していく。プレート28の樹脂Rへの接触からベント弁27の開放までの時間は、非常に短く、例えば、図8に示すように、約0.01秒である。
そして、プレート28が樹脂Rに接触している状態で、UV照射装置29によりUVを照射する(ステップ709)。これにより、図6に示すように、樹脂Rが硬化して、樹脂層が形成される。ベント弁27の開放からUVの照射開始までは、例えば、図8に示すように、約0.1秒である。その後、プレート28及び真空チャンバー8を上昇させて、基板Sを次工程へ搬出する(ステップ710)。
[効果]
以上のような本実施形態によれば、プレート28と樹脂Rとの接触による気泡痕の平坦化後、瞬時に大気開放することによって、真空状態継続による気泡発生時間を極力短くして、気圧による気泡の縮小、消滅を行うことができる。プレート28の圧力ではなく、外周を含めた全方位から加わる気圧によって、気泡を圧縮させることができるため、外周への樹脂Rのはみ出しもない。
従って、特に、粘度の高い樹脂Rをスピンコートさせた場合には、外周への隆起や気泡の巻き込み、回収した樹脂R内への気泡の残留が生じやすいが、本実施形態では、最終的に形成される樹脂層を平坦且つ均一にできるとともに、気泡を大幅に低減させることができる。真空中に長時間置くこともないので、アウトガスをほとんど生じさせず、変質も防止できるので、高品位な樹脂層とすることが可能となる。
プレート28の接触タイミングとベント弁27の開動作タイミングとを制御することによって、樹脂Rの平坦化、均一化と、気泡の低減を図ることができるので、複雑な機構を必要としない。さらに、真空引きから真空破壊、硬化までの時間が、非常に短いので、短時間で効率よく樹脂層を形成することができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。例えば、各部の動作タイミングは、図8のタイムチャートで例示したものには限定されない。真空チャンバーの容量、真空ポンプの性能、真空チャンバー及びプレートの駆動機構等により、排気時間、真空チャンバー及びプレートの昇降時間等は異なる。なお、「真空」とは、完全な真空を意味するのではなく、一般的な真空チャンバー内に実現可能な減圧状態を含む広い概念である。
また、接触部の樹脂への接触のタイミングと開閉手段の開放タイミングとの関係は、同時であってもよいし、非常に短い間隔であってもよい。例えば、1秒以内とすれば、気泡の低減にとって特に有効である。但し、1秒よりも長時間であっても、「ほぼ同時」、「直後に」、「即座に」、「瞬時に」といえる程度の時間であれば、気泡の低減効果は得られる。
また、真空計、圧力計等の検出手段による検出値が所定の値となった場合に、接触部を樹脂に接触させてもよいし、真空引きを開始してから所定の時間が経過した場合に、真空になったとして接触部を樹脂に接触させてもよい。また、接触部の接触をセンサ等により検出した場合に、真空破壊を行ってもよいし、接触部が所定時間若しくは所定量下降した場合に、樹脂に接触したとして真空破壊を行ってもよい。
さらに、検出手段により検出される圧力に基づいて、接触部の接触タイミングを、最適化することも可能である。例えば、図9に示すように、真空ポンプによる真空チャンバー内の減圧過程で、一定圧力になると、樹脂の内部から一定時間、アウトガスが発生する(図中、(1)に示す)。
その後、その圧力ではアウトガスは出なくなり、また圧力が低下し始める(図中(2)に示す)。従って、この(2)の状態で、接触部を樹脂に接触させると、アウトガスによる気泡がない状態で、樹脂表面の平坦化が可能となる。
そこで、真空チャンバー内の圧力を検出する検出手段として、上記のような平衡状態後の圧力の低下を検出できる手段を設ける。具体例としては、dPa/dtにより演算される微分値と、あらかじめ設定された基準値に基づいて、低下傾向を判定し、低下状態となった場合にパルス信号を出力するセンサとすることが考えられる。このセンサからの信号に基づいて、制御装置に設定された指示部が、プレートの駆動機構に下降指示を出力する。
なお、圧力を検出するセンサからの検出値に基づいて、演算部による演算により求めた上記の値と、あらかじめ記憶部に記憶された基準値とを比較して、判定部が低下傾向を判定し、指示部が下降指示を出力するという処理を、これらの各部を実現する制御装置によって実行する構成としてもよい。このような手法によって、気泡の最も少ない最適なタイミングでの制御が可能となる。
開閉手段の開放から紫外線の照射までの時間は、既に真空破壊がなされ、樹脂に気圧が加わっている状態なので、比較的長時間放置することにより、気泡低減を図ってもよい。例えば、約0.1〜20秒としてもよいし、これより長くしてもよい。
また、接触部の平坦面は、樹脂に対する剥離性の高いものであることが望ましいが、特定の材質には限定されない。接触部側を可動としても、土台部側を可動としても、双方を可動としてもよい。また、樹脂に対する紫外線の照射方向は、上方、下方及び横方向のいずれかからでもよい。このため、例えば、接触部を透過性のある材質として上方から照射してもよいし、透過性のある材質を用いずに、樹脂の側面側から照射してもよい。さらに、上記の実施形態では、塗布部と硬化部とを別に構成したが、同一箇所において実現してもよい。
また、樹脂の種類も、特定のものには限定されない。紫外線硬化型でも熱硬化型でもよいし、1液とするか2液硬化型とするかも自由である。樹脂を硬化させるための手段は、樹脂の種類にもよるが、紫外線照射部、赤外線照射部、ヒータ(温風によるものも含む)等のいずれであってもよい。
基板についても、その大きさ、形状、材質等は自由であり、将来において採用されるあらゆるものに適用可能である。従って、BDやHVDを初めとするあらゆる規格の記録媒体用のディスクに適用可能である。また、記録媒体であるディスクばかりでなく、液晶や有機EL用の基板等、あらゆる基板に適用することができる。つまり、請求項に記載の「基板」は、円盤状等には限定されず、平面状の製品を広く含む概念である。
本発明の一実施形態の塗布部への基板載置状態を示す縦断面図である。 図1の実施形態の基板への樹脂の滴下状態を示す縦断面図である。 図1の実施形態の基板への樹脂の展延状態を示す縦断面図である。 図1の実施形態の基板の硬化部への搬入状態を示す縦断面図である。 図1の実施形態の基板上の樹脂の硬化状態を示す縦断面図である。 図1の実施形態により形成された基板上の樹脂層を示す縦断面図である。 図1の実施形態における基板上の樹脂の硬化手順を示すフローチャートである。 図1の実施形態における基板上の樹脂の硬化タイミングを示すタイムチャートである。 本発明の他の実施形態における真空チャンバー内の圧力低下と時間との関係を示す説明図である。 従来の基板上への樹脂層の形成過程を示す説明図である。 従来のスピンコート時の樹脂の回収方法を示す説明図である。
符号の説明
1…塗布部
2…硬化部
11…ターンテーブル
12…塗布ノズル
21…土台部
22…真空チャンバー
23…配管
24…排気弁
25…真空ポンプ
26…真空計
27…ベント弁
28…プレート
29…UV照射装置

Claims (7)

  1. 基板に樹脂層を形成する樹脂層形成方法において、
    基板上に樹脂を供給し、
    基板を回転させることにより、基板上の樹脂を展延し、
    樹脂が展延された基板の周囲を真空とし、
    基板に対して対向配置された接触部が有する平滑な平坦面を、基板上に展延された樹脂に対して、真空中で接触させると同時若しくは接触直後に、真空破壊を行うことを特徴とする樹脂層形成方法。
  2. 真空破壊後、前記接触部の平坦面が樹脂に接触した状態で、樹脂を硬化させることを特徴とする請求項1記載の樹脂層形成方法。
  3. 前記基板の周囲の圧力が、平衡状態後の低下状態にあることを検出し、
    検出された低下状態において、前記接触部の平坦面を樹脂に接触させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の樹脂層形成方法。
  4. 基板に樹脂層を形成する樹脂層形成装置において、
    基板上に樹脂を供給する供給部と、
    基板を回転させることにより、基板上の樹脂を展延させる展延部と、
    樹脂を展延された基板の周囲を真空とする減圧部と、
    基板に対向して配置され、平滑な平坦面を有し、前記平坦面が基板上に展延された樹脂に接離可能に設けられた接触部と、
    基板に展延された樹脂に、真空中で前記接触部の平坦面が接触すると同時に若しくは前記接触部の接触直後に、減圧部の真空破壊を行う開閉手段と、
    を有することを特徴とする樹脂層形成装置。
  5. 真空破壊後、前記接触部の平坦面が前記樹脂に接触した状態で、前記樹脂を硬化させる硬化手段を有することを特徴とする請求項4記載の樹脂層形成装置。
  6. 前記接触部を、前記平坦面が樹脂へ接離する方向へ駆動する駆動部と、
    前記駆動部及び前記開閉手段の作動を制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の樹脂層形成装置。
  7. 前記基板の周囲の圧力が、平衡状態後の低下状態にあることを検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された低下状態において、前記接触部の平坦面が樹脂に接するように、前記接触部を駆動する駆動部と、
    を有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の樹脂層形成装置。
JP2007116446A 2007-04-26 2007-04-26 樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置 Active JP4857175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007116446A JP4857175B2 (ja) 2007-04-26 2007-04-26 樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007116446A JP4857175B2 (ja) 2007-04-26 2007-04-26 樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008276824A JP2008276824A (ja) 2008-11-13
JP4857175B2 true JP4857175B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=40054608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007116446A Active JP4857175B2 (ja) 2007-04-26 2007-04-26 樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4857175B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010136697A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Kyodo Printing Co Ltd 燻煙剤充填容器及びその製造方法
JP5672652B2 (ja) * 2009-03-17 2015-02-18 凸版印刷株式会社 半導体素子用基板の製造方法および半導体装置
KR101834321B1 (ko) * 2015-07-24 2018-03-05 주식회사 알피이 두께 균일도 향상을 위한 인쇄용 블랭킷 제조 장치 및 인쇄용 블랭킷 제조 방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000315338A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Shibaura Mechatronics Corp ディスク製造装置及び方法
JP2004022143A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Sony Disc Technology Inc 光ディスク、光ディスクの製造方法および製造装置
JP2004158124A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 ▲らい▼徳科技股▲ふん▼有限公司 ディスクのカバー層の作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008276824A (ja) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4506987B2 (ja) エネルギ線硬化型樹脂の転写方法、転写装置及びディスクまたは半導体デバイス
JPWO2005118159A1 (ja) 樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置、ディスク及びディスク製造方法
JP4857175B2 (ja) 樹脂層形成方法及び樹脂層形成装置
JP4831796B2 (ja) 貼合方法及び貼合装置
TWI384476B (zh) Fitting method and fitting device
WO2008038414A1 (en) Bonding method and bonding apparatus
JP2007519160A (ja) スピンコーティング用のターンテーブル装置
JP4237231B2 (ja) ディスク製造方法
JP2009245498A (ja) 転写装置及び転写方法
JP2009032312A (ja) 真空転写装置、真空転写方法
JP4440726B2 (ja) 貼合装置及び貼合方法並びに貼合装置制御用プログラム
JP2010067336A (ja) 真空転写装置、真空転写方法
JP4648081B2 (ja) 貼合装置及び貼合方法
JP4509014B2 (ja) 基板貼合装置
JP4421973B2 (ja) 貼合装置及び貼合方法並びに貼合装置制御用プログラム
JP2008293575A (ja) 樹脂層形成装置及び樹脂層形成方法
JP4467509B2 (ja) 基板貼合装置
JPH11283287A (ja) 貼り合わせ型ディスクの製造方法およびそれに用いる貼り合わせ処理装置
JP2007242164A (ja) 樹脂層形成装置及び樹脂層形成方法
JP2006048828A (ja) ディスク貼り合わせ方法および光ディスク製造装置
JP2008293576A (ja) 樹脂層形成装置
JP4633515B2 (ja) 貼合装置及び貼合方法
JP2006069036A (ja) 板状物の貼合装置及び貼合方法
JP2002074759A (ja) 光ディスク貼り合わせ方法および装置
JP2001266418A (ja) 光ディスク用基板の貼り合わせ方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111031

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4857175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150