JP4857148B2 - 安定同位体濃度の分析方法 - Google Patents
安定同位体濃度の分析方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4857148B2 JP4857148B2 JP2007050075A JP2007050075A JP4857148B2 JP 4857148 B2 JP4857148 B2 JP 4857148B2 JP 2007050075 A JP2007050075 A JP 2007050075A JP 2007050075 A JP2007050075 A JP 2007050075A JP 4857148 B2 JP4857148 B2 JP 4857148B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- peak
- concentration
- matrix
- solution
- alkali metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
Description
(7)分子イオンピークは出現するものの、試料及びマトリックス中の微量不純物、装置由来のノイズピーク等が多く(前記非特許文献2参照)、互いに同位体である核種の濃度が同等でなく、一方のピークが他方のピークより非常に小さなケースにおいては、そのピークが前述のノイズピークに埋もれてしまうため、高精度な同位体濃度の決定に要求される質の高い、つまりは、目的とする分子イオンピークのみの強度が非常に大きく、他の不要なピークが極力抑制されたマススペクトルを得ることが困難であるという問題があった。
(8)そのピークより高精度に同位体濃度を算出することに耐えうるまでの効果は得られてはいない。
(9)メインピークの高質量数側(特に1MASS又は2MASSだけ高質量数側)に不要なピークが出現しても、一種類の元素が13C、2H、15N及び17O又は18Oにて高濃度に標識された化合物の分析では影響を受けないのに対し、一種類の元素が13C、2H、15N及び17O又は18Oにて50atom%以下の低濃度に標識された化合物の分析では、同位体分析の精度への影響が大きく、高精度な分析の妨げとなっていた。
まず、マトリックスとして高純度のグリセロールを使用するとともに、溶媒として超純水製造装置にて製造した超純水使用し、室温にて体積比がグリセロール:超純水=1:9となるように混合した後、良く撹拌して均一なマトリックス溶液とした。試料には、グリシン、セリン、ヒスチジン及びトリプトファンの4種のアミノ酸を使用した。これらのアミノ酸は、いずれも分子内の窒素原子を約4atom%程度、15Nにて標識したものである。これらの試料は、分子内の窒素原子をすべて高純度に15Nにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の15N濃度から厳密に算出した各試料の正確な15N濃度は、グリシン:4.03atom%、セリン:4.07atom%、ヒスチジン:4.03atom%、トリプトファン:4.11atom%である。
マトリックスとして高純度のグリセロールを、溶媒として超純水製造装置にて製造した超純水をそれぞれ使用し、室温にて体積比がグリセロール:超純水=1:7とした溶液Aと、グリセロール:超純水=1:11とした溶液Bとをマトリックス溶液として使用した。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
マトリックスとして高純度のグリセロールを、溶媒としてエタノールを使用し、室温にて体積比がグリセロール:エタノール=1:9となるように混合してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のグリシン及びトリプトファンの2種のアミノ酸を使用した。
比較例1で作成したマトリックス溶液(溶液C)に、1N塩酸水溶液を体積比で溶液C:塩酸水溶液=6:1となるように添加してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
前記溶液Cに2N塩酸水溶液を体積比が溶液C:塩酸水溶液=6:1となるように添加したマトリックス溶液と、前記溶液Cに1N硝酸水溶液を体積比が溶液C:硝酸水溶液=6:1となるように添加したマトリックス溶液とを使用した。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
前記溶液Cに1N塩酸水溶液及び1N塩化ナトリウム水溶液を体積比が溶液C:塩酸水溶液:塩化ナトリウム水溶液=6:1:1となるように添加してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のセリン、ヒスチジン及びトリプトファンの3種のアミノ酸を使用した。
前記溶液Cに1N塩酸水溶液と2N塩化ナトリウム水溶液とを体積比が溶液C:塩酸水溶液:塩化ナトリウム水溶液=6:1:1となるように添加したマトリックス溶液と、前記溶液Cに1N塩酸水溶液と1N塩化カリウム水溶液とを体積比が溶液C:塩酸水溶液:塩化カリウム水溶液=6:1:1となるように添加したマトリックス溶液とを使用した。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
実施例1と同じマトリックス溶液を使用し、試料には、分子内の炭素原子を約3atom%程度、13Cにてそれぞれ標識したグリシン、セリン、ヒスチジン及びトリプトファンの4種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の炭素原子をすべて高純度に13Cにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の13C濃度から厳密に算出した各試料の正確な13C濃度は、グリシン:3.02atom%、セリン:3.08atom%、ヒスチジン:3.04atom%、トリプトファン:3.08atom%である。
試料として、分子内の水素原子を約5atom%程度、2Hにて標識したグリシン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の水素原子をすべて高純度に2Hにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の2H濃度から厳密に算出した各試料の正確な2H濃度は、グリシン:5.05atom%、ヒスチジン:5.01atom%である。
試料として、分子内の酸素原子を約2atom%程度。17Oにて標識したセリン及びトリプトファンの2種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の酸素原子をすべて高純度に17Oにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の17O濃度から厳密に算出した各試料の正確な17O濃度は、セリン:2.13atom%、トリプトファン:2.35atom%である。
試料として、分子内の酸素原子を約10atom%程度、18Oにて標識したヒスチジン及びトリプトファンの2種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の酸素原子をすべて高純度に18Oにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の18O濃度から厳密に算出した各試料の正確な18O濃度は、ヒスチジン:10.31atom%、トリプトファン:9.85atom%である。
マトリックスとしてチオグリセロールを、溶媒として純水を使用し、これらを体積比で1:9に混合した溶液に、1N塩酸水溶液及び1N塩化ナトリウム水溶液を実施例1と同じ体積比で添加混合してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
Claims (6)
- 同位体標識率が50atom%以下の低濃度標識試料を質量分析することによって試料中の安定同位体濃度を分析する方法において、質量分析する際の試料のイオン化方法としてFAB法を採用するとともに、該FAB法で使用するマトリックスを溶媒に溶解したマトリックス溶液に酸水溶液とアルカリ金属イオン含有水溶液とを混合して質量分析を行い、該質量分析から得られたピークの中で、最も存在確率が高い分子にアルカリ金属が付加したアルカリ金属イオン付加分子イオンの第1のピークと、その次に存在確率が高いアルカリ金属イオン付加分子イオンのピークであって、かつ、前記第1のピークの1質量数だけ高質量数側に出現する第2のピークとの強度比から安定同位体濃度を算出することを特徴とする安定同位体濃度の分析方法。
- 前記第1のピークとの強度比を求める前記第2のピークは、標識が18Oのときには第1のピークの1質量数だけ高質量数側に出現するピークに代えて、第1のピークの2質量数だけ高質量数側に出現するピークを用いることを特徴とする請求項1記載の安定同位体濃度の分析方法。
- 前記マトリックスは、グリセロール、チオグリセロール、3−ニトロベンジルアルコール、ジチオスレイトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの少なくともいずれか1種を主成分とするものであることを特徴とする請求項1又は2記載の安定同位体濃度の分析方法。
- 前記溶媒は、純水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、N,N’−ジメチルホルミアミドの少なくともいずれか1種を主成分とするものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の安定同位体濃度の分析方法。
- 前記酸水溶液の酸は、塩酸、硝酸、硫酸の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項4記載の安定同位体濃度の分析方法。
- 前記アルカリ金属含有水溶液のアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウムの少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の安定同位体濃度の分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007050075A JP4857148B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 安定同位体濃度の分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007050075A JP4857148B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 安定同位体濃度の分析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008215863A JP2008215863A (ja) | 2008-09-18 |
JP4857148B2 true JP4857148B2 (ja) | 2012-01-18 |
Family
ID=39836087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007050075A Expired - Fee Related JP4857148B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 安定同位体濃度の分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4857148B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109283240A (zh) * | 2018-11-06 | 2019-01-29 | 中国农业科学院农产品加工研究所 | 鉴别玛咖产地的方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6243562A (ja) * | 1985-08-21 | 1987-02-25 | Shimadzu Corp | レ−ザイオン化質量分析計用試料作成方法および試料ホルダ |
JPH09113485A (ja) * | 1995-10-18 | 1997-05-02 | Tokyo Kasei Kogyo Kk | 新規なfabms用マトリックス |
JP2000180413A (ja) * | 1998-12-11 | 2000-06-30 | Lion Corp | イオン化補助剤及び物質のイオン化方法 |
JP4426365B2 (ja) * | 2004-04-14 | 2010-03-03 | 株式会社島津製作所 | 糖タンパク質構造解析手法 |
JP2006003167A (ja) * | 2004-06-16 | 2006-01-05 | Shimadzu Corp | 生体試料分析用質量分析装置 |
US7256394B2 (en) * | 2004-09-24 | 2007-08-14 | Agilent Technologies, Inc. | Target support and method |
WO2007025348A1 (en) * | 2005-09-02 | 2007-03-08 | Australian Nuclear Science & Technology Organisation | An isotope ratio mass spectrometer and methods for determining isotope ratios |
JP4800048B2 (ja) * | 2006-01-31 | 2011-10-26 | 株式会社住化分析センター | 同位体含有率の測定方法 |
JP4878998B2 (ja) * | 2006-11-24 | 2012-02-15 | 大陽日酸株式会社 | 安定同位体濃度の分析方法 |
-
2007
- 2007-02-28 JP JP2007050075A patent/JP4857148B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008215863A (ja) | 2008-09-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Han et al. | Metabolomic analysis of key central carbon metabolism carboxylic acids as their 3‐nitrophenylhydrazones by UPLC/ESI‐MS | |
Kondrat et al. | Multiple reaction monitoring in mass spectrometry/mass spectrometry for direct analysis of complex mixtures | |
JP4800048B2 (ja) | 同位体含有率の測定方法 | |
Ennis et al. | A hollow cathode proton transfer reaction time of flight mass spectrometer | |
Song et al. | Negative ion-atmospheric pressure photoionization: electron capture, dissociative electron capture, proton transfer, and anion attachment | |
Witkowski et al. | Analysis of α‐acyloxyhydroperoxy aldehydes with electrospray ionization–tandem mass spectrometry (ESI‐MSn) | |
Trötzmüller et al. | Characteristics and origins of common chemical noise ions in negative ESI LC–MS | |
JP5227556B2 (ja) | 分析装置 | |
Hanousek et al. | The performance of single and multi-collector ICP-MS instruments for fast and reliable 34 S/32 S isotope ratio measurements | |
Zhang et al. | Hybrid triple quadrupole‐linear ion trap mass spectrometry in fragmentation mechanism studies: application to structure elucidation of buspirone and one of its metabolites | |
JP4878998B2 (ja) | 安定同位体濃度の分析方法 | |
JP4857148B2 (ja) | 安定同位体濃度の分析方法 | |
US4529879A (en) | Process for the determination of isotopes by mass spectrometry | |
Duderstadt et al. | Effect of organic mobile phase composition on signal responses for selected polyalkene additive compounds by liquid chromatography–mass spectrometry | |
Revel’skii et al. | Atmospheric pressure photoionization mass spectrometry: new capabilities for the determination of the numbers of components in complex mixtures and their identification | |
GB2120007A (en) | Isotope determination by mass spectrometry | |
Somoano-Blanco et al. | Comparison of different mass spectrometric techniques for the determination of polychlorinated biphenyls by isotope dilution using 37 Cl-labelled analogues | |
Yu et al. | An ultraperformance liquid chromatography–tandem mass spectrometry method for determination of anastrozole in human plasma and its application to a pharmacokinetic study | |
Esaka et al. | Preparation of N 2-Ethyl-2′-deoxyguanosine-d 4 as an Internal Standard for the Electrospray Ionization–Tandem Mass Spectrometric Determination of DNA Damage by Acetaldehyde | |
Verenchikov et al. | A soft ionization method for semivolatile compounds | |
Risby et al. | Isobutane chemical ionization mass spectra of lanthanide perfluorinated. beta.-diketonates | |
Santamaria-Fernandez | Precise and traceable carbon isotope ratio measurements by multicollector ICP-MS: what next? | |
JP5371452B2 (ja) | 質量分析方法 | |
Alage et al. | A Nitrate Ion Chemical Ionization Atmospheric Pressure interface Time-of-Flight Mass Spectrometer (NO 3− ToFCIMS): calibration and sensitivity study | |
WO2019054325A1 (ja) | 質量分析方法と質量分析装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111019 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111025 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111031 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |