JP4857148B2 - 安定同位体濃度の分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安定同位体濃度の分析方法に関し、詳しくは、安定同位体均一標識アミノ酸等の難揮発性であり、かつ、分子内の炭素、水素、窒素及び酸素の内、一種類の元素が13C、H、15N及び17O又は18Oにて50atom%以下の低濃度に標識され、その標識された元素の同位体濃度を決定するための安定同位体濃度の分析方法に関する。
現在、化合物中の特定の元素の同位体標識率を求めるには、質量分析や赤外分光が利用されている。具体的には、質量分析では、前処理した試料あるいは未処理のままの試料をGCMS(Gas Chromatography Mass Spectrometry)、LCMS (Liquid Chromatography Mass Spectrometry)、IRMS (Isotope Ratio Mass Spectrometry)等の質量分析装置で測定し、分子イオンピークと質量数+α(αは互いに同位体である2つの核種の質量数の差)とのピーク比、あるいは、特定のフラグメントイオンと質量数+αとのピーク比が、互いに同位体である核種の存在比に等しいことから同位体濃度(同位体標識率)が求められる。GCあるいはLCと組み合わせて質量分析を行うことで、混合物中の特定の化合物の同位体濃度を求めることもできる。
特にIRMSの場合は、CO、N、O、SOといったガスサンプルに特化した質量分析を行い、それぞれの元素の同位体濃度を求める。サンプルがCO、N、O、SO以外の場合は、先ず、CO、N、O、SOへのガス化が必要である。ガス化の方法は、IRMSに接続された燃焼器での燃焼によりCO、NO、O、SOを、さらに還元により、NOからNを得る燃焼法や、脱炭酸等の化学的な前処理によりCO、N、O、SOを得る方法等がある。IRMSはGCとの組み合わせが可能であり、さらに前述のガス化:燃焼法と組み合わせた方法は、GC−C−IRMS (GC Combustion Isotope Ratio Mass Spectrometry)と呼ばれている。
赤外分光では、CO、CHの炭素同位体の分析についてのみ既存技術が存在する。例えば、COの場合、12CO及び13COのそれぞれの固有波長の光吸収の強度比を測定することで同位体比を分析する(例えば、特許文献1参照。)。
また、同位体分析、特に水素、炭素、窒素、酸素等の軽元素の同位体分析では、装置内での質量分別効果(装置内での質量分別効果を特に質量差別効果という。)が大きく、同位体組成の絶対値を決定するのが難しい。このため、同位体比をある標準物質からの相対偏差で議論する場合が多い(相対法)。また、安定同位体質量分析法では、質量分析時だけでなく、試料処理及び分析元素の抽出、さらには妨害元素の除去の際に分析元素が同位体分別を受ける。したがって、未知試料と標準物質とを可能な限り同じ条件下で分析することが重要となる。未知試料と同位体標準との分析条件をできるだけそろえるために、同一形状・同一サイズの試料導入系が二対備わった装置、いわゆるデュアルインレット方式が用いられ、また試料と標準試料は交互に測定される(例えば、非特許文献1参照。)。軽元素の高精度同位体分析は、このデュアルインレット方式での相対法と前述のIRMSとの組み合わせで行うことが多く、特に試料がアミノ酸等の難揮発性物質の場合には、前処理として燃焼法を併用したIRMSが利用されている。
一方、アミノ酸等の熱分解性・難揮発性物質の質量分析として、イオン化方法にFAB法(Fast Atom Bombardment=高速原子衝撃法)を使用する方法が知られている。FAB法では、試料をグリセロール等の粘性のある有機化合物(マトリックス)と混合し、その溶液にキセノンやアルゴン等の原子を衝突させてイオン化を行う。マトリックスとしは、グリセロール、チオグリセリン、3−ニトロベンジルアルコール等が実用的なマトリックスとして知られており、試料の性質に合わせてマトリックスを選定することが質の高いマススペクトルを得る上で、非常に重要な要因であると言える(例えば、非特許文献2参照。)。
しかし、いずれのマトリックスも非常に粘性の高い物質であり、試料が固体試料の場合、それを直接マトリックスと混合しても、均一な試料溶液を得ることは困難であるため、通常、試料とマトリックスとの混合は、両者が溶解する溶媒を介して行われることが多い(以下、試料及びマトリックスが溶解する溶媒とマトリックスを混合したものをマトリックス溶液という。)。また、FAB法は、最も一般的なイオン化方法であるEI法(Electron Ionization)と比較するとイオン化の機構がソフトであり、分子イオン(正確にはプロトン化分子イオン:[M+H]や脱プロトン化分子イオン:[M−H]、以下同様)が出現しやすいといった特徴がある。イオン化により生成するイオンの内、フラグメントイオンは、分子内の特定の部位に関する情報のみを与える。一方、分子イオンは、分子全体にわたる情報を与えてくれる。つまり、分子イオンでは、分子内のどの部分の元素を特定の同位体に標識しても、その情報が反映される。このためFAB法は、同位体標識率が不明な物質に対し、その同位体標識率を求めるための手段としては、汎用性があり、優れた方法であるといえる。
また、FAB法では、マトリックス溶液中にNaやKといったアルカリ金属のイオンが存在すると、分子イオンだけでなく、アルカリ金属イオンが付加したナトリウムイオン付加分子イオン:[M+Na]やカリウムイオン付加分子イオン:[M+K]が出現する(試料の分子量+23や+40の質量数にピークが出現する。)ことが知られている。
このように、アミノ酸等の難揮発性物質の同位体分析では、燃焼法を併用したIRMSが用いられることが一般的ではあるものの、IRMSでは、以下のような問題点も存在していた。
(1)質量分析の前段に燃焼や還元装置を組み込むために装置が複雑化する。
(2)最終的に、酸素ガス、窒素ガス及び炭酸ガス等の環境大気中に存在する物質に変換して質量分析を行うため、環境大気からの汚染による分析誤差を生じる可能性が高い。特に環境大気中では極めて僅かしか存在しない13C、15N、17O及び18Oにて同位体標識された試料の測定においては、この汚染による悪影響が顕著である。
(3)試料中に化学不純物が存在すると、前処理として発生させるCO、SO、O及びNは、試料と化学不純物とを合わせたものに由来するものとなり、その結果、正確な目的物のみの同位体比を反映しづらい。
(4)CO、N、O、SOに特化した質量分析であるため、水素の同位体濃度の測定ができない。
また、高精度な軽元素同位体分析においては、質量差別効果の影響を除くため、「標準物質と試料との相対比較法」が実施されているものの、これにおいても、以下のような問題がある。
(5)同位体存在比が略天然存在比と等しい試料に対する標準物質は、国際的にも整備されてはいるものの、同位体濃度が天然存在比から乖離した試料に対する標準物質は、国際的にも整備されておらず入手することができない。
さらに、相対法で利用されているデュアルインレット方式にも、同位体濃度が天然存在比から乖離した試料に対する標準物質は国際的にも整備されていない現状を踏まえると以下のような問題がある。
(6)標準物質と試料との同位体組成が僅かしか異ならない場合は、高精度の同位体分析において非常に優れた方式であるものの、標準物質と試料との同位体組成が乖離した場合には、装置の共用する部分(質量分析にデュアルインレット方式を採用する場合、試料導入系は標準物質と試料とでそれぞれ独立しているものの、イオン源以降の部分は共用となる。)へのメモリー効果(イオン源以降への他方の残留)により高精度な同位体分析ができない。
そして、上記の問題を解決する可能性を有するFABMSにおいても、
(7)分子イオンピークは出現するものの、試料及びマトリックス中の微量不純物、装置由来のノイズピーク等が多く(前記非特許文献2参照)、互いに同位体である核種の濃度が同等でなく、一方のピークが他方のピークより非常に小さなケースにおいては、そのピークが前述のノイズピークに埋もれてしまうため、高精度な同位体濃度の決定に要求される質の高い、つまりは、目的とする分子イオンピークのみの強度が非常に大きく、他の不要なピークが極力抑制されたマススペクトルを得ることが困難であるという問題があった。
さらに、分子イオンピークの強度のみを増大させ、他の不要なピークが極力抑制されたマススペクトルを得るための手段として、新規なマトリックスを用いてFABMSを測定する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。ただし、この方法を利用すると、分子イオンピークの増大化は見られるものの、
(8)そのピークより高精度に同位体濃度を算出することに耐えうるまでの効果は得られてはいない。
最後に、上記のFABMS測定において、マトリックスの種類・濃度やマトリックスへの添加剤を適切に選定することで、FABMS測定において得られる分子イオンピークのみの強度の増大化を図り、そのピークから高精度な同位体濃度の算出を可能とする方法も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
ただし、この方法は、一種類の元素が13C、H、15N及び17O又は18Oにて高濃度に標識された化合物に対する方法、つまりは、分子イオンピークの中で最も強度の強いピーク(メインピーク)とその次に強度の強いピークであるメインピークより1MASSだけ低質量数のピークの強度比を使って同位体濃度を算出する方法である。
一方、一種類の元素が13C、H、15N及び17O又は18Oにて50atom%以下の低濃度に標識された化合物では、2番目に強度が強いピークは、最も強度が強いピークの1MASS(18O標識では2MASS)だけ高質量数のピークとなり、これらの強度比を使って同位体濃度を計算することになる。したがって、
(9)メインピークの高質量数側(特に1MASS又は2MASSだけ高質量数側)に不要なピークが出現しても、一種類の元素が13C、H、15N及び17O又は18Oにて高濃度に標識された化合物の分析では影響を受けないのに対し、一種類の元素が13C、H、15N及び17O又は18Oにて50atom%以下の低濃度に標識された化合物の分析では、同位体分析の精度への影響が大きく、高精度な分析の妨げとなっていた。
以上のようにアミノ酸等の難揮発性物質であり、かつ、その同位体組成が天然存在比から乖離し、しかも、その濃度が50atom%以下である物質に対しては、その同位体濃度を正確に求めるにあたって数々の問題があり、これまでは、その前駆体、中間体あるいは原料の分析を行い、これらの同位体濃度をもって、アミノ酸等の同位体濃度とすることが、しばしば行われているのが現状であった。
特開2005−30816号公報 特開平9−113485号公報 特願2006−316545号公報 平田、同位体比を測るための分析法、ぶんせき、2002年第4号、152〜160頁 YOKUDEL−FAB−Matrix[FAB測定用マトリックス]〜FAB測定のノウハウ、日本電子データム株式会社、2004年7月1日(第2版)
そこで本発明者は、多くの問題を抱えるIRMSを使用することなく、また、標準物質との比較分析も実施することなく、難揮発性を有する試料を質量分析する際のイオン化方法としてFAB法を採用したFABMSによって安定同位体濃度の分析を行うにあたり、試料中の目的物由来であり、かつ、同位体濃度の計算に必要なピークのみを格段に増大させ、かつ、不要ピークの出現を極力抑制することで、得られるマススペクトルの質を向上させ、高精度な同位体濃度の決定に有効なものとすることが、低濃度に標識されたアミノ酸等の難揮発性物質の同位体濃度の決定に非常に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の安定同位体濃度の分析方法は、同位体標識率が50atom%以下の低濃度標識試料を質量分析することによって試料中の安定同位体濃度を分析する方法において、質量分析する際の試料のイオン化方法としてFAB法を採用するとともに、該FAB法で使用するマトリックスを溶媒に溶解したマトリックス溶液に酸水溶液とアルカリ金属イオン含有水溶液とを混合して質量分析を行い、該質量分析から得られたピークの中で、最も存在確率が高い分子にアルカリ金属が付加したアルカリ金属イオン付加分子イオンの第1のピークと、その次に存在確率が高いアルカリ金属イオン付加分子イオンのピークであって、かつ、前記第1のピークの1質量数(1MASS)だけ高質量数側に出現する第2のピークとの強度比から安定同位体濃度を算出することを特徴とするものであって、標識が18Oのときには第1のピークの1質量数だけ高質量数側に出現するピークに代えて、第1のピークの2質量数(2MASS)だけ高質量数側に出現するピークを用いることを特徴としている。
本発明の安定同位体濃度の分析方法において、前記マトリックスは、グリセロール、チオグリセロール、3−ニトロベンジルアルコール、ジチオスレイトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの少なくともいずれか1種を主成分とするものを使用することが好ましく、前記溶媒は、純水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、N,N’−ジメチルホルミアミドの少なくともいずれか1種を主成分とするものを使用することが好ましい。さらに、前記酸水溶液は、塩酸、硝酸、硫酸の少なくともいずれか1種の水溶液を使用することが好ましく、前記アルカリ金属含有水溶液のアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウムの少なくともいずれか1種であることが好ましい。
特に、前記マトリックス溶液は5〜30体積%のグリセロール水溶液を使用することが好ましい。マトリックス溶液に対する酸水溶液の混合量は、酸水溶液が1Nの塩酸水溶液の場合、体積比でマトリックス溶液の6に対して塩酸水溶液が0.5〜2.5の範囲に設定することが好ましい。また、マトリックス溶液に対するアルカリ金属イオン含有水溶液の混合量は、アルカリ金属イオン含有水溶液が1Nの塩化ナトリウム水溶液の場合、体積比でマトリックス溶液の6に対して塩化ナトリウム水溶液を0.5〜2.5の範囲に設定することが好ましい。
本発明の安定同位体濃度の分析方法によれば、燃焼装置や還元装置を質量分析計の前段に組み込む必要がなく、装置の簡略化を図ることができる。また、標識アミノ酸等を酸素、窒素、炭酸ガスへ変換しないので、これらが環境大気から混入することによる分析誤差が生じる可能性もない。さらに、試料中に化学不純物が存在していても、質量分離によって化学不純物と試料(目的物)との分離が可能であるため、化学不純物の影響を受けることもない。加えて、分子にプロトンやナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンを付加しただけの分子情報を含むプロトン付加分子イオンピークやアルカリ金属イオン付加分子イオンピークを用いた同位体濃度の決定であるため、H濃度の情報を得ることができ、水素の同位体分析も可能である。
しかも、サンプルのみの測定で濃度を算出できるので、デュアルインレット方式のようなメモリー効果による分析精度の低下のおそれもない。加えて、一方のピークが他方のピークより非常に小さなケースであっても、試料及びマトリックス中の不純物、装置由来のノイズピーク等に小さなピークが埋もれてしまうことがなく、高精度な同位体濃度の決定に十分に利用可能なマススペクトルの取得が可能である。
さらに、FABMS測定において、アルカリ金属イオンを添加する場合においては、アルカリ金属イオンが分子に付加したイオンであって分子の中で最も存在確率が高いものに由来するピークの高質量数側に出現する不要ピークの抑制効果が非常に顕著であるため、分子イオンをMHとして検出する方法に比べ、特に低濃度標識化合物に対するより正確な同位体濃度の決定が可能となる。
なお、本発明は、1つの元素の同位体濃度が不明な場合に利用されるものではある。しかし、複数の元素の同位体濃度が不明な場合であっても、その濃度を別の手段、例えばIRMSやIR (Infrared Spectroscopy:赤外分光)、NMR (Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)等を用いて決定し、同位体濃度が不明な元素を1つとした状態で本発明を利用することにより、複数の元素の同位体濃度が不明な場合であっても、それらをすべて決定することが可能である。
まず、本発明方法を実施するためには、例えばアミノ酸等の難揮発性物質の同位体濃度をFABMS分析する際には、マトリックス溶液を適切に調合することが非常に重要となる。具体的には、マトリックスを溶媒に溶解し、マトリックス溶液とする際、マトリックス濃度を適切に設定する必要がある。マトリックス濃度は、マトリックス及び溶媒の種類に応じて調製可能であるが、通常は、マトリックス濃度が7〜25体積%の範囲になるように調整することが好ましい。このマトリックス濃度が高すぎると、試料よりマトリックスのピークが強く出現し、同位体濃度の算出に使用する試料ピークが相対的に小さくなり、分析精度が低下してしまう。一方、マトリックスは、試料を分子のままイオン化するために必要な物質であるから、マトリックス濃度が低すぎると試料の分子イオンのピーク強度が低下し、分析精度が低下したり、分析が不可能となることがある。これらのことを考慮すると、10体積%となるように調製することが最も望ましい。
本発明で用いるマトリックスとしては、一般的に使用されているものを用いることが可能であり、具体的には、グリセリン(グリセロール)、チオグリセリン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が使用可能である。これらのマトリックスの中では、グリセロールが最適である。
前記溶媒には、前述のマトリックスと、測定対象となる試料とが共に溶解するものであれば任意の物質を選定することができ、具体的には、純水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、N,N’−ジメチルホルミアミド等を使用することが可能であるが、グリセロールと純水との組み合わせが最適である。
さらに、上述のように調製したマトリックス溶液に適量の酸水溶液を添加することにより、その効果を飛躍的に向上させることができる。酸水溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸の少なくともいずれか1種の水溶液を使用することができる。酸水溶液の濃度は、前記マトリックス溶液の成分や濃度、酸の種類によっても異なるが、濃度が低すぎるとマトリックス溶液に加える酸水溶液の量が多くなり、マトリックス溶液を調製する際に酸水溶液の混合量を考慮してマトリックス濃度を高くしなければならず、マトリックスを溶媒に十分に溶解させるために長時間を要するなどの不都合が生じる。また、酸水溶液の濃度が高いと酸水溶液の取り扱いに注意を要することになるため。酸水溶液の酸濃度は0.5〜2.5Nの範囲が適当であり、添加混合時の操作性等を考慮すると、1N程度に設定することが好ましい。
マトリックス溶液への酸水溶液の混合量は、マトリックス溶液の成分や濃度、酸水溶液の成分や濃度によって異なるが、例えば、酸水溶液として1Nの塩酸水溶液を使用する場合は、体積比でマトリックス溶液:塩酸水溶液=6:0.5〜2.5の範囲が好ましく、特に、マトリックス溶液:塩酸水溶液=6:1程度に設定することが好ましい。このとき、塩酸水溶液の量が少なすぎると酸水溶液を添加した効果が十分に得られず、多すぎるとマトリックス溶液を希釈することになり、ピーク強度の低下を招くことになる。
加えて、上述のように調製したマトリックス溶液に微量のアルカリ金属イオンを添加することにより、その効果を更に飛躍的に向上させることができる。アルカリ金属イオンの添加は、通常、リチウム、ナトリウム、カリウムの少なくともいずれか1種を含むアルカリ金属イオン含有水溶液、具体的には塩化ナトリウム水溶液等を添加することによって行われる。このアルカリ金属イオン含有水溶液中のアルカリ金属イオンの濃度は、マトリックス溶液の成分や濃度、酸水溶液の成分や濃度、両者の混合割合、アルカリ金属イオンの種類といった条件に応じて任意に設定することができるが、前記酸水溶液と同様に、調製時の操作性や測定時のピーク強度を考慮すると、0.5〜2.5Nの範囲が適当であり、特に0.1N程度とすることが望ましい。
マトリックス溶液へのアルカリ金属イオン含有水溶液の混合量は、マトリックス溶液の成分や濃度、酸水溶液の成分や濃度、両者の混合割合、アルカリ金属イオンの種類や濃度によって異なるが、通常は、例えばアルカリ金属イオン含有水溶液が1Nの塩化ナトリウム水溶液の場合は、前記マトリックス溶液に、体積比でマトリックス溶液:塩化ナトリウム水溶液=6:0.5〜2.5の範囲、特にマトリックス溶液:塩化ナトリウム水溶液=6:1程度に設定することが好ましい。
このように酸水溶液及びアルカリ金属イオン含有水溶液を添加混合したマトリックス溶液に試料を溶解させて質量分析を行うことにより、低濃度標識試料中の安定同位体濃度の分析を効率よく高精度で行うことができる。
比較例1
まず、マトリックスとして高純度のグリセロールを使用するとともに、溶媒として超純水製造装置にて製造した超純水使用し、室温にて体積比がグリセロール:超純水=1:9となるように混合した後、良く撹拌して均一なマトリックス溶液とした。試料には、グリシン、セリン、ヒスチジン及びトリプトファンの4種のアミノ酸を使用した。これらのアミノ酸は、いずれも分子内の窒素原子を約4atom%程度、15Nにて標識したものである。これらの試料は、分子内の窒素原子をすべて高純度に15Nにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の15N濃度から厳密に算出した各試料の正確な15N濃度は、グリシン:4.03atom%、セリン:4.07atom%、ヒスチジン:4.03atom%、トリプトファン:4.11atom%である。
各試料1mgと前記マトリックス溶液30μLとをそれぞれ混合したものを対象として質量分析を行い、マススペクトルを取得した。質量分析におけるスペクトル取得条件は、衝突ガスはキセノン、加速電圧は1kV、質量走査範囲は50〜250、質量分解能は低分解能測定(M/δM=500)とした(以下の各実施例も同じ条件としている。)。
その結果、得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来するピーク(メインピーク:第1のピーク(以下同様))と、その次に存在確率の高い分子(複数個存在する(以下同様)。)に由来するピーク(メインピークの1MASS高質量数側に出現する第2のピーク(以下同様)。)との強度比から15Nの濃度を求めると、グリシン:4.08atom%、セリン:4.15atom%、ヒスチジン:4.98atom%、トリプトファン:4.76atom%となった。
希釈率等から算出した濃度とこの結果とを比較すると、グリシン及びセリンの両者は非常に良い一致を示していることが分かる。一方、ヒスチジン及びトリプトファンでは、測定値から算出した15N濃度は、希釈率等から厳密に計算したものと比較すると、高濃度側にずれていることがわかる。
比較例2
マトリックスとして高純度のグリセロールを、溶媒として超純水製造装置にて製造した超純水をそれぞれ使用し、室温にて体積比がグリセロール:超純水=1:7とした溶液Aと、グリセロール:超純水=1:11とした溶液Bとをマトリックス溶液として使用した。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークとの強度比から15Nの濃度をそれぞれ求めると、溶液Aでは、セリン:4.14atom%、ヒスチジン:4.96atom%となり、溶液Bでは、セリン:4.16atom%、ヒスチジン:4.97atom%となった。この結果から、マトリックス溶液の濃度は、厳密に10%でなくても同様の結果が得られることが分かる。
比較例3
マトリックスとして高純度のグリセロールを、溶媒としてエタノールを使用し、室温にて体積比がグリセロール:エタノール=1:9となるように混合してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のグリシン及びトリプトファンの2種のアミノ酸を使用した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークとの強度比から15Nの濃度を求めると、グリシン:4.07atom%、トリプトファン:4.74atom%となり、比較例1と同様の結果となった。この結果から、マトリックス溶液に使用する溶媒は純水でなくてもよいことが分かる。
比較例4
比較例1で作成したマトリックス溶液(溶液C)に、1N塩酸水溶液を体積比で溶液C:塩酸水溶液=6:1となるように添加してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークとの強度比から15Nの濃度を求めると、セリン:4.09atom%、ヒスチジン:4.81atom%となった。この結果を比較例1の結果と比較すると、本実施例の結果の方が、希釈率等から厳密に算出した計算値に、より近い値となっていることが分かる。すなわち、酸を少量添加することによって測定の正確性を向上させる効果が得られることが分かる。
比較例5
前記溶液Cに2N塩酸水溶液を体積比が溶液C:塩酸水溶液=6:1となるように添加したマトリックス溶液と、前記溶液Cに1N硝酸水溶液を体積比が溶液C:硝酸水溶液=6:1となるように添加したマトリックス溶液とを使用した。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークとの強度比から15Nの濃度を求めると、2N塩酸水溶液を添加した場合は、セリン:4.08atom%、ヒスチジン:4.83atom%となり、1N硝酸水溶液を添加した場合は、セリン:4.10atom%、ヒスチジン:4.80atom%となり、比較例4と略同じ結果となった。この結果から、添加する酸の量は厳密ではなく、かつ、その種類も塩酸に限られるものではないことが分かる。
実施例1
前記溶液Cに1N塩酸水溶液及び1N塩化ナトリウム水溶液を体積比が溶液C:塩酸水溶液:塩化ナトリウム水溶液=6:1:1となるように添加してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のセリン、ヒスチジン及びトリプトファンの3種のアミノ酸を使用した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピーク(アルカリ金属イオンとしてナトリウムイオンを添加したことから分子量+23の質量数に出現するピーク)と、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピーク(第1のピークの1MASS高質量数側)との強度比から15Nの濃度を求めると、セリン:4.09atom%、ヒスチジン:4.09atom%、トリプトファン:4.18atom%となった。また、ヒスチジンについてのマススペクトルを図1に示す。
この結果を比較例1の結果と比較すると本実施例の結果の方が、希釈率等から厳密に算出した計算値に、より近い値となっていることが分かる。特に、ヒスチジン及びトリプトファンでは、その効果は顕著となっている。すなわち、少量のアルカリ金属イオンを添加し、その結果得られるアルカリ金属イオン付加分子として検出されるピークの強度を用いて同位体濃度を算出することにより、特に高分子量のアミノ酸に対して、より正確な測定を行えることが分かる。
実施例2
前記溶液Cに1N塩酸水溶液と2N塩化ナトリウム水溶液とを体積比が溶液C:塩酸水溶液:塩化ナトリウム水溶液=6:1:1となるように添加したマトリックス溶液と、前記溶液Cに1N塩酸水溶液と1N塩化カリウム水溶液とを体積比が溶液C:塩酸水溶液:塩化カリウム水溶液=6:1:1となるように添加したマトリックス溶液とを使用した。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピーク(塩化ナトリウム添加では分子量+23、塩化カリウム添加では分子量+40の質量数にそれぞれ出現する。)と、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークの強度比から15Nの濃度を求めると、2N塩化ナトリウム水溶液を添加した場合は、セリン:4.08atom%、ヒスチジン:4.13atom%となり、1N塩化カリウム水溶液を添加した場合は、セリン:4.10atom%、ヒスチジン:4.10atom%となり、実施例1と同様の結果となった。この結果から、添加するアルカリ金属イオンの量は厳密ではなく、かつ、その種類もナトリウムイオンに限定されるものではないことが分かる。
実施例3
実施例1と同じマトリックス溶液を使用し、試料には、分子内の炭素原子を約3atom%程度、13Cにてそれぞれ標識したグリシン、セリン、ヒスチジン及びトリプトファンの4種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の炭素原子をすべて高純度に13Cにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の13C濃度から厳密に算出した各試料の正確な13C濃度は、グリシン:3.02atom%、セリン:3.08atom%、ヒスチジン:3.04atom%、トリプトファン:3.08atom%である。
各試料1mgとマトリックス溶液30μLとをそれぞれ混合したものを対象として質量分析を行い、マススペクトルを取得した。質量分析におけるスペクトル取得条件は、比較例1と同じとした。得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピーク(分子量+23)と、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピーク(第1のピークの1MASS高質量数側)との強度比から13Cの濃度を求めると、グリシン:3.05atom%、セリン:3.12atom%、ヒスチジン:3.11atom%、トリプトファン:3.12atom%となった。
実施例4
試料として、分子内の水素原子を約5atom%程度、Hにて標識したグリシン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の水素原子をすべて高純度にHにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品のH濃度から厳密に算出した各試料の正確なH濃度は、グリシン:5.05atom%、ヒスチジン:5.01atom%である。
実施例1と同じマトリックス溶液を使用し、各試料1mgとマトリックス溶液30μLとをそれぞれ混合したものを対象として比較例1と同じ条件で質量分析を行い、マススペクトルを取得した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークとの強度比からHの濃度を求めると、グリシン:5.09atom%、ヒスチジン:5.09atom%となった。
実施例5
試料として、分子内の酸素原子を約2atom%程度。17Oにて標識したセリン及びトリプトファンの2種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の酸素原子をすべて高純度に17Oにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の17O濃度から厳密に算出した各試料の正確な17O濃度は、セリン:2.13atom%、トリプトファン:2.35atom%である。
実施例1と同じマトリックス溶液を使用し、各試料1mgとマトリックス溶液30μLとをそれぞれ混合したものを対象として比較例1と同じ条件で質量分析を行い、マススペクトルを取得した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークとの強度比から17Oの濃度を求めると、セリン:2.18atom%、トリプトファン:2.42atom%となった。
実施例6
試料として、分子内の酸素原子を約10atom%程度、18Oにて標識したヒスチジン及びトリプトファンの2種のアミノ酸を使用した。これらの試料は、分子内の酸素原子をすべて高純度に18Oにて標識したものを非標識のもので希釈して調製したものであり、希釈率、標識品の純度及び非標識品の18O濃度から厳密に算出した各試料の正確な18O濃度は、ヒスチジン:10.31atom%、トリプトファン:9.85atom%である。
実施例1と同じマトリックス溶液を使用し、各試料1mgとマトリックス溶液30μLとをそれぞれ混合したものを対象として比較例1と同じ条件で質量分析を行い、マススペクトルを取得した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピーク(第1のピークの2MASS高質量数側に出現するピーク)との強度比から18Oの濃度を求めると、グリシン:10.45atom%、ヒスチジン:9.98atom%となった。
実施例3〜6において、希釈率等から算出した各濃度と、各測定結果とを比較すると、実施例1と同様に、各アミノ酸に対して両者は非常に良い一致を示していることが分かる。すなわち、標識核種の種類に関わらず非常に有効であることが分かる。
実施例7
マトリックスとしてチオグリセロールを、溶媒として純水を使用し、これらを体積比で1:9に混合した溶液に、1N塩酸水溶液及び1N塩化ナトリウム水溶液を実施例1と同じ体積比で添加混合してマトリックス溶液とした。試料には、比較例1で使用した内のセリン及びヒスチジンの2種のアミノ酸を使用した。
得られたマススペクトルから最も存在確率の高い分子に由来する第1のピークと、その次に存在確率の高い分子に由来する第2のピークとの強度比から15Nの濃度をそれぞれ求めると、セリン:4.08atom%、ヒスチジン:4.16atom%となった。この結果から、マトリックスとしてチオグリセロールを使用しても同様の結果が得られることが分かる。
実施例1において試料がヒスチジンの場合のマススペクトルである。

Claims (6)

  1. 同位体標識率が50atom%以下の低濃度標識試料を質量分析することによって試料中の安定同位体濃度を分析する方法において、質量分析する際の試料のイオン化方法としてFAB法を採用するとともに、該FAB法で使用するマトリックスを溶媒に溶解したマトリックス溶液に酸水溶液とアルカリ金属イオン含有水溶液とを混合して質量分析を行い、該質量分析から得られたピークの中で、最も存在確率が高い分子にアルカリ金属が付加したアルカリ金属イオン付加分子イオンの第1のピークと、その次に存在確率が高いアルカリ金属イオン付加分子イオンのピークであって、かつ、前記第1のピークの1質量数だけ高質量数側に出現する第2のピークとの強度比から安定同位体濃度を算出することを特徴とする安定同位体濃度の分析方法。
  2. 前記第1のピークとの強度比を求める前記第2のピークは、標識が18Oのときには第1のピークの1質量数だけ高質量数側に出現するピークに代えて、第1のピークの2質量数だけ高質量数側に出現するピークを用いることを特徴とする請求項1記載の安定同位体濃度の分析方法。
  3. 前記マトリックスは、グリセロール、チオグリセロール、3−ニトロベンジルアルコール、ジチオスレイトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの少なくともいずれか1種を主成分とするものであることを特徴とする請求項1又は2記載の安定同位体濃度の分析方法。
  4. 前記溶媒は、純水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、N,N’−ジメチルホルミアミドの少なくともいずれか1種を主成分とするものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の安定同位体濃度の分析方法。
  5. 前記酸水溶液の酸は、塩酸、硝酸、硫酸の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項4記載の安定同位体濃度の分析方法。
  6. 前記アルカリ金属含有水溶液のアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウムの少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の安定同位体濃度の分析方法。
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