JP4856861B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第一の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上にエッチング層を介して半導体層を形成する工程と、半導体層上にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングマスク上に支持基板を接着する工程と、エッチング層を除去することにより半導体層をリフトオフする工程とを含み、エッチング層を除去する際に、支持基板は、半導体基板および半導体層に対して引張応力を加えていることを特徴とする。
半導体基板は、Siなどの元素半導体基板又はGaAsなどの化合物半導体基板などからなる。半導体基板は、好ましくは、単結晶半導体基板である。この場合、その上に容易にエピタキシャル層を形成することができるからである。
半導体層は、GaAs層などからなる。半導体層は、単層であっても多層であってもよい。
エッチングマスクは、半導体層上に形成される。「半導体層上に」には、「他の層又は電極などを介して半導体層上に」という概念が含まれる(なお、このことは、「半導体基板上に」又は「エッチングマスク上に」などについても同様である。)。例えば、半導体層上に主面電極が形成されている場合には、エッチングマスクが主面電極を介して半導体層上に形成される場合も本発明の範囲に含まれる。エッチングマスクは、例えば、石油系樹脂からなり、好ましくは、フェノール系樹脂からなる。また、フェノール系樹脂は、好ましくは、テルペンフェノール樹脂からなる。このような材料でエッチングマスクを形成すると、支持基板からの応力を効果的に半導体層などに伝えることができる。
支持基板は、エッチングマスク上に接着される。「接着」は、溶着を含む。また、支持基板は、好ましくは、エッチングマスク上面の実質的全面に接着される。これは、例えば、穴の空いていない支持基板をエッチングマスク上面に接着することにより、達成される。従来の穴の空いた支持基板(キャリアシート)では、穴部とその他の部分とで半導体層に加わる力が異なり、半導体層を損傷させるという問題があったが、支持基板をエッチングマスク上面の実質的全面に接着すると、支持基板からの応力が半導体層に均一に伝わり、半導体層を損傷させない。
エッチング層の除去は、例えば、エッチング層を溶解すると共に半導体層又は半導体基板を溶解しないエッチング液を用いて行うことができる。具体的には、例えば、エッチング層がAlAs層からなる場合、フッ酸水溶液を用いてエッチング層の除去を行うことができる。また、エッチング層がGaInP層からなる場合、塩酸水溶液を用いてエッチング層の除去を行うことができる。
リフトオフされた半導体層の裏面に裏面電極を形成する工程をさらに備えてもよい。また、リフトオフされた半導体層を別の半導体基板に貼り付ける工程をさらに備えてもよい。この半導体基板の裏面に裏面電極を形成する工程を備えてもよい。また、エッチングマスクを除去して支持基板を取り外す工程をさらに備えてもよい。エッチングマスクの除去は、例えば、炭化水素系の有機溶媒中に浸漬させることにより、行うことができる。支持基板の取り外しは、好ましくは、裏面電極を形成した後、又はリフトオフされた半導体層を別の半導体基板に貼り付けた後に行うことが好ましい。
本発明の第二の実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、半導体基板上にエッチング層を介して半導体層を形成する工程と、半導体層に凸状のメサを形成する工程と、半導体層上及びメサ側面にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングマスク上に支持基板を接着する工程と、エッチング層を除去することにより半導体層をリフトオフする工程とを含み、エッチング層を除去する際に、支持基板は、半導体基板および半導体層に対して引張応力を加えていることを特徴とする。
この工程は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
凸状のメサは、例えば、半導体層の外周部の半導体層の厚さが半導体層の中心部の厚さよりも薄くなるように、半導体層の外周部をエッチングすることによって形成することができる。半導体層の外周部のエッチングは、例えば、半導体層の中心部を覆うエッチングマスクを用いて行う。
エッチングマスクは、例えば、石油系樹脂を所定の溶媒(例えば、イソプロピルアルコール、シクロヘキサンなど)に溶解させたものをスピンコート法で基板全面に塗布し、不要な部分を拭き取ることによって、形成することができる。その他の点については、第一の実施形態と同様である。
2−5.エッチング層を除去することにより半導体層をリフトオフする工程
これらの工程は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
本発明の第3の実施形態の半導体装置は、上記記載の半導体装置の製造方法により製造される。
支持基板11は応力を水平方向に均一に蓄積する必要があるため、水平方向に均一な材料を用いる必要があり、それを多層半導体層3に伝播する必要からエッチングマスク10上には支持基板11が存在することが必要である。この時支持基板の厚さは、引張応力の蓄積により支持基板が折れるのを防止する必要があるため、2−30μm以上の厚さであることが望ましい。
Claims (12)
- 半導体基板上にエッチング層を介して半導体層を形成する工程と、半導体層上にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングマスク上に支持基板を接着する工程と、エッチング層を除去することにより半導体層をリフトオフする工程とを含み、
支持基板は、半導体基板及び半導体層より熱線膨張係数の大きい材料からなり、支持基板は、支持基板が熱膨張した状態でエッチングマスク上に接着され、
エッチング層を除去する際に、支持基板は、半導体基板および半導体層に対して引張応力を加えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体基板上にエッチング層を介して半導体層を形成する工程と、半導体層に凸状のメサを形成する工程と、半導体層上及びメサ側面にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングマスク上に支持基板を接着する工程と、エッチング層を除去することにより半導体層をリフトオフする工程とを含み、
支持基板は、半導体基板及び半導体層より熱線膨張係数の大きい材料からなり、支持基板は、支持基板が熱膨張した状態でエッチングマスク上に接着され、
エッチング層を除去する際に、支持基板は、半導体基板および半導体層に対して引張応力を加えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 支持基板は、エッチングマスク上面の実質的全面に接着される請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 支持基板は、熱可塑性プラスティック材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 支持基板は、線状構造プラスティックからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 支持基板は半導体基板より面積が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- エッチング層を除去することにより半導体層をリフトオフする工程では、支持基板外周部近傍で半導体基板の重量を支持するように配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- エッチングマスクをマスクとして半導体層をエッチングすることによりエッチング層の主面を露出させる工程をさらに備える請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- エッチング層は、AlAs層を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- エッチング層は、GaInP層を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- エッチングマスクはフェノール系樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- フェノール系樹脂は、テルペンフェノール樹脂からなることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
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