JP4856637B2 - 受信装置、集積回路及び受信方法 - Google Patents
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Description
この問題を解決する手法として、次のような手法がある。
受信したOFDM信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)した後、SP信号を取り出す。そして、取り出したSP信号を逆高速フーリエ変換(IFFT:InverseFast Fourier Transform)して時間領域の信号とし、IFFT後の信号の所定の時間幅に矩形窓を乗じ、これによって、SP信号からノイズ成分を除去する(例えば、特許文献1参照。)。その後、ノイズ除去後の信号をFFTし、補間処理などを行って全サブキャリアに対する伝送路特性を推定する。
位相を揃えた後のSP信号をシンボル方向にLPFを用いて補間し、同じシンボルの補間後のデータ群をIFFTする。IFFT後のデータ群の一部のデータをゼロにし、一部がゼロとされた後のデータをFFTして全サブキャリア位置の伝送路特性を示すデータを求める(例えば、特許文献2、3参照。)。これは、シンボル方向に補間する際に用いるLPFの特性により、通過帯域のリップル(脈動)や遮断帯域の減衰特性の影響を受け、フィルタリング処理を施した伝送路特性を示すデータに誤差が生じることがあるため、その影響を軽減することを目的としたものであり、伝送路特性を推定する元となるSP信号からノイズを除去するものではない。
これに対して、ISDB−T方式及びDVB−T方式では、OFDMで使用されるサブキャリアの本数は2のべき乗になっていない。例えば、ISDB−T方式のモード3では使用するサブキャリアの本数は5617本であり、DVB−T方式の8Kモードでは使用するサブキャリアの本数は6817本である。
また、SP信号をシンボル方向に補間した場合、3サブキャリアに1つSP信号があることになり、補間後の信号の数は、例えば、ISDB−T方式のモード3では1873個であり、DVB−T方式の8Kモードでは2273個であり、2のべき乗ではない。
そこで、本発明は、分散パイロット信号からノイズを除去しながら信号の帯域端部での歪を抑えることによって伝送路特性の推定精度を向上させることが可能な受信装置、集積回路及び受信方法を提供することを目的とする。
これによれば、データ群を一部重複するように2つに分割して処理を行うことに、逆高速フーリエ変換の対象のデータ群の数を2のべき乗にする際に付加するデータの数を少なくすることができるという利点がある。
これによれば、高速フーリエ変換後のデータ群の帯域の歪が生じている可能性のある両端部を除く帯域のデータを周波数領域で切り替え合成してデータ信号等の等化に用いるために等化精度を向上させることができる。
これによれば、帯域の下端近傍或いは上端近傍へのデータの付加を簡単な装置或いは回路で実現することができ、コスト面で利点がある。
これによれば、逆高速フーリエ変換後のデータ群からのノイズ除去を簡単な装置或いは回路で実現することができ、コスト面で利点がある。
上記の受信装置において、前記分散パイロット信号を送信側の送信時の分散パイロット信号で除算する除算部を更に備え、前記キャリア拡張部は、前記除算部による除算結果からなるデータ群に対してデータを付加するようにしてもよい。
これによれば、分散パイロット信号位置の伝送路特性を示すデータ群を利用してノイズ除去を行うことから、1シンボル当りの分散パイロット信号の数が多い場合には処理負荷や回路規模の面から効果的である。
これによれば、シンボル方向の補間処理を行ってデータ数を増やしてから、或いは、シンボル方向の補間処理及びキャリア方向の補間処理を行ってさらにデータ数を増やしてからノイズを除去するための処理を行うようにしているため、1シンボルに分散パイロット信号がノイズ除去するために必要な数含まれていない場合であっても、1シンボルに含まれる分散パイロット信号の数の不足によるノイズ除去ができないような状況を防ぐことができる。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<受信装置>
本実施の形態の受信装置の構成について図2を参照しつつ説明する。図2はDVB−T方式の受信装置の全体の構成を示すブロック図である。なお、DVB−H方式においても受信装置の構成は同じである。
アンテナ100はOFDM信号を受信してチューナ部101へ出力する。チューナ部101はアンテナ100から入力されるOFDM信号を選局し、選局したOFDM信号を所定の帯域にダウンコンバートし、A/D変換器102へ出力する。A/D変換器102は入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して直交検波回路103へ出力する。直交検波回路103はA/D変換器102から入力される信号の直交検波を行い、直交検波後の信号をFFT回路104へ出力する。
なお、ISDB−T方式の場合は、さらに時間デインタリーブ処理を行う時間デインタリーブ回路が加わる。
<等化回路>
(回路構成)
図2の等化回路の構成について図3を参照しつつ説明する。図3は等化回路の構成を示すブロック図であり、SP信号に重畳したノイズを除去する構成を有する。
遅延回路200は、後段の複素除算回路208でデータ信号等の複素除算に用いられる伝送路特性を示すデータが当該データ信号等の信号位置の伝送路特性を示すデータになるように、FFT回路104からの入力を遅延させて複素除算回路208へ出力する。
SP発生回路202は送信側の送信時のSP信号と同じ振幅及び位相の信号を論理回路などで生成し、生成した信号を複素除算回路203へ出力する。
複素除算回路203は、SP抽出回路201から入力されるSP信号を、当該SP信号のサブキャリア位置のSP発生回路203から入力される信号で複素除算し、送信側でBPSK変調されたSP信号の位相を揃える。この処理により、各SP信号位置での伝送路特性を示すデータが求まる。
メモリ205は、SP信号位置でのノイズ除去後の伝送路特性を示すデータを記憶する。
複素除算回路208は、遅延回路200から入力されるFFT回路104によるFFT後のデータ信号等を、当該データ信号等の信号位置のキャリア補間回路207から入力される伝送路特性を示すデータで複素除算し、複素除算結果をデータ信号等を等化した信号として後段の周波数デインタリーブ回路106へ出力する。
(回路動作)
図3を参照しつつ回路構成を説明した等化回路105の回路動作について説明する。
SP抽出回路201はFFT後の信号からSP信号を抽出し、SP抽出回路201によって抽出されたSP信号が複素除算回路203に入力される。このとき、SP発生回路202は送信側の送信時のSP信号と同じ信号を複素除算回路203へ出力する。複素除算回路203はSP抽出回路201から入力されたSP信号をSP発生回路202から入力された信号で複素除算し、SP信号位置の伝送路特性を示すデータを算出し、算出結果がノイズ除去回路204に入力される。
メモリ205に所定数の伝送路特性を示すデータが揃うと、シンボル補間回路206はSP信号位置の伝送路特性を示すデータからなるデータ群をシンボル方向に補間処理を行う。続いて、キャリア補間回路207はシンボル補間回路206から入力されたデータ群をキャリア方向に補間処理を行うことによって全サブキャリアに対する伝送路特性を示すデータを算出し、算出結果を複素除算回路208へ出力する。
複素除算回路208はデータ信号等をキャリア補間回路207から入力されたそのデータ信号等の信号位置の伝送路特性を示すデータで複素除算し、後段の周波数デインタリーブ回路106へ出力する。
<ノイズ除去回路>
(回路構成)
図3のノイズ除去回路の構成について図4を参照しつつ説明する。図4はノイズ除去回路の構成を示すブロック図である。
SP信号分離回路301は、シンボル毎に、複素除算回路203から入力されるSP信号位置の伝送路特性を示すデータからなるデータ群を帯域中央部の2N(Nは正の整数)個のデータとそれ以外のデータとに分離する。そして、SP信号分離回路301は、帯域中央部の2N個のデータをIFFT回路303へ出力し、それ以外のデータを遅延回路302へ出力する。ここで、1シンボル当たりSP抽出回路201が抽出するSP信号の数をMとした場合、2NがM以下で、2(N+1)がMを超える関係にある。
遅延回路302は、後段のSP信号合成回路306にFFT回路305及び遅延回路302から入力される伝送路特性を示すデータが同じシンボル位置になるように、SP信号分離回路301からの入力を遅延させてSP信号合成回路306へ出力する。
ノイズ除去フィルタ304は、IFFT後のデータ群のサンプル点毎に、サンプル点の電力値が所定の手順で定められる値以下であれば当該サンプル点の値をゼロにするノイズの除去処理を行い、ノイズ除去後のデータ群をFFT回路305へ出力する。
SP信号合成回路306は、遅延回路302から入力される帯域の下端部及び帯域の上端部のSP信号位置の伝送路特性を示すデータと、FFT回路305から入力される帯域中央部のノイズ除去後のデータとを、各データが元の周波数位置になるように周波数領域で合成し、合成後のデータ群を後段のメモリ205へ出力する。
(回路動作)
図4を参照しつつ回路構成を説明したノイズ除去回路の回路動作について説明する。
SP信号分離回路301から出力された帯域中央部の2N個のデータからなるデータ群は、IFFT回路303によるIFFT処理、ノイズ除去フィルタ304によるノイズ除去処理、FFT回路305によるFFT処理が施され、SP信号合成回路306に入力される。
SP信号合成回路306はFFT回路305から入力されたデータと遅延回路302から入力されたデータとを周波数領域で合成し、合成後のデータ群をメモリ205に格納する。
<ノイズ除去フィルタ>
ノイズ除去フィルタ304の処理について図5を参照しつつ説明する。図5はノイズ除去フィルタの処理を説明するための図であり、IFFT回路303によるIFFT後の信号の一部を表している。
受信性能を向上させるためには、その受信限界でのノイズ除去処理等により、所要C/N(Carrier to Noise)を低減させる必要があり、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(QuadratureAmplitude Modulation)及び64QAMの夫々に応じて、ノイズ除去する閾値を変更する。コードレート(畳み込みの符号化率)が1/2のときの各閾値の一例を図6に示す。図6に一例を示す各閾値は、後述の各ノイズ除去処理においても利用することが可能である。
図7にノイズが除去された例を示す。図7はDVB−T方式の8Kモードで、SP信号分離回路301が帯域中央部の512個のデータをIFFT回路303へ出力し、帯域下部の28個及び帯域上部の28個のデータを遅延回路302へ出力する場合である。図7(a)はノイズがない場合の伝送路特性、図7(b)はノイズが重畳されている場合の伝送路特性、図7(c)はノイズ除去処理を施した場合の伝送路特性を示す。
≪第2の実施の形態≫
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<ノイズ除去回路>
(回路構成)
本実施の形態のノイズ除去回路の構成について図8を参照しつつ説明する。図8はノイズ除去回路の構成を示すブロック図である。
SP信号分離回路321は、シンボル毎に、複素除算回路203から入力されるSP信号位置の伝送路特性を示すデータからなるデータ群のうち帯域の下端からの2N(Nは正の整数)個のデータをIFFT回路322へ出力し、帯域の上端からの2N個のデータをIFFT回路325へ出力する。ここで、1シンボル当たりSP抽出回路201が抽出するSP信号の数をMとした場合、2NがM未満で、2(N+1)がM/2を超える関係にある。
ノイズ除去フィルタ323は、IFFT回路322から入力されるデータ群に対してノイズ除去フィルタ304と同じ処理を行い、ノイズ除去後のデータ群をFFT回路324へ出力する。
IFFT回路325は、SP信号分離回路321から入力される2N個のデータからなるデータ群をIFFTし、IFFT後のデータ群をノイズ除去フィルタ326へ出力する。
FFT回路327は、ノイズ除去フィルタ326から入力されるノイズ除去後のデータ群をFFTして周波数領域の信号に戻し、FFT後のデータ群をSP信号合成回路328へ出力する。
(回路動作)
図8を参照しつつ回路構成を説明したノイズ除去回路の回路動作について説明する。
SP信号分離回路321から出力された帯域の下端からの2N個のデータからなるデータ群は、IFFT回路322によるIFFT処理、ノイズ除去フィルタ323によるノイズ除去処理、FFT回路324によるFFT処理が施され、SP信号合成回路328に入力される。
SP信号合成回路328はFFT回路324から入力されたデータとFFT回路327から入力されたデータとを周波数領域で切り替え合成し、合成後のデータ群をメモリ205に格納する。
(ノイズ除去回路の具体例)
図8のノイズ除去回路204aにより行われる処理の具体例について図9を参照しつつ説明する。図9は、DVB−T方式の8Kモードの場合のノイズ除去回路204aにより行われる処理の具体例を説明するための図である。
SP信号分離回路321は、図9(a)に示すように帯域の下端からの512(=29)個のデータをIFFT回路322へ出力し、図9(c)に示すように帯域の上端からの512個のデータをIFFT回路325へ出力する。
帯域の下端からの512個のデータからなるデータ群は、IFFT回路322、ノイズ除去フィルタ323及びFFT回路324の夫々により処理が施され、SP信号合成回路328に入力される。
SP信号合成回路328は、図9(a)、(d)に示すように、帯域の下端から帯域の中央までの284個のデータはFFT回路324から入力されるデータを選択し、図9(c)、(d)に示すように、帯域の上端から帯域の中央までの284個のデータはFFT回路327から入力されるデータを選択する。そして、SP信号合成回路328は、選択したデータを周波数領域で切り替え合成し、合成後のデータ群を後段のメモリ205に格納する。
≪第3の実施の形態≫
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<ノイズ除去回路>
(回路構成)
本実施の形態のノイズ除去回路の構成について図11を参照しつつ説明する。図11はノイズ除去回路の構成を示すブロック図である。
キャリア拡張回路341は、図12に示すように、同じシンボルの複素除算回路203から入力される伝送路特性を示すデータからなるデータ群に対して、その帯域の下端の外側に下端のデータの値を複写して当該下端のデータの値と同じ値のL個のデータを付加し、その帯域の上端の外側に上端のデータの値を複写して当該上端のデータの値と同じ値のL個のデータを付加して、データ数を2K(Kは正の整数)個に拡張する。そして、キャリア拡張回路341は、拡張後の2K個のデータからなるデータ群をIFFT回路342へ出力する。
例えば、ISDB−T方式のモード3の場合、1シンボルに含まれるSP信号の数が468本であることから、帯域の下端の外側及び上端の外側の夫々に22個のデータを付加して、データ数を512個に拡張する。
ノイズ除去フィルタ343は、IFFT回路342から入力されるデータ群に対してノイズ除去フィルタ304と同じ処理を行い、ノイズ除去後のデータ群をFFT回路344へ出力する。
キャリア除去回路345は、FFT回路344から入力されるFFT後のデータ群から、その帯域の下端からのL個のデータ及びその上端からのL個のデータを除去し、除去後のデータ群を後段のメモリ205へ出力する。
(回路動作)
図11を参照しつつ回路構成を説明したノイズ除去回路の回路動作について説明する。
キャリア拡張回路341から出力されたデータ群は、IFFT回路342によるIFFT処理、ノイズ除去フィルタ343によるノイズ除去処理、FFT回路344によるFFT処理が施され、キャリア除去回路345に入力される。
≪第4の実施の形態≫
以下、本発明の第4の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
このために、図8のノイズ除去回路では、2つのノイズ除去経路を設けることによって全てのデータからノイズ除去を行えるようにしている。
しかしながら、IFFTやFFTを行う対象においては必ずしも整数個のデータが入っていないために、ノイズ除去の際にノイズでない高周波成分も除去されてしまい、FFT処理後の信号の端部に歪が生じてしまう。
<ノイズ除去回路>
(回路構成)
本実施の形態のノイズ除去回路の構成について図13を参照しつつ説明する。図13はノイズ除去回路の構成を示すブロック図である。
SP信号分離回路361は、シンボル毎に、複素除算回路203から入力されるSP信号位置の伝送路特性を示すデータからなるデータ群のうち帯域の下端からのP(Pは正の整数)個のデータをキャリア拡張回路362へ出力し、帯域の上端からのP個のデータをキャリア拡張回路367へ出力する。ただし、2Pの値は複素除算回路203から入力されるデータの数より大きい。つまり、キャリア拡張回路362へ出力されるデータとキャリア拡張回路367へ出力されるデータの一部は重複している。
IFFT回路363は、キャリア拡張回路362から入力される2R個のデータからなるデータ群をIFFTし、IFFT後のデータ群をノイズ除去フィルタ364へ出力する。
FFT回路365は、ノイズ除去フィルタ364から入力されるノイズ除去後のデータ群をFFTして周波数領域の信号に戻し、FFT後のデータ群をキャリア除去回路366へ出力する。
キャリア拡張回路367は、SP信号分離回路361から入力されるP個のデータからなるデータ群に対して、その帯域の上端の外側に上端のデータの値を複写して当該上端のデータの値と同じ値のQ個のデータを付加し、データ数を2Rに拡張し、拡張後のデータ群をIFFT回路368へ出力する。
ノイズ除去フィルタ369は、IFFT回路368から入力されるデータ群に対してノイズ除去フィルタ304と同じ処理を行い、ノイズ除去後のデータ群をFFT回路370へ出力する。
キャリア除去回路371は、FFT回路370から入力されるFFT後のデータ群から、その帯域の上端からのQ個のデータを除去し、除去後のデータ群をSP信号合成回路372へ出力する。
(回路動作)
図13を参照しつつ回路構成を説明したノイズ除去回路の回路動作について説明する。
SP信号分離回路361から出力された帯域の下端側のデータ群は、キャリア拡張回路362によりその帯域の下端の外側にQ個のデータが付加され、2Rのデータからなるデータ群がキャリア拡張回路341によってIFFT回路363に対して出力される。
キャリア除去回路366は、FFT回路365から入力されたデータ群から、その帯域の下端からのQ個のデータを除去し、除去後のデータ群をSP信号合成回路372に入力する。
キャリア拡張回路362から出力されたデータ群は、IFFT回路368によるIFFT処理、ノイズ除去フィルタ369によるノイズ除去処理、FFT回路370によるFFT処理が施され、キャリア除去回路371に入力される。
SP信号合成回路372はキャリア除去回路366から入力されたデータとキャリア除去回路371から入力されたデータとを周波数領域で合成し、後段のメモリ205に格納する。
(ノイズ除去回路の具体例)
図13のノイズ除去回路204cにより行われる処理の具体例について図14及び図15を参照しつつ説明する。図14及び図15は、DVB−T方式の8Kモードの場合のノード除去回路204cにより行われる処理の具体例を説明するための図である。
SP信号分離回路361は、図14(a)に示すように帯域の下端からの412個のデータをキャリア拡張回路362へ出力し、図14(c)に示すように帯域の上端からの512個のデータをキャリア拡張回路367へ出力する。
キャリア拡張回路362は、図14(a)及び図15に示すように、SP信号分離回路361から入力されるデータに対して、その帯域の下端の外側に下端のデータの値と同じ値の100個のデータを追加することによってデータ数を512(=29)個に拡張し、IFFT回路363へ出力する。
キャリア除去回路366は、FFT回路365から入力されたデータ群から、その帯域の下端からの100個のデータを除去し、除去後のデータ群をSP信号合成回路372に入力する。
キャリア拡張回路367から出力された512個のデータは、IFFT回路368、ノイズ除去フィルタ369及びFFT回路370の夫々により処理が施され、キャリア除去回路371に入力される。
SP信号合成回路372は、図14(a)、(d)に示すように、帯域の下端から帯域の中央までの284個のデータはキャリア除去回路366から入力されるデータを選択し、図14(c)、(d)に示すように、帯域の上端から帯域の中央までの284個のデータはキャリア除去回路371から入力されるデータを選択する。そして、SP信号合成回路372は、選択したデータを周波数領域で切り替え合成して、後段のメモリ205に格納する。
≪第5の実施の形態≫
以下、本発明の第5の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
そこで、本実施の形態のノイズ除去回路はSP信号合成部の出力信号の帯域中央部での不連続をなくすために出力信号から高周波波成分を除去しようとするものである。
<ノイズ除去回路>
本実施の形態のノイズ除去回路の構成について図17を参照しつつ説明する。図17はノイズ除去回路の構成を示すブロック図である。
≪第6の実施の形態≫
以下、本発明の第6の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<等化回路>
(回路構成)
本実施の形態の等化回路の構成について図18を参照しつつ説明する。図18は等化回路の構成を示すブロック図である。
ノイズ除去回路204eはキャリア補間回路206から入力される全キャリアに対する伝送路特性を示すデータを用いてノイズ除去処理を行い、ノイズ除去後の伝送路特性を示すデータを複素除算回路208へ出力する。
(回路動作)
図18を参照しつつ回路構成を説明した等化回路105bの回路動作について説明する。
SP抽出回路201はFFT後の信号からSP信号を抽出し、SP抽出回路201によって抽出されたSP信号が複素除算回路203に入力される。このとき、SP発生回路202は送信側の送信時のSP信号と同じ信号を複素除算回路203へ出力する。複素除算回路203はSP抽出回路201から入力されたSP信号をSP発生回路202から入力された信号で複素除算し、SP信号位置の伝送路特性を示すデータを算出し、算出結果がメモリ205に格納される。
FFT回路104から出力されたデータ信号等は遅延回路200により遅延させられて複素除算回路208に入力される。
≪第7の実施の形態≫
以下、本発明の第7の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<等化回路>
本実施の形態の等化回路の構成について図19を参照しつつ説明する。図19は等化回路の構成を示すブロック図である。
ノイズ除去回路204fはシンボル補間回路206から入力されるSPキャリア(SP信号が何れかのシンボルで挿入されるサブキャリア)の各信号位置の伝送路特性を示すデータを用いてノイズ除去処理を行い、ノイズ除去後の伝送路特性を示すデータをキャリア補間回路207へ出力する。
(回路動作)
図19を参照しつつ回路構成を説明した等化回路105cの回路動作について説明する。
SP抽出回路201はFFT後の信号からSP信号を抽出し、SP抽出回路201によって抽出されたSP信号が複素除算回路203に入力される。このとき、SP発生回路202は送信側の送信時のSP信号と同じ信号を複素除算回路203へ出力する。複素除算回路203はSP抽出回路201から入力されたSP信号をSP発生回路202から入力された信号で複素除算し、SP信号位置の伝送路特性を示すデータを算出し、算出結果がメモリ205に格納される。
ノイズ除去回路204fは、シンボル補間回路206から入力されたSPキャリアの各信号位置の伝送路特性を示すデータからノイズを除去し、ノイズ除去後のデータをキャリア補間回路207へ出力する。そして、キャリア補間回路207は入力されたデータ群をキャリア方向に補間処理を行うことによって全サブキャリアに対する伝送路特性を示すデータを算出し、算出結果を複素除算回路208へ出力する。
複素除算回路208はデータ信号等をキャリア補間回路207から入力されたそのデータ信号等の信号位置の伝送路特性を示すデータで複素除算し、後段の周波数デインタリーブ回路106へ出力する。
≪補足≫
(1)第1の実施の形態ではSP信号分離回路301は伝送路特性を示すデータからなるデータ群を帯域中央部の2N個のデータとそれ以外のデータとに分離する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、帯域下部の2N個のデータとそれ以外のデータとに分離する、或いは、帯域上部の2N個のデータとそれ以外のデータとに分離する、などどのようにデータ群を分離してもよい。
(2)上記の実施の形態では、ノイズ除去フィルタはサンプル点の電力値が所定の手順で定められる値以下であれば当該サンプル点の値をゼロにする場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、サンプル点の値を所定の手順で定められる値以下の値にする、或いは、サンプル点の値を当該サンプル点の値に所定の比率(1未満の値)を乗じた値にする、などであってもよい。
(3)上記の実施の形態では、ノイズ除去フィルタは主波の電力値から所定の閾値を減算した値を基準に用いる場合であるが、これに限らず、主波の電力値に対して所定の比率を乗じた値を基準に用いる、或いは、所定の値を基準に用いる、などであってもよい。
(4)上記の第2、第4の実施の形態では、SP信号分離回路321(SP信号分離回路361)がIFFT回路322(キャリア拡張回路362)及びIFFT回路325(キャリア拡張回路367)の各々へ出力するデータの数が同数である場合を例に挙げて説明したが、必ずしも同数である必要はない。なお、この場合にはSP信号合成回路328に同じシンボルのデータが入力されるようにするための遅延回路を設ける。
(5)上記の第2、第4実施の形態では、SP信号合成回路328(SP信号合成回路372)はFFT回路324(キャリア除去回路366)から入力されるデータとFFT回路327(キャリア除去回路371)から入力されるデータの何れかを選択し、周波数領域で切り替え合成するようにしている場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、重複する帯域のデータの値は両者の加重平均の値にするなどであってもよい。
(6)上記の第3の実施の形態では、キャリア拡張回路341が帯域の下端の外側及び帯域の上端の外側に同数のデータを付加している場合であるが、これに限らず、帯域の下端の外側及び帯域の上端の外側に異なる数のデータを付加するようにしてもよい。
(7)上記の第3、第4の実施の形態では、キャリア拡張回路341、362、367が帯域の下端の外側或いは上端の外側に端部のデータの値と同じ値のデータを付加する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、端部のデータの値に対して所定の比率の範囲内の値のデータを付加するようにしてもよい。また、端部のデータの値と一つ内側のデータの値とを比較して端部のデータの値の方が大きければ端部から離れるに伴いデータの値が大きくなるようにデータを付加し、端部のデータの値の方が小さければ端部から離れるに伴いデータの値が小さくなるようにデータを付加してもよい。
(8)上記の第4の実施の形態では、キャリア拡張回路362及びキャリア拡張回路367は夫々SP信号分離回路361から出力されるデータ群にデータを付加する構成になっているが、これに限らず、キャリア拡張回路が複素除算回路203から出力されるデータ群にデータを付加し、SP信号分離回路がデータ付加後のデータ群を分離するようにしてもよい。
(9)上記の第2の実施の形態で説明したノイズ除去回路のSP信号合成回路328の後段に上記の第5の実施の形態で説明したフィルタ381を付加してもよい。
(10)上記の各実施の形態の受信装置は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてよい。各回路を個別に1チップとしてもよいし、全ての回路又は一部の回路を含むように1チップ化されてもよい。例えば、チューナ部101は他の回路部と同一の集積回路に集積されることもあれば、別の集積回路になる場合もある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラム化することが可能なFPGA(FieldProgrammable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
101 チューナ部
102 A/D変換部
103 直交検波回路
104 FFT回路
105 等化回路
106 周波数デインタリーブ回路
107 ビットデインタリーブ回路
108 誤り訂正回路
200 遅延回路
201 SP抽出回路
202 SP発生回路
203 複素除算回路
204 ノイズ除去回路
205 メモリ
206 シンボル補間回路
207 キャリア補間回路
208 複素除算回路
301 SP信号分離回路
302 遅延回路
303 IFFT回路
304 ノイズ除去フィルタ
305 FFT回路
306 SP信号合成回路
Claims (11)
- OFDM信号の所定のサブキャリアに挿入される分散パイロット信号を基に当該OFDM信号に含まれるデータ信号を等化する受信装置において、
前記分散パイロット信号を基に得られる同じシンボルの伝送路特性を示すデータからなるデータ群の帯域の下端の外側に当該下端のデータの値を基にデータを付加すると共に、その帯域の上端の外側に当該上端のデータの値を基にデータを付加するキャリア拡張部と、
前記キャリア拡張部により付加されたデータを含む2N(Nは正の整数)個のデータからなるデータ群を逆高速フーリエ変換する逆フーリエ変換部と、
前記逆フーリエ変換部による変換後のデータ群に含まれるデータのうち所定の手順で定められる値以下のデータに対して当該データの値を元の値より小さくするノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部による処理後のデータ群を高速フーリエ変換するフーリエ変換部と、
前記フーリエ変換部による変換後のデータ群を基に前記データ信号を等化する等化部と、
を備えた受信装置。 - 前記逆フーリエ変換部は、前記キャリア拡張部によるデータ付加後の帯域の下端からの2N1(N1は正の整数)個のデータを含むデータ群を逆高速フーリエ変換する第1逆フーリエ変換部と、前記第1逆フーリエ変換部による逆高速フーリエ変換の対象となるデータ群と一部重複し、前記データ付加後の帯域の上端からの2N2(N2は正の整数)個のデータを含むデータ群を逆高速フーリエ変換する第2逆フーリエ変換部と、を有し、
前記ノイズ除去部は、前記第1逆フーリエ変換部による変換後のデータ群及び前記第2逆フーリエ変換部による変換後の第2データ群に対して処理を行い、
前記フーリエ変換部は、前記第1逆フーリエ変換部による逆高速フーリエ変換で得られ、前記ノイズ除去部による処理が施されたデータ群を高速フーリエ変換する第1フーリエ変換部と、前記第2逆フーリエ変換部による逆高速フーリエ変換で得られ、前記ノイズ除去部による処理が施されたデータ群を高速フーリエ変換する第2フーリエ変換部と、を有し、
前記受信装置は、前記第1フーリエ変換部による変換後のデータ群と前記第2フーリエ変換部による変換後のデータ群とを合成する合成部を更に備え、
前記等化部は、前記合成部による合成後のデータ群に含まれるデータを基に前記データ信号の等化を行う請求項1記載の受信装置。 - 前記合成部は、前記第1フーリエ変換部による変換後のデータ群と前記第2フーリエ変換部による変換後のデータ群とが重複する帯域の所定の周波数以下の帯域では前記第1フーリエ変換部による変換後のデータ群に含まれるデータを選択し、前記所定の周波数を超える帯域では前記第2フーリエ変換部による変換後のデータ群に含まれるデータを選択することによって、前記第1フーリエ変換部による変換後のデータ群と前記第2フーリエ変換部によるデータ群とを切り替え合成する請求項2記載の受信装置。
- 前記キャリア拡張部は、前記帯域の下端の外側のデータの付加を当該下端のデータの値と同じ値のデータを付加することによって行い、前記帯域の上端の外側のデータの付加を当該上端のデータの値と同じ値のデータを付加することによって行う請求項1記載の受信装置。
- 前記ノイズ除去部は、前記所定の手順で定められる値以下のデータに対して当該データの値をゼロにする請求項1記載の受信装置。
- 前記分散パイロット信号を送信側の送信時の分散パイロット信号で除算する除算部を更に備え、
前記キャリア拡張部は、前記除算部による除算結果からなるデータ群に対してデータを付加する請求項1記載の受信装置。 - 前記分散パイロット信号を送信側の送信時の分散パイロット信号で除算する除算部と、
前記除算部による除算結果をシンボル方向に補間処理することによって、分散パイロット信号が挿入されるサブキャリアの信号位置の伝送路特性を示すデータを算出するシンボル補間部と、
を更に備え、
前記キャリア拡張部は、前記シンボル補間部による補間結果からなるデータ群に対してデータを付加する請求項1記載の受信装置。 - 前記分散パイロット信号を送信側の送信時の分散パイロット信号で除算する除算部と、
前記除算部による除算結果をシンボル方向及びキャリア方向に補間処理することによって、全サブキャリアに対する伝送路特性を示すデータを算出する補間部と、
を更に備え、
前記キャリア拡張部は、前記補間部による算出結果からなるデータ群に対してデータを付加する請求項1記載の受信装置。 - OFDM信号の所定のサブキャリアに挿入された分散パイロット信号を基に当該OFDM信号に含まれるデータ信号を等化する受信装置において、
前記分散パイロット信号を送信側の送信時の分散パイロット信号で除算する除算部と、
同じシンボルの前記除算部による除算結果の一部の2N(Nは正の整数)個のデータからなるデータ群を逆高速フーリエ変換する逆フーリエ変換部と、
前記逆フーリエ変換部による変換後のデータ群のうち所定の手順で定められる値以下のデータに対して当該データの値を小さくするノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部によるノイズ除去後のデータ群を高速フーリエ変換するフーリエ変換部と、
前記除算部による除算結果の前記一部を除くデータと前記フーリエ変換部によるフーリエ変換後のデータからなるデータ群をシンボル方向及びキャリア方向に補間処理することによって、全サブキャリアに対する伝送路特性を示すデータを算出する補間部と、
前記補間部により補間処理が行われた後のデータ群を基に前記データ信号を等化する等化部と、
を備えた受信装置。 - OFDM信号の所定のサブキャリアに挿入される分散パイロット信号を基に当該OFDM信号に含まれるデータ信号を等化する集積回路において、
前記分散パイロット信号を基に得られる同じシンボルの伝送路特性を示すデータからなるデータ群の帯域の下端の外側に当該下端のデータの値を基にデータを付加すると共に、その帯域の上端の外側に当該上端のデータの値を基にデータを付加するキャリア拡張回路と、
前記キャリア拡張回路により付加されたデータを含む2N(Nは正の整数)個のデータからなるデータ群を逆高速フーリエ変換する逆フーリエ変換回路と、
前記逆フーリエ変換回路による変換後のデータ群に含まれるデータのうち所定の手順で定められる値以下のデータに対して当該データの値を元の値より小さくするノイズ除去回路と、
前記ノイズ除去回路による処理後のデータ群を高速フーリエ変換するフーリエ変換回路と、
前記フーリエ変換回路による変換後のデータ群を基に前記データ信号を等化する等化回路と、
を備えた集積回路。 - OFDM信号の所定のサブキャリアに挿入される分散パイロット信号を基に当該OFDM信号に含まれるデータ信号を等化する受信方法において、
前記分散パイロット信号を基に得られる同じシンボルの伝送路特性を示すデータからなるデータ群の帯域の下端の外側に当該下端のデータの値を基にデータを付加すると共に、その帯域の上端の外側に当該上端のデータの値を基にデータを付加するキャリア拡張手順と、
前記キャリア拡張手順により付加されたデータを含む2N(Nは正の整数)個のデータからなるデータ群を逆高速フーリエ変換する逆フーリエ変換手順と、
前記逆フーリエ変換手順における変換後のデータ群に含まれるデータのうち所定の手順で定められる値以下のデータに対して当該データの値を元の値より小さくするノイズ除去手順と、
前記ノイズ除去手順における処理後のデータ群を高速フーリエ変換するフーリエ変換手順と、
前記フーリエ変換手順による変換後のデータ群を基に前記データ信号を等化する等化手順と、
を有する受信方法。
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