JP4856155B2 - ジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法 - Google Patents

ジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子重合触媒や、医薬品製造、太陽電池製造等に使用されるジアルキル亜鉛を製造する際に副生物として得られるジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法に関する。
ジアルキル亜鉛は、高分子重合や、医薬品製造の触媒あるいは反応剤として、また太陽電池や半導体製造装置の電極に用いられる透明導電膜を構成する酸化亜鉛の形成物質として、近年需要が増大している。その製造方法の一つとして、式(1)に示す塩化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとの反応が知られている(特許文献1、2)。
ZnCl2+2R3Al→R2Zn+2R2AlCl (1)
上記反応で得られるジアルキル亜鉛の副生物として得られるジアルキルアルミニウムモノクロライド等のジアルキルアルミニウムモノハライドは各種重合反応の触媒作用等の機能を有し、各種分野においてその有用性が認められている。
ジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドは、式(1)等の反応により、これらが生成された反応液から、通常まず沸点の低いジアルキル亜鉛を蒸留回収し、次いで沸点の高いジアルキルアルミニウムモノハライドを蒸留回収することにより製造されている。
ジアルキル亜鉛蒸留後の釜残液はジアルキルアルミニウムモノハライドを主成分とするが、亜鉛成分がなお残存しており、釜残液を蒸留して得られるジアルキルアルミニウムモノハライド中には亜鉛成分が含まれる。ジアルキルアルミニウムモノクロライド中に含まれる亜鉛成分を所望の濃度まで低減する種々の方法が報告されている。例えば、ジアルキル亜鉛を留出した後の釜残液へ、アルキルアルミニウムハイドライドを含むトリアルキルアルミニウムを添加する方法(特許文献3)、ジアルキル亜鉛を蒸留分離後の釜残液へ、アルキルアルミニウムセスキクロライドを添加する方法(特許文献4)が挙げられる。しかしながら、アルキル基の炭素数が同一であるジアルキルアルミニウムモノクロライドとトリアルキルアルミニウムは、沸点が近似し蒸留による分離が困難である。
更に、ジエチル亜鉛蒸留分離後、釜残液を不活性ガス雰囲気中、150〜240℃で加熱したり(特許文献5)、塩化アルミニウム及びトリエチルアルミニウムを加えて加熱し(特許文献6)、その後 ジアルキルアルミニウムモノクロライドを蒸留する方法が報告されている。しかしながら、これらの方法は工程が増加するうえ、得られるジエチルアルミニウムモノクロライドの亜鉛濃度は、200ppm、100ppm等と充分には低減されていない。
以上のように、塩化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを原料とする反応生成物からジアルキル亜鉛を蒸留分離した後、実質的に亜鉛分を含まないジアルキルアルミニウムモノハライドを収率高く、工業的規模で製造することができる方法が要請されている。
特公昭37−2026号 米国特許3124604号 米国特許4732992号 米国特許4670571号 米国特許3946058号 米国特許4092342号
本発明の課題は、ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを原料とする反応で得られた反応生成物からジアルキル亜鉛を回収した後、実質的に亜鉛成分を含まないジアルキルアルミニウムモノハライドを工業的規模で、収率高く、効率よく製造するジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを原料とする反応で、生成したジアルキル亜鉛を蒸留分離後の反応生成物に金属アルミニウムを混合接触させ、亜鉛成分を金属亜鉛とした後にジアルキルアルミニウムモノハライドを蒸留することにより、実質的に亜鉛を含まないジアルキルアルミニウムモノハライドが収率高く得られることを見い出した。かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを反応させてジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドを生成させ、ジアルキル亜鉛を蒸留分離後の反応生成物に溶解される亜鉛成分に対して、モル比で0.40以上の金属アルミニウムとを混合接触し、次いで蒸留して実質的に亜鉛成分を含まないジアルキルアルミニウムモノハライドを回収することを特徴とするジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法に関する。
本発明のジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法によれば、ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを原料とする反応で得られた反応生成物からジアルキル亜鉛を蒸留分離した後、実質的に亜鉛成分を含まないジアルキルアルミニウムモノハライドを工業的規模で、収率高く、効率よく製造することができる。
本発明のジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法は、ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを反応させてジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドを生成させ、ジアルキル亜鉛を蒸留分離した後の反応生成物に溶解される亜鉛成分に対して、モル比で0.40以上の金属アルミニウムとを混合接触し、次いで蒸留して実質的に亜鉛成分を含まないジアルキルアルミニウムモノハライドを回収することを特徴とする。
本発明のジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法において、原料として使用するハロゲン化亜鉛は、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛等である。ハロゲン化亜鉛は吸湿しやすいので十分に乾燥しておく必要があり、水分含有率が0.5%質量以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%質量以下である。
もう一方の原料であるトリアルキルアルミニウム(R3Al)は、そのアルキル基として、直鎖状、分枝状、環状等いずれであってもよいが、炭素数C1〜C6のものが好適である。トリアルキルアルミニウム(R3Al)における3つのアルキル基は異種であってもよいが、同種のものが好ましい。
上記二つの原料から、ジアルキル亜鉛とジアルキルアルミニウムモノハライドを反応生成物として生成させる反応は、次のように実施することができる。反応は無溶媒で行ってもよいが、分散媒中で行ってもよい。分散媒としては、原料及び生成物と反応せず、生成物の沸点より沸点が高い、例えば、流動パラフィン等の炭化水素が、蒸留分離が容易であり好適に使用できる。また、反応は乾燥不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。反応器内に水分が存在するとトリアルキルアルミニウムが水分と反応することにより、ジアルキル亜鉛の収量が減少するためである。
ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムの反応は発熱反応であり、液温度が20〜100℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは、30〜70℃に除熱、制御して行う。反応温度が20℃以上であれば、反応速度が遅くなるのを抑制することができ、100℃以下であれば、析出物の生成を抑制することができる。反応器の温度制御は原料供給流量、冷媒流量、あるいは供給時の冷媒温度を制御する方法を採用することができる。
ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムの使用量割合としては、ハロゲン化亜鉛1モルに対して、トリアルキルアルミニウム1.6以上、2.4モル以下が好ましく、より好ましくは1.8以上、2.2モル以下である。
反応器への原料の仕込みは、トリアルキルアルミニウム又はハロゲン化亜鉛のいずれかを先に仕込み、他方を徐々に供給することが、反応の制御が容易なことから好ましい。トリアルキルアルミニウムを先に仕込む場合は、分散媒を使用しないでも反応させることができる。原料供給速度を適切にすることにより、単位時間当たりの発熱量が過大になり液温度が上昇するのを抑制し、その熱によるジアルキル亜鉛の分解消失を抑制することができる。また原料供給の終了後の攪拌は、反応終了に至る充分な時間行うことが好ましい。具体的には、先に仕込んだ原料に対して、後から加える原料の供給開始から終了までを1〜15時間、より好ましくは2〜10時間とし、その後の攪拌を0.5〜5時間、より好ましくは1〜3時間行うことで反応を終了させることができる。
反応生成物から目的のジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドの回収は蒸留によって行う。ここで、反応生成物とは、反応終了後の反応系の全体であり、即ち、反応によって得られた生成物及び未反応の原料を含むものをいう。蒸留は蒸留塔を用いて行うことが好ましく、蒸留方法としては、回分式、連続式等いずれであってもよい。まずジアルキル亜鉛の蒸留精製を行う。反応生成物を蒸留塔へ移液して、蒸留塔や蒸留条件を適切に選択し、実質的にアルミニウム分を含まない、即ち、アルミニウム濃度が10ppm以下のジアルキル亜鉛を、収率80〜90%で蒸留回収することが好ましい。蒸留条件としては、圧力については、ジアルキル亜鉛が熱分解するのを抑制するため、減圧することが好ましく、分離効率も考慮すれば10Torr以上、100Torr以下が好適である。蒸留塔の形式としては、圧力損失が小さく分離効率のよい充填塔が好ましいが、棚段塔を使用しても差し支えない。ジアルキル亜鉛中のアルミニウム濃度は、例えば、原子吸光法により測定された測定値を採用することができる。
上記ジアルキル亜鉛の蒸留回収後、蒸留釜残液を再度蒸留して、残留するジアルキル亜鉛を充分に留出させ、反応生成物に含有されるジアルキル亜鉛の減量を図ることが好ましい。ここでのジアルキル亜鉛の留出液は後バッチの反応で得られる反応生成物に添加してもよい。
上記ジアルキル亜鉛の蒸留分離後の反応生成物(以下、蒸留残反応生成物ともいう。)に、金属アルミニウムを混合接触させる(以下、亜鉛処理ともいう。)。亜鉛処理は、蒸留残反応生成物に溶解される亜鉛成分を固体の亜鉛化合物又は金属亜鉛(以下固体亜鉛ともいう。)とすることを目的として行う。これにより、蒸留残反応生成物から回収するジアルキルアルミニウムモノハライド中に、亜鉛成分が混入するのを抑制することができる。
蒸留残反応生成物には、金属亜鉛等の固体の亜鉛成分に加え、これに溶解している亜鉛化合物(以下、溶解亜鉛ともいう。)が含まれる。この溶解亜鉛には、反応生成物としてのジアルキル亜鉛、これより分子量の大きいジアルキル亜鉛、原料であるハロゲン化亜鉛等が含まれる。反応生成物としてのジアルキル亜鉛よりも分子量の大きいジアルキル亜鉛は、原料として使用するトリアルキルアルミニウムに不純物として含まれるより大きな分子量のトリアルキルアルミニウムとハロゲン化亜鉛との反応により、例えば、式(2)に示す反応により生成されることが考えられる。
ZnX2+R3Al+R2R’Al→RR’Zn+2R2AlX (2)
式中、Rは反応生成物に含まれるアルキル基、R’はRより炭素数の多いアルキル基、Xはハロゲン原子を示す。
溶解亜鉛のうちハロゲン化亜鉛は、常温常圧で固体であり、ジアルキルアルミニウムハライドと分離することは容易である。しかし、蒸留残反応生成物に残留するジアルキル亜鉛はジアルキルアルミニウムモノハライドの沸点と近く、蒸留残反応生成物からのジアルキルアルミニウムモノハライドの蒸留分に混入される。ジアルキル亜鉛を金属アルミニウムに接触させることにより、例えば、式(3)に示す反応等が生じ、
3R2Zn+2Al → 3Zn+2R3Al (3)
ジアルキル亜鉛が還元されて金属亜鉛となる。これにより、蒸留残反応生成物から蒸留されるジアルキルアルミニウムモノハライドにジアルキル亜鉛が混入されるのを抑制することができる。
上記蒸留残反応生成物と金属アルミニウムとの混合接触の方法としては、混合接触槽中で攪拌して行う方法を使用することができ、具体的には、液循環装置や攪拌装置を備えた、10〜40℃の混合接触槽中で、接触効率を上げて行うことが好ましい。処理時間は、例えば、屋外の処理槽で1〜10時間等を挙げることができる。
亜鉛処理のために使用する金属アルミニウムとしては、トリアルキルアルミニウムに不純物として含まれるジアルキルアルニミウムハイドライドから反応生成物中に析出される金属アルミニウムをそのままの懸濁液として、あるいは濾過により分離した後に使用することが可能である。この金属アルミニウムは、実質的に他の元素を含まないものである。
また、ここで使用する金属アルミニウムとして、遷移金属に分類される金属成分が含有されているものを使用することがより好ましい。金属アルミニウムに含まれる遷移金属としては、具体的には、Ti、V、Fe、Ni、Zr、Pd等を挙げることができる。その含有量としては、アルミニウムに対する原子比で0.0010以上、0.10以下が好ましく、より好ましくは、0.0050以上、0.10以下である。遷移金属がアルミニウムに対して原子比で0.10以下であれば、分離工程等の工程増加による生産効率の低下を抑制することができる。
金属アルミニウムに含まれる遷移金属の含有量としては、例えば、原子吸光法により測定された測定値を採用することができる。。
金属アルミニウムの形状としては、粒状、あるいは粉末状が、表面積が大きくなるので好ましい。その粒径に特に制約はないが、150μm以下のものが好適に使用できる。金属アルミニウムとしては、具体的には、水素とアルミニウムとオレフィンとの反応で製造するトリアルキルアルミニウムの反応液に残存する未反応のアルニミウムが、Ti等の遷移金属を適量含有することが多く、また、粒径も好ましい範囲にあり、好適に使用することができる。あるいは、トリハロゲン化アルミニウムとトリアルキルアルミニウムとを反応させて、アルキルアルミニウムハライドを合成する際に、析出する金属アルミニウムも同様に好適に使用することができる。
亜鉛処理における金属アルミニウムの使用量は、蒸留残反応生成物中の溶解亜鉛に対して、モル比で0.40以上が好ましい。金属アルミニウムがモル比で0.40以上であれば、溶解亜鉛の還元が充分になされ、亜鉛成分の分離除去を充分に行うことができる。蒸留残反応生成物中の溶解亜鉛は、例えば、原子吸光法の方法により測定した測定値を採用することができる。
亜鉛処理を行った蒸留残反応生成物(以下、亜鉛処理物ともいう。)から、ジアルキルアルミニウムモノハライドの蒸留に先立ち、金属アルミニウム、金属亜鉛、ハロゲン化亜鉛等の固形分を濾過等により除去することもできる。
次いで、亜鉛処理物を蒸留し留出液としてジアルキルアルミニウムモノハライドを回収する。留出液として純度の高いジアルキルアルミニウムハライドを得ることができる。得られるジアルキルアルミニウムハライド中に含まれる不純物としての亜鉛濃度は10ppm未満とすることができる。
以下に、図1を参照して本発明の一例を示す。
ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを反応させて得られた反応生成物からジアルキル亜鉛を留出させる蒸留1は、還流比として0.1〜10で行うことが好ましく、より好ましくは1〜5である。蒸留圧力は10〜100Torrで行うことが好ましく、より好ましくは20〜50Torrである。ジアルキル亜鉛の留出中にアルミニウムが混入するのを抑制するために、蒸留1回当たりのジアルキル亜鉛回収率、即ち、反応生成物中のジアルキル亜鉛に対し、留出させるジアルキル亜鉛の割合を95%以下に抑えることが好ましい。このようにすることにより、アルミニウム濃度10ppm以下のジアルキル亜鉛を得ることができる。蒸留が進行し釜液の組成が変化するに伴い、釜液温度は徐々に上昇するが、釜液温度は150℃以下に制御することが好ましく、120℃以下に制御することがより好ましい。蒸留1の釜残液は、金属アルミニウムとの混合接触を行う混合接触槽へ直接導入することもできるが、蒸留1は、留出するジアルキル亜鉛にアルミニウムが混入するのを抑制するためジアルキル亜鉛を釜残液に残留させて行うものであり、この釜残液からジアルキル亜鉛の蒸留を充分に行う蒸留2に供することが好ましい。
蒸留1の釜残液中に残存する大部分のジアルキル亜鉛を留出、回収する蒸留2は、蒸留1に引き続き行うことができるが、蒸留1の釜残液を一旦別の槽に溜めておき、ジアルキル亜鉛蒸留を数回反復してこれらの蒸留における釜残液を加えて行うことも可能である。蒸留2は、還流比を0、圧力と釜液温度を蒸留1と同程度にして行うこともできるが、運転圧力を低下させて、あるいは釜液温度を上げてジアルキル亜鉛の留出を促すこともできる。蒸留2の留出液は、後バッチの反応生成物に添加し、ジアルキル亜鉛の蒸留に使用することができる。蒸留2における釜残液は金属アルミニウムとの混合接触を行う亜鉛処理槽に供する。
亜鉛処理は、蒸留2の釜残液に含まれる溶解亜鉛を固体亜鉛にする処理であり、処理を行う釜残液に含まれる溶解亜鉛に対し、モル比で0.40以上の金属アルミニウム、又はアルミニウムに対する原子比で0.0010以上、0.10以下の遷移金属を含む金属アルミニウムを収納した亜鉛処理槽で行うことができる。処理は、例えば、攪拌しつつ、常温で1〜10時間行うことができる。
亜鉛処理を行った亜鉛処理物から、金属アルミニウム、金属亜鉛、ハロゲン化亜鉛等の固形分を濾過等により除去することもできる。
次いで、亜鉛処理物を蒸留しジアルキルアルミニウムモノハライドを回収する蒸留3は、例えば、還流比0.2〜5で行うことが好ましく、より好ましくは0.5〜3である。蒸留を行う圧力としては、10〜100Torrが好ましく、より好ましくは15〜50Torrであり、釜液温度は蒸留物の物性や運転圧力に応じて異なるが250℃を超えない条件で行うことが好ましい。留出率、即ち、蒸留塔に導入する液の質量に対する留出液の質量の割合は、50〜90%が、留出液として純度の高いジアルキルアルミニウムハライドを得ることができることから、好ましい。得られるジアルキルアルミニウムハライド中に含まれる不純物としての亜鉛濃度は10ppm未満とすることができる。蒸留3における釜残液は廃棄する他、亜鉛処理物に加え蒸留3を行うこともできる。
以下、本発明のジアルキルアルミニウムハライドの製造方法について、具体的に説明する。
[実施例1]
攪拌機、原料供給配管(塩化亜鉛、トリエチルアルミニウム)、窒素配管、温度計を装着した6m3炭素鋼製反応器を窒素置換後、圧力を0.01MPaGとし、トリエチルアルミニウム2300kgを仕込んだ。攪拌機を作動させつつ、この反応器へ塩化亜鉛1400kgを10時間かけて供給した。塩化亜鉛供給終了後2時間攪拌してから、釜容積6m3の炭素鋼製5段シーブトレイ型蒸留塔へ移液した。
得られた反応生成物の蒸留を行った。釜液を加熱する熱交換器は外部循環型であり、管側を流れる液を胴側の熱媒で加熱した。30Torrの減圧下、濾液3600kgの温度を30℃から徐々に90℃まで上昇させて蒸留した。還流比は3とし、蒸留1、蒸留2を連続して行った。蒸留1における留分は1100kg、蒸留2における留分は500kgであった。この第1留分の分析からジエチル亜鉛純度は99.9%以上で、アルミニウム濃度は10ppm以下、亜鉛濃度は52.9質量%であった。蒸留2の留出分はジエチル亜鉛が70kg、ジエチルアルミニウムモノクロライドが430kgであった。
蒸留2の釜残液2000kgは亜鉛処理槽へ移液した。反応及び蒸留1、蒸留2と同様の操作を2回繰り返し、亜鉛処理槽中の釜残液を4000kgとした。この液に含まれる溶解亜鉛の亜鉛濃度は2.0質量%であった。ここへ、アルミニウム69.4質量%、チタン23.6質量%、その他7.0質量%から構成される固体が10質量%であるジエチルアルミニウムクロライド懸濁液800kgを供給し、3時間攪拌した。この処理液に含まれる溶解亜鉛の亜鉛濃度は10ppm以下であった。
得られた処理液のうち4000kgを蒸留塔に供給した。圧力27Torr、釜液温度144〜149℃、還流比1の条件のもと蒸留3を行い、3500kgを留出した。留出液はアルニミウム濃度は22.1質量%、クロライド濃度は29.1質量%、亜鉛濃度は10ppm以下であった。合成1回当たり、蒸留により得たアルミニウムを実質的に含まないジエチル亜鉛の収量は1100kg、蒸留により得た亜鉛を実質的に含まないジエチルアルミニウムクロライドの収量は1750kgであった。
[実施例2]
実施例1と同様に反応を行い、反応生成物を得た。その後、亜鉛処理槽に、アルミニウム89.8質量%、チタン8.7質量%、その他1.5質量%から構成される固体が10質量%であるジエチルアルミニウムクロライド懸濁液1310kgを供給した以外は、実施例1と同様に蒸留1、蒸留2、亜鉛処理、蒸留3を行い、留出液3500kgを得た。亜鉛処理液に含まれる溶解亜鉛の亜鉛濃度は2000ppmであった。蒸留3で得られた留出液はアルニミウム濃度は22.1質量%、クロライド濃度は29.0質量%、亜鉛濃度が200ppmであった。
[実施例3]
実施例1と同様に反応を行い、反応生成物を得た。その後、蒸留2の釜残液7100kgを、アルミニウム19.1質量%、チタン2.5質量%、亜鉛51.5質量%、その他26.9質量%から構成される固体約3600kgと、溶解亜鉛を実質的に含まないジエチルアルミニウムクロライド3600kgが在液する亜鉛処理槽へ導入し、釜残液を導入後3日間放置した。溶解亜鉛の亜鉛濃度は70ppmであった。
この液4000kgを実施例1と同様に蒸留3を行い、留出液3500kgを得た。留出液はアルニミウム濃度は22.2質量%、クロライド濃度は29.3質量%、亜鉛濃度は10ppm以下であった。
[実施例4]
実施例1と同様に反応を行い、反応生成物を得た。その後、蒸留2の釜残液4000kgを、アルミニウム98.5質量%、亜鉛1.5質量%から構成される固体約2000kgと、溶解亜鉛を実質的に含まないジエチルアルミニウムクロライド2000kgが在液する亜鉛処理槽へ導入し、釜残液を導入後3日間放置した。溶解亜鉛の亜鉛濃度10ppm以下であった。
この液4000kgを実施例1と同様に蒸留を行い、留出液3500kgを得た。留出液はアルニミウム濃度は22.2質量%、クロライド濃度は29.3質量%、亜鉛濃度は10ppm以下であった。
[比較例1]
実施例1と同様に反応生成物を反応を行い、反応生成物を得た。その後、亜鉛処理槽に、アルミニウム11.4質量%、チタン7.8質量%、亜鉛20.7質量%、その他60.1質量%から構成される固体が10質量%であるジエチルアルミニウムクロライド懸濁液580kgを供給した以外は、実施例1と同様に蒸留1、蒸留2、亜鉛処理、蒸留3を行った。亜鉛処理液に含まれる溶解亜鉛の亜鉛濃度は9550ppmであった。蒸留3で得られた留出液は、アルニミウム濃度は22.0質量%、クロライド濃度は29.0質量%、亜鉛濃度が1000ppmであった。
[比較例2]
蒸留2釜残液を、亜鉛処理槽を経ずに蒸留3へ供すること以外は、実施例1と同様に行い、蒸留3で留出液3500kgを得た。留出液はアルニミウム濃度は21.9質量%、クロライド濃度は28.9質量%、亜鉛濃度は2200ppmであった。
Figure 0004856155
本発明のジアルキルアルミニウムハライドの回収方法の一例を示す概略構成図である。

Claims (3)

  1. ハロゲン化亜鉛とトリアルキルアルミニウムとを反応させてジアルキル亜鉛及びジアルキルアルミニウムモノハライドを生成させ、ジアルキル亜鉛を蒸留分離後の反応生成物に溶解される亜鉛成分に対して、モル比で0.40以上の金属アルミニウムとを混合接触し、次いで蒸留して実質的に亜鉛成分を含まないジアルキルアルミニウムモノハライドを回収することを特徴とするジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
  2. 金属アルミニウムが、アルミニウムに対する原子比で0.0010以上、0.10以下の遷移金属を含むことを特徴とする請求項1記載のジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
  3. トリアルキルアルミニウムがトリエチルアルミニウムであることを特徴とする請求項1記載のジアルキルアルミニウムモノハライドの製造方法。
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