JP4855822B2 - 型締装置及び型締力制御方法 - Google Patents

型締装置及び型締力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、型締装置及び型締力制御方法に関し、より具体的には、電磁石によって型締力を発生する型締装置及び当該型締力の制御方法に関する。
従来、成形機、例えば、射出成形機は、射出装置、金型装置及び型締装置を備え、樹脂を射出装置の射出ノズルから射出して金型装置のキャビティ空間に充填し、固化させることによって成形品を得るようになっている。そして、前記金型装置は、固定金型及び可動金型を備え、前記型締装置を作動させ、固定金型に対して可動金型を進退させることによって、型閉じ、型締め及び型開きを行うことができる。
前記型締装置は、前記固定金型が取り付けられた固定プラテン、前記可動金型が取り付けられた可動プラテン、電動式のモータ、該モータの出力軸に連結されたボールねじ軸、及び該ボールねじ軸と螺合させられるボールナットから成るボールねじ、前記ボールナットと連結されたクロスヘッド、該クロスヘッドと可動プラテンとの間に配設されたトグル機構等を備え、前記モータを駆動することによってクロスヘッドを前進させ、前記トグル機構を伸展させることによって型閉じ及び型締めを行うことができる。
ところが、前記構成の型締装置においては、型締力を発生させるためにトグル機構を使用するようになっているので、可動プラテンに曲げモーメントが作用し、可動プラテンにおける金型取付面に歪みが発生してしまう。
また、トグル機構を伸展させることによって型締めが行われるので、型締力を制御するのが困難になってしまう。
そこで、電動式のモータ及び電磁石を備え、型閉じ及び型開きの動作にモータのトルクを、型締めの動作に電磁石の吸引力を利用した型締装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
該型締装置においては、固定プラテンと所定の間隔を置いてリヤプラテンが配設され、前記固定プラテンとリヤプラテンとの間に架設されたタイバーに沿って可動プラテンが進退自在に配設される。そして、前記リヤプラテンの後端面に電磁石が固定され、前記リヤプラテンの後方に吸着板が進退自在に配設されるとともに、吸着板と可動プラテンとの間にリンク機構が配設され、該リンク機構をモータによって屈伸させることができるようになっている。
従って、該モータを駆動してリンク機構を伸展させることによって型閉じを行った後、前記電磁石を構成するコイルに電流を供給して前記電磁石を駆動し、当該電流の大きさに従った磁力を発生させて吸着板を吸着することにより、型締めを行うことができる。この場合、型締力を発生させるために電磁石を使用するので、可動プラテンに曲げモーメントが作用せず、前記金型取付面に歪みが発生することがなくなるだけでなく、型締力を容易に制御することができる。
特許3190600号公報
しかしながら、型締め開始時等、型締力を変化させる際に、電磁石を構成するコイルに電流を供給しても、磁場を打ち消す方向の渦電流が発生し、電流は供給されているものの所望の磁場が得られない状態が生じ得る。
図1は、かかる状態を説明するためのグラフを示す。当該グラフにおいて、縦軸は、電磁石により発生する型締力[t・f]を示し、横軸は、コイルに電流を供給する時間[秒]を示す。
図1を参照するに、かかる渦電流の発生により、電磁石を作動させるために必要な電流である定格電流を供給してから約数秒(図1に示す例では約7秒)経過してから、型締めを行うために前記吸着板を電磁石に吸着させるに必要な定常型締力(図1に示す例では約10[t・f]の型締力)が発生する。
このように、型締め開始時等、型締力を変化させるために電磁石を構成するコイルに電流を供給しても、所望の型締力の発生には一定の時間を要する。これは、型締工程において定常的なものではなく、型締力を変化させるときの立ち上がり特性固有のものであるが、型締力の発生の遅延を招き、成形品の生産の効率化の観点から望ましくない。特に、成形サイクルが短い場合には、型締力の発生時間を少しでも短縮させて、成形品の生産性を向上させる必要がある。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電磁石によって型締力を発生する型締装置であって、所望の型締力が発生するまでの時間を短縮して、型締工程における立ち上がり特性の向上を図ることができる当該型締装置及び前記型締力の制御方法を提供することを、本発明の目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明によれば、電磁石によって型締力を発生する型締装置であって、前記電磁石を有する型締用駆動部に電流を通電する電流供給部と、前記電流供給部を制御する制御部と、を更に備え、前記電磁石の励磁コイルには、前記電磁石の磁束密度を推定するための逆起電力発生手段が重ねて設けられ、前記制御部は、前記電流供給部に、定常型締力を発生するために必要な定格電流の値よりも大きな値を有する電流を前記型締力を変える際に前記型締用駆動部に通電させ、前記逆起電力発生手段の検出値に基づいて、前記型締用駆動部に通電させる電流を前記定格電流に変えることを特徴とする型締装置が提供される。
また、前記逆起電力発生手段は、前記励磁コイルに巻装されたサーチコイルであってもよい。

本発明の別の観点によれば、型締装置において電磁石によって発生させられる型締力の制御方法であって、前記型締力を変化させる際に、定常型締力を発生するために必要な定格電流の値よりも大きな値を有する電流を、前記電磁石の励磁コイルに通電し、前記電磁石の磁束密度を推定するための逆起電力発生手段の検出値に基づいて、前記型締用駆動部に通電させる電流を前記定格電流に変えることを特徴とする型締力制御方法が提供される。
前記逆起電力発生手段に発生する逆起電力の値が所定の閾値よりも小さくなると、前記型締用駆動部に通電させる前記電流を前記定格電流に変えることとしてもよい。
また、前記逆起電力発生手段に発生する逆起電力の積分値が所定の値に達すると、前記型締用駆動部に通電させる前記電流を前記定格電流に変えることとしてもよい。この場合、前記型締力を変化させる際に、前記逆起電力発生手段に発生する前記逆起電力の前記積分が開始されることとしてもよい。また、前記逆起電力発生手段に発生する前記逆起電力の前記積分値が所定の値に達すると、当該積分を終了して、前記型締用駆動部に通電させる前記電流を前記定格電流に変えることとしてもよい。
本発明によれば、電磁石によって型締力を発生する型締装置であって、所望の型締力が発生するまでの時間を短縮して、型締工程における立ち上がり特性の向上を図ることができる当該型締装置及び前記型締力の制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下では、型締装置については、型閉じを行う際の可動プラテンの移動方向を前方とし、型開きを行う際の可動プラテンの移動方向を後方とし、射出装置については、射出を行う際のスクリューの移動方向を前方とし、計量を行う際のスクリューの移動方向を後方として説明する。
また、以下の説明では、型締とは、可動金型のパーティング面が固定金型のパーティング面と接触している状態から、可動金型に更に力が作用して、固定金型が可動金型によって押し付けられることをいう。
[第1の実施の形態]
図2は本発明の第1の実施の形態における金型装置及び型締装置の概略構成図である。
図2において、10は型締装置であり、Frは射出成形機のフレームである、Gdは、該フレームFr上に敷設されてレールを構成し、型締装置10を支持するとともに、案内する第1の案内部材としての2本のガイドである。図においては、2本のガイドGdのうち1本だけを示している。
11は、前記ガイドGd上に載置され、前記フレームFr及びガイドGdに対して固定された第1の固定部材としての固定プラテンである。固定プラテン11と所定の間隔を置いて、かつ、固定プラテン11と対向させて第2の固定部材としてのリヤプラテン13が配設されている。前記固定プラテン11とリヤプラテン13との間に4本の連結部材としてのタイバー14(図においては、4本のタイバーのうちの2本だけを示す。)が架設される。なお、前記リヤプラテン13は、タイバー14が伸縮するのに伴って、ガイドGdに対して僅かに移動することができるように前記ガイドGd上に載置される。
該タイバー14に沿って固定プラテン11と対向させて第1の可動部材としての可動プラテン12が型開閉方向に進退(図において左右方向に移動)自在に配設される。そのために、前記可動プラテン12のタイバー14と対応する箇所にタイバー14を貫通させる図示されないガイド穴が形成される。
前記タイバー14の前端部(図において右端部)には、図示されない第1のねじ部が形成され、前記タイバー14は、前記第1のねじ部とナットn1とを螺合させることによって固定プラテン11に固定される。また、前記各タイバー14の後方(図において左方)の所定の部分には、タイバー14より外径が小さい第2の案内部材としてのガイドポスト21が、リヤプラテン13の後端面(図において左端面)から後方に向けて突出させて、かつ、タイバー14と一体に形成されている。
各ガイドポスト21の、リヤプラテン13の後端面の近傍に、図示されない第2のねじ部が形成され、前記固定プラテン11とリヤプラテン13とは、前記第2のねじ部とナットn2とを螺合させることによって連結される。本実施の形態においては、ガイドポスト21がタイバー14と一体に形成されるようになっているが、ガイドポスト21をタイバー14とを別体に形成することもできる。
また、前記固定プラテン11には第1の金型としての固定金型15が、前記可動プラテン12には第2の金型としての可動金型16がそれぞれ固定され、前記可動プラテン12の進退に伴って固定金型15と可動金型16とが接離させられ、型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
なお、型締めが行われるのに伴って、固定金型15と可動金型16との間に複数の図示されないキャビティ空間が形成され、射出装置17の射出ノズル18から射出された成形材料としての図示されない樹脂が前記各キャビティ空間に充填される。
固定金型15及び可動金型16によって金型装置19が構成される。
そして、前記可動プラテン12と平行に配設された第2の可動部材としての吸着板22が、リヤプラテン13より後方において前記各ガイドポスト21に沿って進退自在に配設され、ガイドポスト21によって案内される。なお、前記吸着板22には、各ガイドポスト21と対応する箇所に、ガイドポスト21を貫通させるガイド穴23が形成される。
該ガイド穴23は、前端面(図において右端面)に開口させられ、ボールナットn2を収容する大径部24、及び吸着板22の後端面に開口させられ、ガイドポスト21と摺動させられる摺動面を備えた小径部25を備える。本実施の形態において、吸着板22は、ガイドポスト21によって案内されるようになっているが、吸着板22を、ガイドポスト21だけでなく、ガイドGdによって案内することもできる。
ところで、前記可動プラテン12を進退させるために、第1の駆動部としての、かつ、型開閉用の駆動部としてのリニアモータ28が、可動プラテン12とフレームFrとの間に配設される。前記リニアモータ28は、前記フレームFr上に、前記ガイドGdと平行に、かつ、可動プラテン12の移動範囲に対応させて形成された第1の駆動要素としての固定子29、及び前記可動プラテン12の下端において、前記固定子29と対向させて、かつ、所定の範囲にわたって形成された第2の駆動要素としての可動子31を備える。
前記可動子31は、固定子29に向けて突出させて、かつ、所定のピッチで複数の磁極歯33が形成されたコア34、及び各磁極歯33に巻装されたコイル35を備える。なお、前記磁極歯33は可動プラテン12の移動方向に対して直角の方向に、互いに平行に形成される。前記固定子29は、図示されないコア、及び該コア上に延在させて形成された図示されない永久磁石を備え、該永久磁石は、N極及びS極の各磁極を交互に、かつ、前記磁極歯33と同じピッチで着磁させることによって形成される。
従って、前記コイル35に所定の電流を供給することによってリニアモータ28を駆動すると、可動子31が進退し、それに伴って、可動プラテン12が進退させられ、型閉じ及び型開きを行うことができる。
なお、本実施の形態においては、固定子29に永久磁石を、可動子31にコイル35を配設するようになっているが、固定子にコイルを、可動子に永久磁石を配設することもできる。その場合、リニアモータ28が駆動されるのに伴って、コイルが移動しないので、コイルに電力を供給するための配線を容易に行うことができる。
ところで、前記可動プラテン12が前進(図において右方向に移動)させられて可動金型16が固定金型15に当接すると、型閉じが終了し、続いて、型締めを行われる。型締めを行うために、リヤプラテン13と吸着板22との間に、第2の駆動部としての、かつ、型締用駆動部としての電磁石ユニット37が配設される。
また、型閉じ時及び型開き時に、可動プラテン12の進退に連動させて吸着板22を進退させ、型締め時に、電磁石ユニット37によって発生させられた型締力を可動プラテン12に伝達するために、リヤプラテン13及び吸着板22を貫通して延び、可動プラテン12と吸着板22とを連結する型締力伝達部材としてのロッド39が、進退自在に配設される。
固定プラテン11、可動プラテン12、リヤプラテン13、吸着板22、リニアモータ28、電磁石ユニット37、ロッド39等によって型締装置10が構成される。
前記電磁石ユニット37は、リヤプラテン13側に配設された第1の駆動部材としての電磁石49、及び吸着板22側に配設された第2の駆動部材としての吸着部51から成る。
吸着部は、前記吸着板22の前端面の所定の部分、本実施の形態においては、吸着板22において前記ロッド39を包囲し、電磁石49と対向する部分に形成される。また、リヤプラテン13の後端面の所定の部分、本実施の形態においては、前記ロッド39よりわずかに上方及び下方に、水平方向に延在させて二つの溝45が互いに平行に形成され、各溝45間に矩形の形状を有するコア46、及び他の部分にヨーク47が形成される。そして、前記コア46に励磁コイル48が巻装される。
なお、前記リヤプラテン13のコア46及びヨーク47、並びに吸着板22は、強磁性体から成る薄板を積層することによって形成され、電磁積層鋼板を構成する。また、本実施の形態においては、リヤプラテン13とは別に電磁石49が、吸着板22とは別に吸着部51が配設されるが、リヤプラテン13の一部として電磁石を吸着板22の一部として吸着部を形成することもできる。
従って、電磁石ユニット37において、前記溝45に設けられた励磁コイル48に電流を供給すると、電磁石49が駆動され、吸着部51を吸着し、前記型締力を発生させることができる。
ところで、溝部45内において、励磁コイル48には、逆起電力発生手段であるサーチコイル9が巻装されている。これについて、図3を参照して説明する。ここで、図3は、図2に示す型締装置10のリヤプラテン13の後端面を示す図である。
図3を参照するに、励磁コイル48には、サーチコイル9が重なるように巻装されている。励磁コイル48に電流を供給し、電磁石49を励磁すると磁場が発生し、磁場中に設けられたサーチコイル9に逆起電力(誘起電力)が発生する。かかる逆起電力を測定することにより、電磁石49の磁束密度を推定することができる。
なお、電磁石の磁束密度を検出する手段として、ホール効果を利用した磁電変換素子であるホール素子を利用することも考えられるが、ホール素子の場合は、例えば、図2に示すリヤプラテン13が吸着板22に面している面等に多数設けて検出しなければ、吸着力を推定することが困難である。これに対し、図3に示す例の場合には、励磁コイル48と略同じ箇所に重なるようにサーチコイル9を設け、全ての磁束変化が検出されるため、リヤプラテン13と吸着板22との間の空隙における磁束分布が不均一であっても、精度良く電磁石49の吸着力を推定することができる。
図2を再度参照するに、前記ロッド39は、後端部(図において左端部)において吸着板22と連結させて、前端部において可動プラテン12と連結させて配設される。従って、ロッド39は、型閉じ時に可動プラテン12が前進するのに伴って前進させられて吸着板22を前進させ、型開き時に可動プラテン12が後退(図において左方向に移動)するのに伴って後退させられて吸着板22を後退させる。
そのため、前記リヤプラテン13の中央部分に、ロッド39を貫通させるための穴41、及び前記吸着板22の中央部分にロッド39を貫通させるための穴42が形成され、前記穴41の前端部の開口に臨ませて、ロッド39を摺動自在に支持するブッシュ等の軸受部材Br1が配設される。また、前記ロッド39の後端部にねじ43が形成され、該ねじ43と、吸着板22に対して回転自在に支持されたナット44とが螺合させられる。
本実施の形態では更に、型締装置10は、制御部4及びドライバ5に接続されている。より具体的には、励磁コイル48に巻装されたサーチコイル9は、制御部4に接続し、また、励磁コイル48は、電流供給部たるドライバ5に接続している。制御部4とドライバ5とは接続されており、詳細は後述するが、制御部4は、サーチコイル9から送られる検出信号に基づき、ドライバ5の動作を制御し、励磁コイル48に供給される電流を制御する。
ところで、本発明の発明者は、型締め開始時等、型締力を変化させる際に、当該変化によって得るべき目標となる型締力、即ち定常状態で目標とする型締力(以下では、かかる型締力を「定常型締力」という)を発生するために必要な定常的な電流(以下では、かかる電流を「定格電流」という)の値よりも大きな値の電流を励磁コイル48に短時間供給することにより、型締力の立ち上がり時間を短縮することができ、定常型締力Fを得るための時間を短くすることができることを見出した。そして、本実施の形態では更に、前記定常型締力発生後は、励磁コイル48に供給する電流を定格電流に切り換えている。
以下では、励磁コイル48に供給する電流をどのようにして定格電流に切り換えるのか、その方法について、図2及び図3に加え、図4も参照して説明する。ここで、図4は、本発明の第1の実施の形態における型締力制御方法を説明するためのグラフである。図4(a)に示すグラフでは、縦軸は励磁コイル48に供給される電流Iの値を、横軸は時間tを示し、図4(b)に示すグラフでは、縦軸は電磁石49の磁束密度Bを、横軸は時間tを示し、図4(c)に示すグラフでは、縦軸はサーチコイル9に発生する逆起電力VEMFを、横軸は時間tを示し、図4(d)に示すグラフでは、縦軸は前記逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFを、横軸は時間tを示す。
図4(a)を参照するに、時間tにおいて、制御部4はドライバ5を制御して、定格電流の値よりも大きい値の電流Iが励磁コイル48に供給され始める。ここで、時間tは、例えば、型締動作を開始するため、型締力の大きさを多段階に変化させるため、又は型締工程後に磁場を切断して型開きを行うために型締力とマイナス方向の力を作用させるため等、型締力を変化させるために、型締力を変化させる指令が制御部4からドライバ5に発せられる際をいう。
励磁コイル48への電流Iの供給により、図4(b)に示すように、電磁石49の磁束密度Bは増加する。なお、電磁石49の磁束密度Bは、型締力に対応する。
また、励磁コイル48への電流Iの供給により、図4(c)に示すように、サーチコイル9に発生する逆起電力VEMFも増加し、図4(d)に示すように、かかるサーチコイル9に発生する前記逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFも増加する。
図4(b)及び図4(d)を比較するに、グラフにおいて、電磁石49の磁束密度Bの時間変化を示す曲線とサーチコイル9に発生する逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFの時間変化を示す曲線は、略同一の形状を有している。これは、サーチコイル9に発生する逆起電力VEMFは電磁石49の磁束密度Bの時間変化の値を示す(即ち、VEMF=dB/dt)ため、サーチコイル9から出力される逆起電力VEMFを積分すれば電磁石49の磁束密度Bが求められるからである。
但し、検出信号へのノイズ等の影響に因る検出誤差の蓄積があり、サーチコイル9から出力され検出される各時間の逆起電力VEMFを積分すると、検出値の誤差までも集積してしまう。従って、長時間におけるサーチコイル9に発生する逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFを電磁石49の磁束密度Bの時間変化と同一視することはできない。しかしながら、定格電流の値よりも大きな値の電流を励磁コイル48に供給する時間は短時間であり、当該短時間における逆起電力VEMFを積分には、前記誤差の集積という問題は殆ど生じないとみなすことができる。
図4(c)に示すように、励磁コイル48への電流Iの供給により、一旦増加したサーチコイル9に発生する逆起電力VEMFは、ピークを迎えた後に減少し、時間tになるとVEMF1になる。これは、電磁石49の磁束密度Bが収束していることを意味する。電磁石49の磁束密度Bは、図4(b)に示すように、時間tになると上述の定常型締力に対応する目標磁束密度Bに達する。なお、図4(d)に示すように、逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFも増加し、時間tになるとΣVEMF1に達する。
そこで、本実施の形態では、逆起電力VEMF1を逆起電力の閾値とし、サーチコイル9から出力され検出される逆起電力VEMFの値が逆起電力の閾値VEMF1よりも小さくなると、電磁石49の磁束密度Bは上述の定常型締力に対応する目標磁束密度Bに達したものとして、励磁コイル48に供給する電流を定格電流に切り換えるよう、制御部4はドライバ5の動作を制御することとしている。
なお、図4(a)乃至図4(d)において一点鎖線で示した部分は、時間tになっても励磁コイル48に供給する電流を定格電流に切り換えない場合における、励磁コイル48に供給される電流Iの値、電磁石49の磁束密度B、サーチコイル9に発生する逆起電力VEMF、前記逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFの時間変化を夫々示している。
このように、本実施の形態では、型締力を変化させる際に、制御部4は、定格電流Iの値よりも大きい値の電流を励磁コイル48に供給するよう、ドライバ5を制御する。励磁コイル48に電流を供給することにより、電磁石49は駆動され、電磁石49は吸着部51を吸着して、当該電流の大きさに従った型締力が発生する。
そして、励磁コイル48に巻装されたサーチコイル9から出力され検出される逆起電力VEMFの値が逆起電力の閾値VEMF1の値よりも小さくなると、電磁石49の磁束密度Bは上述の定常型締力に対応する目標磁束密度Bに達したものとして、制御部4は、励磁コイル48に供給する電流を定格電流に切り換えるよう、ドライバ5の動作を制御する。
以後、型締力を再度変化させる必要があるまで、励磁コイル48に定格電流が供給され続け、型締力は定常型締力と略同一の値が維持される。
従って、型締め開始時等、型締力を変化させる際に、磁場を打ち消す方向の渦電流が発生しても、短時間で定常型締力と同じ値の型締力を発生させることができ、渦電流損失を補填することができる。よって、電磁石を用いた型締工程の立ち上がり特性を向上させることができ、成形品の生産性を向上させることができる
また、所望の定常型締力を発生した後には、励磁コイルに供給する電流を定格電流Iに切り換えるため、効率よく型締力を維持することができる。
[第2の実施の形態]
上述の本発明の第1の実施の形態では、励磁コイル48に巻装されたサーチコイル9から出力され検出される逆起電力VEMFの値が逆起電力の閾値VEMF1の値よりも小さくなると、電磁石49の磁束密度Bは上述の定常型締力に対応する目標磁束密度Bに達したものとして、制御部4は、励磁コイル48に供給する電流を定格電流に切り換えるよう、ドライバ5の動作を制御している。しかしながら、本発明はかかる例に限定されない。
本発明の第2の実施の形態では、前記逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFを利用して励磁コイル48に供給する電流を切り換えている。これについて、図5を参照して詳述する。なお、以下では、図1乃至図4を参照して説明した本発明の第1の実施の形態において説明した箇所と同じ箇所については同じ番号を付して、その説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施の形態における型締力制御方法を説明するためのグラフである。図5(a)に示すグラフでは、縦軸は励磁コイル48に供給される電流Iの値を、横軸は時間tを示し、図5(b)に示すグラフでは、縦軸はサーチコイル9に発生する逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFを、横軸は時間tを示し、図5(c)に示すグラフでは、縦軸は電磁石49の磁束密度Bを、横軸は時間tを示す。
図5(a)を参照するに、型締力を変化させる指令が制御部4からドライバ5に発せられる際、即ち、時間tにおいて、制御部4はドライバ5を制御し、定格電流Iの値よりも大きい値の電流Iが励磁コイル48に供給され始める。
励磁コイル48への電流Iの供給により、図5(c)に示すように、型締力に対応する電磁石49の磁束密度Bは増加する。
また、励磁コイル48への電流Iの供給により、サーチコイル9に発生する逆起電力VEMFも増加するが、この時間tにおいてサーチコイル9に発生する前記逆起電力VEMFの積分を開始する。励磁コイル48への電流Iの供給により、前記逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFは増加する。
上述のように、サーチコイル9に発生する逆起電力VEMFは電磁石49の磁束密度Bの時間変化の値を示す(即ち、VEMF=dB/dt)ため、サーチコイル9から出力される逆起電力VEMFを積分すれば電磁石49の磁束密度Bが求められる。
時間tになると、電磁石49の磁束密度Bは、図5(c)に示すように、上述の定常型締力に対応する目標磁束密度Bに達する。また、図5(b)に示すように、逆起電力VEMFの積分値ΣVEMFはΣVEMF1に達する。
そこで、本実施の形態では、逆起電力VEMFの積分値ΣVEMF1に達すると、定常型締力を得られたとして、逆起電力VEMFの積分を終了し、制御部4は、励磁コイル48に供給する電流を電流Iから定格電流Iに切り換えるよう、ドライバ5の動作を制御する。
このように、本実施の形態においても、型締力を変化させる際に、制御部4は、定格電流の値よりも大きい値の電流を励磁コイル48に供給するよう、ドライバ5を制御する。励磁コイル48に電流を供給することにより、電磁石49は駆動され、電磁石49は吸着部51を吸着して、当該電流の大きさに従った型締力が発生する。
型締力を変化させる指令が制御部4からドライバ5に発せられる時間tにおいてサーチコイル9に発生する前記逆起電力VEMFの積分が開始され、当該積分値がΣVEMF1に達すると、電磁石49の磁束密度Bは上述の定常型締力に対応する目標磁束密度Bに達したものとして、当該積分を終了し、制御部4は、励磁コイル48に供給する電流を定格電流Iに切り換えるよう、ドライバ5の動作を制御する。
以後、型締力を再度変化させる必要があるまで、励磁コイル48に定格電流Iが供給され続け、型締力は定常型締力と略同一の値が維持される。
従って、本実施の形態においても、型締め開始時等、型締力を変化させる際に、磁場を打ち消す方向の渦電流が発生しても、短時間で定常型締力と同じ値の型締力を発生させることができ、渦電流損失を補填することができる。よって、電磁石を用いた型締工程の立ち上がり特性を向上させることができ、成形品の生産性を向上させることができる
また、所望の定常型締力を発生した後には、励磁コイルに供給する電流を定常電流に切り換えるため、効率よく型締力を維持することができる。
更に、型締力が目標値に達したことを正確に検出することができ、このため、金型へ余計な荷重を与えることを防止することができるので、金型の寿命を延ばすことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
渦電流の発生に因る問題点を説明するためのグラフである。 本発明の第1の実施の形態における金型装置及び型締装置の概略構成図である。 図2に示す型締装置のリヤプラテンの後端面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における型締力制御方法を説明するためのグラフである。 本発明の第2の実施の形態における型締力制御方法を説明するためのグラフである。
符号の説明
4 制御部
5 ドライバ
9 サーチコイル
10 型締装置
37 電磁石ユニット
48 励磁コイル
49 電磁石
I 電流
EMF 起電力
ΣVEMF 起電力の積分値

Claims (7)

  1. 電磁石によって型締力を発生する型締装置であって、
    前記電磁石を有する型締用駆動部に電流を通電する電流供給部と、
    前記電流供給部を制御する制御部と、を更に備え、
    前記電磁石の励磁コイルには、前記電磁石の磁束密度を推定するための逆起電力発生手段が重ねて設けられ、
    前記制御部は、前記電流供給部に、定常型締力を発生するために必要な定格電流の値よりも大きな値を有する電流を前記型締力を変える際に前記型締用駆動部に通電させ、前記逆起電力発生手段の検出値に基づいて、前記型締用駆動部に通電させる電流を前記定格電流に変えることを特徴とする型締装置。
  2. 請求項1記載の型締装置であって、
    前記逆起電力発生手段は、前記励磁コイルに巻装されたサーチコイルであることを特徴とする型締装置。
  3. 型締装置において電磁石によって発生させられる型締力の制御方法であって、
    前記型締力を変化させる際に、定常型締力を発生するために必要な定格電流の値よりも大きな値を有する電流を、前記電磁石の励磁コイルに通電し、
    前記電磁石の磁束密度を推定するための逆起電力発生手段の検出値に基づいて、前記型締用駆動部に通電させる電流を前記定格電流に変えることを特徴とする型締力制御方法。
  4. 請求項3記載の型締力制御方法であって、
    前記逆起電力発生手段に発生する逆起電力の値が所定の閾値よりも小さくなると、前記型締用駆動部に通電させる前記電流を前記定格電流に変えることを特徴とする型締力制御方法。
  5. 請求項3記載の型締力制御方法であって、
    前記逆起電力発生手段に発生する逆起電力の積分値が所定の値に達すると、前記型締用駆動部に通電させる前記電流を前記定格電流に変えることを特徴とする型締力制御方法。
  6. 請求項5記載の型締力制御方法であって、
    前記型締力を変化させる際に、前記逆起電力発生手段に発生する前記逆起電力の前記積分が開始されることを特徴とする型締力制御方法。
  7. 請求項5又は6記載の型締力制御方法であって、
    前記逆起電力発生手段に発生する前記逆起電力の前記積分値が所定の値に達すると、当該積分を終了して、前記型締用駆動部に通電させる前記電流を前記定格電流に変えることを特徴とする型締力制御方法。
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