JP4854507B2 - 顆粒形状のリン酸カルシウムの調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リン酸カルシウム賦形剤に関し、詳しくは、鉱物のヒドロキシアパタイトに特有のX線回折パターンを有するリン酸カルシウムに関する。より詳しくは、本発明は、ヒドロキシアパタイトに特有のX線回折パターンならびに直接圧縮を受けた際の良好な圧縮性および流動特性を有する顆粒形状のリン酸カルシウムに詳しくは属する。また、本発明は、前記顆粒の特に経済的な調製方法に関する。最後に、本発明は、好ましくは直接圧縮によって得られる錠剤中の賦形剤として前記顆粒を使用することに関する。
乾燥材料を錠剤に成形することは、優先的には、直接圧縮技法を用いて実施される。実際、直接圧縮技法は、最少の処理段階を必要とし、活性成分が水または有機溶媒などの潜在的に有害な溶媒と接触するのを防止する。処理段階の数が低減され、溶媒が存在しないために、コストが削減され、したがって、活性成分の劣化が低減される。
直接圧縮による錠剤の成形には、錠剤の形状をした材料または賦形剤という用語のもとに知られているベヒクルを使用することが必要である。理想的な賦形剤は、製剤中の活性成分と反応しないものである。理想的な賦形剤は、また、滑らかな錠剤表面を有する固形錠剤を成形する間に、容易に圧縮されうるものでなければならない。圧縮力を最小にするために、大多数の用途における錠剤の耐久性はできるだけ大きくなければならない。また、理想的な賦形剤は、成分分離を生じることなく、非常によく流動しなければならない。このことは、妨害の危険を伴うことなく、鋳型を充填する材料の重量になんら変動を生じることなく、高速打錠機の鋳型を充填するために必要である。
粉末材料の大多数は、流動に関係する問題により、高速打錠機において直接圧縮によって錠剤を成形するのに、実際に用いることはできない。これらの粉末材料は、さまざまな手段によって、例えば、圧力造粒、粉末を顆粒にする予備圧縮によって、または粉末を2本の圧縮ローラーの間に通すことによって、しばしば顆粒にされうる。粉末のその他の造粒方法は、湿式造粒の後で乾燥する方法であり、例えば、回転板造粒装置または流動層形式の装置などがある。
また、造粒添加物(例えば、PVP)を使用する、または使用しない噴霧乾燥を、容易に使用することができる。良好に流動する材料を製造するために粉末を予備圧縮することは、顆粒状の材料の圧縮性にしばしば悪影響を及ぼす。賦形剤を処理する際にこれらの段階が追加されることにより、追加コストが加わり、したがって、この方法はより経済的でなくなる。
リン酸カルシウムを賦形剤として使用することは、周知である。本出願のリン酸カルシウムには、リン酸水素カルシウム二水和物[第二リン酸カルシウム二水和物;CaHPO4−2H2O;ブルッシャイト]、無水リン酸水素カルシウム[第二リン酸カルシウム、CaHPO4;モネタイト]およびヒドロキシアパタイト[Ca5(PO43(OH)]などが含まれる。
ヒドロキシアパタイトの理想的な化学式は、Ca5(PO43(OH)である。しかし、この理想的な式を有する結晶格子は、格子内の陰イオンおよび陽イオンの置換に関して非常に受容性が高いことは、文献において周知である。マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、ナトリウム、鉛などの元素および多くのその他の原子と陽イオンとの置換は、周知である。
陰イオンの置換は、3つの異なった形で起こりうる。第1に、3価のリン酸基(PO4 3-)の一部は、HPO4 2-により置換され、非化学量論のアパタイトを生じる。第2に、3価のリン酸基(PO4 3-)は、炭酸塩またはバナジウム酸塩などの他の錯陰イオンにより置換されうる。第3に、ヒドロキシル基(OH-)は、一部または全部がフッ素または塩素などの他の陰イオンによって置換されうる。
1つのイオンが、異なる電荷を有する他のイオンによって置換され、電荷中和性は、異なる電荷を有する格子のイオンにおけるさらなる置換によってまたは空孔によって維持される、複合置換(coupled substitution)も、また周知である。
これらのすべての置換において、共通して存在し、材料をヒドロキシアパタイトであるとして識別する因子は、特性X線回折パターンである。
本発明の範囲内で、「ヒドロキシアパタイト」という用語は、ヒドロキシアパタイトのX線回折パターンを有するリン酸カルシウムを実質的に指す。
本特許の範囲を式に結びつけて限定することはしないが、本発明のリン酸塩は、次式によって表されうる:
Ca5-x(PO43-x(HPO4x(OH)1-x(I)
前記式中、xは0から1、好ましくは0.1から0.5の間で変化する。
本発明は、少量の、例えば、5重量%未満および好ましくは0.01から3重量%のカルシウムが、別の陽イオン、特に塩基の陽イオン(ナトリウム、カリウム)によって置換されている場合を含む。
本発明は、また、3価のリン酸基(PO4 3-)の少量が錯陰イオン(例えば、炭酸塩およびバナジウム酸塩)によって置換されており、ヒドロキシルイオンが、別の陰イオン、例えば、ハロゲン化物、特に塩素またはフッ素によって置換されている場合を含む。
リン酸カルシウムは、その固有の性質により、多くの賦形剤用途における賦形剤として全く適切である。リン酸カルシウムは白色である。それらは貯蔵期間中安定であり、短期間では化学的見地から見て変化することはない。それらは錠剤中に存在する活性成分およびその他の材料に関して、通常、安定である。リン酸カルシウムは、すべての溶媒、特に水における溶解度が非常に小さいので、活性成分に関して通常不活性である。それらは、従来の崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)に対して優れた崩壊特性を有し、広範囲の活性成分と相溶性である。
最終製品としてヒドロキシアパタイトを供給する多数の合成方法が存在する。それらは文献において周知である。一般に、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを調製するための2種類の低温法、すなわち、直接沈殿生成および加水分解が存在する。
直接沈殿生成法においては、適切に選択されたカルシウムおよびリン酸塩源が水中で互いに反応し、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを生成する。カルシウム源の選択範囲は広く、例えば、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、および硝酸カルシウムは、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを直接沈殿生成する際に使用される、周知の材料の一部である。水酸化カルシウムが、好ましい。
リン酸塩源には、特に、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウムおよびリン酸カリウムが含まれる。リン酸が好ましい。
一般に、直接沈殿生成法に関しては、要するに、初期材料は水に対して一定の溶解度を有していなければならない。
ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムは、カルシウム源およびリン酸塩源を水中において沈殿生成することにより得られる。
加水分解法は、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムが、水の存在下におけるリン酸カルシウムの熱力学的見地から、最も安定な相であるという事実に基づいている。
ブルッシャイト型リン酸カルシウムの、水溶液における加水分解により、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムが生成する。
この方法の一例は、米国特許第4,335,086号明細書に記載されており、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムをカラムクロマトグラフィーに使用する立場から、その調製が記載されている。
ブルッシャイトおよびモネタイトを賦形剤として使用することも可能である。
リン酸カルシウムのブルッシャイトおよびモネタイトは、良好な流動特性を有する比較的大きな粒子の形状で、直接的なやり方で合成されうる。
これらの材料は、また、直接圧縮された場合に良好な圧縮特性を有している。
リン酸カルシウムは、リン酸溶液と水酸化カルシウム溶液または懸濁液との反応により、最も経済的に製造される。
したがって、モネタイトまたはブルッシャイトは、反応化学量論に従ってカルシウムおよびリン酸塩の相対的な量を変化させることによって製造されうる。
試薬の添加速度および濃度を制御することにより、モネタイトおよびブルッシャイトの大きな粒子が調製されうる。
これらの大きな粒子は、良好な流動性を有し、大きな圧縮性をもたらす。
米国特許第5,486,365号明細書には、ブルッシャイトの水性懸濁液を噴霧乾燥することによる、ブルッシャイトリン酸カルシウム(CaHPO4−2H2O)の造粒方法が、教示されている。
ブルッシャイトリン酸カルシウムは、ブルッシャイト結晶の形態を制御するために有機酸を使用することが必要とされる特別な条件下で結晶化される。
リン酸カルシウムブルッシャイトおよびモネタイトは、多くの用途で有用であるが、いくつかの欠点を有している。
ブルッシャイト(CaHPO4−2H2O)は、結晶構造の一部を構成する水を含み、材料が高温高湿の条件下(40℃を超える温度)で保管される場合は、錠剤調製の間または保管中に水が放出されて悪影響を及ぼす。
この潜在的な可能性を有する水の放出は、錠剤中の活性成分に悪影響を及ぼしうる。
モネタイト(CaHPO4)は水を含有していないが、実質的には、一定の活性成分に有害となりうるほどの低い酸性度を有している。
湿式造粒方法においては、溶媒の除去が必要であり、そのことがブルッシャイト賦形剤の水の放出、またはモネタイト賦形剤の酸性度を拡大するために、これらの問題が悪化させられる。
これらの理由から、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを使用することにより、水の問題および酸と活性成分との反応の問題が回避されると想像される。
しかし、ブルッシャイトおよびモネタイトリン酸カルシウムとは異なり、良好な流動特性を有するヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムの大きな粒子を、水酸化カルシウムおよびリン酸から直接、製造することはできない。
ヒドロキシアパタイトは、リン酸および水酸化カルシウムから合成されるので、良好な賦形剤を提供することのない材料であるとして、先行技術において周知である。
このことは、2つの問題と関連しており、第1の問題は、ヒドロキシアパタイトの大きな粒子を、直接および経済的に得ることの難しさである。このことは、ローラー造粒または噴霧乾燥などのコストのかかる、補充の処理段階を追加することによって考慮されている。
第2の問題は、一旦大きな粒子が得られた後では、容易に微粉化しない錠剤を製造するために、製品は、圧縮されうる間、非常に大きな圧縮力を必要とするという事実を扱わなければならない。このことの原因は分かっておらず、特別などの理論とも結びつけることを望むものではないが、これらの問題は、ヒドロキシアパタイトを製造するために使用される方法と関連していると考えられる。
したがって、ヒドロキシアパタイトを良好な流動性を有する顆粒の形状で製造することはコストがかかり、製造された材料は良好な圧縮特性を有していない。
ヒドロキシアパタイトの圧縮性の問題を克服するために、ヒドロキシアパタイト他の材料とのよく混合した混合物の調製法が提案された。
したがって、米国特許第3,987,204号明細書には、ヒドロキシアパタイトのみでは有用な賦形剤ではなく、カロブ豆の粉末(carob flour)をかなりの量、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムに添加することによって、直接圧縮しうる材料が製造されうることが教示されている。この方法では、他の成分を使用すること、コストがかかり、時間が長引く混合処理、および次に、ヒドロキシアパタイト/カロブ豆の粉末製品を乾燥することが必然的に含まれる。
圧縮特性を改善するために、微結晶性セルロースをヒドロキシアパタイトへ添加することは、米国特許第4,781,925号明細書に記載されている。この特許の目的は、カルシウムの補給物として使用するためのヒドロキシルアパタイトの錠剤に、崩壊剤を取り入れることである。微結晶性セルロースが、優れた圧縮特性をもたらすことは周知であるが、それは高価であり、それを使用するためには工程内に混合段階を追加することが必要である。
したがって、賦形剤が活性成分と相溶性であるという理由で、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを有し、一方で同時に、良好な流動性および圧縮特性を有し、ほどほどのコストであるために購入しやすいヒドロキシアパタイトを有することが望ましい。この種の材料は、これまで、現況技術においては入手することができなかった。
米国特許第4,335,086号明細書 米国特許第5,486,365号明細書 米国特許第3,987,204号明細書 米国特許第3,987,204号明細書 米国特許第4,781,925号明細書
本発明の1つの目的は、広範囲の用途において有用であり、錠剤を製造するための直接圧縮または湿式造粒方法において使用しうる、賦形剤を提供することである。
本発明の別の目的は、直接圧縮法において有用であり、改善された圧縮性を有する賦形剤を提供することである。
本発明の追加の目的は、直接圧縮に適した改善されたリン酸カルシウム賦形剤を提供することである。
本発明の追加の目的は、優れた圧縮特性を有し、直接圧縮用途に適した、自由流動特性を有するリン酸カルシウム賦形剤を提供することである。
本発明の追加の目的は、生産コストの観点から見て経済的である賦形剤を提供することである。
本発明の第1の目的は、顆粒形状のヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムにある。本発明により得られた顆粒は、以下に具体的に記述されている物理化学的特性を有する。
以下で与えられる特性を測定するための定義および方法は、実施例において具体的に記述する。顆粒は白色である。次に述べるように、粒子の寸法は1から500μmの間で変化しうる。より正確には、粒子の少なくとも90重量%が10ミクロンを超え、粒子の90重量%が300ミクロン未満、好ましくは260ミクロン未満である。寸法は、金属の篩上で篩うことによって測定されることを明記する。
通常、中位径(d50)で表された粒子の寸法は、100μm〜250μm、好ましくは150μm〜190μmの間である。中位径は、粒子の50重量%が中位径を超えるまたは未満の直径を有する状態のものとして定義される。
図1は、走査電子顕微鏡によって撮影された写真であり、本発明によって得られたヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムの顆粒の形態を例示する。
ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムの顆粒は、さまざまな密度を有する。顆粒の(圧縮されていない)見掛け密度は、好ましくは、少なくとも0.6であり、好ましくは0.6〜1.0、より好ましくは0.68〜0.72の間に存在している。
顆粒の(圧縮された)見掛け密度は、好ましくは、少なくとも0.7であり、より好ましくは0.7〜1.1、更に好ましくは0.76〜0.82の間に存在している。
顆粒は、好ましくは10〜100m2/g、および好ましくは50〜80m2/gの間のBET比表面積を有する。
本発明によるリン酸カルシウムの顆粒は、良好な流動特性をもたらすのに適切な凝集(cohesion)を有する。いつなんどき測定された流動指数でも、常に、10を遙かに超えている。
ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムの顆粒は、その他のリン酸カルシウムと比較して優れた圧縮特性を有する。したがって、圧縮特性は、以下のように定義されうる。30Nの圧縮では、15〜40kPa、20kNの圧縮では、10〜25kPa、10kNの圧縮では、3から10kPa。
したがって、本発明は、摩耗に耐えうる物理的形状を有し、大きな内部多孔度を保有し、その結果、使用中に高速で溶解するリン酸カルシウムの顆粒にある。顆粒は、使用の間、急速に溶解することに留意すべきである。
本発明の顆粒の、水中における崩壊速度は、60秒未満、好ましくは25秒未満、より優先的には5から20秒の間であることを明記する。与えられた値は、アメリカ薬局方のUSP26(2040)試験「Disintegration and dissolution of nutritional supplements」を実施することによって得られるものに対応する。本発明の製品の独特の構造は、完全に適切な製造方法によって得られる。
本発明の別の目的は、粒子の90重量%が300ミクロン未満、好ましくは260ミクロン未満であり、その粒子の90重量%が10ミクロンを超える粒径を有する、ブルッシャイトリン酸カルシウムの懸濁液を塩基性溶液を用いて処理することと、ブルッシャイトリン酸カルシウムのヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムへの変換を可能にするのに十分な時間、pHを少なくとも7.0に維持することとを含むことを特徴とする、良好な流動および圧縮特性を有する、顆粒形状の前記ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムのための調製方法である。
好ましくは、pHを安定した水準に維持するのに十分な温度に、十分な時間、水性懸濁液を加熱することによって、加水分解を実行する。
好ましい第1の実施形態によれば、水性懸濁液を選択した反応温度に加熱し、次いで、pHを制御しながら塩基を導入する。
他の実施形態によれば、pHを制御するために、まず、塩基を添加し、次いで、媒質を選択した反応温度に加熱する。
本発明は、ブルッシャイトのヒドロキシアパタイトへのアルカリ加水分解を表す以下の一般式を参照することによって、よりよく理解される:
5CaHPO4−2H2O+4MOH+H2O→Ca5(PO4)3(OH)+2M2HPO4+14H2O
・・・式[I]
式中、Mは、塩基によって供給される陽イオン、好ましくはアルカリ陽イオン、例えばNa+、K+、NH4 +である。pHは、少なくとも7.0、好ましくは7から10、より優先的には8から8.5の間の値に維持される。
本発明は、良好な流動および圧縮特性を有するヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムが、上述の方法により直接得られるという点で、先行技術と較べて改善されたものである。
ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムのこの新しい顆粒形は、前記顆粒が賦形剤として使用される場合は、多くの利点をもたらす。上述のように、前記顆粒は直接圧縮による成形性により優れており、これにより、今度は、より硬く、より脆くない錠剤がもたらされ、結合剤の使用が低減され、したがって、コストが削減され、錠剤の寸法が減少され、所望の錠剤の硬度を得るために必要なエネルギーが低減される。さらに、前記顆粒により、ブルッシャイトおよびモネタイトとの相溶性が非常によいわけではない活性成分が使用できるようになる。顆粒の流動性が改善されたために、得られた錠剤の組成均一性がよりよくなり、圧縮速度をより高速にすることができ、それほど優れていない流動特性を有する薬物または活性成分を使用することができる。
ヒドロキシアパタイトが、リン酸水素カルシウムの加水分解により調製されうることは、(米国特許第4,335,086号明細書により)周知であるが、全く意外なことに、最初のブルッシャイトリン酸カルシウムの粒径を選択することにより、アルカリ加水分解によって上述のように形成されたヒドロキシアパタイトは、最初のブルッシャイトリン酸カルシウムおよび異なった方法により製造された他のヒドロキシアパタイト材料と比較して、それより優れた圧縮特性を有していることを、発明者らは観測した。
この新しいヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムは、本明細書において定義されたブルッシャイトリン酸カルシウムを調製する、どれでも周知の方法によって調製されたブルッシャイトリン酸カルシウムから出発することによって調製されうる。
良好な流動特性を有するヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを得るために、本発明によれば、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムは、粒子の90重量%が約300ミクロン未満、好ましくは約260ミクロン未満であり、粒子の少なくとも90重量%が約10ミクロンを超える粒径分布を有していなければならない。
これを実行するために、最初のブルッシャイトリン酸カルシウム材料は、粒子の90重量%が約300ミクロン未満、好ましくは260ミクロン未満であり、粒子の少なくとも90重量%が約10ミクロンを超える粒径分布を有する。この粒径分布は、この範囲外の粒子を除去することによって得られる。粒径分布を選択する操作は、篩にかけることによって行われる。
好ましい実施形態においては、中位径(d50)によって表された粒子の寸法は、100μm〜250μmの間、および好ましくは150μm〜190μmの間にある。
さらに、ヒドロキシアパタイトの最終製品は、薬剤成分の使用を管理している規定に従わなければならないので、ブルッシャイトリン酸カルシウムも、また、薬局方において明記された、薬剤成分に関係する純度要求条件を尊重しなければならない。
そういうことで、薬剤用途において使用する場合のブルッシャイトリン酸カルシウムの欧州医薬品規格では、CaHPO4 2H2Oの含有量は98.0から105.5%の間であり、塩化物イオンの含有量は330ppm未満かまたはそれに等しく;フッ化物イオンの含有量は100ppm未満かまたはそれに等しく;ヒ素の含有量は10ppm未満かまたはそれに等しく;重金属および鉄の含有量は、それぞれ、40ppmおよび400ppm未満かそれに等しい。

本発明の方法により、加水分解反応を実施するために塩基を使用するが;最終製品を汚染しうる、および薬局方の要求条件に照らして、その材料を使用することを不適切なものにしうる、望ましくないいかなる材料をも塩基が導入しないという意味では、この塩基は、水に容易に溶解し、薬剤成分と用途を考慮した相溶性のあるものから選択されることができる。
NaOH、NH4OH、Ca(OH)2およびKOHの塩基を使用することは、加水分解反応にとって適切である。有利には、20〜40%の間の濃度を有する塩基性水溶液が使用される。
ブルッシャイトリン酸カルシウムと水性アルカリ溶液との反応においては、加水分解反応の間、pHを7.0〜10.0の範囲、およびより好ましくは8.0〜8.5の範囲に保持することが好ましい。8.0未満のpH値において加水分解を実行することは可能であるが、反応は上述の範囲内でより急速に進行する。pHを7に保持することによって、より長い加水分解時間が必要になるが、それでも加水分解は続く。
塩基を追加しないで、ブルッシャイトリン酸カルシウムから製造される唯一の生成物は、モネタイトリン酸カルシウムである。
周囲温度(最もしばしば15℃〜25℃の間の)を超える、好ましくは約50℃を超える、およびさらに好ましくは、60℃〜100℃の間の温度において反応を実施することが有利である。理想的な温度は、約90℃である。50℃未満の温度においては、反応に、より多くの時間を要することを観測した。
加水分解反応は、どのような濃度の水性ブルッシャイト懸濁液を用いても、実行することができる。均質な顆粒を得ることを保証するために、ブルッシャイトは、加水分解の間、懸濁液中に保持されている。ブルッシャイトを水性懸濁液中に保持するために、好ましくは、十分撹拌しながら試薬を反応させる。実際は、濃度が約50重量%を超える場合は、ブルッシャイトを懸濁液中に保持することは困難である。濃度は、有利には30〜40重量%の間である。さらに激しく撹拌しても、反応速度を向上させることはなく、粒子を破壊し、有効な収率のそれに相当する減少をもたらしうる。
使用される塩基の量は、式[I]の化学量論により定められたものに近い。したがって、塩基は、ブルッシャイトリン酸カルシウムに対して表された化学量論量の80から110%を示す量で使用されうる。
塩基のすべてを反応開始時に添加することは可能であるが、本発明の好ましい方法においては、pH値を所定の範囲に維持しながら、漸進的なやり方で、すなわち、反応の進行に比例して、塩基性溶液を最適に添加する。
塩基性溶液は、水性懸濁液中へ直接、または循環ループを形成し、分岐ループ(diversion loop)の水準で塩基を導入することにより媒質の一部を振り向けることによって、任意の都合のよい方法で添加することができる。
pHは、pH検出器を直接水性懸濁液中に設置することにより、またはpH検出器を前述の分岐ラインに設置することにより、適切な任意の方法にて測定する。
適切な時間、約30分の間pHを安定に維持した後で、ブルッシャイトリン酸カルシウムからヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムへの変換が完了し、固形物は水溶液から分離することができる。
これは、好ましくは、濾過または遠心分離によって実施できる。固形物を水で洗浄し、次いで乾燥する。洗浄は、通常、濾過ケークの体積の2倍の量の水を使用して行われる。乾燥は、大抵、空気乾燥により、好ましくは、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを80〜120℃の温度、好ましくは約110℃の温度に加熱することにより行い、物理的に吸着されている湿気を除去するようにする。
本発明の方法によって調製されたヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムは、X線回折による測定で観測されたように、非常に純粋である。本発明により得られたヒドロキシアパタイトの顆粒は、製薬用途において使用されうる。本発明の顆粒の用途は、リン酸カルシウムの用途である。さらに、それらの顆粒は、食品中にカルシウムまたはリンの補充物を供給するという利点を有する。前記元素は、神経、骨、筋肉および歯の構成および機能において重要な役割を果たす。
さらに詳細には、本発明の顆粒は、直接圧縮により活性成分を調合するために、直接使用しうるという利点を有する。「活性成分」は、使用者にとって有益なまたは望ましい効果を有する口径投与を意図されている任意の製品を意味する。したがって、活性成分は、薬理学的な特性を有する、すなわち、生体に対して予防的または治療的作用を有する、任意の製品でありうる。例えば、錠剤中に存在しうるビタミンまたは痕跡量の鉱物補充物などの補助薬剤もまた含まれる。
治癒効果のある活性成分の例として、これに限らないが、抗リュウマチ薬および非ステロイド抗炎症薬(ケトプロフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、フェニルブタゾン、アロプリノール、ナブメトンなど)、麻薬性または非麻薬性鎮痛薬(パラセタモール、フェナセチン、アスピリンなど)、咳止め(コデイン、コデチリン、アリメマジンなど)、向精神薬(トリミプラミン、アミネプチン、クロルプロマジンおよびフェノチアジンの誘導体、ジアゼパム、ロラゼパム、ニトラゼパム、メプロバメート、ゾピクロン、およびシクロロピロロン系の誘導体)、ステロイド(ヒドロコルチゾン、コルチゾン、プロゲステロン、テストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン、フルオシノロン、ベクロメタゾンなど)、バルビツール酸類(バルビタール、アロバルビタール、フェノバルビタール、ペントバルビタール、アモバルビタールなど)、抗菌剤(ペフロキサシン、スパルフロキサシン、およびキノロン類の誘導体、テトラサイクリン、シナージスチン(synergistine)、メトロニダゾールなど)、アレルギーの処置を意図した薬剤、特に抗ぜんそく薬、抗けいれん薬および抗分泌薬(オメプラゾール)、脳血管拡張薬(キナカイノール、オクスプレノロール、プロプラノロール、ニセルゴリンなど)、脳保護薬、肝臓保護薬、胃腸疾患治療薬、避妊薬、経口ワクチン、β阻害薬およびニトロ化誘導体などの抗高血圧薬および心臓血管または心臓保護薬を引用することができる。
本発明の方法により調製された錠剤中に含まれる活性成分の量は、広い範囲内で変化することができる。その量は、より詳しくは、全組成物の0.001および95重量%の間にあり、残りはマトリックスである。したがって、本発明のヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムの顆粒は、マトリックスの主要な構成成分である。
ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムは、通常、マトリックスの10%〜100重量%を形成している。有利には、マトリックスの少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%である。有利には、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を、通常、0.5重量%程度の量で、顆粒に添加することができる。
また、崩壊剤を顆粒へ添加して錠剤の最終的な崩壊を促進するようにすることもできる。この薬剤は、5〜10重量%の間で変化しうる量で取り込まれた澱粉、特にコーンスターチまたはクロスカルメロースナトリウムでありうる。
また、マトリックスは、1種以上の薬学的に許容される賦形剤、より詳細には希釈剤、結合剤(cohesionagent)、潤滑および着色剤ならびに糖類、特にラクトースおよびサッカロースなどの調味料、ステアリン酸などの脂肪酸、例えば;ポリエチレングリコール;リン酸カルシウムなどの他のリン酸塩、シリカ、シリコアルミン酸塩、セルロース誘導体、特にHMPC、キサンタンガム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、を含有することができる。
本発明の顆粒は、直接圧縮により乾燥状態で、すなわち、水またはエタノールなどの有機溶媒を使用することなしに圧縮される、固体/固体混合を行うための周知のどの方法によっても、活性成分(1つ以上)およびその他の組成物の賦形剤と多分混合される。
本発明によれば、賦形剤および活性成分1つ以上の混合に続く圧縮操作は、通常、6〜30kN(圧縮ローラーの段階で実施された測定値)の間で、および好ましくは10〜20kNの程度で行われる。好ましくは、この圧縮操作の前に、好ましくは、0.5〜2.5kNの間で変化しうる力で予備圧縮が行われる。
本発明による方法により、錠剤の品質を変化させることなしに、速い圧縮速度を達成することができる。破壊を引き起こすことなしに、150000錠/時間を超える速度を達成することが、特に可能である。
本発明により得られた錠剤は、活性成分を素早く放出することができる利点および良好な機械的性質、特に破砕性を有する。得られた錠剤は、アメリカ薬局方USP26、No.1216に記載の方法により測定された1%未満の破砕性を有する。アメリカ薬局方USP26、No.2040に記載の方法により測定された崩壊時間は、1分未満である。
本発明の本質および本発明を実際に使用する方法をより完全に説明するやり方で、参考例1と本発明の実施形態の実施例〜4を示す。
比較例5において、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムは、予備圧縮して顆粒にした後、直接析出により調製される。
実施例を詳細に示す前に、得られた製品のさまざまな特性を測定するために使用する方法を明確にしておく。
〔圧縮されたおよび圧縮されていない見掛け密度〕
見掛け密度は、図6に図示されている装置で測定される。最初に、空の試験管(2)の重量を測定する。測定されるべき粉末を漏斗(1)により試験管(2)へ導入し、粉末層の最上部を、250cm3(水準A)で較正した試験管の高さと同じ高さにする。粉末の重量を、充填した試験管の重量を計ることによって測定する。クランプ(4)を用いて、試験管を支持台(3)上に固定する。
試験管の底に加える衝撃の回数を合計する計数器(8)を、0に合わせる。カム(7)を通じてモータ(6)により作動させるハンマ(5)によって底に加えられる垂直衝撃を、試験管に受けさせる。得られた体積が一定(水準B)になったところで、操作を停止する。ハンマによって加えられた衝撃の回数の関数として、試験管の目盛で読み取られた見掛け体積が変化する過程を記録する。実験的な圧縮曲線が得られる。
見掛け体積=f(衝撃の回数)であり、見掛け密度曲線=f(衝撃の回数)に変換される。見掛け密度は、次式により計算される:
(見掛け密度)=(導入された粉末の質量(g))/(見掛けの体積(cm3))
〔粒径測定〕
粒径は、Beckman Coulter(ベックマンコールタ)LS230(登録商標)粒径分析器を使用し、Mie理論を用いて、超音波を掛けず、分散剤を使用しない水性懸濁液のレーザ光回折によって測定する。
〔BET比表面積〕
全試料の表面積を、BETの一点法およびMicromeritics Flowsorb(登録商標)表面分析装置を使用した窒素吸着により、NF ISO standard 9277に従って測定する。測定の前に、全試料を、200℃の温度で2時間、オーブン内で空気乾燥する。
〔流動性能〕
全試料の流動性能を、Van−Kel(登録商標)流量計、モデル(VK10210)装置により実行した試験によって測定する。
試験の原理は、材料200gを、「B」「7/16」錠剤ゲージを通して流すことに本質がある。材料200gが流れ抜けるのに必要な時間が定められる。流動性は、流量、すなわち、g/sで表される。
〔錠剤の硬度〕
硬度を求めるために、Schleuniger Tablet Hardness Tester(シュロニガ錠剤硬度試験機)(登録商標)、モデル28/106を使用することによって錠剤を試験した。原理は、圧縮顎(compression jaw)の間に錠剤を設置し、錠剤が破壊されるまで力を増しながら加えることに本質がある。力は記録され、錠剤の硬度を表す。示された硬度は、10個の錠剤の平均の硬度である。
参考例1〕
粒子の90パーセントが260ミクロン未満であり、粒子の90パーセントが10ミクロンを超える粒径を有するブルッシャイトリン酸カルシウム(DITAB製品、Rhodia社によって調製された)を、40重量%の濃度を有する水性懸濁液が得られるような量で、水が循環している二重壁反応器に、周囲温度で充填する。
懸濁液を、機械的攪拌機を用いて撹拌し、温水を循環させて60℃に加熱する。反応のpHを、pH調節器により8.0に調節する。pHがこの値未満になると直ちに、NH3の重量で表して20%の水酸化アンモニウム水溶液が添加され、pHは再び上昇する。加熱は、60℃の温度に維持される。
4時間後に、懸濁液を再び冷却し、得られた固形物を濾過によって溶液から分離する。固形物を水により洗浄し、次いで、110℃の温度で乾燥する。得られた製品は、260ミクロン未満が90%および10ミクロンを超えるものが90%の粒径分布を有する。製品のその他の特性は、下の表1にまとめてある。
〔実施例2〕
温度を90℃に維持することを除いて、参考例1に記載されているのと、同一の処理を実行する。
〔実施例3〕
使用した塩基が20%の水酸化ナトリウム水溶液であることを除いて、実施例2に記載されているのと、同一の処理を実行する。
〔実施例4〕
使用した塩基が30%の水酸化カリウム水溶液であることを除いて、実施例3に記載されているのと、同一の処理を実行する。
〔比較例5〕
12%の水酸化カルシウム懸濁液(重量/重量)を反応器に充填すること、60℃で懸濁液を充填すること、および次いで、その結果得られた懸濁液のpHが6から7の間になるまで、石灰の懸濁液に20%H3PO4の溶液を添加することからなる標準の方法により、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを調製する。
懸濁液を真空濾過機により濾過し、110℃の温度で、8時間、オーブン中で乾燥する。
その結果得た乾燥製品を、10cmの幅および75cmの直径のローラーを装備した、Fitzpatrick Chilsonator(登録商標)中に充填することにより、顆粒を調製する。ローラーは正弦波状のチャンネルにより表面が覆われており、0.05cmのローラー間隔により隔てられている。
粉末状の混合物を、移動ベルトを用いてChilsonator(登録商標)圧縮成形機に供給し、ローラーの間を通過させることにより圧縮する。片方のローラーは、もう一方のローラーに対して、水圧を利用して70kg/平方センチメートルの圧力(マノメータによる圧力)を掛けて駆動された。ロールの力は、直線1cm当たりほぼ2143kgである。ローラーは、16rpmの回転速度を有する。
製品は、シートの形状をしており、回転式切断ブレードを装備したFitzmill(登録商標)(モデルDAS06)粉砕機を用いて粉々にされる。
製品は、0.125cmの円形の篩目開きを有する篩を通って、粉砕機から取り出される。圧縮し、粉砕した製品を、次いで、振動篩装置に直接供給する。使用する篩は、直径が120cmのものである。
第1の篩は、36TBC、「tensile bolting cloth(引き延ばせる篩絹)」(または541μmの篩目開き)で分級し、下にある第2の篩は、78TBC(または231μmの篩目開き)で分級した。したがって、これらの振動篩を用いて、充填物を3つの部分に分離する。
粒子の中間部分、すなわち、36TBC篩を通過し、78TBC篩を通過することができないすべての粒子を回収する。振動篩から現れるより大きなおよびより小さな部分を、Chilsonator(登録商標)に送り、Chilsonator用の正味の供給原料充填物と混合させ、次いで、再循環させる。
〔顆粒の特性〕
添付の図1〜3は、本発明の実施例2によるヒドロキシアパタイトリン酸カルシウム(図1)、原料、すなわち、ブルッシャイトリン酸カルシウム(図2)、および比較例5に記載の従来技術により調製したヒドロキシアパタイトリン酸カルシウム(図3)の顆粒の形態を示す。図4は、さまざまな実施例の中位径(d50)を測定するための累積曲線に対応するグラフを示す。図5は、さまざまな実施例の粒径分布を説明するグラフを表す。
実施例由来の製品の、添付図に示したもの以外の物理化学的特性は、表1に記載されている。なお、表1の見掛け密度は、見掛け密度(圧縮されていない)である。
Figure 0004854507
〔錠剤の特性〕
ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウム(97パーセントの比率で)、2%のAc−Di−Sol(登録商標)(ステアリン酸クロスカルメロース)崩壊剤および0.5%のステアリン酸マグネシウム滑沢剤を、強化バー(intensification bar)を装備した2つの胴部を有するV型混合機(Pattern Kelley(登録商標))に入れることにより、上の実施例の錠剤を調製する。
混合機は、強化バーを停止して、2分間混合を行う。調合物を、標準のIPT7/16インチ切断機を装備した回転式打錠機(Manesty(登録商標)B3B)で、直接圧縮する。打錠機には、記録計に接続した張力計を装備して、錠剤のそれぞれのロットを成形する間に加えられた圧縮力を記録するようにした。打錠機の鋳型のうち4個を使用する。
16個の鋳型を基準にして、1分当たり750錠の割合で錠剤を製造する。錠剤の名目上の重量は675mgである。初期材料、すなわち、ブルッシャイトリン酸カルシウム、実施例から4により得られた本発明の顆粒および比較例5からの比較のためのヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムについて、上述の装置により圧縮した後、得られた錠剤の硬度特性を、以下の表2にまとめている。
Figure 0004854507
上述したことを通じて、本発明(実施例〜4)により調製された製品は、従来法(比較例5)により調製された材料より、遙かに大きい圧縮特性を有し、初期材料(表2)より、大きい圧縮特性を有することを、観測することができる。
また、本発明により調製された製品の流動特性は、表1に示すように良好である。さらに、本発明により調製されたすべての錠剤(実施例〜4)は、1分未満の溶解速度を持つ、良好な崩壊特性を有する。
走査電子顕微鏡によって撮影された写真であり、本発明によって得られたヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムの顆粒の形態を例示する。 走査電子顕微鏡によって撮影された写真であり、ブルッシャイトリン酸カルシウムの顆粒の形態を示す。 走査電子顕微鏡によって撮影された写真であり、従来技術により調製したヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムの顆粒の形態を示す。 種々の実施例の中位径(d50)を測定するための累積曲線に対応するグラフを示す。 種々の実施例の粒径分布を説明するグラフを表す。

Claims (9)

  1. ヒドロキシアパタイトのX線回折パターンを示すとともに、粒子の90重量%が300ミクロン未満、粒子の90重量%が10ミクロンを超える粒径を有する、顆粒形状のリン酸カルシウムの調製方法であって、
    (a)粒子の90重量%が300ミクロン未満、粒子の90重量%が10ミクロンを超える粒径を有する、ブルッシャイトリン酸カルシウムの懸濁液を、塩基性溶液を用いて、pHを7.0〜10.0の間に維持するとともに、反応温度が60℃〜90℃で、処理することと、
    (b)ブルッシャイトリン酸カルシウムのヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムへの変換を可能にするのに十分な時間の間、pHを7.0以上に維持することと、
    含み、
    前記(a)、(b)の処理を経た水溶液から固形物を分離して、乾燥することによって顆粒形状のリン酸カルシウムを得ることを特徴とする、顆粒形状のリン酸カルシウムの調製方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、ブルッシャイトリン酸カルシウムの粒子の寸法が、中位径(d50)が100μm〜250μmの間にあることを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、前記塩基性溶液に使用される塩基が、NaOH、KOH、NH4OHの中から選択されることを特徴とする方法。
  4. 請求項1記載の方法であって、ブルッシャイトリン酸カルシウムについての化学量論量の80〜110%となるように塩基性溶液が添加されることを特徴とする方法。
  5. 請求項1記載の方法であって、最初に、ブルッシャイトリン酸カルシウムの水溶液を、選択した反応温度に加熱し、次いで、pHを制御しながら塩基性溶液を導入することを特徴とする方法。
  6. 請求項1記載の方法であって、最初に、pHを制御するために塩基性溶液を添加し、次いで、媒質を選択した反応温度に加熱することを特徴とする方法。
  7. 請求項5または請求項6記載の方法であって、前記懸濁液のpH値を監視してそのpH値を所定の範囲に維持しながら、塩基性溶液を添加することを特徴とする方法。
  8. 請求項1記載の方法であって、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを、濾過または遠心分離によって、水溶液から分離することを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、ヒドロキシアパタイトリン酸カルシウムを、80〜120℃の間において乾燥させることを特徴とする方法。
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