JP4854221B2 - 放電ツルーイング用メタルボンドホイール及びその製造方法 - Google Patents

放電ツルーイング用メタルボンドホイール及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は放電ツルーイング機能をそなえた単頭又は両頭平面研削用のメタルボンドホイールに関する。
近年、両頭平面研削盤の分野においては、研削ホイールを機上にて高精度にツルーイングすることが可能な、機上放電ツルーイング装置が開発された。放電ツルーイング装置を用いた場合、一般的にはメタルボンドホイールが使用される。メタルボンドホイールのメタルボンドには、放電による加工性が良好であることが要求される。
放電ツルーイング用メタルボンドホイールに関しては、特許文献1に、添加剤として潤滑剤(代表的には黒鉛)を使用することによりメタルボンドホイールのツルーイング性を向上される技術が開示されている。特許文献2には、放電ツルーイング用のメタルボンド砥石において、銅(Cu)−錫(Sn)のブロンズ系メタルボンドと、グラファイト潤滑剤を使用することが開示されている。
メタルボンドについては、放電ツルーイング用砥石と限定はしていないが、特許文献3に、Cu33〜75重量%及びSn18〜55重量%の青銅粉、いわゆるブロンズ粉を使用することが開示されている。
特開2004−249384号公報 実開平4−19759号公報 特開平8−243926号公報
メタルボンドホイールは強度が高いため、砥粒の目替わりが起こりにくいという問題がある。そのため、特許文献1及び特許文献2では、固体潤滑剤を使用して目替わりを促進している。しかし、この場合、メタルボンド自体の強度が強いと目替わり促進効果は半減してしまう。特許文献1では、銅65重量%、錫25重量%、黒鉛10重量%のメタルボンドでテストされているが、銅−錫系メタルボンドの場合、銅の割合が多いとメタルボンドの強度が上昇する傾向にある。このため、特許文献1に示された組成のメタルボンドは、ボンド強度は強く砥粒の保持力には問題ないが、放電ツルーイング性には問題がある。放電ツルーイング性改善のためにメタルボンド自体を検討することは、これまでなされていない。
本発明の目的は、メタルボンド組成の検討により放電ツルーイング性の向上した放電ツルーイング用メタルボンドホイールと、その製造方法を提供することである。
本発明の放電ツルーイング用メタルボンドホイールは、砥粒をメタルボンドで結合した砥粒層が台金に固着されたメタルボンドホイールであって、メタルボンドがCu62〜48質量%及びSn38〜52質量%の組成を持ち、且つ、砥粒層と台金との間に、Fe:Cu:Snの質量比が80〜40:44〜15:16〜5の補強層が位置することを特徴とする放電ツルーイング用メタルボンドホイールである。
好ましくは、砥粒層はその全体積に対して1〜30体積%の潤滑剤を含む。
本発明の放電ツルーイング用メタルボンドホイールは、補強層用の材料を550〜700℃で焼結して補強層を形成し、その上に砥粒層用の材料を385〜415℃で焼結して砥粒層を形成し、次いで台金に補強層を接合することにより砥粒層を固着することを特徴とする製造方法により製造することができる。
本発明の放電ツルーイング用メタルボンドホイールは、メタルボンドがCu62〜48質量%及びSn38〜52質量%の組成を持つことにより、良好な放電ツルーイング性を発揮することができる。更に、砥粒層と台金との間に、Fe:Cu:Snの質量比が80〜40:44〜15:16〜5の補強層を設けることで、メタルボンドを安定して製造できる。
発明者らは、放電ツルーイング用メタルボンドホイールの放電ツルーイング性改善に当たり、メタルボンド組成を検討した。
従来一般的に使用されているメタルボンドは、銅−錫系、いわゆるブロンズ系のメタルボンドである。ブロンズ系メタルボンドでは、一般に、焼結温度を低下させる錫の割合が多くなると、ボンド強度が下がる。そのような事情に鑑み、ブロンズ系のメタルボンドは銅75質量%−錫25質量%の割合を中心に使用されている。しかしながら、このブロンズ組成では、放電ツルーイング時にツルアー電極にメタルボンドが溶着しやすい。
本発明では、通常よりも錫の割合が多い、Cu62〜48質量%及びSn38〜52質量%のブロンズ組成のメタルボンドを使用し、場合によってはCu:Sn質量比1:1近辺のメタルボンドを使用する。本発明で使用する高錫含有量のメタルボンドは、メタルボンドホイールの放電ツルーイング性を良好にする。このようなボンド組成は、特許文献3に開示されている。しかし、特許文献3の実施例によると、上記組成のメタルボンドを使用して砥石を製造した場合、砥粒層にクラックが発生し、あるいは砥粒層と台金の境界で接合ズレが発生した。このように、本発明で使用するような高錫含有量のメタルボンドの場合、砥粒層のボンド強度が不足し、あるいは一般的に使用されている鋼やアルミニウムの台金との熱膨張係数の不一致が起こりやすいため、接合が不十分となりやすく、放電ツルーイング用メタルボンドホイールを安定して製造することができない、という問題が生じることになる。
この問題は、本発明により、砥粒層と台金との間に補強層を設けることで解決することができる。
具体的には、砥粒層の下にFe:Cu:Snの質量比が80〜40:44〜15:16〜5の補強層を設け、台金に接合する。
補強層を設けた本発明の放電ツルーイング用メタルボンドホイールの製造手順は、次のとおりである。まず、補強層用材料の金属粉の混合物を550〜700℃で焼結して補強層を形成する。補強層の冷却後、その上に砥粒層用の材料を385〜415℃で焼結して砥粒層を形成する。その後、焼結した砥粒層が結合された補強層を台金に接合する。この方法により、砥粒層のクラック発生又は砥粒層と台金との剥離を回避して、放電ツルーイング用メタルボンドホイールを安定して製造することができる。補強層を介して砥粒層を台金に安定して固着することができる限り、補強層の台金への接合の仕方はどのようなものでもよい。例えば、一般的に使用される有機接着材を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂系接着材が好適に使用できる。
本発明で使用されるメタルボンドは、Cu62〜48質量%及びSn38〜52質量%のブロンズ組成を持ち、本発明のメタルボンドホイールの製造時には、この組成の合金粉が使用される。メタルボンド用の材料は、所定の組成の合金粉であることが必要である。Cu粉とSn粉を混合しホイール焼結時に合金化させる方法もあるが、この場合、合金化の度合が低くなって、製品性能にバラつきが発生する。また、融点の低いSnが主に溶融して安定した焼結ができず、砥粒保持力にバラつきが発生する。
本発明で用いるメタルボンドのブロンズ組成において、Cuが62質量%を超えるとメタルボンドが硬くなり、メタルボンドの放電加工性が悪くなって、良好な放電ツルーイングができなくなる。一方、Snが52質量%を超えると、メタルボンドが脆くなり、砥粒保持力が低くなって、砥石消耗が大きくなる。本発明で用いるメタルボンドのブロンズ組成は、Cuが60〜50質量%、Snが40〜50質量%であるのがなお望ましい。
本発明の放電ツルーイング用メタルボンドホイールにおいて砥粒層と台金の間に中間層として設ける補強層は、高錫含有量のメタルボンドを使用すると砥粒層の強度が低くなることにより発生する砥粒層の割れ及び欠けを防止する。
この補強層は、80〜40:44〜15:16〜5の質量比で、Fe、Cu、Snを含む。Feは、この中で一番融点が高く、補強層の強度を支配する金属元素である。Feが80%より多くなると、補強層の融点が上がりすぎて安定した製造ができない。40%より少ないと、補強層の強度が確保できない。Sn成分は、一番融点が低く、補強層の焼結を促進するいわゆる焼結助剤の役割を果たす。Snが16%より多いと、溶出が発生し補強層の強度が下がる。5%より少ないと、焼結が促進されず高い焼結温度が必要となり、そのため安定した製造ができない。Cuは、融点差が大きいFeとSnの中間の融点を持ち、これにより安定した焼結を可能にする。Cuが44%より多いと、焼結が促進されず高い焼結温度が必要となり、そのため安定した製造ができない。15%より少ないと、FeとSnとの大きな融点差の影響を受けて安定した焼結ができない。
補強層はまた、砥粒層と台金の熱膨張係数の違いを緩衝する役割を果たす。一般的には、砥粒層と台金との熱膨張係数差はもうけないほうがよい。しかし、台金の熱膨張係数は、鋼の場合11〜14×10-6-1、アルミニウムの場合23.7×10-6-1であり、それに対して、砥粒層の熱膨張係数は15〜20×10-6-1である。このため、場合によっては砥粒層と台金との熱膨張係数差が大きくなり、これが原因で砥粒層の剥離が発生する可能性がある。本発明で使用する補強層の熱膨張係数は、主にFe成分に支配され、一般に14〜20×10-6-1程度である。従って、砥粒層との熱膨張係数の差がより大きくなるアルミニウムの台金の場合でも、両者の熱膨張係数の違いをある程度緩衝する役割を果たすことができる。
補強層の厚みは3〜7mmが望ましい。3mmより薄いと、製造上補強層の均一性を確保することが難しくなる。7mmより厚いと、製造上問題はないが、焼結時間が長くなり、コスト高を招く。
焼結により補強層を形成する際には、Fe、Cu、Snそれぞれの粉末材料を使用することができる。とは言え、補強層の場合、最終的に上記組成の補強層を形成し、所期の効果の発現を妨げない限り、任意の粉末材料を使用することができる。例えば、個別のCu粉末とSn粉末の代わりに、あるいはそれらの一部として、Cu−Snの合金粉を使用することができる。
砥粒層を台金に固着するのに、本発明における補強層を用いず、砥粒層を有機接着材で台金に接着する方法も考えられるが、これは以下の点で好ましくない。すなわち、(1)砥粒層は厚み1.5〜5mmと非常に薄く、このような薄い砥粒層を単独で焼結するのは困難であり、(2)研削時、砥粒層の厚みが低下すると砥粒層の欠けが発生しやすい。
本発明のメタルボンドホイールの製造方法では、まず補強層を550〜700℃での焼結により形成し、更にその上に砥粒層を385〜415℃での焼結により形成する。材料組成を反映して、補強層が十分な補強強度を発揮するには550〜700℃の高い焼結温度が必要であり、それに対して砥粒層の焼結は385〜415℃で行われる。このため、1回の同時焼結では補強層又は砥粒層のどちらかが適正な焼結温度から逸脱し、良好なメタルボンドホイールが作製できない。従って、本発明では、上記のとおりの、いわゆる2段階焼結が採用される。
この2段階焼結の採用により、本発明によれば、補強層と砥粒層の平坦度の確保と砥粒層のソリの防止が容易になる。砥粒層と補強層を同時焼結した場合には、2つの層の充填密度の差が平坦度の違いを招き、熱膨張係数の差が砥粒層にソリを発生させる原因となる。
2段焼結で得た砥粒層と補強層との積層体は、先に説明したように、例えば有機接着材を利用して、台金に接合することができる。有機接着剤を利用する場合には、補強層と台金との導電性を確保することが必要であり、そのための簡便な方法として、例えば、ホイールの周端面にネジ等を挿入して補強層と合金とをネジにより導通させることができる。
放電ツルーイング性を更に向上させるために、本発明のメタルボンドホイールの砥粒層に潤滑剤を添加してもよい。代表的な潤滑剤は固形潤滑剤であり、例として黒鉛(グラファイト)、二硫化タングステン、二硫化モリブデンなどの公知のものが挙げられる。発明の趣旨を逸脱しない限り、これら以外の材料を使用してもよい。潤滑剤は、一般に砥粒層の全体積に対して1〜30体積%の範囲で使用する。
本発明のメタルボンドホイールで使用する砥粒は、ダイヤモンド砥粒又は立方晶窒化硼素砥粒、あるいはチタン金属にて被覆された前記砥粒であるが、研削条件等を考慮して他の砥粒を添加してもよい。
メタルボンドと砥粒との混合比は、通常、体積部にして5:95〜30:70である。
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1及び比較例1)
ここではメタルボンドホイールの製造を説明する。
本発明の補強層ありのホイール(実施例1)と、補強層なしのホイール(比較例1)を製造した。本発明の実施例1のホイールの構造を、図1(上面図)、図2(側面図)、図3(断面図)に模式的に示す。これらの図において、1は砥粒層、2は砥粒層に設けた溝、3は軸孔、4は補強層、5は台金、8は接着材層を示している。比較例1のホイールは、補強層と接着剤層8がないことを除き、実施例1のホイールと同様であった。
砥粒層材料として、次の混合比の材料を使用した。
CBN砥粒#800 76.0g
メタルボンド 1038.2g
グラファイト潤滑剤 78.6g
使用したメタルボンド材料は、Cu:Sn質量比が53:47のブロンズ粉であった。
製造したホイールは、外径305mm、砥粒層幅75mm、砥粒層厚み3mm、ホイール厚み47.5mm、軸孔径80mmのカップ型ホイールであった。台金は、アルミニウム製であった。実施例1のホイールの補強層は、次の混合比の材料から形成した。
Fe粉 1342g
ブロンズ(Sn33−Cu67)粉 538g
Cu粉 359g
計量した砥粒層材料を攪拌雷潰機にて20分間混合し、砥粒層用混合物を作った。同様に、実施例1のホイール用の補強層用混合物を、計量した金属粉を攪拌雷潰機にて20分間混合して作った。
実施例1のホイールを、次の手順で作製した。焼結成形機に補強層用混合物を外305mm、幅75mm、厚み5mmの焼結体となるように均一に充填し、最高温度600℃にて焼結した。得られた焼結体を冷却後、その上に砥粒層用混合物を均一に充填し、最高温度400℃にて焼結した。こうして得られた2層構造の焼結体を、台金に有機接着材(具体的にはエポキシ系接着剤)で接着した。
比較例1のホイールを、次の手順で作製した。台金を焼結成形機にセットし、外径305mm、幅75mm、厚み3mmの砥粒層を形成するように砥粒層用混合物を均一に充填し、最高温度400℃にて焼結し、それにより砥粒層を台金に接合させた。
こうして作製した実施例1と比較例1のホイールを目視観察した。実施例1のホイールには異常は認められず、比較例1のホイールでは砥粒層に割れが発生した。
このように、補強層を具備している実施例1のホイールは正常に製造できたのに対し、補強層を具備せず、砥粒層を焼結により台金に直接接合して製造した比較例1のホイールでは砥粒層が割れた。比較例1の結果は、本発明のメタルボンドを使用しただけでは、砥粒層は強度が低く、台金への結合力が弱いからであり、また、砥粒層と台金との熱膨張係数の違いが大きいためであると考えられる。それに対して、実施例1では、熱膨張係数が砥粒層と同等な補強層を設けることで、砥粒層の割れ、ソリを防ぐことができ、良好な製品を得ることができた。
(実施例2及び比較例2)
ここでは、放電ツルーイング機能を持つ研削盤でのメタルボンドホイールの研削テストを説明する。
実施例2のホイールとしては、実施例1に従って製造したホイールを使用した。実施例2のホイールでは、台金とその上の補強層との間に不導電性の接着剤層が存在するので、放電ツルーイングに必要な、台金部分と砥粒層との電気伝導を確保するため、台金と補強層との間にそれらを導通させるための部材を挿入した。具体的には、台金と補強層とを導通させるように、4本のネジ9(図2)を挿入した。
一方、比較例2のホイールでは、次に示す混合比、すなわち、
CBN砥粒#800 84.1g
メタルボンド 471.1g
グラファイト潤滑剤 10.0g
の混合物から砥粒層を形成した。メタルボンド材料は、Cu:Sn質量比が75:25のブロンズ粉であった。
実施例2のホイールのものと同じ台金を用意し、これを焼結成形機にセットし、外径305mm、幅75mm、厚み3mmの砥粒層を形成するように砥粒層用混合物を均一に充填し、最高温度650℃にて焼結して、砥粒層が台金に直接結合した比較例2のホイールを作製した。
図4に模式的に示したように、光洋機械製の対向二軸(両頭)平面研削盤KVD300SII(7.5kW)に2枚のホイール6をセットして被削材7を研削する研削テストを行った。被削材には、35×25×5mmの高速度鋼SKH51(60HRc)を使用した。また、研削液として、濃度2%のクレカットNS201(ソリュブルタイプ)を使用した。
ツルーイング、ドレッシング条件は、下記のとおりであった。
放電電圧設定値(E0): 120V
放電電流設定値(Ip): 32A
パルスオン時間(τON): 10μS
パルスオフ時間(τOFF): 4μS
サーボ電圧(SV): 30V
ツルーイング回数: 10回
ツルーイング切込み量: 0.001mm
ホイール回転数: 400min-1
放電電極回転数: 509min-1
研削条件は、下記のとおりであった。
研削方式: ダブルディスク平面研削
送り込み方式: スイングアーム方式(インフィード)
ホイール周速度: 16m/s(1000min-1
ホイール回転方向: 上: 逆転(時計方向)
下: 正転(反時計方向)
ワークドライブオシレート幅: 30deg
ワークドライブオシレート速度: 25deg/s(1500deg/min)
切込み量: 0.04mm/cut
切込み条件は、表1に示したとおりであった。
Figure 0004854221
この表から分かるように、研削送り、仕上げ送り及びスパークアウトの合計研削時間は9.0秒であった。
被削材寸法変化、平行度、平面度、研削動力、仕上げ面粗度(Rz)の各評価項目について、ホイールの評価を行った。
被削材寸法変化の評価では、被削材の研削個数を重ねるに従って研削後の被削材仕上がり寸法を測定した。研削後、被削材の厚さをマイクロメーターで4点測定してその平均値を算出し、研削初期の被削材(研削した1つ目の被削材)の寸法との差を見た。この評価の目安数値は0.002mm/cut以内である。
平行度の評価では、被削材の研削個数を重ねるに従って研削後の研削面厚みのバラつきを測定した。研削後、被削材の厚さをマイクロメーターで4点測定し、その最大値と最小値の差を見た。この評価の目安数値は0.005mm以内である。
平面度の評価では、研削後の被削材の研削面を面粗度計で測定し、その高い部分と低い部分の差を見た。この評価の目安数値は0.005mm以内である。
研削動力は、砥石軸モーターの消費電力として測定した。
仕上げ面粗度(Rz)の評価では、研削後の被削材の研削面の面粗度を測定して、研削個数ごとの変化を見た。評価長さは1.2mm、基準長さは0.25mm、カットオフは0.25mmとした。この評価の目安数値は0.8μm以内である。
実施例2のホイールのテスト結果を表2に示す。
Figure 0004854221
比較例2のホイールでは、放電ツルーイング時に電極ツルアーにメタルボンドが溶着したため、評価を行う前に研削を中止した。
それに対し、実施例2のホイールでは、放電ツルーイング後の研削において特に大きな問題は発生せず、各特性値の目安数値の範囲内で研削の不具合も発生しなかった。これにより、本発明のメタルボンドホイールは放電ツルーイング後正常な研削作業が行えることが示された。
実施例1で作製した本発明によるメタルボンドホイールの模式上面図である。 実施例1で作製した本発明によるメタルボンドホイールの模式側面図である。 実施例1で作製した本発明によるメタルボンドホイールの模式断面図である。 実施例2と比較例2で行った両頭平面研削を説明する模式図である。
符号の説明
1 砥粒層
2 溝
3 軸孔
4 補強層
5 台金
6 ホイール
7 被削材
8 接着材層
9 導通用のネジ

Claims (1)

  1. Fe:Cu:Snの質量比が80〜40:44〜15:16〜5の組成を持つ補強層用の材料を550〜700℃で焼結して補強層を形成し、その上に砥粒をメタルボンドで結合した砥粒層であって、メタルボンドがCu62〜48質量%及びSn38〜52質量%の組成を持ち、かつ、前記砥粒層がその全体積に対して1〜30体積%の潤滑剤を含む砥粒層用の材料を385〜415℃で焼結して砥粒層を形成し、次いで台金に補強層を接合することにより砥粒層を固着することを特徴とする放電ツルーイング用メタルボンドホイール製造方法。
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