JP4853451B2 - エンジンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダ内で燃焼させる燃料を改質するエンジンシステムに関する。
内燃機関のシリンダ内で燃焼させる燃料を改質する技術が下記特許文献1〜3に開示されている。例えば、特許文献1においては、燃焼後の排気ガスの熱を利用してアンモニアガス(燃料ガス)を分解して水素ガスを生成し、この水素ガスを副燃焼室内に導入して初期燃焼を行わせている。アンモニアはガソリン等の石油系燃料と比較して燃焼速度が遅く燃えにくい性質を有するが、特許文献1では、アンモニアガスだけでなく水素ガスも燃焼させることで、燃焼室内のアンモニアガスの燃焼を促進させている。
特開平5−332152号公報 特開2000−274249号公報 特開2006−52688号公報 特開2007−113570号公報 特開2007−29862号公報 特開2007−172044号公報 米国特許出願公開第2007/95053号明細書 米国特許出願公開第2006/201139号明細書
内燃機関のシリンダ内で燃焼させる燃料を燃料改質器で改質するエンジンシステムにおいては、内燃機関の運転条件によっては、改質後の燃料の噴射量を増大させるとともに改質前の燃料の噴射量を減少させることが望ましい場合がある。例えば、アンモニアを燃料改質器で改質して水素を生成するエンジンシステムにおいては、内燃機関の始動時や低負荷運転時には、改質後の水素の噴射量を増大させるとともに改質前のアンモニアの噴射量を減少させることで、燃料の燃焼速度を増大させて内燃機関の燃焼変動(トルク変動)を抑えることが望ましい。しかし、燃料改質器から供給される改質後の燃料には改質前の燃料も混合しているため、改質後の燃料の噴射量を増大させると、改質後の燃料に混合している改質前の燃料の噴射量も増大することになる。その結果、内燃機関の燃焼制御の自由度に制約が生じる。内燃機関の燃焼制御の自由度を高めるためには、改質前の燃料と改質後の燃料とを別系統で内燃機関に供給できることが望ましい。
本発明は、内燃機関のシリンダ内で燃焼させる燃料を改質するエンジンシステムにおいて、内燃機関の燃焼制御の自由度を高めることを目的とする。
本発明に係るエンジンシステムは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係るエンジンシステムは、アンモニアを蓄えるアンモニア貯蔵装置と、アンモニア貯蔵装置からのアンモニアがガス状態で供給され、該供給されたアンモニアガスを部分的に改質して水素ガスを生成する改質器と、改質器からのアンモニアガス及び水素ガスが供給され、該供給されたアンモニアガス及び水素ガスを加圧してアンモニアガスを液化することで水素ガスから分離する分離器と、分離器で水素ガスから分離されたアンモニアを内燃機関の吸気管内またはシリンダ内へ噴射するアンモニア噴射装置と、分離器でアンモニアから分離された水素ガスを吸気管内またはシリンダ内へ噴射する水素噴射装置と、を備えることを要旨とする。
本発明の一態様では、アンモニア貯蔵装置は、アンモニアを液体の状態で蓄えるものであり、アンモニア貯蔵装置と改質器との間に、アンモニア貯蔵装置からのアンモニアを減圧することで気化する減圧装置が設けられており、分離器は、改質器からのアンモニアガス及び水素ガスが供給された圧力容器内にアンモニア貯蔵装置からのアンモニアを供給することで、圧力容器内のアンモニアガス及び水素ガスを加圧してアンモニアガスを液化することが好適である。
本発明の一態様では、分離器は、改質器から供給されたアンモニアガス及び水素ガスを圧縮する圧縮機を含むことが好適である。
本発明の一態様では、改質器は、アンモニア貯蔵装置からのアンモニアがガス状態で供給される容器であって、その内部で所定の周波数の電磁波が共振する共振容器と、共振容器内で共振する周波数の電磁波を発生させる電磁波発生源と、電磁波発生源で発生した電磁波を共振容器内へ伝搬させる電磁波伝搬手段と、共振容器内に配置された電極であって、該電極近傍にて共振容器内の電磁波の電界強度を局所的に高める放電用電極と、を備え、放電用電極近傍にて共振容器内の電磁波の電界強度を局所的に高めることで発生するプラズマ放電により共振容器内に供給されたアンモニアガスを部分的に改質して水素ガスを生成することが好適である。
本発明の一態様では、水素噴射装置は、分離器でアンモニアから分離された水素ガスをシリンダ内へ噴射する水素噴射弁を含み、水素噴射弁におけるシリンダ内に臨む先端部には、噴射した水素ガスが供給され、噴射孔を介してシリンダ内と連通するキャビティ部が設けられていることが好適である。
また、本発明に係るエンジンシステムは、炭化水素系燃料を蓄える燃料貯蔵装置と、燃料貯蔵装置からの炭化水素系燃料がガス状態で供給され、該供給された炭化水素系燃料ガスを部分的に改質して水素ガスを生成する改質器と、改質器からの炭化水素系燃料ガス及び水素ガスが供給され、該供給された炭化水素系燃料ガス及び水素ガスを加圧して炭化水素系燃料ガスを液化することで水素ガスから分離する分離器と、分離器で水素ガスから分離された炭化水素系燃料を内燃機関の吸気管内またはシリンダ内へ噴射する燃料噴射装置と、分離器で炭化水素系燃料から分離された水素ガスを吸気管内またはシリンダ内へ噴射する水素噴射装置と、を備えることを要旨とする。
本発明の一態様では、炭化水素系燃料は、プロパン、メタン、及びエタンのいずれか1つ以上を含むことが好適である。
本発明によれば、改質前の燃料(アンモニアまたは炭化水素系燃料)と改質後の燃料(水素ガス)とを互いに分離することができるので、改質前の燃料と改質後の燃料とを別系統で内燃機関に供給することができる。その結果、内燃機関の燃焼制御の自由度を高めることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンシステムの概略構成を示す図であり、内燃機関の燃料としてアンモニアを使用するエンジンシステムに適用した例を示す。アンモニアタンク(アンモニア貯蔵装置)12内にはアンモニア(NH3)が蓄えられている。アンモニアは、例えば1MPa程度の圧力で液体の状態でアンモニアタンク12内に蓄圧されている。アンモニアタンク12内に蓄圧されたアンモニアは、アンモニアタンク12と燃料改質器16との間に設けられた減圧弁(減圧装置)14で例えば0.5MPa程度の圧力に減圧されることで気化し、この気化したアンモニアガスが燃料改質器16に供給される。このように、アンモニアタンク12からのアンモニアは、ガス状態で燃料改質器16に供給される。燃料改質器16は、減圧弁14からのアンモニアガス(燃料ガス)を部分的に改質(分解)して水素(H2)ガスを生成する。燃料改質器16では、アンモニアガスの少なくとも一部が水素ガスと窒素(N2)ガスに分解される。燃料改質器16の具体的構成例については後述する。
ガスコンプレッサ(圧縮機)74は、燃料改質器16からのアンモニアガスと水素ガス(及び窒素ガス)を圧縮する。ここでは、燃料改質器16からのアンモニアガスと水素ガスを例えば1MPa以上の圧力に加圧することで、アンモニアガスと水素ガスのうちアンモニアガスのみを液化する。ここでは、水素ガス(及び窒素ガス)はガス状態を保つ。このアンモニアガスの液化によって、アンモニアガスを水素ガス(及び窒素ガス)から分離することができる。このように、ガスコンプレッサ74を含んでアンモニアを水素ガス(及び窒素ガス)から分離する気液分離器を構成することができる。
アンモニア蓄圧器76は、ガスコンプレッサ74で水素ガス(及び窒素ガス)から分離されたアンモニアを蓄圧する。吸気管20内に臨むアンモニアインジェクタ(アンモニア噴射装置)22は、アンモニア蓄圧器76に蓄圧された(水素ガスから分離された)アンモニアを吸気管20内に噴射する。ガス蓄圧器78は、ガスコンプレッサ74でアンモニアから分離された水素ガス(及び窒素ガス)を蓄圧する。吸気管20内に臨む水素インジェクタ(水素噴射装置)72は、ガス蓄圧器78に蓄圧された(アンモニアから分離された)水素ガス(及び窒素ガス)を吸気管20内に噴射する。アンモニアインジェクタ22から噴射されたアンモニアと水素インジェクタ72から噴射された水素ガスは、吸気行程にて空気とともにシリンダ11内に導入される。内燃機関10は、燃料(アンモニア及び水素)と空気との混合気をシリンダ11内で燃焼させることで動力を発生する。燃焼後の排出ガスは、排気行程にてシリンダ11内から排気管21内へ排出される。
シリンダ11内で燃焼させる燃料ガスを改質する燃料改質器16の構成例を図2に示す。電磁波発生電源31は、例えば固体素子やマグネトロンや進行波増幅管により構成することができ、電磁波(例えばマイクロ波)を発生、増幅させる役割を果たす。マイクロ波制御器28は、電池27から供給される電力により動作し、電磁波発生電源31が発生するマイクロ波のゲイン及びパルス幅のいずれか1つ以上を制御することで、その出力を制御する。電磁波発生電源31は、アンモニアガスを改質する場合にマイクロ波を発生し、発生したマイクロ波は、電磁波伝送路として設けられた同軸ケーブル37を伝搬する。同軸ケーブル37の端部には、共振容器34内に臨む電磁波放射器(電極)35が接続されており、同軸ケーブル37を伝搬したマイクロ波は、電磁波放射器35から共振容器34内に放射される。このように、同軸ケーブル37及び電磁波放射器35が、電磁波発生電源31で発生したマイクロ波を共振容器34内へ伝搬させる役割を果たす。
共振容器34は、金属等の導電材料により構成されており、その内部にキャビティ34aが形成されている。キャビティ34aでは、所定の周波数のマイクロ波(電磁波)が所定の共振モードで共振する。電磁波発生電源31は、キャビティ34aで共振する周波数のマイクロ波を発生させることで、キャビティ34a内へ突出する電磁波放射器35から放射されたマイクロ波が、キャビティ34a内で共振する。マイクロ波がキャビティ34a内で共振している状態では、マイクロ波のエネルギ反射が少なく、マイクロ波のエネルギのほとんどが共振容器34内に蓄えられる。共振容器34には、減圧弁14と連通する燃料ガス流入口38と、ガスコンプレッサ74と連通する燃料ガス流出口39が設けられており、減圧弁14からのアンモニアガス(改質前の燃料ガス)は、燃料ガス流入口38を通ってキャビティ34a内に供給される。
共振容器34には、放電用電極36がキャビティ34a内へ突出して設けられている。ここでの放電用電極36は、その近傍にてキャビティ34a内のマイクロ波の電界強度を局所的に高める役割を果たす。すなわち、電磁波放射器35から放射されたマイクロ波はキャビティ34a内を満たすが、放電用電極36の近傍では、放電用電極36とキャビティ34a内の空間の透磁率の違いから、キャビティ34a内のマイクロ波の平均電界の数十倍から数百倍程度の高電界を得ることができる。その結果、放電用電極36の近傍において、マイクロ波供給に伴ってキャビティ34a内の空間中に電流が流れるブレークダウンが発生する。そして、それが起点となって、キャビティ34a内の広い範囲でプラズマ放電が発生することで、キャビティ34a内に供給されたアンモニアガスを水素ガスと窒素ガスに分解する(改質する)ことができる。キャビティ34a内の残留アンモニアガス及び水素ガス(改質後の燃料ガス)は、燃料ガス流出口39を通ってガスコンプレッサ74へ供給される。
次に、図2に示す燃料改質器16において、キャビティ34a内でプラズマ放電を効率よく発生させるための好適な構成例について説明する。ただし、以下に説明するマイクロ波の周波数(波長)、共振容器34(キャビティ34a)の寸法については一例であり、この例に限定されるものではない。そして、以下に説明する条件を必ずしも満たさなくても、キャビティ34a内でプラズマ放電を発生させることができる。
キャビティ34a内におけるマイクロ波の共振周波数は、共振容器34(キャビティ34a)の形状、大きさ、導電率等に依存する。ここで、図3に示すようにキャビティ34aの形状を円柱形状、キャビティ34aの直径Dを90mmとし、キャビティ34aの高さHを変化させた場合の共振モードを調べた結果を図4に示す。例えば高さHが20mmの場合は、2〜7GHzの間に、約2.5GHz(TM010モード)、約4.1GHz(TM110モード)、約5.4GHz(TM210モード)、約5.8GHz(TM020モード)、約6.7GHz(TM310モード)の5種類の共振モードが存在する。また、高さHが90mmの場合は、2〜7GHzの間の共振モードの数が高さHが20mmの場合よりも増加し、その共振周波数が高さHによって変化しない共振モード(例えばTM010モード等)と高さHによって共振周波数が変化する共振モード(例えばTE111モード、TM011モード等)が存在する。そして、キャビティ34a内に発生する共振の強さ(蓄積エネルギの大きさ)は、図5に示すように、共振モードの種類により異なる。図5は、高さHが90mmの場合におけるSパラメータの周波数特性を示し、そのレベルが低いほど蓄積エネルギが大きいことを表す。
キャビティ34a内には、共振モードの種類に応じた電界分布が形成される。例えば、TM010モードにおいては、図6(A)に示す電界分布が形成され、TM011モードにおいては、図6(B)に示す電界分布が形成される。キャビティ34aの直径Dが90mmの場合は、2.5GHz近傍のTM010モードが最も低次の共振モードとなる。TM010モードの電界分布は、図6(A)に示すように、キャビティ34aの径方向において中央部が最も高く、周囲部(径方向外側)へ向かうほど低くなるという単調な分布であるため、共振モードの設定が容易となる。そこで、本実施形態では、TM010モードによるマイクロ波共振を利用してキャビティ34a内でプラズマ放電を発生させる。その場合は、キャビティ34aの直径Dが90mmであるのに対して、共振が発生するマイクロ波の周波数が約2.5GHz(波長が約120mm)となり、キャビティ34aの直径Dがマイクロ波の波長の約3/4倍となる。
キャビティ34a内でTM010モードによるマイクロ波共振を効率よく発生させるためには、電磁波放射器35については、キャビティ34a内における電界強度が高くなる位置に配置することが好ましい。そして、キャビティ34a内でプラズマ放電を効率よく発生させるためには、放電用電極36については、キャビティ34a内における電界強度が高くなる位置に配置することが好ましい。TM010モードにおいては、図6(A)に示すようにキャビティ34aの径方向における中央部で電界強度が最も高くなるため、キャビティ34aの径方向における中央部へ電磁波放射器35及び放電用電極36を突出させることが好ましい。図2に示す例では、キャビティ34aの下面34bから電磁波放射器35を突出させ、キャビティ34aの上面34cから放電用電極36を突出させており、電磁波放射器35と放電用電極36がキャビティ34a高さ方向において対向配置されている。電磁波放射器35及び放電用電極36をキャビティ34aの径方向における中央部へ突出させた場合の電界分布(TM010モード)を図7に示す。図7に示すように、電磁波放射器35の近傍及び放電用電極36の近傍にて電界強度が局所的に高くなる。
ただし、電磁波放射器35や放電用電極36をキャビティ34a内へ突出させると、キャビティ34aにおける共振周波数が変化する。電磁波放射器35及び放電用電極36のキャビティ34a内への突出長さ(挿入長さ)をそれぞれ変化させた場合における共振周波数の変化を調べた結果を図8に示す。そして、電磁波放射器35や放電用電極36のキャビティ34a内への突出長さを変化させると、結合度も変化する。ここでの結合度は、キャビティ34a内への入射エネルギの指標を表し、結合度のレベルが低いキャビティ34a内への入射エネルギが大きいことを表す。例えば、−10dBの結合度は供給エネルギの90%が入射可能であり、−20dBの結合度は供給エネルギの99%が入射可能であることを表す。電磁波放射器35及び放電用電極36の突出長さをそれぞれ変化させた場合における結合度の変化を調べた結果を図9に示す。さらに、電磁波放射器35や放電用電極36のキャビティ34a内への突出長さを変化させると、キャビティ34a内(放電用電極36近傍)における最大電界強度も変化する。電磁波放射器35及び放電用電極36の突出長さをそれぞれ変化させた場合における最大電界強度の変化を調べた結果を図10に示す。図10に示すように、放電用電極36の突出長さが20mmで電磁波放射器35の突出長さが9mmである場合に、キャビティ34a内における最大電界強度が最も高くなる。
キャビティ34a内でプラズマ放電を効率よく発生させるためには、結合度のレベルが低く且つ放電用電極36近傍における最大電界強度が高くなるように、電磁波放射器35及び放電用電極36のキャビティ34a内への突出長さを設定することが好ましい。例えば、電磁波発生電源31で発生させるマイクロ波の周波数を2.45GHz(市販マグネトロンの発振周波数)に設定し、キャビティ34aにおける共振周波数を約2.45GHzに設定する条件では、電磁波放射器35の突出長さを3.5mm、放電用電極36の突出長さを10mmに設定することで、図9,10に示すように、結合度を−20dB以下にする(供給エネルギの99%以上を入射する)ことができるとともに、1W供給時においてその最大電界強度を30000V/m程度まで高めることができる。
電磁波発生電源31からキャビティ34a内へマイクロ波を供給して、放電用電極36によりキャビティ34a内でプラズマ放電を発生させることで、キャビティ34a内に供給されたアンモニアガスが水素ガスに改質される。その際には、電磁波発生電源31からキャビティ34a内へのマイクロ波エネルギの供給量に応じて、プラズマ放電が発生する領域が変化し、アンモニアガスが水素ガスに改質される割合も変化する。例えば、キャビティ34a内へのマイクロ波エネルギの供給量が0Jである(プラズマ放電を発生させない)場合は、キャビティ34a内のガス組成が図11(A)に示す割合であるのに対して、キャビティ34a内へのマイクロ波エネルギの供給量が約1kJである場合は、キャビティ34a内のアンモニアガスの一部が水素ガスに改質されることで、キャビティ34a内のガス組成が図11(B)に示す割合となる。そして、キャビティ34a内へのマイクロ波エネルギの供給量が約3kJである場合は、キャビティ34a内のアンモニアガスの大部分が水素ガスに改質されることで、キャビティ34a内のガス組成が図11(C)に示す割合となる。そのため、マイクロ波制御器28は、電磁波発生電源31で発生させるマイクロ波の電力を制御してキャビティ34a内に供給されるマイクロ波の電力を制御することで、プラズマ放電が発生する領域を制御することができ、アンモニアガスが水素ガスに改質される割合を制御することができる。
アンモニアは、ガソリン等の炭化水素系燃料や水素と比較して燃焼速度が遅く燃えにくい物質であるが、アンモニアだけでなく水素ガスもシリンダ11内にて燃焼させることで、アンモニアの燃焼を促進させることができる。アンモニアガスを水素ガスに分解する割合(分解率)を変化させながらアンモニアガス(及び水素ガス)を定容燃焼させた場合のガス圧力を調べた結果を図12に示す。図12に示すように、アンモニアガスの分解率を増大させることで、燃料の燃焼速度を増大させることができ、燃焼による圧力を増大させることができる。
内燃機関10の負荷(トルク)が低い運転条件では、内燃機関10の負荷が高い運転条件と比較して、シリンダ内圧力が減少するため、燃焼速度が低下して燃焼変動が生じやすくなる。そのため、マイクロ波制御器28は、図11に示すように、内燃機関10の負荷の減少に対して電磁波発生電源31からキャビティ34a内へ供給するマイクロ波の電力を増大させることで、プラズマ放電が発生する領域を広げてアンモニアガスが水素ガスに改質される割合を増大させることが好ましい。そして、内燃機関10の負荷の減少に対して、水素インジェクタ72からの水素ガスの噴射量を増大させるとともに、アンモニアインジェクタ22からのアンモニアの噴射量を減少させることが好ましい。これによって、内燃機関10の負荷が変化しても、内燃機関10の燃焼変動(トルク変動)を抑えた安定な運転を行うことができる。
また、内燃機関10の始動時(冷間始動時)等、混合気温度が低いときは、圧縮温度が低く、燃焼速度を上げることが困難となる。そのため、マイクロ波制御器28は、内燃機関10の冷間始動時等、冷却水温度が低いときは、キャビティ34a内へ供給するマイクロ波の電力を増大させることで、アンモニアガスが水素ガスに改質される割合を増大させることが好ましい。さらに、アンモニアインジェクタ22からのアンモニアの噴射を停止させるとともに、水素インジェクタ72から水素ガスを噴射することが好ましい。これによって、燃料の燃焼速度の低下を抑えて内燃機関10の安定な始動を行うことができ、内燃機関10の始動性を向上させることができる。
また、アンモニアは、燃焼速度を低下させる性質がある一方、ノッキングのような急激な燃焼を抑制する効果もある。ノッキングは特に低速高負荷の運転条件で問題となるため、こうした運転条件においては、マイクロ波制御器28は、キャビティ34a内へのマイクロ波エネルギの供給量を減少させて、アンモニアガスが水素ガスに改質される割合を減少させることが好ましい。さらに、水素インジェクタ72からの水素ガスの噴射量を減少させるとともに、アンモニアインジェクタ22からのアンモニアの噴射量を増大させることが好ましい。これによって、ノッキングの発生を抑制することができ、熱効率を向上させることができる。
以上説明した本実施形態では、マイクロ波共振を利用してプラズマ放電を発生させてアンモニアガスを水素ガスに改質(分解)することで、アンモニアガスの分解率を増大させることが可能となり、燃料改質性能を向上させることができる。さらに、内燃機関の排出ガスの熱を利用して燃料ガスを改質する場合と比較して、燃料ガスの温度上昇を抑えることができるので、シリンダ11内への燃料ガスの充填効率を高めることができる。
さらに、本実施形態では、燃料改質器16からのアンモニアガスと水素ガスをガスコンプレッサ74で加圧してアンモニアガスを液化することで、アンモニア(改質前の燃料)と水素ガス(改質後の燃料)とを互いに分離することができるので、アンモニアと水素ガスとを別系統で噴射することができる。例えば、内燃機関10の負荷(トルク)が低い運転条件では、水素ガスの噴射量を増大させるとともにアンモニアの噴射量を減少させることが好ましいが、水素インジェクタ72からは、アンモニアから分離された(アンモニアが混合していない)水素ガスを噴射することができるので、アンモニアの噴射量を増大させることなく水素ガスの噴射量を増大させることができる。したがって、内燃機関10の燃焼変動(トルク変動)を抑える性能をさらに向上させることができる。また、内燃機関10の冷間始動時等、冷却水温度が低いときは、アンモニアの噴射を停止させて水素ガスを噴射することが好ましいが、水素インジェクタ72からは、アンモニアを噴射することなく水素ガスを噴射することができる。したがって、内燃機関10の始動性をさらに向上させることができる。また、内燃機関10の低速高負荷の運転条件では、水素ガスの噴射量を減少させるとともにアンモニアの噴射量を減少させることが好ましいが、アンモニアインジェクタ22からは、水素ガスから分離された(水素ガスが混合していない)アンモニアを噴射することができるので、水素ガスの噴射量を増大させることなくアンモニアの噴射量を増大させることができる。したがって、ノッキングの発生を抑える性能をさらに向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、燃料改質器16からのアンモニア(改質前の燃料)と水素ガス(改質後の燃料)とを互いに分離して別系統で噴射することができるので、内燃機関10の燃焼制御の自由度を高めることができる。
本実施形態では、例えば図13に示すように、シリンダ11内に臨む水素インジェクタ72から水素ガス(及び窒素ガス)をシリンダ11内に直接噴射することもできる。図13に示す例では、水素インジェクタ72が点火栓(図示せず)に近接して配置されている。図13に示す構成例によれば、水素インジェクタ72からは、アンモニアから分離された(アンモニアが混合していない)水素ガスをシリンダ11内に直接噴射することができるので、水素ガスを点火栓近傍に高濃度に集めることが可能となり、より希薄な混合気に着火することができる。
また、図14,15に示す構成例では、図13に示す構成例と比較して、シリンダ11内の周囲部に臨む水素インジェクタ(水素噴射弁)73がさらに設けられており、ガスコンプレッサ74でアンモニアから分離された水素ガス(及び窒素ガス)をシリンダ11内へ向けて噴射する。ここで、図15は、図14のA部の拡大図を示す。水素インジェクタ73におけるシリンダ11内に臨む先端部には、噴射した水素ガスが供給される小キャビティ73aが形成されており、小キャビティ73aは噴射孔73bを介してシリンダ11内と連通している。図14,15に示す構成例によれば、水素インジェクタ73から水素ガスを噴射することで、小キャビティ73a内は水素濃度が高くなるため、燃焼時にその圧力が上昇する。その結果、既燃ガスがシリンダ11内に噴出し、その際のシリンダ11内流れの乱れにより、燃焼後半時の燃焼を促進させることができる。また、未燃アンモニアの排出を抑制することができる。なお、水素インジェクタ73がシリンダ11内に臨む位置は、必ずしもシリンダ11内の周囲部である必要はない。
また、本実施形態では、アンモニアインジェクタ22についても、シリンダ11内に臨ませて、アンモニアインジェクタ22からアンモニアをシリンダ11内に直接噴射することもできる。
次に、燃料改質器16からのアンモニアと水素ガスとを互いに分離する他の構成例について説明する。図16に示す構成例では、アンモニアタンク12内にアンモニアが例えば2MPa程度の圧力で液体の状態で蓄圧されている。燃料改質器16からのアンモニアガスと水素ガス(及び窒素ガス)は、燃料改質器16と圧力容器80との間に設けられた開閉動作可能な遮断バルブ81が開いているときに圧力容器80内に供給される。そして、燃料改質器16をバイパスしてアンモニアタンク12と圧力容器80とを繋ぐバイパス管85が設けられており、バイパス管85には開閉動作可能な遮断バルブ82が設けられている。さらに、圧力容器80とアンモニア蓄圧器76との間に開閉動作可能な遮断バルブ83が設けられ、圧力容器80と水素インジェクタ72との間に開閉動作可能な遮断バルブ84が設けられている。各遮断バルブ81〜84の開閉制御は制御装置により行うことができる。
次に、図16に示す構成例において、燃料改質器16からのアンモニアと水素ガスとを互いに分離する動作について説明する。まず図17に示すように、遮断バルブ82,83,84を閉じた状態で遮断バルブ81を開けることで、燃料改質器16からのアンモニアガスと水素ガス(及び窒素ガス)が圧力容器80内に供給される。次に図18に示すように、遮断バルブ81を閉じて遮断バルブ82を開ける(遮断バルブ83,84は閉じた状態)ことで、燃料改質器16から圧力容器80へのアンモニアガスと水素ガスの供給が停止されるとともに、アンモニアタンク12からの液体のアンモニアがバイパス管85内を通って圧力容器80内に供給される。これによって、圧力容器80内のアンモニアガスと水素ガス(及び窒素ガス)が加圧される。ここでは、圧力容器80内のアンモニアガスと水素ガスを例えば1MPa以上の圧力に加圧することで、アンモニアガスと水素ガスのうちアンモニアガスのみを液化する。ここでは、水素ガス(及び窒素ガス)はガス状態を保つ。このアンモニアガスの液化によって、アンモニアガスを水素ガス(及び窒素ガス)から分離することができる。次に図19に示すように、遮断バルブ82を閉じて遮断バルブ83,84を開ける(遮断バルブ81は閉じた状態)ことで、水素ガスから分離されたアンモニアがアンモニア蓄圧器76(アンモニアインジェクタ22)へ供給されるとともに、アンモニアから分離された水素ガス(及び窒素ガス)が水素インジェクタ72へ供給される。以上説明した各遮断バルブ81〜84の開閉動作を繰り返すことによって、燃料改質器16からのアンモニアと水素ガスとを互いに分離することができる。
以下、燃料改質器16の他の構成例について説明する。図20に示す構成例では、電磁波発生電源31で発生したマイクロ波は、電磁波伝送路として設けられた導波管32内を伝搬する。導波管32の端部には、開口部32aが共振容器34内に臨んで配置されており、導波管32内を伝搬したマイクロ波は、この開口部32aから共振容器34内に放射される。このように、導波管32が、電磁波発生電源31で発生したマイクロ波を共振容器34内へ伝搬させる役割を果たし、導波管32の開口部32aが、マイクロ波を共振容器34内へ放射する電磁波放射器として機能する。導波管32の開口部32aには、導波管32内からキャビティ34a内へのマイクロ波の透過を許容するとともに、キャビティ34a内から導波管32内への燃料ガスの流出を遮断する絶縁体33が設けられている。ここでの絶縁体33としては、例えば誘電率の低いセラミック等の誘電体を用いることができる。
次に、図20に示す燃料改質器16において、キャビティ34a内でプラズマ放電を効率よく発生させるための好適な構成例について説明する。ただし、以下に説明するマイクロ波の周波数(波長)、共振容器34(キャビティ34a)の寸法については一例であり、この例に限定されるものではない。そして、以下に説明する条件を必ずしも満たさなくても、キャビティ34a内でプラズマ放電を発生させることができる。
図21に示すように、同軸系と導波管系とでは電界と磁界の配置が異なる。ここで、図21(A)は同軸系における電界と磁界の配置を示し、図21(B)は導波管系における電界と磁界の配置を示す。そのため、マイクロ波を導波管32を介してキャビティ34a内に供給する場合は、TM010モードによるマイクロ波共振を効率よく発生させるために、図20に示すように、導波管32の開口部32aをキャビティ34aの側面34dに臨ませる、すなわちマイクロ波をキャビティ34aの側面34dから供給することが好ましい。
また、開口部32aの大きさを変化させると、キャビティ34aにおける共振周波数及び結合度が変化する。開口部32aの幅(キャビティ34aの径方向及び高さ方向と垂直な方向の長さ、図20の図面と垂直な方向の長さ)を変化させた場合における共振周波数の変化を調べた結果を図22に示し、開口部32aの幅を変化させた場合における結合度の変化を調べた結果を図23に示す。キャビティ34a内でプラズマ放電を効率よく発生させるためには、結合度のレベルが低くなるように開口部32aの大きさ(幅)を調整することが好ましい。
以上の実施形態の説明では、燃料改質器16でアンモニアガスを水素ガスに改質する場合について説明した。ただし、本実施形態では、燃料改質器16で改質する燃料ガスとして他の種類のガスを用いることも可能である。例えば、燃料改質器16では、供給された炭化水素系燃料ガスを部分的に改質して水素ガスを生成することもできる。ここでの炭化水素系燃料としては、例えば、プロパン(C38)を用いることもできるし、メタン(CH4)を用いることもできるし、エタン(C26)を用いることもできるし、これらの複数を組み合わせて用いることもできる。その場合は、炭化水素系燃料を蓄える燃料タンク(燃料貯蔵装置)をアンモニアタンク12の代わりに設け、炭化水素系燃料を吸気管20内またはシリンダ11内へ噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)をアンモニアインジェクタ22の代わりに設ける。そして、その場合の動作については、以上の実施形態の説明において、「アンモニア」を「炭化水素系燃料」に置き換えたものを考えればよい。例えば、プロパンガスについては0.8MPa以上の圧力に加圧することで液化するため、ガスコンプレッサ74(あるいは圧力容器80)では、燃料改質器16から供給されたプロパンガスと水素ガス(及び窒素ガス)を0.8MPa以上の圧力に加圧することで、プロパンガスを液化して水素ガス(及び窒素ガス)から分離することが可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態に係るエンジンシステムの概略構成を示す図である。 燃料改質器16の概略構成を示す図である。 キャビティ34aの形状の一例を示す図である。 キャビティ34aの高さHを変化させた場合の共振モードを調べた結果を示す図である。 Sパラメータの周波数特性の一例を示す図である。 TM010モード及びTM011モードにおける電界分布の一例を示す図である。 電磁波放射器35及び放電用電極36をキャビティ34aの径方向における中央部へ突出させた場合の電界分布の一例を示す図である。 電磁波放射器35及び放電用電極36のキャビティ34a内への突出長さをそれぞれ変化させた場合における共振周波数の変化を調べた結果を示す図である。 電磁波放射器35及び放電用電極36のキャビティ34a内への突出長さをそれぞれ変化させた場合における結合度の変化を調べた結果を示す図である。 電磁波放射器35及び放電用電極36のキャビティ34a内への突出長さをそれぞれ変化させた場合における最大電界強度の変化を調べた結果を示す図である。 キャビティ34a内へのマイクロ波エネルギの供給量を変化させた場合におけるキャビティ34a内のガス組成の一例を示す図である。 アンモニアガスの分解率を変化させながら定容燃焼させた場合のガス圧力を調べた結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムの他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムの他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムの他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムの他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムの他の概略構成における動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムの他の概略構成における動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムの他の概略構成における動作を説明する図である。 燃料改質器16の他の概略構成を示す図である。 同軸系と導波管系における電界と磁界の配置を示す図である。 開口部32aの幅を変化させた場合における共振周波数の変化を調べた結果を示す図である。 開口部32aの幅を変化させた場合における結合度の変化を調べた結果を示す図である。
符号の説明
10 内燃機関、11 シリンダ、12 アンモニアタンク、14 減圧弁、16 燃料改質器、20 吸気管、21 排気管、22 アンモニアインジェクタ、28 マイクロ波制御器、31 電磁波発生電源、32 導波管、33 絶縁体、34 共振容器、34a キャビティ、35 電磁波放射器、36 放電用電極、37 同軸ケーブル、38 燃料ガス流入口、39 燃料ガス流出口、72,73 水素インジェクタ、73a 小キャビティ、73b 噴射孔、74 ガスコンプレッサ、76 アンモニア蓄圧器、78 ガス蓄圧器、80 圧力容器、81,82,83,84 遮断バルブ、85 バイパス管。

Claims (7)

  1. アンモニアを蓄えるアンモニア貯蔵装置と、
    アンモニア貯蔵装置からのアンモニアがガス状態で供給され、該供給されたアンモニアガスを部分的に改質して水素ガスを生成する改質器と、
    改質器からのアンモニアガス及び水素ガスが供給され、該供給されたアンモニアガス及び水素ガスを加圧してアンモニアガスを液化することで水素ガスから分離する分離器と、
    分離器で水素ガスから分離されたアンモニアを内燃機関の吸気管内またはシリンダ内へ噴射するアンモニア噴射装置と、
    分離器でアンモニアから分離された水素ガスを吸気管内またはシリンダ内へ噴射する水素噴射装置と、
    を備える、エンジンシステム。
  2. 請求項1に記載のエンジンシステムであって、
    アンモニア貯蔵装置は、アンモニアを液体の状態で蓄えるものであり、
    アンモニア貯蔵装置と改質器との間に、アンモニア貯蔵装置からのアンモニアを減圧することで気化する減圧装置が設けられており、
    分離器は、改質器からのアンモニアガス及び水素ガスが供給された圧力容器内にアンモニア貯蔵装置からのアンモニアを供給することで、圧力容器内のアンモニアガス及び水素ガスを加圧してアンモニアガスを液化する、エンジンシステム。
  3. 請求項1に記載のエンジンシステムであって、
    分離器は、改質器から供給されたアンモニアガス及び水素ガスを圧縮する圧縮機を含む、エンジンシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載のエンジンシステムであって、
    改質器は、
    アンモニア貯蔵装置からのアンモニアがガス状態で供給される容器であって、その内部で所定の周波数の電磁波が共振する共振容器と、
    共振容器内で共振する周波数の電磁波を発生させる電磁波発生源と、
    電磁波発生源で発生した電磁波を共振容器内へ伝搬させる電磁波伝搬手段と、
    共振容器内に配置された電極であって、該電極近傍にて共振容器内の電磁波の電界強度を局所的に高める放電用電極と、
    を備え、
    放電用電極近傍にて共振容器内の電磁波の電界強度を局所的に高めることで発生するプラズマ放電により共振容器内に供給されたアンモニアガスを部分的に改質して水素ガスを生成する、エンジンシステム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載のエンジンシステムであって、
    水素噴射装置は、分離器でアンモニアから分離された水素ガスをシリンダ内へ噴射する水素噴射弁を含み、
    水素噴射弁におけるシリンダ内に臨む先端部には、噴射した水素ガスが供給され、噴射孔を介してシリンダ内と連通するキャビティ部が設けられている、エンジンシステム。
  6. 炭化水素系燃料を蓄える燃料貯蔵装置と、
    燃料貯蔵装置からの炭化水素系燃料がガス状態で供給され、該供給された炭化水素系燃料ガスを部分的に改質して水素ガスを生成する改質器と、
    改質器からの炭化水素系燃料ガス及び水素ガスが供給され、該供給された炭化水素系燃料ガス及び水素ガスを加圧して炭化水素系燃料ガスを液化することで水素ガスから分離する分離器と、
    分離器で水素ガスから分離された炭化水素系燃料を内燃機関の吸気管内またはシリンダ内へ噴射する燃料噴射装置と、
    分離器で炭化水素系燃料から分離された水素ガスを吸気管内またはシリンダ内へ噴射する水素噴射装置と、
    を備える、エンジンシステム。
  7. 請求項6に記載のエンジンシステムであって、
    炭化水素系燃料は、プロパン、メタン、及びエタンのいずれか1つ以上を含む、エンジンシステム。
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