JP4853411B2 - バッテリ状態検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スタータ等の駆動源の始動時にバッテリの状態を検知するバッテリ状態検知装置に関するものである。
従来のバッテリ状態検知装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載のバッテリ状態検知装置は、電圧センサ及び電流センサを用いて、高率放電中のバッテリの端子電圧及び放電電流をサンプリングし、放電電流増加方向及び放電電流減少方向におけるI−Vの関係を示す放電電流増加時近似線及び放電電流減少時近似線をそれぞれ算出し、これらの近似線に基づいてピーク電流を取得するものである。
特開2006−162375号公報
バッテリの状態を精度良く検知するためには、大電流消費時の電圧降下特性を精度良く推定することが必要である。しかし、車載のバッテリ用の電流センサでは、コストや搭載スペース上の制約から測定レンジに制限がある。従って、上記従来技術においては、限られた電流範囲内において放電電流増加時近似線及び放電電流減少時近似線が算出されることになるため、大電流消費時の電圧降下特性を精度良く推定することが困難である。
本発明の目的は、電流センサの検出可能範囲が限られている場合に、駆動源の始動時におけるバッテリ状態の検知精度を向上させることができるバッテリ状態検知装置を提供することである。
本発明は、バッテリと接続された駆動源の始動時にバッテリの状態を検知するバッテリ状態検知装置であって、バッテリの電圧を検出する電圧センサと、バッテリを流れる駆動源の駆動電流を検出する電流センサと、電流センサにより駆動電流の立ち下がりが検出されたときに、駆動電流の立ち下がりに後続して立ち下がるような第1駆動電流推定値を求める第1電流推定手段と、電流センサにより駆動電流の立ち下がり後に駆動電流の立ち上がりが検出されたときに、駆動電流の立ち上がりに先行して立ち上がるような第2駆動電流推定値を求める第2電流推定手段と、電圧センサ及び電流センサの検出値と第1駆動電流推定値と第2駆動電流推定値とに基づいて、バッテリの電圧−電流回帰直線を求める回帰直線設定手段とを備えることを特徴とするものである。
例えばバッテリと接続されたスタータ等の駆動源を始動させると、バッテリの電圧及びバッテリを流れる駆動源の駆動電流としては、まず急激に立ち下がった後に立ち上がっていくという傾向を示すことが多い。このとき、駆動源の駆動電流は広い範囲で変動するため、電流センサの検出可能範囲を越えてしまう場合がある。この場合には、電流センサの検出可能範囲外では駆動源の駆動電流が測定不能となるため、バッテリの電圧−電流回帰直線に誤差が生じてしまう。
そこで本発明では、電流センサにより駆動電流の立ち下がりが検出されたときに、当該駆動電流の立ち下がりに後続して立ち下がるような第1駆動電流推定値を求め、その後で電流センサにより駆動電流の立ち上がりが検出されたときに、当該駆動電流の立ち上がりに先行して立ち上がるような第2駆動電流推定値を求める。つまり、実際の駆動源の駆動電流が電流センサの検出可能範囲を越えたときには、その電流センサの検出可能範囲外における駆動電流が第1駆動電流推定値及び第2駆動電流推定値として推定されることとなる。そして、これらの推定値を考慮してバッテリの電圧−電流回帰直線を求めるため、当該電圧−電流回帰直線に生じる誤差が低減されるようになる。これにより、電流センサの検出可能範囲が限られている場合でも、駆動源の始動時におけるバッテリの状態を精度良く検知することができる。
好ましくは、第1電流推定手段は、駆動電流の立ち下がり領域における電圧センサ及び電流センサの検出値に基づいて、バッテリの電圧と駆動電流との関係を表す2次近似式を求め、2次近似式から第1駆動電流推定値を求め、第2電流推定手段は、駆動電流の立ち上がり領域における電圧センサ及び電流センサの検出値に基づいて、バッテリの電圧と駆動電流との関係を表す1次近似式を求め、1次近似式から第2駆動電流推定値を求める。
駆動源の始動直後には、バッテリの放電によって生成される硫酸鉛の結晶が極板表面に多量に析出すると共に、電解液の硫酸が消費されることにより、放電に寄与する容量が低下する。このため、バッテリの電圧−駆動電流特性としては、2次曲線を描くようになる。これにより、バッテリの電圧と駆動電流との関係を表す2次近似式を用いることで、電流センサにより検出された駆動電流の立ち下がりに後続して立ち下がるような第1駆動電流推定値を確実に求めることができる。一方、その後のバッテリの電圧−駆動電流特性としては、単純な1次式として表されるようになる。これにより、バッテリの電圧と駆動電流との関係を表す1次近似式を用いることで、電流センサにより検出された駆動電流の立ち上がりに先行して立ち上がるような第2駆動電流推定値を確実に求めることができる。
また、好ましくは、バッテリの電圧加速度が所定値以上であるかどうかを検出する電圧加速度検出手段を更に備え、第1電流推定手段は、電圧加速度検出手段によりバッテリの電圧加速度が所定値以上であることが検出された場合に、第1駆動電流推定値を求め、第2電流推定手段は、電圧加速度検出手段によりバッテリの電圧加速度が所定値以上でないことが検出された場合に、第2駆動電流推定値を求める。
バッテリの電圧加速度が高くなるほど、バッテリの電圧が急激に変動し、これに伴ってバッテリを流れる駆動源の駆動電流が急激に変動するようになる。従って、バッテリの電圧加速度が所定値以上であるかどうかを検出することにより、駆動電流の立ち下がり及び立ち上がりを容易に且つ確実に判断することができる。
本発明によれば、電流センサの検出可能範囲が限られている場合に、駆動源の始動時におけるバッテリ状態の検知精度を向上させることができる。これにより、例えば大電流負荷作動時やエコラン再始動時に有効活用することが可能となる。
以下、本発明に係わるバッテリ状態検知装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるバッテリ状態検知装置の一実施形態を搭載した車両の要部を示す概略構成図である。同図において、本実施形態のバッテリ状態検知装置1は、バッテリ(ここでは鉛蓄電池)2の放電状態を検知する装置である。バッテリ2は、スタータスイッチ3により駆動されるスタータ4と接続されている。スタータ4のスタータモータが回転駆動されると、クランクシャフト(図示せず)が回転し、エンジン(図示せず)が始動する。
バッテリ状態検知装置1は、バッテリ2に直列接続され、バッテリ2を流れるスタータ4の駆動電流(スタータ電流)を検出する電流センサ5と、バッテリ2に並列接続され、バッテリ2の端子電圧(バッテリ電圧)を検出する電圧センサ6と、ECU(Electronic Control Unit)7と、モニタ8とを備えている。
ECU7は、電流センサ5及び電圧センサ6の出力値(検出値)とスタータスイッチ3の出力信号(スタータ信号)とを入力し、所定の処理を行い、バッテリ電圧とバッテリ2の放電電流(バッテリ電流)との関係を表すバッテリV−I回帰直線特性を求め、これをモニタ8に表示させる。
スタータスイッチ3をオンにすると、スタータ4が駆動され、バッテリ2が放電される。このとき、バッテリ電圧Vbは、例えば図2に示すように、約14Vから短時間で10Vまで一旦下がり、その後10Vから僅かなハンチングを繰り返しながら徐々に上昇していき、約12V程度で安定するようになる。このような挙動をもったバッテリ電圧Vbは、電圧センサ6により測定される。
一方、バッテリ2を流れるスタータ電流Isは、例えば図2に示すように、約0Aから短時間で−1500Aまで一旦下がり(破線参照)、その後−1500Aからハンチングを繰り返しながら徐々に上昇していく。しかし、電流センサ5では、コストや搭載スペース上の制約から測定レンジ(測定可能範囲)が限られており、−XA以下の電流値が測定不能となっている。このため、実際には−XA以下よりも低いスタータ電流Isの測定値は、全て−XAとなる(実線参照)。
ECU7では、スタータ電流Isの範囲が電流センサ5の測定レンジを越えるときには、その測定レンジを越える範囲においてスタータ電流Isの推定を行う。このようなECU7が実行する処理手順の詳細を図3に示す。
同図において、まずスタータスイッチ3のスタータ信号ST(図2参照)がオンになったかどうかを判断する(手順S101)。スタータ信号STがオンになったときは、電圧センサ6の検出値に基づいてバッテリ2の電圧加速度αvb(図2参照)を求め、この電圧加速度αvbが所定値以上であるかどうかを判断する(手順S102)。
バッテリ2の電圧加速度αvbが所定値以上であるときは、電流センサ5により最初のスタータ電流Isの立ち下がり状態が検出されたかどうかを判断する(手順S103)。具体的には、図2に示すように、スタータ電流Isがほぼ0Aから電流センサ5の測定限界値(−XA)まで下降した立ち下がり領域(図2のB領域)であるかどうかを判断する。
電流センサ5により最初のスタータ電流Isの立ち下がり状態が検出されたときは、電流センサ5の測定可能範囲外の領域(図2のA領域)において当該スタータ電流Isの立ち下がりに後続して立ち下がるようなスタータ電流推定値を求める(手順S104)。
具体的には、図4に示すように、スタータ電流Isの立ち下がり領域(B領域)における電圧センサ6及び電流センサ5の検出値に基づいて、バッテリ電圧Vbとスタータ電流Isとの関係を表す推定式を求める。この推定式は、例えばバッテリ電圧Vbをx、スタータ電流Isをyとする下記の2次近似式で表される。なお、その理由については後で詳述する。
y=(−ax+bx−c)/2 …(A)
そして、スタータ電流Isが電流センサ5の測定限界値(−XA)に達した時点からバッテリ電圧Vbが最低値10Vに達した時点までの領域(A1領域)におけるバッテリ電圧Vbとスタータ電流Isとの関係を、上記(A)式から推定する(図4中の破線参照)。これにより、電流センサ5の測定レンジを越える立ち下がり側のスタータ電流推定値が算出されることとなる。
一方、手順S102でバッテリ2の電圧加速度αvbが所定値以上でないと判断されたときは、電流センサ5により上記のスタータ電流Isの立ち下がり後に最初のスタータ電流Isの立ち上がり状態が検出されたかどうかを判断する(手順S105)。具体的には、図2に示すように、スタータ電流Isが電流センサ5の測定限界値(−XA)から上昇した立ち上がり領域(図2のC領域)であるかどうかを判断する。
電流センサ5により最初のスタータ電流Isの立ち上がり状態が検出されたときは、電流センサ5の測定可能範囲外の領域(図2のA領域)において当該スタータ電流Isの立ち上がりに先行して立ち上がるようなスタータ電流推定値を求める(手順S106)。
具体的には、図5に示すように、スタータ電流Isの立ち上がり領域(C領域)における電圧センサ6及び電流センサ5の検出値に基づいて、バッテリ電圧Vbとスタータ電流Isとの関係を表す推定式を求める。この推定式は、例えばバッテリ電圧Vbをx、スタータ電流Isをyとする下記の1次近似式で表される。なお、その理由については後で詳述する。
y=ax−c …(B)
そして、バッテリ電圧Vbが最低値10Vより高くなり始める時点からスタータ電流Isが電流センサ5の測定限界値(−XA)より高くなり始める時点までの領域(A2領域)におけるバッテリ電圧Vbとスタータ電流Isとの関係を、上記(B)式から推定する(図5中の破線参照)。これにより、電流センサ5の測定レンジを越える立ち上がり側のスタータ電流推定値が算出されることとなる。
その後、電流センサ5及び電圧センサ6の検出値と、手順S104で得られた立ち下がり側のスタータ電流推定値と、手順S106で得られた立ち上がり側のスタータ電流推定値とに基づいて、上述したバッテリV−I回帰直線を求め、このバッテリV−I回帰直線をモニタ8に画面表示させる(手順S107)。
バッテリV−I回帰直線特性は、図6に示すように、バッテリ電流Iを横軸、バッテリ電圧Vを縦軸としたものであり、電圧センサ6及び電流センサ5の複数の検出点をプロットし、更に立ち下がり側のスタータ電流推定値及び立ち上がり側のスタータ電流推定値と結ぶことにより求められる。なお、図6において、バッテリV−I回帰直線Pが本実施形態の処理によって得られたものであり、バッテリV−I回帰直線Qは比較例(後述)として示したものである。
次に、手順S104,S106においてバッテリ電圧Vbとスタータ電流Isとの関係を表す推定式を導く方法について説明する。車両用バッテリ(鉛バッテリ)の化学反応式は、一般に次式で表される。
Figure 0004853411
ところで、図4は、スタータ4の駆動初期におけるバッテリ2の急激な放電状態を示したものである。このようなバッテリ2の放電に伴い、バッテリ2の電解液(希硫酸)が消費され、希硫酸の比重が低下するようになる。この時の放電容量に着目すると、放電電流、温度、低下した比重によって放電容量が変化することが下記のPeukertの式で示される。なお、Iは放電電流、tは放電時間、Cは容量、nは定数である。
・t=C …(1)
logt=−nlogI+C’(C’=logC) …(2)
(2)式と図4に示すスタータ電流特性とを比較すると、図4に示すB領域(前述の立ち下がり領域)におけるB1〜B0及びB0〜B2の2つの範囲の放電電流値とそれぞれの容量との間には直線関係が得られ、その勾配がnに相当することが(2)式から分かる。なお、B1は、スタータスイッチ4のスタータ信号STがオンになったポイントである(図2参照)。B2は、電流センサ5の計測値が電流センサ5の検出範囲限界値(−XA)となったポイントである(図2参照)。例えばB1〜B0の範囲においてn≒1.0の場合には、B0〜B2の範囲においてn≒1.4以上という傾向となり、放電電流が大きくなるに従って容量低下が指数関数的に大きくなる。
この傾向は、以下の理由によって生じる。即ち、放電によって生成される硫酸鉛の結晶が極板表面に多量に析出する。そして、硫酸鉛の結晶の析出量が急激に増加するため、活物質表面が硫酸鉛で被膜され、更に電解液の硫酸が消費されることにより、放電に寄与する容量が低下する。その結果、図4に示すB領域においてB1とB2との間のB0を境に放電電流が2次曲線を描くようになる。
図4に示すスタータ4の駆動初期におけるバッテリ2の内部状態を等価回路で表現したものを図7に示す。図7において、電池Eには、電極導体抵抗Rcond、溶液抵抗Rsoln、電荷移動抵抗r及びワールブルグインピーダンス(電荷拡散抵抗)Zwが直列に接続されている。電荷移動抵抗r及びワールブルグインピーダンスZwは、一括してファラデーインピーダンスZfと称される。このファラデーインピーダンスZfには、電気二重層容量Cdlが並列に接続されている。
ここで、図4に示すスタータ電流特性において、放電電流が2次曲線を描くのは、以下の分極η(=活性化分極η1+抵抗分極η2+濃度分極η3)の影響によるものと考えられる。
(1)活性化分極η1
活物質の表面積が硫酸鉛の急激な結晶析出により小さくなり、活物質と集電体中の電子伝導(イオン伝導)が起こりにくくなることで、放電反応抵抗となる。活性化分極η1は、主として図7に示すファラデーインピーダンスZf及び電気二重層容量Cdlによるものである。
(2)抵抗分極η2
主に極板や端子、セパレータ部分のイオン電導体の抵抗和であり、バッテリの劣化状態により放電電流の低下に影響を及ぼす。抵抗分極η2は、主として図7に示す電極導体抵抗Rcondによるものである。
(3)濃度分極η3
電解液の硫酸が消費され、電解液濃度が極板付近で濃度差となり、放電反応に寄与できる物質量が制限される。濃度分極η3は、主として図7に示す溶液抵抗Rsoln及び電気二重層容量Cdlによるものである。
スタータ4の始動直後の高率放電では、上記の活性化分極η1及び濃度分極η3の影響が大きく、それらを総括した挙動が放電電流の2次曲線に現れている。また、図7に示す等価回路では、電気二重層容量Cdl(C成分)や電荷移動抵抗rの寄与度が大きく、これにより放電電流の非線形特性が現れるようになる。
一方、図5は、スタータ4により回転されるクランクシャフト(図示せず)が静止摩擦から動摩擦へ移行した場合のバッテリ2の放電状態を示したものである。これは駆動トルクが抜けていく状態であり、この時のバッテリ2の内部状態を等価回路で表現すると、図8に示すように、電池Eに電極導体抵抗RcondとファラデーインピーダンスZfとが直列に接続されたものとなる。
このような状態では、上記(2)のハード的な抵抗が支配的となるため、図5に示すC領域(前述の立ち上がり領域)における放電電流としては単純な1次式で表される。なお、C2は、電流センサ5の計測値が検出範囲限界値(−XA)から立ち上がるポイントである(図2参照)。C1は、バッテリ2の電圧加速度αvbが2回目に0Gから立ち上がるポイントである(図2参照)。
手順S104において推定式を求める際には、図4に示すB領域(立ち下がり領域)におけるバッテリ電圧Vb及びスタータ電流Isの計測値から、上記(A)式の分子の二次多項式近似を行う。上記(A)式において、例えばa=-84.037、b=2271.9、c=-15392である。なお、二次多項式近似は、チェビシェフ多項式による近似手法を用いて行うこともできる。
上記(A)式の分子の値Nは、電流センサ5の検出可能範囲により決定される定数である。分子の値Nは、例えば以下の関係式から算出される。
−XA×N=MIN電流(P1)
N=|P1/XA|
ここで、P1は、バッテリ2の電圧加速度αvb=0とバッテリ電圧Vb=MINの成立時に、上記二次多項式にVb=MINを代入することで求めることができる。
このように求めた二次多項式に対し、図4に示すA1領域(推定領域)におけるバッテリ電圧Vbを代入することで、A1領域における立ち下がり側のスタータ電流推定値を求める(図4中の破線参照)。
手順S106において推定式を求める際には、図5に示すC領域(立ち上がり領域)におけるバッテリ電圧Vb及びスタータ電流Isの計測値から、上記(B)式の一次近似を行う。上記(B)式において、例えばa=206.86、c=-2674である。
このように求めた一次式に対し、図5に示すA2領域(推定領域)におけるバッテリ電圧Vbを代入することで、A2領域における立ち上がり側のスタータ電流推定値を求める(図5中の破線参照)。
以上において、図3に示す手順S103,S104は、電流センサ5により駆動電流の立ち下がりが検出されたときに、駆動電流の立ち下がりに後続して立ち下がるような第1駆動電流推定値を求める第1電流推定手段を構成する。同手順S105,S106は、電流センサ5により駆動電流の立ち下がり後に駆動電流の立ち上がりが検出されたときに、駆動電流の立ち上がりに先行して立ち上がるような第2駆動電流推定値を求める第2電流推定手段を構成する。同手順S107は、電圧センサ6及び電流センサ5の検出値と第1駆動電流推定値と第2駆動電流推定値とに基づいて、バッテリ2の電圧−電流回帰直線を求める回帰直線設定手段を構成する。また、同手順S102は、バッテリ2の電圧加速度が所定値以上であるかどうかを検出する電圧加速度検出手段を構成する。
ところで、電流センサ5の測定レンジ外に相当する−XA〜−1500Aの範囲(A領域)におけるスタータ電流Isを推定せずに、バッテリV−I回帰直線特性を求めると、図6に示すようなV−I回帰直線Qが得られることとなる。この場合には、0Aから−XAまでのスタータ電流Isの測定値のみをプロットしてV−I回帰直線を求めることとなるため、正確なV−I回帰直線を得ることが困難になる。このため、例えば100A以上の大電流を消費するような負荷をかけた時の作動電圧の推定精度が低下してしまう。
これに対し本実施形態では、電流センサ5及び電圧センサ6の計測値に基づいて、電流センサ5の測定レンジ外に相当するA領域におけるスタータ電流を推定し、これらの推定値と電流センサ5及び電圧センサの計測値とに基づいて、バッテリV−I回帰直線を求める。つまり、0Aから−XAまでのスタータ電流の測定値と−XAから−1500Aまでのスタータ電流の推定値とを用いて、バッテリV−I回帰直線を求めるようにしたので、図6に示すように誤差の少ないV−I回帰直線Pを得ることができる。
このため、例えば100A以上の大電流を消費するような負荷をかけた時の作動電圧の推定精度が向上するようになる。これにより、電流センサ5の測定レンジに制限があっても、スタータ4の駆動始動時におけるバッテリ2の放電状態を高精度に検知することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態は、スタータ4の駆動初期時におけるバッテリ2の放電状態を検知するものであるが、本発明のバッテリ状態検知装置は、特にスタータが搭載された車両には限られず、例えばモータジェネレータ等の駆動初期時におけるバッテリ2の放電状態を検知するものにも適用可能である。
本発明に係わるバッテリ状態検知装置の一実施形態を搭載した車両の要部を示す概略構成図である。 スタータの始動時におけるバッテリ電圧及びスタータ電流の挙動の一例を示す図である。 図1に示したECUが実行する処理手順の詳細を示すフローチャートである。 図3に示した手順S104で求められたスタータ電流推定値の一例を示す図である。 図3に示した手順S106で求められたスタータ電流推定値の一例を示す図である。 図3に示した手順S107で求められたバッテリV−I回帰直線の一例を比較例と共に示す図である。 スタータの始動時におけるバッテリの内部状態を表す等価回路である。 スタータの始動から所定時間経過した時におけるバッテリの内部状態を表す等価回路である。
符号の説明
1…バッテリ状態検知装置、2…バッテリ、4…スタータ(駆動源)、5…電流センサ、6…電圧センサ、7…ECU(第1電流推定手段、第2電流推定手段、回帰直線設定手段、電圧加速度検出手段)。


Claims (3)

  1. バッテリと接続された駆動源の始動時に前記バッテリの状態を検知するバッテリ状態検知装置であって、
    前記バッテリの電圧を検出する電圧センサと、
    前記バッテリを流れる前記駆動源の駆動電流を検出する電流センサと、
    前記電流センサにより前記駆動電流の立ち下がりが検出されたときに、前記駆動電流の立ち下がりに後続して立ち下がるような第1駆動電流推定値を求める第1電流推定手段と、
    前記電流センサにより前記駆動電流の立ち下がり後に前記駆動電流の立ち上がりが検出されたときに、前記駆動電流の立ち上がりに先行して立ち上がるような第2駆動電流推定値を求める第2電流推定手段と、
    前記電圧センサ及び前記電流センサの検出値と前記第1駆動電流推定値と前記第2駆動電流推定値とに基づいて、前記バッテリの電圧−電流回帰直線を求める回帰直線設定手段とを備えることを特徴とするバッテリ状態検知装置。
  2. 前記第1電流推定手段は、前記駆動電流の立ち下がり領域における前記電圧センサ及び前記電流センサの検出値に基づいて、前記バッテリの電圧と前記駆動電流との関係を表す2次近似式を求め、前記2次近似式から前記第1駆動電流推定値を求め、
    前記第2電流推定手段は、前記駆動電流の立ち上がり領域における前記電圧センサ及び前記電流センサの検出値に基づいて、前記バッテリの電圧と前記駆動電流との関係を表す1次近似式を求め、前記1次近似式から前記第2駆動電流推定値を求めることを特徴とする請求項1記載のバッテリ状態検知装置。
  3. 前記バッテリの電圧加速度が所定値以上であるかどうかを検出する電圧加速度検出手段を更に備え、
    前記第1電流推定手段は、前記電圧加速度検出手段により前記バッテリの電圧加速度が所定値以上であることが検出された場合に、前記第1駆動電流推定値を求め、
    前記第2電流推定手段は、前記電圧加速度検出手段により前記バッテリの電圧加速度が所定値以上でないことが検出された場合に、前記第2駆動電流推定値を求めることを特徴とする請求項1または2記載のバッテリ状態検知装置。



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