JP2007269051A - バッテリ状態管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン再始動時にバッテリの充電残量を正確に求めることが可能なバッテリ状態管理装置を得る。
【解決手段】処理部15は、測定点P12と基準放電特性G1とに基づいて、再始動用の新たな基準放電特性G1’を作成する。次に、処理部15は、再始動時点t0(2)に電圧センサ13によって測定されたバッテリ1の下限電圧値VLR’と、基準放電特性G1’とに基づいて、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。具体的には、基準放電特性G1’に基づいて、測定された下限電圧値VLR’に対応する開放電圧値VOR’を割り出す。そして、開放電圧値VOIFと開放電圧値VOREとの差である差分値D21に対する、開放電圧値VOR’と開放電圧値VOREとの差である差分値D32の比として、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。
【選択図】図6
【解決手段】処理部15は、測定点P12と基準放電特性G1とに基づいて、再始動用の新たな基準放電特性G1’を作成する。次に、処理部15は、再始動時点t0(2)に電圧センサ13によって測定されたバッテリ1の下限電圧値VLR’と、基準放電特性G1’とに基づいて、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。具体的には、基準放電特性G1’に基づいて、測定された下限電圧値VLR’に対応する開放電圧値VOR’を割り出す。そして、開放電圧値VOIFと開放電圧値VOREとの差である差分値D21に対する、開放電圧値VOR’と開放電圧値VOREとの差である差分値D32の比として、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。
【選択図】図6
Description
本発明は、車両に搭載されるバッテリ(本明細書では、鉛バッテリのことを指す)の状態を管理するバッテリ状態管理装置に関する。
エンジン始動時点におけるバッテリの充電残量を求める手法として、例えば下記特許文献1には、エンジン始動時にバッテリの開放電圧値及び内部抵抗値を測定し、その測定結果に基づいてバッテリの充電残量を推定する技術が開示されている。
バッテリを充放電すると、電極表面でバッテリ液である希硫酸の濃度勾配(濃度分極)が生じ、バッテリの端子電圧が時間の経過に伴って増減する。具体的に、バッテリを放電した場合には、硫酸鉛の析出に起因して電極表面で硫酸濃度が低下し、端子電圧が一時的に低下する。一方、バッテリを充電した場合には、硫酸鉛の溶解に起因して電極表面で硫酸濃度が上昇し、端子電圧が一時的に上昇する。従って、エンジンが一旦停止された後、濃度分極による影響が完全に解消される前にエンジンが再始動された場合に、バッテリの開放電圧値を測定すると、その開放電圧値は実際の値よりも見かけ上増減している。その結果、見かけ上増減している開放電圧値を用いてバッテリの充電残量が推定されることとなり、正確な充電残量を求めることができない。特に、自動アイドリングストップ機能を有する車両においては、エンジンの停止及び再始動が、数秒から数分程度の短い時間間隔で行われるため、このような事態が頻発することが予想される。
本発明はかかる問題を解決するために成されたものであり、エンジン再始動時にバッテリの充電残量を正確に求めることが可能なバッテリ状態管理装置を得ることを目的とする。
第1の発明に係るバッテリ状態管理装置は、車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、前記バッテリの出力電圧を測定する電圧センサと、新品かつ満充電状態の前記バッテリに関して予め定められた開放電圧値と放電時電圧値との関係を示す第1の基準特性と、エンジンの初期始動時に前記電圧センサによって測定された開放電圧値及び放電時電圧値と、前記エンジンの再始動時に前記電圧センサによって測定された放電時電圧値とに基づいて、前記再始動時における前記バッテリの充電残度の導出を実行する処理手段とを備えることを特徴とする。
第2の発明に係るバッテリ状態管理装置は、第1の発明に係るバッテリ状態管理装置において特に、前記処理手段は、前記第1の基準特性と、前記初期始動時に測定された前記開放電圧値及び前記放電時電圧値とに基づいて、第2の基準特性を作成し、前記第2の基準特性に基づいて、前記再始動時に測定された前記放電時電圧値に対応する開放電圧値を推定し、推定された前記開放電圧値に基づいて、前記充電残度の導出を実行することを特徴とする。
第3の発明に係るバッテリ状態管理装置は、第1又は第2の発明に係るバッテリ状態管理装置において特に、前記車両は自動アイドリングストップ機能を備えており、前記処理手段は、アイドリングストップ後に前記エンジンが再始動される毎に、前記充電残度の導出を実行することを特徴とする。
第1の発明に係るバッテリ状態管理装置によれば、処理手段は、新品かつ満充電状態のバッテリに関して求めた開放電圧値と放電時電圧値との関係を示す第1の基準特性と、エンジンの初期始動時に電圧センサによって測定された開放電圧値及び放電時電圧値と、エンジンの再始動時に電圧センサによって測定された放電時電圧値とに基づいて、再始動時におけるバッテリの充電残度の導出を実行する。つまり、処理手段は、再始動時におけるバッテリの充電残度を導出するにあたり、バッテリの開放電圧値を用いない。従って、バッテリ液の濃度分極の影響に起因して再始動時の開放電圧値が実際の値よりも見かけ上増減している場合であっても、その増減の影響を受けることなく、再始動時点での充電残度を正確に導出することができる。その結果、再始動時点でのバッテリの充電残量を正確に求めることが可能となる。
第2の発明に係るバッテリ状態管理装置によれば、処理手段は、第1の基準特性と、初期始動時に測定された開放電圧値及び放電時電圧値とに基づいて、第2の基準特性を作成し、第2の基準特性に基づいて、再始動時に測定された放電時電圧値に対応する開放電圧値を推定する。従って、バッテリ液の濃度分極の影響に起因して再始動時の開放電圧値が実際の値よりも見かけ上増減している場合であっても、その増減の影響を受けていない開放電圧値を推定することができる。
第3の発明に係るバッテリ状態管理装置によれば、処理手段は、アイドリングストップ後にエンジンが再始動される毎に、第1の発明による充電残度の導出を実行する。従って、バッテリの正確な充電残量を、エンジンが再始動される毎に求めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
本明細書において、「新品」には、完全に新品のほか、ほぼ新品も含むものとする。「満充電状態」には、完全に満充電状態のほか、ほぼ満充電状態も含むものとする。エンジンの「初期始動」とは、バッテリ液の濃度分極による影響が完全に解消された後のエンジンの始動を意味するものとする。エンジンの「再始動」とは、自動アイドリングストップ機能によってエンジンが一旦停止された後の再始動を意味するものとする。つまり、本実施の形態に係る車両は、自動アイドリングストップ機能を有しており、車両が停車するごとにエンジン停止の可否判定が実行される。そして、可否判定に合格してエンジンが一旦停止されると、次に車両が発進する際にエンジンが再始動される。エンジンの「始動」には、初期始動及び再始動の双方が含まれるものとする。
図1は、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置は、車両に搭載されたバッテリ1に接続された電流センサ11及び電圧センサ13と、電流センサ11及び電圧センサ13に接続された処理部15(処理手段)と、処理部15に接続された報知部9及び記憶部17とを備えている。処理部15は、電流センサ11によって逐次検出される電流を積算する電流積算部51と、電流積算部51によって積算された電流をリセットするリセット処理部52とを有している。処理部15の動作については後に詳述する。
電流センサ11は、バッテリ1の充放電電流を検出する。電圧センサ13は、バッテリ1の出力電圧(例えば端子電圧)を検出する。処理部15は、エンジンの初期始動時に、電圧センサ13によって検出された開放電圧値(放電開始前の開放電圧値)VO及び下限電圧値(放電開始後の下限電圧値)VLに基づいて、バッテリ1のバッテリ残容量(充電残量)を求める。但し、下限電圧に限らず、放電開始後の出力電圧(放電時電圧)を電圧センサ13によって検出すればよい(以降も同様である)。また、処理部15は、車両の走行中及び停車中は、電流積算部51によって求められた電流積算量を、直近に求めた充電残量に加算することにより、現時点での充電残量を定期的に求める。さらに、処理部15は、車両が停車するごとに、現時点での充電残量に基づいて、エンジン停止の可否判定を行う。また、処理部15は、エンジンが再始動されるごとに、電圧センサ13によって検出された下限電圧値VLに基づいて、充電残量を求める。
報知部9は、処理部15によるエンジン停止の可否判定の結果を、車両の運転者に対して報知する。但し、この処理は必須のものではない。記憶部17は、処理部15の処理に必要なデータ等を記憶する。
バッテリ1は、その負極が接地され、その正極がイグニションスイッチ21を介してスタータ23及び車載機器24に接続されている。これにより、イグニションスイッチ21がオンされると、バッテリ1からの電力がイグニションスイッチ21を介して車載機器24及びスタータ23に給電され、スタータ23によってエンジンの始動動作が開始される。
処理部15は、イグニションスイッチ21のオン/オフに基づいて、車両のエンジン始動を検知する。また、処理部15は、車両の車速センサ(図示しない)から入力される車速信号に基づいて、車両が停車したか否かを検知する。
エンジンの初期始動時の動作として、処理部15は、電圧センサ13によって検出された開放電圧値VO及び下限電圧値VLに基づいて、エンジンの初期始動時点t0(n)(t0は、初期始動及び再始動を含むエンジン始動時点であることを示す。nはn回目のエンジン始動であることを示し、初期始動の場合はn=1とする。以下同様。)におけるバッテリ1の劣化度SOH及び充電残度SOCを求める。そして、処理部15は、求めた劣化度SOH及び充電残度SOCを、バッテリ1の既知の定格容量に乗算することにより、初期始動時点t0(1)における充電残量Q0(1)を、Q0(1)=バッテリ定格容量×SOH×SOCとして求める。
車両の走行中及び停車中の動作として、処理部15は、直近に求めたバッテリ1の充電残量Qk-1(n)を基準として、現時点tk(n)における充電残量Qk(n)を、下記の式(1)に従って求める。
Qk(n)=Qk-1(n)+η×Ik(n)×Δt ・・・(1)
式(1)において、ηは、バッテリ1の充電効率を表す係数(以下「充電効率係数」と称す)であり、詳細は後述する。Ik(n)は、電流センサ11によって検出された時点tk(n)での電流値であり、バッテリ1への充電電流の符号を正とし、バッテリ1からの放電電流の符号を負として算出される。Δtは、サンプリング間隔であり、tk(n)−tk-1(n)によって定義される時間間隔に相当する。
式(1)において、ηは、バッテリ1の充電効率を表す係数(以下「充電効率係数」と称す)であり、詳細は後述する。Ik(n)は、電流センサ11によって検出された時点tk(n)での電流値であり、バッテリ1への充電電流の符号を正とし、バッテリ1からの放電電流の符号を負として算出される。Δtは、サンプリング間隔であり、tk(n)−tk-1(n)によって定義される時間間隔に相当する。
エンジンの再始動時の動作として、処理部15は、電圧センサ13によって検出された下限電圧値VLに基づいて、エンジンの再始動時点t0(n)(再始動の場合はn≧2であり、本明細書では代表的にn=2とする。以下同様)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。そして、処理部15は、再始動時に求めた充電残度SOCと、初期始動時に求めた劣化度SOHとを、バッテリ1の既知の定格容量に乗算することにより、再始動時点t0(2)における充電残量Q0(2)を、Q0(2)=バッテリ定格容量×SOH×SOCとして求める。ここで、初期始動時に求めた劣化度SOHを用いている理由は、バッテリ1の劣化度SOHは急激に変化するものではなく、初期始動時と再始動時とで劣化度SOHの差は少ないと考えられるためである。
また、再始動時の動作として、処理部15は、電流積算部51によって積算された電流を、リセット処理部52によってリセットする。これにより、再始動後に改めて電流積算部51による電流積算が開始される。
初期始動時及び再始動時の動作において、処理部15は、エンジンの始動ごとに、直近のエンジン停止時点からそのエンジン始動時点t0(n)までのエンジン停止期間Tが、予め定められた所定期間Tc(バッテリ1の開放電圧VOが安定するのに必要な期間。つまり、バッテリ液の濃度分極による影響が完全に解消されるのに必要な期間)を越えているか否かの判定(エンジン停止期間判定)を行う。
その判定の結果、処理部15は、エンジン停止期間Tが所定期間Tcを越えている場合には、開放電圧値VO及び下限電圧値VLを用いて充電残度SOCを求め、一方、エンジン停止期間Tが所定期間Tc以下である場合には、下限電圧値VLを用いて充電残度SOCを求める。冒頭で定義した通り、初期始動の場合にはT>Tcである。また、再始動の場合には、エンジンの停止から再始動までの時間間隔が数秒から数分程度の短い間隔であるため、通常はT≦Tcとなる。
以下、図2に示したタイミングチャートを参照して、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置の動作について具体的に説明する。図2には、エンジンの初期始動、車両の走行、車両の停止、アイドリングストップ機能によるエンジンの停止、及びエンジンの再始動が、この順に行われた状況が例示されている。
<エンジン初期始動時における充電残量の導出処理>
図3は、初期始動時におけるバッテリ1の劣化度SOH及び充電残度SOCの導出手法を説明するためのグラフである。図1,3を参照して、新品のバッテリ1に関する基準放電特性G1が予め定められて、記憶部17に記憶されている。
図3は、初期始動時におけるバッテリ1の劣化度SOH及び充電残度SOCの導出手法を説明するためのグラフである。図1,3を参照して、新品のバッテリ1に関する基準放電特性G1が予め定められて、記憶部17に記憶されている。
基準放電特性G1は、以下のようにして求めることができる。まず、図4を参照して、新品のバッテリ1を対象として例えばJIS規格の容量試験を行い、その試験結果に基づいて、開放電圧値VOの減少(つまり充電残量の減少)に伴うバッテリ1の内部抵抗値変化率(RB/RBF)の増加の割合に関する特性G9を求める。図4において、電圧値VAFは、満充電状態のバッテリ1の開放電圧値であり、電圧値VAEは、充電残量がゼロの状態のバッテリ1の開放電圧値である。また、内部抵抗値RBFは、満充電状態のバッテリ1の内部抵抗値であり、内部抵抗値RBは、使用後のバッテリ1(つまり、満充電状態でないバッテリ1)の内部抵抗値である。
また、図5を参照して、バッテリ1が新品かつ満充電の状態にあるときに、エンジン初期始動時のバッテリ1の開放電圧値VOIF及び下限電圧値VLIFを計測することにより、その車両に固有の測定点PFを求める。図5において、電圧値VOIE及び電圧値VLIEは、新品かつ充電残量ゼロの状態のバッテリ1の開放電圧値及び下限電圧値にそれぞれ対応している。そして、測定点PFと座標の原点(図5には現れない)とを通る直線G5を基準として、直線G5上の各点を、図4の特性G9で与えられる内部抵抗変化率に応じたシフト量で縦軸マイナス方向にシフトさせることにより、基準放電特性G1が得られる。つまり、図5でハッチングを付した領域は、開放電圧値VOの減少に伴うバッテリ1の内部抵抗値RBの増加の影響を反映している部分であり、図4のハッチングを付した領域に対応している。作成された基準放電特性G1は、関数又はデータテーブルとして、記憶部17に記憶される。
再び図1,3を参照して、処理部15は、初期始動時点t0(1)に電圧センサ13によって検出されたバッテリ1の開放電圧値VOR及び下限電圧値VLRと、記憶部17に記憶されている基準放電特性G1とに基づいて、初期始動時点t0(1)におけるバッテリ1の劣化度SOH及び充電残度SOCを求める。なお、エンジンの初期始動は、例えばその日最初のエンジン始動であり、通常は、直近のエンジン停止時点からその初期始動時点t0(1)までのエンジン停止期間Tは、所定期間Tcを越えている。従って、T>Tcとなるため、上記の通り処理部15は、開放電圧値VO及び下限電圧値VLの双方を用いて充電残度SOC(及び劣化度SOH)を求める。
まず、充電残度SOCの導出手法について具体的に説明する。バッテリ1の初期始動時点t0(1)において、電圧センサ13によってバッテリ1の開放電圧値VOR及び下限電圧値VLRを測定し、処理部15は、その開放電圧値VOR及び下限電圧値VLRを図3のグラフ上に測定点P12としてプロットする。
次に、処理部15は、基準放電特性G1上における、下限電圧値VLが下限電圧値VLRと等しい値であるときの開放電圧値(つまり点P12の開放電圧値)VOSを求める。そして、使用が開始されているその時点t0(1)におけるバッテリ1の充電残量をゼロと想定したときの開放電圧値(つまり点P23の開放電圧値)VOREを、次のようにして導出する。つまり、開放電圧値VOIFから開放電圧値VOIEを引いた値D13に対する、開放電圧値VOIFから開放電圧値VOREを引いた値D14の比(D14/D13)が、開放電圧値VOIFから開放電圧値VOSを引いた値D11に対する、開放電圧値VOIFから開放電圧値VORを引いた値D12の比(D12/D11)に等しくなるように、開放電圧値VOREを導出する。
そして、処理部15は、開放電圧値VOIFと開放電圧値VOREとの差である差分値D21に対する、開放電圧値VORと開放電圧値VOREとの差である差分値D22の比(D22/D21。図3に示した範囲C1に相当する)として、初期始動時点t0(1)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。
次に、劣化度SOHの導出手法について具体的に説明する。処理部15は、開放電圧値VOIFと開放電圧値VOSとの差である差分値D11に対する、開放電圧値VOIFと開放電圧値VORとの差である差分値D12の比(D12/D11。図3に示した範囲C1に相当する)として、初期始動時点t0(1)におけるバッテリ1の劣化度SOHを求める。
充電残度SOC及び劣化度SOHが求まると、処理部15は、バッテリ1の定格容量に充電残度SOC及び劣化度SOHを乗算することにより、初期始動時点t0(1)におけるバッテリ1の充電残量Q0(1)を、Q0(1)=定格容量×SOC×SOHとして算出する。なお、バッテリ1の定格容量は既知であり、予め記憶部17に記憶されている。
<車両の走行時及び停車時における充電残量の算出処理>
エンジンの初期始動が完了してから所定のサンプリング間隔Δtが経過した後、処理部15は、初期始動時点t0(1)で求めたバッテリ1の充電残量Q0(1)を基準として、現時点t1(1)における充電残量Q1(1)を、下記の式(2)に従って求める。
エンジンの初期始動が完了してから所定のサンプリング間隔Δtが経過した後、処理部15は、初期始動時点t0(1)で求めたバッテリ1の充電残量Q0(1)を基準として、現時点t1(1)における充電残量Q1(1)を、下記の式(2)に従って求める。
Q1(1)=Q0(1)+η×I1(1)×Δt ・・・(2)
式(2)において、ηは、充電効率係数である。I1(1)は、電流センサ11によって測定された時点t1(1)での電流値であり、バッテリ1への充電電流の符号を正とし、バッテリ1からの放電電流の符号を負として算出される。サンプリング間隔Δtは、t1(1)−t0(1)によって定義される時間間隔に相当する。
式(2)において、ηは、充電効率係数である。I1(1)は、電流センサ11によって測定された時点t1(1)での電流値であり、バッテリ1への充電電流の符号を正とし、バッテリ1からの放電電流の符号を負として算出される。サンプリング間隔Δtは、t1(1)−t0(1)によって定義される時間間隔に相当する。
バッテリ1の充電残量が所定値(本実施の形態では満充電に対して90%とする)以上である場合には、バッテリ1への充電動作において充電効率が低下するため、電流センサ11によって測定された充電電流の一部はバッテリ1の充電には寄与しない。この事情に鑑みて、充電効率係数ηは、充電残度SOCの関数として、初期始動時点t0(1)でのバッテリ1の充電残度SOCが90%より大きい場合にはη=η0(0<η0<1)に設定され、90%以下の場合にはη=1に設定される。η0の初期値は、例えば0.5に設定される。つまり、処理部15は、初期始動時点t0(1)での充電残度SOCが90%より大きい場合には、初期始動時点t0(1)から現時点t1(1)までに電流センサ13によって測定された充電電流の電流値を、充電効率係数η0を用いて補正し、補正後の充電電流値を用いて電流積算を行うことにより、現時点t1(1)におけるバッテリ1の充電残量Q1(1)を算出する。
例えば、図2を参照して、初期始動時点t0(1)での充電残度SOCが90%より大きく、かつ、時点t1(1)においてバッテリ1への充電動作が行われていた場合を想定する。この場合、電流積算部51が時点t1(1)での電流値を積算するにあたっては、時点t1(1)において電流センサ13によって測定された充電電流の電流値に、充電効率係数η0が乗算される。
充電電流値の補正を行って求めた充電残量Q1(1)は、充電電流値の補正を行わずに求めた充電残量Q1(1)よりも小さくなる。その結果、充電電流の一部が充電に寄与しないことに起因する充電残量Q1(1)の算出誤差を低減することができる。
以上の説明では、η0の初期値が0.5に設定されたが、初期始動時点t0(1)での充電残度SOCの値に応じて、複数の値に可変に設定することも可能である。この場合、充電残度SOCの値が大きくなるほどη0の値は小さく設定される。これにより、充電電流の一部が充電に寄与しないことに起因する充電残量Q1(1)の算出誤差を、さらに低減することが可能となる。
また、以上の説明では、初期始動時点t0(1)からΔtだけ経過した後の時点t1(1)における充電残量Q1(1)を算出する例について述べたが、車両の走行中及び停車中において、処理部15は、t1(1)→t2(1)→t3(1)とサンプリング間隔Δtで時間が経過するごとに、上記と同様に、充電効率係数η0を用いて充電電流値を補正しながら、直近の時点の充電残量に対して電流値を積算することで、現時点での充電残量Q1(1),Q2(1),Q3(1)を順に算出する。
さらに、以上の説明では、エンジンの初期始動後における充電残量の算出について述べたが、エンジンの再始動後においても、上記と同様の手法によって充電残量が算出される。但し、後述するように再始動時には、下限電圧VLの測定結果に基づいて充電残量が求められる。その際、積算電流値の加算によって求めた再始動の直近の充電残量Q3(1)と、再始動時に下限電圧VLの測定結果に基づいて求めた充電残量Q0(2)との誤差の大きさに応じて、再始動後に適用されるη0の値が初期値(0.5)から補正される。この処理については後に詳述する。
<車両停車時におけるエンジン停止の可否判定>
処理部15は、車両が停車するごとに、直近に求めた充電残量(ここではQ1(1)とする)と、充電残量に関する所定のしきい値QCとを比較する。このしきい値QCは、アイドリングストップ後にエンジンを再始動させ得る限界の充電残量(再始動限界残容量)であり、予め設定されて記憶部17に記憶されている。
処理部15は、車両が停車するごとに、直近に求めた充電残量(ここではQ1(1)とする)と、充電残量に関する所定のしきい値QCとを比較する。このしきい値QCは、アイドリングストップ後にエンジンを再始動させ得る限界の充電残量(再始動限界残容量)であり、予め設定されて記憶部17に記憶されている。
直近に求めた充電残量Q1(1)がしきい値QCよりも大きい場合には、処理部15はエンジン停止を許可する信号を出力し、エンジンが停止される。一方、直近に求めた充電残量Q1(1)がしきい値QC以下である場合には、処理部15はエンジン停止を許可する信号を出力せず、エンジンは停止されない。
エンジン停止の可否判定においては、高温時の始動トルクの増加等を考慮して、いわゆる高温補正を行ってもよい。つまり、処理部15は、バッテリ1の周辺温度を検出する温度センサからの温度信号に基づいて、可否判定時点でのバッテリ1の周辺温度を検出し、その検出温度に応じてしきい値QCを補正してもよい。ここで、検出温度が高いほど、しきい値QCが大きくなるように補正される。この場合、処理部15は、直近に求めた充電残量Q1(1)と補正後のしきい値QCとの比較結果に基づいて、エンジン停止の可否判定を行うこととなる。
また、エンジン停止の可否判定においては、電流センサ11の性能による測定誤差を加味して、充電残量Q1(1)としきい値QCとの比較を行ってもよい。例えば、電流センサ11の測定誤差が±α%であることが既知である場合に、α%に相当する分だけ充電残量Q1(1)の値を下方修正する。この場合、処理部15は、下方修正後の充電残量Q1(1)の値と、しきい値QCとの比較結果に基づいて、エンジン停止の可否判定を行うこととなる。あるいは逆に、α%に相当する分だけしきい値QCを上方修正してもよい。この場合、処理部15は、充電残量Q1(1)の値と、上方修正後のしきい値QCとの比較結果に基づいて、エンジン停止の可否判定を行うこととなる。もちろん、これらの場合においても上記の高温補正を行うことは可能である。
<エンジン再始動時におけるSOCの導出処理>
処理部15は、上記のエンジン停止期間判定の結果、エンジン停止期間Tが所定期間TC以下である場合は、電圧センサ13によって測定されたその再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の開放電圧値VOを用いずに、電圧センサ13によって測定されたその再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の下限電圧値VLを用いて、バッテリ1の充電残度SOCを求める。なお、上記の通り、再始動の場合には、直近のエンジン停止から再始動までの時間間隔が短いため、通常はT≦Tcとなる。
処理部15は、上記のエンジン停止期間判定の結果、エンジン停止期間Tが所定期間TC以下である場合は、電圧センサ13によって測定されたその再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の開放電圧値VOを用いずに、電圧センサ13によって測定されたその再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の下限電圧値VLを用いて、バッテリ1の充電残度SOCを求める。なお、上記の通り、再始動の場合には、直近のエンジン停止から再始動までの時間間隔が短いため、通常はT≦Tcとなる。
図6は、再始動時におけるバッテリ1の充電残度SOCの導出手法を説明するためのグラフである。まず、処理部15は、測定点P12と基準放電特性G1とに基づいて、再始動用の新たな基準放電特性G1’を作成する。具体的には、図3において点P23を求めた手法と同様に、基準放電特性G1上の各点の開放電圧値VOについて、比「D12/D11」を用いた比例計算を行うことにより、基準放電特性G1’を作成する。その結果、測定点P12及び点P23を通る基準放電特性G1’が得られる。
次に、処理部15は、再始動時点t0(2)に電圧センサ13によって測定されたバッテリ1の下限電圧値VLR’と、上記で作成した基準放電特性G1’とに基づいて、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。
具体的には、バッテリ1の再始動時点t0(2)において、電圧センサ13によってバッテリ1の下限電圧値VLR’を測定し、処理部15は、基準放電特性G1’に基づいて、測定された下限電圧値VLR’に対応する開放電圧値VOR’を割り出す。つまり、下限電圧値VLR’と基準放電特性G1’とに基づいて、再始動時点t0(2)における開放電圧値VOR’を推定する。
そして、処理部15は、開放電圧値VOIFと開放電圧値VOREとの差である差分値D21に対する、開放電圧値VOR’と開放電圧値VOREとの差である差分値D32の比(D32/D21。図6に示した範囲C4に相当する)として、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める。
その後、処理部15は、バッテリ1の定格容量に、再始動時点t0(2)における充電残度SOCと、初期始動時点t0(1)に求めた劣化度SOHとを乗算することにより、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の充電残量Q0(2)を、Q0(2)=定格容量×SOC×SOHとして算出する。
なお、再始動時に充電残量Q0(2)が導出されると、リセット処理部52は、電流積算部51によって積算された積算電流値をリセットし、再始動後の積算処理に備える。
また、図6を参照して、開放電圧値VOIFと開放電圧値VOS’との差である差分値D30に対する、開放電圧値VOIFと開放電圧値VOR’との差である差分値D31の比(D31/D30。図6に示した範囲C3に相当する)として、再始動時点t0(2)におけるバッテリ1の劣化度SOHを求めることもできる。しかし、比「D31/D30」は比「D12/D11」に等しくなるため、再始動時点t0(2)における劣化度SOHは初期始動時点t0(1)における劣化度SOHと等しくなる。従って、再始動時に劣化度SOHを改めて算出する必要はなく、初期始動時に求めた劣化度SOHを用いれば足りる。
<エンジン再始動時における充電効率係数η0の補正処理>
直近に求めた充電残量に電流値を積算するという充電残量の導出手法によると、電流センサ11の測定誤差等に起因して、導出した充電残量にも誤差が生じる場合がある。そして、初期始動時点t0(1)からの経過時間が長くなるほど、この誤差も大きくなる傾向にある。そこで、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置では、この誤差を低減すべく、エンジンの再始動時に以下の処理を実行する。
直近に求めた充電残量に電流値を積算するという充電残量の導出手法によると、電流センサ11の測定誤差等に起因して、導出した充電残量にも誤差が生じる場合がある。そして、初期始動時点t0(1)からの経過時間が長くなるほど、この誤差も大きくなる傾向にある。そこで、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置では、この誤差を低減すべく、エンジンの再始動時に以下の処理を実行する。
エンジンの再始動時点t0(2)において、処理部15は、電流値の積算によって求めた再始動の直近の充電残量Q3(1)と、再始動時に下限電圧VLの測定結果に基づいて求めた充電残量Q0(2)とを比較し、両者の誤差ΔQ(=Q0(2)−Q3(1))を算出する。そして、その誤差ΔQの大きさに応じて、誤差ΔQが小さくなる方向に、再始動後に適用されるη0の値を初期値(0.5)から増減補正する。つまり、充電残量Q3(1)が充電残量Q0(2)よりも大きい場合には、再始動後に適用されるη0の値を初期値(0.5)よりも小さくなる方向に補正し、逆に、充電残量Q3(1)が充電残量Q0(2)よりも小さい場合には、再始動後に適用されるη0の値を初期値(0.5)よりも大きくなる方向に補正する。また、η0の補正量は、誤差ΔQが大きいほど補正量も大きくし、誤差ΔQが小さいほど補正量も小さくする。これにより、再始動後の電流積算による充電残量の導出処理においては、電流センサ11の測定誤差等に起因して生じる充電残量の導出誤差を低減することができる。
図7は、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置の全体動作を示すフローチャートである。各ステップにおける処理内容の詳細は上述したため、ここでは、全体動作の概要のみを説明する。
まずステップSP1において、エンジンが初期始動される。
次にステップSP2において、処理部15は、エンジン停止期間Tが所定期間Tcより長いか否かを判定する。
T>Tcである場合(ステップSP2の判定の結果が「YES」である場合)にはステップSP3に進み、処理部15は、電圧センサ13によって検出された開放電圧値VO及び下限電圧値VLに基づいて、エンジンの初期始動時点におけるバッテリ1の劣化度SOH及び充電残度SOCを求める(図3参照)。次にステップSP5において、処理部15は、ステップSP3で求めた劣化度SOH及び充電残度SOCを、バッテリ1の既知の定格容量に乗算することにより、初期始動時点における充電残量Qを、Q=バッテリ定格容量×SOH×SOCとして算出する。
一方、T≦Tcである場合(ステップSP2の判定の結果が「NO」である場合)にはステップSP4に進み、処理部15は、電圧センサ13によって検出された下限電圧値VLに基づいて、エンジンの初期始動時点におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める(図6参照)。次にステップSP5において、処理部15は、直近に求めた劣化度SOHと、ステップSP4で求めた充電残度SOCとを、バッテリ1の既知の定格容量に乗算することにより、初期始動時点における充電残量Qを、Q=バッテリ定格容量×SOH×SOCとして算出する。
上記の通り、エンジンの初期始動は、例えばその日最初のエンジン始動であるため、通常は、T>TcとなってステップSP2の判定の結果は「YES」となる。
ステップSP6以降は、車両の走行時及び停車時の動作である。ステップSP6において処理部15は、直近に求めたバッテリ1の充電残量Qk-1を基準として、現時点における充電残量Qkを、Qk=Qk-1+η×Ik×Δtとして算出する。つまり、直近の充電残量Qk-1に、充電効率係数ηを加味した電流積算値(η×Ik×Δt)を加算することにより、現時点の充電残量Qkを求める。
次にステップSP7において、処理部15は、車速センサから入力される車速信号に基づいて、車両が停車したか否かを判定する。
車両が停車していない場合(ステップSP7の判定の結果が「NO」である場合)は、ステップSP6,SP7を繰り返し、サンプリング間隔Δtが経過するごとに現時点の充電残量Qkを求める。
一方、車両が停車した場合(ステップSP7の判定の結果が「YES」である場合)はステップSP8に進み、処理部15は、エンジン停止の許可条件を満たしているか否かを判定する。許可条件には、「直近に求めた充電残量Qが所定のしきい値QCよりも大きい」という条件も含まれている。
許可条件を満たさない場合(ステップSP8の判定の結果が「NO」である場合)は、エンジンを停止することなくステップSP6〜SP8を繰り返し、サンプリング間隔Δtが経過するごとに現時点の充電残量Qkを求める。
一方、許可条件を満たす場合(ステップSP8の判定の結果が「YES」である場合)はステップSP9に進み、エンジンを停止する。
ステップSP10以降は、エンジン再始動時の動作である。ステップSP10において、アイドリングストップ後の車両の再発進時に、エンジンが再始動される。
次にステップSP11において、処理部15は、エンジン停止期間Tが所定期間Tcより長いか否かを判定する。
T≦Tcである場合(ステップSP11の判定の結果が「NO」である場合)にはステップSP13に進み、処理部15は、電圧センサ13によって検出された下限電圧値VLに基づいて、エンジンの再始動時点におけるバッテリ1の充電残度SOCを求める(図6参照)。次にステップSP14において、処理部15は、直近に求めた劣化度SOHと、ステップSP13で求めた充電残度SOCとを、バッテリ1の既知の定格容量に乗算することにより、再始動時点における充電残量Qを、Q=バッテリ定格容量×SOH×SOCとして算出する。
一方、T>Tcである場合(ステップSP11の判定の結果が「YES」である場合)にはステップSP12に進み、処理部15は、電圧センサ13によって検出された開放電圧値VO及び下限電圧値VLに基づいて、エンジンの再始動時点におけるバッテリ1の劣化度SOH及び充電残度SOCを求める(図3参照)。次にステップSP14において、処理部15は、ステップSP12で求めた劣化度SOH及び充電残度SOCを、バッテリ1の既知の定格容量に乗算することにより、再始動時点における充電残量Qを、Q=バッテリ定格容量×SOH×SOCとして求める。
上記の通り、エンジンの再始動の場合は、通常は、T≦TcとなってステップSP11の判定の結果は「NO」となる。
次にステップSP15において、処理部15は、電流積算部51によって積算された積算電流値をリセット処理部52によってリセットする。また、処理部15は、積算電流値の加算によって求めた再始動の直近の充電残量と、ステップSP14で求めた充電残量との誤差ΔQを算出し、その誤差ΔQの大きさに応じてη0の値を補正する。その後、ステップSP6以降の処理が繰り返される。
図3,6を参照して、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置によれば、処理部15は、新品かつ満充電状態のバッテリ1に関して求めた開放電圧値VOと下限電圧値VLとの関係を示す基準放電特性G1と、エンジンの初期始動時に電圧センサ13によって測定された開放電圧値VOR及び下限電圧値VLRと、エンジンの再始動時に電圧センサ13によって測定された下限電圧値VLR’とに基づいて、再始動時におけるバッテリ1の充電残度SOCの導出を実行する。つまり、処理部15は、再始動時におけるバッテリ1の充電残度SOCを導出するにあたり、バッテリ1の開放電圧値VOを用いない。従って、バッテリ液の濃度分極の影響に起因して再始動時の開放電圧値が実際の値よりも見かけ上増減している場合であっても、その増減の影響を受けることなく、再始動時点での充電残度SOCを正確に導出することができる。その結果、再始動時点でのバッテリ1の充電残量を正確に求めることが可能となる。
また、図6を参照して、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置によれば、処理部15は、基準放電特性G1と、初期始動時に測定された開放電圧値VOR及び下限電圧値VLRとに基づいて、その測定点P12を通る基準放電特性G1’を作成し、基準放電特性G1’に基づいて、再始動時に測定された下限電圧値VLR’に対応する開放電圧値VOR’を推定する。従って、バッテリ液の濃度分極の影響に起因して再始動時の開放電圧値が実際の値よりも見かけ上増減している場合であっても、その増減の影響を受けていない開放電圧値VOR’を推定することができる。
さらに、本実施の形態に係るバッテリ状態管理装置によれば、処理部15は、アイドリングストップ後にエンジンが再始動される毎に、下限電圧値VLR’を測定して充電残度SOCの導出を実行する。従って、バッテリ1の正確な充電残量を、エンジンが再始動される毎に求めることが可能となる。その結果、例えば、エンジン始動時点での充電残量に充放電電流の積算値を加算することによって現時点での充電残量を求める技術において、充電効率の変動等に起因して現時点での充電残量の算出結果に誤差が生じる場合であっても、エンジンが再始動される毎に充電残度SOCの導出を実行することによって、再始動毎に誤差をリセットして正確な充電残量を求め直すことが可能となる。
1 バッテリ
11 電流センサ
13 電圧センサ
15 処理部
17 記憶部
51 電流積算部
52 リセット処理部
11 電流センサ
13 電圧センサ
15 処理部
17 記憶部
51 電流積算部
52 リセット処理部
Claims (3)
- 車両に搭載され、バッテリの状態を管理するバッテリ状態管理装置であって、
前記バッテリの出力電圧を測定する電圧センサと、
新品かつ満充電状態の前記バッテリに関して予め定められた開放電圧値と放電時電圧値との関係を示す第1の基準特性と、エンジンの初期始動時に前記電圧センサによって測定された開放電圧値及び放電時電圧値と、前記エンジンの再始動時に前記電圧センサによって測定された放電時電圧値とに基づいて、前記再始動時における前記バッテリの充電残度の導出を実行する処理手段と
を備える、バッテリ状態管理装置。 - 前記処理手段は、
前記第1の基準特性と、前記初期始動時に測定された前記開放電圧値及び前記放電時電圧値とに基づいて、第2の基準特性を作成し、
前記第2の基準特性に基づいて、前記再始動時に測定された前記放電時電圧値に対応する開放電圧値を推定し、
推定された前記開放電圧値に基づいて、前記充電残度の導出を実行する、請求項1に記載のバッテリ状態管理装置。 - 前記車両は自動アイドリングストップ機能を備えており、
前記処理手段は、アイドリングストップ後に前記エンジンが再始動される毎に、前記充電残度の導出を実行する、請求項1又は2に記載のバッテリ状態管理装置。
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-
2006
- 2006-03-30 JP JP2006093921A patent/JP2007269051A/ja active Pending
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