JP4852903B2 - シート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法 - Google Patents

シート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ等で用いられるシート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法、特に、確実にかつ精度良くシート状の光学積層体の膜厚を測定することができるシート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法に関するものである。
液晶ディスプレイ(LCD)の表示性能を向上させる部材として、位相差フィルムが重要な役割を果たしている。位相差フィルムとしては、例えば、特許文献1のような光学積層体(積層構造体を延伸した位相差フィルム)が知られている。位相差フィルムは、ディスプレイの表示を均質にするために、その膜厚が均一であることが必要であるが、特許文献1のような光学積層体は、全体としての膜厚が均一であるだけでなく、各層全ての膜厚が均一であることが求められる。このため、特許文献1のような光学積層体の製造時には、各層の膜厚を精度良く調整するために、リアルタイムでの膜厚測定が必要とされている。
また、CRT、PDP、有機ELディスプレイ、液晶画像表示装置等の画像表示装置の画面について、近年、その透過率やコントラストの向上、映り込み低減のために表面反射を減少させる反射防止技術が多数提案されるようになってきている。反射防止技術として、反射防止層(光学干渉層ともいう)として積層する層の屈折率と光学膜厚を適度な値にすることによって、積層体と空気界面における光の反射を減少させることが有効であるということが知られている(例えば、特許文献2参照)。
反射防止フィルムのように、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層等の屈折率の異なる層を2層以上形成する際、各層の膜厚が所望の値と異なると反射度合いが異なるばかりでなく、干渉により反射防止層の着色や色合いの変化が起こる。例えば、反射が大きくなるとテレビやパソコンのモニター、カーナビ等使用時、周囲の光源や明るい物が画面上に写り、表示内容が見にくくなる。着色したり、色合いが違ってくるとは、見にくくなるばかりでなく、黒表示部でそのような物が写り込んだ際、色が付いて視認されるため、テレビ画面では画像イメージを著しく落とすこととなる。
このような点から、特許文献2では、反射防止層に対する可視光波長領域内に設定した2波長以上の点で、反射率を反射率測定器によりリアルタイムで計測し、目標値の反射率と対比して演算し、その結果を膜厚制御系にフィードバックすることにより、各反射防止層の各薄膜形成条件を制御している。さらに、反射光を測定する際に、測定室内を光のない暗黒状態として測定したり、測定室内のプローブを、フィルムを回転保持するロール間隔が狭いところに設置して測定したりしている。
特開2004−58369号公報 特開2004−107690号公報
しかしながら、干渉光測定装置を利用してフィルム状の光学積層体の膜厚を測定する場合、干渉光測定装置が反射率測定器より大きく、光学積層体を回転保持するロールに十分近づけないという問題点があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、確実にかつ精度良く光学積層体の膜厚を測定することができるシート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、シート状の光学積層体に光を照射してその干渉光を干渉光測定装置で計測する際に、光学積層体の上面及び下面の少なくとも一部をカバープレートで覆うことにより、光学積層体の走行に伴う空気の乱流を抑制して光学積層体の振動を防止することができ、これにより、干渉光測定点のピントがずれることなく、確実にかつ精度良く光学積層体の膜厚を測定できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のシート状光学積層体の膜厚測定システムにあっては、干渉光測定装置を使用して、走行しているシート状の光学積層体の膜厚を測定する膜厚測定システムであって、シート状の光学積層体がその上を走行するように前記光学積層体を回転自在に支持する一対の平行に配置された回転ロールと、前記回転ロール間で、前記光学積層体の走行方向に対して垂直な側部方向に走査しながら、前記光学積層体に光を照射してその干渉光を計測する干渉光測定装置と、前記回転ロールの一方の近傍から他方の回転ロール近傍に延びる前記光学積層体の上面及び下面の少なくとも一部を覆うと共に、前記干渉光測定装置の光照射及び干渉光計測を行う計測点近傍が開口されているカバープレートとを備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載のシート状光学積層体の膜厚測定システムにあっては、前記回転ロールの一方の側部近傍から前記他方の回転ロールの一方の側部近傍に延びる側部カバープレートを、前記回転ロールの少なくとも一方の側部にさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載のシート状光学積層体の膜厚測定システムにあっては、前記光学積層体の入口側に配置される前記回転ロールの一方の近傍を覆いかつ前記光学積層体の上流方向に向かって延びる入口カバープレートと、前記光学積層体の出口側に配置される前記他方の回転ロール近傍を覆いかつ前記光学積層体の下流方向に向かって延びる出口カバープレートとの少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載のシート状光学積層体の膜厚測定システムにあっては、前記光学積層体の入口側に配置された前記回転ロールの一方の上流側に配置される第1駆動ロールと、前記光学積層体の出口側に配置された前記他方の回転ロールの下流側に配置される第2駆動ロールとの少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載のシート状光学積層体の膜厚測定方法にあっては、干渉光測定装置を使用して、走行しているシート状の光学積層体の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、一対の平行に配置された回転ロール上でシート状の光学積層体を走行させ、前記回転ロール間で、前記光学積層体の走行方向に対して垂直な側部方向に走査しながら、前記光学積層体に光を照射してその干渉光を干渉光測定装置で計測する際に、前記回転ロールの一方の近傍から他方の回転ロール近傍に延びる前記光学積層体の上面及び下面の少なくとも一部を覆うと共に、前記干渉光測定装置の光照射及び干渉光計測を行う計測点近傍が開口されているカバープレートを使用し、前記干渉光測定装置の計測結果に基づいて、前記光学積層体の膜厚を求めることを特徴とする。
本発明によれば、走行しているシート状の光学積層体に光を照射してその干渉光を干渉光測定装置で計測する際に、光学積層体の上面及び下面の少なくとも一部をカバープレートで覆うので、光学積層体の走行に伴う空気の乱流を抑制して光学積層体の振動を防止し、確実にかつ精度良くシート状光学積層体の膜厚を測定することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかるシート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この一実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態によるシート状光学積層体の膜厚測定システムを示す概略斜視図である。図1において、膜厚測定システム1では、シート状の光学積層体2が回転自在な第1回転ロール3及び第2回転ロール4に導かれて、図1の左側から右側に向かって走行している。なお、図1では、光学積層体2の側端部を概略的に太線で表している。また、第1回転ロール3の上流側には、第3回転ロール5と、この第3回転ロール5に組み合わされて第1駆動ロール6例えばニップロールが設置されている。第2回転ロール4の下流側には、上流側と同様に、第4回転ロール7と、この第4回転ロール7に組み合わされて第2駆動ロール8例えばニップロールが設置されている。
第1回転ロール3と第2回転ロール4との間には、光学積層体2の走行方向に対して垂直な側部方向に走査しながら、光学積層体2に光を照射してその干渉光を計測する干渉光測定装置10が配置されている。第1回転ロール3と第2回転ロール4との間に延びる光学積層体2の上面及び下面には、カバープレート11及び12が設置されている。これらのカバープレート11及び12の中央部には、干渉光測定装置10の計測の妨げとならないように、開口部16が形成されている。
さらに、第1回転ロール3の側部近傍から第2回転ロール4の側部近傍には、側部カバープレート13,14が設置されている。なお、側部カバープレート13,14は、光学積層体2の進行方向右側のみに設置されているが、同左側にも側部カバープレートを設けても良い。また、第1回転ロール3の光学積層体2入口側には、外部からの空気の流入を防止する入口カバープレート15が設置されている。なお、入口カバープレート15は、第1回転ロール3の光学積層体2入口側に設置されているが、第2回転ロールの光学積層体2出口側に、同様な形状の出口カバープレート(図示しない)を設けても良い。
図2は、本発明の一実施の形態による光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法を説明する模式図である。図2において、まず、光学積層体2を作製する原料を押出機20に投入する。光学積層体2としては、特に限定することなく種々の光学積層体を使用することができるが、一例として、複屈折を補償できる光学積層体が好適に使用できる。
このような光学積層体としては、固有複屈折値が負である材料を主成分として含み、ビニル芳香族系重合体、アクリル系重合体、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂からなる層(A層)、透明な樹脂を主成分として含み、ノルボルネンなどの脂環構造を有する重合体からなる層(B層)、接着剤層であり、エチレン、スチレン等を含む共重合体からなる層(C層)などが積層された構造体が使用できる。
A層、B層、C層それぞれの原料は、それぞれ別個な押出機20(図2では1台のみ図示)に投入された後、フィードブロック(図示しない)などにより各層の原料を積層させる。各層の積層は、例えば、A層−C層−B層、A層−C層−B層−C層−A層、B層−C層−A層−C層−B層など、積層する層の層数や組合せは、種々の選択が可能である。
次に、積層された原料は、金型(ダイス)21に導入される。金型21では、その下端に例えば1メートルの幅方向にスリット(図示しない)が形成されており、このスリットから原料が押し出されることにより、シート状の積層体が得られる。また、スリットには多数の押しボルト及び引きボルト(図示しない)が設けられており、手動又は自動でこれらのボルトを調整することにより、得られるシート状積層体の幅方向における厚みを調整することができる。
金型21から引き出されたシート状の光学積層体2は、加熱されたキャストロール22に巻き取られて巻回されている間に冷却される。冷却された光学積層体2は、蛇行を防止する回転ロール23,24を経て、膜厚測定システム1に導かれる。
膜厚測定システム1に導入された光学積層体2は、第1駆動ロール6及び第2駆動ロール8を調節することによって、走行する光学積層体2を弛ませることなく、かつ適度な張力で維持する。光学積層体2の膜厚を測定する干渉光測定装置10としては、代表的にはマイケルソン干渉計などが使用できる。干渉光測定装置10では、膜表面で反射した光と膜裏面で反射した光とが互いに干渉を起こして干渉光による干渉縞(干渉パターン)を生じることから、測定対象である光学積層体2が振動により測定点におけるピントがずれると、測定が不能となったり、不正確な測定値となる。従って、光学積層体2の振動を極力防止する必要がある。
ところが、第1回転ロール3や第2回転ロール4から離れた位置では、光学積層体2の走行に伴い、空気を巻き込んで乱流を生じる場合がある。この様子を図3に模式的に示す。図3に示すように、光学積層体2の上面及び下面に乱流を生じるが、カバープレート11,12を配置することによって、この乱流を小さな乱流2a,2bに抑制することができる。
光学積層体2とカバープレート11,12との距離は、乱流を防止する点から小さければ小さいほど良いが、距離が小さすぎると両者が接触して光学積層体2の表面に傷を付ける恐れもあるため望ましくない。従って、図4に示すように、光学積層体2とカバープレート11,12との距離Dとしては、5mm〜50mmの範囲が好ましい。さらに好ましくは、10mm〜50mmの範囲、最も好ましくは10mm〜25mmの範囲である。
また、第1回転ロール3の入口側から空気が流入するのを防止するために、カバープレート11,12の先端は第1回転ロール3を覆い、さらに光学積層体2の上流方向に延びていても良い(図3参照)。この時、カバープレート11,12とその先端部11a,11bとは、図3に示すように一体に成形されていても良く、或いは、図1に示したように別々の部材から構成されていても良い。例えば、図1では、カバープレート11と入口カバープレート14とで構成されている。また、第1回転ロール3の直径を考慮して、カバープレート12と光学積層体2との距離を、上記の範囲内でカバープレート11と光学積層体2との距離より大きくしても良い(図3参照)。
さらに、カバープレート11,12の中央部には、図1及び図5に示すように、干渉光測定装置10が走査する光学積層体2の走行方向に対して垂直な側部方向に開口部15が形成されている。この開口部15の幅Wは、干渉光測定装置10の大きさに依存するが、例えば10mm程度である。
なお、図1及び図5では、カバープレート11,12の側端部まで開口している場合を示しているが、図6に示すように、カバープレート11,12の側端部まで延びていない開口部17を形成しても良い。この場合、カバープレート11,12それぞれが1枚のプレートから構成されるので、カバープレート11,12の固定、取り外しなどの作業性が向上する。
さらに光学積層体2の振動を抑制するために、カバープレート11,12に空気を逃がすための穴を設けておいても良い。図7は、穴を多数形成した穴形成部を有するカバープレートを示す平面図である。図7において、カバープレート11,12は、5mm×500mm程度の大きさの穴形成部18a,18bを有する。穴形成部18aは、膜厚測定システム1の入口側で開口部17から100〜200mm程度手前に位置し、穴形成部18bは、膜厚測定システム1の出口側から100〜200mm程度手前に位置する。穴形成部18a,18bの穴は、マス目状の穴や丸穴などの形状であっても良く、穴の大きさも種々の大きさが採用できる。このような穴は、穴形成部18a,18bの全体に形成しても良く、或いは、光学積層体2の振動等の測定結果から、テープや板などで穴形成部18a,18bを部分的に塞ぐことも可能である。
また、図8に示すように、カバープレート11,12の先端部11a,11bにそれぞれ穴形成部18c,18dを有しても良い。例えば、穴形成部18c,18dとしてφ10mmの穴を光学積層体2の幅方向に20mm間隔で形成し、光学積層体2の振動を見ながら穴をテープで目張りし、穴を塞ぐ面積を調整することができる。なお、図7及び図8において、穴形成部18a,18b及び穴形成部18c,18dは、それぞれその一方だけを有しても良い。
さらに、図9に示すように、干渉光測定装置10が光照射及び干渉光計測を行う計測点近傍のみに穴状の開口部19を形成し、この開口部19の位置と同期して計測を行っても良い。この場合、開口部19の面積が少なくなるため、空気の乱流を防止する効果が増大する。
カバープレート11,12の設置は、光学積層体2を成膜中で、光学積層体2を膜厚測定システム1に導入し、光学積層体2の走行が安定してから行う。カバープレート11,12の設置は、ネジ止めや固定治具など、特に限定することなく種々の固定部材を使用することができる。
カバープレート11,12の材質としては、例えばアクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は軽量であり、光学積層体2が走行中にカバープレート11,12を設置し易いためである。また、アクリル樹脂は透明であるため、ゴミ等を目視で発見することができ、この点からも好ましい。さらに、アクリル樹脂製のカバープレート11,12には、赤外線吸収剤を含んでいても良い。これにより、干渉光測定装置10に赤外線が反射などで入り込むのを防止することができ、膜厚の測定精度を一層向上させることができる。
カバープレート11,12は、第1回転ロール3の近傍と、第2回転ロール4の近傍との間をなるべく広く覆うのが好ましい。しかしながら、必ずしも光学積層体2の全面を覆う場合に限られず、第1回転ロール3の近傍や、第2回転ロール4の近傍にカバープレート11,12を設けても良い。光学積層体2の走行時間で表すと、干渉光測定装置10の前後それぞれ0.2秒程度以上の領域がカバープレート11,12で覆われているのが好ましい。これにより、光学積層体2の振動を有効に防止することができる。
第1回転ロール3の側部近傍から第2回転ロール4の側部近傍には、側部カバープレート13,14を設けても良い(図1参照)。側部カバープレート13,14を設けることによって、光学積層体2の側部方向からの空気の流入の影響を回避することができる。なお、図1では、光学積層体2の進行方向右側だけに側部カバープレート13,14を設けた場合を示しているが、左側に側部カバープレートを設けたり、両側に側部カバープレートを設けても良い。側部カバープレート13,14は、第1回転ロール3及び第2回転ロール4があるため、光学積層体2の側部にあまり近づけないが、光学積層体2の側部から例えば150mm程度離して設置することが好ましい。
干渉光測定装置10で光学積層体2に対して光照射及び干渉光計測を行った後、計測結果は、図2に示すデータ解析部30に送られる。データ解析部30では、所定の解析処理例えばフーリエ解析を行い、干渉光測定装置10における計測結果から光学積層体2を構成する各層の膜厚を求めることができる。次に、膜厚制御部31において、光学積層体2の幅方向における膜厚の測定結果と、所定の設定値とが比較される。光学積層体2の膜厚を変更する場合には、膜厚制御部31から制御信号を金型21に送り、スリット幅(ダイスリップ開度)を変更する押しボルト及び引きボルトを調整することによって、得られるシート状光学積層体2の幅方向における厚みを調整することができる。
次いで、図2に示すように、膜厚が測定された光学積層体2は、巻き取られる際の接着防止等のために、保護フィルムを保護フィルムロール25から貼り付ける。さらに、光学積層体2両側端の耳部分をカットするために、トリミング装置26によりトリミングを行う。最後に、以上のような処理を行った光学積層体2は、巻き取りロール27により巻き取られる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明による光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法について、さらに具体的に説明する。
(実施例)
上述した脂環構造を有する重合体からなる層(B層)、熱可塑性樹脂からなる層(A層)、接着剤層であり、エチレン、スチレン等を含む共重合体からなる層(C層)を用意し、B層−C層−A層−C層−B層が順次積層された光学積層体を作製した。
A層としては、スチレン−マレイン酸共重合体を使用した。B層としては、ノルボルネン重合体を使用した。C層としては、変性したエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層を使用した。以上のA層、B層、C層を使用して、B層(50μm)−C層(10μm)−A層(200μm)−C層(10μm)−B層(50μm)の未延伸光学積層体を共押出し成形により得た。なお、光学積層体の幅は、600mmとした。
干渉光測定装置としては、反射光の干渉を利用する、大塚電子(株)製の膜厚測定システムMCPDシリーズ(MCPD検出器と光ファイバーの組み合わせ)を使用した。また、カバープレートは、図6に示した形状のカバープレートを光学積層体の上面及び下面に設置した。光学積層体と上下カバープレート11,12との距離は20mmとし、開口部17は全幅5mmで、干渉光測定装置の測定部(開口部17)における流れ方向の前後400mmを覆った。なお、入口カバープレート、出口カバープレート及び側部カバープレートは、使用しなかった。
上記のようにして作製した光学積層体を図1に示す膜厚測定システム1に導き、第1駆動ロール6及び第3回転ロール5、第1回転ロール3、第2回転ロール4及び第2駆動ロール8に向けて光学積層体を走行させた。光学積層体の走行が安定した状態で、カバープレート11,12を光学積層体の上面及び下面に固定し、干渉光測定装置により光学積層体の膜厚を測定した。
干渉光測定装置により得られた干渉波形を、図10に示す。この干渉波形を図2に示すデータ解析部30でフーリエ解析することにより、図11に示す光学積層体の光学膜厚のピークA〜Fが得られた。なお、使用した光学積層体は、最も外側のB層同士の厚みが同一であり、B層及びA層間のC層同士も厚みが同一である。また、光学膜厚は、公路長(厚み)×屈折率により求められる。
図11における各ピークに基づいて、各層の厚みは次のようにして求めることができる。
・B層(B1層):(ピークB)から求める。
・C層(C1層):(ピークC)−(ピークB)、又は(ピークD)−(ピークB)−(ピークA)から求める。
・A層:(ピークA)、又は(ピークD)−(ピークC)から求める。
・C層(C2層):(ピークE)−(ピークC)−(ピークA)から求める。
・B層(B2層):(ピークF)−(ピークE)から求める。
・総膜厚:(ピークF)から求める。
なお、実施例ではB層及びC層が同じ厚みの光学積層体を使用したが、上記のようにして計算からB1層、B2層、C1層、C2層のように、別々の層として計算から求めることができる。また、B層及びC層の厚みがそれぞれ異なった場合には、ピークを分離するために各層毎に別々に検出することもできる。
さらに、干渉光測定装置を光学積層体の走行方向に対して垂直な方向(幅方向)に走査させ、光学積層体の幅方向の干渉波形を求め、上記と同様にフーリエ解析を行い、光学積層体の幅方向における各層の厚みを求めた。結果を図12〜図15に示す。図12は光学積層体の総厚み、図13はA層の厚み、図14はB層の厚み、図15はC層の厚みをそれぞれ示している。
図12〜図15から明らかなように、各層の厚みを光学積層体の幅方向に求めることができた。なお、図14では、2層のB層(B1層及びB2層)それぞれについて、光学積層体の幅方向について膜厚を求めることができた。同様に、図15では、2層のC層(C1層及びC2層)それぞれについて、光学積層体の幅方向について膜厚を求めることができた。
(比較例)
実施例と同一の原料を使用し、実施例と同一の条件により作製した光学積層体を使用した。カバープレートを使用しない点を除き、実施例と同一の膜厚測定システム1を使用して、膜厚の測定を行った。干渉光測定装置も実施例と同じ装置を使用し、光学積層体の膜厚を測定した。
干渉光測定装置により得られた干渉波形を、図16に示す。この干渉波形を図2に示すデータ解析部30でフーリエ解析することにより、図17に示す線図が得られた。実施例の場合には、光学積層体の光学膜厚のピークが得られたが、この比較例では膜厚に対応するピークが得られなかった。
さらに、干渉光測定装置を光学積層体の走行方向に対して垂直な方向(幅方向)に走査させ、光学積層体の幅方向の干渉波形を求め、上記と同様にフーリエ解析を行い、光学積層体の幅方向における各層の厚みを求めた。結果を図18〜図21に示す。図18は光学積層体の総厚み、図19はA層の厚み、図20はB層の厚み、図21はC層の厚みをそれぞれ示している。
図19では、図中、K,L,Mで示すノイズ状のピークが計測され、光学積層体の幅方向で膜厚の測定を行えない箇所が生じた。また、図20及び図21においても、N,O,P,Q,R,S,T,Uで示すノイズ状のピークが計測され、光学積層体の幅方向で膜厚の測定を行えない箇所が生じた。
以上のように、本発明にかかるシート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法は、走行しているシート状の光学積層体に光を照射してその干渉光を干渉光測定装置で計測する際に、光学積層体の上面及び下面の少なくとも一部をカバープレートで覆うことにより、光学積層体の走行に伴う空気の乱流を抑制して光学積層体の振動を防止し、確実にかつ精度良くシート状光学積層体の膜厚を測定することができるので、高精度にピントを合わせて行う光学的計測、例えば膜厚測定や欠陥検査機器等に有用であり、特に、干渉光測定装置を利用したシート状光学積層体の膜厚測定に適している。
本発明の一実施の形態によるシート状光学積層体の膜厚測定システムを示す概略斜視図である。 本発明の一実施の形態によるシート状光学積層体の膜厚測定システム及び膜厚測定方法を説明する模式図である。 第1回転ロール近傍にカバープレートが設置された状態を示す要部概略断面図である。 第1回転ロール近傍で光学積層体の上下面にカバープレートが設置された状態を示す要部概略断面図である。 カバープレートを示す平面図である。 カバープレートを示す平面図である。 穴形成部を有するカバープレートを示す平面図である。 第1回転ロール近傍に、穴形成部を有するカバープレートが設置された状態を示す要部概略断面図である。 カバープレートを示す平面図である。 実施例において干渉光測定装置により得られた干渉波形を示す線図である。 実施例において干渉波形をフーリエ解析して得られた線図である。 実施例において得られた、幅方向と光学積層体の総厚みとの関係を示す線図である。 実施例において得られた、幅方向とA層の厚みとの関係を示す線図である。 実施例において得られた、幅方向とB層の厚みとの関係を示す線図である。 実施例において得られた、幅方向とC層の厚みとの関係を示す線図である。 比較例において干渉光測定装置により得られた干渉波形を示す線図である。 比較例において干渉波形をフーリエ解析して得られた線図である。 比較例において得られた、幅方向と光学積層体の総厚みとの関係を示す線図である。 比較例において得られた、幅方向とA層の厚みとの関係を示す線図である。 比較例において得られた、幅方向とB層の厚みとの関係を示す線図である。 比較例において得られた、幅方向とC層の厚みとの関係を示す線図である。
符号の説明
1 膜厚測定システム
2 光学積層体
2a,2b 乱流
3 第1回転ロール
4 第2回転ロール
5 第3回転ロール
6 第1駆動ロール
7 第4回転ロール
8 第2駆動ロール
10 干渉光測定装置
11,12 カバープレート
13,14 側部カバープレート
15 入口カバープレート
16,17,19 開口部
18a,18b、18c、18d 穴形成部
20 押出機
21 金型
23,24 回転ロール
25 保護フィルムロール
26 トリミング装置
27 巻き取りロール
30 データ解析部
31 膜厚制御部

Claims (5)

  1. 干渉光測定装置を使用して、走行しているシート状の光学積層体の膜厚を測定する膜厚測定システムであって、
    シート状の光学積層体がその上を走行するように前記光学積層体を回転自在に支持する一対の平行に配置された回転ロールと、
    前記回転ロール間で、前記光学積層体の走行方向に対して垂直な側部方向に走査しながら、前記光学積層体に光を照射してその干渉光を計測する干渉光測定装置と、
    前記回転ロールの一方の近傍から他方の回転ロール近傍に延びる前記光学積層体の上面及び下面の少なくとも一部を覆うと共に、前記干渉光測定装置の光照射及び干渉光計測を行う計測点近傍が開口されているカバープレートと
    を備えることを特徴とするシート状光学積層体の膜厚測定システム。
  2. 前記回転ロールの一方の側部近傍から前記他方の回転ロールの一方の側部近傍に延びる側部カバープレートを、前記回転ロールの少なくとも一方の側部にさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシート状光学積層体の膜厚測定システム。
  3. 前記光学積層体の入口側に配置される前記回転ロールの一方の近傍を覆いかつ前記光学積層体の上流方向に向かって延びる入口カバープレートと、前記光学積層体の出口側に配置される前記他方の回転ロール近傍を覆いかつ前記光学積層体の下流方向に向かって延びる出口カバープレートとの少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート状光学積層体の膜厚測定システム。
  4. 前記光学積層体の入口側に配置された前記回転ロールの一方の上流側に配置される第1駆動ロールと、前記光学積層体の出口側に配置された前記他方の回転ロールの下流側に配置される第2駆動ロールとの少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載のシート状光学積層体の膜厚測定システム。
  5. 干渉光測定装置を使用して、走行しているシート状の光学積層体の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
    一対の平行に配置された回転ロール上でシート状の光学積層体を走行させ、
    前記回転ロール間で、前記光学積層体の走行方向に対して垂直な側部方向に走査しながら、前記光学積層体に光を照射してその干渉光を干渉光測定装置で計測する際に、前記回転ロールの一方の近傍から他方の回転ロール近傍に延びる前記光学積層体の上面及び下面の少なくとも一部を覆うと共に、前記干渉光測定装置の光照射及び干渉光計測を行う計測点近傍が開口されているカバープレートを使用し、
    前記干渉光測定装置の計測結果に基づいて、前記光学積層体の膜厚を求めることを特徴とするシート状光学積層体の膜厚測定方法。
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