JP7507414B2 - シート作成装置、シート作成方法、及び複層シートの厚さを算出する装置 - Google Patents

シート作成装置、シート作成方法、及び複層シートの厚さを算出する装置 Download PDF

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本開示は、シート作成装置シート作成方法、及び複層シートの厚さを算出する装置に関する。
複数の層からなる帯状の積層シートでは、それらの特性上、積層シートの厚さの検査が重要である。積層シートの厚さを検査する装置として、図10に示すような装置が特許文献1に記載されている。
特許文献1における積層シートの厚さを検査する装置では、樹脂90の塗布位置よりも金属板91の搬送先側に、塗布された樹脂90の厚さを制御するナイフ92が設けられている。樹脂90の塗布位置よりも金属板91の搬送先側に、X線厚さ計93が設けられている。特許文献1の装置は、X線厚さ計93により金属板91の板厚を計測し、演算器94によって金属板91の板厚偏差に応じてナイフ92を金属板91に対して進退させることにより、金属板91に塗布される樹脂90の膜厚の不均一性を少なくする。
特開平5-185022号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、樹脂90を塗布した後の積層シートの厚さを検査していないため、所望の厚さの積層シートを製造できないおそれがある。そこで、樹脂90の塗布位置よりも金属板91の搬送先側にもX線厚さ計93を設け、当該X線厚さ計93を用いて、積層シートの厚さを検査することが考えられる。しかしながら、このような構成では、X線厚さ計93のX線の照射部と検出部によって積層シートを裏表から挟み込む必要があり、かつ、防爆のためのカバー等が必要であることから、X線厚さ計93の設置場所が制限されてしまう。その結果、樹脂の塗布位置と検査位置とが物理的に離れてしまい、樹脂の塗布から積層シートの厚さが得られるまでのタクトタイムが長くなってしまうおそれがある。
本開示は、複層シートの作成を開始してから厚さの算出を終了するまでのタクトタイムを短くすることができるシート作成装置およびシート作成方法を提供することを目的とする。
本開示のシート作成装置は、搬送されるシート材に塗布材を塗布して複層シートを作成するシート作成装置であって、放射光を射出する放射光源と、前記放射光を前記複層シートに入射される測定光と参照面に照射される参照光とに分割する分割部と前記複層シートで反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とが干渉した干渉光を検出する干渉検出部と、前記複層シートの長さ方向に対して、第1の入射位置において第1の入射角度の測定光による第1の干渉光の強度プロファイルと、第2の入射位置において前記第1の入射角度と異なる第2の入射角度の測定光による第2の干渉光の強度プロファイルと、を含む少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを平均化した結果に基づいて、前記シート材および前記塗布材の厚さを算出する厚さ算出部と、を備える。
また、本開示のシート材と塗布材で構成されている複層シートの厚さを算出する装置は、放射光を射出する放射光源と、前記放射光を前記複層シートに入射される測定光と参照面に照射される参照光とに分割する分割部と、前記複層シートで反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とが干渉した干渉光を検出する干渉検出部と、前記複層シートの長さ方向に対して、第1の入射位置において第1の入射角度の測定光による第1の干渉光の強度プロファイルと、第2の入射位置において前記第1の入射角度と異なる第2の入射角度の測定光による第2の干渉光の強度プロファイルと、を含む少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを平均化した結果に基づいて、前記シート材および前記塗布材の厚さを算出する厚さ算出部と、を備える。
本開示のシート作成方法は、搬送されるシート材に塗布材を塗布して複層シートを作成するシート作成方法であって、放射光源から放射光を射出する工程と、前記放射光を測定光と参照光とに分割する工程と、前記測定光を光学部材で前記複層シートに射出する工程と、前記参照光を参照面に照射する工程と、前記複層シートで反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とが干渉した干渉光を検出する工程と、前記複層シートの長さ方向に対して、第1の入射位置において第1の入射角度の測定光による第1の干渉光の強度プロファイルと、第2の入射位置において前記第1の入射角度と異なる第2の入射角度の測定光による第2の干渉光の強度プロファイルと、を含む少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを取得するプロファイル取得行程と、前記少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを平均化した結果に基づいて、前記シート材および前記塗布材の厚さを算出する厚さ算出工程と、を含む。
本開示のシート作成装置およびシート作成方法によれば、複層シートの作成を開始してから厚さの算出を終了するまでのタクトタイムを短くすることができる。
本開示の第1の実施の形態におけるシート作成装置の概略構成を示す模式図である。 前記第1の実施の形態および本開示の第2の実施の形態におけるSS-OCT装置の構成を示す模式図である。 前記第1の実施の形態におけるSシート作成方法を示すフローチャートである。 前記第1,第2の実施の形態におけるSS-OCT装置の対物レンズと複層シートとの位置関係を示すYZ平面図である。 前記第1,第2の実施の形態におけるSS-OCT装置の検査ロールと複層シートとの位置関係を示すXY平面図である。 前記第1,第2の実施の形態における検査ロール上では異なり、かつ、複層シート上では同一のBスキャン位置でBスキャンを行った場合の測定光と複層シートとの位置関係を示す模式図である。 前記第1,第2の実施の形態における検査ロール上では異なり、かつ、複層シート上でも異なるBスキャン位置でのBスキャンを行った場合の測定光と複層シートとの位置関係を示す模式図である。 前記第1,第2の実施の形態における複層シートの搬送速度が低下した状態において、検査ロール上で同一、かつ、複層シート上では異なるBスキャン位置でのBスキャンを行った場合の測定光と複層シートとの位置関係を示す模式図である。 前記第1,第2の実施の形態における複層シートにおけるシート材の周期構造を示すYZ平面の断面図である。 前記第1,第2の実施の形態におけるSS-OCT装置の検査ロールと複層シートとの位置関係を示すXY平面図である。 前記第1,第2の実施の形態における複層シートにおけるシート材の周期構造を示すXY平面図である。 前記第1,第2の実施の形態における複層シートにおける測定光の屈折状態を示す模式図である。 前記第1,第2の実施の形態における複層シートの厚さの算出方法の説明図である。 前記第2の実施の形態におけるシート作成装置の概略構成を示す模式図である。 前記第2の実施の形態におけるシート作成方法を示すフローチャートである。 特許文献1に記載の従来技術の説明図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施の形態〕
<シート作成装置の概略構成>
まず、本開示の第1の実施の形態におけるシート作成装置の概略構成について説明する。図1は、本開示の第1の実施の形態におけるシート作成装置の模式図である。なお、以下において、図1に示すXYZ軸を基準にして方向を説明する場合がある。
図1に示すように、シート作成装置1は、シート材11に塗布材12(図6A参照)が塗布された複層シート10を作成し、複層シート10の検査を行う。シート作成装置1は、シート供給リール20と、塗布部30と、巻き取りロール40と、SS-OCT装置50と、シート生成制御部60と、を備える。
シート供給リール20は、回転軸がX軸と平行になるように設けられている。シート供給リール20には、シート材11がロール状に巻かれている。シート材11は、複層シート10の基材となるセロハン樹脂もしくはポリイミド樹脂など樹脂製のシートや、綿や樹脂繊維やガラス繊維によって織られた布もしくは不織布である。シート供給リール20は、塗布部30にシート材11を供給する。
塗布部30は、塗布ロール31と、塗布供給器32と、塗布器33と、を備える。
塗布ロール31は、シート供給リール20よりもシート材11の搬送方向側(-Y方向側)において、回転軸がX軸と平行になるように設けられている。
塗布供給器32は、塗布器33に塗布材12を供給する。塗布材12は、例えば樹脂製の接着剤や、繊維に対する機械的強度の補強や耐候性向上を目的に塗布される充填剤である。
塗布器33は、塗布ロール31の上方(-Z方向側)に設けられている。塗布器33は、塗布供給器32から供給される塗布材12を、塗布ロール31上で搬送されるシート材11に塗布することによって、シート材11に塗布材12が積層された複層シート10が形成される。複層シート10は、測定対象物の一例である。複層シート10は、例えば、粘着テープである。
なお、塗布材12をシート材11に塗布する手法は、塗布器33に用いずに、例えば塗布材12が満たされた槽の中をシート材11を通過させることで塗布する手法を用いてもよいし、別途、塗布材12が塗布されたロールをシート材11に接触させることで塗布する手法を用いてもよい。また、塗布材12をシート材11の両面に塗布してもよい。さらに、複層シート10を、基材と樹脂層の2層で構成しているが、複数の塗布層や複数の基材による多層構造で構成してもよい。また、シート材11への塗布材12の塗布後に、ヒーターや温風等による塗布材12の乾燥工程を設けてもよい。
巻き取りロール40は、塗布器33によりもシート材11の供給方向側(-Y方向側)において、回転軸がX軸と平行になるように設けられている。巻き取りロール40は、モータなどの駆動によって回転することによって、複層シート10を巻き取る。なお、複層シート10を巻き取りロール40で巻き取る工程を設けずに、一定の長さのシート状にカットするカット工程を設けてもよいし、連続的にその後の工程に連結されていてもよい。
SS-OCT装置50は、複層シート10を構成するシート材11および塗布材12の厚さの算出に用いる各種情報をシート生成制御部60に出力する。SS-OCT装置50の詳細な構成については後述する。
シート生成制御部60は、シート作成装置1全体の動作を制御する。シート生成制御部60は、動作制御部61と、厚さ算出部62と、判定部63と、記憶部64と、表示部65と、を備える。
動作制御部61は、複層シート10の生成動作を制御する。
厚さ算出部62は、SS-OCT装置50からの情報に基づいて、シート材11および塗布材12の厚さを算出する。
判定部63は、厚さ算出部62での厚さの算出結果に基づいて、複層シート10の良否(OKかNGか)を判定する。
記憶部64は、複層シート10に付された製造番号等と関連付けて、当該複層シート10がNG品である旨を記憶する。
表示部65は、判定部63における判定結果に基づいて、複層シート10がOK品かNG品かを表示する。
<SS-OCT装置について>
次に、SS-OCT装置50について説明する。図2は、SS-OCT装置の構成を示す模式図である。
SS-OCT装置50は、検査装置の一例である。SS-OCT装置50とは、波長走査型オプティカルコヒーレンストモグラフィー(SS-OCT:Swept Source Optical Coherence Tomography)を用いた光干渉信号測定装置のことである。OCT(Optical Coherence Tomography)とは、光の干渉現象を利用した測定法である。OCTでは、光源からの放射光を参照光と測定光Lとに分割して、参照光を参照面に入射させ、測定光Lを測定対象物に入射させる。そして、参照面で反射した参照光と、測定対象物で反射した測定光Lとを干渉させることで干渉信号を検出する。検出した干渉信号に基づいて、測定対象物の位置を検出する。
OCTには、大別して、参照面の走査が必要な時間領域OCT(TD-OCT:Time Domain Optical Coherence Tomography)と参照面の走査が不要な周波数領域OCT(FD-OCT:Fourier Domain Optical Coherence Tomography)との2種類がある。また、FD-OCTの中にも、スペクトロメータタイプと波長走査型タイプの2つがある。特に、波長走査型タイプのFD-OCTは、SS-OCTと呼ばれる。SS-OCTでは、光源から射出される光の周波数を時間的に変化させながら干渉光の検出を行う。
SS-OCT装置50は、検査ロール51と、測定ヘッド52と、光ファイバ干渉計53と、を備える。
検査ロール51は、塗布ロール31と巻き取りロール40との間において、回転軸がX軸と平行になるように設けられている。検査ロール51には、複層シート10が抱き角αをもって接触するように設けられている。検査ロール51と複層シート10の接触する面は、円弧面511となる。
測定ヘッド52は、光学部材の一例として機能する。測定ヘッド52は、照射コリメートレンズ521と、ガルバノミラー対522と、対物レンズ523と、駆動部524と、を備える。
照射コリメートレンズ521は、光ファイバ干渉計53の後述する第2のサーキュレータ536と接続されている。照射コリメートレンズ521は、第2のサーキュレータ536から入射された測定光Lを平行光にする。この平行光は、ガルバノミラー対522に射出される。
ガルバノミラー対522は、検査ロール51の上方に設けられている。ガルバノミラー対522は、X軸に平行な回転軸を有する第1のミラーと、Y軸に平行な回転軸を有する第2のミラーと、を備える。ガルバノミラー対522は、照射コリメートレンズ521から入射された平行光を反射して、対物レンズ523に射出する。
対物レンズ523は、ガルバノミラー対522と検査ロール51との間に設けられている。対物レンズ523は、ガルバノミラー対522から入射された平行光を集光して、複層シート10に照射する。ここで、対物レンズ523は、ガルバノミラー対522とによってテレセントリック光学系を構成するように設けられている。このため、ガルバノミラー対522の第1のミラーや第2のミラーの動きによって、測定光Lの入射位置は、XY平面(水平面)内で変わるものの、測定光Lの入射位置への入射角度は、変化しない。
駆動部524は、ガルバノミラー対522の第1のミラーおよび第2のミラーを動かして、複層シート10に対する測定光Lの入射位置を調整する。
以上のような測定ヘッド52の構成によって、第2のサーキュレータ536から照射コリメートレンズ521に入射された測定光Lは、上述のように、ガルバノミラー対522を経て対物レンズ523で集光され、複層シート10の表面に入射する。複層シート10の表面、内部および裏面と、検査ロール51とで反射(又は後方散乱)した測定光Lは、対物レンズ523、ガルバノミラー対522および照射コリメートレンズ521を経て、第2のサーキュレータ536に射出される。
光ファイバ干渉計53は、光源ユニットの一例として機能する。光ファイバ干渉計53は、放射光源531と、第1のカプラ532と、第1のサーキュレータ533と、参照コリメートレンズ534と、参照面535と、第2のサーキュレータ536と、第2のカプラ537と、差動アンプ538と、OCT演算処理部539と、を備える。
放射光源531は、放射光を射出する。放射光源531は、放射光の波長を変化させることができるように構成されている。放射光源531の光射出口は、第1のカプラ532の光受入口に接続されている。
第1のカプラ532は、入射される光を固定比率で2分割する分割部の一例として機能する。第1のカプラ532は、第1の光送出口と、第2の光送出口と、を有する。第1光送出口は、第1のサーキュレータ533に接続されている。第2光送出口は、第2のサーキュレータ536に接続されている。このような構成により、放射光源531から第1のカプラ532に入射された放射光は、参照光と測定光Lとに分割される。参照光は、第1のサーキュレータ533に射出され、測定光Lは、第2のサーキュレータ536に射出される。
第1のサーキュレータ533は、第2のカプラ537の光受入口に接続されている。第1のサーキュレータ533は、第1のカプラ532から入射された参照光を参照コリメートレンズ534に射出する。参照コリメートレンズ534に入射された参照光は、参照面535で反射し、参照コリメートレンズ534を介して第1のサーキュレータ533に射出される。第1のサーキュレータ533は、参照面535で反射した参照光を第2のカプラ537に射出する。
第2のサーキュレータ536は、第2のカプラ537の光受入口に接続されるとともに、測定ヘッド52の照射コリメートレンズ521の光受入口に接続されている。第2のサーキュレータ536は、第1のカプラ532から入射される測定光Lを測定ヘッド52に射出する一方、測定ヘッド52からの測定光Lを第2のカプラ537に射出する。
第2のカプラ537は、差動アンプ538に接続されている。第2のカプラ537は、第1のサーキュレータ533からの参照光と、第2のサーキュレータ536からの測定光Lとによる干渉光を形成する。つまり、第2のカプラ537は、合波手段の一例として機能する。
差動アンプ538は、第2のカプラ537で形成された干渉光の光ビート信号をOCT演算処理部539に差動伝送する。放射光源531から射出される放射光の周波数は、時間経過に応じて変化している。このため、第2のカプラ537において干渉する参照光と測定光Lとの間に、時間遅れ量に応じた周波数差が生ずる。この周波数差が干渉光の光ビート信号となる。
OCT演算処理部539は、アナログ/デジタル変換回路(アナログ/デジタル変換部)539Aと、フーリエ変換回路(フーリエ変換部)539Bと、演算部539Cとを備える。フーリエ変換回路539Bは、干渉検出部として機能し、演算部539Cは、プロファイル取得部として機能する。
アナログ/デジタル変換回路539Aは、差動アンプ538に接続されている。アナログ/デジタル変換回路539Aは、差動アンプ538で形成された干渉光の光ビート信号の時間波形をアナログからデジタルに変換する。
フーリエ変換回路539Bは、アナログ/デジタル変換回路539Aに接続されている。フーリエ変換回路539Bは、アナログ/デジタル変換回路539Aからの干渉光の光ビート信号を検出する。フーリエ変換回路539Bは、検出した信号をフーリエ変換して、周波数解析を行うことによって、干渉光の強度分布を表すSS-OCT信号を得る。
演算部539Cの入力部は、フーリエ変換回路539Bに接続されている。演算部539Cは、フーリエ変換回路539Bから入力された情報(SS-OCT信号)に基づいて、測定光Lの入射位置における反射信号強度プロファイルを算出する。この測定光Lが入射した1点の位置における、入射方向1次元の反射信号強度プロファイルを取得するプロセスをAスキャンという。
演算部539Cの出力部は、放射光源531と、測定ヘッド52のガルバノミラー対522などの駆動部524と、シート生成制御部60と、に接続されている。演算部539Cは、駆動部524を制御して、ガルバノミラー対522を動作させることで、測定光Lの入射位置を変化させつつ上記のAスキャンを行うことで、直線状に変化させた測定光L入射位置における反射信号強度プロファイルを取得し、2次元画像化する。この2次元画像化された、複数の測定光入射位置における反射信号強度プロファイルを取得するプロセスをBスキャンといい、得られた2次元画像をBスキャン画像と言う。シート生成制御部60では、演算部539Cの制御によるAスキャンもしくはBスキャンで得られた情報に基づいて、厚さの算出などの所定の動作を行う。
なお、第1の実施の形態および後述する第2の実施の形態において、前記TD-OCTを採用してもよい。ただし、厚さ測定の速度を高めるために、上記Aスキャンと呼ばれる1次元の走査として、例えば、10kHz以上で実施可能なSS-OCT、もしくはSD-OCTを用いることが好ましい。
<測定ヘッドの設置位置とスキャン方向について>
次に、測定ヘッド52の設置位置とスキャン方向について説明する。上述したように、複層シート10は、検査ロール51の外周面と抱き角αで接触している。測定ヘッド52は、ガルバノミラー対522の動作範囲内で、検査ロール51と複層シート10が接する円弧面511に対し、垂直に測定光Lを入射できるよう設置されている。このような構成にすれば、空気と複層シート10の間で測定光Lが屈折することを抑制でき、より正確に厚さを測定できる。ガルバノミラー対522の第2のミラーの回転軸は、Y軸に対して平行に配置されている。このように構成すれば、測定光Lの入射位置を検査ロール51の軸方向、つまりX軸方向に移動したBスキャンを実施することができる。
<シート作成方法>
次に、シート作成装置1によるシート作成方法について説明する。図3は、シート作成方法を示すフローチャートである。
まず、図1に示すように、シート供給リール20に巻かれたシート材11を、巻き取りロール40に設置する(ステップS1)。このステップS1は、作業者により実施されても良いし、シート材11を把持する把持手段により自動的に実施されても良い。ここで、シート材11の巻き取りロール40への設置方法としては、例えば、巻き取りロール40に設けられた開閉式のスリットに、シート材11を保持させる。
次いで、複層シート10を生成する(ステップS2)。具体的には、シート生成制御部60の動作制御部61は、巻き取りロール40を半時計周り方向に回転させて、シート材11を搬送すると同時に、塗布材12を塗布供給器32から塗布器33へ送り込む。ここで、塗布材12を送り込む方法としては、圧縮エアーなどによる圧送でもよいし、ダイアフラムポンプなどポンプでもよい。これにより、シート材11の表面に塗布材12が塗布されることで、複層シート10が生成される。生成された複層シート10は巻き取りロール40に連続的に巻き取られる。
次いで、SS-OCT装置50は、複層シート10に対して、当該複層シート10を搬送しながらSS-OCT測定を実施する(ステップS3)。このSS-OCT測定の詳細を以下に説明する。
まず、SS-OCT装置50は、放射光源531から放射する放射光の波長を変化させつつ、測定を実施する。波長を変化させる範囲としては、例えば、シート材11や塗布材12に対する透過性を高めるために、1550nm±100nmの範囲とする。この放射光源531の動作は、演算部539Cにより制御される。放射光源531からの放射光は、複層シート10の表面へ-Z方向から入射する。なお、放射光源531から放射する放射光の波長を、1550nm±100nmの範囲外の波長としてもよい。また、放射光源531から、1550nm±100nmの範囲内の複数の波長の光を含む放射光を射出するようにしてもよく、この場合、1つの光源で複数の波長の光を含む放射光を射出してもよいし、互いに異なる波長の光を射出可能な複数の光源を用いてもよい。
複層シート10へ入射した測定光Lは、複層シート10の表面、内部および裏面と、検査ロール51と、で反射(又は後方散乱)する。複層シート10で反射した測定光Lは、第2のカプラ537へと進む。第2のカプラ537では、複層シート10で反射した測定光Lと、参照面535で反射した参照光とが干渉して干渉光が形成される。その干渉光の光ビート信号は、差動アンプ538を介してOCT演算処理部539のフーリエ変換回路539Bで検出される。
OCT演算処理部539の演算部539Cは、検出した光ビート信号を周波数解析して、SS-OCT信号を取得し、このSS-OCT信号に基づいて、Bスキャン画像を算出する。このBスキャン画像は、上述のように2次元画像化された反射信号強度プロファイルである。演算部539Cで得られたBスキャン画像は、測定光Lの入射位置と共にシート生成制御部60に出力される。なお、複層シート10における測定光Lの入射位置が検査ロール51に接触しているため、当該入射位置は振動に対して安定する。その結果、高精度な検査が可能となる。
OCT装置において、上述のように、測定光(放射光)Lとして波長1550nm±100nmの赤外光を用いた場合、測定光Lは樹脂を透過することができる。測定光Lが樹脂を透過した場合、樹脂内部において、樹脂内部のフィラー等の添加物や樹脂内部の屈折率の不均一性により散乱光が生じる。この散乱光同士が強め合い、ランダムなスペックルパターンが発生する。このスペックルパターンは、後述するステップS4での厚さΔZs,ΔZtの算出に悪影響を与えるため、好ましくない。このため、ステップS3の処理では、シート生成制御部60の厚さ算出部62は、複層シート10に対し、少なくとも複数の角度から測定光Lを射出してBスキャンを実施し、スペックルの発生パターンが異なる複数枚のBスキャン画像を得、それを平均化することでスペックルを除去した平均化画像を得る。この平均化処理については後述する。
次いで、シート生成制御部60の厚さ算出部62は、得られた平均化画像に基づいて、シート材11の厚さΔZsと塗布材12の厚さΔZtを算出する(ステップS4)。厚さΔZs,ΔZtの算出の具体的な説明は後述する。
次いで、判定部63は、ステップS4で算出された厚さΔZs,ΔZtがOK範囲内であるか否かを判定する(ステップS5)。OK範囲とは、製品を良品とみなすことのできる範囲であり、具体的には、品質に問題のない厚さΔZs,ΔZtの範囲である。このOK範囲は、記憶部64に予め記憶されている。予め記憶されたOK範囲の詳細は後述する。
判定部63は、厚さΔZs,ΔZtがOK範囲内でない(OK範囲外である)と判定した場合(ステップS5:NO)、NG信号を表示部65に出力する(ステップS6)。表示部65は、形成した複層シート10がNGである旨を表示する(ステップS7)。さらに、判定部63は、複層シート10に付された製造番号等とNGである旨を示す情報とを関連付けて、記憶部64に記憶させる(ステップS8)。このように構成することで、後工程において、記憶部64に記憶された情報と複層シート10の製造番号等とを照らし合わせることで、NG品を廃棄できる。
判定部63で厚さΔZs,ΔZtがOK範囲内であると判定した場合(ステップS5:YES)、動作制御部61は、複層シート10が完成したか否かを判定する(ステップS9)。複層シート10が完成したか否かの判定は、動作制御部61が巻き取りロール40に接続されたエンコーダなどからの情報に基づいて実施する。例えば、動作制御部61は、巻き取りロール40の回転回数をエンコーダからの情報から求め、この回転回数が予め記憶部64に記憶された回数に達したか否かを判定する。予め記憶された回数は、例えば、10回とする。
動作制御部61は、複層シート10が完成していないと判定した場合(ステップS9:NO)、複層シート10の生成を終了せずに、ステップS3へ戻り、SS-OCT測定を再度実施する。
動作制御部61は、複層シート10が完成したと判定した場合(ステップS9:YES)、または、ステップS8の処理が実施された場合、塗布器33の塗布動作を終了させ、シート供給リール20から塗布ロール31に至るまでの間のシート材11を、図示しない切断部で切断し(ステップS10)、動作を終了する。
なお、ステップS7やステップS8の工程を実施する際に、ステップS10の工程を同時に実施してもよい。また、ステップS3~ステップS5の工程は、検査工程の一例である。第1の実施の形態において、複層シート10を生成する最中に検査工程を同時に実施することで、複層シート10の生成を開始してから検査を終了までに要する時間を短縮できる。
<複数のBスキャン画像の平均化処理における測定光のY方向の位置について>
次に、ステップS3の複数のBスキャン画像の平均化処理における測定光のY方向の位置について説明する。図4Aは、SS-OCT装置の対物レンズと複層シートとの位置関係を示すYZ平面図である。図4Bは、SS-OCT装置の検査ロールと複層シートとの位置関係を示すXY平面図である。図5Aは、検査ロール上では異なり、かつ、複層シート上では同一のBスキャン位置でBスキャンを行った場合の測定光と複層シートとの位置関係を示す模式図である。図5Bは、検査ロール上では異なり、かつ、複層シート上でも異なるBスキャン位置でのBスキャンを行った場合の測定光と複層シートとの位置関係を示す模式図である。図5Cは、複層シートの搬送速度が低下した状態において、検査ロール上で同一、かつ、複層シート上では異なるBスキャン位置でのBスキャンを行った場合の測定光と複層シートとの位置関係を示す模式図である。
複数枚のBスキャン画像を平均化する際、複層シート10の面内における厚さのバラツキがあると、Bスキャン画像に対応するBスキャンの位置が異なるほど、スペックルの発生パターンも異なるものの、異なる部位のBスキャン画像同士を平均化することになるため、ステップS4で行う厚さΔZs,ΔZtの算出精度が低くなってしまう。
(A:検査ロール上では異なり、かつ、複層シート上では同一のBスキャン位置でのBスキャンで得られるBスキャン画像の平均化)
第1,第2の実施の形態では、検査ロール51におけるBスキャン位置を複層シート10の搬送方向、すなわちY方向に平行にずらし、複層シート10からみて同一のBスキャン位置に対して、同一の条件でBスキャンを行うことで、Bスキャン画像を取得する。このずらし量は、複層シート10の搬送速度に基づいて、シート生成制御部60の厚さ算出部62により決定される。
図4Aおよび図4Bに示すように、検査ロール51の半径をr、検査ロール51の中心を通りかつ重力方向に延びる線を中心線C、第1のBスキャン時に測定光Lが入射する検査ロール51上の位置(以下、「第1のBスキャン位置」という場合がある)51Aと検査ロール51の中心とを結ぶ線と、Z軸に平行な重力方向(中心線C)との成す角度をθ1、第1のBスキャン位置51Aから中心線Cまでの水平方向(Y方向)に沿う距離をX1とした場合、r、θ1、X1は、以下の式(1)を満たす。
X1=r×cosθ1・・・(1)
X1は、検査ロール51と測定ヘッド52との位置関係が固定であれば、既知の値となるため、θ1も既知の値となる。
Bスキャンが行われる時間間隔における検査ロールの回転角度Δθ、第2のBスキャン時に測定光Lが入射する検査ロール51上の位置(以下、「第2のBスキャン位置」という場合がある)51Bから中心線Cまでの水平方向(Y方向)に沿う距離をX2とした場合、r、θ1、Δθ、X2は、以下の式(2)を満たす。
X2=r×cos(θ1+Δθ)・・・(2)
第1のBスキャン位置51Aが上記式(1)を満たす位置になり、第2のBスキャン位置51Bが上記式(2)を満たす位置になるように、厚さ算出部62は、駆動部524を制御して、ガルバノミラー対522を動作させる。
第1のBスキャンおよび第2のBスキャンにより得られる2つのBスキャン画像は、検査ロール51上では異なるBスキャン位置を示す画像ではあるが、図5Aに示すように、複層シート10からみると測定光Lの入射位置が同じであり、入射角度が異なる画像となる。複層シート10が検査ロール51の円弧面511に沿って曲がっている効果により、第1のBスキャンにおける測定光L1の入射角度はθ1となり、第2のBスキャンにおける測定光L2の入射角度はθ2となる。このため、2つのBスキャン画像のスペックル発生パターンは異なるので、この2つのBスキャン画像を平均化することで、スペックルを除去することができる。また、同じ測定位置であることは維持されるので、ステップS4で行う厚さΔZs,ΔZtの算出精度を低下させることもない。
複層シート10における検査ロール51に沿って曲がらずに直線的に搬送されている部位、例えば検査ロール51と塗布ロール31の中間に位置する部位に対して、同一の条件で第1,第2のBスキャンを行うと、2つのBスキャン画像における測定光の入射角度もそれぞれ等しくなる。このため、スペックルの発生パターンも等しくなってしまい、スペックルを除去することができず、好ましくない。
なお、Bスキャン位置の移動は、ガルバノミラー対522の角度を可変させることにより行うことができるが、ガルバノミラー対522を用いなくても、ステッピングモータ等の機構を設け、測定ヘッド52そのものを移動させてもよい。
(B:検査ロール上では異なり、かつ、複層シート上でも異なるBスキャン位置でのBスキャンで得られるBスキャン画像の平均化)
複層シート10の平面内における厚さにバラツキがない場合は、複数のBスキャンにおける測定光の入射位置が大きく異なってもよい。この場合、測定光の入射位置は、例えばそのスポット径以上に大きくずらす方が、スペックルを除去する効果を高めることができ好ましい。
その際、図5Bに示すように、複層シート10における第1のBスキャンの測定光L1の入射位置に対し、第2のBスキャンの測定光L2の入射位置が、複層シート10の搬送方向の後方に位置するようにすると、ガルバノミラー対522の角度の変更量を抑えつつ大きな測定光の位置の差を生じさせることができ、また、測定光が同一部位に入射することを確実に避けることができ、スペックルパターンに大きな差を作れるため好ましい。しかし、第1のBスキャンの測定光L1の入射位置に対し、第2のBスキャンの測定光L2の入射位置を、複層シート10の搬送方向の前方に位置させてもよい。このような構成にすれば、複層シート10の同一の部位を別角度から入射される測定光を用いて測定することができる。また、第1のBスキャンの測定光L1の入射位置と第2のBスキャンの測定光L2の入射位置との間隔は、第1のBスキャンの測定光L1の入射を開始してから、第2のBスキャンの測定光L2の入射を開始するまでに複層シート10が搬送される距離と同じであることが好ましい。このような構成にすれば、複層シート10の搬送中に、同一の部位に測定光を入射させることができ、Bスキャンの位置を同じにすることができる。その結果、同じ部位のBスキャン画像同士を平均化することができ、ステップS4で行う厚さΔZs,ΔZtの算出精度の低下を抑制できる。第1,第2のBスキャンを行うに際し、図5Aに示す場合では、複層シート10における測定光の入射角度が異なるものの入射位置が同じであったのに対し、図5Bに示す場合では、測定光の入射角度(第1のBスキャンにおける測定光L1の入射角度θ1≠第2のBスキャンにおける測定光L2の入射角度θ2)および入射位置の両方が異なる。
(C:検査ロール上で同一、かつ、複層シート上では異なるBスキャン位置でのBスキャンで得られるBスキャン画像の平均化)
複層シート10の平面内における厚さにバラツキがない場合でも、検査ロール51における同一位置をBスキャンし続けることは、外乱や張力の変動による複層シート10のたるみ等で、複層シート10が瞬間的に停止もしくは搬送速度が低下してしまった際に、測定光の入射位置が同一もしくは極めて近くなり、スペックルを十分に除去できない可能性が生じるため好ましくない。
この場合、図5Cに示すように、複層シート10における第1のBスキャンの測定光L1の入射角度と、第2のBスキャンの測定光L2の入射角度とは、同じになり、測定光L1,L2の入射位置の差は、搬送速度にそれぞれのBスキャンの時間間隔を乗じた長さになる。このように、張力の変動等で搬送速度が0付近になると、第1のBスキャンと第2のBスキャンとで同じスペックルパターンが発生し、好ましくない。
なお、ここでは、2つのBスキャン画像を平均化しているが、同様に2つ以上の複数枚のBスキャン画像を平均化してもよい。
<X方向に一様ではない構造を持つ複層シートの複数のBスキャン画像の平均化処理における測定光のY方向の位置ついて>
次に、ステップS3の複数のBスキャン画像の平均化処理であって、X方向(幅方向)に一様ではない構造を持つ複層シートのBスキャン画像の平均化処理における測定光のY方向の位置について説明する。図6Aは、複層シートにおけるシート材の周期構造を示す
YZ平面の断面図である。図6Bは、SS-OCT装置の検査ロールと複層シートとの位置関係を示すXY平面図である。図6Cは、複層シートにおけるシート材の周期構造を示すXY平面図である。
複層シート10におけるY方向の位置が同一の位置であっても、X方向の位置によって異なるBスキャン画像が得られる。例えば、図6Aに示すように、シート材11の表面に、塗布材12との密着性を高めるための、X方向に周期的な凹凸構造が設けられている場合について考える。図6Bに示すように、X方向と平行な線に沿いかつY方向の位置が異なる第1,第2のBスキャン位置51C,51DにおけるBスキャン画像を得る場合、シート材11のX方向の周期構造の位相がY方向の位置に関係なく常に一定であれば、Bスキャン画像におけるX方向の周期構造も、測定位置(第1,第2のBスキャン位置51C,51D)に関わらず一定である。
しかし、一般にシート材11の搬送方向は、EPC(エッジポジションコントローラ)等の装置を使わない限り、周期構造の特定の位相部分(例えば、周期構造の山の部分)が搬送方向に沿って存在するような方向にはならず、図6Cに示すように、周期構造の特定の位相部分Pが搬送方向に対してθz方向に角度θsだけ傾いて存在するような方向になることがある。
この場合、そのまま第1,第2のBスキャン位置51C,51DにおけるBスキャン画像を用いて平均化処理を行うと、測定光の入射位置が異なるためスペックルの除去は可能だが、2つのBスキャン画像におけるシート材11の構造が異なるため、平均化によって画像が不明瞭になり、厚さΔZs,ΔZtの算出精度が低下する。
そこで、シート材11の搬送距離と角度θsに基づいて、Y方向の補正を行う。具体的には、同じ位置を計測できるように、2回のBスキャンの間のシート材11の搬送距離Dと角度θsに基づいて、以下の式(3)を満たす距離Mだけ、第2のBスキャン位置51Dを第1のBスキャン位置51Cに対して、Y方向にオフセットすることで、2つのBスキャン画像における周期構造の位相のズレをなくすことができる。
M=D×tanθs・・・(3)
θsは、2つのBスキャン画像のX方向の位相差に基づいて取得されてもよいし、シート材11のX方向エッジの位置を変位計(図示しない)で検出した結果に基づいて取得されてもよい。
なお、ここではシート材11の表面構造における位相を考慮に入れた場合について説明したが、シート材11そのものの繊維構造などの位相を考慮に入れて、上述のような第1,第2のBスキャン位置51C,51Dの調整を行ってもよい。また、シート材11の表面が周期構造はでなく、非周期的な構造の場合にも、上述のような第1,第2のBスキャン位置51C,51Dの調整を行ってもよい。さらに、図4A~4B、図5A~5Bに基づき説明した複数のBスキャンにおける測定光の調整と、図6A~6Cに基づき説明した複数のBスキャンにおける測定光の調整と、を組み合わせて実施してもよい。
<Bスキャン位置の高さに基づくBスキャン画像の補正について>
次に、Bスキャン位置の高さに基づくBスキャン画像の補正について説明する。第1のBスキャン位置51Aと第2のBスキャン位置51Bとの間において、Z方向の高さにオフセットが生じる場合がある。これは、複層シート10のY方向に沿う形状が直線でないことに起因する。これらの高さが異なる第1,第2のBスキャン位置51A,51Bで得られたBスキャン画像を平均化すると、ステップS4で行う厚さΔZs,ΔZtの算出精度を低下させることになる。Bスキャン画像で補正した後に平均化することで、厚さΔZs,ΔZtの算出精度を高めることができる。
図4Aに示すような場合、第1のBスキャン位置51Aの高さと第2のBスキャン位置51Bの高さの差Hは、以下の式(4)に基づき求められるため、第2のBスキャン位置51BのBスキャン画像を、Z方向に差Hだけオフセットする。
H=r×{sinθ1-sin(θ1+Δθ)}・・・(4)
例えば、高さ方向(Z方向)の100画素の画像のうち、第1のBスキャン画像で高さ50画素目に複層シート10が写っており、第2のBスキャン画像では高さの差HだけZ方向にずれて、55画素目に複層シート10が写っているとする。この場合、第2のBスキャン画像のZ画素を5画素削ることで、第1のBスキャン画像と第2のBスキャン画像における複層シート10の高さを揃える。なお、第1のBスキャン画像に、高さ方向に5画素を余分に与えることで、第1のBスキャン画像と第2のBスキャン画像における複層シート10の高さを揃えてもよい。
<測定光の入射角に基づくBスキャン画像の補正について>
次に、測定光の入射角に基づくBスキャン画像の補正について説明する。図7Aは、複層シートにおける測定光の屈折状態を示す模式図である。
複層シート10に対する測定光の入射角度が垂直でないことと、空気に対して複層シート10の屈折率が高いことにより、屈折が生じることを補正する。正確には複層シート10のうち塗布材12とシート材11で屈折率はわずかに異なるが、空気と樹脂材との屈折率差に比べてはるかに小さいことから、簡単に複層シート10は一律の屈折率nを持つとする。
例えば、図7Aに示すように、角度θ3で入射した測定光Lは複層シート10での屈折により、角度θ4で複層シート10に入射する。その屈折光の光路長をD4とする。θ3とθ4は、以下の式(5)のの関係を有する。
sinθ3=n×sinθ4・・・(5)
式(5)において、θ3は図4Aおよび図4Bにおいて、Bスキャン位置と検査ロール51の位置との関係より既知であり、屈折率nも既知であるため、θ4も得ることができる。このnおよびθ4を用いて、SS-OCT測定のBスキャン画像のZ軸に、以下の係数βを乗ずることで、真の厚さTに変換する。得られた光路長D4に対して複層シート10の実際の厚さTを以下の式(6)に基づき得ることができるため、係数βは、以下の式(7)で得られる値になる。
T=(D4/n)×cosθ4・・・(6)
β=1/n×cosθ4・・・(7)
ここで、Bスキャン位置の高さおよび測定光の入射角に基づくBスキャン画像の補正量を、検査ロール51が円筒状であることを前提として算出しているが、実際の測定値、例えば、各Bスキャン位置における複層シート10の表面位置および裏面位置の深さ方向の画素値を用いる等して、事前にテーブルとして保持し、このテーブルに基づいて算出してもよい。
<厚さZの算出方法について>
次に、複層シートの厚さの算出方法について説明する。図7Bは、複層シートの厚さの算出方法の説明図である。厚さ算出部62は、得られたBスキャン画像に基づいて、図7Bに示すように、空気と塗布材12との界面位置をZ1、塗布材12とシート材11との界面位置をZ2、シート材11と裏面空気もしくは検査ロール51との界面位置をZ3として測定する。この測定には、例えばZ方向の信号強度のピーク位置を用いてもよいし、SS-OCT信号に対するエッジ検出など他の信号処理方法を用いてもよい。また、X方向およびY方向の積分などフィルタをかけて、測定精度を高めてもよい。
なお、第1,第2の実施の形態では、厚さΔZs,ΔZtを算出すればよいため、界面位置Z1,Z2,Z3が分かればよく、例えば界面位置Z2と界面位置Z3の間に対応するSS-OCT信号が、シート材11もしくは塗布材12どちらからのSS-OCT信号であるかを区別する必要はない。ただし、シート材11と塗布材12の内部において測定光に対する散乱光の強度が異なることを利用して、両者を区別してもよい。具体的には、シート材11は内部が均一なのに対して、塗布材12は混合物などにより散乱が大きいとき、図7Bに示すように、界面位置Z1から界面位置Z2の間の信号強度が界面位置Z2から界面位置Z3の間の信号強度よりも強いことを利用してもよい。
得られた界面位置Z1,Z2,Z3から、Z2-Z1が塗布材12の屈折率を含んだ光学厚さとなり、Z3-Z2がシート材11の屈折率を含んだ光学厚さとなる。これらの光学厚さをシート材11および塗布材12の既知の屈折率で除することで、それぞれの物理厚さΔZs,ΔZtを得られる。ここでの物理厚さΔZs,ΔZtは、2回のBスキャンで得られたX方向の平均の厚さである。なお、例えばBスキャンのX方向の部位ごとに区切った最小や最大の厚さとしてもよい。
上記測定を、シート生成制御部60により、巻き取りロール40を回転駆動しつつ塗布器33を駆動させることで、巻き取りロール40の回転角度θを変えながら継続して行う。これにより、複層シート10の作成終了までの全ての回転角度θにおける厚さΔZs,ΔZtを測定する。
<複層シートの良否判定について>
複層シート10を接着シートとした場合、厚さΔZt,ΔZsが一定の大きさ以上でなければ複層シートとしての機能を果たせない場合がある。例えば、シート材11の厚さΔZsが薄いと強度が不足したり、接着剤である塗布材12の厚さΔZtが薄いと接着力が不足したりする場合がある。このため、一定の大きさの閾値として、第1,第2の実施の形態では第1の閾値を用いる。具体的には、第1の閾値と厚さΔZs,ΔZtとを判定部63で比較することにより良否判定を実施する。例えば、第1の閾値を50μmに設定する。
一方、厚さΔZs,ΔZtの値が大き過ぎても不具合が生じる場合がある。つまり、厚さΔZs,ΔZtは、一定の大きさ以下である必要がある。この一定の大きさの閾値として第2の閾値を用いる。例えば、100μmを第2の閾値として設定する。
つまり、第1の閾値以上、かつ、第2の閾値以下をOK範囲として、記憶部64に予め記憶しておく。このOK範囲に基づいて、判定部63は、複層シート10の良否判定を行う。
<第1の実施の形態の作用効果>
第1の実施の形態によれば、干渉光を利用するSS-OCT装置50を用いて、シート材11および塗布材12の厚さΔZs,ΔZtを測定する。このため、SS-OCT装置50を構成する測定ヘッド52に、特許文献1のX線厚さ計93のような防爆のためのカバーを設ける必要がなく、測定ヘッド52の設置場所をシート材11に塗布材12を塗布した位置の近くに設定することができる。したがって、シート作成装置1にて、複層シート10の作成を行いつつ、作成直後の複層シート10の厚さの検査を実施することができるため、複層シート10の作成開始から厚さの検査終了までのタクトタイムを短くすることができる。
〔第2の実施の形態〕
<シート作成装置の概略構成>
まず、本開示の第2の実施の形態におけるシート作成装置の概略構成について説明する。図8は、本開示の第2の実施の形態におけるシート作成装置の模式図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一符号および同一名称を付し、説明を省略する場合がある。
図8に示すシート作成装置1Aは、厚さ調整部70Aをさらに備える点と、シート生成制御部60の代わりにシート生成制御部60Aを設けた点とが、第1の実施の形態のシート作成装置1と異なる。
厚さ調整部70Aは、複層シート10を挟む一対のローラ71Aと、一対のローラ71Aの位置を制御して複層シート10の厚さを変更する移動装置72Aと、を備える。一対のローラ71Aは、塗布ロール31と巻き取りロール40との間において、複層シート10を挟むように設けられている。移動装置72Aの駆動により、一対のローラ71Aのギャップが変わり、複層シート10の厚さが変化する。
シート生成制御部60Aは、フィードバック制御部66Aをさらに備える点が、第1の実施の形態のシート生成制御部60と異なる。フィードバック制御部66Aは、SS-OCT装置50を用いて得られた厚さΔZs,ΔZtに基づく制御量を、厚さ調整部70Aの移動装置72Aにフィードバックする。厚さΔZs,ΔZtと制御量との関係は、関係式又はテーブルとして、記憶部64に予め記憶されている。フィードバック制御部66Aは、予め記憶された関係式又はテーブルを用いて、制御量を決定する。
<シート作成方法>
次に、シート作成装置1Aによるシート作成方法について説明する。図9は、シート作成方法を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と同じステップについては、同一符号を付し、説明を省略する場合がある。
まず、図9に示すように、ステップS1~S9の処理を行う。動作制御部61は、複層シート10が完成したと判定した場合(ステップS9:YES)、ステップS10の処理を行う。
動作制御部61で複層シート10が完成していないと判定された場合(ステップS9:NO)、フィードバック制御部66Aは、ステップS4における厚さΔZs,ΔZtの算出結果に基づいて、一対のローラ71Aの制御量(フィードバック量)を算出する(ステップS21)。フィードバック制御部66Aは、移動装置72Aにフィードバックを実行する(ステップS22)。移動装置72Aは、フィードバック量に基づいて、一対のローラ71Aのギャップを調整する。その後、ステップS3に戻り、SS-OCT装置50によるSS-OCT測定が再度実施される。
〔変形例〕
本開示は、これまでに説明した実施の形態に示されたものに限られないことは言うまでもなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形を加えることができる。
例えば、第1,第2の実施の形態において、以下のような構成を適用してもよい。複層シート10の良否判定の基準に、シート材11と塗布材12に対して、それぞれ上限と下限との閾値を設けてもよい。また、光学厚さを屈折率で除することで実際の厚さΔZs,ΔZtを求めたが、光学厚さをそのままそれぞれ厚さΔZs,ΔZtとして扱い、その厚さΔZs,ΔZtに応じた閾値を設けてもよい。また、1回のBスキャンの結果(1つのBスキャン画像)に基づいて、厚さΔZs,ΔZtを算出してもよいし、少なくとも1回のAスキャンの結果に基づいて、厚さΔZs,ΔZtを算出してもよい。さらに、複層シート10の両表面側、言い換えれば、シート材11側および塗布材12側に測定光を入射させて、これらの測定光を利用して厚さΔZs,ΔZtを測定してもよい。このような構成は、SS-OCT装置50を2つ用いることにより実現できる。シート供給リール20、塗布ロール31および検査ロール51には、それぞれ回転のための駆動源が設けられていないが、これらにモータなどの回転駆動装置を設けてもよい。
第2の実施の形態において、厚さ調整部70Aとして、一対のローラ71Aのギャップを調整する機構を採用しているが、複層シート10のZ軸方向の厚さを調整する調節する機能を持つ他の機構、例えば加熱により複層シート10の厚みを調整する機構や、スクレイパーのような剥離作用により塗布材12のみの厚みを調整する機構を採用してもよい。また、厚さ調整部70Aを、複層シート10を挟むことで複層シート10の厚さを変化させるように構成しているが、これに限られるものではなく、例えばシート材11のみを挟みシート材11の厚さを変化させるように構成してもよいし、塗布器33による塗布厚さのみを変化させてもよいし、シート材11と塗布材12との両方の厚さを同時に変化させてもよい。
また、前記様々な実施の形態又は変形例のうちの任意の実施の形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
上述のように赤外光が樹脂を透過する際にスペックルが生じ、検出される厚さの精度が低下するために、上述のように、シート作成している最中に検査ロール51において、シート材11と塗布材12との厚さを測定するのが、より望ましいが、SS-OCT計測を複層シート10の完成後において使用することも可能である。
本開示のシート作成装置およびシート作成方法は、粘着テープのような複層の帯状又は短冊状のシート材を作成する際に適用できる。
1,1A シート作成装置
10 複層シート
11 シート材
12 塗布材
20 シート供給リール
30 塗布部
31 塗布ロール
32 塗布供給器
33 塗布器
40 巻き取りロール
50 SS-OCT装置
51 検査ロール
51A,51C 第1のBスキャン位置
51B,51D 第2のBスキャン位置
52 測定ヘッド
53 光ファイバ干渉計
60,60A シート生成制御部
61 動作制御部
62 算出部
63 判定部
64 記憶部
65 表示部
66A フィードバック制御部
70A 厚さ調整部
71A ローラ
72A 移動装置
511 円弧面
521 照射コリメートレンズ
522 ガルバノミラー対
523 対物レンズ
524 駆動部
531 放射光源
532 第1のカプラ
533 第1のサーキュレータ
534 参照コリメートレンズ
535 参照面
536 第2のサーキュレータ
537 第2のカプラ
538 差動アンプ
539 OCT演算処理部
539A アナログ/デジタル変換回路
539B フーリエ変換回路
539C 演算部

Claims (16)

  1. 搬送されるシート材に塗布材を塗布して複層シートを作成するシート作成装置であって、
    放射光を射出する放射光源と、
    前記放射光を前記複層シートに入射される測定光と参照面に照射される参照光とに分割する分割部と
    前記複層シートで反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とが干渉した干渉光を検出する干渉検出部と、
    前記複層シートの長さ方向に対して、第1の入射位置において第1の入射角度の測定光による第1の干渉光の強度プロファイルと、第2の入射位置において前記第1の入射角度と異なる第2の入射角度の測定光による第2の干渉光の強度プロファイルと、を含む少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、
    前記少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを平均化した結果に基づいて、前記シート材および前記塗布材の厚さを算出する厚さ算出部と、
    を備えるシート作成装置。
  2. 前記複層シートを挟んで光学部材の反対側において前記複層シートに接触するように設けられた検査ロールをさらに備え、
    前記検査ロールは、その中心軸が前記複層シートの幅方向と平行になるように設けられ、
    前記光学部材は、前記検査ロールにおける前記複層シートが接触している円弧面に向けて測定光を射出するように構成されている、請求項1に記載のシート作成装置。
  3. 前記光学部材は、測定光を円弧面の位置に拘わらず同一方向に射出する、請求項2に記載のシート作成装置。
  4. 前記第1の入射位置と前記第2の入射位置は、同一の入射位置である、
    請求項1に記載のシート作成装置。
  5. 第1の干渉光の強度プロファイルと、第2の干渉光の強度プロファイルは、前記複層シートの同一部位の干渉光の強度プロファイルである、
    請求項1に記載のシート作成装置。
  6. 前記シート材に前記塗布材を塗布する塗布器と、
    前記複層シートを巻き取る巻き取りロールと
    前記塗布器と前記巻き取りロールとの間に位置する前記複層シートに前記測定光を射出するように構成されている光学部材と、をさらに備える、
    請求項1に記載のシート作成装置。
  7. 前記プロファイル取得部は、前記第1の干渉光の強度プロファイルを取得した後、前記第1の入射位置よりも前記複層シートの搬送方向前方の第2の入射位置における前記第2の干渉光の強度プロファイルを取得する、請求項1に記載のシート作成装置。
  8. 前記プロファイル取得部は、前記第1の干渉光の強度プロファイルを取得した後、前記第1の入射位置よりも前記複層シートの搬送方向後方の第2の入射位置における前記第2の干渉光の強度プロファイルを取得する、請求項1に記載のシート作成装置。
  9. 前記第1の入射位置と前記第2の入射位置との間隔は、前記第1の入射位置に測定光の入射を開始してから、前記第2の入射位置に測定光の入射を開始するまでに前記複層シートが搬送される距離と同じである、請求項1に記載のシート作成装置。
  10. 前記シート材および前記塗布材の厚さに基づいて、前記シート材の厚さおよび前記塗布材の厚さのうち少なくとも一方を調整する厚さ調整部をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のシート作成装置。
  11. 前記放射光は、赤外光である、請求項1から10のいずれか一項に記載のシート作成装置。
  12. 前記放射光源は、波長が1550nm±100nmの範囲で周期的に変化する放射光を射出する、請求項1から10のいずれか一項に記載のシート作成装置。
  13. 前記放射光源は、1550nm±100nmの範囲内の複数の波長の光を含む放射光を射出する、請求項1から10のいずれか一項に記載のシート作成装置。
  14. 前記シート材および前記塗布材の厚さに基づいて、前記複層シートの良否を判定する判定をさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のシート作成装置。
  15. 搬送されるシート材に塗布材を塗布して複層シートを作成するシート作成方法であって、
    放射光源から放射光を射出する工程と、
    前記放射光を測定光と参照光とに分割する工程と、
    前記測定光を光学部材で前記複層シートに射出する工程と、
    前記参照光を参照面に照射する工程と、
    前記複層シートで反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とが干渉した干渉光を検出する工程と、
    前記複層シートの長さ方向に対して、第1の入射位置において第1の入射角度の測定光による第1の干渉光の強度プロファイルと、第2の入射位置において前記第1の入射角度と異なる第2の入射角度の測定光による第2の干渉光の強度プロファイルと、を含む少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを取得するプロファイル取得行程と、
    前記少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを平均化した結果に基づいて、前記シート材および前記塗布材の厚さを算出する厚さ算出工程と、
    を含む、シート作成方法。
  16. シート材と塗布材で構成されている複層シートの厚さを算出する装置であって、
    放射光を射出する放射光源と、
    前記放射光を前記複層シートに入射される測定光と参照面に照射される参照光とに分割する分割部と、
    前記複層シートで反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とが干渉した干渉光を検出する干渉検出部と、
    前記複層シートの長さ方向に対して、第1の入射位置において第1の入射角度の測定光による第1の干渉光の強度プロファイルと、第2の入射位置において前記第1の入射角度と異なる第2の入射角度の測定光による第2の干渉光の強度プロファイルと、を含む少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、
    前記少なくとも2つの干渉光の強度プロファイルを平均化した結果に基づいて、前記シート材および前記塗布材の厚さを算出する厚さ算出部と、
    を備える装置。
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