JP4852877B2 - 亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法 - Google Patents

亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法 Download PDF

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本発明は、亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法に係り、さらに詳しくは、排水中の亜硝酸イオンをスルファミン酸で分解除去して、残留窒素、残留CODを低減することができる亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法に関する。
亜硝酸塩系防食剤は、亜硝酸ナトリウムに代表される亜硝酸塩を主成分とし、水と接触する系の鉄系金属の防食に使用される。亜硝酸塩は大気と接触するとニトロバクターの混入により酸化され、防食機能が低下することから、亜硝酸塩系防食剤は一般的には密閉系の水系、たとえば発電所軸受冷却水系、舶用ディーゼルエンジン冷却水系など密閉循環式冷却水系で用いられる。このような亜硝酸塩系防食剤が用いられる系から、ブロー水として亜硝酸塩系防食剤を含有する水が排出され、また、定期点検時等における系内水の全量引抜きによる亜硝酸塩系防食剤を含有する水が排出され、亜硝酸塩系防食剤含有排水が発生する。
排水を放流するに当たっては、環境基準、放流基準あるいは地域ごとに定められた基準により規制され、排水処理が必要となる。亜硝酸塩系防食剤含有排水においては亜硝酸イオンに由来する窒素濃度、COD値が規制値の対象となり、放流に際し、排水中の亜硝酸イオンを除去する必要がある。また、亜硝酸塩系防食剤は副成分として銅用防食剤、有機溶媒を含有する場合もあるが、このような副成分を含む場合は副成分に由来するCOD値をも低減することが望まれる。
従来、亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法として、次亜塩素酸ソーダによる酸化処理方法が知られている。
次亜塩素酸ソーダによる酸化処理方法は、亜硝酸塩系防食剤含有排水に次亜塩素酸ソーダを添加し、排水中の亜硝酸を硝酸に酸化するものである。この酸化処理方法では亜硝酸イオンは硝酸イオンに酸化され、CO値を減少させることはできるが、亜硝酸は硝酸に形を変えただけであり、処理水には窒素化合物が残留し、窒素規制には対応できない。また、亜硝酸塩系防食剤に副成分として銅用防食剤や配合安定性を高めるための有機溶媒が配合されている場合には、副成分に由来するCOを低減するために次亜塩素酸ソーダを過剰に添加する必要があり、その結果、処理水には高濃度の残留塩素が存在する問題を生じていた。
亜硝酸を含有する排水の処理方法として、生物処理がよく知られている。この生物処理方法は、排水を嫌気性雰囲気において亜硝酸還元菌により亜硝酸を窒素ガスまで還元し、除去するものである。窒素成分を除去できる点で望ましいが、生物反応であるため処理装置が大規模になり、また、定期点検時等の非定常時の排水処理には向いていない。
亜硝酸を含有する排水の別の処理方法として、スルファミン酸による亜硝酸イオンの分解方法も知られている。
たとえば、特開昭55−114390号公報に、有機酸洗浄廃液に含まれる亜硝酸塩の除去方法として、廃液にスルファミン酸を添加することにより、廃液のpHを2〜3にするとともに亜硝酸イオンを窒素ガスに分解することが記載されている(特許文献1)。
また、特開平5−138177号公報に、硝酸と亜硝酸とを含む廃水の処理方法として、廃水にスルファミン酸を添加し、pH3以下にして亜硝酸イオンを窒素ガスに還元することが記載さている(特許文献2)。
このように、亜硝酸イオンを酸性域においてスルファミン酸で分解することは知られているが、いずれの場合も亜硝酸イオンを分解するために添加するスルファミン酸自身でpHを低下させるものである。特許文献1の例のように、廃液中の亜硝酸イオン濃度は比較的高濃度である場合には、反応当量のスルファミン酸の添加でpHを低下させることは可能であるが、亜硝酸塩系防食剤含有排水のように比較的低濃度の亜硝酸イオンを含む場合には、反応当量のスルファミン酸の添加では排水のpHは所望のpHまで低下させることは困難である。たとえば、亜硝酸イオン濃度数百mg/Lでは反応当量のスルファミン酸では所望pHにするのは困難であって、所望pHにするには、特許文献2の例のように、過剰のスルファミン酸を添加することになる。その結果、スルファミン酸の過剰添加は、亜硝酸を分解することができるが、未反応のスルファミン酸が処理水中に残留することになり、すなわち、スルファミン酸に由来する窒素成分が処理水中に残留し、窒素規制には対応できないことになる。一方、特許文献2の処理方法において、スルファミン酸の添加量を排水中の亜硝酸イオン濃度に対する反応当量にとどめると、所望のpHに到達せず、亜硝酸の分解は不十分となって亜硝酸イオンに由来する窒素が残留することになる。
亜硝酸塩系防食剤含有排水をスルファミン酸によって処理する場合は、排水のpHを適切に管理することが亜硝酸イオンの分解にとって重要であるが、従来方法では十分に考慮されていなかった。
特開昭55−114390号公報 特開平5−138177号公報
本発明は、亜硝酸塩系防食剤含有排水の亜硝酸イオンを分解して窒素ガスに還元して除去することを目的とし、亜硝酸イオンが残留しないことはもとより、上述した従来方法のような、亜硝酸から生成した硝酸イオンの残留や添加したスルファミン酸の残留がなく、窒素規制、COD規制に対応できる処理水を得るものである。
本発明(請求項1)の亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法は、排水中の亜硝酸イオン濃度が500mg/L以下である亜硝酸塩系防食剤含有排水に、スルファミン酸を排水中の亜硝酸イオン濃度と反応当量の0.8〜1.2倍量を添加するとともに、窒素を含有しない酸を排水pHが2以下となる量を添加して排水中の亜硝酸イオンを分解除去する亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法であって、亜硝酸イオンとスルファミン酸との反応時間を24時間以上とすることにより、処理水中の亜硝酸イオンを20mg/L以下とする
請求項の亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法は、請求項1において、亜硝酸イオンを分解除去した水を活性炭と接触させることを特徴とする。
本発明の亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法(請求項1)によれば、スルファミン酸を排水中の亜硝酸イオン濃度とほぼ反応当量添加するとともに、pH調整に窒素を含有しない酸を使用するので、処理水中にスルファミン酸が残留することはなく、窒素規制に対応できる処理水を得ることができる。また、亜硝酸イオンとスルファミン酸との反応をpH2以下で行うようにしたので、排水中の亜硝酸イオンはスルファミン酸と確実に反応して分解され、亜硝酸イオンに由来するCOD濃度、窒素濃度を十分に低減した処理水が得られる。
請求項では、亜硝酸塩系防食剤含有排水の亜硝酸イオン濃度を500mg/L以下に規定している。このような亜硝酸イオン濃度が比較的低濃度のときは、スルファミン酸を亜硝酸イオン濃度と反応当量添加しても、排水のpHを所望値、たとえば2以下にすることはできないが、この発明では窒素を含有しない酸を添加するので、排水pHを2以下に調整でき、亜硝酸イオンとスルファミン酸との反応を確実に行わせることができる。また、窒素を含有しない酸を使用するので、pH調整剤により処理水の窒素濃度を増加させることはない。
請求項の亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法によれば、亜硝酸塩系防食剤含有排水にスルファミン酸を添加して排水中の亜硝酸イオンを分解除去後、その処理水を活性炭と接触させるようにしたので、亜硝酸塩系防食剤含有排水に亜硝酸イオンに由来するCODのほかに他の成分に由来するCODが存在しても、活性炭に吸着させて除去することができ、COD規制に対応することができる。
以下に本発明の亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法に係る実施形態を詳細に説明する。
本発明において処理対象となる亜硝酸塩系防食剤含有排水は、上述のように、亜硝酸塩、たとえば、亜硝酸ナトリウムを主成分とする亜硝酸塩系防食剤が使用されている水系から排出される排水であり、発電所軸受冷却水系、舶用ディーゼルエンジン冷却水系など密閉循環式冷却水系等から定常的に、あるいは非定常的に排出される。
本発明の好ましい実施態様では、亜硝酸塩系防食剤を含有する排水は、いったん原水貯槽に受け入れられた後、撹拌機を有する反応槽に移送される。反応槽にはスルファミン酸水溶液を貯留したスルファミン酸貯槽からスルファミン酸が供給可能であり、また、窒素を含有しない酸の水溶液を貯留した酸貯槽から酸が供給可能となっている。また、原水貯槽または原水貯槽から反応槽までの任意の位置で、亜硝酸塩系防食剤含有排水中の亜硝酸イオン濃度を測定することが可能とされている。濃度測定は手分析でも、測定計による自動測定でもよい。さらに、反応槽または反応槽からの処理水排出管にpH計を設置し、反応槽内のpHを測定することができるようになっている。
本発明の処理方法においては、反応槽に移送された亜硝酸塩系防食剤含有排水に、スルファミン酸と窒素を含有しない酸とを添加する。
スルファミン酸の添加は、スルファミン酸貯槽から反応槽に供給して行われる。スルファミン酸の添加量は、原水貯槽等であらかじめ測定された排水中の亜硝酸イオン濃度と反応当量の0.8〜1.2倍量のスルファミン酸濃度となるようにする。反応当量は次式に基づいて計算される。
HSO3NH2+NaNO2 → NaHSO4+H2O+N2
スルファミン酸の添加量が反応当量の0.8倍量より少ないと、未反応の亜硝酸イオンが処理水中に残留し、反応当量の1.2倍量より多いと過剰のスルファミン酸が処理水中に残留して、いずれの場合も処理水の窒素濃度を所望濃度にすることが難しくなる。
窒素を含まない酸の添加は、酸貯槽から反応槽に供給して行われる。窒素を含まない酸としては、塩酸、硫酸が使用できる。酸の添加量は反応槽内の水のpHが所望値となるように調整する。所望pHとしては2以下とするのがよい。反応槽内または反応槽から排出された処理水のpHを測定して酸の添加量を制御するのが好ましい。調整したpHが2より高いと、亜硝酸イオンとスルファミン酸との反応が緩慢であり、pHが4以上になると、反応がほとんど進まない。pH2以下であれば、反応が着実に進み、亜硝酸は添加されたスルファミン酸量に応じて分解し、窒素ガスとなって気中に放散される。亜硝酸とスルファミン酸との反応pHは、低いほど反応が進み好ましいが、極端にpHを低くすると、処理水を放流する際の中和剤量が多量に必要となるので、好ましくはpHを0.5〜2に調整する。
反応槽における亜硝酸イオンとスルファミン酸との反応時間は、所望水質に応じて設定でき、2時間以上、好ましくは12時間以上、より好ましくは24時間以上とするのがよく、亜硝酸イオンを所望濃度以下に低減することができる。
亜硝酸塩系防食剤含有排水をスルファミン酸と反応させて得られた処理水は、COD濃度、窒素濃度を規制値以下になっているので、処理水pHを放流可能なpHに中和した後、放流することができる。通常、反応槽から排出される処理水を中和槽に導き、中和槽においてアルカリ、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムを添加し、pHを5.6〜8.7に調整して放流する。
上述のスルファミン酸との反応により、亜硝酸塩系防食剤含有排水中の亜硝酸に由来するCOD濃度、窒素濃度を低減できるが、亜硝酸塩系防食剤に副成分として銅用防食剤を含有する場合は、スルファミン酸による亜硝酸イオンの分解除去後、得られた処理水をさらに活性炭処理することが望ましい。
亜硝酸塩系防食剤に銅用防食剤、たとえば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールなどのアゾール化合物を配合する場合は、亜硝酸塩、アゾール化合物を防食剤組成物として安定に保持するために、親水性有機溶媒、たとえば、エーテル類、アルコール類などの有機溶媒が配合される。このような有機物が配合された亜硝酸塩系防食剤が使用された水系から排出される亜硝酸塩系防食剤含有排水は、亜硝酸に由来するCOD、窒素のほかに、銅用防食剤、有機溶媒に由来する有機性のCOD成分を含有する。このような有機性COD成分はスルファミン酸では除去できない。
本発明においては、有機性のCOD成分を含有する亜硝酸塩系防食剤含有排水を上述のようなスルファミン酸による処理を行い、亜硝酸イオンを分解除去した処理水を、活性炭と接触させる。
活性炭は、粉末状、粒状、繊維状など任意の形状の活性炭を使用でき、また、活性炭と水との接触形式は、活性炭充填層に被処理水を通水するカラム方式でもよく、被処理水に活性炭を添加して撹拌し、その後活性炭を処理水と分離する添加方式でもよい。装置的に簡素なカラム方式が好ましい。
たとえば、粒状活性炭を充填した活性炭吸着塔を前述の反応槽と中和槽との中間に配置する。反応槽で亜硝酸イオンが分解され、除去された処理水には、銅用防食剤、有機溶媒に由来する有機性のCOD成分が残留するが、反応槽からの処理水を活性炭吸着塔に通水することにより、有機性のCOD成分は活性炭に吸着され、除去される。活性炭吸着塔を経た処理水は、COD成分が除去されているので、中和処理をした後放流される。
活性炭によるCOD吸着処理では、排水のCOD、処理水の所望CODに応じて処理条件を任意に設定でき、カラム方式の接触では通水速度を調整し、添加方式では活性炭添加量を調整することにより、所望の処理水質を得ることができる。
上述の通り、亜硝酸塩系防食剤含有排水を、窒素を含まない酸でpH2以下に調整し、ほぼ反応当量のスルファミン酸を添加することにより、亜硝酸に由来するCOD濃度、窒素濃度を効率よく除去することができ、また、亜硝酸塩系防食剤に含まれる副成分等に由来するCODも活性炭によって除去することができるので、各種の亜硝酸塩系防食剤含有排水を処理できる。また、本発明の亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法は、反応槽、薬剤貯槽、必要に応じて活性炭吸着塔、中和槽の簡単な設備で行うことができるので、亜硝酸塩系防食剤含有排水が非定常的に排出されるような一時的な処理のときにも、仮設装置で簡単に対応できる。
以下に、実施例および比較例をあげて本発明を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実験例
亜硝酸ナトリウムを成分とする亜硝酸塩系防食剤を市水に溶解し、亜硝酸イオン3500mg/Lの試験水を調製した。この試験水にスルファミン酸を7380mg/L添加するとともに、水酸化ナトリウムを添加してpHを変化させ、各pHにおけるスルファミン酸による亜硝酸イオンの分解状況を観察した。分解状況は亜硝酸イオンが分解して生成する窒素ガスによる発泡の程度で、以下のように、判定した。
○:発泡が目視で確認できた。△:発泡があるが、少ない。×:発泡が目視できない。
結果は表1の通りであった。
Figure 0004852877

この実験の結果、pH2以下では亜硝酸の分解反応が着実に行われ、pH4以上では分解反応は観察できなく、pH2と4の間では発泡が僅かで、反応が遅いことが分る。
実施例1
亜硝酸ナトリウム、ベンゾトリアゾールを含有する亜硝酸塩系防食剤を添加している発電所軸受冷却水系から排出された亜硝酸塩系防食剤含有排水(亜硝酸イオン濃度:420mg/L、COD濃度:170mg/L)を用いて実施した。排水を反応容器に入れ、スルファミン酸を亜硝酸イオンと反応当量となる濃度(882mg/L)に反応容器に供給すると共に、塩酸を容器内の排水pHが2となるように添加した。所定時間毎に容器内の処理水をサンプリングして亜硝酸イオン(NO2)、CODmnの濃度を測定した。亜硝酸イオン濃度はナフテルジアミン<NED>法、CODmnは過マンガン酸カリウム<100℃>法による。
実施結果は、表2の通りであった。
Figure 0004852877

この結果、排水中の亜硝酸イオン、CODは2時間の反応で大部分が除去され、24時間では20mg/L以下にすることができる。また、亜硝酸イオンは24時間の反応でほぼ除去されているのに対し、COD値の低減割合はNO2の低減割合よりも小さい。これは、排水のCOD成分には亜硝酸イオンに由来するCODのほかにも存在することを示している。
実施例2
実施例1で得られた処理水250mLに粉末活性炭クリコールWG−560(栗田工業株式会社登録商標)を種々の濃度で添加し、振盪後、CODmnを測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004852877

この結果、実施例1で得られた処理水に残留したCOD成分も活性炭と接触させることにより、吸着除去できるが分る。
比較実験例
亜硝酸イオン濃度50mg/L、100mg/L、200mg/Lの各溶液を調製し、試験溶液とした。各試験溶液200mlを容器に入れ、溶液pHが2になるまでスルファミン酸(スルファミン酸2%水溶液)を添加した。その後各試験溶液を24時間撹拌し、処理水とした。処理水の亜硝酸イオン濃度、全窒素を測定した。亜硝酸イオン濃度はJIS K0102 43.1.1による、全窒素濃度はJIS K0102 45.2による方法で測定した。その結果は表4の通りであった。
Figure 0004852877

この結果から、スルファミン酸のみでpH2に調整すると亜硝酸イオン濃度に対し過剰添加になることが分る。処理水の亜硝酸イオンは1未満にまで除去されているが、全窒素は高い濃度で残留している。
実験例2
上記比較実験例に対応して、本発明に沿って実験した。亜硝酸イオン濃度50mg/L、100mg/L、200mg/Lの各溶液を調製し、試験溶液とした。各試験溶液200mlを容器に入れ、各試験溶液に反応当量となるスルファミン酸(スルファミン酸2%水溶液)を添加し、その後、塩酸を添加してpH2となるようにした。その後各試験溶液を24時間撹拌し、処理水とした。処理水の亜硝酸イオン濃度、全窒素を測定した。その結果を表5に示す。
Figure 0004852877

この結果から、反応当量のスルファミン酸添加と塩酸によるpH調整により、亜硝酸イオン濃度は十分に除去され、処理水には全窒素がほとんど残留しないことが分る。

Claims (2)

  1. 排水中の亜硝酸イオン濃度が500mg/L以下である亜硝酸塩系防食剤含有排水に、スルファミン酸を排水中の亜硝酸イオン濃度と反応当量の0.8〜1.2倍量を添加するとともに、窒素を含有しない酸を排水pHが2以下となる量を添加して排水中の亜硝酸イオンを分解除去する亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法であって、亜硝酸イオンとスルファミン酸との反応時間を24時間以上とすることにより、処理水中の亜硝酸イオンを20mg/L以下とすることを特徴とする亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法
  2. 請求項1において、亜硝酸イオンを分解除去した水を活性炭と接触させることを特徴とする亜硝酸塩系防食剤含有排水の処理方法。
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