JP4852471B2 - Dbdプラズマ式除電器 - Google Patents
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Description
したがって、本発明の目的は、プラズマにより作成された荷電粒子をFANや圧縮空気等の外力を用いずに、無風で遠方に運ぶことができるDBDプラズマ式除電器(以下、除電器という)を提供することにある。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の除電器を示し、図1aは平面図であり、図1bは正面図であり、図1cは図1aの線A−A断面図であり、図1dは電源システムを示す概略図であり、図1eは除電器のプラズマ放電電極本体だけを示す側面図である。
図1a〜図1cに示すように、プラズマ放電電極本体100の外側には、二重のグリッド電極(メッシュ電極)が配置されており、すなわち、プラズマ放電電極本体100の外側には、最初に、円筒形状のメッシュ状に形成された内側グリッド電極(以下、内側グリッドという)Giが配置されており、さらにその外側に円筒形状のメッシュ状に形成された外側グリッド電極(以下、外側グリッドという)Goが配置されている。さらにその外側の一部に、例えば、断面が放物線状に形成された導体メッシュ又はプレートから成る反射電極Grが配置されている。プラズマ(荷電粒子120)は、例えば、プラズマ放電電極本体100の誘電体106の窪みの近傍に創成され、創成された荷電粒子120は拡散し内側グリッドGiを通過する。その後、内側グリッドGiおよび外側グリッドGo間の電界で、加速され、反射電極Grに向かった荷電粒子は反射電極Grで反射され、外部に放射される。放射される電荷の極性は内側グリッドGiおよび外側グリッドGoと反射電極Grに印加される電圧の極性によって+または−になる。
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の除電器を示し、図2aは除電器全体を示す平面概略図であり、図2bは、内側グリッドと外側グリッドに印加される電圧の極性と、内側グリッドと外側グリッドの間の電界の向きおよび放出荷電粒子の極性との関係を示す表である。
(実施例3)
図4は本発明の実施例1の除電器を示す。内側グリッドGiと外側グリッドGoの外側に反射電極Grが設けられている。例では、外側グリッドGoに−電圧(−V)を印加し、またはアースし、内側グリッドGiに+電圧(+V1)を印加する。図面上の左側では、さらに外側に+電圧(+V2)が印加される反射電極Grが設けられている。この場合、図面上の右半分からは+荷電粒子が放出され、左半分へ進んだ+荷電粒子も反射電極Grにより反射され右側に放出される。
(実施例4)
図5は本発明の実施例4の除電器を示す。外側グリッドGoをアースし、内側グリッドGiに+と−の電圧を交互に印加すると、時間軸上で+と−の荷電粒子が交互に放出される。従来の放電針を用いたコロナ放電式の除電器では、高圧電源を+と−に切り替えたので、切り替え時、帯電していた電荷を中和する時間がかかり、高速の切り替えができず、高々33HZが限界であった。すなわち低速動作しかできないため、+と−のイオン(荷電粒子)が充分に混ざらずイオンバランスの脈動が起き問題となっていた。このグリッド電圧を切り替える方式は、電圧も低く、電荷の蓄積もなく容易に高速化でき、桁違いに高速化でき、イオンバランスの脈動問題も解決できる。
(実施例5)
図6は本発明の実施例5の除電器を示し、図6aは除電器の概略平面図であり、図6bは、2つの内側グリッドおよび外側グリッドに印加される電圧の極性を示す表である。この除電器は反射電極無し型の無風除電器の例を示すものであり、上側および下側の2つの荷電粒子放出部(すなわち、2組のプラズマ放電電極本体、内側グリッドおよび外側グリッドの組合せ)を持つものである。図6bのケースaでは、外側グリッドGo(Go1とGo2)をアースし、内側グリッドGi(Gi1とGi2)の極性を互いに逆にして、片側から+荷電粒子を放出するときは反対側から−荷電粒子を放出する。
(実施例6)
図7は本発明の実施例6の除電器を示し、図7aは概略平面図であり、図7bは内側グリッド、外側グリッド、および反射電極に印加される電圧の極性を示す図である。この除電器は、反射電極有り型の無風除電器の他の例を示すものであり、上側および下側の2つの荷電粒子放出部(すなわち、2組のプラズマ放電電極本体、内側グリッドおよび外側グリッド、反射電極の組合せ)を持つものである。図6bのケースaでは、外側グリッドGo(Go1とGo2)をアースし、内側グリッドGi(Gi1とGi2)の極性を互いに逆にして、片側から+荷電粒子を放出するときは反対側から−荷電粒子を放出する。
(実施例7)
図8は本発明の実施例7の除電器を示す概略平面図である。外側グリッドGoをアースし、内側グリッドGiに制御電圧Vを印加すると、それに応じた荷電粒子が放出される。
この場合、外側グリッドGoがアースされているので、内側グリッドGiに印加した電圧が作る電界の外部への漏れを防止できる。したがって除電対象物が半導体の場合など、静電界に弱い除電対象物の静電破壊を防止できる。
(実施例8)
図9は本発明の実施例8の除電器を示し、図9aは概略平面図であり、図9bは図9aの線A−A断面図であり、図9cはヒータ駆動回路を示す図である。プラズマ放電電極本体100の外側で内側グリッドGiの内側にヒータ12を設ける。プラズマ発生時に生じるオゾンを分解して無害化するため、ヒータ12にてプラズマを80°C以上に加熱する。オゾンは不安定物質なので、80°C以上に過熱されると分解され酸素になる。このときヒータ12は電位を持つとプラズマに影響するので、トランス14の2次側、すなわち、ヒータ側の中点をアースすると良い。
(実施例9)
図10は本発明の実施例9の除電器を示し、図10aは概略平面図であり、図10bは図10aの線A−A断面図であり、図10cはヒータ駆動回路を示す図である。この実施例で、オゾンを分解する作用は前実施例と同様である。この実施例の場合、前実施例と違って、内側グリッドをヒータと兼用する内側グリッド兼ヒータGiHを用いる。したがって、内側グリッド兼ヒータGiHは発熱体となる。このグリッド内側グリッド兼ヒータGiHは+Vgiの電圧を印加するが、トランス14の2次側、すなわち、ヒータ側の中点に印加すると良い。
12 ヒータ
14 トランス
100 プラズマ放電電極本体
102 電極
104 電極
106 誘電体
108 窪み
120 プラズマ
Gi 内側グリッド電極(内側グリッド)
Go 外側グリッド電極(外側グリッド)
Gr 反射電極
GiH 内側グリッド兼ヒータ
Claims (11)
- 交流電圧が印加される少なくとも2つの電極および該電極を覆う誘電体から成りかつプラズマを創成してイオン源を構成するプラズマ放電電極本体と、該プラズマ放電電極本体の周囲に配置された内側グリッド電極および該内側電極の外側に配置された外側グリッド電極と、を有することを特徴とする除電器。
- 請求項1記載の除電器において、内側グリッド電極および外側グリッド電極の間に、電界の強さを制御するように調整可能な電圧を印加することを特徴とする除電器。
- 請求項2記載の除電器において、内側グリッド電極および外側グリッド電極の間に、外向きまたは内向きの電界を生成することを特徴とする除電器。
- 請求項2記載の除電器において、内側グリッド電極および外側グリッド電極の間に、外向きまたは内向きの電界を交互に生成することを特徴とする除電器。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の除電器において、外側グリッド電極の外側に配置された反射電極をさらに有することを特徴とする除電器。
- 請求項5記載の除電器において、反射電極と内側グリッド電極には同極性の電圧を印加することを特徴とする除電器。
- 請求項5または6記載の除電器において、反射電極はプラズマ放電電極本体に対して該除電器から放出されるイオンの方向とは反対側に配置されることを特徴とする除電器。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の除電器において、+イオンを放出するイオン源となるプラズマ放電電極本体と、−イオンを放出するイオン源となるプラズマ放電電極本体とが並置されていることを特徴とする除電器。
- 請求項1〜8のいずれか1つに記載の除電器において、外側グリッド電極を接地することを特徴とする除電器。
- 請求項1〜9のいずれか1つに記載の除電器において、プラズマ放電電極本体の外側にヒータを設けることを特徴とする除電器。
- 請求項1〜10のいずれか1つに記載の除電器において、内側グリッド電極をヒータ兼用とすることを特徴とする除電器。
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