JP4851178B2 - ターボ過給機 - Google Patents

Description

本発明は、ターボ過給機に関する。そのようなターボ過給機は国際公開２００４／０４８７５５号によって知られている。

更に他のターボ過給機は欧州特許公開第１３９８４６３号によっても知られている。ターボ過給機にはタービン側のシャフトの回りに熱遮蔽部材が設けられている。熱遮蔽部材は、タービンを通って流れる燃焼エンジンの排気ガスによる高温に起因する損傷から軸受ハウジングを守る役割を有する。公知の熱遮蔽部材は単一層の構成要素からなるが、その熱遮蔽特性は更なる改善を必要とする。

欧州特許第０１６０４６０号は、軸方向に固定されるべき羽根軸受リングに軸方向の付勢力を加えるスプリングワッシャーを使用する更なる組立体を開示している。その場所においては、タービンホイールから離れていることから、熱遮蔽機能は求められない。

従って、本発明の目的は、ターボ過給機を提供することであって、そのターボ過給機は、タービンホイールのタービンケーシングと、可変タービンジオメトリのために前記タービンケーシング内に配置されたカートリッジと、前記タービンケーシングと圧縮機インペラの圧縮機ハウジングとの間に配置され、内部に前記タービンホイールと圧縮機インペラを支持するシャフトのための軸受組立体が配置された軸受ハウジングと、前記カートリッジと軸受ハウジングとの間に配置されるスプリングワッシャーであって、それは少なくとも２つの材料層から構成され、一方の材料層はスプリングワッシャー層を形成する他方の材料層に対して熱保護層として機能するスプリングワッシャーとを備えている。このターボ過給機は、一方でスプリングワッシャーによってタービンホイールの近傍での可変タービンジオメトリのカートリッジの軸方向固定を確実にし、他方で熱遮蔽部材によって軸受ハウジングへの改善された断熱を実現する。

本発明のターボ過給機のスプリングワッシャーは、少なくとも２つの材料層で形成されており、随意的には２よりも多い材料層で形成され、付勢力を作り出し且つ熱抵抗を増大させることで熱遮蔽性能を向上させる機能を有する。こうして、特に高温の排気ガス温度でもそのような機能を確保ことができる。

加えて、軸受ハウジングのための液体式冷却は、望むのであれば都合よく省略することができる。
様々な材料層の使用のおかげで、付勢力及び／又は熱遮蔽特性を更に向上させるために、各材料層間に空隙を設けることが可能である。
このため、材料層の一方を鍋状に形成すると共に、他方の材料層を平坦ディスク状に形成できることが望ましい。

各材料層は一体部品を形成するか、又は一方が他方の上に載る取り付け状態の２つの別個の部品でもよい。
更に、各材料層を同じ材料で形成するか或いは異なる材料を選択するかも原理的に可能である。
また、スプリングワッシャーは、本発明のターボ過給機のために、独立に取引可能な対象物として画成される。

更に詳細には、本発明の利点及び特徴は、図面を参照しながら本発明の以下の説明から明らかとなるであろう。

図１は本発明に係るターボ過給機１の部分を示しており、この図は本発明に係る原理を説明するのに適当である。もちろん、ターボ過給機１は通常有する全ての構成要素を備えているが、上記したように、図を簡略化するために図１では省略されている。

ここで、図１は軸受ハウジング３の隣に配置されたタービンのタービンケーシング２を示している。前記軸受ハウジング３はタービンケーシング２と、図示しない圧縮機インペラのインペラケーシング（図示略）の間に配置されている。軸受ハウジング３は、図１において点線中心線Wによって表されている軸に対する軸受を備え、図１では本発明に係るターボ過給機１の上方部分のみを示している。

軸Wはタービン及び圧縮機インペラを支持し、軸受ハウジング３において適当な軸受組立体を介して支持されている。
複数の層から作られた本発明のスプリングワッシャー４は、軸受ハウジング３と、軸方向ストッパ１４とを持つＶＴＧディスク１２並びに羽根軸受リング１５によって形成されたカートリッジＫとの間に嵌められ、タービンケーシング２内で軸方向に移動可能に配置されている。一例において、２つの材料層５，６がそこに設けられている。これらは、図２及び３を参照して以下により詳細に説明される。

図１はタービンケーシング２と軸受ハウジング３の間のスプリングワッシャー４の構成を示している。スプリングワッシャー４の段差構造によって、２つの支持部１０，１１が得られ、図１に詳細に示されているように、それと共にスプリングワッシャーはそれぞれタービンケーシング２並びに可変タービンジオメトリのカートリッジＫと軸受ハウジング３の対応する部分によって支持されている。

図２は、本発明のスプリングワッシャーの第１の実施形態を示す。２つの材料層５，６がこの実施形態では１の部品として相互結合され、結果として単一の部品となっている。図２は、軸方向付勢力を与える材料層５が周囲隆起縁１３によって鍋状構造を持っていることを示している。更に、材料層５は材料層６の中央凹部８と同軸に配置された中央凹部９を備え、それは材料層５にとっての熱遮蔽部材として機能するが、同一寸法の直径を持つか或いはより大きな寸法の直径を持っている。更に熱遮蔽特性を向上させる空隙７は、各材料層５，６の間に設けられている。

図３は、スプリングワッシャーの代替実施形態を示しており、それは参照番号として全体的に４’が付されている。他の対応する全ての部品は図２と同じ参照番号が付されている。
図２の実施形態と対比すると、材料層５，６は図３では別個の部材であり、一方が他方の上に重ねられているような位置で置かれた状態となっている。これ以外は、図２の説明を参照できる。

図２と図３を併せた説明から明らかなように、材料層６は何れの場合も平坦ディスクである。

本発明のスプリングワッシャーを伴う本発明のターボ過給機の一部を示す。 本発明のスプリングワッシャーの第１の実施形態を示す断面図である。 図２に対応する図であり、本発明のスプリングワッシャーの第２の実施形態を示す。

１ ターボ過給機／排気ターボ過給機
２ タービンケーシング
３ 軸受ハウジング
４，４’ スプリングワッシャー
５ 材料層（付勢力のためのスプリングワッシャー）
６ 材料層（軸受ハウジングと接触しない層５のための熱遮蔽層）
７ 空隙
８，９ 中央凹部
１０，１１ 接触部
１２ ＶＴＧディスク
１３ 周囲隆起縁
１４ 軸方向ストッパ
１５ 羽根軸受リング
１６ タービンケーシング２のカートリッジＫの中心線
Ｗ 軸
Ｋ 可変タービンジオメトリのカートリッジ

Claims (11)

1. ターボ過給機（１）であって、
   タービンホイールのタービンケーシング（２）と、
   可変タービンジオメトリのために前記タービンケーシング内に配置されたカートリッジ（Ｋ）と、
   前記タービンケーシング（２）と圧縮機インペラの圧縮機ハウジングとの間に配置され、内部に前記タービンホイールと圧縮機インペラを支持するシャフト（Ｗ）のための軸受組立体が配置された軸受ハウジング（３）と、
   前記タービンケーシング（２）内のカートリッジ（Ｋ）と軸受ハウジング（３）との間に配置される、断面Ｕ字状のスプリングワッシャー（４，４’）であって、それは少なくとも２つの材料層（５，６）から構成され、一方の材料層（６）は軸方向付勢力を与える他方の材料層（５）に対して熱遮蔽層として機能するスプリングワッシャーとを備え、
   前記材料層（５）は、周囲隆起縁（１３）で形成され、
   前記熱遮蔽層として機能する一方の材料層（６）はディスク状に形成され、その上に前記他方の材料層（５）が周囲隆起縁（１３）で取り付けられた状態で載っていることを特徴とするターボ過給機。
2. 前記空隙（７）は、前記一方及び他方の材料層（６，５）の間に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のターボ過給機。
3. 軸方向付勢力を与える前記他方の材料層（５）は、鍋状に構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のターボ過給機。
4. 熱遮蔽層としての前記一方の材料層（６）は、平坦ディスクで構成されていることを特徴とする請求項１〜３の何れか一項に記載のターボ過給機。
5. 軸方向付勢力を与える前記他方の材料層（５）は、前記カートリッジ（Ｋ）を前記タービンケーシング（２）内で軸方向に固定することを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載のターボ過給機。
6. 前記一方及び他方の材料層（６，５）は、相互に一体的に接続されていることを特徴とする請求項１〜５の何れか一項に記載のターボ過給機。
7. 前記一方及び他方の材料層（６，５）は、個別の部材であることを特徴とする請求項１〜７の何れか一項に記載のターボ過給機。
8. 前記一方及び他方の材料層（６，５）は、同じ材料からなることを特徴とする請求項１〜７の何れか一項に記載のターボ過給機。
9. 前記一方及び他方の材料層（６，５）は、異なる材料からなることを特徴とする請求項１〜７の何れか一項に記載のターボ過給機。
10. 前記一方の材料層（６）は、前記他方の材料層（５）に対して熱遮蔽機能を示すことを特徴とする請求項１〜８の何れか一項に記載のターボ過給機。
11. 請求項１〜１０の何れか一項に記載のターボ過給機に使用されることを特徴とするスプ
    リングワッシャー（４，４’）。