JP4850692B2 - 光学機器及び撮像システム - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆるテレビレンズやビデオレンズ等の光学機器に関し、特にオートフォーカス(AF)機能を備えた光学機器に関する。
動画撮影においては、常に(一定周期で繰り返して)自動的にピント合わせを行うようにフォーカスレンズの位置を制御する、いわゆるフルタイムAFが採用される場合が多い。
ただし、フルタイムAFでは、撮影条件によっては操作者(使用者)が合焦を意図しない被写体に対してフォーカス動作が行われてしまう場合がある。例えば、金網越しに被写体を撮影している場合に、金網に対してフォーカス動作が行われたり、被写体の後ろの背景に対してフォーカス動作が行われたりするおそれがある。そして、動画撮影においては、わずかな時間でも意図しない被写体にフォーカス動作が行われて、本来合焦を意図した被写体からピントが外れると、見苦しい映像が撮影されてしまうことになる。
このような問題を解決するため、特許文献1には、操作者が予めフォーカスレンズの移動を許容する範囲を設定しておき、その範囲内でのみフォーカスレンズを移動させてピント合わせを行う技術が開示されている。
特開平8−136799号公報(段落0012〜0013、図2、図3等)
しかしながら、特許文献1にて開示されている技術では、フォーカスレンズの移動許容範囲外の位置でピントが合う被写体に対してフォーカスレンズの合焦位置検出が行われた場合に移動許容範囲の端までフォーカスレンズが駆動される。すなわち、フォーカス動作を行うべきではない被写体の影響によって、本来不要なフォーカスレンズ駆動が行われてしまう。
また、この技術では、フォーカスレンズの移動許容範囲が固定されるため、大きく移動する被写体に対してピントが合った状態(合焦状態)を維持するためには、フォーカスレンズの移動許容範囲を広く設定しておく必要がある。この場合、移動許容範囲内でのフォーカスレンズ位置でピントが合う被写体が複数存在すると、操作者が合焦を意図しない被写体に対してフォーカス動作が行われてしまう可能性がある。例えば、合焦対象である被写体の前を合焦対象ではない物体が通り過ぎると、一旦合焦対象ではない物体に対してフォーカス動作が行われた後、再び合焦対象の被写体にフォーカス動作が行われるといったハンチング動作を起こす可能性がある。
本発明は、使用者が合焦を意図しない物体に対するフォーカス動作の実行を少なくすることができるようにした光学機器を提供することを目的の1つとしている。
本発明の一側面としての光学機器は、被写体に合焦するフォーカスレンズの位置を求める演算手段と、フォーカスレンズの移動許容範囲を設定する設定手段と、演算手段により求められたフォーカスレンズの位置が移動許容範囲内である場合に該位置を目標位置としてフォーカスレンズを移動させる制御手段とを有する。そして、設定手段は、目標位置の変化に追従して移動許容範囲を移動させることを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての光学機器は、被写体に合焦するフォーカスレンズの位置を求める演算手段と、フォーカスレンズの移動許容範囲を設定する設定手段と、演算手段により求められたフォーカスレンズの位置が移動許容範囲内である場合に該位置にフォーカスレンズを移動させる制御手段と、フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段とを有する。そして、設定手段は、位置検出手段により検出されたフォーカスレンズの位置の変化に追従して移動許容範囲を移動させることを特徴とする。
なお、上記光学機器と、該光学機器が装着される撮像装置とを含む撮像システムも本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、合焦対象である被写体に対応したフォーカスレンズの目標位置や検出された位置の変化に追従してフォーカスレンズの移動許容範囲が移動される。このため、被写体が移動する場合を考慮してもフォーカスレンズの移動許容範囲を狭く設定することができる。したがって、被写体の前後に存在する合焦対象ではない物体に対してフォーカス動作が行われる場合を少なくすることができる。
さらに、フォーカスレンズの目標位置や検出位置の変化に追従して移動許容範囲が移動されるので、撮影範囲内に合焦対象ではない物体が入っても、移動する被写体に対するフォーカス動作を維持することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である光学機器としてズームレンズ装置の構成を示している。
30はズームレンズ装置であり、40は該ズームレンズ装置30が装着されるカメラ(テレビカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置)である。ズームレンズ装置30とカメラ40により撮像システムが構成される。
ズームレンズ装置30において、1はフォーカスレンズであり、光軸方向に移動してズームレンズ装置30の結像面の位置を変化させる(すなわち、フォーカシングを行う)。2は変倍レンズであり、光軸方向に移動してズームレンズ装置30の焦点距離を変化させる。これらのレンズ1,2を通過した光は、分光プリズム3によって2つの光束に分離される。
分光プリズム3を透過した一方の光束は、リレーレンズ4を通ってカメラ40に搭載された、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子7に入射する。また、分光プリズム3で反射された他方の光束は、位相差検出レンズ5によって2つの光束に分割されて位相差検出センサ6に入射する。位相差検出レンズ5及び位相差検出センサ6により、位相差検出方式による焦点検出手段が構成される。
位相差検出センサ6は、位相差検出レンズ5によって分割された2つの光束により形成された一対の像(2像)を光電変換する一対の光電変換素子列(以下、ラインセンサという)を有する。各ラインセンサは、上記像の輝度に応じたアナログ信号を出力する。このアナログ信号は、A/D変換器14によりデジタル信号に変換された後、CPU15に入力される。
11はフォーカスレンズ1の移動許容範囲であるフォーカス許容範囲の幅を可変設定するためのボリューム(第2の操作部材)であり、操作者(撮影者や遠隔操作者等の使用者)により操作される。ボリューム11からその操作量に応じて出力されたアナログ信号は、A/D変換器14によりデジタル信号に変換されてCPU15に入力される。
12は変倍レンズ2の位置に応じた信号(電圧)を出力するズーム位置検出器である。該ズーム位置検出器12からの信号は、A/D変換器14によりデジタル信号に変換されてCPU15に入力される。
13はフォーカスレンズ1の位置に応じた信号(電圧)を出力するフォーカス位置検出器(位置検出手段)である。該フォーカス位置検出器13からの信号は、A/D変換器14によりデジタル信号に変換されてCPU15に入力される。
19はフォーカス許容範囲によるフォーカスレンズ1の移動範囲の制限を有効にするか無効にするかを決定するためのスイッチ(第1の操作部材)であり、操作者により操作される。スイッチ19からの信号は、CPU15に入力される。
CPU15は、演算手段、設定手段及び制御手段として機能し、その内部に格納されたコンピュータプログラムに従って上記各入力信号に応じたフォーカス制御処理を行い、フォーカスレンズ1の制御信号を生成する。この制御信号は、D/A変換器18によりアナログ信号に変換され、フォーカス駆動回路17に入力される。フォーカス駆動回路17は、該制御信号に応じてモータ16を駆動し、フォーカスレンズ1を移動させる。このようにフォーカスレンズ1を移動させる動作を、フォーカス動作ともいう。
図2Aには、CPU15でコンピュータプログラムに従って実行されるフォーカス制御処理のフローチャートを示している。なお、以下の説明において、フォーカスレンズ1及び変倍レンズ2の位置をそれぞれ、単にフォーカス位置及びズーム位置と称する。
ズームレンズ装置30の電源が投入されると、CPU15は、STEP101に進み、CPU15の内部のレジスタやメモリ(記憶手段)15a等を初期化する。
STEP102では、CPU15は、フォーカス位置検出器13により検出された現在のフォーカス位置Fを取得する。さらに、STEP103では、メモリ15aに記憶されているフォーカスレンズ1を移動させる目標位置である目標フォーカス位置Fxを現在のフォーカス位置Fに初期化する。
次に、STEP104では、CPU15は、位相差検出センサ6からの信号に基づいて、ラインセンサ上に形成された2像の位相差量Xを算出する。位相差量の算出処理は以下のように行われる。
まず、位相差検出センサ6から2像に対応した信号を取得し、図3のような2像(光束A,B)の輝度レベル特性を得る。次に、一方の像の輝度レベル特性をソフトウェア処理により擬似的に画素シフトし、2像の輝度レベル特性が重なった部分(図3に斜線部分として示す)が最大となるシフト量を位相差量Xとする。
続いて、STEP105及びSTEP106では、CPU15は、ズーム位置検出器12及びフォーカス位置検出器13により検出されたズーム位置Zとフォーカス位置Fとを取得する。
そして、STEP107では、CPU15は、STEP104〜STEP106で取得した位相差量X、ズーム位置Z及びフォーカス位置Fから、デフォーカス量Dを算出する。デフォーカス量Dは、撮像素子7の受光面から結像面までの距離(光学的な位置差)であり、フォーカスレンズ1の機械的な移動量とは異なる。デフォーカス量Dの算出は、以下の式により行われる。
D=k1×(X−f1(Z,F))
ここで、k1は位相差量をデフォーカス量に変換するための係数であり、固定値である。f1(Z,F)はズーム位置Z及びフォーカス位置Fによって決まる位相差量のオフセット量を示す関数であり、テーブルデータとしてCPU15内に格納される。これらk1及びf1は、フォーカスレンズ1、変倍レンズ2及び位相差検出レンズ5の光学構成によって決定される。
STEP108では、CPU15は、デフォーカス量Dをフォーカスレンズ1の機械的な駆動量に相当するフォーカス位置差に変換する。フォーカス位置差ΔFは、以下の式を用いて算出される。
ΔF=D×f2(Z,F)
ここで、f2(Z,F)は、ズーム位置Z及びフォーカス位置Fにより決まる関数であり、f1(Z,F)と同様に、テーブルデータとしてCPU15内に格納される。
STEP109では、CPU15は、スイッチ19からの信号に基づいてフォーカス許容範囲によるフォーカスレンズ1の移動制限を有効とするか無効とするかを判断する。スイッチ19がオンの場合は、有効とする。有効の場合はSTEP110へ進み、無効の場合はSTEP114へジャンプする。スイッチ19をオフとしてフォーカス許容範囲によるフォーカスレンズ1の移動制限を無効とすることで、任意の被写体に対するフォーカス動作を行うことができる。
STEP110では、CPU15は、ボリューム11の操作量Aを取得する。そして、STEP111では、ボリューム11の操作量Aとこれをデフォーカス量に変換するための係数k2とを用いて、操作量Aに対応するデフォーカス範囲Dmax,Dminを以下の式より算出する。
Dmax=k2×A
Dmin=−k2×A
続いて、STEP112において、CPU15は、STEP111で求めたDmax,Dminを、現在の目標フォーカス位置Fxに対するフォーカス位置差に変換する。現在の目標フォーカス位置Fxとは、後述するSTEP114で目標フォーカス位置Fxが更新されるまでの目標フォーカス位置Fxという意味である。フォーカス位置差への変換は、STEP108で用いた関数f2(Z,F)を用いて、以下の式より行われる。
ΔFmax=Dmax×f2(Z,Fx)
ΔFmin=Dmin×f2(Z,Fx)
これらΔFmax,ΔFminから、現在の目標フォーカス位置Fxを基準としたフォーカス許容範囲は、(Fx+ΔFmin)〜(Fx+ΔFmax)となる。
なお、本実施例では、フォーカス許容範囲を、現在の目標フォーカス位置Fxに対して至近側と無限側で同じデフォーカス量を持つ範囲となるように設定した。しかし、以下の式を用いて、至近側と無限側で同じフォーカスレンズ1の位置差を持つ範囲となるように設定してもよい。
ΔFmax=k2’×A
ΔFmin=−k2’×A
k2’は、ボリューム11の操作量Aをフォーカスレンズ1の位置差に変換するための係数である。
位相差検出センサ6からの信号に基づいて算出された検出合焦位置は、現在のフォーカス位置Fにデフォーカス量Dに対応するフォーカス位置差ΔFを加算することで得られる。すなわち、(F+ΔF)となる。
そこで、STEP113では、CPU15は、検出合焦位置(F+ΔF)がフォーカス許容範囲(Fx+ΔFmin)〜(Fx+ΔFmax)内にあるか否かを判別する。なお、フローチャート内には、検出合焦位置がフォーカス許容範囲内にあるか否かを、(Fx+ΔFmin)<(F+ΔF)<(Fx+ΔFmax)と記載しているが、本実施例及び後述する他の実施例における同様の判別において検出合焦位置がフォーカス許容範囲内にあるとは、検出合焦位置がフォーカス許容範囲の端に一致する場合も含む。
検出合焦位置(F+ΔF)が上記範囲内に入っている場合はSTEP114へ進み、メモリ15aに記憶された目標フォーカス位置Fxを検出合焦位置(F+ΔF)に更新する。一方、STEP113で検出合焦位置(F+ΔF)が上記範囲外と判断された場合、検出合焦位置(F+ΔF)は無効とし、メモリ15aに記憶されている目標フォーカス位置Fxを更新せずに(維持して)、STEP115へ進む。
STEP115では、設定された目標フォーカス位置Fxにフォーカスレンズ1を駆動するために制御信号を生成し、STEP116で、D/A変換器18に出力する。
そして、再びSTEP104に戻り、同様の処理を繰り返す。ここで、2回目以降のルーチンにおけるSTEP112では、前回のルーチンのSTEP114で更新された又は維持された目標フォーカス位置Fxが用いられてフォーカス許容範囲(Fx+ΔFmin)〜(Fx+ΔFmax)が再設定(更新)される。このため、目標フォーカス位置Fxの変化に応じて(追従して)フォーカス許容範囲が変更(移動)される。
図4A及び図4Bは、ズームレンズ装置と被写体A,Bの位置と動きを上から見た図である。被写体Aは、操作者が合焦を意図する(合焦対象の)被写体であり、X1の位置からX2,X3の位置に移動している。被写体Bは合焦対象ではない物体である。
図4Aには、フォーカス許容範囲を絶対範囲(絶対フォーカス許容範囲)とした場合を示す。絶対範囲とは、ズームレンズ装置30からの距離によって特定される固定範囲である。図4Bには、本実施例のようにフォーカス許容範囲を現在の目標フォーカス位置からの相対範囲(相対フォーカス許容範囲)とした場合を示す。
図4Aに示すように絶対フォーカス許容範囲が設定されている場合は、被写体Aの移動範囲(ズームレンズ装置30′に向かってくる方向での距離範囲)が大きい場合を想定して、フォーカス許容範囲を広げておく必要がある。その結果、合焦対象の被写体Aを追っていてズームレンズ装置30′をX1の方向からX2の方向に向けた場合に、合焦対象ではない被写体Bが被写体Aの前に重なってしまう。そして、被写体Bがフォーカス許容範囲内に入っている場合には、被写体Bに対してフォーカス動作が行われる可能性がある。
これに対し、図4Bに示すように、相対フォーカス許容範囲が設定された場合は、常に(図2Aのフローチャートのルーチン周期ごとに)フォーカス許容範囲が再設定(更新)される。このため、被写体Aの移動範囲にかかわらず、フォーカス許容範囲を狭く(絶対フォーカス許容範囲より狭く)設定することができる。したがって、合焦対象の被写体Aの前に合焦対象ではない被写体Bが重なっても、被写体Bに対してフォーカス動作が行われることはない。つまり、操作者が合焦を意図しない被写体Bに対してフォーカス動作が行われる可能性を低くすることができる。
なお、図2Aでは、フォーカス許容範囲が目標フォーカス位置Fxに基づいて再設定される場合について説明した。しかし、目標フォーカス位置Fxへの移動後のフォーカス位置検出器13によるフォーカスレンズ1の検出位置に基づいてフォーカス許容範囲を再設定してもよい。言い換えれば、前回のルーチンでのフォーカス動作後における今回のルーチンのSTEP106で検出されたフォーカス位置Fに基づいてフォーカス許容範囲を再設定してもよい。図2Bには、この場合のフローチャートを示している。
図2Bにおいて、STEP101〜STEP111までは図2A中のSTEP101〜STEP111と同じである。STEP112′では以下の式によりフォーカス位置差が算出される。
ΔFmax=Dmax×f2(Z,F)
ΔFmin=Dmin×f2(Z,F)
これらΔFmax,ΔFminから、STEP106で検出されたフォーカス位置Fを基準としたフォーカス許容範囲(F+ΔFmin)〜(F+ΔFmax)が設定される。
そして、STEP113′では、フォーカスレンズ1の検出合焦位置(F+ΔF)がフォーカス許容範囲(F+ΔFmin)〜(F+ΔFmax)内か否かが判別される。フォーカス許容範囲内であればSTEP114に、そうでなければSTEP115にそれぞれ進む。STEP114〜STEP116は、図2A中のそれらと同じである。
なお、このように目標フォーカス位置Fxへの移動後のフォーカス位置検出器13によるフォーカスレンズ1の検出位置に基づいてフォーカス許容範囲を再設定してよいことは、後述する他の実施例でも同じである。
図5を用いて、本発明の実施例2であるズームレンズ装置におけるフォーカス制御処理について説明する。本実施例のズームレンズ装置の構成は、実施例1(図1)と同じである。
ズームレンズ装置30の電源が投入されると、CPU15は、STEP201に進み、CPU15の内部のレジスタやメモリ15a等を初期化する。
STEP202では、CPU15は、フォーカス位置検出器13により検出された現在のフォーカス位置Fを取得する。さらに、STEP203では、メモリ15aに記憶されているフォーカスレンズ1を移動させる目標位置である目標フォーカス位置Fxを現在のフォーカス位置Fに初期化する。
次にSTEP204では、CPU15は、メモリ15aに記憶されているフォーカス速度1(Vf1)を0に初期化し、STEP205にてフォーカス速度検出用のフォーカス位置バッファFbufを現在のフォーカス位置Fに設定する。
続いてSTEP206では、タイマー0のリセット(再スタート)を行う。このタイマー0は、フォーカス速度を検出するためのサンプリング時間をカウントするためのものである。
以上の初期化処理が終了すると、STEP207に進み、CPU15は、実施例1のSTEP104〜STEP108と同様にSTEP207〜STEP211の処理によって、デフォーカス量Dに相当するフォーカス位置差ΔFを生成する。
次に、STEP212では、CPU15は、タイマー0が予め設定された閾値としてのサンプリング時間が経過したか否かを判断する。経過していればSTEP213に進み、経過していなければSTEP217にジャンプする。
STEP213では、CPU15は、前回のルーチンのSTEP209で取得したフォーカス位置Fと現在のフォーカス位置Fとの機構的なフォーカス位置差を計算し、これをフォーカス速度0(Vf0)とする。STEP214では、このフォーカス速度0に対応した結像面の移動速度をフォーカス速度1(Vf1)として以下の式を用いて求める。
Vf1=Vf0×f3(Z,F)
ここで、f3(Z,F)は、ズーム位置Z及びフォーカス位置Fによって決まる係数であり、テーブルデータとしてCPU15内に格納されている。このように、フォーカス位置検出器13とCPU15とにより、被写体速度検出手段が構成される。
続いてSTEP214及びSTEP215では、次のフォーカス速度算出のためにフォーカス位置バッファFbufの更新とタイマー0のリセット(再スタート)を行う。
次に、STEP217では、CPU15は、スイッチ19からの信号に基づいてフォーカス許容範囲によるフォーカスレンズ1の移動制限を有効とするか無効とするかを判断する。有効の場合はSTEP218へ進み、無効の場合はSTEP222へジャンプする。
STEP218では、CPU15は、ボリューム11の操作量Aを取得する。そして、STEP219では、ボリューム11の操作量Aとこれをデフォーカス量に変換するための係数k2とフォーカス速度1(Vf1)とを用いて、操作量Aに対応するデフォーカス範囲Dmax,Dminを以下の式より算出する。
Dmax=k2×A+k3×Vf1
Dmin=−k2×A+k3×Vf1
ここで、(k3×Vf1)はデフォーカス範囲(つまりはフォーカス許容範囲)の速度補正分であり、k3はフォーカス速度Vf1から速度補正量を生成するための正の係数(固定値)である。
STEP221〜STEP224では、実施例1のSTEP113〜STEP116と同様の処理を行い、再びSTEP207に戻って処理を繰り返す。ここで、2回目以降のルーチンにおけるSTEP221では、前回のルーチンのSTEP222で更新された又は維持された目標フォーカス位置Fxが用いられてフォーカス許容範囲(Fx+ΔFmin)〜(Fx+ΔFmax)が再設定(更新)される。このため、目標フォーカス位置Fxの変化に応じて(追従して)フォーカス許容範囲が変更(移動)される。特に、本実施例では、被写体の移動速度に応じて、該被写体の位置に対するフォーカス許容範囲の位置が変更される。
図6A〜図6Cは、本実施例のズームレンズ装置30と操作者が合焦を意図する(合焦対象の)被写体の移動を上から見た図である。
図6Aは、静止している被写体を含むようにフォーカス許容範囲が設定されている状態を示す。図6Bに示すように、撮影光学系の光軸方向において、被写体がズームレンズ装置30に近づいてくる場合は、該被写体に対するフォーカス許容範囲の位置は図中に点線で示す位置から実線で示す位置に、上記速度補正量だけ至近側に変更される。また、図6Cに示すように、被写体がズームレンズ装置30から遠ざかっていく場合は、該被写体に対するフォーカス許容範囲の位置は図中に点線で示す位置から実線で示す位置に、上記速度補正量だけ無限側に変更される。このように高速で移動する被写体に対してもフォーカス許容範囲が追従して変更(移動)されるので、被写体がフォーカス許容範囲から外れる可能性が低くなる。つまり、移動する被写体に対してもフォーカス許容範囲の幅を狭く設定することが可能となる。したがって、移動する被写体への合焦状態を維持しつつ、他の合焦対象でない被写体に対してフォーカス動作が行われる場合を少なくすることができる。
図7には、本発明の実施例3であるズームレンズ装置130の構成を示している。図7において、図1に示した構成要素と同じものには図1と同じ符号を付している。
8は手振れ等による像振れを補正するための防振処理に用いられる振動検出センサであり、ズームレンズ装置130の振れの角速度を示すアナログ信号を出力する。本実施例では、この振動検出センサ(向き検出手段)8を利用して、ズームレンズ装置130のパン(水平回転)方向とチルト(垂直回転)方向への向きの変化を検出する。ここで、振動検出センサ8からの角速度信号はA/D変換器14でデジタル信号に変換されてCPU15に入力される。
図8には、本実施例のズームレンズ装置130のCPU15において行われるフォーカス制御処理のフローチャートを示している。
ズームレンズ装置130の電源が投入されると、CPU15は、STEP301に進み、CPU15の内部のレジスタやメモリ15a等を初期化する。
STEP302では、CPU15は、フォーカス位置検出器13により検出された現在のフォーカス位置Fを取得する。さらに、STEP303では、メモリ15aに記憶されているフォーカスレンズ1を移動させる目標位置である目標フォーカス位置Fxを現在のフォーカス位置Fに初期化する。
次にSTEP304〜STEP309では、実施例1のSTEP104〜STEP109と同様の処理を行う。
STEP309で、スイッチ19からの信号に基づいてフォーカス許容範囲によるフォーカスレンズ1の移動制限が無効と判断した場合は、STEP316にジャンプする。一方、有効と判断した場合は、STEP310に進み、振動検出センサ8で検出したパン方向の角速度ωpとチルト方向の角速度ωtを取得する。
続いてSTEP311で、これらの角速度から以下の式を用いてレンズ角速度ωを算出する。
次に、STEP312では、CPU15は、ボリューム11の操作量Aを取得する。そして、STEP313では、該操作量AとSTEP311で算出したレンズ角速度ωとを用いて、操作量Aに対応するデフォーカス範囲Dmax,Dminを以下の式より算出する。
Dmax=k2×A×f4(ω)
Dmin=−k2×A×f4(ω)
ここで、f4(ω)は、レンズ角速度ωからデフォーカス範囲(つまりはフォーカス許容範囲)の幅を決めるための関数であり、その一例を図9に示す。
図9は、レンズ角速度ωが十分に大きい場合、すなわちズームレンズ装置130がパンニング又はチルティング操作(以下、これらをまとめてパンニング操作という)が行われている場合は、デフォーカス範囲の幅を1倍とする。一方、レンズ角速度ωが0に近い場合、すなわちパンニング操作が行われておらず、手振れ等によるレンズ振れが生じているだけである場合は、デフォーカス範囲の幅をn倍とする。つまり、パンニング操作が行われた場合には、これが行われていない場合に比べて、デフォーカス範囲の幅、つまりはフォーカス許容範囲の幅を狭くする。
STEP314〜STEP318では、実施例1のSTEP112〜STEP116と同様の処理を行い、再びSTEP304に戻る。ここで、2回目以降のルーチンにおけるSTEP315では、前回のルーチンのSTEP316で更新された又は維持された目標フォーカス位置Fxが用いられてフォーカス許容範囲(Fx+ΔFmin)〜(Fx+ΔFmax)が再設定(更新)される。このため、目標フォーカス位置Fxの変化に応じて(追従して)フォーカス許容範囲が変更(移動)される。特に、本実施例では、ズームレンズ装置130のパンニング操作(向きの変化)に応じてフォーカス許容範囲の幅が変更される。
図10A及び図10Bは、本実施例のズームレンズ装置130と操作者が合焦を意図する(合焦対象の)被写体A及び合焦対象ではない被写体Bを上から見た図である。
一般的に、図10Aに示すようにパンニング操作を行っている最中は、合焦対象の移動被写体Aを追っている場合が多く、被写体を変更することは少ないが、合焦対象ではない被写体Bが撮影範囲に入ってくる場合が多い。このため、パンニング操作を行っているときには、フォーカス許容範囲を狭く設定することが望ましい。
本実施例では、パンニング操作時にはフォーカス許容範囲の幅を1倍に狭く設定することで、フォーカス許容範囲を合焦対象の被写体Aの近辺に設定することができる。したがって、撮影範囲内に入った合焦対象ではない被写体Bに対してフォーカス動作が行われることが起こりにくくなる。
一方、図10Bに示すように、パンニング操作が行われない場合には、フォーカス許容範囲の幅がn倍に広がるため、操作者の意図によって、広いフォーカス許容範囲内の任意の被写体を合焦対象とすることが可能となる。
本実施例では、パンニング操作を検出するために、ズームレンズ装置130に搭載された振動検出センサを用いたが、カメラ40側での画像処理や不図示の三脚に搭載されたエンコーダを用いてパンニング操作を検出してもよい。
図11には、本発明の実施例4であるズームレンズ装置230の構成を示している。図11において、図1及び図7に示した構成要素と同じものにはこれらの図と同じ符号を付している。
20,21は絶対範囲としてのフォーカス許容範囲(の幅)を決定するためのボリュームであり、これらボリューム20,21からの信号はA/D変換器14を通してCPU15に入力される。
次に、図12のフローチャートを用いて、CPU15で行うフォーカス制御処理について説明する。
ズームレンズ装置230の電源が投入されると、CPU15は、STEP401に進み、CPU15の内部のレジスタやメモリ15a等を初期化する。
STEP402では、CPU15は、フォーカス位置検出器13により検出された現在のフォーカス位置Fを取得する。さらに、STEP403では、メモリ15aに記憶されているフォーカスレンズ1を移動させる目標位置である目標フォーカス位置Fxを現在のフォーカス位置Fに初期化する。
次に、STEP404では、CPU15は、タイマー1のリセット(再スタート)を行う。タイマー1は、パンニング操作が停止してからの時間をカウントするために用いられる。
次に、STEP405では、CPU15は、パンニング操作が行われたたか否かを示すパンニングフラグをOFFに初期化する。
STEP406〜STEP411では、実施例1のSTEP104〜STEP109と同様の処理を行う。
STEP411で、スイッチ19からの信号に基づいてフォーカス許容範囲によるフォーカスレンズ1の移動制限が無効と判断した場合は、STEP427にジャンプする。一方、有効と判断した場合は、STEP412に進み、振動検出センサ8で検出したパン方向の角速度ωpとチルト方向の角速度ωtを取得する。
続いてSTEP413で、これらの角速度から、実施例3中に示した式を用いてレンズ角速度ωを算出する。
次にSTEP414では、CPU15は、レンズ角速度ωが閾値以下であるか否かを判断する。ここでの閾値は、パンニング操作がなされているかどうかを判断するためのものであり、固定値としてCPU15に格納されている。レンズ角速度ωが閾値より大きい、すなわちズームレンズ装置230のパンニング操作がなされている場合は、STEP419に進み、パンニングフラグをONとしてSTEP420にジャンプする。一方、レンズ角速度ωが閾値以下、すなわちパンニング操作がなされていないと判断した場合は、STEP415に進む。
STEP415では、CPU15は、パンニングフラグがOFFであるか否かを判断する。ONである場合は、STEP417及びSTEP418に進み、パンニングフラグをOFFにし、タイマー1をリセット(再スタート)する。そしてSTEP420にジャンプする。一方、パンニングフラグがOFFである場合は、STEP416でタイマー1が閾値以上であるか否か判断する。タイマー1が閾値以上であればSTEP420へ進み、閾値より小さければSTEP424に進む。
上記STEP414〜STEP419の処理は、パンニング操作の停止直後か否かを判断するための処理であり、STEP416で用いる閾値は、パンニング操作の停止直後か否かを判断する基準となる時間に対応している。本実施例では、該閾値として1秒程度の固定値とする。ただし、ボリューム等の操作部材を通じて操作者が任意に設定できるようにしてもよい。
STEP416でタイマー1が閾値以上である場合、すなわちパンニング操作停止直後ではない場合は、STEP420〜STEP422に進む。STEP420〜STEP422では、実施例1のSTEP110〜STEP112と同様に、まず、ボリューム11の操作量A1を取得する。そして、該操作量A1に基づいてフォーカス許容範囲を現在の目標フォーカス位置Fxを基準とした相対フォーカス許容範囲(Fx+ΔFmin)〜(Fx+ΔFmax)に設定する。そして、STEP423で、検出合焦位置(F+ΔF)が相対フォーカス許容範囲内か否かを判別し、その結果に応じて目標フォーカス位置Fxを更新するか否かを決定する。
検出合焦位置が相対フォーカス許容範囲内であれば、STEP427で目標フォーカス位置Fxを(F+ΔF)とする。相対フォーカス許容範囲外であればSTEP428にジャンプして目標フォーカス位置Fxの更新は行わない。
STEP428では、目標フォーカス位置Fxにフォーカスレンズ1を駆動するための制御信号を生成し、STEP429でD/A変換器に出力する。そして、再びSTEP406に戻る。
ここで、2回目以降のルーチンにおけるSTEP423では、前回のルーチンのSTEP427で更新された又は維持された目標フォーカス位置Fxが用いられてフォーカス許容範囲(Fx+ΔFmin)〜(Fx+ΔFmax)が再設定(更新)される。このため、目標フォーカス位置Fxの変化に応じて(追従して)フォーカス許容範囲が変更(移動)される。特に、本実施例では、ズームレンズ装置230のパンニング操作(向きの変化)に応じてフォーカス許容範囲が相対フォーカス許容範囲と絶対フォーカス許容範囲との間で変更される。
一方、STEP416でタイマー1が閾値より小さくパンニング操作停止直後である場合は、STEP424に進み、ボリューム20とボリューム21の操作量A2,A3を取得する。そして、STEP425で、目標フォーカス位置Fxに依存しない絶対フォーカス位置であるFmax,Fminを以下の式より算出する。
Fmax=k4×A2
Fmin=k4×A3
ここで、k4は操作量A2,A3をフォーカス位置に変換するための係数であり、CPU15内に格納されている。
STEP426では、検出合焦位置(F+ΔF)が、上記絶対フォーカス位置を両端とする範囲(絶対フォーカス許容範囲)Fmin〜Fmax内にあるか否かを判断する。絶対フォーカス許容範囲内であればSTEP427に進み、目標フォーカス位置Fxを(F+ΔF)とする。絶対フォーカス許容範囲外であればSTEP428に進み、目標フォーカス位置Fxの更新は行わない。
STEP428では、目標フォーカス位置Fxにフォーカスレンズ1を駆動するための制御信号を生成し、STEP429でD/A変換器に出力する。そして、再びSTEP406に戻る。このようにして、パンニング操作停止直後では、操作者が任意に設定した絶対フォーカス許容範囲(通常は相対フォーカス許容範囲より広く設定される)内の被写体に対するフォーカス動作が可能となる。
そして、本実施例では、パンニング操作によるズームレンズ装置30の向きの変化が停止した直後においてはフォーカス許容範囲を絶対フォーカス許容範囲とする。また、ズームレンズ装置30の向きの変化が継続中であるパンニング操作中には、フォーカス許容範囲を相対フォーカス許容範囲とする。
図13Aから図13Cには、パンニング操作していない状態、パンニング操作中及びパンニング操作停止直後におけるフォーカス許容範囲を示している。前述したように、本実施例では、パンニング操作中とパンニング操作停止直後とでフォーカス許容範囲を相対フォーカス許容範囲と絶対フォーカス許容範囲とに自動的に切り換える。
ズームレンズ装置230がパンニング操作されていない場合は、図13Aに示すように相対フォーカス許容範囲が設定される。このため、現在合焦している被写体Aの前を合焦対象ではない被写体Bが通り過ぎても、該被写体Bに対するフォーカス動作は行われない。
また、ズームレンズ装置230がパンニング操作中である場合も、図13Bに示すように相対フォーカス許容範囲が設定される。このため、現在合焦している移動被写体Aを追って撮影しているときに撮影範囲内に合焦対象ではない被写体Bが入っても、該被写体Bに対するフォーカス動作は行われない。
一方、パンニング操作が停止された直後では、図13Cに示すように、絶対フォーカス許容範囲が設定される。この場合、現在のフォーカス位置にかかわらずより広範囲の被写体に対してフォーカス動作を行うことが可能となる。一般に、操作者が意図して合焦対象の被写体を変える(例えば、被写体Aから被写体Bに変える)場合は、パンニング操作を行ってそれを停止させるという特定のパターンの動作(ズームレンズ装置230の特定の向きの変更)が行われる。したがって、パンニング操作の停止に応じてフォーカス許容範囲を相対フォーカス許容範囲からより広い絶対フォーカス許容範囲とすることで、合焦対象とする被写体の変更をスムーズに行うことができる。
なお、図11に点線で示すように、フォーカス許容範囲を相対フォーカス許容範囲とするか絶対フォーカス許容範囲とするかを選択するためのスイッチ(第3の操作部材)25を設けてもよい。
この場合、図12のフローチャートにおけるSTEP411とSTEP412の間に、該スイッチ25の状態に基づいて、フォーカス許容範囲を相対フォーカス許容範囲とするか絶対フォーカス許容範囲とするかを判断するステップを設ける。そして、相対フォーカス許容範囲が選択されている場合は、STEP412に進み、絶対フォーカス許容範囲が選択されている場合は、STEP424に進む。
これにより、相対フォーカス許容範囲と絶対フォーカス許容範囲のうち操作者が任意に選択したフォーカス許容範囲によるフォーカスレンズ1の移動制限を行うことができる。
以上説明したように、上記各実施例によれば、フォーカス許容範囲を狭く設定することで、フォーカス動作前に被写体が合焦対象であるか否かを判断することができる。このため、合焦対象ではない被写体(物体)に対してフォーカス動作が行われてしまう場合を少なくすることができる。また、撮影状況に応じてフォーカス許容範囲を適正に制御することで、被写体が近距離に複数存在するといった難しい撮影状況においても、合焦対象ではない被写体に対してフォーカス動作が行われてしまう場合を減らすことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明の実施形態はこれらの実施例に限定されず、種々の変形及び変更が可能である。
また、上記各実施例では、カメラに装着されるズームレンズ装置について説明したが、本発明は、レンズ一体型の撮像装置(光学機器)にも適用することができる。
本発明の実施例1及び実施例2のズームレンズ装置の構成を示すブロック図。 実施例1におけるフォーカス制御処理を示すフローチャート。 実施例1におけるフォーカス制御処理の変形例を示すフローチャート。 位相差量の説明図。 絶対フォーカス許容範囲が設定されている場合のフォーカス動作を示す図。 実施例1において相対フォーカス許容範囲が設定されている場合のフォーカス動作を示す図。 実施例2におけるフォーカス制御処理を示すフローチャート。 実施例2において被写体が静止している場合のフォーカス許容範囲を示す図。 実施例2において被写体が近づいてくる場合のフォーカス許容範囲を示す図。 実施例2において被写体が遠ざかっていく場合のフォーカス許容範囲を示す図。 本発明の実施例3であるズームレンズ装置の構成を示すブロック図。 実施例3におけるフォーカス制御処理を示すフローチャート。 実施例3におけるレンズ角速度ωと関数f4(ω)の関係を例示した図。 実施例3におけるパンニング操作中のフォーカス許容範囲を示す図。 実施例3におけるパンニング操作されていないときのフォーカス許容範囲を示す図。 本発明の実施例4であるズームレンズ装置の構成を示すブロック図。 実施例4におけるフォーカス制御処理を示すフローチャート。 実施例4においてパンニング操作が行われていない場合のフォーカス許容範囲を示す図。 実施例4においてパンニング操作中のフォーカス許容範囲を示す図。 実施例4においてパンニング操作停止直後のフォーカス許容範囲を示す図。
符号の説明
1 フォーカスレンズ
2 ズームレンズ
3 分光プリズム
4 リレーレンズ
5 位相差検出レンズ
6 位相差検出センサ
7 撮像素子
8 振動検出センサ
11 ボリューム
12 ズーム位置検出器
13 フォーカス位置検出器
14 A/D変換器
15 CPU
16 モータ
17 フォーカス駆動回路
18 D/A変換器
19 スイッチ
20 ボリューム
21 ボリューム
30 ズームレンズ装置
40 カメラ

Claims (10)

  1. 被写体に合焦するフォーカスレンズの位置を求める演算手段と、
    前記フォーカスレンズの移動許容範囲を設定する設定手段と、
    前記演算手段により求められた前記フォーカスレンズの位置が前記移動許容範囲内である場合に該位置を目標位置として前記フォーカスレンズを移動させる制御手段とを有し、
    前記設定手段は、前記目標位置の変化に追従して前記移動許容範囲を移動させることを特徴とする光学機器。
  2. 被写体に合焦するフォーカスレンズの位置を求める演算手段と、
    前記フォーカスレンズの移動許容範囲を設定する設定手段と、
    前記演算手段により求められた前記フォーカスレンズの位置が前記移動許容範囲内である場合に該位置を目標位置として前記フォーカスレンズを移動させる制御手段と、
    前記フォーカスレンズの位置を検出する位置検出手段とを有し、
    前記設定手段は、前記位置検出手段により検出された前記フォーカスレンズの位置の変化に追従して前記移動許容範囲を移動させることを特徴とする光学機器。
  3. 位相差検出方式による焦点検出を行う焦点検出手段を有し、
    前記演算手段は、前記焦点検出手段による検出結果に基づいて前記被写体に合焦するフォーカスレンズの位置を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
  4. 使用者により操作される第1の操作部材を有し、
    前記制御手段は、前記第1の操作部材の状態に応じて前記フォーカスレンズの移動を前記移動許容範囲内に制限するか否かを切り換えることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学機器。
  5. 使用者により操作される第2の操作部材を有し、
    前記設定手段は、前記第2の操作部材の操作に応じて、前記移動許容範囲の幅を変更することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学機器。
  6. 前記設定手段は、該光学機器の光軸方向における被写体の移動速度を検出し、該移動速度に応じて、前記被写体の位置に対する前記移動許容範囲の位置を変更することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学機器。
  7. 前記設定手段は、該光学機器の向きの変化を検出し、該向きの変化に応じて前記移動許容範囲の幅を変更することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学機器。
  8. 前記制御手段は、前記向きの変化が継続中か停止したかを判別し、該判別結果に応じて、前記移動許容範囲として、前記設定手段により設定される範囲を使用するか該光学機器からの距離により特定される固定範囲を使用するかを切り換えることを特徴とする請求項に記載の光学機器。
  9. 使用者により操作される第3の操作部材を有し、
    前記制御手段は、前記第3の操作部材の状態に応じて、前記移動許容範囲として前記設定手段により設定される範囲を使用するか、該光学機器からの距離により特定される固定範囲を使用するかを切り換えることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学機器。
  10. 請求項1からのいずれか1つに記載の光学機器と、
    該光学機器が装着される撮像装置とを有することを特徴とする撮像システム。
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