JP3798866B2 - 測距装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測距装置、より詳しくは、視差を有する異なる視野から観測した被写体像の輝度分布に従った光パターン信号をそれぞれ出力する2つのラインセンサを備えた測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチルカメラやビデオカメラ等に使用される測距装置は、従来より種々のものが提案されていて、光を利用して被写体までの距離を測定するものが多く、これらは主として、測距装置側から信号光を被写体に向けて投射するアクティブタイプと、被写体の輝度分布像を利用するパッシブタイプとに大別される。
【0003】
これらは共に三角測距を基本原理としており、アクティブタイプは投光と受光の位置間隔を基本の長さ(基線長)として、また、パッシブタイプは2つの受光位置を基準として、その視差に基づく被写体像の相対位置差によって被写体までの距離を求めるようになっている。
【0004】
この被写体までの距離を求めるためには、被写体像の受光位置ごとの光量を測定する必要があり、例えば複数の光センサを線状に並べて設けたラインセンサを利用する。
【0005】
まず、このようなラインセンサを用いたパッシブ型の測距装置の構成について図20を参照して説明する。
【0006】
この測距装置は、被写体6からの光が入射するものであって、基線長Bだけ離して配置された2つの受光レンズ1a,1bと、この受光レンズ1a,1bを介して入射した光により符号3a,3bに示すような光パターンがそれぞれ形成されて光電変換を行うラインセンサ2a,2bと、このラインセンサ2a,2bの出力をデジタル信号に変換するA/D変換器4と、このA/D変換器4の出力に基づいて被写体までの距離Lを算出する演算手段5と、この演算手段5と上記A/D変換器4の出力が入力されて各種の制御を行うCPU10とを有して構成されている。
【0007】
次に、このような測距装置による測距方法について説明する。
【0008】
上記ラインセンサ2a,2b上に形成される光パターン3a,3bは、被写体6上の輝度分布と両受光レンズ1a,1bの相対位置関係とに依存する。
【0009】
より詳しくは、両光パターン3a,3bの相対位置差xは、上記基線長Bと、受光レンズ1a,1bとラインセンサ2a,2bとの間の距離fと、被写体距離Lとに依存して、次に示すような関係、
x=B×f/L
が成立する。
【0010】
ラインセンサ2a,2bの出力に基づいて、このような演算を行うことにより上記相対位置差xを算出する手段(相関演算)については、例えば特公平7−54371号公報などに記載されている。
【0011】
また、この光パターン3a,3bのどの部分を利用して測距するかも重要な技術である。
【0012】
例えば図5に示すように、人物などの主要被写体6aの斜め後方に山などの背景被写体6bがある情景を撮影しようとした場合に、主要被写体6aを測距しようとしても、ラインセンサ2aを構成するセンサRn2に入射した光を加味してしまうと、背景被写体6bの輝度が混入(遠近混在)してしまって、主要被写体6aへの正しい測距を行うことができなくなる。
【0013】
つまり、正しい測距を行うためには、図5中に示すR1 からRn1までの各センサの出力(主要被写体6aに係るセンサ出力)は利用しても、Rn2のセンサの出力(背景被写体6bに係るセンサ出力)は利用しないようにする技術が必要となる。
【0014】
こうした技術手段としては、例えば特公平5−88445号公報に、対物レンズの焦点状態に応じて相対的な位置関係が変化する第1並びに第2の像を形成する光学系と、上記第1並びに第2の像のそれぞれを複数の光電変換素子で検出するセンサとを有し、このセンサの出力に基づいて上記第1並びに第2の像の相対変位量を求めることにより対物レンズの焦点状態を検出する焦点検出装置において、上記第1並びに第2の像を検出する光電変換素子の出力の相関量の極値をもって2像の一致の程度を表す評価量とし、上記評価量と所定値を比較して2像の一致が悪い際には上記センサの出力を上記第1並びに第2の像毎に複数領域に分割し、各領域毎に上記第1並びに第2の像の相対変位量を求める焦点検出装置が記載されている。
【0015】
また、特開平2−135311号公報は、被写体から異なる光路で撮影レンズに入射し通過した2光束を、一対の被写体像として個々に検出面上に形成する焦点検出光学系と、上記検出面上に配列された複数の受光素子からなり、上記一対の被写体像の一方が投影され、該被写体像の光強度分布に対応した被写体像信号を発生する第1受光素子列と、上記検出面上に配列された複数の受光素子からなり、上記一対に被写体像の他方が投影され、該被写体像の光強度分布に対応した被写体像信号を発生する第2受光素子列と、上記第1受光素子列から所定の受光素子列を選択し、該所定の受光素子列をそのまま固定部分検出領域として設定するかまたは上記所定の受光素子列からシフトした領域の受光素子列を順次新たな移動部分検出領域として設定し、上記固定部分検出領域もしくは上記移動部分検出領域からの被写体像信号と上記第2受光素子列からの被写体像信号との相対的ずれ量を検出する検出手段とからなる焦点検出装置において、上記検出手段は、上記初期検出領域を選択する際に、上記第1受光素子列内で予め設定された隣接する検出領域間の境界の近傍について隣接する受光素子間の上記被写体像信号の変化を検出し、被写体像信号の変化の少ない受光素子間に上記初期検出領域の境界を設定する焦点検出装置が記載されている。つまり、ラインセンサを構成する各受光素子のデータの変化を調べて、その変化率の小さい所を利用しているものである。
【0016】
一方、ズームレンズを備えたカメラにおいて、撮影レンズの焦点距離を変化させた場合に該焦点距離に応じて測距枠を切り換える技術は古くから知られており、例えば特開昭53−99935号公報等に記載のものが挙げられる。該公報に記載のものは、撮影レンズの焦点距離が変化しても画面内の測距エリアを一定に保つようにして、上述したような背景被写体6bの輝度混入による誤差の発生を防止するようにしたものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような特公平7−54371号公報に記載のものでは、測距結果が被写体の撮影画面内における位置に依存してしまう点や、上述したような背景による誤差が発生することには触れておらず、どのような被写体に対しても正しい測距を行うことができる測距装置とはなっていなかった。
【0018】
また、上記特公平5−88445号公報,特開平2−135311号公報,特開昭53−99935号公報等に記載のものでは、限られた測距ポイントに対する測距精度の向上は可能であるが、例えば図6に示すような、主要被写体が撮影画面中央部の測距枠から離れた画面周辺部にある場合には、正しい測距を行うことができなかった。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、撮影画面内の主要被写体の位置や背景被写体による輝度の影響を受けることなく、主要被写体を正確に測距することができる簡単な構成の測距装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による測距装置は、視差を有する異なる視野から観測した被写体像の輝度分布に従った光パターン信号をそれぞれ出力する2つのラインセンサと、上記ラインセンサの第1エリア部分を選択する第1の選択手段と、上記ラインセンサの上記第1エリア部分を含む第2エリア部分を選択する第2の選択手段と、上記第1エリア部分が選択された状態で上記第1エリア部分の積分出力に基づいて積分制御を行なう第1積分制御と、上記第2エリア部分が選択された状態で上記第2エリア部分の上記第1エリア部分を除く部分の積分出力に基づいて積分制御を行なう第2積分制御とを連続的に実行し、各エリア部分について、上記2つのラインセンサの光パターン信号をそれぞれ比較して、上記被写体像の視差に基づく相対位置差を算出して被写体距離情報を出力する算出手段と、上記第1エリア部分を用いたときの上記算出手段によって算出された被写体距離情報と上記第2エリア部分を用いたときの上記算出手段によって算出された被写体距離情報とを比較して、当該算出結果に基づいて、近距離を示す方の算出結果を選択して焦点合わせ距離とする決定手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
従って、本発明による測距装置は、2つのラインセンサが視差を有する異なる視野から観測した被写体像の輝度分布に従った光パターン信号をそれぞれ出力し、第1の選択手段が上記ラインセンサの第1エリア部分を選択し、第2の選択手段が上記ラインセンサの上記第1エリア部分を含む第2エリア部分を選択し、算出手段は、上記第1エリア部分が選択された状態で上記第1エリア部分の積分出力に基づいて積分制御を行なう第1積分制御と、上記第2エリア部分が選択された状態で上記第2エリア部分の上記第1エリア部分を除く部分の積分出力に基づいて積分制御を行なう第2積分制御とを連続的に実行し、各エリア部分について上記2つのラインセンサの光パターン信号をそれぞれ比較して上記被写体像の視差に基づく相対位置差を算出して被写体距離情報を出力し、決定手段が上記第1エリア部分を用いたときの上記算出手段によって算出された被写体距離情報と上記第2エリア部分を用いたときの上記算出手段によって算出された被写体距離情報とを比較して、当該算出結果に基づいて、近距離を示す方の算出結果を選択して焦点合わせ距離とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1から図8は本発明の第1の実施形態を示したものであり、図1はパッシブ方式の測距装置の構成を示すブロック図、図2は(A)右側,(B)左側のラインセンサによる積分出力を示す図、図3はシフトセンサ数Sに対する左右のセンサ出力の絶対値総和FFを示す線図、図4は補間演算を説明するための図である。
【0027】
まず、図1を参照して、本実施形態のパッシブ方式の測距装置の構成について説明する。
【0028】
この測距装置は、被写体6からの光が入射するものであって、基線長Bだけ離して配置された2つの受光レンズ1a,1bと、この受光レンズ1a,1bを介して入射した光により符号3a,3bに示すような光パターンがそれぞれ形成されて光電変換を行うラインセンサ2a,2bと、このラインセンサ2a,2bの出力をデジタル信号に変換するA/D変換器4と、このA/D変換器4の出力に基づいて上記ラインセンサ2a,2bを構成するセンサの内の使用するエリアを選択する選択手段10bと選択したエリアに係る情報により後述するような相関演算や補間演算を行って被写体までの距離Lを算出する演算手段10aとを含む例えばワンチップマイコン等からなる演算制御手段であるCPU10と、このCPU10からの選択エリアに係る情報に基づいて上記ラインセンサ2a,2bの出力の内の上記A/D変換器4に入力されるエリアまたはA/D変換器4から上記CPU10に入力されるエリアを切り換えるエリア切換手段11と、上記CPU10の出力に基づいて撮影レンズのピントを調節するピント合わせ手段12とを有して構成されている。
【0029】
本実施形態は、このような構成により、CPU10が、その演算手段10aによって相関演算や補間演算を行うに際して、像ずれ量を求めるためのラインセンサ2a,2bの出力を上記エリア切換手段11により切り換えて、広い測距枠(図7(A)参照)と狭い測距枠(図7(B)参照)を選択して演算を行うことができるようにし、さらに、これらの異なる測距枠を用いて各演算された被写体距離から適切な方を選択手段10bにより選択して、カメラの撮影レンズ等のピント合わせをすることができるようにしたものである。
【0030】
なお、ここに、上記演算とは、後で詳しく説明する相関演算、補間演算、さらに、三角測距の原理による距離算出などを示すが、広い測距枠と狭い測距枠の何れを選択するかを判断するときには、これらの内のどれかの演算結果を用いて選択すれば良い。
【0031】
次に、図1から図4を参照して、パッシブ方式の測距装置における光パターンの相対位置差算出の方法について詳しく説明する。
【0032】
左右の受光レンズ1a,1bの位置の差である基線長Bにより、ラインセンサ2a,2b上に入射する光分布の相対位置差xは、被写体距離Lに依存して変化する。各受光レンズ1a,1bの焦点距離をfとすると、被写体距離Lは、
【数1】
L=B×f/x
として求められる。
【0033】
ラインセンサ2a,2bを構成する各センサは、光の入射量に応じた電流信号を出力するために、これらをA/D変換器4によりデジタル信号に変換すれば、上記CPU10の演算手段10aによる相関演算および補間演算によって、上記相対位置差xを算出することができる。
【0034】
この結果に基づいて、上記CPU10においてさらに上記数式1に基づいて演算を行うことにより、被写体距離Lを求めることができる。これが一般的なパッシブ式三角測距方式の基本原理である。
【0035】
こうした技術手段によりカメラの撮影レンズのピント合わせを行うときには、このCPU10が、カメラ全体の動作を制御するようにして、ピント合わせ手段12により撮影レンズ中のピント合わせレンズをモータ等のアクチュエータを介して制御することにより、自動焦点(AF)機能付きカメラを構成することができる。
【0036】
上述したように、像ずれ量演算(上記相対位置差xの演算)においては、センサピッチSPの単位でどれだけ左右の像がずれているかを調べる相関演算のステップと、このセンサピッチSPよりも細かい分解能でさらに正確に左右の像のずれ量を算出する補間演算のステップとを必要とする。
【0037】
そこで、まず相関演算について説明する。
【0038】
右側のラインセンサ2a上に、図1に示すような光パターン3aが入射した場合に、該ラインセンサ2aが複数のセンサR1 〜R6 により構成されているものとすると、これらセンサR1 〜R6 の出力の大きさは、例えば図2(A)に棒グラフとして示すような分布となる。
【0039】
ここでRは右側のセンサであることを示し、このRに付けられた添え字の1から6が、例えば受光レンズ1aの光軸を基準としたときのセンサの絶対位置を示しているものとする。
【0040】
このとき、もし、左側のラインセンサ2bを構成する左側のセンサL1 〜L6 から、上記右側のセンサR1 〜R6 と同じ信号が出力される場合には、上記相対位置差xは0となるために、上記数式1により被写体距離Lは無限遠ということになる。
【0041】
また、被写体が有限の距離にある場合には、上記相対位置差xとセンサピッチSPから決定されるシフトセンサ数Sだけシフトしたところの左側のセンサL1 〜L6 に、上記センサR1 〜R6 に類似した出力が得られる(図2(B)参照)。
【0042】
このシフトセンサ数Sを求めるには、ある右側のセンサの出力から対応する左側のセンサの出力を引き算して、その絶対値を各センサ毎に加算した結果FFを用いればよい。すなわち、次の数式2に示すように、まず右側のセンサRiと左側のセンサLiの出力を引き算し、その絶対値をとって、ある幅でiを変化させてこれらを加算する。
【数2】
FF(i)=Σ|R(i)−L(i)|
【0043】
そして、右側のセンサRiまたは左側のセンサLiの一方のセンサを1つだけずらして、先に差をとった隣のセンサと同様に差をとると、次のような数式3により表現することができる。
【数3】
FF(i+1)=Σ|R(i+1)−L(i)|
【0044】
このように順次、ずらし量SIFTを変更しながら上記FFをグラフにすると、図3に示すようなグラフが作成される。このとき、右側のセンサRと左側のセンサLの差の和であるFFが、最小値Fmin となるずらし量SIFTのところが最もよく対応がとれていると考えられるために、このときのずらし量SIFTが上記シフトセンサ数Sとして求められる。
【0045】
このシフトセンサ数Sを加味して左右のラインセンサ2a,2bの出力分布を図示すると、図2(A),(B)に示すように、シフトセンサ数Sだけずれた左側の各センサLから、対応する添え字の付いた右側の各センサRとほぼ同様の出力が得られる。
【0046】
次に、補間演算について説明する。
【0047】
実際の2つのラインセンサ2a,2b上の像ずれ量は、センサピッチSPを単位としてその整数倍だけ正確にずれているわけではなく、一般的には端数が存在する。
【0048】
そこで、正確な測距を行うためには、像ずれ量をセンサピッチSPよりも細かい精度によって検出しなければならず、このプロセスを補間演算と呼んでいる。この補間演算について、図4を参照して説明する。
【0049】
図4において、上記ラインセンサ2a,2bのそれぞれの一部を構成する右側の各センサRと左側の各センサLの出力は、上述の相関演算により算出した上記シフトセンサ数Sだけシフトさせた後の比較し易い状態にして、並べて図示してある。
【0050】
従って、図4中のL0 からL4 は、正確にはLs からLs+4 と記載するべきものであるが、繁雑になるのを避けるために添え字のSについてはその記載を省略している。
【0051】
左側のセンサLには、上記シフトセンサ数Sだけシフトをした後も、右側のセンサRを基準としてさらに相対位置差xだけのずれ量が残っている光が入射しているものとする。
【0052】
このときに、例えばセンサL1 には、センサR0 に入射する光とセンサR1 に入射する光とに各対応する光が混じり合って入射している。同様にして、他の左側の各センサLにも、右側のセンサRを基準として相対位置差xだけずれた光がそれぞれ入射しているために、各センサLの出力は、次の数式4から数式6に示すように表現されることがわかる。
【数4】
L1 =(1−x)・R1 +xR0
【数5】
L2 =(1−x)・R2 +xR1
【数6】
L3 =(1−x)・R3 +xR2
【0053】
上記最小値Fmin と、この最小値Fmin から上記シフト量をプラス方向とマイナス方向にずらしたFFの値F−1,F+1は、この各Rn,Lnの出力を用いて表現すると、次の数式7から数式9に示すようになる。
【数7】
Fmin =Σ|Rn −Ln |
【数8】
F-1=Σ|Rn-1 −Ln |
【数9】
F+1=Σ|Rn+1 −Ln |
【0054】
さらに、上記数式4から数式6を用いて上記数式7から数式9を展開すると、次の数式10から数式12に示すようになる。
【数10】
Figure 0003798866
Figure 0003798866
【数11】
Figure 0003798866
【数12】
Figure 0003798866
【0055】
上記数式10から数式12に現れる項について、
【数13】
(ΣΔR)={|R0 −R1 |+|R1 −R2 |+|R2 −R3 |}
と表現すると、これら数式10から数式12はそれぞれ数式14から数式16に示されるようになる。
【数14】
Fmin =(ΣΔR)x
【数15】
F-1=(ΣΔR)(1−x)
【数16】
F+1=(ΣΔR)(1+x)
【0056】
これらを用いて、(F-1−Fmin )/(F+1−Fmin )を計算すると、数式17に示すようになる。
【数17】
Figure 0003798866
【0057】
こうして、数式17に示すように、上記項(ΣΔR)に依存することなく、先の相対位置差(像ずれ量)xを求めることができる。これが補間演算である。
【0058】
これらの相関演算および補間演算は、CPU10内の演算手段10aにおいて所定のプログラムに従って行われるが、演算手段をCPUと別体に設けた場合には、該演算手段によって行うようにしても良い。
【0059】
ここで、上述した撮影画面内に、遠方の被写体と近い被写体とが混在する場合について説明する。
【0060】
例えば、図5に示すようなシーンにおいて、主要被写体6aを正しく測距しようとする場合には、測距エリアWは、人などの主要被写体6aの例えば顔の幅Kよりも狭い(W<K)方がよい。つまり、幅Kよりも広いと、背景被写体6bからラインセンサ2aに入射する光の情報までが演算に加味されてしまうために、高精度の測距を行うことができなくなるからである(これを遠近混在誤差という。)。
【0061】
この測距エリアWは、ラインセンサ2a,2bのセンサピッチSPや、使用するセンサ数E,被写体距離L,受光レンズ1a,1bとラインセンサ2a,2bとの間の距離fに、次の数式18に示すように依存する。
【数18】
W=L×SP×E/f
【0062】
図5からわかるように、顔の幅Kは被写体距離Lが変化しても一定であるのに対して、測距エリアWは、上記数式18に示したように、被写体距離Lに比例して変化する。
【0063】
つまり、被写体距離Lが変化した場合に、測距エリアWを顔の幅K以下にするためには、上記センサピッチSPと距離fとは一定であるから、使用するセンサ数Eを切り換えれば良い。
【0064】
一方、遠近混在がなければ、相関エリアは広いほうが、ラインセンサ2a,2bを各構成するセンサのノイズが相殺されて測距精度が高くなる。従って、近距離では相関エリアは広いほうが有利となる。また、相関エリアが広いほうが、測距する視野が広がる(広視野化する)ために、水平方向に測距することができる領域が広がるというメリットがある。
【0065】
このようにして、測距エリアを可変となるように構成するとともに、変化させた測距エリアにより測距を行い、撮影状況に応じた適切な方の測距結果を用いることにより、近距離から遠距離までを高精度に測距をすることができるようにしたのが本実施形態である。
【0066】
図7は(A)広い測距枠,(B)狭い測距枠の撮影画面をそれぞれ示す図である。
【0067】
今、図7に示すように、画面のほぼ中央に比較的輝度の低い主要被写体6aが位置し、この主要被写体6aの右後ろに輝度の高い背景被写体6bが位置する撮影画面40を測距する場合について考える。
【0068】
このような撮影画面40において、図7(A)に示すような広い測距枠41aを用いて測距を行うと、主要被写体6aからの光だけでなく、背景被写体6bからの光も加味して測距してしまうことになる。
【0069】
このとき、上述したように背景被写体6bの方が輝度が高いために、該背景被写体6bの輝度分布に引っ張られて、測距結果は実際の主要被写体6aまでの距離よりも遠距離となってしまう。
【0070】
一方、もし背景被写体6bの輝度が主要被写体6aの輝度に比べて低ければ、それほど大きな誤差とはならない。
【0071】
そこで本実施形態においては、測距枠41aを図7(A)に示すような広いものから図7(B)に示すような狭いものへ、また逆に図7(B)に示すような狭いものから図7(A)に示すような広いものへと変更することができるように構成されている。
【0072】
上述のような主要被写体6aに比して背景被写体6bの輝度が高い場合には、図7(B)に示すような狭い測距枠41aを使用することにより、背景被写体6bの影響を受けないために、より正確な測距を行うことが可能となる。
【0073】
これに対して、図6に示すような撮影画面においては、上記図7(B)に示すような狭い測距枠を用いた場合には、測距枠41が主要被写体6a内に正しく収まっていないために、正確な測距を行うことは不可能であり、いわゆるピンぼけになってしまう。
【0074】
このような場合には、上記図7(A)に示したような広い測距枠41aを用いることにより、主要被写体6aを測距枠41a内に入れることができるために、測距を行うことが可能となる。特に、背景被写体の輝度が低い場合には、該背景被写体に影響されることなく正確に測距を行うことができる。
【0075】
こうして、本実施形態は、広い測距枠と狭い測距枠の双方により測距を行い、撮影を行う被写体の状態に応じた適切な測距結果が得られた方の測距枠を選択することにより、画面内の広い範囲を測距する必要がある場合にも、逆光時などにおける背景被写体の影響が大きい場合にも、対応することができるようにしたものである。
【0076】
次に、このような実施形態の作用について、図8を参照して説明する。図8は測距装置による基本的な測距動作を示すフローチャートである。
【0077】
測距動作がスタートすると、上記図7(A)に示したような広い測距枠41aにより測距を行って被写体までの距離を算出し、その広視野測距結果をLHに記憶させておく(ステップS1)。
【0078】
次に、同様にして、上記図7(B)に示したような狭い測距枠41aにより測距を行って被写体までの距離を算出し、その狭視野測距結果をLSに記憶させておく(ステップS2)。
【0079】
こうして得られた測距結果LS,LHの内のどちらがより近い被写体距離となるかを比較して(ステップS3)、狭視野測距結果LSの方が近い被写体距離となる場合にはピント合わせ手段12によってその被写体距離に撮影レンズのピントを合わせ(ステップS4)、一方、広視野測距結果LHの方が近い被写体距離となる場合には同様にその被写体距離に撮影レンズのピントを合わせる(ステップS5)。
【0080】
このように簡単な動作によって、図7に示したような遠近混在が起こりやすい逆光シーンや、図6に示したような撮影画面の中央に被写体が存在しないシーンの何れの場合にも、正しく測距を行ってピントを合わせることが可能となる。
【0081】
つまり、図7に示したようなシーンでは、広視野測距結果LHは遠近混在によって遠距離側となるために、上記ステップS3において、より正確な狭視野測距結果LSが選択されるからである。
【0082】
また、図6に示したようなシーンでは、狭い測距枠は背景被写体を測距するためにLSが遠距離を示すのに対し、広視野測距結果LHは主要被写体の輝度分布情報を取得して比較的近距離を示すために、上記ステップS3において、より正確な広視野測距結果LHが選択されるからである。
【0083】
なお、上述ではCPU10に演算手段10aおよび選択手段10bを内蔵したが、これに限るものではなく、これらをCPU10の外部に別体として設けるようにしても良い。
【0084】
このような実施形態によれば、広い測距枠による測距結果と狭い測距枠による測距結果とを比較して用いるようにしたために、画面の中央部に主要被写体が位置していないような場合や、画面のほぼ中央部に比較的輝度の低い主要被写体が位置するとともにその両側あるいは片側の後ろに輝度の高い背景被写体が位置するような場合にも、より正確な測距を行うことができる。
【0085】
また、被写体距離に応じて測距枠をあまり細かく切り換えると、計算が繁雑になって測距時間が長くなってしまうことが考えられるが、本実施形態においては広い測距枠と狭い測距枠の2つを用いるようにしたために、測距時間が長くなるような影響は殆ど現れることはなく、測距装置をカメラに適用する場合にも、シャッタタイムラグが長くなるなどの好ましくない結果を生じることもない。
【0086】
図9から図15は本発明の第2の実施形態を示したものであり、図9は測距装置の構成を示すブロック図、図10は測距装置におけるゲート手段および積分判定手段の詳細な構成を示す回路図、図11は測距装置を搭載したカメラを示す斜視図である。この第2の実施形態において、上述した第1の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0087】
図9から図11を参照して、この第2の実施形態の測距装置を搭載したカメラについて説明する。
【0088】
このカメラ51は、図11に示すように、カメラ上面の例えば該カメラを保持する右手の人差指で押圧可能な位置に配設されたレリーズボタン54と、カメラ前面側のほぼ中央部に配設された撮影レンズ52と、この撮影レンズ52の上部に配設された撮影範囲を視認するためのファインダ53と、このファインダ53の図面右側に配設された被写体までの距離を測定するための測距装置である測距ユニット50とを有して構成されている。
【0089】
上記測距ユニット50は、図9に示すように、被写体6a,6bからの光が入射するものであって、基線長Bだけ離して配置された2つの受光レンズ1a,1bと、この受光レンズ1a,1bを介して入射した光を光電変換するラインセンサ2a,2bと、このラインセンサ2a,2bの出力が入力するゲート手段7と、このゲート手段7の出力に基づき積分判定を行う積分判定手段22と、この積分判定手段22の結果に基づき上記ゲート手段7の出力をデジタル信号に変換してCPU10に出力するA/D変換器4と、このA/D変換器4の出力に基づいてCPU10において算出された選択エリアに係る情報により上記ラインセンサ2a,2bの出力の内の上記ゲート手段7に入力されるエリアまたはゲート手段7から上記CPU10に入力されるエリアを切り換える選択手段21とを有して構成されている。
【0090】
さらに、本実施形態におけるラインセンサ2a,2bの出力を選択して取り出す構成について説明する。
【0091】
電子回路には電源電圧等の制約があるために、扱える信号にはダイナミックレンジの許容幅があり、被写体からの輝度信号もこのダイナミックレンジ内に適切に収めるための技術が必要である。
【0092】
従って、各ラインセンサ2a,2bに入射した光の強さを検出させるために、その出力光電流をコンデンサに積分して電圧変換する場合も、積分時間の制御に工夫を施す必要がある。
【0093】
つまり、積分時間が長過ぎると積分電圧が大きくなり過ぎることがあり、また短か過ぎると後段で処理するに十分な大きさの積分電圧とはならないことがあるからである。
【0094】
より具体的には、本実施形態は、ラインセンサ2a,2bを構成するセンサの内のどのセンサの出力を基準にして積分時間の制御を行うか、という技術手段に着目したものであり、CPU10により選択手段21を介してゲート手段7を制御して、積分判定手段22に入力されるラインセンサ2a,2bを構成するセンサの出力を選択することにより、想定された撮影シーンに応じた積分制御を行うようにしたものである。
【0095】
このセンサ出力を切り換えるための構成について、図10を参照して説明する。図10は、上記図9に示したゲート手段7や積分判定手段22の詳細を示す回路図である。
【0096】
センサ29a,29bは、共に上記ラインセンサ2aを構成するセンサであり、これらのセンサ29a,29bに入射した光量に依存する光電流は、アナログスイッチ38a,38bがオンしている間は、積分アンプ31a,31bと積分用コンデンサ32a,32bによって積分されて、電圧信号に変換される。
【0097】
電流が積分されると各積分アンプ31a,31bの出力は低下するが、これによって、アナログスイッチ30a,30bを介して基準電圧Vrefに接続されたPMOSトランジスタ35a,35bのゲート電位が低下し、ゲート電位の低下に従ってドレイン電流が増加して、抵抗37の電圧降下量が大きくなる。
【0098】
この抵抗37に流れるドレイン電流は、各センサの内で最も多くの光電流を出力したものに依存するために、この降下電圧をA/D変換器4によりモニタすることによって、最も多く光が入射して光電流を最も多く出力しているセンサの出力をCPU10がモニタすることができる。
【0099】
また、アナログスイッチ36a,36bがオンすると積分電圧を初期化することができ、上記アナログスイッチ30a,30b等がオフしているセンサについては、この最も多く光電流が入射しているセンサの検出から除外される。
【0100】
つまり、上記アナログスイッチ30a,30b等のスイッチがオンしているセンサに従って積分の制御が行われるが、具体的にはこれらのセンサ出力が所定値となったときに、上記アナログスイッチ38a,38bをオフして積分を停止するようにすればよい。
【0101】
また、各積分電圧はバッファ回路33a,33bを介してA/D変換器4に入力される。アレイ状に多数が並設されたセンサの積分出力を同時にA/D変換することはできないために、アナログスイッチ34a,34bを順次オンさせて、各出力をA/D変換器4に入力していくようにする。
【0102】
上記選択手段21は、これらの各アナログスイッチ30a,30b,34a,34b,36a,36b,38a,38bを制御して、積分の初期化、開始、終了、A/D変換等の動作切換えを行うものである。
【0103】
また、上記図9に示したように、異なる方向に位置する被写体6a,6bを測距するには、ラインセンサ2aにおける基準センサを、各々図中の符号60または符号61に示す位置にあるセンサに切り換えておけば良い。
【0104】
このように、ラインセンサ2a,2bの内のどのセンサの出力を用いてずれ量計算を行なうかによって、撮影画面内の異なる領域の測距を行うことが可能となる。
【0105】
このセンサ領域の切り換えは、図10に示したようなA/D変換器4に入力する積分電圧を、アナログスイッチ34a,34bにより切り換えるようにしても良いし、あるいは、CPU10がセンサ出力を取得した後に、距離計算に利用するものを取捨選択するようにしてもよい。
【0106】
次に、このような構成を前提として行われる測距について、図12,図13を参照して説明する。
【0107】
図12は撮影画面内のほぼ中央部に主要被写体が位置し左右に2つの背景被写体が位置する場合の測距を示す図、図13は撮影画面内の左右に2つの主要被写体が位置しほぼ中央部に背景被写体が位置する場合の測距を示す図である。
【0108】
図12(A)に示すように、撮影画面40内のほぼ中央部に比較的輝度の低い主要被写体6aが位置し、この主要被写体6aの左右の後ろに輝度の高い背景被写体6bが位置する撮影画面40を測距する場合について説明する。
【0109】
主要被写体6aよりも背景被写体6bの方が明るい場合には、図12(B)に示すように、ラインセンサ2a,2bの全域で積分終了制御を行うと、輝度の高い背景被写体6bからの光を受けたセンサ部分で積分の終了判定レベルV1に達してしまい、測定したい主要被写体6aの例えば顔の部分については十分な信号を得られず、上述したようなずれ量判定を行うに足る輝度差がなく、正確な測距を行うことができない。
【0110】
そこで図12(D)に示すように、積分判定を行うセンサを中央部の区間Wに位置するセンサだけに設定すると、図12(C)に示すように、背景被写体6bは回路のダイナミックレンジの関係から飽和してしまうものの、主要被写体6aには輝度差の信号が生じて、測距を行うことが可能となる。
【0111】
次に、図13(A)に示すように、撮影画面40内の左右に比較的輝度の低い2つの主要被写体6aが位置し、ほぼ中央部に輝度の高い背景被写体6bが位置する撮影画面40を測距する場合について説明する。
【0112】
主要被写体6aよりも背景被写体6bの方が明るい場合には、ラインセンサ2a,2bの全域で積分終了制御を行うと、やはり輝度の高い背景被写体6bからの光を受けたセンサ部分で積分の終了判定レベルVIに達してしまい、測定したい主要被写体6aの例えば顔の部分については十分な信号が得られず、上述したようなずれ量判定を行うに足る輝度差がなく、正確な測距を行うことができない。これは、上記図12(D)に示したような中央部分のみで積分する場合はなおさらである。
【0113】
そこで図13(D)に示すように、積分判定を行うセンサの対象として中央部に位置するセンサを外して、周辺の区間W1,W2に位置するセンサだけに設定すると、図13(C)に示すように、背景被写体6bは回路のダイナミックレンジの関係から飽和してしまうものの、主要被写体6aには輝度差の信号が生じて、測距を行うことが可能となる。
【0114】
従って、この第2の実施形態においては、測距を2回行い、この2つの場合において上記図12(D)と図13(D)に示すようなエリアについて積分制御を行い、2回の測距で得られた画面内の各点の測距結果から、最終的なピント合わせを行うための被写体距離を求めるものである。
【0115】
上述したように、遠近混在した撮影画面を測距する場合には、測距結果が遠距離側に引っ張られるために、最も至近となる結果を選択することにより、主要被写体の位置に関わらず、正確な主要被写体距離を選び出すことができる。
【0116】
このような実施形態の作用を図14のフローチャートを参照して説明する。
【0117】
動作が始まると、図15(A)に示すように、積分判定するセンサのエリアを中央部に絞って画面内のL,S,Rの3点について測距してその結果をlS1,lL1,lR1とし(ステップS11)、次に、図15(B)に示すように、逆に中央部を除外した領域で積分制御を行って、同様にL,S,Rの3点について測距してその結果をlS2,lL2,lR2とする(ステップS12)。
【0118】
こうして、積分判定範囲を切り換えつつ測距を行う。
【0119】
また、遠近混在が発生し難いように、中央部に積分判定エリアを設定したときは、そうでないときよりも中央部の相関演算を行うエリアの幅Wを狭くしておくほうが効果的である(図15中、W<W1)。
【0120】
さらに、このエリア切り換えは、画面内中心部に被写体が位置しない場合には、なるべく相関エリアを広くした方が、被写体がどの位置にあっても測距することができる確立が高くなることを想定している。
【0121】
そして、上記ステップS11およびステップS12において得られた合計6点の測距結果lS1,lL1,lR1,lS2,lL2,lR2から、最も至近を示す距離を選択してlp とし(ステップS13)、この至近距離lp に基づいてカメラの撮影レンズ等のピント合わせを行う(ステップS14)。
【0122】
こうして、遠近が混在した測距結果は除去されて、主要被写体までの距離を正しく求めることができる。
【0123】
このような第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態とほぼ同様の効果を奏すると共に、主要被写体が撮影画面内のどこに位置していても測距を行うことができ、この測距装置をカメラに適用することにより、逆光シーンや遠近混在し易いシーンにおいても良好なピント合わせをすることができるAFカメラを構成することが可能となる。そして、本実施形態は、背景被写体に比して主要被写体の輝度が低く、しかもその輝度比が大きい場合に特に有効である。
【0124】
図16から図19は本発明の第3の実施形態を示したものであり、図16は測距装置を搭載したカメラの構成を示すブロック図、図17は撮影画面内の測距エリアを示す図、図18は使用される積分判定エリアの変化を示す図、図19はカメラによる測距動作を示すフローチャートである。
【0125】
この第3の実施形態において、上述した第1,第2の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0126】
このカメラは、図16に示すように、被写体光が入射する2つの受光レンズ1a,1bと、この受光レンズ1a,1bを介して入射した光を光電変換するラインセンサ2a,2bと、このラインセンサ2a,2bのアナログ出力をデジタル信号に変換するとともに変換されたデジタルデータを記憶する機能を有するA/D変換器4と、このA/D変換器4により変換されたデジタル信号をCPU10のポート19に出力しまたは該ポート19から信号を入力するシリアル通信用の回路でなる出力回路7aと、上記A/D変換器4の出力に基づき相関演算等を行う例えば高速のハードロジック回路で構成されている相関回路24とを有する測距装置である測距ユニット100を備えている。
【0127】
この測距ユニット100からの出力は、シリアル通信用のポートやカメラの各機能を制御する端子等からなる上記ポート19を介してCPU10に入力されるようになっており、このCPU10は、上記ポート19を制御する演算用レジスタ14およびレジスタ18と、上記ポート19を制御するための演算を含む各種の演算を行う演算手段17と、データを一時的に記憶しておくためのRAM15と、所定のアルゴリズムでこれらを制御するための命令プログラムが記憶されているROM16とを有して構成されていて、上記ポート19からは上記A/D変換器4へ制御出力が行われるようになっている。
【0128】
さらに、上記ポート19からは、カメラに設けられたシャッタ8,ピント合わせ手段12,ズーム機構27などに制御出力が行われ、該カメラの撮影レンズ13は、ピント合わせ手段12によりピント調節のために駆動されるとともに、上記ズーム機構27を介してズーミングが行われるようになっている。
【0129】
また、上記ズーム機構27によって設定された撮影レンズ13のズーミング位置は、焦点距離検出手段28により検出されて、ポート19を介して上記CPU10に入力されるようになっている。
【0130】
さらに、このカメラには、上記ズーム機構27によるズーミングに連動して画角を切り換えるファインダ25が設けられており、撮影者26は、このファインダ25を見ながら構図等の設定を行うようになっている。なお、ファインダ25内には、撮影範囲を示すための測距枠25aが設けられている。
【0131】
また、上記ポート19へは、カメラに設けられたEEPROM9から補正用のデータが入力されるようになっている。
【0132】
すなわち、上記EEPROM9は、電気的に書き込み可能なROMであり、カメラの部品のばらつきや、組み立て精度のばらつきに等よって生じる誤差を補正するための補正係数が記憶されている。
【0133】
つまり、製造ラインの調整工程において、カメラに係る補正値の検出が行われるとともに、検出された補正値のこのEEPROM9への記憶が行われて、CPU10は該EEPROM9の補正データを参照しながらカメラの制御を行うようになっている。
【0134】
ここで、上述したように、カメラの撮影レンズ13がズーミングを行うのに連動してファインダ25も連動してズーミングするようになっているが、測距ユニット100については、その受光レンズ1a,1bやラインセンサ2a,2bの位置精度が測距精度に密接に関連するために、メカ的にズーミングを連動させることは困難である。
【0135】
従って、図17に示すように、ファインダ視野はズーミングに連動して符号40aと符号40bに示すように変化するのに対して、測距可能エリア42は変化しないようになっている。
【0136】
そこで、この測距可能エリア42を5つの領域L1 ,L2 ,S,R1 ,R2 に分割しても、符号40aに示す広角側のファインダ視野と符号40bに示す望遠側のファインダ視野とでは、撮影画面内における測距エリアの配置や大きさが異なってしまう。
【0137】
撮影レンズのズーミングに対応するために、測距エリアそのものや、相関エリアのセンサ数を切り換えることも考えられるが、ズームレンズにより撮影を行う際の測距精度としては、一般に、焦点深度の関係から、望遠側の測距精度をより高く保つ必要がある。しかし、望遠側で視野に合わせて測距エリアを狭くしてしまうと、測距時のノイズの影響を受け易くなったり、量子化誤差の影響によりかえって測距精度が劣化してしまう可能性がある。また、演算を焦点距離によって切り換えるのも構成が複雑になる。
【0138】
そこで、本実施形態は、図18(B),(C)に示すように、周辺測距時の積分判定エリアを、焦点距離に応じて切り換えるようにしたものである。この手段は、積分判定の優先を変更するだけであるために、構成が簡単でありながら、かつ効果的なズーミング連動の測距装置を構成することが可能となる。
【0139】
なお、相関回路24は、上述ではCPU10とは別体に設けたが、CPU10の内部に設けて、後述する図19に示すようなフローチャートの演算によってシフト量S(シフトセンサ数)を算出するようにしても良い。
【0140】
図19はカメラの測距動作を示すフローチャートである。
【0141】
動作が始まると、図18(A)に示すように、積分判定エリアを中央部の狭い領域S1のみに設定して測距を行い、その結果をLS1とする(ステップS21)。これにより、画面中央部の被写体の逆光や遠近混在誤差の影響を対策している。
【0142】
これは、主要被写体の大部分は画面中央部に位置するために、中央部については2回測距を行うことにより、一層信頼性の高い測距を行なうようにしたものである。
【0143】
次に、上記焦点距離検出手段28により検出された撮影レンズ13の焦点距離fが、所定値f0 よりも大きいか否かを判定し(ステップS22)、大きい場合には、図18(B)に示すように望遠用に狭い領域L2 ,R1 を積分判定エリアに設定する(ステップS24)。
【0144】
一方、上記ステップS22において、焦点距離fが所定値f0 以下である場合には、図18(C)に示すように広角用に広い領域L1 ,R2 を積分判定エリアに設定する(ステップS23)。
【0145】
こうして決められた積分判定領域に従って、ラインセンサ2a,2bの基準を変更しながら、図18に示すような5つの領域L1 ,L2 ,S2 ,R1 ,R2 に対して、2つの受光レンズ1a,1bの視差に基づく被写体輝度分布のずれ量を、相関演算や補間演算等によって判定し、各領域に位置する被写体までの距離を算出する(ステップS25)。
【0146】
ここで、求められた画面中央部の測距結果Ls2と、上記ステップS21において求められたより狭い領域を使っての中央部の測距結果Ls1とをもう一度比較する(ステップS26)。
【0147】
この2つの測距結果Ls1,Ls2がほぼ等しい場合には、遠近混在による誤差はないものとして、測距エリアを広くとってより精度の高いLs2を加味し、Ls1とLs2の平均値を最終的な中央の測距結果Lsとする(ステップS28)。
【0148】
上記ステップS26において、逆に2つの測距結果Ls1,Ls2の差が大きい場合には、遠近混在による誤差が発生していると考えて、測距結果Ls1を最終的な中央の測距結果Lsとする(ステップS27)。
【0149】
このような過程により決定された中央の測距結果Ls、および周辺の測距結果LL1,LL2,LR1,LR2の中から、最も至近となる測距結果をピント合わせに用いる最終的な測距結果Lpとして(ステップS29)、この測距結果Lpに基づいてピント合わせ手段12を駆動することにより撮影レンズ13のピント合わせを行う(ステップS30)。
【0150】
このような第3の実施形態によれば、上述の第1,第2の実施形態とほぼ同様の効果を奏すると共に、撮影レンズの焦点距離によって測距エリアの優先度を変更するようにしたために、画面内のどこに被写体が位置しても正しい被写体距離を測定することができる。
【0151】
また、主要被写体の存在確立の高い画面中央部については2回測距を行ってその平均値を用いることにより、信頼性を一層高めるようにしたために、さらに正確なピント合わせが可能となる。一方、画面周辺部については測距演算を1回のみ行うようにしたために、より高速に測距を行うことが可能となる。
【0152】
なお、上記各実施形態を説明する際には、最至近距離を選択するという表現を用いて選択方法を分かり易く表現したが、各領域につき、距離を求める前の状態、つまり相関演算後または補間演算後におけるずれ量を比較して選択するようにしても同様である。これは、ずれ量と測距距離とは一対一に対応するからである。すなわち、ずれ量が大きいほど被写体が至近側にあることを示すために、このずれ量を用いる場合には、最大ずれ量を選択するという表現を用いても良い。
【0153】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0154】
(1) 視差を有する異なる視野から観測した被写体像の輝度分布に従った光パターン信号をそれぞれ出力する2つのラインセンサと、
上記一方のラインセンサの第1エリア部分を選択する第1の選択手段と、
上記一方のラインセンサの上記第1エリア部分を含む第2エリア部分を選択する第2の選択手段と、
上記第1の選択手段および上記第2の選択手段により選択された各エリア部分からの光パターン信号と、他方のラインセンサの光パターン信号出力とを比較して、上記被写体像の視差に基づく相対位置差を算出する算出手段と、
上記第1エリア部分を用いたときの上記算出手段による算出結果と上記第2エリア部分を用いたときの上記算出手段による算出結果とを比較して、算出された上記相対位置差の大きい結果を選択する選択手段と、
を備えたことを特徴とする測距装置。
【0155】
(2) 視差を有する異なる視野から観測した被写体像の輝度分布に従った光パターン信号をそれぞれ出力する2つのラインセンサと、
上記ラインセンサの出力電流を積分してデジタル値に変換する変換手段と、
上記ラインセンサの一方または両方のラインセンサの第1エリア部分を選択して、上記積分状態を制御する第1積分制御状態と、上記ラインセンサの一方または両方のラインセンサの第2エリア部分を選択して、上記積分状態を制御する第2積分制御状態と、を切り換えて制御する積分制御切換手段と、
上記第1積分制御状態および上記第2積分制御状態で積分された各積分結果に基づいて、上記2つのラインセンサ各部分からの光パターン信号とを比較して上記被写体像の視差に基づく光パターンの相対位置差を算出する算出手段と、
上記算出手段により上記第1積分制御状態を用いたときの算出結果と上記第2積分制御状態を用いたときの算出結果とを比較して、最終的な相対位置差を選択する選択手段と、
を備えたことを特徴とする測距装置。
【0156】
(3) 上記測距装置はカメラに搭載されるものであって、
上記第1エリア部分は撮影画面中央部に対応するエリアであり、上記第2エリア部分は上記中央部を除くエリアであるように配設するセンサ配置手段と、
上記カメラの撮影レンズの焦点距離情報を判定する判定手段と、
を有し、
上記判定手段の判定結果に応じて、第2積分制御状態における上記第2エリア部分はその積分位置を切り換えて制御されることを特徴とする付記(2)に記載の測距装置。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、撮影画面内の主要被写体の位置や背景被写体による輝度の影響を受けることなく、主要被写体を正確に測距することができる簡単な構成の測距装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のパッシブ方式の測距装置の構成を示すブロック図。
【図2】上記第1の実施形態において、(A)右側,(B)左側のラインセンサによる積分出力を示す図。
【図3】上記第1の実施形態において、シフトセンサ数Sに対する左右のセンサ出力の絶対値総和FFを示す線図。
【図4】上記第1の実施形態における補間演算を説明するための図。
【図5】上記第1の実施形態において、主要被写体の斜め後方に背景被写体が位置する様子を示す平面図。
【図6】上記第1の実施形態において、主要被写体が撮影画面の中央部の測距枠から離れた画面周辺部に位置する状態を示す図。
【図7】上記第1の実施形態の測距装置における(A)広い測距枠,(B)狭い測距枠の撮影画面をそれぞれ示す図。
【図8】上記第1の実施形態の測距装置による基本的な測距動作を示すフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施形態の測距装置の構成を示すブロック図。
【図10】上記第2の実施形態の測距装置におけるゲート手段および積分判定手段の詳細な構成を示す回路図。
【図11】上記第2の実施形態の測距装置を搭載したカメラを示す斜視図。
【図12】上記第2の実施形態において、撮影画面内のほぼ中央部に主要被写体が位置し、左右に2つの背景被写体が位置する場合の測距を示す図。
【図13】上記第2の実施形態において、撮影画面内の左右に2つの主要被写体が位置し、ほぼ中央部に背景被写体が位置する場合の測距を示す図。
【図14】上記第2の実施形態の作用を示すフローチャート。
【図15】上記第2の実施形態において、使用される積分判定エリアの変化を示す図。
【図16】本発明の第3の実施形態の測距装置を搭載したカメラの構成を示すブロック図。
【図17】上記第3の実施形態における撮影画面内の測距エリアを示す図。
【図18】上記第3の実施形態において、使用される積分判定エリアの変化を示す図。
【図19】上記第3の実施形態のカメラによる測距動作を示すフローチャート。
【図20】従来のラインセンサを用いたパッシブ型測距装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
2a,2b…ラインセンサ
4…A/D変換器(変換手段)
6…被写体
6a…主要被写体
6b…背景被写体
7…ゲート手段
7a…出力回路
10…CPU(決定手段)
10a,17…演算手段(算出手段)
10b,21…選択手段(第1の選択手段,第2の選択手段,積分制御切換手段)
11…エリア切換手段
12…ピント合わせ手段
13,52…撮影レンズ
22…積分判定手段
24…相関回路(算出手段)
28…焦点距離検出手段
50,100…測距ユニット(測距装置)
51…カメラ

Claims (1)

  1. 視差を有する異なる視野から観測した被写体像の輝度分布に従った光パターン信号をそれぞれ出力する2つのラインセンサと、
    上記ラインセンサの第1エリア部分を選択する第1の選択手段と、
    上記ラインセンサの上記第1エリア部分を含む第2エリア部分を選択する第2の選択手段と、
    上記第1エリア部分が選択された状態で上記第1エリア部分の積分出力に基づいて積分制御を行なう第1積分制御と、上記第2エリア部分が選択された状態で上記第2エリア部分の上記第1エリア部分を除く部分の積分出力に基づいて積分制御を行なう第2積分制御とを連続的に実行し、各エリア部分について、上記2つのラインセンサの光パターン信号をそれぞれ比較して、上記被写体像の視差に基づく相対位置差を算出して被写体距離情報を出力する算出手段と、
    上記第1エリア部分を用いたときの上記算出手段によって算出された被写体距離情報と上記第2エリア部分を用いたときの上記算出手段によって算出された被写体距離情報とを比較して、当該算出結果に基づいて、近距離を示す方の算出結果を選択して焦点合わせ距離とする決定手段と、
    を備えたことを特徴とする測距装置。
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