JP4849589B2 - セラミックス構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックス構造体に関するものであり、更に詳しくは、耐熱衝撃、耐腐食性に優れた窒化ケイ素等のファインセラミックスを用いた大型セラミックス構造体の製造方法、そのセラミックス構造体及び大型のセラミックス部材に関するものである。本発明は、通常の鋳込み成形では作製することが困難であった、大型で、肉厚が一定でなく、厚肉部位を有するセラミックス構造体を、大掛かりな設備を必要とせず、低コストで、しかも簡便な方法で作製することを可能とするセラミックス構造体の製造技術、セラミックス構造体及び大型のセラミックス部材を提供するものである。
難加工材であるセラミックスを、低コストで製造するには、成形でいかに最終形状に近い状態とし、その状態を、焼成工程後も維持できるか否かが鍵となる。セラミックスの成形方法として、射出、鋳込み等の成形方法があるが、いずれも、サイズ、複雑形状、精度に関して、オールマイティーではない。例えば、射出成形は、後工程も考えると、小型で精密な部品に、プレスは、小型単純形状に限定される。特に、大きさがメートルに及ぶ大型部材の場合、特に、成形方法に関する課題は多い。
大型部材を成形する方法として、鋳込み成形か圧縮成形後、生加工する方法、又は押し出し成形する方法のいずれかになる。鋳込み成形は、肉厚が異なる部位をもつ部材、あるいは厚肉の部材には適用できない。押し出し成形は、断面形状が一定の部材に限定され、また、圧縮成形及び生加工では、装置が大規模となる上、原料ロスが多く、コスト高となる。先行技術文献には、鋳込み成形に関しては、種々の方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、反応焼結窒化ケイ素の表層部に、金属や他の無機化合物を含浸処理して、改質する手法が提案されている(特許文献4参照)。
また、セラミックス構造体に関して、優れた特性を発現するために、高品位の原料やプロセスを使う限り、費用対効果は上がらない。そのために、低級で粗悪な原料を使用しながら、成形・焼成過程における反応を利用して、微細で高度に制御された構造を得るための技術を構築する必要がある。即ち、当技術分野においては、主に大型で、肉厚が一定でなく、また、厚肉部位を有する構造体について、原料ロスが少なく、有機バインダーの量をできるだけ少なくでき、更に、大掛かりな設備を使用することなく成形し、製造する技術を提供することが課題となっている。
特開平10−217212号公報 特開平11−12043号公報 特開平10−316472号公報 特開昭59−217675号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、新しい大型のセラミックス構造体の製造技術及びその製品を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と原料スラリーを併用して前駆体としての成形物を作製し、これを焼結体とすることで所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、大型で、肉厚が一定でなく、また、厚肉部位を有する構造体について、原料ロスが少なく、また、大掛かりな設備を使用することなく、低コストで、しかも簡便な方法で、セラミックス構造体を製造する方法、そのセラミックス構造体及び大型のセラミックス部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)セラミックス構造体の前駆体を製造する方法であって、1)型内に、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、水分と原料粉末で成るスラリーを充填し、前記多孔質の小片の気孔部分にスラリー中の水分を吸収させることにより、前記スラリー部分を固化させ、成形物とすること、2)上記スラリーが、ケイ素を主成分とするものであり、反応焼結セラミックスの多孔質の小片が窒化ケイ素であること、を特徴とするセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
(2)セラミックス構造体の前駆体を製造する方法であって、1)型内に、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、有機バインダーと原料粉末から成るスラリーを充填し、固化成分の添加、あるいは冷却により、前記スラリー部分を固化させ、成形物とすること、2)上記スラリーが、ケイ素を主成分とするものであり、反応焼結セラミックスの多孔質の小片が窒化ケイ素であること、を特徴とするセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
)上記多孔質の小片が、球体である前記(1)又は(2)記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
)上記多孔質の小片として、大きさの異なる球体を使用することで、大きな球の間隙を小さな球体で埋めるように配し、狭隘部には小さな球体を配することにより、充填密度を向上させる前記(1)又は(2)記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
)上記反応焼結窒化ケイ素の小片又はケイ素を主成分とするスラリーに、酸化物が焼結促進用添加剤として含有されている前記()記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
)型内に、多孔質の小片とスラリーを充填した後、振動を与え、均質にする前記(1)又は(2)記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
)前記(1)から()のいずれかに記載の方法で作製したセラミックス構造体の前駆体を、任意に脱脂し、焼結し、緻密化することを特徴とするセラミックス構造体の製造方法。
)窒素気流、あるいは雰囲気中で加熱し、前記ケイ素を窒化ケイ素に転化させた後、前記酸化物が窒化ケイ素と液相を形成する温度以上に更に加熱することで緻密化する前記()記載のセラミックス構造体の製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、大型で、肉厚が一定でなく、また、厚肉部位を有するセラミックス構造体に適用されるものであり、特に、焼結により、成形体の大きさがほとんど変わらない窒化ケイ素構造体に好適に適用されるものである。本発明のセラミックス構造体は、型内に充填された、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と原料スラリーを前駆体(成形物)として生成した焼結体から成ることを特徴とするものである。このセラミックス構造体は、型内に、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、水分と原料粉末で成るスラリーを充填し、前記多孔質の小片の気孔部分にスラリー中の水分を吸収させることにより、前記スラリー部分を固化させ、成形することにより作製した前駆体としての成形物を、任意に脱脂し、焼結し、緻密化することにより製造される。
本発明では、好適には、例えば、以下の手段が採用される。即ち、本発明は、型内に、反応焼結窒化ケイ素の多孔質の小片と、ケイ素を主成分として酸化物を含有して成るスラリーを充填し、前記多孔質の小片の気孔部分にスラリー中の水分を吸収させる、あるいは固化成分の添加、あるいは冷却により、前記スラリー部分を固化させ、成形物とした後、必要に応じて脱脂し、窒素気流、あるいは雰囲気中で加熱し、前記ケイ素を窒化ケイ素に転化させた後、前記酸化物が窒化ケイ素と液相を形成する温度以上に更に加熱することにより緻密化することで窒化ケイ素構造体を製造し、提供することができる。
本発明において、上記多孔質の反応焼結セラミックスとしては、好適には、例えば、多孔質の反応焼結窒化ケイ素が例示されるが、これに制限されるものではなく、これらと同効のものであって、本発明が適用可能なあらゆる種類のものが対象とされる。上記反応焼結セラミックスの多孔質の小片としては、好適には、例えば、気孔を有する多孔質の球体が例示されるが、これに制限されるものではなく、これと同効のものであれば同様に使用することができる。また、気孔の形状及び構造についてもその使用目的に応じて任意に設計できる。多孔質の小片としては、好適には、例えば、大きさの異なる球体が例示される。本発明のセラミックス構造体は、上記反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、原料スラリーとを型内に充填し、原料スラリーを固化、成形し、これを焼結したものであり、上記反応焼結セラミックスにより上記セラミックス構造体の骨格が形成される。
次に、本発明のセラミックス構造体の製造方法について説明すると、本発明では、まず、型内に、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、水分と原料粉末で成るスラリーを充填し、前記多孔質の小片の気孔部分に水分を吸着させることにより、前記スラリー部分を固化、成形させ、セラミックス構造体の前駆体を作製する。また、別の方法として、型内に、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、有機バインダーと原料粉末から成るスラリーを充填し、固化成分の添加、あるいは冷却により、前記スラリー部分を固化、成形させることにより、セラミックス構造体の前駆体を作製する。この場合、本発明では、上記多孔質の小片として、反応焼結窒化ケイ素で構成されている多孔質の大きさの異なる球体を用いること、上記スラリーとして、ケイ素を主成分として酸化物を焼結促進用添加剤として含有しているスラリーを用いることが好適なものとして例示されるが、これらに制限されるものではなく、これらと同等又は類似のものであれば同様に使用することができる。
上記反応焼結セラミックスの多孔質の小片及び原料スラリーを充填する型としては、大型で、肉厚が一定でなく、厚肉部位を有する成形型が例示されるが、その形状、構造、材質及び大きさは、使用目的に応じて任意に設計することができる。上記反応焼結セラミックスの多孔質の小片、及び原料スラリーを充填する場合、上記の大きさの異なる球体を使用することで、大きな球の間隙を小さな球体で埋めるように配置し、また、狭隘部には小さな球体を配することにより、充填密度を向上することができる。また、型内に上記多孔質の小片及びスラリーを充填した後に、これらに振動を与え、均質に充填するようにすることが好ましい。
次に、本発明では、上記セラミックス構造体の前駆体を、必要に応じて、任意に脱脂し、焼結し、緻密化することにより目的のセラミックス構造体が作製される。反応焼結セラミックスとして、反応焼結窒化ケイ素を用いる場合、型内に、反応焼結窒化ケイ素の多孔質の小片と、ケイ素を主成分として酸化物を含有して成るスラリーを充填し、前記多孔質の気孔部分にスラリー中の水分を吸収させる、あるいは固化成分の添加、あるいは冷却により、前記スラリー部分を固化させた後、必要に応じて脱脂し、窒素気流、あるいは雰囲気中で最高1400℃まで加熱し、前記ケイ素を窒化ケイ素に転化させた後、前記酸化物が窒化ケイ素と液相を形成する温度以上である1850℃まで更に加熱することで緻密化することにより目的のセラミックス構造体である窒化ケイ素構造体が作製される。
本発明において、反応焼結法で作製した反応焼結セラミックスの多孔質の小片から成る材料は、気孔を含み、吸水性があり、周囲のスラリーを固化させる作用がある。本発明は、この反応焼結セラミックスの多孔質の小片を原料スラリーと併用して成形物を作製することが重要であり、それにより、大型で、厚肉の構造体を製造することが可能となる。通常の鋳込み成形では、成形体の外枠に石膏を配し、その部分で吸水を行わせる。着肉層は厚くなると、吸水し難くなるために、肉厚も限界があり、通常は10ミリ程度となっている。本発明は、いわば成形体内部に吸水用の多孔質材を配しており、内部吸水のために肉厚品にも対応ができる。更に、多孔質材は、反応焼結窒化ケイ素を使うことが有効であり、この部分は既に窒化が完了しているので、その後の窒化に要する時間も、肉厚の割に短縮化が可能となる。充填率を向上させるために、上記多孔質の小片が球体であることが望ましく、また、大小とりまぜることにより、充填率を高めておくことが望ましい。反応焼結させた小片・球体により、構造体の骨格が形成される。そのため、鋳込み成形では困難な、不均一な厚さ、厚肉の部位を有する、大型構造体を容易に得ることができる。また、本発明では、大型のセラミックス構造体を、大掛かりな設備を使用することなく、原料ロスもなく、低コストで経済的に製造し、提供することができる。ここで、大型のセラミックス構造体としては、例えば、アルミの溶解に使用されるヒータチューブ、低圧鋳造用のストーク、ラジアントチューブ等が例示されるが、本発明は、これらに制限されない。本発明は、こうした部材及びこれらと同等又は類似の部材に好適に適用することができる。
従来法の鋳込み成形では、成形体の外枠に石膏を配し、その部分で原料スラリーの吸水を行わせる方法が採られていたが、吸水に限度があるため、厚肉化にも限界があり、肉厚品を作ることは困難であったが、本発明では、予め焼結して作製した反応焼結セラミックスの多孔質の小片と原料スラリーを併用し、該反応焼結セラミックスの小片で原料スラリーの吸水を行わせ、また、該反応焼結セラミックスの小片でセラミックス構造体の骨格を形成することで、従来法では作製が困難であった、大型で、肉厚が一定でなく、厚肉部位を有する大型のセラミックス構造体を簡便かつ高精度に製造することができる。本発明のセラミックス構造体は、例えば、予め作製した反応焼結窒化ケイ素の小片を骨格構造として含有するため、得られたセラミックス構造体の構造及び組成を分析することにより、従来法の鋳込み成形等で作製したものと明確に識別することが可能である。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、鋳込み成形では製造することが困難な、不均一な厚さ、厚肉の部位を有する、大型のセラミックス構造体を容易に製造することができる。
(2)本発明では、大掛かりな設備が不用であり、また、原料ロスもなく、本方法は、簡便で、かつ経済的である。
(3)本発明では、予め反応焼結させた多孔質の小片・球体によりセラミックス構造体の骨格を形成するので、原料スラリーのその後の焼結に要する時間を大幅に短縮化することができる。
(4)従来法では大量に使用する必要があった高価で焼き飛ばす必要のある有機成分の使用量を少量化することができる。
(5)予め反応焼結させた多孔質の小片・球体を骨格として含有する大型で、肉厚が一定でなく、厚肉部位を有し、かつ高い強度を有するセラミックス構造体を提供することができる。
(6)外型は高価な金型でなくても、例えば、加工しやすいプラスチック型でも良く、経済的である。
(7)一般のスリップキャストは、吸水中石膏型の使用回数が少なく(5回程度)、大量保管、廃棄が必要であるが、本発明では吸水材自体が構造体の一部になるため、型の廃棄も少なく環境に優しい。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
重量比で、ケイ素:67、窒化ケイ素:20、アルミナ:5、イットリア:8となるよう秤量し、粉末総重量の1.5倍の蒸留水とポリビニルアルコール水溶液を加え、ボールミルで約6時間、混合することによりスラリー化した後、スプレードライヤーを用いて造粒粉を作製した。φ10及びφ7mmの球状キャビティーを有するゴム型内に造粒粉を入れ、CIPを使って80MPaとして、球状成形体を得た。次に、これを、0.2MPaのN2雰囲気内において、550℃まで加熱することで脱脂処理を行い、0.93MPaのN2雰囲気内において、最高1400℃まで加熱して反応焼結させた。 得られた焼結体は、気孔を約30%含む多孔質であり、そのサイズは、加圧成形の際の圧縮作用により、約φ7mmと5mmとなった球体から成るものであった。
一方、重量比で、ケイ素:67、窒化ケイ素:20、アルミナ:5、イットリア:8(同じ成分)に、1wt%のアクリルバインダーと140wt%の水を配合し、混合後、脱泡処理を行い、原料スラリーを得た。図1、2に示す外型1、内型(中子)2を組み合わせ、キャビティー3内に、前記反応焼結法で得た多孔質の球体と原料スラリーを投入した。このとき、均質で充填密度を高めるために、振動を与えた。なお、このキャビティーは、高さ1.5m、そして胴部は厚さ10ミリであるが、取っ手の部分は肉厚が20ミリと肉厚で、かつ不均質な厚みを有する大型部材であり、従来の方法では、成形はきわめて困難なものであった。
スラリー中に含まれる水分は、多孔質の球体の気孔部分より毛細管現象により浸透し、それと同時に、その周囲では着肉固化現象が生じる。適度な生強度が生じることにより成形体を得ることができる。所定時間経過し、固化した後、脱型した。次いで、これを、0.93MPaのN2雰囲気内において、最高1400℃まで加熱してスラリー部分を反応焼結し、窒化ケイ素に転化させた後、更に、1850℃まで加熱し、緻密化させた。上記工程により作製した焼結体素材から3×4×40mmとなるように試験片を切り出し、JISR 1601に準じた試験法にて、室温で、その4点曲げ強度を測定した。測定本数は20本以上とした。酸化物の重量の増加に伴って、強度は低下していくが、焼結体の強度は、平均4点曲げで、650メガパスカルと好適な特性を有していることがわかった。
実施例1における多孔質の球体をスリップキャスト法で作製した外は、実施例1と同様にして、球状成形体に成形後、これを窒素雰囲気中、1400℃で加熱して反応焼結した多孔質の球体を得た。実施例1と同様に、キャビティーにスラリーとともに投入し、同様の工程で大型のセラミックス構造体を得た。
重量比で、ケイ素:65、窒化ケイ素:20、アルミナ:6、イットリア:9となるように秤量し、粉末総重量の1.5倍の蒸留水とポリビニルアルコール水溶液を加え、ボールミルで約6時間、混合することによりスラリー化した後、スプレードライヤーを用いて造粒粉を作製した。φ8及び3ミリの球状キャビティーを有するゴム型内に造粒粉を入れ、CIPを使って80MPaとして、球状成形体を得た。次に、これを、0.2MPaのN2雰囲気内において、550℃まで加熱することで、脱脂処理を行い、0.93MPaのN2雰囲気内において、最高1400℃まで加熱して反応焼結させた。得られた焼結体は、気孔を約30%含む多孔質であった。得られた多孔質の球体のサイズは、大よそ上記キャビティーの大きさと同等であった。
一方、重量比で、ケイ素:65、窒化ケイ素:20、アルミナ:6、イットリア:9(同じ成分)をワックスとブレンドし、約80℃で加熱混合することにより原料スラリーを得た。図1、2に示す外型1、内型(中子)2を組み合わせ、キャビティー3内に前記反応焼結法で得た多孔質の球体と原料スラリーを投入した。このとき、均質で充填密度を高めるために、振動を与え、また、スラリーが固化しないように、加熱した。充填後、加熱をやめ、所定時間経過し、冷却固化した後、脱型した。次いで、これを脱脂後、0.93MPaのN2雰囲気内において、最高1400℃まで加熱してスラリー部分を反応焼結し、窒化ケイ素に転化させた後、更に、1850℃まで加熱し、緻密化させた。
上記工程により作製した焼結体素材から3×4×40mmとなるように試験片を切り出し、JISR 1601に準じた試験法にて、室温で、その4点曲げ強度を測定した。測定本数は20本以上とした。酸化物の重量の増加に伴って強度は低下していくが、焼結体の強度は平均4点曲げで590メガパスカルと好適な特性を有していることがわかった。
重量比で、ケイ素:65、窒化ケイ素:20、アルミナ:6、イットリア:9でなる混合粉末に対して、メタクリルアミドを粉末重量に対して5重量%、更に、所定量の蒸留水を加え、混合した。更に、これに、固化剤として、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム0.5wt%を添加し、短時間撹拌した。以下、実施例3と同様の工程にて、型内に注入し、所定時間放置して固化させた。これを取り出し、所定の熱処理を行い、焼結体を得た。上記工程により作製した焼結体素材から3×4×40mmとなるように試験片を切り出し、JISR 1601に準じた試験法にて、室温で、その4点曲げ強度を測定した。測定本数は20本以上とした。酸化物の重量の増加に伴って強度は低下していくが、焼結体の強度は平均4点曲げで575メガパスカルとやや気孔量が多いために、強度は低いが、健全な大型構造体を得ることができた。
なお、通常のゲルキャスト成形法では、メタクリルアミド、ぺルオキソ二硫酸アンモニウムを使用することになり、これらの有機物を大量に使用する必要があるのに対して、本発明では、構造体の大部分は、予め反応焼成した多孔質で構成されているために、高価で焼き飛ばす必要のある有機成分を、極めてわずかな少量にまで低減できる。上記各実施例から明らかなように、本発明は、大型のセラミックス構造体に適する特徴を有するものである。また、本発明は、上記実施例に開示した原料配合に限定されないことはいうまでもない。
以上詳述したように、本発明は、セラミックス構造体及びその製造方法等に係るものであり、本発明により、大型で、肉厚が一定でなく、また、厚肉部位を有するセラミックス構造体について、原料ロスが少なく、また、大掛かりな設備を使用することなく、成形、製造する方法、及び予め作製した反応焼結セラミックスの多孔質の小片で骨格を形成した、高強度のセラミックス構造体及び大型のセラミックス部材を提供することができる。
成形のための型構造の一例を示す。 反応焼結セラミックスの多孔質の球体と原料スラリーを型のキャビティー内に投入した状態を示す。

Claims (8)

  1. セラミックス構造体の前駆体を製造する方法であって、1)型内に、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、水分と原料粉末で成るスラリーを充填し、前記多孔質の小片の気孔部分にスラリー中の水分を吸収させることにより、前記スラリー部分を固化させ、成形物とすること、2)上記スラリーが、ケイ素を主成分とするものであり、反応焼結セラミックスの多孔質の小片が窒化ケイ素であること、を特徴とするセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
  2. セラミックス構造体の前駆体を製造する方法であって、1)型内に、反応焼結セラミックスの多孔質の小片と、有機バインダーと原料粉末から成るスラリーを充填し、固化成分の添加、あるいは冷却により、前記スラリー部分を固化させ、成形物とすること、2)上記スラリーが、ケイ素を主成分とするものであり、反応焼結セラミックスの多孔質の小片が窒化ケイ素であること、を特徴とするセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
  3. 上記多孔質の小片が、球体である請求項1又は2記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
  4. 上記多孔質の小片として、大きさの異なる球体を使用することで、大きな球の間隙を小さな球体で埋めるように配し、狭隘部には小さな球体を配することにより、充填密度を向上させる請求項1又は2記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
  5. 上記反応焼結窒化ケイ素の小片又はケイ素を主成分とするスラリーに、酸化物が焼結促進用添加剤として含有されている請求項記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
  6. 型内に、多孔質の小片とスラリーを充填した後、振動を与え、均質にする請求項1又は2記載のセラミックス構造体の前駆体の製造方法。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の方法で作製したセラミックス構造体の前駆体を、任意に脱脂し、焼結し、緻密化することを特徴とするセラミックス構造体の製造方法。
  8. 窒素気流、あるいは雰囲気中で加熱し、前記ケイ素を窒化ケイ素に転化させた後、前記酸化物が窒化ケイ素と液相を形成する温度以上に更に加熱することで緻密化する請求項記載のセラミックス構造体の製造方法。
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