JP4848785B2 - インバータ装置の過負荷保護装置 - Google Patents

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この発明は、モータを可変速制御する場合等に用いられるインバータ装置の過負荷保護装置に関するものである。
インバータ装置は、複数のスイッチング素子をPWM制御等のスイッチング制御することにより直流電力を交流電力に変換するものであり、負荷(電流)が過大になった場合、装置を保護するために故障停止させる。そして、この故障停止点を過負荷耐量(通常は、図6に示すように定トルクで負荷電流が150%で過負荷トリップ時間が1分)として定義している。しかし、装置保護の観点からすると、過負荷耐量は1点ではなく、以下の要素によりディレーティング(減定格)が必要になる。
(1)キャリア周波数
PWM制御のキャリア周波数が上がると、スイッチングロスが大きくなり、過負荷耐量を下げなくてはならない。逆に、キャリア周波数を下げると、過負荷耐量を上げることができる。
(2)直流電圧
インバータは、入力電圧、あるいは順変換部によって直流電圧が決まる。スイッチング素子はこの直流電圧をスイッチすることになるが、直流電圧が高いと、スイッチングロスが大きくなり、過負荷耐量を下げなくてはならない。
(3)周囲温度
インバータ装置(ここではスイッチング素子と言い換えても良い。)が過負荷で故障する要因として、半導体のジャンクションの温度上昇がある。一般のIGBTはジャンクション温度の上限が150℃となっているため、これを超えないような過負荷設定が必要になる。周囲温度が低い場合には、周囲温度と150℃との差が大きくなるため、過負荷耐量を上げることができる。
現在は、上記要因に対して、取り扱い説明書により、手動でディレーティングを行っている。なお、先行技術文献情報としては、次のものがある。
特許第3075303号 特開平5−260761号公報
上記したように、従来においては、手動によりディレーティングを行っているが、このディレーティングはユーザ側でディレーティングした値を超えないように使用してもらうだけであり、装置保護のための故障停止点を変更しているわけではなく、故障停止点を変更できるが、ユーザの設定に頼っている。即ち、従来では、図7に示すような制御が行われていた。インバータ装置の出力電流(%)は装置定格電流(%)+ノイズマージンと比較され、その偏差が減算器1によって計算され、この計算値は下限リミッタ13によりその下限のみ制限され、加算器2を介して上下限リミッタ3により上限、下限が設定され、z-14は上下限リミッタ3の1サンプル遅れの値を保持し、加算器2で下限リミッタ13の出力と加算することにより積分する。この積分値に応じた上下限リミッタ3の出力値とユーザが設定したパラメータにより定まるトリップ基準値とを比較器5により比較し、上下限リミッタ3の出力値がトリップ基準値を上回った場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させるようにしている。従って、従来の過負荷保護は使用条件を考慮した真の限界値での装置保護となっておらず、設定によっては装置を破壊することもあった。また、直流電圧が高い場合、デイレーティングする必要があるが、キャリア周波数を下げると、ディレーティングの必要がない。従って、これらの整合性(使用条件と過負荷保護条件)がマッチングしないと、過度のディレーティングを行ってしまうことになる。
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、キャリア周波数、直流電圧、周囲温度に応じて自動的にディレーティング量を計算することができ、設定ミスによる装置の破壊を防止することができるとともに、過度のディレーティングを防止することができるインバータ装置の過負荷保護装置を得ることを目的とする。
この発明の請求項1に係るインバータ装置の過負荷保護装置は、スイッチング素子をPWM制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、PWM制御のキャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正するキャリア過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつキャリア過負荷設定補正量を次式により計算したものである。
キャリア過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実キャリア周波数/設計キャリア周波数)+設計定常損失}
ただし、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計時での定常損失、実キャリア周波数とは運転条件でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計時でのキャリア周波数である。
請求項2に係るインバータ装置の過負荷保護装置は、スイッチング素子をスイッチング制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、インバータ装置に入力される直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する直流電圧過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつ直流電圧過負荷設定補正量を次式により計算したものである。
直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失}
ただし、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計時での定常損失、実直流電圧とは運転時での直流電圧、設計直流電圧とは設計時での直流電圧である。
請求項3に係るインバータ装置の過負荷保護装置は、スイッチング素子をスイッチング制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、インバータ装置の周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する周囲温度過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつ周囲温度過負荷設定補正量を次式により計算したものである。
周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度}
ただし、実周囲温度とは運転時での周囲温度、設計周囲温度とは設計時での周囲温度、設計ジャンクション温度とは設計時のジャンクション温度である。
請求項4に係るインバータ装置の過負荷保護装置は、スイッチング素子をPWM制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、PWM制御のキャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正するキャリア過負荷設定補正量とインバータ装置に入力される直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する直流電圧過負荷設定補正量とインバータ装置の周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する周囲温度過負荷設定補正量との積である総合過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつキャリア過負荷設定補正量、直流電圧過負荷設定補正量及び周囲温度過負荷設定補正量を次式により計算したものである。
キャリア過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実キャリア周波数/設計キャリア周波数)+設計定常損失}
直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失}
周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度}
ただし、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計時での定常損失、実キャリア周波数とは運転時でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計時でのキャリア周波数、実直流電圧とは運転時での直流電圧、設計直流電圧とは設計時での直流電圧、実周囲温度とは運転時での周囲温度、設計周囲温度とは設計時での周囲温度、設計ジャンクション温度とは設計時のジャンクション温度である。
請求項5に係るインバータ装置の過負荷保護装置は、実周囲温度をインバータ装置に設けられたオーバーヒート用サーミスタにより測定したものである。
請求項6に係るインバータ装置の過負荷保護装置は、周囲温度過負荷設定補正量の代りに、インバータ装置のヒートシンク温度によって過負荷保護点の電流を補正するヒートシンク温度過負荷設定補正量を用い、かつヒートシンク温度過負荷設定補正量を次式により計算したものである。
ヒートシンク周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実ヒートシンク温度}/{設計ジャンクション温度−設計ヒートシンク温度}
ただし、実ヒートシンク温度とは運転時でのヒートシンク温度、設計ヒートシンク温度とは設計時でのヒートシンク温度、設計ジャンクション温度とは設計時のジャンクション温度である。
請求項7に係るインバータ装置の過負荷保護装置は、過負荷設定補正量の下限を1.0としたものである。
以上のようにこの発明の請求項1によれば、キャリア周波数の変更に応じてキャリア過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、キャリア周波数の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、過度のディレーティングを防止することができる。
請求項2によれば、インバータ装置に入力される直流電圧の変更に応じて直流電圧過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、直流電圧の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、過度のディレーティングを防止することができる。
請求項3によれば、インバータ装置の周囲温度の変更に応じて周囲温度過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、周囲温度の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによって装置を破壊することを防止することができ、過度のディレーティングを防止することができる。
請求項4によれば、キャリア周波数、直流電圧及び周囲温度の変更に応じて総合過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、キャリア周波数、直流電圧及び周囲温度の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、また過度のディレーティングを防止することができる。
請求項5によれば、実周囲温度をインバータ装置に設けられたオーバーヒート用サーミスタにより測定しており、周囲温度測定用の温度計を省略することができる。
請求項6によれば、周囲温度過負荷設定補正量に代って、インバータ装置のヒートシンク温度によって過負荷保護点の電流を補正するヒートシンク温度過負荷設定補正量を用いており、ヒートシンク温度の変更に応じてヒートシンク温度過負荷設定補正量又は総合過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、ヒ−トシンク温度の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、過度のディレーティングを防止することができる。
請求項7によれば、過負荷設定補正量を1.0以上としており、これにより過負荷時の電流が小さくなるようにしており、周囲部品の破壊を防止し、インバータ装置の破壊を防止する。
実施最良形態1
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面とともに説明する。図1はこの発明の実施最良形態1によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態1ではPWM制御のキャリア周波数の変更により過負荷設定を変更する場合である。ここで、スイッチング素子の損失は、定常損失とスイッチング損失の2つに分類できる。キャリア周波数を変更すると、周波数に比例してスイッチング損失が増減する。即ち、過負荷保護点での電流を以下の補正量によって補正することにより、キャリア周波数によるディレーティング量を自動的に計算するようにした。キャリア過負荷設定補正量とは、キャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正する量であり、(1)式により計算する。
キャリア過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実キャリア周波数/設計キャリア周波数)+設計定常損失}
(1)
ここで、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失のことであり、設計定常損失とは設計時での定常損失のことである。実キャリア周波数とは運転時でのキャリア周波数のことであり、設計キャリア周波数とは設計時でのキャリア周波数のことである。
図1に示された制御回路においては、まず減算器1ではインバータ装置の出力電流(%)から装置定格電流(%)+ノイズマージンが減算され、減算値Aが出力される。一方、キャリア過負荷設定補正量が(1)式によりキャリア過負荷設定補正量演算部6によって演算され、この補正量はディレーティング量リミッタ7を介して上限、下限が設定され、キャリア周波数によるディレーティング量Bを出力する。除算器8においてはA/Bを演算する。A/Bは下限リミッタ13により下限のみ制限され、加算器2、上下限リミッタ3及びz-14により上下限を制限されつつ積分され、その積分値は設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較され、積分値がトリップ基準値より大きい場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させる。
実施最良形態1においては、キャリア周波数の変更に応じてキャリア過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、キャリア周波数の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、また過度のディレーティングを防止することができる。
実施最良形態2
図2は実施最良形態2によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態2は直流電圧の変更により過負荷設定を変更する場合である。ここで、スイッチング損失は直流電圧に比例する。よって、直流電圧による補正量は(2)式により計算することができる。
直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失} (2)
直流電圧過負荷設定補正量とは、直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する量であり、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失、実直流電圧とは運転時での直流電圧のことであり、設計直流電圧とは設計時での直流電圧のことである。
図2に示された制御回路においては、まず減算器1ではインバータ装置の出力電流(%)から装置定格電流(%)+ノイズマージンが減算され、減算値Aが出力される。一方、直流電圧過負荷設定補正量が(2)式により直流電圧過負荷設定補正量演算部9によって演算され、この補正量はディレーティング量リミッタ7を介して上限、下限が設定され、直流電圧によるディレーティング量Bを出力する。除算器8においてはA/Bを演算する。A/Bは下限リミッタ13により下限のみ制限され、加算器2、上下限リミッタ3及びz-14により上下限を制限されつつ積分され、その積分値は設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較され、積分値がトリップ基準値より大きい場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させる。
実施最良形態2においては、直流電圧の変更に応じて直流電圧過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、直流電圧の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、また過度のディレーティングを防止することができる。
実施最良形態3
図3は実施最良形態3によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態3は周囲温度により過負荷設定を変更する場合である。ここで、損失による温度差において、損失と温度差は熱抵抗を一定と仮定すると比例関係にある。よって、温度余裕がある場合には、(3)式により補正量を計算することができる。
周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度} (3)
周囲温度過負荷設定補正量とは、周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する量のことであり、設計ジャンクション温度とは、設計時のジャンクション温度、実周囲温度とは運転時での周囲温度のことであり、設計周囲温度とは設計時での周囲温度のことである。
図3に示された制御回路においては、減算器1ではインバータ装置の出力電流(%)から装置定格電流(%)+ノイズマージンが減算され、減算値Aが出力される。一方、周囲温度過負荷設定補正量が(3)式により周囲温度過負荷設定補正量演算部10によって演算され、この補正量はディレーティング量リミッタ7を介して上限、下限が設定され、周囲温度によるディレーティング量Bを出力する。除算器8においてはA/Bを演算する。A/Bは下限リミッタ13により下限のみ制限され、加算器2、上下限リミッタ3及びz-14により上下限を制限されつつ積分され、その積分値は設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較され、積分値がトリップ基準値より大きい場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させる。
実施最良形態3においては、周囲温度の変化に応じて周囲温度過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、周囲温度の変化によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによって装置を破壊することを防止することができ、また過度のディレーティングを防止することができる。
また、(3)式を計算するためには、周囲温度を計測する必要があり、新たな温度計(サーミスタ及び検出回路)が必要となるが、インバータ装置にはオーバーヒート用サーミスタが設けられており、このサーミスタを周囲温度測定用に用いれば、新たな温度計は不要となる。このことは、実施最良形態4においても、適用することができる。
実施最良形態4
図4はこの発明の実施最良形態4によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態4はキャリア周波数、直流電圧、及び周囲温度の変更により過負荷設定を変更する場合である。即ち、図4の制御回路において、減算器1ではインバータ装置の出力電流(%)から装置定格電流(%)+ノイズマージンが減算され、減算値Aが出力される。一方、キャリア過負荷設定補正量が(1)式によりキャリア過負荷設定補正量演算部6によって演算され、また直流電圧過負荷設定補正量が(2)式により直流電圧過負荷設定補正量演算部9により演算され、周囲温度過負荷設定補正量が(3)式により周囲温度過負荷設定補正量演算部10により演算され、この3つの補正量は乗算器11で乗算されて総合過負荷設定補正量が算出される。補正量はディレーティング量リミッタ7を介して上限、下限が設定され、キャリア周波数、直流電圧及び周囲温度によるディレーティング量Bを出力する。除算器8においてはA/Bを演算する。A/Bは下限リミッタ13により下限のみ制限され、加算器2、上下限リミッタ3及びz-14により上下限を制限されつつ積分され、その積分値は設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較され、積分値がトリップ基準値より大きい場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させる。
実施最良形態4においては、キャリア周波数、直流電圧及び周囲温度の変更に応じて総合過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、キャリア周波数、直流電圧及び周囲温度の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、また過度のディレーティングを防止することができる。
又、ディレーティング量リミッタ7においては、過負荷時の電流を小さくする方向の補正についてはいくら補正しても問題はないが、過負荷時の電流が大きくなる方向の補正については、周囲の部品(ヒューズ、導体、コンデンサ、スイッチング素子等)が耐えられるかが問題となる。よって、ディレーティング量リミッタ7においては、1.0以上となるように下限1.0を設定する。これにより、過負荷時の電流を小さくすることができ、周囲部品の破壊を防止し、インバータ装置の破壊を防止する。このようなディレーティング量リミッタ7は、実施最良形態1〜3,5においても適用することができる。
実施最良形態5
インバータ装置内に時計を持っている場合、この時計の計測により前回の運転終了時点から十分な時間(ヒートシンク温度が十分周囲温度と近似できるまでに冷える時間)が経過していると判断される場合、ヒートシンク温度を周囲温度としてラッチすることにより、別途の時計は不要となる。図5はこの発明の実施最良形態5によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態5はキャリア周波数、直流電圧、及び周囲温度の代わりに用いるヒートシンク温度の変更により過負荷設定を変更する場合である。即ち、図5の制御回路において、減算器1ではインバータ装置の出力電流(%)から装置定格電流(%)+ノイズマージンが減算され、減算値Aが出力される。一方、キャリア過負荷設定補正量が(1)式によりキャリア過負荷設定補正量演算部6によって演算され、また直流電圧過負荷設定補正量が(2)式により直流電圧過負荷設定補正量演算部9により演算され、ヒートシンク温度過負荷設定補正量が(4)式により周囲温度過負荷設定補正量演算部12により演算される。
ヒートシンク温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実ヒートシンク温度}/{設計ジャンクション温度−設計ヒートシンク温度} (4)
ただし、設計ジャンクション温度とは設計時のジャンクション温度、実ヒートシンク温度とは運転時でのヒートシンク温度、設計ヒートシンク温度とは設計時でのヒートシンク温度である。この3つの補正量は乗算器11で乗算されて総合過負荷設定補正量が算出される。総合過負荷設定補正量はディレーティング量リミッタ7を介して上限、下限が設定され、キャリア周波数、直流電圧及びヒートシンク温度によるディレーティング量Bを出力する。除算器8においてはA/Bを演算する。A/Bは下限リミッタ13により下限のみ制限され、加算器2、上下限リミッタ3及びz−14により上下限を制限されつつ積分され、その積分値は設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較され、積分値がトリップ基準値より大きい場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させる。
実施最良形態5においては、キャリア周波数、直流電圧及びヒートシンク温度の変更に応じて総合過負荷設定補正量を自動的に計算することができ、キャリア周波数、直流電圧及びヒートシンク温度の変更によるディレーティング量の変更を自動的に行うことができ、設定ミスによってインバータ装置を破壊することを防止することができ、また過度のディレーティングを防止することができる。ただし、ヒートシンク温度は変化が大きいため、過負荷耐量が大きく変化してしまうことに注意が必要である。よって、ヒートシンク温度過負荷設定補正量は、変化率制限あるいは時定数を持って更新する必要がある。なお、周囲温度の代りにヒートシンク温度を用いることは、実施最良形態3,4においても適用することができる。
この発明の実施最良形態1によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図である。 この発明の実施最良形態2によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図である。 この発明の実施最良形態3によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図である。 この発明の実施最良形態4によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図である。 この発明の実施最良形態5によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図である。 インバータ装置の過負荷耐量図である。 従来のインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図である。
符号の説明
1…減算器
2…加算器
4…z-1
5…比較器
6…キャリア過負荷設定補正量演算部
7…ディレーティング量リミッタ
8…除算器
9…直流電圧過負荷設定補正量演算部
10…周囲温度過負荷設定補正量演算部
11…乗算器
12…ヒートシンク温度過負荷設定補正量演算部

Claims (7)

  1. スイッチング素子をPWM制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、PWM制御のキャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正するキャリア過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつキャリア過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
    キャリア過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実キャリア周波数/設計キャリア周波数)+設計定常損失}
    ただし、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計時での定常損失、実キャリア周波数とは運転条件でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計時でのキャリア周波数である。
  2. スイッチング素子をスイッチング制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、インバータ装置に入力される直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する直流電圧過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつ直流電圧過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
    直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失}
    ただし、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計時での定常損失、実直流電圧とは運転時での直流電圧、設計直流電圧とは設計時での直流電圧である。
  3. スイッチング素子をスイッチング制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、インバータ装置の周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する周囲温度過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつ周囲温度過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
    周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度}
    ただし、実周囲温度とは運転時での周囲温度、設計周囲温度とは設計時での周囲温度、設計ジャンクション温度とは設計時のジャンクション温度である。
  4. スイッチング素子をPWM制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、PWM制御のキャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正するキャリア過負荷設定補正量とインバータ装置に入力される直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する直流電圧過負荷設定補正量とインバータ装置の周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する周囲温度過負荷設定補正量との積である総合過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつキャリア過負荷設定補正量、直流電圧過負荷設定補正量及び周囲温度過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
    キャリア過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実キャリア周波数/設計キャリア周波数)+設計定常損失}
    直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失}
    周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度}
    ただし、設計スイッチング損失とは設計時のキャリア周波数でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計時での定常損失、実キャリア周波数とは運転時でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計時でのキャリア周波数、実直流電圧とは運転時での直流電圧、設計直流電圧とは設計時での直流電圧、実周囲温度とは運転時での周囲温度、設計周囲温度とは設計時での周囲温度、設計ジャンクション温度とは設計時のジャンクション温度である。
  5. 実周囲温度の測定をインバータ装置に設けられたオーバーヒート用サーミスタにより測定したことを特徴とする請求項3又は4記載のインバータ装置の過負荷保護装置。
  6. 周囲温度過負荷設定補正量の代りに、インバータ装置のヒートシンク温度によって過負荷保護点の電流を補正するヒートシンク温度過負荷設定補正量を用い、かつヒートシンク温度過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載のインバータ装置の過負荷保護装置。
    ヒートシンク周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実ヒートシンク温度}/{設計ジャンクション温度−設計ヒートシンク温度}
    ただし、実ヒートシンク温度とは運転時でのヒートシンク温度、設計ヒートシンク温度とは設計時でのヒートシンク温度、設計ジャンクション温度とは設計時のジャンクション温度である。
  7. 過負荷設定補正量の下限を1.0としたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインバータ装置の過負荷保護装置。
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