JP2007215250A - インバータ装置の過負荷保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】減算器1によりインバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、キャリア過負荷設定補正量演算部6により演算したキャリア過負荷設定補正量をディレーティング量リミッタ7を介して除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつキャリア過負荷設定補正量を所定の計算式により計算する。
【選択図】図1
Description
(1)キャリア周波数
PWM制御のキャリア周波数が上がると、スイッチングロスが大きくなり、過負荷耐量を下げなくてはならない。逆に、キャリア周波数を下げると、過負荷耐量を上げることができる。
(2)直流電圧
インバータは、入力電圧、あるいは順変換部によって直流電圧が決まる。スイッチング素子はこの直流電圧をスイッチすることになるが、直流電圧が高いと、スイッチングロスが大きくなり、過負荷耐量を下げなくてはならない。
(3)周囲温度
インバータ装置(ここではスイッチング素子と言い換えても良い。)が過負荷で故障する要因として、半導体のジャンクションの温度上昇がある。一般のIGBTはジャンクション温度の上限が150℃となっているため、これを超えないような過負荷設定が必要になる。周囲温度が低い場合には、周囲温度と150℃との差が大きくなるため、過負荷耐量を上げることができる。
ただし、設計スイッチング損失とは設計条件でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計条件での定常損失、実キャリア周波数とは運転条件でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計条件でのキャリア周波数である。
ただし、設計スイッチング損失とは設計条件でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計条件での定常損失、実直流電圧とは運転条件での直流電圧、設計直流電圧とは設計条件での直流電圧である。
ただし、実周囲温度とは運転条件での周囲温度、設計周囲温度とは設計条件での周囲温度である。
直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失}
周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度}
ただし、設計スイッチング損失とは設計条件でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計条件での定常損失、実キャリア周波数とは運転条件でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計条件でのキャリア周波数、実直流電圧とは運転条件での直流電圧、設計直流電圧とは設計条件での直流電圧、実周囲温度とは運転条件での周囲温度、設計周囲温度とは設計条件での周囲温度である。
ただし、実ヒートシンク温度とは運転条件でのヒートシンク温度、設計ヒートシンク温度とは設計条件でのヒートシンク温度である。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面とともに説明する。図1はこの発明の実施最良形態1によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態1ではPWM制御のキャリア周波数の変更により過負荷設定を変更する場合である。ここで、スイッチング素子の損失は、定常損失とスイッチング損失の2つに分類できる。キャリア周波数を変更すると、周波数に比例してスイッチング損失が増減する。即ち、過負荷保護点での電流を以下の補正量によって補正することにより、キャリア周波数によるディレーティング量を自動的に計算するようにした。キャリア過負荷設定補正量とは、キャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正する量であり、(1)式により計算する。
(1)
ここで、設計スイッチング損失とは、設計条件でのスイッチング損失のことであり、設計定常損失とは設計条件での定常損失のことである。実キャリア周波数とは運転条件でのキャリア周波数のことであり、設計キャリア周波数とは設計条件でのキャリア周波数のことである。
図2は実施最良形態2によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態2は直流電圧の変更により過負荷設定を変更する場合である。ここで、スイッチング損失は直流電圧に比例する。よって、直流電圧による補正量は(2)式により計算することができる。
直流電圧過負荷設定補正量とは、直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する量であり、実直流電圧とは運転条件での直流電圧のことであり、設計直流電圧とは設計条件での直流電圧のことである。
図3は実施最良形態3によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態3は周囲温度により過負荷設定を変更する場合である。ここで、損失による温度差において、損失と温度差は熱抵抗を一定と仮定すると比例関係にある。よって、温度余裕がある場合には、(3)式により補正量を計算することができる。
周囲温度過負荷設定補正量とは、周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する量のことであり、実周囲温度とは運転条件での周囲温度のことであり、設計周囲温度とは設計条件での周囲温度のことである。
図4はこの発明の実施最良形態4によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態4はキャリア周波数、直流電圧、及び周囲温度の変更により過負荷設定を変更する場合である。即ち、図4の制御回路において、減算器1ではインバータ装置の出力電流(%)から装置定格電流(%)+ノイズマージンが減算され、減算値Aが出力される。一方、キャリア過負荷設定補正量が(1)式によりキャリア過負荷設定補正量演算部6によって演算され、また直流電圧過負荷設定補正量が(2)式により直流電圧過負荷設定補正量演算部9により演算され、周囲温度過負荷設定補正量が(3)式により周囲温度過負荷設定補正量演算部10により演算され、この3つの補正量は乗算器11で乗算されて総合過負荷設定補正量が算出される。補正量はディレーティング量リミッタ7を介して上限、下限が設定され、キャリア周波数、直流電圧及び周囲温度によるディレーティング量Bを出力する。除算器8においてはA/Bを演算する。A/Bは下限リミッタ13により下限のみ制限され、加算器2、上下限リミッタ3及びz-14により上下限を制限されつつ積分され、その積分値は設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較され、積分値がトリップ基準値より大きい場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させる。
インバータ装置内に時計を持っている場合、この時計の計測により前回の運転終了時点から十分な時間(ヒートシンク温度が十分周囲温度と近似できるまでに冷える時間)が経過していると判断される場合、ヒートシンク温度を周囲温度としてラッチすることにより、別途の時計は不要となる。図5はこの発明の実施最良形態5によるインバータ装置の過負荷保護装置の制御回路図を示し、実施最良形態5はキャリア周波数、直流電圧、及び周囲温度の代わりに用いるヒートシンク温度の変更により過負荷設定を変更する場合である。即ち、図5の制御回路において、減算器1ではインバータ装置の出力電流(%)から装置定格電流(%)+ノイズマージンが減算され、減算値Aが出力される。一方、キャリア過負荷設定補正量が(1)式によりキャリア過負荷設定補正量演算部6によって演算され、また直流電圧過負荷設定補正量が(2)式により直流電圧過負荷設定補正量演算部9により演算され、ヒートシンク温度過負荷設定補正量が(4)式により周囲温度過負荷設定補正量演算部12により演算される。
ただし、実ヒートシンク温度とは運転条件でのヒートシンク温度、設計ヒートシンク温度とは設計条件でのヒートシンク温度である。この3つの補正量は乗算器11で乗算されて総合過負荷設定補正量が算出される。総合過負荷設定補正量はディレーティング量リミッタ7を介して上限、下限が設定され、キャリア周波数、直流電圧及びヒートシンク温度によるディレーティング量Bを出力する。除算器8においてはA/Bを演算する。A/Bは下限リミッタ13により下限のみ制限され、加算器2、上下限リミッタ3及びz-14により上下限を制限されつつ積分され、その積分値は設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較器5により比較され、積分値がトリップ基準値より大きい場合には過負荷故障出力を発生し、インバータ装置を停止させる。
2…加算器
4…z-1
5…比較器
6…キャリア過負荷設定補正量演算部
7…ディレーティング量リミッタ
8…除算器
9…直流電圧過負荷設定補正量演算部
10…周囲温度過負荷設定補正量演算部
11…乗算器
12…ヒートシンク温度過負荷設定補正量演算部
Claims (7)
- スイッチング素子をPWM制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、PWM制御のキャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正するキャリア過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつキャリア過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
キャリア過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実キャリア周波数/設計キャリア周波数)+設計定常損失}
ただし、設計スイッチング損失とは設計条件でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計条件での定常損失、実キャリア周波数とは運転条件でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計条件でのキャリア周波数である。 - スイッチング素子をスイッチング制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、インバータ装置に入力される直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する直流電圧過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつ直流電圧過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失}
ただし、設計スイッチング損失とは設計条件でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計条件での定常損失、実直流電圧とは運転条件での直流電圧、設計直流電圧とは設計条件での直流電圧である。 - スイッチング素子をスイッチング制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、インバータ装置の周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する周囲温度過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつ周囲温度過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度}
ただし、実周囲温度とは運転条件での周囲温度、設計周囲温度とは設計条件での周囲温度である。 - スイッチング素子をPWM制御することにより直流電力を交流電力に変換するインバータ装置において、インバータ装置の出力電流から装置定格電流にノイズマージンを加算した値を減算した減算値を、PWM制御のキャリア周波数によって過負荷保護点の電流を補正するキャリア過負荷設定補正量とインバータ装置に入力される直流電圧によって過負荷保護点の電流を補正する直流電圧過負荷設定補正量とインバータ装置の周囲温度によって過負荷保護点の電流を補正する周囲温度過負荷設定補正量との積である総合過負荷設定補正量をディレーティング量として除算し、この除算値の積分値を設定されたパラメータによるトリップ基準値と比較し、積分値がトリップ基準値を上回った場合に過負荷故障出力を発生するようにし、かつキャリア過負荷設定補正量、直流電圧過負荷設定補正量及び周囲温度過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とするインバータ装置の過負荷保護装置。
キャリア過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実キャリア周波数/設計キャリア周波数)+設計定常損失}
直流電圧過負荷設定補正量={設計スイッチング損失+設計定常損失}/{設計スイッチング損失×(実直流電圧/設計直流電圧)+設計定常損失}
周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実周囲温度}/{設計ジャンクション温度−設計周囲温度}
ただし、設計スイッチング損失とは設計条件でのスイッチング損失、設計定常損失とは設計条件での定常損失、実キャリア周波数とは運転条件でのキャリア周波数、設計キャリア周波数とは設計条件でのキャリア周波数、実直流電圧とは運転条件での直流電圧、設計直流電圧とは設計条件での直流電圧、実周囲温度とは運転条件での周囲温度、設計周囲温度とは設計条件での周囲温度である。 - 実周囲温度の測定をインバータ装置に設けられたオーバーヒート用サーミスタにより測定したことを特徴とする請求項3又は4記載のインバータ装置の過負荷保護装置。
- 周囲温度過負荷設定補正量の代りに、インバータ装置のヒートシンク温度によって過負荷保護点の電流を補正するヒートシンク温度過負荷設定補正量を用い、かつヒートシンク温度過負荷設定補正量を次式により計算したことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載のインバータ装置の過負荷保護装置。
ヒートシンク周囲温度過負荷設定補正量={設計ジャンクション温度−実ヒートシンク温度}/{設計ジャンクション温度−設計ヒートシンク温度}
ただし、実ヒートシンク温度とは運転条件でのヒートシンク温度、設計ヒートシンク温度とは設計条件でのヒートシンク温度である。 - 過負荷設定補正量の下限を1.0としたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインバータ装置の過負荷保護装置。
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