JP4848210B2 - 空調システムおよびその運転制御方法 - Google Patents
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Description
この配管接続検出の手法として、例えば、特許文献1に開示される手法がある。この特許文献1では、室内機の電子膨張弁を開けた状態で特定の室外機を運転し、室内機の熱交換器の温度変化を検出し、この結果に基づいて室内機と室外機との冷媒接続状態を検出している。
本発明は、複数台の室外機と複数台の室内機とを1系統の通信ネットワークにより接続してなる空調システムの冷媒配管接続検出方法であって、前記室内機において、前記室外機をそれぞれ個別に運転させたときの膨張弁全閉の場合の冷媒の流動音と膨張弁開状態の場合の冷媒の流動音とをそれぞれ取得し、取得した前記冷媒の流動音の中から最大音量を抽出し、抽出した最大音量と前記膨張弁全閉の場合の冷媒の流動音との差分を算出し、該差分が予め設定されている閾値以上であった場合に、前記最大音量を示したときに運転されていた前記室外機と同一の冷媒配管で接続されていると仮設定し、同一の冷媒配管で接続されていると仮設定した前記室外機と前記室内機において、該室外機を運転したときの該室内機における膨張弁開状態の場合の冷媒の流動音を再度取得し、再度取得した該冷媒の流動音と前記最大音量との差分が予め設定されている所定範囲内である場合に、前記仮設定されている前記室外機と前記室内機との配管ペアリングを確定する空調システムの冷媒配管接続検出方法を提供する。
また、制御手段には、室内機冷媒回路部に設けられた音検出手段からの検出結果が入力され、この検出結果に基づいて共通する通信ネットワークを介して接続される複数の室外機のうち、どの室外機と同一冷媒配管により接続されているのかが判断されることとなる。これにより、簡便な処理により、且つ、短時間で冷媒配管の接続状態を検出することが可能となる。
上記室内機において、前記音検出手段は、膨張弁付近の配管を流れる冷媒の流動音、更に好ましくは、膨張弁と熱交換器との間を流れる冷媒の流動音を検出するように設けられていると良い。このような箇所を流れる冷媒の流動音を検出することで、冷媒の流れる音を一層効果的に検出することができる。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空調システムの全体構成を示す図である。
本実施形態に係る空調システムは、複数台の室外機1a、1bと複数台の室内機2a〜2fを備えて構成されている。これらの室外機1a、1b並びに室内機2a〜2fは、1系統の通信ネットワーク3により接続されている。具体的には、各室外機1a、1bの制御部7a、7bならびに各室内機2a〜2fの制御部(制御手段)8a〜8fが互いに1系統の通信ネットワーク3により接続されている。
また、室外機1bと室内機2d〜2fとは、同一冷媒配管11bにより接続されている。具体的には、室外機1bが備える室外機冷媒回路部4bと各室内機2d〜2fが備える室内機冷媒回路部5d〜5fとが同一の冷媒配管11bによって接続されている。
上記室外機1a、1b及び全ての室内機2a〜2fには、それぞれ異なる識別番号IDが付されている。
なお、本実施形態では圧縮機12、受液器15は、室外機冷媒回路部4aに設けられているが、これらは必ずしも室外機冷媒回路部4a内に設けられている必要は無い。
凝縮器13の上流側の冷媒配管には温度センサ23が、下流側には温度センサ24がそれぞれ設けられている。これら温度センサ23,24の出力は室外制御装置9aの入力部32に送られる。室外機冷媒回路部4aには、室外温センサ26が設けられており、この出力は入力部32に送られるようになっている。
膨張弁17は、室外機冷媒回路部4a側から供給された液冷媒を略等エンタルピー的に膨張させるものである。膨張弁17は、好適には電子膨張弁(EEV)が用いられ、室内制御装置10の制御部8によって開度がそれぞれ制御されるようになっている。この膨張弁17の開度によって、システム内を循環する循環冷媒量が決定される。また、所定の過熱度(例えば3deg)が維持されるように、制御部8によって制御される。
圧縮機12によって圧縮された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器13において凝縮して高圧液冷媒となる。高圧液冷媒は、一部の余剰冷媒が受液器15に貯留された後、膨張弁17へと送られて略等エンタルピー的に減圧させられる。低圧液冷媒は、熱交換器19において蒸発し、室内ファン29によって送られる室内空気から熱を奪う。熱を奪われ冷却された空気は、室内へと送られ、室内温度を低下させることにより冷房を実現する。熱交換器19において蒸発した低圧ガス冷媒は、圧縮機12の吸入側へと導かれ、再び圧縮される。
なお、以下の説明において、空調システムを構成する各室外機及び各室内機は、図2に示した冷房専用機によって構成されているものとする。なお、この例に限定されることなく、上述のように冷房専用機のほか、他の冷暖房機の組み合わせ等により構成されている空調システムにおいても本実施形態に係る運転制御方法を適用することができる。
以下に示す配管接続検出処理は、上述した室内機等の増設や、新設等の場合においては、例えば、自動的に実施される。また、例えば、手動により当該処理が要求された場合にも実施される。
なお、以下の処理においては、室外機1aの制御部7aがマスタとして機能することとする。
この結果、配管ペアリングが未設定である室外機または室内機が存在した場合には、ステップSA5に進み、全ての制御部7a、7b、8a〜8fが協調して、後述の配管ペアリング運転を実施する室外機の順番を決定する。ここでは、最初に室外機1aを運転し、次に室外機2aを運転させることとする。
続いて、ステップSB2では、対象制御部7aが全ての室内機2a〜2fに対応する制御部8a〜8fに対して膨張弁17を閉じる指令を出す。これにより、全ての室内機2a〜2fの膨張弁17が全閉状態とされる。続く、ステップSB3では、各室内機2a〜2fの制御部8a〜8fは、対応する室内機冷媒回路部5a〜5fに設置された集音装置70からの音信号を受信し、この音信号に基づく平均音量を基準音量(冷媒運転停止時における周囲音量)として保存する。
これにより、選択制御部8aは、室内機冷媒回路部5aの膨張弁17を開操作する。ここで、開操作による膨張弁の開度は、膨張弁の製品のバラツキを考慮し、確実に膨張弁を開かせることのできる値に設定されている。例えば、膨張弁17の全閉状態から全開状態とするのに、500パルスの指令が必要である場合、その一割程度のパルスを開指令として与えるものとする。
そして、対象室外機1bについての流動音取得シーケンスが終了すると、ステップSA8において「YES」と判断し、ステップSA10において、配管ペアリング確定シーケンスを実施する。
続いて、ステップSC10では、全ての室外機について配管ペアリングの確認を終了したか否かを判断する。この結果、室外機1bについては、まだ配管ペアリングの確認をしていないので、ステップSC5に戻り、まだ配管ペアリングの確認をしていない、室外機1bを運転させ、上述のステップSC6〜ステップSC9を実行する。そして、全ての室外機1a、1bについて最終確認運転が終了すると、当該配管ペアリング確定シーケンスを終了する。
この通常運転では、例えば、図6に示すような通常運転シーケンスが各室内機2a〜2fの制御部8a〜8fによりそれぞれ個別に実行される。
具体的には、図6のステップSD1において、集音装置70から取得した所定時間単位における音信号に基づいて算出された平均音量が、基準音量に応じて設定される許容範囲内であるか否かを判定する。この結果、許容範囲内であれば、このステップSD1の処理を繰り返し行う。
更に、運転モードとして、通常運転モードよりも動作音を低減させる静音運転モードが選択された場合には、室内機2a〜2f内を流れる冷媒の流動音が通常運転モードよりも小さい値に設定された許容範囲内となるように運転制御が行われるので、空調システムの運転音に対する制御を一層細やかに行うことが可能となる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る室内制御装置10の構成を示した図である。図7に示すように、本実施形態に係る室内制御装置10は、入力部42と制御部8との間に音信号のノイズを低減するためのノイズ低減部43が設けられている。
ノイズ低減部43は、高周波帯域のノイズを除去するローパスフィルタ44と低周波数帯のノイズを除去するハイパスフィルタ45と、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタ45のいずれかを選択的に制御部8に接続させる切り替え部46と、切り替え部46と制御部8との間に設けられたピークホールド回路47とを備えている。切り替え部46は、制御部8からの制御信号に基づいて切り替え制御される。制御部8は、膨張弁から発生するピーという笛吹き音が除去された音信号を必要とする場合には、ローパスフィルタが選択されるように、また、冷媒流動音やゴボゴボというような脈動音が除去された音信号を必要とする場合には、ハイパスフィルタが選択されるように、切り替え部を制御する。
また、制御部8は、ピークホールド回路47から入力された最大音量を用いることにより、例えば、図5に示した配管ペアリング確定シーケンスにおけるステップSC2の判断や、図6に示した通常運転シーケンスにおけるステップSD1、SD3の判断などを簡便な処理により実現させることができる。
例えば、図8に示すように、図7に示したローパスフィルタ44およびハイパスフィルタ45に代えて、DSP装置48を設けることとしても良い。これにより、周波数分析が可能となるので、音源の特定精度を一層向上させることができる。これにより、所望の音源(例えば、膨張弁、或いは冷媒配管等)から発せられた音信号のみを抽出することが可能となる。更に、外来ノイズ、例えば、人の声、テレビの音などを選択的に除去することができるので、これらの外来ノイズの影響を低減させることができる。
2a〜2f 室内機
3 通信ネットワーク
4a、4b 室外機冷媒回路部
5a〜5f 室内機冷媒回路部
7a、7b 制御部
8a〜8f 制御部
11a、11b 冷媒配管
12 圧縮機
17 膨張弁
19 熱交換器
70 集音装置
42 入力部
43 ノイズ低減部
44 ローパスフィルタ
45 ハイパスフィルタ
46 切り替え部
47 ピークホールド回路
48 DSP装置
49 可聴帯域フィルタ
Claims (11)
- 複数台の室外機と複数台の室内機とを1系統の通信ネットワークにより接続してなる空調システムの冷媒配管接続検出方法であって、
前記室内機において、前記室外機をそれぞれ個別に運転させたときの膨張弁全閉の場合の冷媒の流動音と膨張弁開状態の場合の冷媒の流動音とをそれぞれ取得し、
取得した前記冷媒の流動音の中から最大音量を抽出し、
抽出した最大音量と前記膨張弁全閉の場合の冷媒の流動音との差分を算出し、
該差分が予め設定されている閾値以上であった場合に、前記最大音量を示したときに運転されていた前記室外機と同一の冷媒配管で接続されていると仮設定し、
同一の冷媒配管で接続されていると仮設定した前記室外機と前記室内機において、該室外機を運転したときの該室内機における膨張弁開状態の場合の冷媒の流動音を再度取得し、
再度取得した該冷媒の流動音と前記最大音量との差分が予め設定されている所定範囲内である場合に、前記仮設定されている前記室外機と前記室内機との配管ペアリングを確定する空調システムの冷媒配管接続検出方法。 - 複数台の室外機と複数台の室内機とを1系統の通信ネットワークにより接続してなる空調システムの運転制御方法であって、
請求項1に記載の空調システムの冷媒配管接続検出方法によって、前記室内機と前記室外機との冷媒配管の接続状態を検出し、
検出した前記冷媒配管の接続状態に基づいて、各前記室内機および各前記室外機に対してアドレスを設定する空調システムの運転制御方法。 - 各前記室内機における冷媒配管を流れる冷媒の流動音に基づいて異常を検知する請求項2に記載の空調システムの運転制御方法。
- 運転モードとして、通常運転モードよりも動作音を低減させる静音運転モードが選択された場合に、前記室内機における冷媒配管を流れる冷媒の流動音に基づいて、運転制御を行う請求項2または請求項3に記載の空調システムの運転制御方法。
- 1系統の通信ネットワークを介して複数台の室外機および少なくとも1台の他の室内機と接続される室内機であって、
室内機冷媒回路部と制御手段とを備え、
前記室内機冷媒回路部には、冷媒配管を流れる冷媒の流動音を検出するための音検出手段が設けられ、
前記制御手段は、前記室外機をそれぞれ個別に運転させたときの膨張弁全閉の場合の冷媒の流動音と該膨張弁開状態の場合の冷媒の流動音とを前記音検出手段からそれぞれ取得し、
取得した前記冷媒の流動音の中から最大音量を抽出し、
抽出した最大音量と前記膨張弁全閉の場合の冷媒の流動音との差分を算出し、
該差分が予め設定されている閾値以上であった場合に、前記最大音量を示したときに運転されていた前記室外機と同一の冷媒配管で接続されていると仮設定し、
同一の冷媒配管で接続されていると仮設定した前記室外機と前記室内機において、該室外機を運転したときの該室内機における膨張弁開状態の場合の冷媒の流動音を再度取得し、
再度取得した該冷媒の流動音と前記最大音量との差分が予め設定されている所定範囲内である場合に、前記仮設定されている前記室外機と前記室内機との配管ペアリングを確定する室内機。 - 前記制御手段が、前記冷媒配管の接続状態に応じてアドレスを設定する請求項5に記載の室内機。
- 前記制御手段が、前記音検出手段からの検出結果に基づいて異常を検知する請求項5または請求項6に記載の室内機。
- 運転モードとして、通常運転モードよりも動作音を低減させる静音運転モードが選択された場合に、前記制御手段が、前記音検出手段からの検出結果に基づいて運転制御を行う請求項5から請求項7のいずれかに記載の室内機。
- 前記音検出手段と前記制御手段との間にはノイズ低減手段が設けられ、前記音検出手段からの音信号は、前記ノイズ低減手段を介して前記制御手段へ送出される請求項5から請求項8のいずれかに記載の室内機。
- 前記ノイズ低減手段は、性質が異なる複数のフィルタを備えており、
該フィルタが、前記制御手段の制御内容に応じて切り替え可能に構成されている請求項9に記載の室内機。 - 請求項5から請求項10のいずれかに記載の複数の室内機と、複数の室外機とを1系統の通信ネットワークで接続してなる空調システム。
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