JP4847477B2 - CdCl2を用いずにCdTe/CdS薄膜太陽電池を大量生産するための方法 - Google Patents

CdCl2を用いずにCdTe/CdS薄膜太陽電池を大量生産するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池の技術分野に関し、より具体的にはCdTe/CdS薄膜太陽電池を大量生産するための方法に関する。特に、本発明は、塩素含有ガスによりCdTe/CdS薄膜を活性化することに関して、この方法を改良することに関する。本明細書で簡単のために「CdTe/CdS薄膜」太陽電池と称したとしても、この用語は次の式に包含される全ての塩混合物を含むものと理解すべきである:
ZnCd1−xS/CdTe1−y
式中、0≦x≦0.2、かつ0.95≦y≦1である。
CdTe/CdS太陽電池の典型的な構成が、透明伝導性酸化物(TCO)膜、n−伝導体を代表するCdS膜、p−伝導体を代表するCdTe膜及び金属裏面接触を有する透明ガラス基体を含む多層配列の順次膜を有することは、知られている通りである。この型の層配列及び構造を有する太陽電池は、例えば、US5304499に記載されている。
商業的フロート法ガラスは、透明基体として用いることはできるが、フロート法ガラスの欠点を、特にTCO膜中にNaが拡散する欠点を回避するため、そのコストが低いにも拘わらず、屡々特別のガラスが好まれている。
最も一般的なTCOは、Snを10%含有するIn(ITO)である。この材料は3×10−4Ωcmの程度の非常に低い固有抵抗及び可視スペクトルで高い透明性(>85%)を有する。しかし、この材料は、スパッタリングにより製造され、数回処理を行なった後のITOターゲットは、過剰のInを含む若干のヌードル(noodle)を形成し、スパッタリング中にそれらヌードル間に放電が起き、それにより膜が破壊されることがある。一般に用いられている別の材料は、フッ素をドープしたSnOであるが、それは10−3Ωcmに近い一層高い固有抵抗値を示し、そのため面積固有抵抗を約10Ω/スクエアにするためには、1μmの厚さの層が必要である。TCOの厚さが大きいと、透明性が低下し、そのため太陽電池の光電流を減少する。NRELグループによりCdSnOを使用することも提案されてきた〔X.ウー(Wu)ら、ThinSolid Films, 286 (1996) 274-276〕。この材料も、ターゲットがCdOとSnOとの混合物から構成され、CdOが極めて吸湿性で、ターゲットの安定性が不満足な結果になることがあるため、若干の欠点を有する。
本願と同じ出願人の名前の、WO 03/032406には、CdTe/CdS薄膜太陽電池を大量生産する方法が記載されており、その場合、TCO膜の堆積は、ターゲットに金属ヌードルが全く形成されることなく、非常に低い固有抵抗の膜を堆積させることができるようなやり方で行われ、安価な基体を使用することができる。この目的のため、TCO層は、水素、又はアルゴン・水素混合物、及びガス状フルオロアルキル化合物、例えば、CHFを含む不活性ガス雰囲気中でスパッタリングすることにより形成されている。このやり方ではTCOはフッ素がドープされている。
CdS膜は、CdS粒状材料をスパッタリングするか、又は近距離昇華(Close-Spaced Sublimation)(CSS)により堆積されている。後者の方法は、単純な真空堆積又はスパッタリングで用いられている基体温度よりも遥かに高い基体温度で薄膜を製造することができる。なぜなら、基体と気化源は2〜6mmの距離で互いに非常に近接して配置され、Ar、He、又はNのような不活性ガスを存在させて10−1〜100ミリバールの圧力で堆積が行われるからである。基体温度が高いほど良好な結晶品質の材料を成長させることができる。近接昇華の重要な特徴は、10μm/分までの非常に大きな成長速度を持つことであり、それは大量生産に適している。
CdTe膜を近接昇華(CSS)により480〜520℃の基体温度でCdS膜の上に堆積させる。CdTe源としてCdTe粒子が一般に用いられており、それを開口坩堝から蒸発させる。
CdTe膜上の裏面電気接触は、例えば、黒鉛接触に、アニーリングによりCdTe膜中に拡散することができる銅のようなCdTeに対して極めてp型のドーパント金属の膜を堆積させることにより一般に得られている。CdTe/CdS太陽電池の裏面接触としてSbTe膜を使用することが同じ出願人により開示されている〔N.ロメオ(Romeo)ら、「極めて効率的で安定なCdTe/CdS薄膜太陽電池」(A highly Efficient and Stable CdTe/CdS thin film solar cell)、Solar Energy Materials & Solar Cells, 58 (1999) 209-218〕。
高効率CdTe/CdS太陽電池の製造で重要な工程は、CdTe膜の活性化処理である。この工程を行うのに殆どの研究グループは、簡単な蒸発か、又はCdClを含有するメタノール溶液中にCdTeを浸漬し、次にその材料を空気中で400℃で15〜20分間アニールするのが常である。最近、上に記載した第一工程を回避するため、CdTeを処理するのにCdCl蒸気を用いることが提案されている〔C.S.フェレカイズ(Ferekides)ら、「CdTe薄膜太陽電池:装置及び技術問題」(CdTe thin film solar cell: device and technologyissue)、Solar Energy,77 (2004) 823-830;B.E.マクキャンドレス(McCandless)ら、「CdTe薄膜太陽電池のための処理選択肢」(Processing options for CdTe thin film solar cells)、Solar Energy, 77 (2004) 839-856」。この場合、CdClの蒸気は、CdTe膜に面した源から得られるか、又はキャリヤーガスにより離れた源から送られてくる。CdCl処理に代わるものとして、HClを使用することも提案されている〔T.X.ゾウ(Zhou)ら、「多結晶質CdTe/CdS膜の塩化物蒸気処理」(Vapor chloride treatment of polychrystalline CdTe/CdS films)、1994年第1回WCPEC予稿集〕。CdCl処理は、小さな粒子の粒径を増大し、CdSとCdTeとの混合を良くし、その材料の若干の欠点を除くことによりCdTeの結晶品質を改良すると一般に考えられている。
どの場合でも、CdCl処理の後、CdTeをBr・メタノール溶液又は硝酸と燐酸との混合物中でエッチングしなければならない。エッチングは、一般にCdO又はCdTeOがCdTe表面上に形成されるので、必要である。CdO及び/又はCdTeOは、CdTe上に良好な裏面接触を作るために除去しなければならない。それ以外に、エッチングはTeに富む表面を生ずるので、CdTeの上に金属を堆積した場合、オーム接触の形成が促進されると考えられている。
CdTe膜のエッチング処理を回避し、製造工程を連続的やり方で実施できるようにするため、WO 03/032406は、先ず、基体を室温に維持しながら、CdTe膜上に蒸発により100〜200nm厚のCdClの層を形成し;次にそのCdCl層を真空室で380〜420℃及び300〜1000ミリバールで、不活性ガス雰囲気中でアニールし;そして最後に、基体を350〜420℃の温度に維持しながら、前記室から不活性ガスを除去して真空状態を生じさせ、それによりCdTe膜表面から全ての残留CdClを蒸発させることによりCdTe膜をCdClで処理することを示唆している。
薄膜太陽電池に対する工業的関心は、ここ数年で、これまでに到達した大きな変換効率を見ても高まってきている。16.5%の変換効率が記録されたことが報告されている〔X.ウー(Wu)ら、第17回光電池太陽エネルギー変換欧州会議、ミュニッヒ、ドイツ(17th European Photovoltaic Solar Energy ConversionConference, Munich, Germany)、2001年10月22〜26日、II, 995-1000参照〕。本発明の発明者の何人かにより、効率は僅かに低いが、簡単な方法で、一層安定な裏面接触が最近得られている〔N.ロメオ(Romeo)ら、「CdTe/CdS薄膜太陽電池の最近の進歩」(Recent progress on CdTe/CdS thin film solar cells)、Solar Energy, 77 (2004), 795-801〕。このように、CdTe/CdS薄膜太陽電池をインラインで大量生産するのに適した方法を提供するために若干の研究労力が払われてきている。
この問題に関する技術の現状の報告が、D.ボネット(Bonnet)、Thin Solid Films, 361-362 (2000), 547-552に見出すことができる。しかし、多くの問題が依然としてこの結果の達成を、特にCdTe膜を処理する極めて重要な工程に関して妨げている。実際、現在入手できる処理方法の殆どは、CdCl蒸発工程を含み、特にWO 03/032406に記載されているように、次のCdCl堆積工程を低温で行う。これは、CdTe膜を先ずCdS膜上への堆積温度(約500℃)から100℃より低い温度へ冷却しなければならない欠点を有する。さもないとCdCl蒸気が、CdTe結晶表面に結合しない。低温堆積の後、CdTe膜を、Ar雰囲気中で処理するために再び400℃より高い温度まで加熱し、次に残留CdClを全て除去するため真空アニーリングをしなければならない。上記工程は、製造コストに大きな影響を与える。
更に別の欠点として、CdClは、通常非常に微細な粉末状態で入手されるので、工業的生産ラインで直接蒸発することができない。なぜなら、最も微細な粒子が蒸気中に取り込まれ、局部的に不均一な堆積を与える結果になるからである。このため、CdCl粉末は、蒸発前にインゴットの形に焼結しなければならず、このことは、それを行うために取るべき安全な予防措置を考慮すると非常に高価な工程になっている。
更に、一般にCdClの取扱い及び貯蔵は若干の欠点を有する。CdClは、比較的低い蒸発温度(空気中で約500℃)を有し、大量生産プラントで要求されるように大量に保存される場合には、極めて毒性のCd放出により火災の場合には危険になることがある。更に、CdClの水に対する大きな溶解度のため、環境汚染及び健康被害を防ぐため、非常に厳しい対策をとらなければならない。
本発明の目的と概要
本発明の主たる目的は、上に定義したように、安定で効率的なCdTe/CdS薄膜太陽電池、より一般的にはZnCd1−xS/CdTe1−y薄膜太陽電池を、既知の製造方法に対して製造コストを減少させた、大量生産に適した方法を提供することである。
本発明の具体的な目的は、CdTe膜の活性化処理を、CdClを使用する必要がないようなやり方で行う、上述の型の方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、CdTe膜の処理工程を、既知の方法に対して簡単化した、前述の型の方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、安定で、効率的な、比較的低コストのCdTe/CdS薄膜太陽電池を提供することである。
上記目的は、主要な特徴が請求項1に記載されているCdTe/CdS薄膜太陽電池の大量生産のための方法により達成される。
本発明の重要な側面によれば、CdTe膜の活性化処理は、真空室中にCdTe/CdS電池を導入し、そこに塩素含有不活性ガスを供給し、電池支持基体の温度を380〜420℃に上昇させることにより行われる。この条件では、塩素が放出され、それがCdTeと反応し、TeCl及びCdClを生ずる。数分後、再び真空を適用し、処理中に形成されたCdCl残留物を全て電池表面から蒸発させるような仕方で電池を高温に維持したままにする。塩素の作用により、最も小さい、より不安定なCdTe粒子が気相中に運ばれ、次に再結晶化してより大きく、より安定な粒子になる。
本発明の特定の側面によれば、塩素含有不活性ガスは、クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボン製品から選択される。
本発明による方法の更に別な特徴を、従属請求項に記載する。
本発明によるCdTe/CdS薄膜太陽電池の大量生産のための方法の更に別な特徴及び利点は、添付の図面に関連して行う好ましい態様についての次の記載から明らかになるであろう。
本発明の態様の説明
図面を参照すると、本発明による方法により製造されるCdTe/CdS太陽電池は、透明基礎層、即ち、基体上に順次堆積した五つの層であって、300〜500nmの厚さの透明伝導性酸化物(TCO)層、そのTCO層の上に堆積した80〜200nmの厚さのCdS層、そのCdS層の上の4〜12μmの厚さのCdTe層、及び、少なくとも100nmの厚さのSBTe層及び100nmの厚さのMo層により形成された裏面接触層からなる層を含む。特に、透明基礎基体は、ソーダ・石灰ガラスからなり、透明伝導性酸化物はフッ素がドープされている(In:F)。
TCO層は、成長中にフッ素がドープされたInからなる。Inターゲットは、ITOとは異なり、ヌードルを全く形成しない。少量のフッ素をCHFのようなガス状フルオロアルキル化合物の形で、そして少量のHをArに対してHが20%になるAr+H混合物のような不活性ガスとの混合物の形で、スパッタリング室中に導入することにより、非常に低い固有抵抗が得られる。典型的な例は、500℃の基体温度で、200sccmのAr流量、5sccmのCHF流量及び20sccmのAr+H流量で、10Å/秒より大きな堆積速度で堆積された500nmのIn膜である。このやり方で、反応性スパッタリングガスを、2.5体積%のCHF及び1.8体積%のHを含有するArにより構成する。この膜は、5Ω/スクエアの面積抵抗、2.5×10−4Ωcmの固有抵抗、及び400〜800nmの波長範囲で85%より大きな透明性を示す。この膜の別の特徴は、その良好な安定性及びソーダ・石灰ガラスからのNaの拡散を止めることができることである。このことは、この型のTCOの上にCdTe/CdS太陽電池を作り、それらが「10太陽光(ten suns)」で数時間照射した場合、180℃まで加熱されても非常に安定であることを示していることにより実証されている。
スパッタリング又は近接昇華による既知の方法でCdS膜及びCdTe膜を堆積した後、本発明に従いCdTe膜表面を、次のやり方で塩素含有不活性ガスで処理する。
上に記載したようにして製造したCdTe/CdS電池を真空室中に入れ、その室に10〜30ミリバール、好ましくは15〜25ミリバールの塩素含有不活性ガス、及び100〜500ミリバールのアルゴンを入れる。次に電池支持基体を380〜420℃の温度に5分間加熱する。この条件で放出された塩素は固体表面のCdTeと反応し、次の反応に従いTeCl及びCdClを生成する:
CdTe(固体)+2Cl(ガス)→
TeCl(ガス)+CdCl(ガス).
この処理の後、処理中に形成された残留CdClを電池表面から全て蒸発させるようなやり方で数分間電池温度を高く維持しながら、真空室に真空を適用する。
この過程中、最も小さく、より不安定なCdTe粒子が気化し、それらが再結晶化した時、より大きく、より安定なCdTe粒子が形成される。平均粒径が1μより小さい事実を考慮すると、この効果は、高真空蒸発させることによりCdTeを堆積する場合に非常に顕著である。このことは、図3と4とを比較することにより明らかに理解することができる。
もし処理済みCdTeをCSS(近接昇華)により生成させると、出発粒子はより大きく、数μより大きく、粒子の縁の再結晶化が認められる。
塩素含有不活性ガスの源として、クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボンの両方を使用することができる。これらは非引火性、非腐食性、非毒性で、無臭のガスである。クロロフルオロカーボンが地球を取り巻くオゾン層にとって危険であると考えられている場合でも、それらは大気中へ汚染物放出されることなく、閉じた循環プラント中で容易に回収できる工業的方法として使用することができるであろう。
上に記載したCdTe活性化法は、非常に容易に開発することができる。工業的生産ラインにおいて、この方法は、CdCl蒸発装置を省略できるようにするが、CdClは通常粉末状で入手可能であり、真空条件で約300℃という比較的低い昇華温度を有するものである。更に、CdClは、低圧タンクで容易に輸送可能な非毒性の非引火性ガスにより置き換えられる。先行技術CdTe処理法に対する更に別の利点として、本発明の方法は、数分間だけ実施すれば良く、これにより製造ラインの長さを著しく減少する結果になる。
本発明によれば、SbTe又はAsTeのような高度に伝導性のp型半導体の薄い層をCdTe膜の上に堆積させることにより接触を作れば、非整流接触を得るためにTeに富む表面は不必要である。SbTe又はAsTeの少なくとも100nmの厚さの層を、夫々250〜300℃及び200〜250℃の基体温度でスパッタリングすることにより堆積させれば、清浄なCdTe表面上に良好な非整流接触が得られる。SbTeは、10−4Ωcmの固有抵抗を有する通常p型として成長するのに対し、AsTeは、10−3Ωcmの固有抵抗を有するp型として成長する。接触形成手順は、当該技術分野で一般に行われているように、少なくとも100nmのMo又はWで、その低抵抗率p型半導体を覆うことにより完了する。Mo又はWの薄層は、裏面接触に低い面積抵抗を持たせるために必要である。
上に記載した手順に従って、基体として1インチ平方の低コストのソーダ・石灰ガラスを用いることにより、幾つかの太陽電池を製造した。
これらの電池の典型的な面積は1cmである。仕上げた電池は一般に10−20太陽光(10-20 suns)の下に数時間180℃の温度で開回路電圧(Voc)条件におく。劣化は認められなかったが、むしろ20%以上の効率の増大が見出された。
これらの電池の効率は、800〜870mVの開回路電圧(Voc)、23〜26mA/cm の短絡電流(Jsc)、及び0.65〜0.73の範囲の充填率(ff)で、14%〜15.8%の範囲にある。
15%の効率を示す電池を次のやり方で製造した:ソーダ・石灰ガラスに、上に記載したように500℃の基体温度で堆積させた500nmのIn:F(フッ素ドープ)で覆った。300℃の基体温度でスパッタリングすることにより100nmのCdSを堆積し、20%のOを含む500ミリバールのAr中で500℃で15分間アニールした。500℃の基体温度でCSSによりCdSの上に8μmのCdTeを堆積した。CdS及びCdTeの両方の膜は、WO 03/032406に記載されているように、圧縮ブロック源から生成させる。上に記載したようにAr雰囲気中でHCFClによる処理を行なった。最後に何らエッチングをすることなく、150nmのSbTe及び150nmのMoをスパッタリングすることにより順次堆積して裏面接触を形成した。
開回路条件で180℃の温度で10太陽光の下に1時間置いた後、このやり方で製造した太陽電池は次のパラメーターを示した:
oc 860mV
sc 25.4mA/cm
ff 0.69
効率 15%
CdTe膜を処理するためにCClFを用いることにより同様な結果が得られる。
図1は、本発明によるCdTe/CdS薄膜太陽電池の膜の順序を模式的に表す図である。 図2は、本発明による方法の概略的工程図である。 図3は、高真空蒸発により堆積した未処理CdTe膜の形態を示す図である。 図4は、本発明による処理を行なった後の、図3の膜の形態を示す図である。

Claims (12)

  1. CdTe/CdS薄膜太陽電池の大量生産のための方法であって、前記膜が透明基体の上に順次堆積されており、
    − 前記基体上に透明伝導性酸化物(TCO)の膜を堆積させる工程;
    − 前記TCO膜上にCdSの膜を堆積させる工程;
    − 前記CdS膜上にCdTeの膜を堆積させる工程;
    − 前記CdTe膜を活性化処理に供する工程;
    − 前記処理したCdTe膜の上に裏面接触膜を堆積させる工程;
    を含み、該方法は、CdTe膜の前記活性化処理が次の工程;
    − 前記基体上に堆積したCdTe/CdSを真空室中に導入する工程;
    − 前記支持基体を380〜420℃の操作温度へ加熱する工程;
    − 前記真空室中へ、不活性ガスと、クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボン製品から選択される塩素含有不活性ガスとを導入し、それにより前記製品の熱解離の結果として放出された塩素が、電池表面上に存在する固体CdTeと反応してTeCl及びCdCl蒸気を生成する工程;
    − 温度を操作値に維持しながら、真空室へ真空を適用し、それにより電池表面から残留CdClを全て除去する工程;
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 不活性ガスがアルゴンである、請求項1に記載の方法。
  3. 真空室に、10〜30ミリバールの塩素含有不活性ガス及び100〜500ミリバールの不活性ガスを入れる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 支持基体を操作温度へ1〜10分間加熱する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. エッチングされていないCdTe膜表面上に、SbTe層により裏面接触膜を形成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. SbTe層を、Mo又はWの層で覆う、請求項5に記載の方法。
  7. SbTe層を、250〜300℃でスパッタリングすることにより形成する、請求項5又は6に記載の方法。
  8. Mo又はWの層で覆われたAsTe層により裏面接触膜を形成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  9. AsTe層を、200〜250℃でスパッタリングすることにより形成する、請求項8に記載の方法。
  10. 透明伝導性酸化物が、フッ素をドープしたInである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. TCO層を、水素及びガス状フルオロアルキル化合物を含む不活性雰囲気中でスパッタリングすることにより形成する、請求項10に記載の方法。
  12. Arと水素との混合物を用い、その中で水素が1〜3体積%を占め、フルオロアルキル化合物がCHFである、請求項11に記載の方法。
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