JP4846929B2 - 動物飼育ケージ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は実験研究用の小動物を収容して飼育する動物飼育ケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
実験研究用の小動物は、上面が開口した箱体形状の容器からなる動物飼育ケージに収容され、このケージを複数個収容するラック内で飼育される。このケージ内の動物を検査その他実験等の処置をする場合、ラックからケージを取り出し、別の動物検査処理室までケージを運搬して検査等をしていた。
【0003】
ラック内は独立系統で換気され、ラック外部との間での空気の流通は遮断されている。したがって、室内の細菌類により飼育動物が感染することはなく、逆に室内の人間等が飼育動物側から汚染されることもない。したがって、ラック内外間でのクロスコンタミネーションは防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラック内に収容された状態ではクロスコンタミネーションのおそれはないが、ラックからケージを取り出す際にはケージの上面は開口したままであり、検査や実験場所まで運搬する間はケージの上面が開口したままであって、ケージ内の動物への微生物汚染や人間あるいは動物からのクロスコンタミネーションの危険性が非常に高かった。
【0005】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、ラックから取り出したケージ内の動物に対するクロスコンタミネーションの防止を図った動物飼育ケージの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、上面が開口した箱体形状の容器と、該容器上面を覆う金網と、該金網の上から前記容器上面を覆う蓋を備え、前記蓋は、平板形状で1または複数の開口部を有する第1の蓋と、第1の蓋が納まる大きさの受け皿形状で前記第1の蓋と同位置に開口部を有する第2の蓋と、フィルタから成り、前記第2の蓋の受け皿部に前記開口部を塞いでフィルタを装着し該フィルタの上から前記第2の蓋に前記第1の蓋を嵌め込み、該第1の蓋の一側端面に設けられた突起を前記第2の蓋の相応する位置に設けられた孔に差込み、該第2の蓋の他側縁に設けた弾性手段で前記第1の蓋の他側縁を押圧することにより該第1の蓋を前記第2の蓋に一体に固定保持し、略平板形状としたことを特徴とする動物飼育ケージを提供する。
【0007】
この構成によれば、ケージ上面にフィルタを有する蓋を取付けるので、ケージを単独でラック外部に置いたり移動させるとき等にケージ内の動物に対する外部からの汚染及びケージ内動物から外部への汚染を防ぐことができる。この場合、動物飼育ケージがラックに収納されている状態では蓋をしないで上面を開口させたままとしてラック内の清浄空気により充分ケージ内を換気させ、ラックから引き出す際に蓋をしてラック外部でのケージ内動物のクロスコンタミネーションを防ぐことができる。
また、この構成によれば、第1の蓋を第2の蓋に確実に固定できるので、取扱い性が向上する。また、これらに挟まれるフィルタが確実に固定され、ずれることがなくなる。
【0008】
好ましい構成例においては、前記第1の蓋と第2の蓋は所定の耐熱性を有することを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、第1の蓋及び第2の蓋を例えば滅菌用のオートクレーブ(蒸気滅菌器)に耐える耐熱性(130℃程度)を有する金属あるいは耐熱プラスチック等で形成することにより、各蓋を使用するごとにケージから取外してそれぞれオートクレーブ等で滅菌処理することができ、別々のケージに対し共通の蓋を使用することができ、繰り返し使用することも可能となる。
【0010】
好ましい構成例においては、前記第2の蓋は所定部分に切欠きを有し、該切欠きが前記金網に嵌合して該第2の蓋が金網に保持されることを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、確実に蓋をケージ内の金網に固定することができるので、誤って蓋が取れてしまう可能性を低くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る動物飼育ケージを分解したときの斜視図である。
図示したように、本発明に係る動物飼育ケージ3は、第1の蓋8、フィルタ9、第2の蓋10からなる蓋21と、金網11、容器12からなるケージ22で構成される。
【0017】
第1の蓋8は平板形状であり、開口部13を有している。第2の蓋10は第1の蓋8が納まる大きさの受け皿形状であり、第1の蓋8と同位置に開口部15を有する。第1の蓋8の一側縁には突起14が備わり、この突起14を第2の蓋10に備わる孔(図示しない)に係止させる。孔に対向する第2の蓋10の側縁にはバネ等の弾性体16が備わる。この弾性体16により第1の蓋8が押圧されて第1の蓋8が第2の蓋10に確実に固定される。HEPA等のフィルタ9は開口部13,15を塞ぐように第1の蓋8と第2の蓋10の間に挟まれて装着される。
【0018】
容器12は上面が開口した箱体形状であり、前側の側面には水飲み用吸い口(不図示)の取付孔17が備わる。この容器12の上面は金網11で覆われる。金網11の前後の縁部には、突出した引掛部18が備わり、この引掛部18を容器12の開口面周囲に設けた鍔部19に引掛けて容器12上に載置して保持する。
【0019】
第2の蓋の側縁には切欠き20が備わり、この切欠き20を金網11の引掛部18に嵌合する。したがって、蓋21はケージ22に確実に取付けられるので、誤って蓋21がケージ22から取れることを防止することができる。
【0020】
このように、ケージ22に蓋21を取付けることにより、床敷きの交換や検査のためにケージ22をラックから取り出して単独で室内に出して持ち運んでも、持ち運び中に人間や動物からケージ内の動物へのクロスコンタミネーションを防ぐことができる。
【0021】
図2は動物飼育ラックの概略図である。
例えば本発明に係る動物飼育ケージを収容するラックは以下のようなものである。動物飼育ラック1は、上下複数段の棚1aからなり、各棚1aには飼育する動物を収容する複数のケージ22が各々吊りレール2により左右方向に並べて天井側から吊り下げられて支持される。各ケージ22は蓋21(図1)のない上面が開口した状態で、開口面の側縁の鍔部19をアングル材等の吊りレール2に引掛けて吊り下げられる。
【0022】
各棚1aの天井には給気チャンバ5が形成され、その前面側に吹出口4が設けられる。吹出口4は、各棚1aの左右長さ方向のほぼ全長にわたって連続して設けられる。ラック1の一方の側面に給気ダクト6が設けられ、HEPA等のフィルタ(不図示)を通して清浄空気が矢印Aのように供給され、各棚1aの給気チャンバ5にこの清浄空気を供給する。ラック1の反対側の側面に排気ダクト7が設けられ、排気を矢印Bのように外部に排出する。
【0023】
清浄空気は吹出口4から各ケージ22の上面前部の金網11を通してケージ22内に流入する。ケージ22内を流通した清浄空気はケージ後部上面から流出してラック後面の排気ダクト(不図示)を介して排気ダクト7を通して排出される。したがって、ラックに収容された状態では、ケージ内換気のために上面を開放しておくことが必要である。この状態でラック内部のケージ内動物間及びラック外部の人間等との間のクロスコンタミネーションの問題はほとんど生じない。
【0024】
このラックからケージを取り出してラック外へ持ち運ぶ時にクロスコンタミネーションの問題が生じる。本発明は、これを解消するものであり、ラック1からケージ22を引出す際(引出す直前にレール2に吊り下げられた状態で又はレール2からスライドさせて引出しながら)、前述の蓋21をケージ22の上面に装着する。これによりラック1から引出されたケージ22の上面が蓋21で覆われるため、クロスコンタミネーションが防止される。
【0025】
ケージ内の動物の検査や実験処置あるいは床敷き交換等の処理は、所定の検査テーブル又はセーフティキャビネット等の汚染防止が図られている場所で動物を取出して行われる。このような検査等が終了したら、動物を再びケージ内に収容して蓋をした状態でラックまで持ち運び、ラック内に収容してから(又はラック内にスライドさせて収容しながら)蓋を取外す。取外した蓋(第1の蓋8及び第2の蓋10)はオートクレーブ等の殺菌装置で殺菌する。したがって第1の蓋8及び第2の蓋10は殺菌温度に耐える耐熱性を有することが必要である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ケージ上面にフィルタを有する蓋を取付けるので、ケージを単独でラック外部に置いたり移動させるとき等にケージ内の動物に対する外部からの汚染及びケージ内動物から外部への汚染を防ぐことができる。このように、ケージ3内の動物へのクロスコンタミネーションを防ぐことによって、高価な実験用の動物の損失を防ぐことができるので、費用効果が向上する。第1の蓋8は第2の蓋10に確実に固定されるので、その間に挟まるフィルタ9も確実に固定され、取扱い性が向上する。また、構造が簡単であるので、フィルタ9の交換も容易に行うことができる。
【0027】
フィルタ9は細菌、カビ等の真菌、細菌より小さい菌であるファージ、さらに小さいウイルスをも通過させないHEPAフィルタ等の超高性能濾材を用いるため、確実に汚染物質のケージ3内への侵入を防ぐことができる。第1の蓋8、第2の蓋10はアルミ等の打ち抜き成形品または樹脂材等の成形品を用いるので、生産工程が簡単であり、低コストで蓋の生産を実現することができる。第1の蓋8及び第2の蓋10にオートクレーブ(上記滅菌器)の熱に耐えられる所定の耐熱性(180℃程度)を持たせることにより、各蓋を使用するごとにケージから取外してそれぞれオートクレーブ等で殺菌処理することができ、別々のケージに対し共通の蓋を使用するときに蓋を介するクロスコンタミネーションが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る動物飼育ケージを分解したときの斜視図。
【図2】 動物飼育ラックの概略図。
【符号の説明】
1:ラック、1a:棚、2:吊りレール、3:動物飼育ケージ、
4:吹出口、5:給気チャンバ、6:給気ダクト、7:排気ダクト、
8:第1の蓋、9:フィルタ、10:第2の蓋、11:金網、
12:容器、13:開口部、14:突起、15:開口部、
16:弾性体、17:水飲み用吸い口の取付孔、18:引掛部、
19:鍔部、20:切欠き、21:蓋、22:ケージ。

Claims (3)

  1. 上面が開口した箱体形状の容器と、該容器上面を覆う金網と、該金網の上から前記容器上面を覆う蓋を備え、
    前記蓋は、平板形状で1または複数の開口部を有する第1の蓋と、第1の蓋が納まる大きさの受け皿形状で前記第1の蓋と同位置に開口部を有する第2の蓋と、フィルタから成り、
    前記第2の蓋の受け皿部に前記開口部を塞いでフィルタを装着し該フィルタの上から前記第2の蓋に前記第1の蓋を嵌め込み、該第1の蓋の一側端面に設けられた突起を前記第2の蓋の相応する位置に設けられた孔に差込み、該第2の蓋の他側縁に設けた弾性手段で前記第1の蓋の他側縁を押圧することにより該第1の蓋を前記第2の蓋に一体に固定保持し、略平板形状としたことを特徴とする動物飼育ケージ。
  2. 前記第1の蓋と第2の蓋は所定の耐熱性を有することを特徴とする請求項1に記載の動物飼育ケージ。
  3. 前記第2の蓋は所定部分に切欠きを有し、該切欠きに前記金網の一部を嵌合して該第2の蓋が金網に保持されることを特徴とする請求項1に記載の動物飼育ケージ。
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