JP4846842B2 - バルブコッタの取付け装置及び取付け方法 - Google Patents

バルブコッタの取付け装置及び取付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、バルブスプリングに押圧されるスプリングリテーナをバルブステムに固定するための複数に分割されたコッタを、スプリングリテーナのテーパ孔に組み付けるコッタ・リテーナ組付装置及び組付方法に関する。
エンジンの動弁機構におけるバルブ・アセンブリは、吸気及び排気口にそれぞれ設けられており、それぞれの吸気及び排気口を開閉するバルブ本体(傘部分)と、バルブ本体の中心から垂直に延びるバルブステムと、このバルブステムに設けられるスプリングとを備えている。
前記スプリングは、バルブステムに設けられるスプリングリテーナに取り付けられてバルブ本体に弾発力を付与している。このスプリングリテーナは、バルブ本体に向かって縮径するテーパ壁を有するリテーナ孔を備えており、一方バルブステムは、該バルブ本体からやや離れた位置に該バルブステムの軸の外側周に凹溝を備えている。そして、これらスプリングリテーナとバルブステムとの間にバルブコッタを介在させて、スプリングリテーナをバルブステムに取り付けて固定することができる。
スプリングリテーナは、外周部がスプリングを保持する鍔部を構成する。該スプリングリテーナは、孔の開いた円板形状を呈してよく、中心部にバルブ本体に向かって縮径するテーパ壁を有するリテーナ孔を備えている。
複数のコッタ片からなるバルブコッタは、それぞれのコッタ片が非常に小さく、かつ軽量なので、組み付けの際に所定位置に組付け難い。また、組付けても外れやすいこともあり取り扱いが容易ではない。この困難性を解消するものとして、一対のコッタ片を予め組み付けてリテーナコッタ組付け装置に供給する装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
このような装置においては、複数のコッタ片を組み付ける際に、それぞれのコッタ片の専用パーツフィーダからコッタ片が供給される。そして、コッタ供給装置が少なくとも二系統必要であり、装置の大型を招くおそれがある。また、このような二系統の供給装置間で、供給の同期化が必要であるので、制御機構が複雑化し易い。
一方、リテーナのテーパ孔へコッタを組み付ける装置としては、例えば、特許文献2に開示されるものがある。この装置では、バルブスプリングに押圧されるリテーナをバルブステムに固定するための複数に分割されたコッタを、前記リテーナのテーパ孔に組み付ける際に、前記リテーナを、そのテーパ孔の大径側を上部側とした状態で支持して、回転可能に支持する回転支持機構と、前記リテーナが回転支持機構により支持された状態で回転することにより、前記分割した複数のコッタを、前記回転支持機構の上方から、同じ向きで上下に積層した状態で前記リテーナのテーパ孔に順次落下させる際にコッタの姿勢が変わらないように、上方を頂点とする円錐形状のコッタガイドピンがリテーナのテーパ孔の下方から上方へ突出して、コッタガイドピンの側面とリテーナのテーパ孔のテーパ面とでコッタを支持している。
しかしながら、この装置においては、リテーナにコッタを組付ける際に、コッタを少なくとも2つ積層して落下させ、その後、リテーナを回転して積層している2つのコッタを分離させ対称位置に組付けるようにしているため、コッタ同士の摩擦によってなかなか積層状態が解除されない恐れがある。そのため、組付け作業が不安定になってムラが発生し作業効率が低下する恐れがある。
特許第2816373号公報 特開2004−351525号公報
以上のような課題に鑑みて、本発明において、バルブコッタをスプリングリテーナに容易かつ確実に取付けることができる装置を提供する。また、バルブコッタをスプリングリテーナに容易かつ確実に取付ける方法を提供する。
本発明において、バルブコッタ取付け装置は、リテーナ孔が下方に向けて縮径して開孔するように該スプリングリテーナを供給するリテーナ供給手段と、コッタ片を順次供給するコッタ供給手段と、前記リテーナ孔に出入自在に設けられ、供給される第1のコッタ片を前記リテーナ孔の内側面とともに重力に応じて第1の所定の位置にガイドするほぼ垂直なガイド面を有し、該ガイド面より上方にあって次いで供給され重力に応じて第2の所定の位置にガイドされる第2のコッタ片を受ける先端面を有する受け手段と、該受け手段を移動させる移動手段と、を備える。前記受け手段は、第2のコッタ片を、前記第1の所定の位置にガイドされた第1のコッタ片にガイドさせて前記先端面に受けることができる。
より具体的には、以下のようなものを提供できる。
(1)バルブ本体及びバルブステムからなるバルブに装着されるバルブスプリングに押圧されるスプリングリテーナを該バルブステムに連結する複数の円弧状のコッタ片に分割されるバルブコッタを、前記スプリングリテーナに設けられたリテーナ孔に、取り付けるバルブコッタ取付け装置において、 前記リテーナ孔が下方に向けて縮径して開孔するように該スプリングリテーナを供給するリテーナ供給手段と、 前記コッタ片を順次供給するコッタ供給手段と、 該リテーナ孔に出入自在に設けられ、供給される第1のコッタ片を、前記リテーナ孔の内側面とともに重力に応じて第1の所定の位置にガイドするほぼ垂直なガイド面を有し、該ガイド面より上方にあって、次いで供給され重力に応じて第2の所定の位置にガイドされる第2のコッタ片を受ける先端面を有する受け手段と、 該受け手段を移動させる移動手段と、を備え、 前記受け手段は、第2のコッタ片を、前記第1の所定の位置にガイドされた第1のコッタ片にガイドさせて前記先端面に受けることを特徴とするバルブコッタ取付け装置を提供できる。
ここで、円弧状のコッタ片とは、円筒状のコッタを上面視円の中心を通る複数の分割線で割ったコッタ片を意味することができる。例えば、半割りした場合は、コッタは、一対のコッタ片からなり、その上面視はほぼ半円を呈する。リテーナ孔は、円板状のスプリングリテーナの平面視で円を呈するその円の中心から所定の半径で開口する貫通する孔であってよい。該スプリングリテーナは、所定の高さ(又は厚み)を有し、前記リテーナ孔は、一方向に縮径するテーパ孔であってよい。このリテーナ孔が下方に向けて縮径して開孔するようにとは、スプリングリテーナが所定の向き(上向き若しくは下向き)にされていることを意味することができる。従って、スプリングリテーナは、一方向に並んで供給されてよい。従って、リテーナ供給手段は、スプリングリテーナを所定の向きに揃えて供給することができるあらゆる種類のリテーナ供給装置を含むことができる。
また、コッタ片を順次供給するコッタ供給手段は、複数のコッタ片を1つずつ供給可能なものであれば、如何なる種類のコッタ供給装置を含むことができる。このコッタ片は、スプリングリテーナと同様、一方向に並んで供給されることが好ましい。テーパ状のリテーナ孔に挿入される際に方向が揃っている方が好ましいからである。また、例えば、半割りされたコッタのコッタ片において、これらの複数のコッタ片が半割り面を同じ方向に向けて、つまり、同じ回転位置に揃って供給されると好ましい。コッタ片を把持する際に同一の把持手段(トングのような物を挟む道具を含んでよく、該コッタ片を把持できるものであるならば、如何なる種類の把持装置をも含むことができる)によって、統一的に取り扱うことがより容易になるからである。一方、後述するように、コッタ片が対向するようにリテーナ孔に載置されることを考慮すれば、コッタ片を互い違いの向きに回転させて供給してもよい。
受け手段が、リテーナ孔に出入自在であるので、受け手段の形状が、リテーナ孔に容易に入ることができる形状及び大きさを有することができる。出入自在であるので、リテーナ孔の上側開口及び/又は下側開口を前記受け手段は通ることができる。例えば、下向きに縮径するリテーナ孔の下側から、後述する移動手段の動きにより、受け手段がリテーナ孔に下側から進入し、下側に退出することができる。リテーナ孔は、テーパ状をした円形の孔であるので、受け手段は、円柱形若しくはそれに類似する形状の軸若しくは円柱或いはこれらに類似する形状を有することが好ましい。
ここで、第1の所定の位置とは、第1のコッタ片が装着されるべき位置であって、リテーナ孔の内側面(即ち、テーパ面)及びガイド面によって規定される位置であってよい。複数のコッタ片をアセンブルすることにより、コッタが構成されるが、このコッタは、リテーナ孔の内側面に装着される。コッタ片は、上面視でほぼ円を呈するコッタを所定の円周角に応じて分割した、2つの分割片であってよい。円弧状のコッタ片の円周面は、リテーナ孔の内側面によって規制され、分割面はガイド面によって規制されてよい。リテーナ孔の内側面は、下向きに縮径するので上側がより大径であり、向きが揃えられたコッタ片の自重により、コッタ片はこの内側面及びガイド面を摺動して前記第1の所定の位置に装着される。
第1のコッタ片に続いて、第2のコッタ片が第1のコッタ片と同様、組み付け位置にあるスプリングリテーナのリテーナ孔の内周面及び既に装着された第1のコッタ片により規定される第2の所定の位置に装着されてよい。即ち、リテーナ孔の内周面及び既に装着された第1のコッタ片によりガイドされて装着されてよい。この際に、第1のコッタ片の位置を規定するガイド面の上方にある先端面にこの第2のコッタ片が投下されてよい。そして、第2のコッタ片が第2の所定の位置に装着されるように、後述する移動手段により受け手段がリテーナ孔から退出するように移動されてよい。この移動手段は、如何なる種類の移動装置をも含むことができる。
(2)前記受け手段は、円柱の半割で横断面が半円状を呈する軸体を有し、該軸体の先端面が前記先端面を含み、該軸体の半割割面がガイド面を含むことを特徴とする上記(1)に記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
上述の受け手段は、上下に延びる軸形状を呈することができる。この軸形状は実質的に鉛直に延び、リテーナ孔に挿入可能な、大きさの先端部を備えてよい。この先端部は、コッタ片の形状に合わせて適宜変更することが可能である。例えば、2つ割りのコッタ片の場合は、円柱を半割りにしたような横断面が半円状を呈する軸体とすることができる。2つ割りのコッタ片の場合は、半割した割面がガイド面を含んでよい。また、上下に延びる軸形状の両端面のうち上端面は、先端面を含んでよい。従って、先端面は平面視で半円形状を呈してもよい。
(3)前記受け手段は、半割大円柱及び半割小円柱をそれぞれの割面でそれぞれの円柱中心軸を共通にして張り合わせてなる軸体を有し、該軸体における上端面が前記先端面を含み、該軸体の前記半割大円柱の割面において凸形状を形成する前記半割小円柱の外側周面及び/又は前記半割大円柱の前記割面が前記ガイド面を含むことを特徴とする上記(1)に記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
上述した(2)の受け手段は、上面視で半円を呈するが、ここでは、大きな半円と小さな半円が互いの円の中心をほぼ一致させて割面で背中合わせとなる形状を呈する。この形状は、大円から、半円分だけ外周から一定厚さ部分で形成される外殻を取り除いた形状と考えることもできる。円弧状のコッタ片の内周面は、第1の所定の位置にガイドされる際に、この半割小円柱の外側周面と摺動することができる。即ち、(2)の受け手段よりもガイド面として機能する面が大きくなることができ、より正確なガイドが可能となる。
(4)前記受け手段を、前記リテーナ孔内で回転させる回転機構を備えることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
受け手段が、リテーナ孔内で回転するとは、リテーナ孔の内周面にぶつかりスプリングリテーナの位置をずらせることなく、回転できることを意味してよい。例えば、リテーナ孔の中心軸と既に挿入されている受け手段の回転軸がほぼ同一(即ち、共通)であれば、ほぼ円形を呈するリテーナ孔内で受け手段は回転可能である。回転機構としては、特に限定されることなく、あらゆる種類の機構が含まれてよい。
(5)前記移動手段は、前記受け手段を載置して上下する昇降台と、該昇降台を上下させるように前記取付け装置本体に固定される昇降部とを備えることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
取付け装置は、本体となるフレーム等、概形を形成する本体を備えることができる。この取付け装置本体に固定された昇降部により、取付け装置本体において上下移動が可能な昇降台が備えられる。この昇降台は、受け手段を載置するので、受け手段が上下する。
(6)前記受け手段を、前記ガイド面が前記第1の所定の位置にコッタ片をガイドできるように位置決めする第1昇降規制部材と、前記第二の所定の位置で前記コッタ片を前記先端面が受けるように前記受け手段を移動させる第2昇降規制部材とを有し、前記第1昇降規制部材及び前記第2昇降規制部材は、前記昇降台に設置されていることを特徴とする上記(5)に記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
(7)所定位置に固定され、前記リテーナ供給手段及びコッタ供給手段が設置される設置テーブルを備え、前記第1昇降規制部材は、前記昇降台と前記設置テーブルとの間に設けられ、該設置テーブルに当接して前記昇降台の上昇位置を規制するストッパーであり、前記第2昇降規制部材は、前記第1昇降規制部材によって規制された前記上昇位置から前記昇降台を降下させる昇降機構を備えることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
第1昇降規制部材は、例えば、所定の長さを有する棒状の部材であってもよく、昇降部の第1昇降シャフトの上昇端(ストローク端)であってもよい。また、第2昇降規制部材は、例えば、その一部が伸縮することにより、昇降台を上下に移動可能な部材であってもよい。
(8)前記リテーナ供給手段は、前記第1の所定の位置を前記リテーナ孔内に規定できるように前記スプリングリテーナを移動させるリテーナ移動部材を備えることを特徴とする上記(1)から(7)のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
リテーナ移動部材は、供給されるスプリングリテーナを正確にリテーナ組み付け位置に移動させることができる。
(9)前記コッタ供給手段は、移動させられた前記スプリングリテーナの上方に前記コッタ片を移動させるコッタ片移動部材を備えることを特徴とする上記(8)に記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
コッタ片移動部材は、供給されたコッタ片を第1及び第2の所定の位置に装着するべく落下させるところまで移動することができる。また、必要に応じて、回転等の移動も可能とすることができる。
(10)前記昇降部は、エアシリンダーを備えることを特徴とする上記(5)から(9)のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
(11)前記昇降部は、ボールネジ及び該ボールネジに沿って移動する摺動部材を備えることを特徴とする上記(1)から(10)のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置を提供できる。
(12)バルブ本体及びバルブステムからなるバルブに装着されるバルブスプリングに押圧されるスプリングリテーナを該バルブステムに連結する複数の円弧状のコッタ片に分割されるバルブコッタを、前記スプリングリテーナに設けられたリテーナ孔に、取付けるバルブコッタ取付け方法において、前記リテーナ孔が下方に向けて縮径して開孔するように該スプリングリテーナを供給し、バルブコッタの取付け位置に移動するリテーナ移動工程と、上端の先端面及び該先端面にほぼ直角に隣接するガイド面を備える受け手段を前記リテーナ孔に進入させる受け手段進入工程と、前記コッタ片を順次供給するコッタ供給工程と、供給された第1のコッタ片を、前記リテーナ孔の上方に搬送し、前記リテーナ孔の内側面及び前記ガイド面により規定される第1の所定の位置に、重力に応じてガイドされるように落下させる第1コッタ片落下工程と、供給された第2のコッタ片を、前記リテーナ孔の上方に搬送し、前記先端面により規定される第2の所定の位置に、重力に応じてガイドされるように落下させる第2コッタ片落下工程と、前記受け手段を、前記リテーナ孔から退出させる受け手段退出工程と、を含むことを特徴とするバルブコッタ取付け方法を提供できる。
(13)前記第2コッタ片落下工程の前に、前記受け手段を所定距離下降させる下降工程をさらに含むことを特徴とする上記(12)に記載のバルブコッタ取付け方法を提供できる。
(14)前記第1コッタ片落下工程の後に、前記第1の所定の位置にある前記第1のコッタ片を前記受け手段と共に前記リテーナ孔内で回転させる回転工程を更に含むことを特徴とする上記(12)又は(13)に記載のバルブコッタ取付け方法を提供できる。
(15)前記第2コッタ片落下工程は、前記第2のコッタ片の回転工程を含むことを特徴とする上記(12)に記載のバルブコッタ取付け方法を提供できる。
本発明のさらなる特徴、その性質、種々の有利な点は、添付の図面及び以下の好ましい実施の形態から明らかになるであろう。
本実施例のバルブコッタ取付け装置の要部の概略を模式的に示す模式部分斜視図である。 本実施例のバルブコッタ取付け装置の正面図である。 本実施例のバルブコッタ取付け装置の平面図である。 本実施例のバルブコッタ取付け装置の側面図である。 本実施例のコッタ移動部材の要部を示す正面図である。 本実施例であって、コッタ片把持時のコッタ片移動部材の要部の正面図及び底面図である。 本実施例で用いられるコッタ片の正面図、平面図、及び側面図である。 本実施例で用いられるスプリングリテーナの正面図及び平面図である。 受け取り部材の要部の正面図及び平面図である。 別の種類の受け取り部材の要部の正面図及び平面図である。 本実施例において、スプリングリテーナへのコッタ片を取付ける方法を説明する図である。 図8Aの次工程を説明する図である。 図8Bの次工程を説明する図である。 図8Cの次工程を説明する図である。 本実施例におけるスプリングリテーナへのコッタ片を取付ける方法を説明する平面図及び側面図である。 図9Aの次工程を説明する図である。 図9Bの次工程を説明する図である。 図9Cの次工程を説明する図である。 図9Dの次工程を説明する図である。 図9Eの次工程を説明する図である。 別のバルブコッタ取付け装置の正面図である。 別のバルブコッタ取付け装置の平面図である。 別のバルブコッタ取付け装置の側面図である。
符号の説明
11、12 バルブコッタ取付け装置
13 コッタ取付け部
13a 受取り部材
13b 回転機構
13d 昇降部
13e 第1昇降規制部材
13f 第2昇降規制部材
13g 昇降部載置台
13h 下方支柱
13i テーブル支柱
14 移動部材
14a 昇降部
14b 昇降台
14c 昇降部設置台
14h 設置台支柱
14i 基台
14j 第1昇降シャフト
15 コッタ供給装置
16 架台
17 リテーナ供給装置
17a リテーナ供給部
17b リテーナ取出し部
17c 移動部材
19 コッタ片移動部材
19a コッタ把持チャック
21 設置テーブル
27 リテーナ検出センサー
29 コッタ検出センサー
35 モータ
31 ボールねじ
33 摺動部材
100 コッタ片
100b テーパ外壁
100c コッタ中心孔
100d 凸部
130a 半割大円柱
130b 半割小円柱
200 スプリングリテーナ
201 リテーナ孔
202 孔鍔部
203 内周面
204 鍔部
231 支持台
以下、本発明を図面を参照しつつ、好ましい実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態では、バルブコッタ取付け装置及び取付け方法を、エンジンの給排気バルブの取付け工程に適用可能なものであるが、これらは説明のための例示であり、本発明の範囲を制限するものではない。
図1は第1実施形態のバルブコッタ取付け装置の要部の概略を模式的に示す斜視図である。また、図2A〜図2Cは、それぞれ該取付け装置の正面図、平面図、側面図である。
図1から2Cに示すように、バルブコッタ取付け装置11は、コッタ取付け部13と、コッタ供給手段である供給装置15と、リテーナ供給手段である供給装置17とを備えている。そして、コッタ取付け部13と、コッタ供給装置15と、リテーナ供給手段である供給装置17とは、同一の架台16上に設置され、同じ設置テーブル21上に載置されている。尚、取付け装置11の実際の天地について述べるならば、図2Aの正面図の向きに置かれ、同図の上方向が実際に置かれた装置の上方向に相当する。
リテーナ供給手段である供給装置17は、同じ向きにスライド可能に並んで置かれ、供給タイミングに合わせて、リテーナ供給部17aを供給装置17に内蔵された振動機構により振動させて最先端のリテーナ200を押し出すリテーナ供給部17aと、このリテーナ供給部17aから押し出されて供給されるスプリングリテーナ200を取り出すリテーナ取出し部17bとを備えている。
コッタ供給手段である供給装置15は、同じ向きにスライド可能に並んで置かれ、供給タイミングに合わせて、コッタ供給部15aを供給装置15に内蔵された振動機構により振動させて最先端のコッタ片100を押し出すコッタ供給部15aと、このコッタ供給部15aから供給されるコッタ片100を取り出すコッタ取出し部15bと、このコッタ取出し部15bのコッタ片100を、後述するコッタ組み付け位置に支持されたスプリングリテーナ200上に搬送するコッタ片移動部材19とを備えている。
コッタ取出し部15bには、コッタ片100が正確な位置に支持されているかを検知するために、若しくは、単にコッタ片100が存在することを検知するために、コッタ片検出センサー29、29が設けられている。
リテーナ取出し部17bは、取出したスプリングリテーナ200を支持する支持台231を備えている。支持台231は、スプリングリテーナ200の外径よりわずかに大きい内径を持ち、取出したスプリングリテーナ200を支持し、後述するリテーナ孔201(図5参照)に導通する導通孔を有している。
リテーナ取出し部17bには、スプリングリテーナ200が正確な位置に支持されているかを検知するために、若しくは、単にスプリングリテーナ200が存在することを検知するために、一対の部材からなるリテーナ検出センサー27、27が設けられている。
リテーナ取出し部17bは、取出したスプリングリテーナ200を、コッタ組み付け位置に移動する移動部材17cを備えている。そして、移動部材17cによりテーナ取出し部17bを、図1に示す矢印の方向に往復動可能に設置されている。
図3A及び3Bは、コッタ片移動部材19のコッタ片把持前及びコッタ片把持時の要部をそれぞれ示す部分正面図である。コッタ片移動部材19は、コッタ把持チャック19aを備え、コッタ取出し部15bに取り出されたコッタ片100を把持して支持台231に支持されたスプリングリテーナ200上に搬送する。
図3Aに示すように、コッタ把持チャック19aは、一対の第1アーム19bと第2アーム19cとから構成される。そして、コッタ片移動部材19中に内蔵されるエアシリンダーによって開閉される。
第1アーム19bは、アームの把持面に突出部19dを有し、第2アーム19cは、アームの把持面が、コッタ片100のテーパ外壁100b(図4参照)のテーパ角に一致する勾配を持つ傾斜面19eとなっている。
この構成により、図3Bに示すように、コッタ片100を把持した際に、突出部19dは、コッタ中心孔100c(図4参照)の中に入り込み、傾斜面19eは、テーパ外壁100bに沿うようになっている。この際、突出部19dの横幅は、コッタ中心孔100cの内径にほぼ一致している。この結果、コッタ片100は、コッタ把持チャック19aにより、安定的に把持される。
ところで、エンジンの給排気バルブ(図示省略)は、流路を開閉するバルブ本体と、バルブ本体に弾発力を付与するスプリングとを有し、スプリングは、スプリングリテーナ200で保持され、スプリングリテーナ200は、コッタ片100からなるバルブコッタを介してバルブステムに取り付けられている(図8D参照)。
図4は、バルブコッタ(図8D参照)の構成部品であるコッタ片100の拡大図である。バルブコッタは、図4に示す均等に分割された円弧状のコッタ片100の一対から構成される。
コッタ片100は、後述するスプリングリテーナ200のテーパ壁を有する内周面203のテーパに沿うテーパ外壁100bを備え、中心には前記バルブステムが貫通するコッタ中心孔100cを備え、中心孔100cの内壁にバルブステムに設けられた凹溝に嵌合する凸部100dを備えている。
従って、これらコッタ片100、100がスプリングリテーナ200に取り付けられると、コッタ片100、100は、リテーナ孔201から下方に離脱不能となる。
図5は、スプリングリテーナ200の拡大図である。図5に示すように、スプリングリテーナ200は、外周部がスプリングを保持する鍔部204となっており、その中心部にリテーナ孔201を備えている。そして、鍔部204からリテーナ孔201に向かって次第に絞られており、リテーナ孔201の内周縁はわずかに内方に延びた孔鍔部202となっている。孔鍔部202から立ち上がる隣接部は一定角度で傾斜するテーパ壁を有する内周面203となっている。
また、図2Aに示すように、コッタ取付け部13は、設置テーブル21のコッタ取り付け位置の下方に、受け手段である受け取り部材13aが設けられている。受け手段である受け取り部材13aは、設置テーブル21に開けられた貫通孔を通って設置テーブル21上に進退可能になっている。この進退は、後述する移動手段である移動部材14により行われる。
図6及び7は、受け手段である受け取り部材の要部の正面図及び平面図である。図6及び7に示すように、受け手段である受け取り部材13aは、上端部がコッタ片100を受けることができる軸体130から構成される。そして、その下端部には、図2Aに示すように、ロータリーアクチュエータを内蔵する回転機構13b(図2A参照)が備えられ、回転可能になっている。
軸体130の一例を図6に示す。半割大円柱130a及び半割小円柱130bをそれぞれの割面でそれぞれの円柱の中心軸を共通にして張り合わせた形状になっている。軸体130は、その先端面130cがコッタ片100を受ける先端面として機能する。また、軸体130は、半割大円柱130aの割面において凸形状を形成する半割小円柱130bの外側周面130e及び/又は半割大円柱130aの割面130dがコッタ片100を受けるガイド面として機能する。
図7に受け手段である受け取り部材13aの軸体140の別の実施例を示す。円柱の半割で横断面が半円状を呈する半円柱体140aを軸体140は構成要素として備える。受け手段である受け取り部材13aとしてもよい。この場合、軸体140の先端面140cがコッタ片100を受ける先端面として機能する。軸体140の半割割面140bがコッタ片100を受けるガイド面として機能する。
移動手段である移動部材は、図2Aに示すように、受け手段である受け取り部材13aを載置して上下する昇降台14bと、昇降台14bを上下させる昇降部14aとを備えている。昇降部14aは、エアシリンダを備え、その第1昇降シャフト14jを伸縮させて昇降台14bを昇降させるようになっている。前記回転機構13bは、基台を介して昇降台14b上に載置されている。
昇降台14b上には、受け手段である受け取り部材13aの移動距離を規定する第1昇降規制部材131と第2昇降規制部材133とが載置されている。第1昇降規制部材131は、昇降台14bに載置される受け取り部材13aが、昇降台14bと共に上昇する際に、上に行き過ぎないように、受け取り部材13aの位置を規定する。これにより、順次供給されるコッタ片100の第1のコッタ片100を、リテーナ孔201の第1の所定の位置に設置する際の受け手段である受け取り部材13aの位置決めが可能となる。この第1昇降規制部材131の具体的な例としては、昇降台14bと設置テーブル21との間に設けられ、該設置テーブルに当接して昇降台14bの上昇位置を規制するストッパーである。なお、第1昇降規制部材131を構成せずに昇降部14aの第1昇降シャフト14jのストローク端(または上昇端)を第1の所定の位置としてもよい。
第2昇降規制部材133は、第1のコッタ片100についで供給される第2のコッタ片100を、リテーナ孔201の第2の所定の位置に設置する際の受け手段である受け取り部材13aの位置決めをする。具体的には、第2昇降規制部材133は、第1昇降規制部材131によって位置決めされた受け手段である受け取り部材13aを所定距離だけ降下させるための昇降機構を備えている。
そして、第2昇降規制部材133は、昇降機構に備えられた第2昇降シャフトを上昇させて、設置テーブル21に当接し押圧するので、その反作用により、昇降台14bが下方に押圧され、昇降部14aの押し上げ力に勝るので受け手段である受け取り部材13aが降下させられる。
この昇降台14bは、昇降部14aにより押し上げ可能に配置されている。一方、昇降部14aは昇降部設置台14cに設置され固定されている。昇降部設置台14cは、設置台支柱14h,14hにより基台14iに固定され、基台14iは架台16に固定されている。なお、前述の設置テーブル21は、テーブル支柱13i、13iにより昇降部設置台14cに固定されている。
ついで、本実施例のバルブコッタ取付け装置11を用いてスプリングリテーナ200にバルブコッタを組み付ける方法を、図8A〜8D及び図9A〜9Fを参照しつつ、説明する。
図8A〜8Dは、主に、支持台231に固定されたリテーナ200及び受け取り部材13aの側面視で、略断面図(若しくは透過模式図)を示す。特に、図8B〜8Dでは、上面図も略断面図の上に示し、より詳しい説明を容易にしている。図9A〜9Fは、バルブコッタ取付け装置11における正面図及び上面図により、支持台231に固定されたリテーナ200及び受け取り部材13aの位置関係を示している。
(リテーナ移動工程)
図9Aに示すように、リテーナ供給部17aから、一列に並んだスプリングリテーナ200を押し出すことにより、リテーナ取出し部17bの支持台231にスプリングリテーナ200を供給する。支持台231にスプリングリテーナ200が装着されると、リテーナ供給部17aの振動が停止し、更なるスプリングリテーナ200の押し出しを防止する。リテーナ取出し部17bは、移動部材17cに固定され、レール17d上を滑る移動部材17cによって、リテーナ取出し部17bは移動される。そして、スプリングリテーナ200がコッタ組み付け位置に配置されるように、検出センサーにより移動が制御される(図中矢印で移動方向を示す)。
図9Bに示すように、この移動により、図9Aでは、オフセット状態であった受け取り部材13aが、スプリングリテーナ200のリテーナ孔201の中心線にほぼ沿うこととなり、以下に述べるコッタ片100の取り付けが行われる準備が整う。より詳細には、支持台231の導通孔と、設置テーブル21の貫通孔と、受け手段である受け取り部材13aとは、それぞれの中心軸をほぼ一致させて位置している。
しかしながら、このとき受け取り部材13aは低い位置に保持され、スプリングリテーナ200のリテーナ孔201の中には進入していない。このように低い位置に保つことによって、スプリングリテーナ200の移動部材17cによる移動を容易にする。
(受け手段である受け取り部材進入工程)
次に、図9Cに示すように、受け取り部材13aを上昇させて、受け取り部材13aを支持台231上のスプリングリテーナ200のリテーナ孔201の所定位置まで進入させる。この所定位置とは、図8Aに示される2本の破線の内、上方の破線で示される位置に受け取り部材13aの先端面130cが達する位置である。この位置は、第1昇降規制部材131の上端が、設置テーブル21の裏面に当接する位置に一致するよう調節されている。これにより受け手段である受け取り部材13aの先端面130cは、この位置に維持される。このとき、スプリングリテーナ200のリテーナ孔201の内周面203と、及びガイド面となる半割小円柱130bの外側周面及び/又は半割大円柱130aの割面130dからなるガイド面とによって、コッタ片100が装着される第1の所定の位置が規定される。
(コッタ供給工程)
一方、コッタ供給部15aからコッタ片100をコッタ取出し部15bに順次供給する(図9A参照)。コッタ取出し部15bに供給されたコッタ片100が、正位置に支持されているか否かを検出センサー29、29により測定される。コッタ片100が正位置であることが確認されると、このコッタ片100は、コッタ片移動部材19の把持チャック19aの第1及び第2のアーム19b、19cにより把持され、持ち上げられる(図1参照)。そして、コッタ片移動部材19が図示しない駆動装置により、組付け位置に配置されたスプリングリテーナ200の上方に移動される。本実施例では、この第1のコッタ片100に続いて、第2のコッタ片100が同様にコッタ供給部15aから供給され、コッタ片移動部材19により移動されるが、同様な操作を行うので第2のコッタ片100及びその後に供給されるコッタ片100の供給工程については、説明を割愛する。
移動された第1のコッタ片100は、図8Aにおいて矢印で示すように第1の所定の位置(リテーナ孔201の内周面203及びガイド面により規定される位置)に装着されるように、把持チャック19aは移動してきたコッタ片100の向きを合わせて落下できる位置に保持する。尚、図9A〜9Fにおいて、コッタ片移動部材19の把持チャック19aは省略してある。
(第1コッタ片落下工程)
図8Aに示すように、受け取り部材13aが受け取り位置に待機しているのを確認して、コッタを所定の位置(受け取り部材13aの上端部の先端面130cの少し下の半割部にコッタの下端が少し入り込んだ位置)に移動し、移載手段として機能する把持チャック19aのコッタ保持を解除する。このため、受け取り部材13aの先端面130cに隣接する半割面とリテーナ孔201の内周面203(即ち、テーパ面)とにより、ガイド効果が発生する。従って、上述のように把持チャック19aから解除されて落下したコッタ片100は、スムーズにコッタ組付け位置(第1の所定の位置)にガイドされる。
(回転工程)
上述するように、第1のコッタ片100は、第1の所定の位置に納められる。その後、図8Bに矢印で示すように、前記第1の所定の位置にある第1のコッタ片100を受け取り部材13aと共に、リテーナ孔201内で回転させる回転工程を行う。回転工程では、受け手段である受け取り部材13aの後端部に設けた回転機構13bにより受け取り部材を半回転させることにより、該コッタ片100を反対側に位置するように移動する。コッタ片移動部材19は、次の(第2の)コッタ片100を取り出すために、把持チャック19aのコッタ保持を解除した後、この回転工程の前、またはこの回転工程最中若しくは後のいずれかで、コッタ取出し部15bに移動する。
ここで、上記では、受け取り部材13aの回転を行ったが、この回転を行わないでも上記と同様な効果を得ることができる。例えば、把持チャック19aに図示しない回転機構を装着して、第2のコッタ片100を把持チャック19aで移動するときにコッタ片100の向きを180度回転させる回転工程を設けてもよい。更に、コッタ供給装置15において、コッタ片100を互い違いの向きに並べておけば、把持チャック19aに回転機構がなくても実質的に同じ効果が得られる。
(第2コッタ片落下工程)
図8C及び図9Dに示すように、受け取り部材13aが第1のコッタ片を半回転して取り付け反対位置に移行完了すると、第2昇降規制部材133を駆動(上昇)させ、昇降台14bを若干下方に移動させ、受け取り部材13aが第2のコッタ片受け取り位置に待機する。この位置は、図8Cに示す2本の破線のうち下方の破線に、受け取り部材13aの先端面130cが揃う位置である。上述したように、コッタ片移動部材19により、第2のコッタ片受け取り位置に待機する受け取り部材13a及びスプリングリテーナ200の上方に第2のコッタ片が移動されてくる。そして、第1のコッタ片100の上端部より若干低い位置に移動され、同様に保持が解除される。この第2のコッタは、自重により落下し、受け取り部材13aの先端面130cに載置される。このとき、既に装着された第1のコッタ片の割面である垂直面と、リテーナ孔201の内周面203とによるガイド効果が発生する。そのため、第2のコッタ片100もスムーズに第2の所定の位置に装着される。
尚、上述では、受け取り部材13aを若干下げて、上述のガイド効果がより有効に発生するようにしたが、ガイド効果が低くてもかまわない場合や、受け取り部材13aの位置が高くてもガイド効果が十分得られる場合は、この下方移動をする必要はない。この場合、第2昇降規制部材133が不要となり、組付け装置11がよりシンプルになる。
(受け取り部材退出工程)
図8Cに示すように、第1及び第2のコッタ片100、100をリテーナ孔201中で対称に位置させて両方が接するよう、受け取り部材13aをリテーナ孔201から退出させる。そして、図8D及び9Eに示すように、受け取り部材13aの先端面130cから、第2のコッタ片100が離隔すると、コッタの組付け工程が完了する。更に、昇降部14aにより昇降台14bが下降され、それに載置される受け取り部材13aも下降して、リテーナ孔201から完全に離脱する。この位置では、スプリングリテーナ200が、移動部材17cによって移動しても受け取り部材13aは干渉しないいわゆる待機位置である。この組付けが完了したコッタ片100、100とスプリングリテーナ200は、支持台231から図示しない移載手段により取り出される。そして、リテーナ取出し部が、スプリングリテーナ200の供給を受けるべく、リテーナ供給部17aの位置に戻る(図9F参照)。
受け取り部材13aは、これまで述べてきた工程による次のコッタの組付けのために上述の待機位置で待機する。このとき、上記(回転工程)で、受け取り部材13aが回転している場合は、元の回転位置に戻す等の初期化処理が行われる(図9Fの矢印参照)。
図10A〜10Cには、別の実施例である取付け装置12の正面図、上面図、及び側面図をそれぞれ示している。上述の実施例では、昇降部14aはエアシリンダーを内蔵しているが、この実施例では、それに替えて、ボールネジ31と、ボールネジに沿って移動するナット部材を備える。これ以外の部材については、上述してきたものと同一であるので、それらの説明は割愛する。
図10Aに示すように、昇降部設置台14c及び設置テーブル21の間に、ボールねじ31が固定され、その上端は、回転自在に設置テーブル21を固定するフレーム部材により固定されている。下端には、モータ35が配置され、該ボールねじ31を回転させることにより、ナット部材となる摺動部材33が、昇降部設置台14c及び設置テーブル21の間で自由に往復する。摺動部材33は、昇降台14bに固定されており、この昇降台14bに載置される受け取り部材13aを上下に自在に移動させることができる。上述の装置11に比べ、構造が単純化されており、軽量で安価な装置とすることが可能である。また、上述の装置11では、第1及び第2の昇降規制部材131、133を備えていたが、ここでは、ボールねじの制御が容易なことから、何れの規制部材も不要となる。また、ボールねじは、モータ駆動されるが、例えば、ステップモータを使えば、容易にデジタル制御ができ、上述する正確な上下動や、わずかに降下させる移動が、コンピュータプログラムにより容易に行うことができる。例えば、NC制御により、停止位置を効率よく確実に変更できる。

Claims (17)

  1. バルブ本体及びバルブステムからなるバルブに装着されるバルブスプリングに押圧されるスプリングリテーナに該バルブステムに連結する複数の円弧状のコッタ片に分割されるバルブコッタを、前記スプリングリテーナに設けられたリテーナ孔に、取り付けるバルブコッタ取付け装置において、
    前記リテーナ孔に出入自在に設けられる軸体を有しその軸体の上端部に、第1のコッタ片の分割面を受ける、ガイド面と、前記軸体の上端部の先端に、第2のコッタ片が載置される先端面と、を有する受け手段を備えることを特徴とするバルブコッタ取付け装置。
  2. 前記リテーナ孔が下方に向けて縮径して開孔するように該スプリングリテーナを供給するリテーナ供給手段と、
    前記コッタ片を順次供給するコッタ供給手段と、
    該受け手段を移動させる移動手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブコッタ取付け装置。
  3. 前記受け手段は、第2のコッタ片を、第1の所定の位置にガイドされた第1のコッタ片にガイドさせて前記先端面に受けることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブコッタ取付け装置。
  4. 前記軸体は、半割大円柱及び半割小円柱をそれぞれの割面でそれぞれの円柱中心軸を共通にして張り合わせてなり、前記軸体における上端面が前記先端面を含み、
    前記軸体の前記半割大円柱の割面において凸形状を形成する前記半割小円柱の外側周面及び/又は前記半割大円柱の前記割面が前記ガイド面を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置。
  5. 前記受け手段を、前記リテーナ孔内で回転させる回転機構を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置。
  6. 前記移動手段は、前記受け手段を載置して上下する昇降台と、該昇降台を上下させるように前記取付け装置本体に固定される昇降部とを備えることを特徴とする請求項に記載のバルブコッタ取付け装置。
  7. 前記受け手段を、前記ガイド面が第1の所定の位置に第1のコッタ片をガイドできるように位置決めする第1昇降規制部材と、
    前記第1のコッタ片にガイドされた第2のコッタ片を前記先端面が受けられるように前記受け手段を移動させる第2昇降規制部材とを有し、
    前記第1昇降規制部材及び前記第2昇降規制部材は、前記昇降台に設置されていることを特徴とする請求項6に記載のバルブコッタ取付け装置。
  8. 所定位置に固定され、前記リテーナ供給手段及びコッタ供給手段が設置される設置テーブルを備え、
    前記第1昇降規制部材は、前記昇降台と前記設置テーブルとの間に設けられ、該設置テーブルに当接して前記昇降台の上昇位置を規制するストッパーであり、
    前記第2昇降規制部材は、前記第1昇降規制部材によって規制された前記上昇位置から前記昇降台を降下させる昇降機構を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のバルブコッタ取付け装置。
  9. 前記リテーナ供給手段は、第1の所定の位置を前記リテーナ孔内に規定できるように前記スプリングリテーナを移動させるリテーナ移動部材を備えることを特徴とする請求項2、6、7、及び8のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置。
  10. 前記コッタ供給手段は、移動させられた前記スプリングリテーナの上方に前記コッタ片を移動させるコッタ片移動部材を備えることを特徴とする請求項2、及び6から9のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置。
  11. 前記昇降部は、エアシリンダーを備えることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置。
  12. 前記昇降部は、ボールネジ及び該ボールネジに沿って移動する摺動部材を備えることを特徴とする請求項6から8、及び11のいずれかに記載のバルブコッタ取付け装置。
  13. バルブ本体及びバルブステムからなるバルブに装着されるバルブスプリングに押圧されるスプリングリテーナに該バルブステムに連結する複数の円弧状のコッタ片に分割されるバルブコッタを、前記スプリングリテーナに設けられたリテーナ孔に、取り付けるバルブコッタ取付け方法において、
    前記リテーナ孔に出入自在に設けられる軸体を有し、その軸体の上端部に、第1のコッタ片の分割面を受けるガイド面と、前記軸体の上端部の先端に、第2のコッタ片が載置される先端面と、を有する受け手段を備え、
    前記受け手段を前記リテーナ孔に下側から進入させる受け手段進入工程と、
    第1のコッタ片を、前記リテーナ孔の上方に搬送し、前記リテーナ孔の内側面及び前記ガイド面により規定される第1の所定の位置に、落下させる第1のコッタ片落下工程と、
    第2のコッタ片を、前記リテーナ孔の上方に搬送し、前記先端面により規定される第2の所定の位置に落下させ、該第2のコッタ片を、前記第1の所定の位置にガイドされた第1のコッタ片にガイドさせつつ、前記先端面に受ける第2コッタ片落下工程と、を含むことを特徴とするバルブコッタ取付け方法。
  14. 前記リテーナ孔が下方に向けて縮径して開孔するように該スプリングリテーナを供給し、バルブコッタの取付け位置に移動するリテーナ移動工程と、
    記第1及び第2のコッタ片を供給するコッタ供給工程と、
    前記受け手段を、前記リテーナ孔から下側に退出させる受け手段退出工程と、を含むことを特徴とする請求項13に記載のバルブコッタ取付け方法。
  15. 前記第2コッタ片落下工程の前に、前記受け手段を所定距離下降させる下降工程をさらに含むことを特徴とする請求項13又は14に記載のバルブコッタ取付け方法。
  16. 前記第1コッタ片落下工程の後に、前記第1の所定の位置にある前記第1のコッタ片を前記受け手段と共に前記リテーナ孔内で回転させる回転工程を更に含むことを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載のバルブコッタ取付け方法。
  17. 前記第2コッタ片落下工程は、前記第2のコッタ片の回転工程を含むことを特徴とする請求項16に記載のバルブコッタ取付け方法。
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