JP4846248B2 - 微結晶粒の製造方法、該微結晶粒を分散してなる固体の製造方法、バイオセンシング用透明発光液体、及び透明発光固体。 - Google Patents

微結晶粒の製造方法、該微結晶粒を分散してなる固体の製造方法、バイオセンシング用透明発光液体、及び透明発光固体。 Download PDF

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Description

本発明は、多結晶体中の結晶粒を微結晶粒として得る微結晶粒の製造方法、特に多結晶体中の結晶粒の形状を維持した微結晶粒を得る微結晶粒の製造方法、該微結晶粒を分散してなる固体の製造方法、バイオセンシング用透明発光液体、及び透明発光固体に関する。
セラミックスやインクの材料となる微結晶の合成法としては、セラミックスを機械的に破砕する方法や共沈法、ゾル−ゲル法、水熱合成法などの化学合成法、CVDなどの気相合成法が知られている。
しかしながら、機械的に破砕する方法では、粒界で破壊が生じるとは限らず、粒界以外の部分でのダメージが大きい。また、破砕によって生じる粒子は、大きさがばらつく傾向にある。
また、化学合成法や気相合成法においては、粒径や液体中での分散性の制御が困難となり、材料の種類によっては実用化が極めて難しい。
本発明の第一の課題は、多結晶体中の結晶粒を微結晶粒として得る微結晶粒の製造方法、特に多結晶体中の結晶粒の形状を維持した微結晶粒を得る微結晶粒の製造方法を提供することである。
また、本発明の第二の課題は、前記微結晶粒が分散安定化された液体又は固体の製造方法を提供することである。
さらに、本発明の第三の課題は、前記微結晶粒が分散安定化された液体を含むバイオセンシング用透明発光液体を提供することである。
本発明の第四の課題は、前記微結晶粒が分散された固体を含む透明発光固体を提供することである。
かかる状況のもと、鋭意研究の結果、下記解決手段により、本発明の課題を解決するに至った。
<1> 光を吸収する物質としてNd又はSmが粒界に偏析されてなるYの多結晶体に、フルオラス溶媒中でレーザー光を照射して、前記粒界に沿って破壊を生じさせて微結晶粒を形成することを特徴とする微結晶粒の製造方法。
<2> レーザー光の照射量が、多結晶体中の結晶粒を変形させない照射量であって、かつ粒界に沿って破壊を生じさせる照射量であることを特徴とする前記<1>に記載の微結晶粒の製造方法。
<3> 前記照射により生じた微結晶粒を前記フルオラス溶媒中に捕獲することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の微結晶粒の製造方法。
<4> レーザー光照射を界面活性剤が添加された前記フルオラス溶媒中で行うことによって、微結晶粒の安定な分散液を得ることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の微結晶粒の製造方法。
> 前記<>又は<>に記載の微結晶粒の製造方法によって得られた微結晶粒を含有する溶媒に重合性化合物を添加した後、該重合性化合物を重合して固化することを特徴とする微結晶粒を分散してなる固体の製造方法。
> 前記<>又は<>に記載の微結晶粒の製造方法によって得られた微結晶粒を含有する溶媒に、ポリマーを添加した後、前記溶媒を蒸発させて固化することを特徴とする微結晶粒を分散してなる固体の製造方法。
> 前記<>又は<>に記載の微結晶粒の製造方法によって得られた微結晶粒を含有する溶媒中の該溶媒を化学反応により固化することを特徴とする微結晶粒を分散してなる固体の製造方法。
> 前記<>に記載の微結晶粒の安定な分散液を含み、前記微結晶粒を発光体としてセンシングすることを特徴とするバイオセンシング用透明発光液体。
> 前記<>〜<>のいずれか1項に記載の微結晶粒を分散してなる固体を含み、前記微結晶粒を発光体として含有することを特徴とする透明発光固体。
本発明によって、多結晶体中の結晶粒を微結晶粒として得る微結晶粒の製造方法、特に多結晶体中の結晶粒の形状を維持した微結晶粒を得る微結晶粒の製造方法を提供することができる。
また、前記微結晶粒が分散安定化された液体又は固体の製造方法を提供することができる。
さらに、前記微結晶粒が分散安定化された液体を含むバイオセンシング用透明発光液体、及び前記微結晶粒が分散された固体を含む透明発光固体を提供することができる。
まず始めに、本発明の原理の概念について、図1を用いて説明する。
図1において、(1)は多角形で表された結晶粒からなる多結晶体の粒界に、選択的に光を吸収するイオン(●で表す)が偏析している様子を表す。この多結晶体に対してレーザー光を照射する。その様子を(2)に示す。(3)は、粒界に偏析したイオンが、光を吸収する様子を表す。
(4)は、吸収した光のエネルギーによって粒界に沿って破壊が起こり、結晶粒が単離される様子を表す。さらに、光照射が液体中で行われ、かつ該液体に界面活性剤が添加されている場合には、(5)に示すように、液体中に捕獲された微結晶粒が、界面活性剤により液体中に安定的に分散される。
次に、本発明の製造方法に用いる多結晶体について詳細に説明し、続いて本発明の製造方法について具体的に説明する。
<多結晶体>
本発明にかかる多結晶体は、その粒界に光を吸収する元素を含む物質を偏析させてなる。多結晶体は、数ナノメートルから数ミクロンの微細な単結晶が、互いに異なる方向で寄せ集まったものであり、結晶粒とは、この微細な単結晶を指していう。また、該結晶粒どうしの界面を粒界という。
ところで、遷移金属のイオンや希土類のイオンは、特定の波長の光を吸収する性質を有する。
このような遷移金属としては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅などが挙げられる。
また、希土類としては、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユーロピウム、ガトリニウム、テルビウム、ディスピロシウム、ホロミウム、エルビニウム、イッテルビウムなどが挙げられる。
特に、3価の希土類イオンであるCe3+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Yb3+、La3+は、一般的なセラミックスが吸収を起こさない紫外光、可視光、赤外光の波長域において、吸収線幅の狭い光吸収を起こすため、波長による光吸収の選択性が高い。
本発明では、これらの物質を粒界に偏析させ、光を照射することで、粒界に沿って破壊を生じさせ、微結晶粒を得る。
例えば、多結晶体中の結晶粒組成がイットリア(Y23)である場合、酸化物が酸化ランタン(La23)と同じ結晶構造であるCe、Pr、Nd,Sm、Euは粒界に偏析しやすい。
また、多結晶体中の結晶粒組成が酸化ランタン(La23)である場合には、Y23と結晶構造が同じDy、Ho、Er、Ybが粒界に偏析しやすい。
多結晶体中の結晶粒組成がアルミナ(Al23)である場合には、遷移金属元素が粒界に偏析しやすい。
なお、前記結晶粒の結晶構造と、前記粒界に偏析した物質の酸化物の結晶構造とは異なることが好ましい。特に、結晶粒が立方晶のA型構造を有する希土類酸化物であって、粒界に偏析した物質が希土類イオンで、該希土類イオンの酸化物が六方晶のA型構造であることが好ましい。
立方晶のA型構造を有する希土類酸化物としては、Y、Dy、Er、Yb、Hoの酸化物が好ましい。
酸化物が六方晶のA型構造を有する希土類イオンとしては、La3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Ce3+、Pr3+が好ましい。
特に、結晶粒に大きなダメージを与えることなく、粒界に沿った破壊を生じさせるような多結晶体としては、粒界に偏析したイオンが光吸収を起こす波長の光を、結晶粒では吸収しないことが好ましく、例えば、Y、Dy、Ho、Er、Ybからなる酸化物である場合は、これと異なるCe、Pr、Nd、Sm、Euが粒界に偏析した多結晶体であることが好ましい。また、結晶粒が、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Euからなる酸化物である場合は、これらと異なるDy、Ho,Er,Ybが粒界に偏析した多結晶体が好ましい。
本発明では、光を吸収する物質としてNd 又はSm が粒界に偏析されてなるY の多結晶体を用いる。
粒界に光を吸収する元素を含む物質を偏析させてなる多結晶体の製造方法は、公知の多結晶体の製造方法のすべてを適用することが可能である。
例えば、平均粒径1次粒径80nm、純度3NのY23粉末に、粒界に偏析される希土類(Nd又はSm)の硝酸塩又は酢酸塩としてYに対して1mol%となるように加え、5mmφのジルコニアボールを用いて20時間ボールミリングを行い、これを600℃にて約1時間乾燥した後、再び粉砕し、同様に5mmφのジルコニアボールを用いて24時間のボールミリングを行う。得られたスラリーを真空乾燥器にて乾燥後、1.25tの加重で30秒冷間静水圧プレスすることにより成形し、大気中1450℃で3時間焼結することにより、目的とする焼結体が得られる。
ここで、結晶粒の大きさは、上記多結晶体の製造における温度、加熱時間、初期組成などの条件によって制御が可能であり、結晶粒の大きさ、組成、形状の揃った多結晶体を得ることができる。
例えば、焼結の際の加熱時間を長くしたり、加熱温度を高くすることにより、結晶粒が成長し、結晶粒のサイズが大きくなる。
また、粒界には、結晶粒内とは異なる組成物が集まる傾向が強い。したがって、結晶粒を組成する物質に対し、粒界に偏析させる物質を少量添加することによって、粒界に光を吸収する元素を含む物質を偏析させることができる。
粒界に偏析させる物質は、添加時には塩の水溶液として添加し、大気中で焼結する際に酸化物に変化することが好ましく、粒界に偏析させる物質の酸化物の添加量は、結晶粒を組成する物質100モルに対し、好ましくは1〜10モル%であり、より好ましくは、1〜5モル%である。
結晶粒内と粒界において、希土類イオンの分配を制御する方法としては、結晶粒内に添加する希土類イオンを予め拡散させた焼結体を作製し、これを粉砕し、粒界に析出させるイオンを塩の水溶液で加えて、再度短時間低温にて焼結することにより、後から水溶液で添加したイオンを結晶粒内に拡散させることなく、粒界のみに析出させる方法も挙げることができる。
<レーザー光照射>
上記多結晶体中の結晶粒では吸収せず或いは結晶粒を変形させない程度の吸収で、かつ粒界に偏析した物質では吸収するように、レーザー光を多結晶体に照射すると、粒界においてのみ局所的にエネルギーが吸収され、衝撃波が生じる。生じた衝撃波によって、粒界に沿って多結晶体は破壊し、微結晶粒を得ることができる。
粒界で選択的に吸収するレーザー光を照射する方法としては、(1)レーザー光波長を調整する、(2)照射量を調整する、(3)照射線強度を調整する、等の方法が挙げられる。
使用するレーザー光の波長は、多結晶体中の結晶粒では吸収せず、粒界に偏析した物質では吸収する波長であれば特に制限はない。高出力レーザーが得やすいという点では、粒界にSm3+を偏析させ、1064nmのNd:YAGレーザーを照射することが好ましい。
照射量の調整は、照射時間を調整することによって行うことができる。また、照射時間を一定とし、次に述べる照射線強度を調整することによって行ってもよい。
照射線強度の調整は、直接照射線強度を変更してもよいし、照射の焦点を調整することによって達成してもよい。
具体的には、結晶粒がY23からなり、粒界に偏析した希土類イオンが、Nd3+の場合で波長1064nmのレーザー光を用いた場合には、パルス幅5nsec、出力500mJ/パルス、繰り返し10Hzのパルスレーザー光をスポット径3mmにて1時間照射することが好ましい。
レーザー光を照射する際には、大気中や真空中で照射してもよいが、得られた結晶粒を再凝集することなく分散状態で得るためには、液体中で照射することが好ましい。
照射時に使用する液体としては、照射したレーザー光を吸収せず、得られた結晶粒を好適に分散可能な液体であり、レーザー光の照射により爆発する可能性く、得られた結晶粒との反応の恐れがないフルオラス溶媒などの不活性な有機溶媒である。
<微結晶粒を含む液体の製造方法>
レーザー光照射により微結晶粒を上記液体中に安定的に分散させるために、液体中にあらかじめ界面活性剤を添加しておくことが好ましい。
界面活性剤は、例えば、界面活性剤の鎖状分子の両末端において、一方が放出される微結晶粒に適合したゼータ電位、他方が液体に適合したゼータ電位を有するものである。
具体的には、得られる微結晶粒がY23の場合には、界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの低分子界面活性剤、ポリエチレングリコール−b−ポリ(メタクリル酸−2−N,N−ジメチルアミノエチル)(以下、「PEG-b-PAMA」と略記する。)、PEG−b−ポリ(メタクリル酸−2−N,N−ジエチルアミノエチル)(以下、「PEG-b-PEAMA」と略記する。)などの、PEG−ポリカチオンブロック共重合体、ポリ(メタクリル酸−2−N,N−ジメチルアミノエチル)−g−PEG、ポリ(メタクリル酸−2−N,N−ジエチルアミノエチル)−g−PEGなどのPEG−ポリカチオングラフト共重合体、PEG−b−ポリメタクリル酸、PEG−b−ポリアクリル酸などのPEG−ポリアニオンブロック共重合体、ポリアクリル酸−g−PEG、ポリメタクリル酸−g−PEGなどのポリアニオン−PEGグラフト共重合体などの共重合体のほか、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子、ポリビニルピリジン、PAMA、PEAMAなどのポリカチオン単独重合体、ポリアクリル酸、ポリ(ビニル硫酸)、ポリ(メタクリル酸)などを用いることが可能である。また、デキストラン、キチン、ポリリジン、ポリアスパラギン、コラーゲンなどの天然高分子及その共重合体も利用することができる。
レーザー光照射により液体中に放出された微結晶粒は、界面活性剤によって直ちに取り囲まれることにより、微結晶粒どうしが会合することなく液体中に分散される。
液体中に添加される界面活性剤の添加量は、臨界ミセル濃度以上、臨界ミセル濃度の数倍未満であることが好ましく、臨界ミセル濃度程度がより好ましい。
微結晶粒が安定的に分散されてなる液体は、次に述べる微結晶粒を分散してなる固体の製造に用いることができるほか、バイオセンシング用透明発光液体として好適に使用できる。
<微結晶粒を含む固体の製造方法>
上記で得られた微結晶粒を含有する液体に、重合性化合物を添加し、該重合性化合物を重合させて固化することで、微結晶粒が分散された固体を得ることができる。
重合性化合物としては、カチオン重合性化合物やラジカル重合性化合物等を用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、分子内に、カチオン重合性基を有する化合物であれば特に制限はないが、例えば、ビニルオキシ基、またはエポキシ基を有する化合物を用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、分子内にエチレン性不飽和結合を有するものであれば特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基を有する化合物を挙げることができる。
重合性化合物の重合方法は公知の方法が適用でき、カチオン重合、ラジカル重合、更には、乳化重合、懸濁重合、溶液重合などいずれの方法であってもよい。
また、重合には公知の重合開始剤を添加してもよい。
重合開始剤として、カチオン重合の場合には、酸発生剤を用いることができ、ラジカル重合の場合には、ラジカル発生剤を用いることができる。
また、微結晶粒が分散された固体を製造する他の方法として、微結晶粒を含有する液体に、ポリマーを添加し、液体を蒸発させて固化することも好ましい。
ここで用いるポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG)等を挙げることができる。
液体を蒸発させて固化させる場合には、用いる液体としては特に制限がない。
さらに、他の方法として、微結晶粒を含有する液体において、該液体を化学反応により固化して、微結晶粒が分散された固体を得ることも好ましい。
このようにして得られる微結晶粒が分散されてなる固体は、透明発光固体等の用途に利用できる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
立方晶のA型構造を有するイットリア(Y23)に対し、六方晶のA型構造を有する酸化ネオジム(Nd23)とC型構造を有する酸化エルビウム(Er23)をそれぞれ1mol%添加して、1450℃3時間で焼結し、焼結体−1を得た。
得られた焼結体−1について、TEM−EDSを用いて元素の分配状態を調べた。図2に、結晶粒内と結晶粒界における元素の分配状態の測定結果を示す。
図2に示すとおり、Erは粒界及び粒内のどちらにも分布しているのに対し、Ndは粒界のみに偏析していることがわかる。この結果から、酸化物が六方晶のA型構造を有するNdは粒界に偏析することが明らかとなった。
次に、Nd同様に六方晶のA型構造を有する酸化サマリウム(Sm23)を、立方晶のA型構造を有するイットリア(Y23)に対し1%添加して、1450℃3時間で焼結し、焼結体−2を得た。
得られた焼結体−2は、フルオラス溶媒ノベックEGC−1700(界面活性剤含有:住友スリーエム社製)に分散させた。
サマリウムイオンは、1.064μmに光吸収を有するため、得られた焼結体−2含有の分散液に対し、図3で示すレーザープロセッシング装置を用いて、パルス幅5nsec、出力500mJ/パルス、繰り返し10HzのパルスYAGレーザー光を1時間照射した。
この際、レンズから150mmの位置をレーザー光の焦点とし、ターゲット表面がレンズから70mmの位置となるようにターゲットを配置した。スポット径は3mmであった。
レーザー光照射により得られた微結晶粒を図4に示す。
図4に示すように、得られた微結晶粒は、焼結体の結晶粒の形状を維持した角のある粒子となっていた。したがって、本発明の方法により、結晶粒界に偏析した光吸収を起こすイオンにレーザー光を選択的に吸収させ、結晶粒界に局所的に発生する衝撃波により、粒界を選択的には開始、孤立した結晶粒を単離して得ることができた。
また、水にSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を添加した液に上記焼結体−2を分散させ、図3で示すレーザープロセッシング装置を用いて、パルス幅5nsec、出力500mJ/パルス、繰り返し10HzのパルスYAGレーザー光を1時間照射した。このとき、照射焦点をターゲット表面として照射を行った。
得られた結晶粒を図5に示す。
図5に示すように、得られた微結晶粒は、焼結体における結晶粒の形状とは異なり、角が無く、丸みを帯びている。これは、ターゲットが一度蒸発して再凝集したことを示している。すなわち、照射したレーザー光が、結晶粒界に偏析したイオンのみに選択的に吸収されず、結晶粒内においても吸収されていることを示す。
本発明の原理を示す概念図である。 実施例で作製した多結晶体の結晶粒内と結晶粒界におけるEDSの測定結果を示す図である。 実施例で用いたレーザープロセッシング装置の概略を示す図である。 実施例で得られた微結晶粒の電子顕微鏡写真である。 実施例で得られた他の微結晶粒の電子顕微鏡写真である。

Claims (9)

  1. 光を吸収する物質としてNd又はSmが粒界に偏析されてなるYの多結晶体に、フルオラス溶媒中でレーザー光を照射して、前記粒界に沿って破壊を生じさせて微結晶粒を形成することを特徴とする微結晶粒の製造方法。
  2. レーザー光の照射量が、多結晶体中の結晶粒を変形させない照射量であって、かつ粒界に沿って破壊を生じさせる照射量であることを特徴とする請求項1に記載の微結晶粒の製造方法。
  3. 前記照射により生じた微結晶粒を前記フルオラス溶媒中に捕獲することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微結晶粒の製造方法。
  4. レーザー光照射を界面活性剤が添加された前記フルオラス溶媒中で行うことによって、微結晶粒の安定な分散液を得ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の微結晶粒の製造方法。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の微結晶粒の製造方法によって得られた微結晶粒を含有する溶媒に重合性化合物を添加した後、該重合性化合物を重合して固化することを特徴とする微結晶粒を分散してなる固体の製造方法。
  6. 請求項3又は請求項4に記載の微結晶粒の製造方法によって得られた微結晶粒を含有する溶媒に、ポリマーを添加した後、前記溶媒を蒸発させて固化することを特徴とする微結晶粒を分散してなる固体の製造方法。
  7. 請求項3又は請求項4に記載の微結晶粒の製造方法によって得られた微結晶粒を含有する溶媒中の該溶媒を化学反応により固化することを特徴とする微結晶粒を分散してなる固体の製造方法。
  8. 請求項4に記載の微結晶粒の安定な分散液を含み、前記微結晶粒を発光体としてセンシングすることを特徴とするバイオセンシング用透明発光液体。
  9. 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の微結晶粒を分散してなる固体を含み、前記微結晶粒を発光体として含有することを特徴とする透明発光固体。
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