本発明は、露光装置のスループットの向上と露光による超微細加工を可能とするための露光用光源である露光用2ステージエキシマレーザ装置に関するものである。
半導体集積回路の高微細化、高集積化につれて、その製造用の露光装置においては高解像力が求められており、現在、短波長の露光用光源として、波長193nmの紫外線を放出するArFエキシマレーザ装置が実用段階にある。
ArFエキシマレーザ装置においては、露光装置のスループットの向上と超微細加工の均一化が要請されており、更なる高出力化・狭帯域化が求められている。
しかしながら、1つのレーザチャンバで構成される従来のArFエキシマレーザ装置の場合、1パルスあたりのパルスエネルギーを増加させる、もしくは、レーザ発振の高繰り返し動作によって達成される高出力化のため、狭帯域化モジュール(LNM)に入射するレーザ光のパワーも大きくなる。 これにより、LNMが加熱され、LNM内部の雰囲気の屈折率変動等により、高分解能化が困難になる。すなわち、スペクトルの超狭帯域化と高出力化とは相反する関係にある。
そこで、例えば下記特許文献1には、高出力化と狭帯域化を共に満たすべく露光用2ステージArFエキシマレーザ装置(以下2ステージレーザ装置という)が提案されている。
2ステージレーザ装置には発振段と増幅段があり、発振段(Master Oscillator:MO)に対して、増幅段として、レーザ共振器を持たない増幅器(Power Amplifier:PA)を用いる形式(MOPA方式(Master Oscillator Power Amplifier)と呼ばれる)と、増幅段にレーザ共振器を有する増幅用レーザ装置(Power Oscillator:PO)を用いる形式(MOPO方式(Master Oscillator Power Oscillator)またはインジェクションロック方式と呼ばれる)の2つの形式がある。
図7はMOPO方式の2ステージレーザ装置の構成およびその動作を説明するための模式図である。
図7において、発振段100は、発振段レーザチャンバ10とLNM16とフロントミラー17を有している。LNM16は少なくともひとつのプリズム16aおよび回折格子16bを含んでいる。フロントミラー17は発振段レーザチャンバ10の出力側に配置されている。放電で生じた発光はLNM16とフロントミラー17の間で共振されることにより、超狭帯域化されたレーザ光(シード光)として出力される。発振段100はLNMによる光学ロスを伴う高損失共振器を有するため、シード光のパルスエネルギーは低い(1mJ程度)。発振段100から出力されたシード光は、伝播ミラー42aと伝播ミラー42bで構成されるビーム伝播部42を経て、増幅段300に注入される。
増幅段300はMOPO方式で、増幅段チャンバ30とレーザ共振器を構成するリアミラー36と出力ミラー37を有する。
増幅段300では、発振段100から注入されたシード光に同期させて、増幅段チャンバ30内の一対の電極間で放電を発生させる。したがって、発振段の高繰り返し動作にあわせて、増幅段300の放電タイミングを精密に同期させる必要がある。
下記引用文献2、3には、2ステージレーザ装置において、発振段と増幅段の放電タイミングを制御する同期コントローラの技術が開示されている。このような同期コントローラを用いることにより、発振段と増幅段の放電タイミングを精密に制御することができる。また、下記引用文献4には、発振段に対する増幅段の放電タイミングを所定時間だけ遅延させる技術が開示されている。
増幅段300は、上記同期コントローラ制御により、超狭帯域化スペクトルを維持したまま、注入されたシード光のパルスエネルギーのみを増幅する。増幅段300はLNMなどの光学的ロスのない低損失共振器(フリーラン)を有するため、増幅光のパルスエネルギーを高くすることが容易である。
さて、高繰り返し放電の際、チャンバ内の放電によって電極間に電離物質等が生じる。高繰返し動作を安定に行うためには、前の放電で電極間に発生した電離物質等を除去した状態で次の放電を行う必要がある。
図8は、図7における増幅段チャンバ30のA−A方向断面図である。増幅段チャンバ30と発振段レーザチャンバ10は基本的に同一機能であるので、代表して増幅段チャンバ30を説明する。
図8に示す通り、増幅段チャンバ30の内部には、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向(図面の垂直方向)が平行であって且つ放電面が対向する一対の放電電極(カソード電極及びアノード電極)30a、30bが設けられている。これらの電極30a、30bには、図示しない電源によって高電圧パルスが印加される。すると、電極30a、30b間で放電が発生し、この放電によって増幅段チャンバ30内に封入されたガスが励起される。
増幅段チャンバ30内には予備電離手段90、91が設けられている。予備電離手段90、91により生成させたコロナ放電により紫外線が発生し、一対の放電電極30a、30b間のガスが予備電離される。この予備電離を行うことにより、その後行われる放電電極30a、30bによる高繰り返し放電が安定する。予備電離の原理および動作については、例えば下記引用文献5に開示があるため、ここでは省略する。
増幅段チャンバ30の内部には、クロスフローファン(以下CFFという)30cが設けられている。CFF30cによって、ガスは矢印(h、i、j)の方向に高速循環され、電極30a、30b間にたえず高速ガスが送り込まれる。
増幅段チャンバ30の内部には、熱交換器30dが設けられている。熱交換器30dは図示しない水冷供給ユニットから供給される冷却水によってガスと熱交換を行う。熱交換器30dにより、放電で高温になったガスを効果的に冷却することができる。
次に、前の放電から次の放電前までに電離物質等を含んだガスが図8の右方向(矢印L)にどれだけ移動したかを示す指標(CR値)について説明する。CR値は、放電電極幅w(m)、繰返し周波数f(kHs)、電極間近傍のガスの流速v(m/s)を用いて、以下の式で求められる。
CR=v/(f×w) (1)
すなわち、CR値はガスの流速vに比例し、繰返し周波数fおよび放電電極幅wにそれぞれ反比例する。たとえば放電電極幅wと繰返し周波数fが固定値の場合、CR値を大きくするにはガスの流速vを大きくすればよい。
通常、2ステージレーザ装置では、発振段と増幅段のCR値は2以上に設定される。例えば、放電幅w=0.003m(3mm)、繰返し周波数=4kHz、ガス流速=30m/sの場合、指数CR値は2.5となる。言い換えれば、前の放電で発生した電離物質等は、次の放電前までに放電電極幅wの2.5倍(=7.5mm)の距離だけ図8の右方向に移動する。2.5w移動した状態を示す模式図を図中のNで示した。このN部を、次の放電前までに所定距離以上移動させることで、次の放電を電離物質等のない状態で安定に開始できる。
以上のように、従来、高繰り返し動作を安定に動作させるために、予備電離手段による予備電離およびCFFによるガスの高速循環を行っている。
特開2001−24265号公報
特開2005−123528号公報
特開2005−167082号公報
特開2005−252149号公報
特開平11−112300号公報
現在、2ステージレーザ装置のレーザパルスの繰返し周波数は4kHz程度であるが、スループットの増大、露光量のバラツキ低減のため、6kHz以上の高繰返し周波数で安定動作が可能な2ステージレーザ装置が要請されている。
ところで、メンテナンス性およびコスト等の点から、発振段レーザチャンバと増幅段チャンバは同一形状であることが望ましい。なお、同一形状とは、チャンバ内部構造が同一であることを意味する。
しかしながら、2ステージレーザ装置において、発振段レーザチャンバと増幅段チャンバを同一形状にして、4kHz以上の高繰返し周波数で動作させると、以下のような問題が発生する。
背景技術で説明したように、発振段はLNMという高損失共振器を有するため、チャンバ内の圧力および放電電力を高めに設定して、所定のパルスエネルギー(1mJ程度)を確保している。たとえば、チャンバ内圧力を300kPaとし、パルス当り2J程度のエネルギーを投入している。
発振段の場合、4kHz以上の高繰り返し動作を行っても、高圧力にして大きい放電電力を投入することに加え、従来の高繰り返し動作技術(予備電離均一化、レーザガスの流速増加、放電幅低減等)を適用することにより安定放電が可能である。
それに対して、増幅段は低損失共振器を有し、発振効率が非常によいため、発振段のチャンバと同一形状のチャンバを使用した場合、所定のパルスエネルギー(10〜15mJ程度)を得るために、増幅段チャンバ内の圧力および放電電力を、発振段に比べて低めに設定する必要がある。
しかしながら、所定のパルスエネルギーを得るために増幅段チャンバ内の圧力および放電電力を低下させると、増幅段300の放電が不安定になり(異常放電の発生)、4kHz以上の高繰り返し動作を安定して行う上で問題があることがわかった。
すなわち、予備電離手段を用いてコロナ放電による予備電離を行うために、通常、微量のキセノン(Xe)がガスに添加されているが、チャンバ内の圧力を低下するとキセノンの濃度も同時に低下するので、効果的に予備電離しにくくなる。
また、4kHz以上の高繰り返し動作をさせた場合、繰り返し周波数fが高くなったことによりCR値が低下し、電極間に生じた電離物質等の除去が不十分になるという問題がある。それに加えて、増幅段チャンバ30内の圧力が高い場合には、発生した電離物質は増幅段チャンバ30内のガスの大半を占めるネオンにより速やかに中性化されるが、増幅段チャンバ30内の圧力が低下すると電離物質を中性化する時間が長くなってしまう。
電離物質等の影響を回避するためには、ガスの流速vを上げればよいが、ガスを高速循環するためのファン回転数はすでに上限値に近い。また、ファン回転数を上げるとファン回転の消費電力がさらに大きくなる。よってこれ以上ファン回転数を上げられない。
また、フッ素は電子付着性が高いため、増幅段チャンバ30内のフッ素濃度を高くすると、予備電離で発生させた電子が短時間にフッ素に付着してしまう。そのため、4kHz以上の高繰り返し動作の場合、増幅段チャンバ30内のフッ素濃度を高くすると、放電が不安定になるとともに出力されるパルスエネルギー値にバラツキが出ることがわかった。パルスエネルギー値にバラツキが出ると露光によるウエハの歩留まりが低下してしまう。
本願発明は、以上の問題点に鑑みなされたものであって、発振段レーザチャンバと増幅段チャンバを同一形状にしても、4kHz以上の高繰り返し動作が安定に行える露光用2ステージエキシマレーザ装置を提供することを目的としている。
以上のような目的を達成するために、第1発明は、少なくともフッ素(F2)ガスを含むガスが封入された発振段レーザチャンバと、前記発振段レーザチャンバ内に配置された第1の一対の放電電極と、レーザ光を狭帯域化する狭帯域化モジュールを有するレーザ共振器とを含み、前記第1の放電電極による放電で発生したレーザ光を放出する発振段と、少なくともフッ素ガスを含むガスが封入された、前記発振段レーザチャンバと同一形状の増幅段チャンバと、前記増幅段チャンバ内に配置された第2の一対の放電電極とを含み、前記発振段から放出したレーザ光が前記増幅段チャンバに注入され、この注入されたレーザ光を前記第2の放電電極による放電で増幅して放出する増幅段と、前記第1および第2の放電電極による放電タイミングを制御する同期コントローラとを具備した、発振周波数4kHz以上で動作する露光用2ステージエキシマレーザ装置において、前記同期コントローラにより、前記第2の放電電極による放電前の予め設けられた時間範囲において、前記発振段から放出したレーザ光を、前記増幅段チャンバに注入して予備電離を行うことを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、前記設定値の時間範囲は、20ns以上且つ前記発振段で発生させたレーザ光のパルス幅以下であることを特徴とする。
第3発明は、第2発明において、前記発振段で発生させたレーザ光のパルス幅は30ns以上であることを特徴とする。
第4発明は、第1乃至3いずれかの発明において、前記予備電離を行うために注入されるレーザ光のエネルギーは0.05〜0.2mJの範囲に設定されることを特徴とする。
第5発明は、第1乃至4いずれかの発明において、前記発振段レーザチャンバ内の全ガス圧は250kPa以上であり、前記増幅段チャンバ内の全ガス圧は250kPa以下に設定されることを特徴とする。
第6発明は、第1乃至5いずれかの発明において、前記増幅段チャンバ内のガスのフッ素濃度は0.1%以上に設定されることを特徴とする。
第7発明は、第1乃至6いずれかの発明において、前記発振段に投入される電力は、前記増幅段に投入される電力より大きいことを特徴とする。
第8発明は、少なくともフッ素(F2)ガスを含むガスが封入された発振段レーザチャンバと、前記発振段レーザチャンバ内に配置された第1の一対の放電電極と、レーザ光を狭帯域化する狭帯域化モジュールを有するレーザ共振器とを含み、前記第1の放電電極による放電で発生したレーザ光を放出する発振段と、少なくともフッ素ガスを含むガスが封入された、前記発振段レーザチャンバと同一形状の増幅段チャンバと、前記増幅段チャンバ内に配置された第2の一対の放電電極とを含み、前記発振段から放出されたレーザ光が前記増幅段チャンバに注入され、この注入されたレーザ光を前記第2の放電電極による放電で増幅して放出する増幅段と、前記第1および第2の放電電極の放電タイミングを制御する同期コントローラとを具備した、発振周波数4kHz以上で動作する露光用2ステージエキシマレーザ装置において、前記増幅段チャンバ内のガスのフッ素濃度は0.1%以下に設定されることを特徴とする。
第9発明は、第8発明において、前記発振段レーザチャンバ内の全ガス圧は250kPa以上であり、前記増幅段チャンバ内の全ガス圧は250kPa以下であることを特徴とする。
第1発明によれば、図1と図3において、高繰り返し放電を安定させるために、CFF10cの回転数を上げてガス流速vを大きくすることにより、CR値を上げるかわりに、同期コントローラ8により、増幅段300の放電の開始前の予め設定された設定値の時間範囲(第2発明では、20ns以上且つシード光のパルス幅以下とし、第3発明では、20ns以上且つ30ns以上のパルス幅を有するシード光のパルス幅以下としている。)において、発振段100から出力したシード光を増幅段チャンバ30に注入することにより、シード光による予備電離を行う制御をしている。
第4発明によれば、図1において、発振段100で発生させたシード光のエネルギーのなかから、予備電離を行うために最適な大きさのエネルギーを増幅段チャンバ300に注入することができる。
第5発明によれば、図1において、発振段100のシード光のエネルギーを維持しながら、増幅段300のレーザ光の出力エネルギーを所定値以上にならないように低下させることができる。
第6発明によれば、図1において、発振段レーザチャンバ10と増幅段チャンバ30に封入するガスのフッ素濃度をほぼ同じにすることができる。
第7発明によれば、図1において、発振段100のシード光のエネルギーを低下させずに、増幅段300のレーザ光の出力エネルギーを低下させることができる。
第8発明によれば、図3において、フッ素濃度を0.1%以下にしたので、予備電離で発生させた電子が、短時間にフッ素ガスに電子付着されることを回避できる。
第9発明によれば、図1において、発振段100のシード光のエネルギーを維持しながら、増幅段300のレーザ光の出力エネルギーを所定値以上にならないように低下させることができる。
第1発明〜第7発明によれば、図1において、増幅段300の放電が開始される前に、発振段100のシード光の一部が増幅段チャンバ300内の放電空間に注入される。これにより、注入されたシード光は増幅段チャンバ30の放電空間を予備電離するので、4kHz以上の高繰り返し周波数であっても、この予備電離の助けにより、その後行われる放電を安定して行うことが可能となる。したがって、パルスエネルギー値のバラツキが低減するので、ウエハ露光における歩留まりを向上させることができる。
また、放電を安定化させるために、図2(b)において、CFF30cの回転数を上げてCR値を高める必要がないので、CFF30cの消費エネルギーをこれ以上増加させることもない。
第8発明および第9発明によれば、図1および図6において、フッ素濃度を0.1%以下にしたので、予備電離で発生させた電子が、短時間にフッ素に付着されることを回避できる。これにより、見かけ上のガス流速vを高くした、すなわち、見かけ上のCR値を上げたことになるので、増幅段300の放電を安定にすることができる。
また、発振段100の全ガス圧を250kPa以上とし、増幅段300の全ガス圧を250kPa以下としたことにより、増幅段300の出力エネルギーを所定値より大きくすることなく、増幅段300の出力エネルギーを最適の大きさになるように調節することができる。
以下、本願発明に係る実施例について図を参照しながら説明する。
まず図1、図2、図3を用いて、本実施形態に係る、4kHz以上の高繰り返し動作を行うための2ステージレーザ装置の構成および動作を説明する。図1は本実施形態に係る2ステージレーザ装置の構成図であり、増幅段にPOを用いている。図2は発振段(MO)およびPOのみを取り出した模式図であり、図3は発振段レーザチャンバを説明するための断面図である。なお、これ以降、増幅段がPOであるMOPO方式を例に取って説明するが、増幅段がPAであるMOPA方式においても、作用、効果は同等である。
図1において、2ステージレーザ装置2では、発振段100でシード光が生成され狭帯域化される。そして、増幅段300でそのシード光が増幅される。すなわち、発振段100から出力されるレーザ光のスペクトル特性によってレーザシステム全体のスペクトル特性が決定され、増幅段300によってレーザシステム自体のレーザ出力(エネルギーまたはパワー)が決定される。増幅段300から出力されるレーザ光は露光装置3に入力され、このレーザ光は露光対象(例えばウエハ)の露光に用いられる。
発振段100は、発振段レーザチャンバ10と、充電器11と、発振用高電圧パルス発生器12と、ガス供給・排気ユニット14と、冷却水供給ユニット15と、LNM16と、フロントミラー17と、第1のモニタモジュール19と、放電検出部20と、で構成される。
増幅段300は増幅段チャンバ30と、充電器31と、増幅用高電圧パルス発生器32と、ガス供給・排気ユニット34と、冷却水供給ユニット35と、リアミラー36と、出力ミラー37と、第2のモニタモジュール39と、で構成される。
本願発明の実施例では、メンテナンス性およびコスト等を考慮して、増幅段チャンバ30は発振段レーザチャンバ10と同一形状としている。
次に発振段100と増幅段300について詳しく説明する。なお、その構成は同一な部分があるため、その部分については発振段100を代表して説明する。
図2(a)に示す通り、発振段レーザチャンバ10の内部には、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向が平行であって且つ放電面が対向する一対の放電電極(カソード電極及びアノード電極)10a、10bが設けられる。これらの電極10a、10bには、充電器11と発振用高電圧パルス発生器12と、で構成された電源によって高電圧パルスが印加される。すると、電極10a、10b間で放電が生じ、この放電によって発振段レーザチャンバ10内に封入されたガスが励起される。
発振段レーザチャンバ10の内部には、ガス供給・排気ユニット14から供給されるガスが封入される。ガス供給・排気ユニット14は、発振段レーザチャンバ10内にガスを供給するガス供給系と、発振段レーザチャンバ10内のガスを排気するガス排気系とが設けられる。ArFエキシマレーザの場合、ガス供給・排気ユニット14は、アルゴン(Ar)ガス及びフッ素(F2)ガスと、ネオン(Ne)等からなるバッファガスとを発振段レーザチャンバ10に供給する。各ガスの供給及び排気はガス供給・排気ユニット14の各バルブの開閉で制御される。
図3は図2(a)の発振段レーザチャンバのB−B断面の模式図であり、図8の増幅段チャンバの断面図と基本的に同一である。
図3に示すように、発振段レーザチャンバ10の内部には、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向(図面の垂直方向)が平行であって且つ放電面が対向する一対の放電電極(カソード電極及びアノード電極)10a、10bが設けられている。これらの電極10a、10bには、図1で説明した電源によって高電圧パルスが印加される。すると、電極10a、10b間で放電が発生し、この放電によって発振段レーザチャンバ10内に封入されたガスが励起される。
発振段レーザチャンバ10内には予備電離手段90、91が設けられている。予備電離手段90、91により生成させたコロナ放電により紫外線が発生し、一対の放電電極10a、10b間のガスが予備電離される。この予備電離を行うことにより、放電電極10a、10bによる高繰り返し放電をより安定して行うことができる。なお、ガスの下流側の予備電離手段91は省くこともある。
また、発振段レーザチャンバ10の内部には、CFF10cが設けられる。CFF10cによってガスはチャンバ内で循環され、電極10a、10b間に送り込まれる。
また、発振段レーザチャンバ10の内部には、熱交換器10dが設けられる。熱交換器10dには冷却水供給ユニット15から冷却水が供給される。この冷却水によって発振段レーザチャンバ10内を循環するガスの排熱が行われる。冷却水の供給は冷却水供給ユニット15のバルブの開閉で制御される。
図2(a)に示すように、発振段レーザチャンバ10の外部であり、ウィンドウ10e側のレーザ光の光軸上にはLNM16が設けられ、ウィンドウ10f側のレーザ光の光軸上にはフロントミラー17が設けられる。LNM16は例えば少なくともひとつのプリズム16aとグレーティング(回折格子)16b等の光学素子で構成される。また、LNM16は波長選択素子であるエタロンと全反射ミラー等の光学素子で構成される場合もある。このLNM16内の光学素子とフロントミラー17とでレーザ共振器が構成される。
図1に示すように、第1のモニタモジュール19はフロントミラー17を透過したレーザ光のエネルギーや出力線幅や中心波長等のレーザビーム特性をモニタする。モニタモジュール19はレーザ光の中心波長を示す信号を生成し、この信号を波長コントローラ6に出力する。また、モニタモジュール19はレーザ光のエネルギーを測定し、このエネルギーを示す信号をエネルギーコントローラ7に出力する。
なお、増幅段チャンバ30の電極30a、30b、CFF30c、熱交換器30d、ウィンドウ30e、30fの構成及び機能は、上述した発振段レーザチャンバ10の各部の構成及び機能と同じである。また、増幅段300に設けられた充電器31、増幅用高電圧パルス発生器32、ガス供給・排気ユニット34、冷却水供給ユニット35、第2のモニタモジュール39、放電検出器40、圧力センサP2、温度センサT2の構成及び機能は、上述した発振段100側に設けられた同一要素の構成及び機能と同じである。
一方、増幅段300には、発振段100で設けられたLNM等からなる共振器に代わり次に述べる不安定共振器が設けられる。
増幅段チャンバ30の外部であり、ウィンドウ30e側のレーザ光の光軸上にはリアミラー36が設けられ、ウィンドウ30f側のレーザ光の光軸上には出力ミラー37が設けられる。リアミラー36と出力ミラー37とで不安定型共振器が構成される。リアミラー36の反射面は凹面であって、その中央部にはミラー後方側から反射面側へレーザ光を通過させる孔が設けられる。孔のレーザ光透過率は5%〜10%程度である。リアミラー36の反射面はHR(High Reflection)コートが施される。出力ミラー37の反射面は凸面であって、その中央部にはHR(High Reflection)コートが施され、中央部周囲にはAR(Anti Reflection)コートが施される。なお、リアミラー36としては、中央に孔が開いたものを使用するのではなく、孔に相当する部分のみARコートが施されたミラー基板を使用してもよい。また、不安定共振器でなく安定共振器でもよい。
発振段100のフロントミラー17と増幅段300のリアミラー36との間には、反射ミラー42a、42bで構成されるビーム伝搬部42が設けられる。
フロントミラー17を透過したレーザ光はビーム伝搬部42によってリアミラー36まで案内される。更にこのレーザ光はリアミラー36の孔を通過し、増幅段チャンバ30内を通過し、出力ミラー37の中央部で反射される。出力ミラー37で反射されたレーザ光は、増幅段チャンバ30内を通過し、リアミラー36の孔周囲で反射される。更に、リアミラー36で反射されたレーザ光は、増幅段チャンバ30内を通過し、出力ミラー37の中央部周囲を透過し出力される。レーザ光が増幅段チャンバ30の放電部すなわち電極30a、30b間を通過する際に放電が発生すると、レーザ光のエネルギーは増幅される。
波長コントローラ6にはモニタモジュール19、39から出力された信号が入力される。波長コントローラ6はレーザ光の中心波長を所望の波長にすべくLNM16内の波長選択素子(グレーティング、エタロン等)の選択波長を変化させる信号を生成し、この信号をドライバ21に出力する。波長選択素子の選択波長は、例えば、波長選択素子へ入射するレーザ光の入射角を変化させることにより変化する。ドライバ21は、受信した前記信号に基づき、波長選択素子へ入射するレーザ光の入射角が変化するように、LNM16内の光学素子(例えば、拡大プリズム、全反射ミラー、グレーティング等)の姿勢角等を制御する。
エネルギーコントローラ7にはモニタモジュール19、39から出力された信号が入力される。エネルギーコントローラ7は、発振段100および増幅段300から放出されるレーザ光のパルスエネルギーを所望の値にするために、高電圧パルス発生装置12、32の主コンデンサC0の充電電圧HV1、HV2を示す信号を生成し、この信号を同期コントローラ8に出力する。
同期コントローラ8にはエネルギーコントローラ7から出力された信号と、放電検出器20、40から出力された各チャンバ10、30における放電開始を知らせる信号とが入力される。同期コントローラ8はエネルギーコントローラ7から出力された信号に基づいて、充電器11、31の充電電圧を制御する。
2ステージレーザ装置においては、発振段100から放出されたシード光が増幅段300に注入されるタイミングと増幅段300が放電するタイミングを調整する必要がある。すなわち、発振段レーザチャンバ10内での放電、発光タイミングと増幅段チャンバ30内での放電、発光タイミングに所定の遅延時間を設ける必要がある。両者の放電、発光のタイミングがずれると、発振段100から放出されたシード光は良好に増幅されない。
同期コントローラ8は、放電検出器20、40から出力される各チャンバ10、30における放電開始を知らせる信号に基づき、上記遅延時間を設定する。そして、最適なタイミングで各チャンバ10、30において放電が発生するように、上記遅延時間を考慮したトリガ信号を高電圧パルス発生装置12、32の固体スイッチにそれぞれ送信する。
同期コントローラ8の制御により、各チャンバ10、30の放電の前に予備電離手段を用いて予備電離を行うことについては、例えば前記引用文献2、3に開示されており公知であるのであらためて説明するのを省略する。
さて上記解決課題で説明したように、増幅段300は増幅効率がよいため、増幅段チャンバ30の圧力と投入エネルギーを発振段レーザチャンバ10のそれより低めに設定する必要がある。具体的には、発振段レーザチャンバ10内の全ガス圧は250kPa以上であり、増幅段チャンバ30内の全ガス圧は250kPa以下に設定される。また、発振段100のパルス当たりの投入エネルギーは2J程度、増幅段300のパルス当りの投入エネルギーは1.5J程度に設定される。
なお、通常、増幅段チャンバ30内のフッ素濃度は、発振段レーザチャンバ10と同様に0.1%以上に設定されている。こうすることで、ガスの供給・排気管理がしやすくなる。
しかしこのような設定で2ステージレーザ装置を動作させた場合、増幅段300の高繰り返し放電が不安定になってしまう。
増幅段300の放電が不安定になる原因としては、繰り返し周波数fが高くなったことによりCR値が低下し、電極間に生じた電離物質等の除去が不十分になることがあげられる。CR値を高くする為には、ガスの流速vを上げればよいが、ガスを高速循環するためのファン回転数はすでに上限値に近い。また、ファン回転数を上げるとファン回転の消費電力がさらに大きくなる。よってこれ以上ファン回転数を上げたくない。
そこで本願発明の場合、CFFによりガス流速を高めてCR値を上げるかわりに、同期コントローラ8の制御により、放電開始前の予め設定された時間範囲に、発振段100から出力したシード光を増幅段チャンバ30に注入している。
すなわち、増幅段300の放電が開始される前に、発振段100のシード光の一部が増幅段チャンバ30内の放電空間に注入される。これにより、注入されたシード光は増幅段チャンバ30内の放電空間を前もって電離するので、従来より予備電離の効果を高めることができる。
そのため、6kHz以上の高繰り返し周波数であっても、その後の放電を安定して行うことができる。また、4kHz程度の高繰り返し周波数の場合も、さらに安定した放電を行うことができるので、ウエハ露光における歩留まりが向上する。
このように実施例1では、ガス流速を上げてCR値を高める代わりに、シード光による予備電離で増幅段300の放電を安定させており、見方を変えれば、シード光による予備電離は、見かけ上のCR値を高めることに対応しているといえる。
実験の結果、増幅段300の放電開始時間は、増幅段300に注入するシード光の注入開始時間に対して、少なくとも20ns以上後に設定されることが必要であることがわかった。これは、増幅段チャンバ30の放電空間にシード光を注入後、一定の時間経過後に予備電離効果がはじめて表れるためと考えられる。
また、実験の結果、増幅段300の放電開始時間が、増幅段300に注入するシード光の注入開始時間に対して、シード光のパルス幅以上後に設定されることは望ましくないことがわかった。放電開始時間に対して、シード光のパルス幅以上前の時間に予備電離のためのシード光が注入された場合、シード光の注入が終了した後に放電が開始されることになるため、増幅段によるシード光の増幅を適切に行うことができなくなる。
図4は、予備電離のためのシード光の注入開始時間と増幅段の放電開始時間のタイミングを説明するための模式図である。横軸は時間t(ns)であり、縦軸はレーザ光のパルス強度(任意)である。
図4において、図の上側に発振段100から注入したシード光のパルスP0の波形を、図の下側に増幅段300の放電により生成したパルスP1の波形を示してある。パルスP0のエネルギーは0.1mJ程度(1mJ×孔透過率10%程度)、パルスP1のエネルギーは10〜15mJ程度である。シード光の注入開始時間をt0とし、増幅段300の放電開始時間をt1とした。また、ここでは注入するシード光のパルス幅は80nsとし、t1=t0+60としている。
予備電離のためのシード光の注入開始時間t0に対する、増幅段300の好適な放電開始時間範囲Mを斜線で示した。すなわち、増幅段300の好適な放電開始時間範囲は、(t0+20)から(t0+80)の時間範囲である。この場合、増幅段300の放電開始時間のマージンは60nsである。
図4において、シード光は注入開始時間t0に増幅段チャンバ30に注入され、その後、80nsの時間に亘って、増幅段チャンバ30へシード光の注入が継続される。増幅段300の放電は、シード光の注入開始時間t0から60ns後に開始されるので、シード光の注入は増幅段300の放電開始後も20ns行われる。増幅段300は、注入されたシード光の超狭帯域化スペクトルを維持したまま、パルスエネルギーのみを増幅する。
なお、発振段100で発生させたシード光のパルス幅は、最低でも20ns以上、好適には30ns以上に設定されることが好ましい。以下このことにつて詳しく説明する。
図5(a)、(b)は、発振段100から注入されたシード光のパルス幅が30nsおよび20nsの場合における増幅段300の放電タイミングを説明するための模式図である。それぞれ横軸は時間t(ns)であり、縦軸はレーザ光のパルス強度(任意)である。図中に、注入開始時間t0におけるパルス波形P0と、増幅段300の放電開始時間t1におけるパルス波形P1を示した。
図5(a)のシード光のパルス幅が30nsの場合、増幅段300の好適な放電開示時間範囲は(t0+20)〜(t0+30)の10nsの間である(下側の斜線部M)。この場合、増幅段300の放電開始時間のマージンは10nsである。
一方、図5(b)のシード光のパルス幅が20nsの場合、増幅段300の好適な放電開始時間範囲は(t0+20)のみであり、増幅段300の放電開始時間のマージンはまったくないことになる。
以上のように、シード光のパルス幅の下限値は20nsである。また、同期コントローラ8の制御性を考慮すると、シード光のパルス幅が30nsあれば、注入開始時間に10ns以上のマージンがとれるので十分である。
また、予備電離のために注入されるシード光のエネルギーは0.05〜0.2mJの範囲が好ましい。これは、予備電離に用いるシード光のエネルギーが小さいと予備電離の効果が小さく、シード光のエネルギーがあまり大きくなると予備電離の効果が飽和し、無駄にエネルギーを投入していることになるからである。
実験によれば、シード光のパルス幅を標準的な80nsとし、最適なタイミングでシード光を注入した場合、増幅段チャンバ30内のCFFの回転数を約10%上げて得られる効果、言い換えればCR値を約10%高めた効果と同等の効果が得られることがわかった。
以上のように、実施例1によれば、CFFの回転数を上げることなく、予備電離のためにシード光を用いることで増幅段300の放電を安定に動作させることができるので、たとえ発振段レーザチャンバ10の全ガス圧を250kPa以上とし、増幅段チャンバ30の全ガス圧を250kPa以下に設定し、また発振段100のパルス当たりの投入エネルギーを2J程度、増幅段300のパルス当りの投入エネルギーを1.5J程度に設定し、さらに、増幅段チャンバ30のフッ素濃度を0.1%以上に設定しても、4kHz以上の高繰り返し動作で増幅段300の放電を安定に行うことが可能になった。また放電を安定化させるために、すでに限界値に近いCFFの回転数をさらに上げてCR値を高める必要はないため、CFFの消費エネルギーをこれ以上増加させることを回避できる。
本願発明の対象とする2ステージレーザ装置は、図1〜3に説明したように、発振段レーザチャンバと増幅段チャンバを同一形状にしている。
しかしながら、フッ素は電子付着性が高いため、増幅段チャンバ30内のフッ素濃度を高くすると、予備電離手段で発生させた電子が放電空間のフッ素ガスに短時間で付着してしまう。そのため、4kHz以上の高繰り返し周波数で2ステージレーザ装置を動作させた場合、予備電離手段で予備電離を行っても、予備電離効果を十分に発揮できず、増幅段300の放電が不安定になるとともに、出力エネルギーのバラツキが大きくなることが明らかになった。
そのため、CFFの回転数を上げてガス流速を大きくし、CR値を高めることにより増幅段300の放電を安定させることが考えられるが、CFFの回転数はすでに限界値に近く、これ以上CFFの回転数を上げたくない。
そこで実施例2では、4kHz以上の高繰り返し動作で増幅段300の放電を安定して行い且つ出力エネルギーのバラツキを抑えるために、増幅段チャンバ30のフッ素濃度を0.1%未満に設定している。
図6は、繰返し周波数が6kHzにおける増幅段チャンバ内のフッ素濃度と放電安定性を説明する図である。横軸は増幅段のCFFの回転数であり、縦軸は放電安定化指数Sである。放電安定化指数は、増幅段チャンバ内の放電の安定性の度合いを示す指標であり、通常、指数Sが2以下であれば放電は安定している。
図6において、フッ素濃度は0.06%、0.08%、0.10%、0.11%までの4段階のパラメータとしている。
フッ素濃度が0.06%の場合、CFFの回転数が3400rpmまで低下しても指数Sは2以下であり放電は安定している。しかし回転数が3100rpm付近まで低下すると指数Sの値は2以上となる。フッ素濃度が0.08%の場合、CFFの回転数が3700rpm付近まで低下すると指数Sは2以上となる。また、フッ素濃度が0.1%、0.11%の場合はともにCFFの回転数が4200rpm付近まで低下すると指数Sは2以上となる。このように、実験結果によれば、フッ素濃度を0.1%未満にすることで、放電安定化指数が2以下になるCFF回転数の範囲を十分広く取ることができる。
一方、フッ素の下限値としては、0.05%以上に設定するのが好ましい。その理由は、フッ素濃度を0.05%以下にすると増幅段のレーザ出力が低下してしまい、放電を安定にすることができても露光用レーザ光として使用することができなくなるおそれがあるからである。
増幅段300の放電を安定に行うためのCFFの回転数の下限値は、フッ素濃度が0.1%では4200rpm付近であり、フッ素濃度が0.06%では3400rpm付近である。したがって、後者は前者に対して約800rpm分の余裕がある。すなわち、フッ素濃度を低下させることは、CFFの回転数の下限値を低下させることに対応している。CFFの回転数下限値が低下することは、ガス流速下限値が低下することと同じことであり、低いガス流速でも安定して放電を行えることを意味する。
言い換えれば、フッ素濃度を低下させることは、見かけ上のガス流速を上げることに対応し、見かけ上のCR値を高めたことに対応する。これを図6で説明すると、フッ素濃度を0.1%から0.06%まで低下させることにより、見かけ上のCFFの回転数を約800rpm上げることができる。
このように、増幅段チャンバ30内のフッ素濃度を低下させることにより、予備電離で発生させた電子が放電空間のフッ素ガスに付着する確率を低下させることができるので、予備電離の効果をより持続させることができる。その結果、その後の放電を安定して行うことが可能になる。
以上、実施例2によれば、繰返し周波数が4kHz以上であっても、増幅段チャンバ30のフッ素濃度を所定値以下に設定することにより、見かけ上のガス流速を高めたことになる。したがって、見かけ上のCR値を高めることができるので、増幅段の放電を安定して行うことができる。
なお、上記実施例では、おもに2ステージArFエキシマレーザ装置を想定して説明したが、本願発明は2ステージKrFエキシマレーザ装置等にも同様に適用できる。
本発明の露光用2ステージエキシマレーザ装置は、半導体集積回路の製造だけでなく、液晶デバイス等の高精細加工を要求される製造用としても適用することができる。
図1は本実施形態に係る2ステージレーザ装置の構成図である。
図2は発振段(MO)およびPOのみを取り出した模式図である。
図3は発振段レーザチャンバの内部構造を説明するための模式図である。
図4は、予備電離のためのシード光の注入開始時間と増幅段の放電開始時間のタイミングを説明するための模式図である。
図5は増幅段300の放電タイミングを説明するための他の模式図である。
図6は増幅段チャンバ内のフッ素濃度と放電安定性を説明する図である。
ArFエキシマレーザの原理を説明するための概念図である。
従来の2ステージレーザ装置のチャンバ内部構造を説明するための断面図である。
符号の説明
2 2ステージレーザ装置
10 発振段レーザチャンバ
10a、30a 上部電極
10b、30b 下部電極
10c、30c クロスフローファン(CFF)
10d、30d 冷却器
16 狭帯域化モジュール(LNM)
30 増幅段チャンバ
90、91 予備電離手段
100 発振段
300 増幅段