JP4844890B2 - 発泡速度の速い多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料 - Google Patents

発泡速度の速い多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料 Download PDF

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Description

この発明は、多孔質セラミックス焼結体を製造するための発泡速度の速い混合原料に関するものである。
一般に、多孔質セラミックス焼結体は、触媒担体、鋳物用フィルター、断熱材、吸音材、流体ミキサー、高温用フィルター、空気清浄機用フィルター、アルカリ二次電池の電極基板、燃料電池の各種電極などを作製するための素材として使用することは広く知られている。この多孔質セラミックスを製造する方法の一つとして、セラミックス粉末を含有する多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料をドクターブレード法により薄板状に成形し、この薄板状成形体を高温・高湿度槽において前記多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に含まれる発泡剤である揮発性有機溶剤の蒸気圧および界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させ、さらに乾燥槽において乾燥させてスポンジ状グリーン板を製造し、このスポンジ状グリーン板を脱脂装置および焼成炉を通すことにより脱脂、焼成し、これにより連続空孔を有する多孔質セラミックスを製造していた。
前記多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料として、
炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
を含有し、さらに必要に応じて、
界面活性剤:0.05〜5質量%、
を含有し、さらに必要に応じて、
多価アルコール、油脂、エーテルおよびエステルの内の少なくとも1種からなる可塑剤:0.1〜15質量%を含有し、
水:残部、からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料が知られている。
そして、ここで発泡剤はガスを発生して気泡を形成できるものであれば良く、揮発性有機溶剤、例えば、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソへキサン、イソペプタン、ベンゼン、オクタン、トルエンなどの炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤を使用することができること、
水溶性樹脂結合剤としてはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、エチルセルロース、ポリビニルアルコールなどを使用することができること、
界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン性界面活性剤などを使用することができること、
可塑剤としては、成形体に可塑性を付与するためのもので、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、鰯油、菜種油、オリーブ油などの油脂、石油エーテルなどのエーテル類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジNブチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレートなどのエステルなどを使用することができること、などが知られている(特許文献1、2などを参照)。そして、この従来の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料は、前記水溶性樹脂結合剤、セラミックス粉末、水を含有し、さらに必要に応じて界面活性剤および/または可塑剤を含有するスラリーを先ず作製し、このスラリーに発泡剤として作用する前記炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤を添加し混練することにより作製する。かかる混練により作製した従来の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に含まれる気体の割合は1体積%以下であり、通常は混練により混入した空気を可能な限り少なくするために真空脱泡などの処理も施されていた。
特許第3246233号明細書 特開平9−118901号公報
前述のように、前記従来の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料を用いて多孔質セラミックス焼結体を製造する工程において、多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料をドクターブレード法により薄い板状に成形し、この成形して得られた板状成形体を高温・高湿度槽において前記多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料の板状成形体に含まれる発泡剤である揮発性有機溶剤の蒸気圧および界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させる工程を経なければならないが、従来の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料の薄板成形体を発泡させようとしても、従来の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料は発泡速度が遅いために発泡を終了させるためには60〜240分の長時間を必要とし、発泡にさせるに時間がかかりすぎて量産するには適当ではない。
そこで、本発明者らは、発泡速度の速い多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料を得るべく研究を行った。その結果、
(イ)多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料にある程度気体が含まれている方が、気体含有量の少ないまたは真空脱泡して気体が含まれない多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に比べて発泡時間が格段に短くなる、
(ロ)多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に含まれる気体は、空気、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水素などが好ましく、多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に含まれる気体の量は2〜50体積%(好ましくは、5〜20体積%)の範囲内にあると、発泡終了までの時間が1〜20分となって発泡終了までの時間を大幅に短縮することができ、多孔質セラミックスの製造時間を一層短くすることができる、などの知見を得たのである。
この発明は、かかる知見に基づいてなされたものであって、
(1)炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
を含有し、
水:残部からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Aという)と微細な穴から供給された空気とが、
空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Aとなる割合で空気を含む発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料、
(2)炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
界面活性剤:0.05〜5質量%、
を含有し、
水:残部からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Bという)と微細な穴から供給された空気とが、
空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Bとなる割合で空気を含む発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料、
(3)炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
を含有し、さらに、
多価アルコール、油脂、エーテルおよびエステルの内の少なくとも1種からなる可塑剤:0.1〜15質量%を含有し、
水:残部、からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Cという)と微細な穴から供給された空気とが、
空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Cとなる割合で空気を含む発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料、
(4)炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
界面活性剤:0.05〜5質量%、
水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
を含有し、さらに、
多価アルコール、油脂、エーテルおよびエステルの内の少なくとも1種からなる可塑剤:0.1〜15質量%を含有し、
水:残部、からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Dという)と微細な穴から供給された空気とが、
空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Dとなる割合で空気を含む発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料、に特徴を有するものである。

この発明の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に含まれる気体の割合を多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料全体の2〜50体積%にした理由は、気体の含有割合が2体積%未満では発泡時間の短縮には十分な効果がなく、一方、気体の含有割合が50体積%を越えると、気泡が多すぎて発泡状態を維持することができなくなり、さらに塗工制御も難しくなるので好ましくない理由によるものである。
この発明の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料は、前記水溶性樹脂結合剤、セラミックス粉末、水を含有し、さらに必要に応じて界面活性剤および/または可塑剤を含有するスラリーを先ず作製し、このスラリーに前記炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤を添加し、このスラリーに前記非水溶性炭化水素系有機溶剤を添加した配合体をミキサーなどの撹拌装置で撹拌すると同時にこの配合体にパイプに設けた微細な穴を通して気体が泡となるように気体を供給することにより作製することができる。また、前記得られたスラリーに初めに気体を混合してから炭素数5〜8の非水溶性炭化水素を混合撹拌して作製してもよい。
このとき使用する気体は、空気、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水素などが好ましい。
この発明の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に含まれるセラミックス粉末は、いかなるセラミックスであってもよく、Al、ZrO、SiO、TiO、Si、AlN、ムライト、サイアロン、Yおよびこれらの複合体からなるセラミックス粉末であることが好ましい。
また、スラリーの特性や成形体の特性を向上させるために添加元素を加えてもよい。例えば、スラリーの保存性を向上させるために防腐剤を添加したり、成形体の強度を向上させるために結合助剤としてポリマー系化合物を加えてもよい。
この発明の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料を使用することにより従来の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料に比べて一層短時間で発泡することから、微細で均一な大きさの気孔を有する多孔質セラミックスを一層短時間で製造することができる。
セラミックス粉末として、平均粒径:0.26μmのAl粉末、平均粒径:0.31μmのTiO粉末、平均粒径:0.15μmのSiO粉末、平均粒径:0.58μmのZrO粉末を用意した。
さらに、発泡剤としてヘキサン、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、可塑剤としてグリセリンを用意し、さらに水を用意した。
実施例1
先に用意したAl粉末、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌することによりAl粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース:6.5質量%、残部:水からなる従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Aを作製した。
先に用意したAl粉末、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌すると同時にこの配合体の中に直径:0.5mmの微細な穴を50個設けたパイプから空気を供給し、空気の供給量を調節しながら撹拌を続けることにより、Al粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース:6.5質量%、残部:水からなるスラリーに空気を導入し、表1に示される空気含有量を有し、残部が従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Aからなる本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料1〜5、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料1〜2を作製した。
これら従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料A、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料1〜2および本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料1〜5をそれぞれ縦:200mm、横:200mm、厚さ1mmの寸法を有するPET樹脂板の片面全面に厚さ:0.3mmとなるように塗工し、この塗工膜を湿度:90%、温度:45℃の条件に保持し、この塗工膜が発泡して厚さ:1.2mmになるまでの時間を測定し、その結果を表1に示した。
Figure 0004844890
表1に示される結果から、本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料1〜5の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間は、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Aの塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間に比べて格段に短いことがわかる。しかし、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料1の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間はやや長く、一方、空気の含有量が50体積%を越える空気を含む比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料2は塗工膜の表面に大きな凹凸ができるので塗工制御が難しくなり好ましくないことがわかる。
実施例2
先に用意したTiO粉末、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌することによりTiO粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース:6.5質量%、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:2.0質量%、残部:水からなる従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Bを作製した。
先に用意したTiO粉末、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌すると同時にこの配合体に直径:0.5mmの微細な穴を50個設けたパイプから空気を供給し、空気の供給量を調節しながら撹拌を続けることにより、TiO粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース:6.5質量%、残部:水からなるスラリーに空気を導入し、表2に示される空気含有量を有し、残部が従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Bからなる本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料6〜10、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料3〜4を作製した。
これら従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料B、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料3〜4および本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料6〜10をそれぞれPET樹脂板の表面に厚さ:0.3mmとなるように塗工し、この塗工膜を湿度:90%、温度:45℃の条件に保持し、この塗工膜が発泡して厚さ:1.2mmになるまでの時間を測定し、その結果を表2に示した。
Figure 0004844890
表2に示される結果から、本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料6〜10の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間は、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Bの塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間に比べて格段に短いことがわかる。しかし、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料3の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間はやや長く、一方、空気の含有量が50体積%を越える空気を含む比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料4は塗工膜の表面に大きな凹凸ができるので塗工制御が難しくなり好ましくないことがわかる。
実施例3
先に用意したSiO粉末、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース、可塑剤としてグリセリンおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌することによりSiO粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース:6.5質量%、可塑剤としてグリセリン:2.5質量%、残部:水からなる従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Cを作製した。
さらに、先に用意したSiO粉末、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース、可塑剤としてグリセリンおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌すると同時にこの配合体に直径:0.5mmの微細な穴を50個設けたパイプから空気を供給し、空気の供給量を調節しながら撹拌を続けることにより、SiO粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース:6.5質量%、可塑剤としてグリセリン:2.5質量%、残部:水からなるスラリーに空気を導入し、表3に示される空気含有量を有し、残部が従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Cからなる本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料11〜15、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料5〜6を作製した。
これら従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料C、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料5〜6および本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料11〜15をそれぞれPET樹脂板の表面に厚さ:0.3mmとなるように塗工し、この塗工膜を湿度:90%、温度:45℃の条件に保持し、この塗工膜が発泡して厚さ:1.2mmになるまでの時間を測定し、その結果を表3に示した。
Figure 0004844890
表3に示される結果から、本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料11〜15の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間は、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Cの塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間に比べて格段に短いことがわかる。しかし、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料5の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間はやや長く、一方、空気の含有量が50体積%を越える空気を含む比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料6は塗工膜の表面に大きな凹凸ができるので塗工制御が難しくなり好ましくないことがわかる。
実施例4
先に用意したZrO粉末、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、可塑剤としてグリセリンおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌することにより平均粒径10μmのAg粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース:6.5質量%、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:2.0質量%、可塑剤としてグリセリン:2.5質量%、残部:水からなる従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Dを作製した。
さらに、先に用意したZrO粉末、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、可塑剤としてグリセリンおよび水を混合して得られたスラリーに、さらに炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサンを添加して配合体を作製し、この配合体をミキサーで撹拌すると同時にこの配合体に直径:0.5mmの微細な穴を50個設けたパイプから空気を供給し、空気の供給量を調節しながら撹拌を続けることにより、ZrO粉末:60質量%、炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤(発泡剤)としてヘキサン:1.8質量%、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース:6.5質量%、可塑剤としてグリセリン:2.5質量%、残部:水からなるスラリーに空気を導入し、表4に示される空気含有量を有し、残部が従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Dからなる本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料16〜20、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料7〜8を作製した。
これら従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料D、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原7〜8および本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料16〜20をそれぞれPET樹脂板の表面に厚さ:0.3mmとなるように塗工し、この塗工膜を湿度:90%、温度:45℃の条件に保持し、この塗工膜が発泡して厚さ:1.2mmになるまでの時間を測定し、その結果を表4に示した。
Figure 0004844890
表4に示される結果から、本発明多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料16〜20の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間は、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Dの塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間に比べて格段に短いことがわかる。しかし、比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料7の塗工膜が発泡して1.2mmになるまでに要する時間はやや長く、一方、空気の含有量が50体積%を越える空気を含む比較多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料8は塗工膜の表面に大きな凹凸ができるので塗工制御が難しくなり好ましくないことがわかる。

Claims (4)

  1. 炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
    水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
    平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
    を含有し、
    水:残部からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Aという)と微細な穴から供給された空気とが、
    空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Aとなる割合で空気を含むことを特徴とする発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料。
  2. 炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
    水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
    平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
    界面活性剤:0.05〜5質量%、
    を含有し、
    水:残部からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Bという)と微細な穴から供給された空気とが、
    空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Bとなる割合で空気を含むことを特徴とする発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料。
  3. 炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
    水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
    平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
    を含有し、さらに、
    多価アルコール、油脂、エーテルおよびエステルの内の少なくとも1種からなる可塑剤:0.1〜15質量%を含有し、
    水:残部、からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Cという)と微細な穴から供給された空気とが、
    空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Cとなる割合で空気を含むことを特徴とする発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料。
  4. 炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10質量%、
    界面活性剤:0.05〜5質量%、
    水溶性樹脂結合剤:0.5〜20質量%、
    平均粒径0.05〜5μmのセラミックス粉末:5〜70質量%、
    を含有し、さらに、
    多価アルコール、油脂、エーテルおよびエステルの内の少なくとも1種からなる可塑剤:0.1〜15質量%を含有し、
    水:残部、からなる配合組成の混合物からなる多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料(以下、従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Dという)と微細な穴から供給された空気とが、
    空気:2〜50体積%、残部:従来多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料Dとなる割合で空気を含むことを特徴とする発泡前の多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料。
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