JPH07188806A - 複合材料用強化材成形体の製造方法 - Google Patents

複合材料用強化材成形体の製造方法

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JPH07188806A
JPH07188806A JP33311893A JP33311893A JPH07188806A JP H07188806 A JPH07188806 A JP H07188806A JP 33311893 A JP33311893 A JP 33311893A JP 33311893 A JP33311893 A JP 33311893A JP H07188806 A JPH07188806 A JP H07188806A
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molded body
solvent
reinforcing material
slurry
reinforcing
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JP33311893A
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Naoto Enoshima
尚登 榎島
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑形状の成形体でも機械加工することなく
製造できる複合材料用強化材成形体の製造方法を提供す
る。 【構成】補強繊維、溶媒及びゲル化剤を含むスラリーを
ゲル化させ、該スラリーに保形性を付与して所定形状の
中間成形体を形成する。この中間成形体を加熱乾燥する
ことにより、該中間成形体から該溶媒及びゲル化剤を除
去して強化材成形体を形成する。スラリーのゲル化を利
用して該スラリーに保形性を付与せしめることにより、
複雑形状の成形体でも金型を利用すれば機械加工するこ
となく成形できる。この強化材成形体の繊維体積率は、
スラリーを準備する際の補強繊維の配合量により決定さ
れるため、安定に、かつ、容易に制御することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、補強繊維や補強粒子に
より複合強化された複合材料を製造する際に用いられる
複合材料用強化材成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のエンジン部品などにおい
ては、軽量化や高強度化等の要請のため、補強繊維や補
強粒子で金属を複合、強化した複合材料が用いられてい
る。例えば補強繊維で金属を複合強化した繊維強化複合
材料は、一般に、所定形状の繊維成形体を鋳型のキャビ
ティ内に配した後、マトリックス金属としての金属溶湯
をキャビティ内に注湯、加圧し、成形体中に金属溶湯を
含浸して固化することにより製造される。
【0003】そして、上記繊維成形体の製造方法として
は、特開昭59−111970号公報にも開示されてい
るように、従来より吸引成形法が採用されている。この
吸引成形法では、補強繊維及び無機バインダを分散させ
たスラリー中にフィルタ部を有する吸引成形型を浸漬
し、内部から吸引することにより、吸引成形型のフィル
タ部の外周面に補強繊維を堆積させ、その後乾燥するこ
とにより繊維成形体を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記吸引成形
法においては、複雑形状の成形型の製作が困難であり、
またフィルタ部に堆積した繊維量により成形体の肉厚が
決定されるため該肉厚を変化させたり均一化したりする
ことが困難である。このため、吸引成形法により複雑形
状の繊維成形体を成形する場合、最終的には機械加工が
必要となり、機械加工工程を経ることにより材料歩留り
が低下するだけでなく、コスト的にも高価となる。ま
た、機械加工によっても実質的に製作が困難な複雑形状
の成形体には吸引成形法を適用できない。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、複雑形状の成形体でも機械加工することなく製造
できる複合材料用強化材成形体の製造方法を提供するこ
とを解決すべき技術課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の複合材料用強化材成形体の製造方法は、強化
材としての補強繊維、溶媒及びゲル化剤を含み、さらに
必要に応じて無機バインダを含むスラリーをゲル化させ
て該スラリーに保形性を付与することにより、所定形状
の中間成形体を形成する工程と、該中間成形体を乾燥及
び加熱することにより、該中間成形体から該溶媒及びゲ
ル化剤を除去して強化材成形体を形成する工程とからな
ることを特徴とするものである。
【0007】上記補強繊維、溶媒及びゲル化剤を含むス
ラリーには、補強繊維をスラリー中に良好に分散させる
ために必要に応じて分散剤を添加することが好ましい。
また、上記強化材成形体の強度を向上させるために、上
記スラリー中にコロイダルシリカ、アルミナゾル等の無
機バインダを添加することが好ましい。さらに、上記中
間成形体を加熱乾燥して強化材成形体を得た後、この強
化材成形体中に無機バインダを含浸させ、その後乾燥さ
せることによっても、強化材成形体の強度を向上させる
ことができる。
【0008】なお、上記補強繊維としては、例えばAl
2 3 、Al2 3 −SiO2 、B、C、SiC製等の
無機質繊維や、ステンレス製等の金属繊維や、SiC、
Si 3 4 製等のセラミックスウイスカなどを単独であ
るいは複数種類混合して用いることができる。スラリー
中への補強繊維の添加量は、所望とする強化材成形体の
繊維体積率に応じて決定することができる。
【0009】また、上記溶媒としては、各種の有機溶媒
や水を用いることができ、ゲル化剤を溶解又は分散させ
得るものが選ばれる。具体的に、鉱物油、動植物油、炭
化水素系溶媒、ケトン類、エステル類、アミド類、アル
コール類などを挙げることができる。また、これら2種
以上を混合して使用しても良い。一つの好ましい有機溶
媒として、極性の小さい石油系炭化水素溶媒が挙げられ
る。この石油系炭化水素溶媒としては、パラフィン系炭
化水素(iso−パラフィン、n−パラフィン)、芳香
族炭化水素(アルキルベンゼン等)、ナフテン系などが
挙げられる。しかしながら、例えばSi3 4 繊維との
濡れ性の良さ、取扱い性の良さ(水による洗浄可)から
アルコール等の極性溶媒が好ましい場合もある。
【0010】また、上記ゲル化剤は上記溶媒をゲル化し
得る化合物であれば良い。ゲル化の態様も限定されない
が、連続成形性、量産性等を考慮した場合、加熱により
溶媒に溶解し、冷却によりゲル化するゲル化剤を用いる
ことが好ましい。このようなゲル化剤としては、例え
ば、溶媒として水を用いた場合は、寒天、ジェランガ
ム、ゼラチン、カラギーナン等を挙げることができる。
また、溶媒として有機溶媒を用いた場合は、ヒマシ硬化
脂肪酸、ヒマシ硬化油等を挙げることができる。
【0011】さらに、必要に応じて添加される分散剤
は、溶媒中への強化繊維の分散性を向上させる機能を有
する各種の化合物を用いることができる。例えば、溶媒
として水を用いた場合は、ポリカルボン酸塩系やスルホ
ン酸塩系の分散剤を用いることができる。また溶媒とし
て有機溶媒を用いた場合は、ポリエチレングリコール系
や多価アルコール系の分散剤を用いることができる。
【0012】上記課題を解決する請求項3記載の複合材
料用強化材成形体の製造方法は、強化材としての補強繊
維及び/又は補強粒子、第1の溶媒、該第1の溶媒と相
溶しない第2の溶媒、及びゲル化剤を含み、さらに必要
に応じて無機バインダを含むスラリーをゲル化させて該
スラリーに保形性を付与することにより、所定形状の中
間成形体を形成する工程と、該中間成形体を乾燥及び加
熱することにより、該中間成形体から該第1及び第2の
溶媒並びに該ゲル化剤を除去して多孔質の強化材成形体
を形成する工程とからなることを特徴とするものであ
る。
【0013】上記スラリーにおいて、補強繊維及び/又
は補強粒子を良好に分散させるために、必要に応じて分
散剤を添加することが好ましい。上記スラリーを得るに
際しては、スラリー中における補強繊維や補強粒子の分
散性を確保する観点から、補強繊維及び又は補強粒子を
スラリー中で十分に分散させた後に、ゲル化剤を添加し
て、混合させることが好ましい。ゲル化剤を添加、混合
させた後に補強繊維や補強粒子を添加、分散させようと
すると、ゲル化剤の添加によりスラリー粘度が上昇する
ために補強繊維や補強粒子を十分に攪拌、分散させるこ
とができなくなるおそれがあるからである。
【0014】上記第1の溶媒と第2の溶媒とを分散、混
合するに際しては、超音波振動付与手段や高速攪拌手段
を用いることができる。なお、上記第2の溶媒の添加量
は、強化材成形体における所望する気孔率に応じて決定
することができる。さらに、上記強化材成形体の強度を
向上させるために、上記スラリー中にコロイダルシリ
カ、アルミナゾル等の無機バインダを添加することが好
ましい。特に、強化材として補強粒子のみを用いた場合
は、強化材成形体において補強粒子同士の結合力を確保
するために、無機バインダを上記スラリー中に添加する
必要がある。
【0015】上記強化材としての補強粒子は、例えばS
3 4 、ムライト、アルミナ等のセラミックス粒子を
単独であるいは複数種類混合して用いることができる。
上記第1の溶媒及び第2の溶媒としては、前記請求項1
記載の製造方法で用いたものと同様のものを、適宜組み
合わせて用いることができる。第1の溶媒として水を用
いる場合は、第2の溶媒として該水と相溶しない有機溶
媒を用いることができる。逆に第2の溶媒として水を用
いる場合は、第1の溶媒として該水と相溶しない有機溶
媒を用いることができる。
【0016】なお、上記強化材としての補強繊維、上記
ゲル化剤、及び必要に応じて添加される分散剤は、前記
請求項1記載の製造方法で用いたものと同様のものを用
いることができる。また、請求項3記載の製造方法にお
いて、強化材成形体の気孔率を増大させる観点からは、
ゲル化を行う前に、上記スラリーに気体を導入すること
が好ましい。
【0017】上記気体を導入するに際しては、バブリン
グ手段を用いることができ、この際超音波振動付与手段
や高速攪拌手段を併用することが好ましい。
【0018】
【作用】請求項1記載の複合材料用強化材成形体の製造
方法では、補強繊維、溶媒及びゲル化剤を含むスラリー
をゲル化することにより該スラリーに保形性を付与せし
めて所定形状の中間成形体を形成し、これを乾燥及び加
熱することにより溶媒及びゲル化剤を除去して強化材成
形体を得ることができる。
【0019】上記スラリーをゲル化して得た中間成形体
においては、補強繊維の周りを覆った状態で固化された
溶媒及びゲル化剤よりなるゲル状物質により保形性が確
保される。このため、上記スラリーを金型内に注入した
状態でゲル化させることにより、複雑形状部品でも容易
に成形することが可能となる。また、上記スラリーを準
備する際、本発明により製造する強化材成形体における
繊維体積率に応じて補強繊維の配合量を調整することに
より、繊維体積率が一定の強化材成形体を常に得ること
ができる。
【0020】さらに、上記スラリー中に無機バインダを
添加するか、あるいは得られた強化材成形体中に無機バ
インダを含浸させ、その後乾燥させることにより、強化
材成形体の強度を向上させることができる。請求項3記
載の複合材料用強化材成形体の製造方法では、強化材と
しての補強繊維及び/又は補強粒子、第1の溶媒、第2
の溶媒及びゲル化剤を含み、さらに必要に応じて無機バ
インダを含むスラリーをゲル化させて該スラリーに保形
性を付与せしめて所定形状の中間成形体を形成し、該中
間成形体を乾燥及び加熱することにより、第1及び第2
の溶媒並びにゲル化剤を除去して多孔質の強化材成形体
を得ることができる。
【0021】上記スラリーをゲル化して得た中間成形体
においては、補強繊維の周りを覆った状態で固化された
有機溶媒及びゲル化剤よりなるゲル状物質により保形性
が確保される。このため、上記スラリーを金型内に注入
した状態でゲル化させることにより、複雑形状部品でも
容易に成形することが可能となる。また、上記スラリー
を準備する際、本発明により製造する強化材成形体にお
ける繊維体積率に応じて補強繊維の配合量を調整するこ
とにより、繊維体積率が一定の強化材成形体を常に得る
ことができる。
【0022】さらに、上記スラリー中に必要に応じて無
機バインダを添加した場合には、強化材成形体の強度を
向上させることができる。とくに、強化材として補強粒
子のみを用いた場合は、上記スラリー中に無機バインダ
を添加することにより、強化材成形体において該無機バ
インダを介して補強粒子同士を強固に結合することがで
きる。
【0023】そして、請求項3記載の製造方法では、上
記スラリー中に第1の溶媒と該第1の溶媒と相溶しない
第2の溶媒を含んでいる。このため、上記スラリーにお
いて、第1の溶媒に対して第2の溶媒は微粒子状となっ
て、補強繊維及び/又は補強粒子とともに均一分散して
いる。スラリーをゲル化させた中間成形体においても第
2の溶媒は微粒子状となって補強繊維及び/又は補強粒
子間に均一分散して存在しているので、中間成形体を乾
燥及び加熱させた後においては、第2の溶媒が存在して
いた部分が大きな気孔となる。
【0024】したがって、請求項3記載の製造方法によ
れば、第2の溶媒の添加量を制御することにより、気孔
が均一に分散した所望の気孔率の強化材成形体を得るこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を説明す
る。 (実施例1)本実施例1に係る強化材(補強繊維)成形
体の製造方法のフローチャートを図1に示す。
【0026】補強繊維としての平均繊維径:2μm、平
均繊維長:500μmのアルミノシリケート質繊維(イ
ソライト・バブコック耐火株式会社製、商品名:カオウ
ール、47.3wt%Al2 3 、52.3wt%Si
2 、残部不純物)と、分散剤としてのポリカルボン酸
アンモニウム塩系分散剤(SNディスパーサント502
0)と、無機バインダとしてのコロイダルシリカと、溶
媒としての水とを下記配合量で混合し、良く攪拌した。
【0027】 アルミノシリケート質繊維 :50wt% ポリカルボン酸アンモニウム塩系分散剤 :0.1wt% コロイダルシリカ :5wt%(固形分換算) 水 :残部 得られた混合液を50℃に加熱し、該混合液100重量
部に対してゲル化剤としてのゼラチンを20重量部を添
加し、溶融、混合してスラリーを得た。
【0028】上記スラリーを、約20℃に温度調節した
金型のキャビティ(リング形状)内に流し込み、2分間
保持して、中間成形体を形成した。上記中間成形体を脱
型し、これを室温の真空中で水を乾燥した後、500℃
で5時間加熱してゲル化剤及び分散剤を除去し、製品と
しての強化材成形体を形成した。なお、この強化材成形
体における繊維体積率は10vol%であった。
【0029】得られた強化材成形体を600℃で30分
間予熱した後、加圧鋳造金型としてのピストン用金型に
セットした。そして、直ちに約750℃のアルミニウム
溶湯を注湯して約1000kg/cm3 の圧力で加圧鋳
造して、繊維強化複合材料としての耐摩環ピストンを得
た。なお、上記実施例1では、溶媒として水を用いる例
について説明したが、水の代わりに有機溶媒を用いるこ
ともできる。
【0030】また、上記実施例1では、無機バインダを
スラリー中に添加して強化材成形体の強度を向上させる
例について説明したが、無機バインダをスラリーに添加
しない場合においても強化材成形体としての強度が多少
低くなるものの所定形状の繊維成形体よりなる強化材成
形体を形成することが可能である。 (実施例2)本実施例2に係る強化材(補強繊維)成形
体の製造方法のフローチャートを図2に示す。
【0031】補強繊維としての平均繊維径:2μm、平
均繊維長:500μmのアルミノシリケート質繊維(イ
ソライト・バブコック耐火株式会社製、商品名:カオウ
ール、47.3wt%Al2 3 、52.3wt%Si
2 、残部不純物)と、分散剤としてのノニオン系分散
剤(プライサーフ A219B)と、有機溶媒としての
パラフィン系溶媒(イソパラフィン)とを下記配合量で
混合し、良く攪拌した。
【0032】 アルミノシリケート質繊維 :50wt% ノニオン系分散剤 :5wt% 有機溶媒(パラフィン系溶媒) :残部 得られた混合液を80℃に加熱し、該混合液100重量
部に対してゲル化剤としてのヒマシ硬化脂肪酸を10重
量部を添加し、溶融、混合してスラリーを得た。
【0033】上記スラリーを、約40℃に温度調節した
金型のキャビティ(コンロッド形状)内に流し込み、3
分間保持して、中間成形体を形成した。得られた中間成
形体を脱型し、これを約40℃で24時間乾燥して溶媒
を除去した後、500℃で5時間加熱してゲル化剤及び
分散剤を除去し、強化材成形体を形成した。
【0034】次に、無機バインダとしてのコロイダルシ
リカ20%水溶液を準備し、この水溶液中に上記強化材
成形体を5分間浸漬した後、110℃の温度で120分
間乾燥して、製品としての強化材成形体を形成した。な
お、この強化材成形体における繊維体積率は10vol
%であった。得られた強化材成形体を600℃で30分
間予熱した後、加圧鋳造金型としてのコンロッド用金型
にセットした。そして、直ちに約750℃のアルミニウ
ム溶湯を注湯して約1000kg/cm3 の圧力で加圧
鋳造して、繊維強化複合材料としてのコンロッドを得
た。
【0035】なお、上記実施例2では、溶媒として有機
バインダを用いる例について説明したが、有機溶媒の代
わりに水を用いることもできる。また、上記実施例2で
は、中間成形体を加熱乾燥して得た繊維成形体を無機バ
インダのスラリー中に浸漬し、乾燥させて繊維成形体の
強度を向上させる例について説明したが、無機バインダ
を含浸させない場合においても繊維成形体としての強度
が多少低くなるものの所定形状の繊維成形体を形成する
ことが可能である。
【0036】(実施例3)本実施例3に係る強化材(補
強粒子)成形体の製造方法のフローチャートを図3に示
す。補強粒子としての平均粒子径:1μmのセラミック
ス粉末(Al2 3 )と、分散剤としてのポリカルボン
酸アンモニウム塩系分散剤(SNディスパーサント50
20)と、無機バインダとしてのコロイダルシリカと、
第1の溶媒としての水とを下記配合量で混合し、良く攪
拌した。
【0037】 セラミックス粉末 :50wt% ポリカルボン酸アンモニウム塩系分散剤 :0.1wt% コロイダルシリカ :5wt%(固形分換算) 第1の溶媒(水) :残部 得られた混合液を80℃に加熱し、該混合液100重量
部に対してゲル化剤としてのゼラチンを20重量部を添
加し、溶融、混合して第1のスラリーを得た。
【0038】上記第1のスラリーに、第2の溶媒として
のパラフィン系溶媒(イソパラフィン)を添加し、ホモ
ジナイザを用いて5000rpmの条件で高速攪拌し
て、第2のスラリーを得た。なお、第2の溶媒の添加量
は、上記第1の溶媒(水)100重量部に対して、30
重量部とした。上記第2のスラリーを、約20℃に温度
調節した金型のキャビティ(円筒形状)内に流し込み、
3分間保持して、中間成形体を形成した。
【0039】得られた中間成形体を脱型し、これを約2
5℃の真空中で溶媒を乾燥した後、600℃で10時間
加熱してゲル化剤及び分散剤を除去し、強化材成形体を
形成した。なお、この強化材成形体における気孔率は8
vol%であった。得られた強化材成形体を600℃で
30分間予熱した後、加圧鋳造金型としての断熱管用金
型にセットした。そして、直ちに約750℃のアルミニ
ウム溶湯を注湯して約1000kg/cm3 の圧力で加
圧鋳造して、セラミックス粒子強化複合材料としての断
熱管(パイプ)を得た。
【0040】(実施例4)本実施例4に係る強化材(補
強粒子)成形体の製造方法のフローチャートを図4に示
す。補強粒子としての平均粒子径:1μmのセラミック
ス粉末(ムライト)と、分散剤としてのノニオン系分散
剤(プライサーフ A219B)と、無機バインダとし
てのコロイダルシリカと、第1の溶媒としてのパラフィ
ン系溶媒(イソパラフィン)とを下記配合量で混合し、
良く攪拌した。
【0041】 セラミックス粉末 :60wt% ノニオン系分散剤 :0.05wt% コロイダルシリカ :6wt%(固形分換算) 第1の溶媒(パラフィン系溶媒) :残部 得られた混合液を80℃に加熱し、該混合液100重量
部に対してゲル化剤としてのヒマシ硬化油を20重量部
を添加し、溶融、混合して第1のスラリーを得た。
【0042】上記第1のスラリーに、第2の溶媒として
の水を添加し、ホモジナイザを用いて5000rpmの
条件で高速攪拌して、第2のスラリーを得た。なお、第
2の溶媒の添加量は、上記第1の溶媒(パラフィン系溶
媒)100重量部に対して、20重量部とした。上記第
2のスラリーに、バブリングすることにより空気を導入
し、均一、混合した。
【0043】この第2のスラリーを、約45℃に温度調
節した金型のキャビティ(パイプ形状)内に流し込み、
3分間保持して、中間成形体を形成した。得られた中間
成形体を脱型し、これを45℃で24時間乾燥した後、
500℃で10時間加熱してゲル化剤及び分散剤を除去
し、強化材成形体を形成した。なお、この強化材成形体
における気孔率は15vol%であった。
【0044】得られた強化材成形体を600℃で30分
間予熱した後、加圧鋳造金型としてのパイプ用金型にセ
ットした。そして、直ちに約750℃のアルミニウム溶
湯を注湯して約1000kg/cm3 の圧力で加圧鋳造
して、金属粒子強化複合材料としての断熱パイプを得
た。なお、上記実施例3及び実施例4では、強化材とし
て補強粒子のみを用いる例について説明したが、補強粒
子の代わりに補強繊維を用いたり、補強粒子及び補強繊
維の双方を用いたりすることが可能である。
【0045】また上記実施例3及び実施例4で得られた
多孔質の強化材成形体を、1500〜1800℃程度の
温度で2〜10時間程度、焼成することにより多孔質の
セラミックス焼結体を得ることが可能である。この際、
補強材としてセラミックス粒子の代わりに金属粒子を用
いれば、多孔質の金属焼結体を得ることができる。この
ようにして得られた多孔質焼結体は、溶湯配管用内壁
や、自動車用エキゾーストマニホルドの断熱壁等に適用
することが可能である。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の複合
材料用強化材成形体の製造方法では、スラリーのゲル化
を利用して該スラリーに保形性を付与せしめて所定形状
の成形体を得るものであるから、複雑形状の成形体でも
金型の利用により機械加工することなく製造することが
可能となる。このため、機械加工工程を省略できるとと
もに、材料歩留りの低下の防止によりコスト的にも有利
となる。
【0047】また、上記スラリーを準備する際の補強繊
維の配合量により強化材成形体における繊維体積率が決
定されるため、強化材成形体中の繊維体積率を安定に、
かつ、容易に制御することが可能となる。さらに、得ら
れた強化材成形体中に無機バインダを含浸させ、その後
乾燥させれば、強度の向上したした強化材成形体を得る
ことが可能となる。
【0048】請求項3記載の複合材料用強化材成形体の
製造方法においても、請求項1記載の製造方法と同様
に、複雑形状の成形体でも金型の利用により機械加工す
ることなく製造することが可能となり、機械加工工程を
省略できるとともに、材料歩留りの低下の防止によりコ
スト的にも有利となる。また、強化材として補強繊維を
用いる場合も、請求項1記載の製造方法と同様に、強化
材成形体中の繊維体積率を安定に、かつ、容易に制御す
ることが可能となる。
【0049】さらに、第2の溶媒の添加量を制御するこ
とにより、得られる強化材成形体における気孔率を容
易、かつ、安定に、しかも広い範囲に及んで制御するこ
とが可能となる。また、ゲル化を行う前にスラリー中に
気体を導入する場合には、強化材成形体の気孔率をより
増大させることが可能となる。さらにまた、請求項3記
載の製造方法において、補強材としてセラミックス粒子
や金属粒子を用いた場合には、得られた強化材成形体を
所定の条件で焼成することにより、その気孔率を容易
に、かつ、安定に制御することのできる多孔質焼結体を
得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る強化材成形体の製造方
法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の実施例2に係る強化材成形体の製造方
法を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施例3に係る強化材成形体の製造方
法を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施例4に係る強化材成形体の製造方
法を説明するフローチャートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化材としての補強繊維、溶媒及びゲル
    化剤を含み、さらに必要に応じて無機バインダを含むス
    ラリーをゲル化させて該スラリーに保形性を付与するこ
    とにより、所定形状の中間成形体を形成する工程と、 該中間成形体を乾燥及び加熱することにより、該中間成
    形体から該溶媒及びゲル化剤を除去して強化材成形体を
    形成する工程とからなることを特徴とする複合材料用強
    化材成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 強化材としての補強繊維、溶媒及びゲル
    化剤を含むスラリーをゲル化させて該スラリーに保形性
    を付与することにより、所定形状の中間成形体を形成す
    る工程と、 該中間成形体を乾燥及び加熱することにより、該中間成
    形体から該溶媒及び該ゲル化剤を除去して強化材成形体
    を形成する工程と、 該強化材成形体中に無機バインダを含浸させ、乾燥する
    工程とからなることを特徴とする複合材料用強化材成形
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 強化材としての補強繊維及び/又は補強
    粒子、第1の溶媒、該第1の溶媒と相溶しない第2の溶
    媒、及びゲル化剤を含み、さらに必要に応じて無機バイ
    ンダを含むスラリーをゲル化させて該スラリーに保形性
    を付与することにより、所定形状の中間成形体を形成す
    る工程と、 該中間成形体を乾燥及び加熱することにより、該中間成
    形体から該第1及び第2の溶媒並びに該ゲル化剤を除去
    して多孔質の強化材成形体を形成する工程とからなるこ
    とを特徴とする複合材料用強化材成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ゲル化を行う前に、前記スラリーに
    気体を導入することを特徴とする請求項3記載の複合材
    料用強化材成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008120622A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Mitsubishi Materials Corp 発泡速度の速い多孔質セラミックス焼結体製造用混合原料

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