JP4844349B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関、特にディーゼルエンジンの排気中には、煤等の微粒子物質(PM:Particulate Matter)が含まれている。そのため、内燃機関の排気系に排気中
のPMを捕集するパティキュレートフィルタ(以下、フィルタという場合もある)を配置する技術が知られている。ここで、フィルタに捕集されるPMの堆積量が過度に多くなるとフィルタは目詰まりを起こし、この目詰まりが排気抵抗の増加を生じさせ内燃機関の出力低下を生じさせる。そのため、フィルタを昇温させてフィルタに捕集されたPMを酸化除去する、いわゆるPM再生処理を実施することが必要となる。
ここで、フィルタを昇温させるための方法の一例として、内燃機関の排気通路におけるフィルタよりも下流側に排気絞り弁を設け、排気絞り弁の開度を小さくすることによって排気温度を上昇させる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、PM再生処理の終了時期を判断する方法としては、フィルタ前後の差圧からフィルタの圧力損失を求めてPMの堆積量を検出することによる方法が知られている。また、PM再生処理時におけるフィルタの温度や、フィルタに流入する排気の流量(以下、単に「流入排気流量」ともいう。)等に基づいてPMの再生速度を推定し、PM再生処理の終了時期を決定する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
ところで、上記特許文献1に開示されている従来技術のように排気絞り弁の開度を制御してPM再生処理を実施する場合には該排気絞り弁の開度に応じてフィルタ内の圧力の大きさが変化すると考えられる。そして、フィルタ内の圧力の大きさの変化に応じてPMの再生速度も変化する場合があり、該圧力の変化がPMの再生速度に及ぼす影響を考慮しないとPM再生処理が適切な時期に終了されない虞があった。
特開平8−177463号公報 特開2005−90391号公報 特開2004−162633号公報 特開2005−113870号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の排気通路に設けられるフィルタに対するPM再生処理の実施において、PMの再生速度を精度良く推定し、以ってより好適な時期にPM再生処理を終了させることが可能な技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、内燃機関の排気通路に設けられるフィルタに対するPM再生処理の実施において、フィルタ内の圧力に基づいてPMの再生速度を推定するとともに、該PMの再生速度に基づいてPM再生処理の終了時期を決定することを最大の特徴とする。
より詳しくは、一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に設けられるとともに排気中の微粒子物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタを昇温させることによって該フィルタに捕集された微粒子物質を酸化除去するPM再生処理を実施するPM再生手段と、
前記PM再生手段によってPM再生処理が実施されているときにおける前記フィルタ内の圧力を取得するフィルタ圧力取得手段と、
少なくとも前記フィルタ内の圧力に基づいて前記微粒子物質の再生速度を推定する再生速度推定手段と、
前記再生速度に基づいて前記PM再生処理の終了時期を決定する再生終了時期決定手段と、
を備えることを特徴とする。
このように構成された内燃機関の排気浄化システムでは、PM再生処理を実施する必要が生じたときに、前記フィルタの温度を微粒子物質(以下、単に「PM」ともいう。)が酸化(燃焼)可能な温度まで上昇させることによりPMの酸化除去が行われる。ここで、本発明におけるPM再生処理は、前記フィルタに捕集されているPMの堆積量(以下、単に「PM堆積量」ともいう。)が所定堆積量以上になったときに実施されても良く、例えば前記排気通路におけるフィルタ前後の差圧を検出する差圧センサの検出値に基づいて、前記PM再生処理を実施するかどうかを判断しても良い。
なお、所定堆積量とは、前記フィルタに対してPM再生処理が実施されるときのPM堆積量であり、予め実験的に求めておいても良い。そして、所定堆積量は、例えばフィルタに捕集されたPMにより内燃機関の背圧が過度に上昇して出力低下等の不具合が発生する下限のPM堆積量に所定のマージンを見込んだ量としても良い。
そして、本発明ではPM堆積量が充分に減少したときにPM再生処理の実施を終了させる。ところで、PMの酸化に伴ってPM堆積量は経時的に変化するため、前記PM再生処理を適切な時期に終了させるためには、このPM堆積量を精度良く推定する必要がある。そして、前記PMの酸化速度(単位時間当たりのPMの酸化量)を精度良く推定する必要があると考えられる。
ここで、前記PMの酸化速度は、前記PM再生処理が実施されるときのフィルタ内の圧力に応じて変動する場合がある。フィルタ内の圧力が大きいときと小さいときとでは、前記フィルタに流入する排気中に含まれる酸素密度が異なることにより前記フィルタに捕集されるPMと酸素との反応性が異なる場合があるからである。従って、前記フィルタに対するPM再生処理の実施において前記フィルタ内の圧力の大きさを考慮しないと、PMの酸化速度の推定精度が悪化することに起因して前記PM再生処理を適切な時期に終了することができない虞がある。
これに対して、本発明では、前記フィルタ圧力取得手段によって前記フィルタ内の圧力が取得される。そして、前記再生速度推定手段によって前記PMの再生速度が前記フィルタ内の圧力に基づいて推定される。これにより、前記フィルタ内の圧力の大きさに応じて精度良く前記PMの再生速度を推定することができる。
また、本発明においては、前記PMの再生速度に基づいて前記再生終了時期決定手段により前記PM再生処理の終了時期が決定される。例えば、前記PMの再生速度とPMの酸化が行われる期間(以下、単に「PM再生期間」ともいう。)とを乗じることによりPM再生期間におけるPMの酸化量を算出しても良い。そして、該PMの酸化量を前記PM堆積量から減ずることにより、前記フィルタに残留しているPMの残留量を算出し、該PMの残留量が所定残留量以下になったときに、前記PM再生処理を終了するようにしても良い。
これにより、前記フィルタ内の圧力の大きさが相違しても、或いはPM再生処理の実施中にフィルタ内の圧力が変化しても、フィルタ内の圧力の大きさに応じて前記PMの再生速度を推定することが可能となる。これにより、前記PMの再生速度を推定する毎にフィルタに残留しているPMの残留量を精度良く算出することができる。従って、本発明によれば、前記フィルタに対するPM再生処理をより好適な時期に終了させることが可能となる。
なお、上記の所定残留量とは、PM再生処理を終了させるときに前記フィルタに残留しているPMの残留量であり、予め実験的に求めておいても良い。また、所定残留量はPM再生処理の実施を終了した後も当面はフィルタに捕集されるPMにより前記内燃機関の背圧が過度に上昇して、出力低下等の不具合が発生する虞のない上限のPM残留量に所定のマージンを見込んだ量としても良く、充分に少ない量(例えば、略零)としても良い。
また、本発明における前記フィルタ圧力取得手段はPM再生処理中における所定期間毎に前記フィルタ内の圧力を推定しても良い。そして、前記フィルタ圧力取得手段がフィルタ内の圧力を推定する頻度を多くすることにより、前記再生速度推定手段は前記PMの再生速度をより精度良く推定することができる。
また、前記フィルタ圧力取得手段による前記フィルタ内の圧力の取得は、例えば、前記排気通路における前記フィルタの下流側または上流側、或いは上流側と下流側との双方に圧力センサを設け、この圧力センサの検出値に基づいて前記フィルタ内の圧力を推定するようにしても良い。
また、本発明に係るPM再生手段は前記フィルタを昇温させてPMを酸化除去することが可能であれば種々の手段を採用することが可能である。例えば、前記PM再生手段は電気加熱式ヒータを有し、電気加熱式ヒータに通電することによって前記フィルタを昇温させるようにしても良い。また、この電気加熱式ヒータは前記排気通路における前記フィルタよりも上流側に設けられていても良いし、前記フィルタ自体に組み合わされて構成されていても良い。また、電気加熱式ヒータの代わりに燃焼式バーナ等により前記フィルタを加熱することによって昇温させても良い。
また、前記内燃機関における燃焼に用いられる燃料の噴射量を増大させ、前記フィルタに流入する排気の温度を上昇させることにより前記フィルタを昇温させても良い。また、前記内燃機関に吸入される吸気の流量を変更可能な吸気絞り弁を吸気通路に、或いは前記内燃機関から排出される排気の流量を変更可能な排気絞り弁を排気通路に設け、吸気絞り弁あるいは排気絞り弁の開度を減少させることにより前記排気の温度を上昇させることによって、前記フィルタを昇温させても良い。
また、前記フィルタは酸化触媒やNOx触媒等のように酸化能を有する触媒が担持されていても良く、その場合には、例えば、前記排気通路におけるフィルタよりも上流側に設けられる還元剤添加弁や、前記内燃機関の膨張行程や排気行程等に燃料を副噴射する燃料噴射弁によって還元剤(例えば、燃料等)を噴射させ、還元剤が前記フィルタにおいて酸化されるときに発生する反応熱によって前記フィルタを昇温させるようにしても良い。
ここで、前記PM再生処理におけるPMの酸化速度は、前記フィルタ内の圧力が高いほど前記フィルタに流入する排気に含まれる酸素密度は高くなる。従って、前記フィルタ内の圧力が高いほどフィルタに捕集されるPMと酸素とが反応し易くなり、PMの酸化効率が向上すると考えられる。つまり、本発明においては、前記フィルタ内の圧力が高いほど再生速度推定手段によって推定される前記再生速度は速くなる。
そこで、本発明において、前記再生終了時期決定手段は前記フィルタ内の圧力が高いほど前記PM再生処理の終了時期を早くしても良い。つまり、前記フィルタ内の圧力が高いほど前記再生速度が増大するため、前記再生終了時期決定手段はPM再生処理が早期に終了するようにPM再生処理の終了時期を決定しても良い。
これにより、前記フィルタ内の圧力の大きさに応じて前記PM再生処理をより好適な時期に終了することができる。つまり、例えば前記PM残留量が上述した所定残留量よりも多いときにPM再生処理が終了されることに起因して、前記内燃機関の出力低下等の不具合が発生することが抑制できる。あるいは、必要以上に前記PM再生処理が継続されることに起因して、前記PM再生手段によって前記フィルタを昇温させるための熱量が無駄になってしまうことを抑制できる。
また、本発明においては、前記PM再生手段は前記排気通路における前記フィルタよりも下流側に設けられるとともに排気の流量を変更可能な排気絞り弁を更に有し、前記PM再生処理を実施するときに該排気絞り弁の開度を減少させることによって前記フィルタを昇温させても良い。
上記構成のように、排気絞り弁の開度を減少させることにより前記フィルタを通過する排気による熱の持ち去り量を減少させて、前記フィルタの温度を迅速に上昇させる場合には、前記内燃機関の背圧が上昇する。その結果、前記フィルタ内の圧力が上昇し、前記PM再生処理におけるPMの酸化速度が増大すると考えられる。そこで、そのような場合には、前記再生終了時期決定手段は前記排気絞り弁の開度が小さいほど前記PM再生処理の終了時期を早くしても良い。これにより、PM再生処理の効率を向上させるとともに、該PM再生処理を適切な時期に終了することが可能となる。
また、本発明において、PM再生処理の実施において前記排気絞り弁の開度を減少させるか否かの判断は、前記内燃機関の運転状態(例えば、機関回転数および機関負荷)に基づいて行っても良い。例えば、前記内燃機関の機関回転数および機関負荷が比較的大きいとき(高回転かつ高負荷時)に前記排気絞り弁の開度を減少させると、背圧が過度に上昇することに起因して前記内燃機関の運転状態が悪化する虞があるからである。
ここで、前記フィルタに流入する排気に含まれる酸素密度は大気圧の大きさによっても変化する。つまり、大気圧の大きさが異なると前記フィルタ内の圧力に影響を及ぼすため、前記PM再生処理に係るPMの再生速度も変化する場合がある。例えば、前記内燃機関を搭載した車両が平地で走行している場合には、標高の高い場所(例えば、高地)で走行している場合に比べて前記PMの再生速度が早くなる。前者の方が前記排気中に含まれる酸素密度が高くなり、PMと酸素の反応性が向上するからである。
そこで、本発明において、前記フィルタ圧力取得手段は大気圧を取得するようにしても良い。例えば、大気圧を検出する大気圧センサを前記内燃機関に併設し、大気圧センサの検出値に基づいて大気圧を推定しても良い。
そして、前記再生終了時期決定手段は該大気圧が高いほど前記PM再生処理の終了時期を早くしても良い。大気圧が高いほど再生速度推定手段によって推定される前記再生速度は速くなるからである。これにより、大気圧の大きさに応じて前記PM再生処理をより好適な時期に終了することができる。
また、本発明における前記再生速度推定手段は大気圧が高いほど前記微粒子物質の再生速度が速くなるように、該再生速度を推定するようにしても良い。また、前記再生速度推
定手段は、大気圧の大きさに応じた補正係数を取得し、大気圧の大きさを考慮しないで推定される前記再生速度(単に、「基本再生速度」という。)に該補正係数を乗じることにより、大気圧の大きさに基づいた(大気圧の大きさを考慮した)PMの再生速度を算出するようにしても良い。そのような場合には、前記補正係数は大気圧が高いほど大きくなるように決定されても良い。
本発明にあっては、内燃機関の排気通路に設けられるフィルタに対するPM再生処理の実施において、フィルタ内の圧力の大きさに応じてPMの再生速度を精度良く推定することが可能となり、以ってPM再生処理をより好適な時期に終了させることが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
ここでは、本発明を車両駆動用のディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。図1は、本発明に係る内燃機関1と、その吸排気系の概略構成を示す図である。
内燃機関1は車両駆動用のディーゼルエンジンである。内燃機関1には、該内燃機関1に流入する吸気が流通する吸気管2が接続されており、該吸気管2には該吸気管2内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁3が設けられている。また、吸気管2における吸気絞り弁3よりも上流側には吸気管2内を流通する吸気量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ4が配置されている。
また、内燃機関1には、該内燃機関1からの排気が流通する排気管5が接続され、この排気管5は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管5の途中には、排気中の粒子状物質(以下、単に「PM」ともいう。)を捕集するフィルタ10が配置されている。以下、排気管5においてフィルタ10よりも上流側を第1排気管5a、下流側を第2排気管5bという。ここで、本実施例において、第1排気管5a及び第2排気管5bが本発明における排気通路に相当する。また、本発明におけるフィルタ10は排気中のPMを捕集できれば良く、例えばNOx触媒を担持したパティキュレートフィルタとしても良い。
また、第1排気管5aには、通電によって発熱する電熱ヒータ11が設けられている。また、第2排気管5bには、該第2排気管5bを流通する排気の流量を調節する排気絞り弁6が設けられている。さらに、第2排気管5bにおける排気絞り弁6よりも上流側には、フィルタ10の温度を推定するための温度センサ7、フィルタ10内の圧力を推定するための圧力センサ12、フィルタ10前後(上流側と下流側)の差圧を検出する差圧センサ13が設けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1及び吸排気系を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)30が併設されている。こ
のECU30は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するほか、内燃機関1の電気ヒータ11やフィルタ10に係る制御を行うユニットである。
ECU30には、内燃機関1に吸入される吸入空気量を検出するエアフローメータ4や
、回転数を検出するクランクポジションセンサ8、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ9などの内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類のほか、温度センサ7、圧力センサ12、差圧センサ13等が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU30に入力されるようになっている。一方、ECU30には、内燃機関1内の筒内燃料噴射弁(図示省略)、吸気絞り弁3、排気絞り弁6、電熱ヒータ11が電気配線を介して接続されており、ECU30によって制御されるようになっている。
また、ECU30には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。また、フィルタ10に捕集されているPMを酸化除去させるための後述するPM再生終了時期決定ルーチン、PM再生速度補正ルーチンはECU30のROMに記憶されているプログラムの一つである。
<PM再生要求>
次に、本実施例における内燃機関1の排気浄化システムに関し、フィルタ10に捕集されているPMを酸化除去するためのPM再生処理に係る制御について説明する。
本実施例においては、所定のPM再生要求が出されているときにPM再生処理に係る制御が行われる。ここで、PM再生要求はフィルタ10に捕集されているPMの堆積量(以下、単に「PM堆積量」という。)QsがPM再生要求堆積量以上になったときに出されるようにしても良い。具体的には、例えばPM堆積量はフィルタ10前後の差圧(以下、「フィルタ差圧」という。)を検出する差圧センサ13の検出値に基づいてフィルタ差圧ΔPfを取得し、フィルタ差圧ΔPfが予め定められる基準差圧ΔPfb以上のときにPM堆積量がPM再生要求堆積量以上になったと判断し、PM再生要求が出されるようにしても良い。或いは、前回実施されたPM再生処理の終了時からの走行距離の積算値に基づいてPM再生要求が出されるようにしてもよい。
ここでPM再生要求堆積量とは、フィルタ10に対してPM再生要求が出されるときのPM堆積量であり、予め実験的に定められる。そして、PM再生要求堆積量はフィルタ10に捕集されたPMにより内燃機関1の背圧が過度に上昇して、出力低下等の不具合が発生する下限のPM堆積量に一定のマージンを見込んだPM堆積量としても良い。
また、フィルタ差圧ΔPfはフィルタ10に流入する排気の流量(以下、「流入排気流量」ともいう。)Veが多いほど多く検出されると考えられるため、差圧センサ13の検出値およびエアフローメータ4の検出される吸入空気量に基づいてPM堆積量をより精度良く推定するようにしても良い。
<フィルタの昇温制御>
次に、本実施例におけるフィルタ10の昇温制御について説明する。本実施例においては、フィルタ10に対してPM再生要求が出されると、ECU30からの指令によって電熱ヒータ11が通電される。そして、この通電により発生する熱によってフィルタ10の温度(以下、「フィルタ温度」という。)TfをPMが酸化(燃焼)可能な温度(以下、「PM酸化温度」ともいう。)まで上昇させることによりPMの酸化除去が行われる。従って、本実施例においては電熱ヒータ11および電熱ヒータ11に通電させるECU30が本発明におけるPM再生手段に相当する。
また、本実施例におけるフィルタ10の昇温制御が行われるときには、運転状態に応じて排気絞り弁6の開度(以下、「排気絞り開度」という。)TAを所定の閉じ側の開度であ
る所定閉じ側開度TA1に変更させる。これにより、流入排気流量Veが減少することによって排気による熱の持ち去り量を少なくなり、迅速かつ効率よくフィルタ10をPM酸化温度(例えば、500℃乃至700℃)まで昇温させることができる。ここで、所定閉じ側開度TA1とは全閉を含む所定の閉じ側の開度であって、予め実験的に求められる開度である。そして、所定閉じ側開度TA1は、流入排気流量Veを予め定められる所定値以下にすることが可能な排気絞り弁6の開度としても良い。
ここで、上述したように流入排気流量Veを減少させてフィルタ10を昇温させる制御を「排気絞り昇温制御」と称す。本実施例においては、排気絞り昇温制御を実施することが可能か否かは内燃機関1の機関回転数Neと機関負荷TQとに基づいて判定される。図2は、本実施例のPM再生処理における排気絞り昇温制御をすることが可能な運転状態の範囲を例示した図である。図2の横軸は機関回転数Neを表し、縦軸は機関負荷TQを表す。
また、これらの関係が格納されたマップは、予めECU30のROMに記憶されている。さらに、機関回転数Ne、機関負荷TQはそれぞれクランクポジションセンサ8の検出値、アクセルポジションセンサ9により検出されるアクセル開度に基づいて取得しても良い。
ここで、機関回転数Neと機関負荷TQとが大きい場合には(図中A領域)、排気絞り開度TAを所定閉じ側開度TA1に変更すると、背圧が過度に上昇して運転状態の悪化(例えば、内燃機関1のトルク低下、トルク段差等の発生)や内燃機関1の損傷等の不具合が発生する虞があると判断され、排気絞り昇温制御を実施することができないと判定される。一方、機関回転数Neと機関負荷TQとが小さい場合には(図中B領域)、排気絞り開度TAを所定閉じ側開度TA1に変更しても良いと判断され、排気絞り昇温制御を実施することが可能であると判定される。以上のように、本実施例では内燃機関1の運転状態に応じて排気絞り昇温制御を実施するか、或いは流入排気流量Veを減少させずにフィルタ10を昇温させる制御(以下、この昇温制御を「通常昇温制御」という。)を実施するかを選択することができる。
<PM再生終了要求>
次に、本実施例におけるPM再生処理の終了時期について説明する。上述したように、本実施例ではPM堆積量がPM再生要求堆積量以上になったときにPM再生処理が実施され、フィルタ10をPM酸化温度まで昇温させることによりフィルタ10に堆積しているPMの残留量(以下、「PM残留量」という。)Qremが減少してゆく。そして、PM残留量Qremが充分に少ない量まで減少したとき、或いは略零になったときにPM再生処理を終了させる。例えば、PM残留量Qremが再生終了要求残留量Qremb以下になったときに、本実施例におけるPM再生処理要求が出されるようにしても良い。
ここで、再生終了要求残留量Qrembとは、フィルタ10に対してPM再生終了要求が出されるときのPM残留量であり、予め実験的に定められる。そして、再生終了要求残留量QrembはPM再生処理を終了した後も当面はフィルタ10に捕集されるPMにより内燃機関1の背圧が過度に上昇して、出力低下等の不具合が発生する虞が生じない上限のPM残留量に一定のマージンを見込んだPM堆積量としても良いし、略零となるように定めても良い。
そして、PM残留量QremはPM再生速度SとPM再生期間Δtとに基づいて算出される。ここで、PM再生速度Sとは、本実施例におけるフィルタ10に対する昇温制御がなされるときの単位時間当たりのPM酸化量を意味し、PM再生期間ΔtとはPM再生速
度SでPMの酸化除去が実施されるときの経過期間を意味する。
また、具体的には、PM残留量QremはPM再生速度SとPM再生期間Δtとを乗じることによりPM再生期間Δtにおいて酸化されるPMの量(以下、「PM酸化除去量」という。)Qredを算出し、前回算出された(PM再生期間Δtが経過する前)PM残留量Qremから該PM酸化除去量Qredを減ずることによって算出される。
次に、PM再生処理に係るPM再生速度Sについて詳細に説明する。上述したように、本実施例におけるPM再生処理の昇温制御は、排気絞り昇温制御と通常昇温制御のいずれかを内燃機関1の運転状態に応じて選択することができる。そして、排気絞り昇温制御が実施される場合には背圧が高くなるため、通常昇温制御がなされる場合に比べてフィルタ10内の圧力(以下、単に「フィルタ圧力」という。)Pfが高くなる場合がある。
ここで、図3は本実施例におけるPM再生処理に係るフィルタ圧力PfとPM再生速度Sとの関係を例示した図である。図3の横軸はフィルタ圧力Pfを表し、縦軸はPM再生速度Sを表す。フィルタ圧力Pfが高くなると、該フィルタ圧力Pfが低いときに比べて、フィルタ10に流入する排気中に含まれる酸素密度が高くなる。そして、酸素密度が高いほどPMと酸素の反応性が向上するため、PM再生速度Sは速くなると考えられる。
また、PM再生速度Sはフィルタ温度Tfや流入排気流量Veによって異なると考えられる。例えば、フィルタ温度Tfが高いほどPMの酸化反応は促進されるためPM再生速度Sが速くなる場合がある。また、流入排気流量Veが少ないほどフィルタ10を通過する酸素量が減少するため、PM酸化速度Sが遅くなる場合がある。そこで、そのような場合には本実施例では、PM再生速度Sをフィルタ圧力Pf、フィルタ温度Tf、流入排気流量Veに基づいて推定することとした。
ここで、フィルタ圧力Pfは圧力センサ12の検出値に基づいて推定される。従って、本実施例においては、圧力センサ12が本発明におけるフィルタ圧力取得手段に相当する。また、例えば、流入排気流量Veと排気絞り開度TAとフィルタ圧力Pfとの関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU30内に格納しておいても良い。そして、該制御マップに流入排気流量Veと排気絞り開度TAとをパラメータとしてアクセスすることで、フィルタ圧力Pfを導出しても良い。あるいは、機関負荷TQと機関回転数Neとフィルタ圧力Pfとの関係が格納されたマップからフィルタ圧力Pfを読み出すことにより導出するようにしてもよい。なお、その場合にはECU内に格納される上記制御マップが本発明におけるフィルタ圧力取得手段に相当する。
また、本実施例において、フィルタ温度Tfは温度センサ7の検出値に基づいて推定される。また、例えば機関回転数Neと機関負荷TQとフィルタ温度Tfとの関係が格納されたマップからフィルタ温度Tfを読み出すことによりフィルタ温度Tfを導出しても良い。そして、流入排気流量Veはエアフローメータ4の検出値から吸入空気量を取得し、該吸入空気量から流入排気流量Veを推定しても良い。
また、本実施例におけるPM再生速度Sの推定は、フィルタ圧力Pfとフィルタ温度Tfと流入排気流量VeとPM再生速度Sとの関係が格納されたECU30内のマップからPM再生速度Sを読み出すことにより導出しても良い。これにより、精度良くPM再生速度Sを推定することが可能となり、PM酸化除去量Qredを精度良く推定することができる。つまり、本実施例に係るPM再生処理を適切な時期に終了することができる。なお、本実施例においては、ECU30が本発明における再生速度推定手段に相当する。
<PM再生終了時期決定ルーチン>
ここで、図4は本実施例におけるPM再生終了時期決定ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU30内のROMに記憶されたプログラムであり、フィルタ10に対するPM再生処理が実施されているときに所定期間(PM再生期間)Δt毎に実行される。従って、本実施例においては、本ルーチンを実行するECU30が本発明における再生処理終了時期決定手段に相当する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS101においては、フィルタ圧力Pf、フィルタ温度Tf、流入排気流量Veが取得される。そして、ステップS101の処理が終わるとステップS102に進む。
ステップS102においては、ステップS101において取得されたフィルタ圧力Pf、フィルタ温度Tf、流入排気流量Veに基づいてPM再生速度Sが推定される。本実施例においては、フィルタ圧力Pfおよびフィルタ温度Tfが高いほど、流入排気流量Veが多いほどPM再生速度Sが速くなるようにした。そして、ステップS102の処理が終わるとステップS103に進む。
ステップS103においては、PM再生期間ΔtにおけるPM酸化除去量Qredが算出される。具体的には、PM再生速度SにPM再生期間Δtを乗じてPM酸化除去量Qredが算出される(Qred=S×Δt)。そして、ステップS103の処理が終わるとステップS104に進む。
ステップS104においては、PM酸化除去量Qredを積算して、累積PM酸化除去量ΣQredを算出する(ΣQred=ΣQred+Qred)。つまり、本ルーチンを前回実行したときにインプットした累積PM酸化除去量ΣQredを積算カウンタから読み出し、この値にステップS103で算出したPM酸化除去量Qredを和算することによって、現在の累積PM酸化除去量ΣQredを算出する。そして、ステップS104の処理が終わるとステップS105に進む。
ステップS105においては、PM再生処理の実施が開始されたときのPM堆積量Qsから累積PM酸化除去量ΣQredを減算することによって、PM残留量Qremを算出し(Qrem=Qs−ΣQred)、PM残留量Qremが再生終了要求残留量Qremb以下であるか否かが判定される。つまり、本ステップでは、PM再生処理を終了しても良いかどうかが判定される。
そして、PM残留量Qremが再生終了要求残留量Qremb以下であると判定された場合にはPM再生処理を終了しても良いと判断され、ステップS106に進む。一方、PM残留量Qremが再生終了要求残留量Qrembよりも多いと判定された場合にはPM再生処理を終了することができないと判断され、本ルーチンを一旦終了する。つまり、PM再生期間Δtが経過する毎に実行される本ルーチンにおける、ステップ105において算出されたPM残留量Qremが再生終了要求残留量Qremb以下であると判定されるまでフィルタ10に対するPM再生処理が継続される。
ステップS106においては、PM再生処理要求が出されるとともに、ECU30からの指令により電熱ヒータ11への通電が停止される。そして、積算カウンタにインプットされている累積PM酸化除去量ΣQredを0にリセットして、本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本ルーチンによれば、フィルタ圧力Pfの大きさに基づいて精度良くPM再生速度Sを推定することが可能となる。また、PM再生処理中においてフィルタ圧力
Pfが頻繁に変動する場合においても、本ルーチンを所定期間毎(PM再生期間Δt毎)に実行することによって経時的に変化するPM再生速度Sを推定することができる。これにより、フィルタ10に残留しているPM残留量Qremをより一層正確に算出することにより、フィルタ10に対するPM再生処理をより好適な時期に終了させることが可能となる。
また、本実施例においては、フィルタ10を昇温させるために電熱ヒータ11をフィルタ10よりも上流側に配置したが、これに限定されるものではない。例えば、フィルタ10を通電することによって自己発熱することの可能な導電性のフィルタとして、フィルタ自体に通電することによってフィルタ10を昇温させるようにしても良い。また、電熱ヒータ11は酸化機能を有する触媒が担持されている構成(例えば、電気加熱式酸化触媒)であっても良い。また、電気ヒータ11の代わりに燃焼式バーナ等によってフィルタ10を昇温させても良い。
また、内燃機関1内の筒内噴射弁(図示省略)から噴射される燃料の噴射量を増大させ、フィルタ10に流入する排気の温度を上昇させることによりフィルタ10を昇温させても良い。さらに、第1排気管5aに設けられる燃料噴射弁や、内燃機関1の膨張行程や排気行程等に燃料を副噴射する燃料噴射弁によって燃料を噴射させ、この燃料がフィルタ10において酸化するときの反応熱によってフィルタ10を昇温させるようにしても良い。
次に、本発明に係る内燃機関1の排気浄化システムの実施例1とは異なる実施例について説明する。図5は、本実施例における内燃機関1と、その吸排気系の概略構成を示す図である。ここで、実施例1の排気浄化システムと同一又は同等の構成部分については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施例と実施例1に係る排気浄化システムでは以下の点で相違する。即ち、本実施例における内燃機関1には大気圧を検出する大気圧センサ14が併設されており、該大気圧センサ14はECU30に電気配線を介して接続され、大気圧センサ14の出力信号がECU30に入力されるようになっている。
ここで、図6は本実施例におけるPM再生処理に係る大気圧PatmとPM再生速度Sとの関係を例示した図である。図6の横軸は大気圧Patmを表し、縦軸はPM再生速度Sを表す。図示のように大気圧Patmが高いときには、低いときに比べてフィルタ10に流入する排気中に含まれる酸素密度が高くなる。そして、酸素密度が高いほどPMと酸素の反応性が向上するため、大気圧Patmが高いときほどPM再生速度Sは速くなると考えられる。
ここで、大気圧Patmが低いときとは、内燃機関1を搭載した車両が標高の高い場所(例えば、高地)で走行している場合が例示できる。そのような場合には、該車両が平地を走行している場合に比べて大気圧Patmが低くなり、PM再生速度Sが遅くなる。そこで、本実施例では大気圧Patmの大きさを考慮してPM再生処理の終了時期を決定することとした。また、上述した実施例1においてはフィルタ圧力Pfを圧力センサ12の検出値に基づいて推定する実施形態について例示的に説明したが、本実施例に係る制御では流入排気流量Veと排気絞り開度TAとからフィルタ圧力Pfを推定するものとした。
<第2PM再生終了時期決定ルーチン>
ここで、図7は本実施例における第2PM再生終了時期決定ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンもECU30内のROMに記憶されたプログラムであり、フィル
タ10に対するPM再生処理が実施されているときに所定期間(PM再生期間)Δt毎に実行される。なお、本実施例において、本ルーチンを実行するECU30が本発明における再生処理終了時期決定手段に相当する。また、本ルーチンおいて、上述したPM再生終了時期決定ルーチンと同じ用語、記号等についての詳細な説明は省略する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS201においては、フィルタ温度Tf、流入排気流量Ve、排気絞り開度TA、大気圧Patmが取得される。なお、大気圧Patmは大気圧センサ14の検出値に基づいて取得される。そして、ステップS201の処理が終わるとステップS202に進む。
ステップS202においては、フィルタ温度Tf、流入排気流量Ve、排気絞り開度TA、大気圧Patmに基づいてPM再生速度Sが推定される。具体的には、フィルタ温度Tfと流入排気流量Veと排気絞り開度TAと大気圧PatmとPM再生速度Sとの関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU30内に格納しておいても良い。そして、該制御マップにフィルタ温度Tfと流入排気流量Veと排気絞り開度TAと大気圧Patmとをパラメータとしてアクセスすることで、PM再生速度Sを導出しても良い。そして、ステップS202の処理が終わるとステップS103に進む。
ここで、ステップS103以降の各処理は上述したPM再生終了時期決定ルーチンにおいて対応するステップの処理と同様であり、説明を省略する。
以上のように、本ルーチンによれば、再生速度Sを圧力センサ12による検出値によらず、流入排気流量Ve、排気絞り開度TA等に基づいて推定することができる。また、大気圧Patmの大きさに基づいてPM再生速度Sをより精度良く推定することが可能となる。つまり、フィルタ10に対するPM再生処理をより好適な時期に終了させることが可能となる。
次に、本発明に係る内燃機関1の排気浄化システムの実施例1および実施例2とは異なる実施例について説明する。図8は、本実施例における内燃機関1、その吸排気系の概略構成を示す図である。ここで、実施例1の排気浄化システムと同一又は同等の構成部分については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施例と実施例1および実施例2に係る排気浄化システムでは内燃機関1に排気絞り弁6を備えていない点で相違する。即ち、本実施例のPM再生処理に係るフィルタ10の昇温制御は上述した通常昇温制御が実施される。以下、本実施例に係るPM再生処理に係る制御について説明する。
<第3PM再生終了時期決定ルーチン>
ここで、図9は本実施例における第3PM再生終了時期決定ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンもECU30内のROMに記憶されたプログラムであり、フィルタ10に対するPM再生処理が実施されているときに所定期間(PM再生期間)Δt毎に実行される。なお、本実施例においても、本ルーチンを実行するECU30が本発明における再生処理終了時期決定手段に相当する。また、本ルーチンおいて、上述したPM再生終了時期決定ルーチンと同じ用語、記号等についての詳細な説明は省略する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS301においては、フィルタ温度Tf、機関回転数Ne、機関負荷TQ、大気圧Patmが取得される。なお、大気圧Patmは大気圧センサ14の検出値に基づいて取得される。ここで、機関回転数Ne、機関負荷TQ
はそれぞれクランクポジションセンサ8の検出値、アクセルポジションセンサ9により検出されるアクセル開度に基づいて推定される。また、フィルタ温度Tf、大気圧Patmはそれぞれ温度センサ7、大気圧センサ14の検出値に基づいて推定される。そして、ステップS301の処理が終わるとステップS302に進む。
ステップS302においては、PM再生速度Sが推定される。具体的には、フィルタ温度Tfと機関回転数Neと機関負荷TQと大気圧PatmとPM再生速度Sとの関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU30内に格納しておいても良い。そして、該制御マップにフィルタ温度Tfと機関回転数Neと機関負荷TQと大気圧Patmとをパラメータとしてアクセスすることで、PM再生速度Sを導出しても良い。なお、その場合にはECU内に格納される上記制御マップが本発明におけるフィルタ圧力取得手段に相当する。そして、ステップS302の処理が終わるとステップS103に進む。
ここで、ステップS103以降の各処理は上述したPM再生終了時期決定ルーチンにおいて対応するステップの処理と同様であり、説明を省略する。
以上のように、本ルーチンによれば、大気圧Patmの大きさに基づいてPM再生速度Sをより精度良く推定し、フィルタ10に対するPM再生処理を最適な
時期に終了させることが可能となる。
<PM再生速度補正制御>
上述した第3PM再生終了時期決定ルーチンでは、内燃機関1の運転状態(機関回転数Ne、機関負荷TQ等)と大気圧Patmとの関係からPM再生処理に係るPM再生速度Sを推定する制御について説明したが、次に本実施例に係るPM再生速度Sの推定に関する変形実施例について説明する。
本変形実施例では、大気圧Patmの大きさを考慮しないPM再生速度SであるベースPM再生速度Sbを推定し、大気圧Patmの大きさに応じた補正係数(以下、再生速度補正係数)KsによってベースPM再生速度Sbを補正することによって補正PM再生速度Skを算出する。
以下、本実施例におけるPM再生処理に係るPM再生速度補正制御について説明する。図10は本実施例におけるPM再生処理に係る大気圧Patmと速度補正係数Ksとの関係を例示した図である。図7の横軸は大気圧Patmを表し、縦軸は再生速度補正係数Ksを表す。PM再生速度補正制御では図示のような関係が格納されたマップから速度補正係数Ksを読み出すことによって速度補正係数Ksが導出される。これにより、大気圧Patmが相違する場合においても該大気圧Patmに応じて精度良く補正PM再生速度Skを推定することが可能となる。
<PM再生速度補正ルーチン>
図11は本実施例におけるPM再生速度補正ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンもECU30内のROMに記憶されたプログラムであり、フィルタ10に対するPM再生処理が実施されているときに所定期間(PM再生期間)Δt毎に実行される。なお、本実施例においても、本ルーチンを実行するECU30が本発明における再生処理終了時期決定手段に相当する。また、本ルーチンおいて、上述したPM再生終了時期決定ルーチンと同じ用語、記号等についての詳細な説明は省略する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS401においては、フィルタ温度Tf、機関回転数Ne、機関負荷TQが取得される。そして、ステップS401の処理が終わるとステップS402に進む。
ステップS402においては、ベースPM再生速度Sbが推定される。具体的には、フィルタ温度Tfと機関回転数Neと機関負荷TQとベースPM再生速度Sbとの関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU30内に格納しておいても良い。そして、該制御マップにフィルタ温度Tfと機関回転数Neと機関負荷TQとをパラメータとしてアクセスすることで、ベースPM再生速度Sbを導出しても良い。そして、ステップS402の処理が終わるとステップS403に進む。
ステップS403においては、大気圧センサ14の検出値に基づいて大気圧Patmが取得される。そして、ステップS403の処理が終わるとステップS404に進む。
ステップS404においては、大気圧Patmと再生速度補正係数Ksとの関係が格納されたマップから再生速度補正係数Ksを読み出すことによって速度補正係数Ksが導出される。そして、ステップS404の処理が終わるとステップS405に進む。
ステップS405においては、ステップS402において推定されたベースPM再生速度Sbに、再生速度補正係数Ksを乗じることによって補正PM再生速度Skが算出される。本実施例においては、大気圧Patmが高いほど再生速度補正係数Ksが大きくなるようにした。そして、ステップS405の処理が終わるとステップS103に進む。
ここで、ステップS103以降の各処理は上述したPM再生終了時期決定ルーチンにおいて対応するステップの処理と同様であり、説明を省略する。また、ステップS103における「PM再生速度S」は「補正PM再生速度Sk」に読み替えるものとする。
以上のように、本ルーチンによれば、大気圧Patmの大きさに応じた再生速度補正係数KsをベースPM再生速度Sbに乗じることによって補正PM再生速度Skを精度良く算出することができる。これにより、フィルタ10に残留しているPM残留量Qremをより一層正確に算出することが可能となり、フィルタ10に対するPM再生処理をより好適な時期に終了させることが可能となる。
本発明に係る内燃機関と、その吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。 実施例1のPM再生処理における排気絞り昇温制御をすることが可能な運転状態の範囲を例示した図である。 実施例1におけるPM再生処理に係るフィルタ圧力PfとPM再生速度Sとの関係を例示した図である。 実施例1におけるPM再生終了時期決定ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2における内燃機関と、その吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。 実施例2におけるPM再生処理に係る大気圧PatmとPM再生速度Sとの関係を例示した図である。 実施例2における第2PM再生終了時期決定ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3における内燃機関と、その吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。 実施例3における第3PM再生終了時期決定ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3におけるPM再生処理に係る大気圧Patmと速度補正係数Ksとの関係を例示した図である。 実施例3におけるPM再生速度補正ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・吸気管
3・・・吸気絞り弁
4・・・エアフローメータ
5・・・排気管
5a・・第1排気管
5b・・第2排気管
6・・・排気絞り弁
7・・・温度センサ
8・・・クランクポジションセンサ
9・・・アクセルポジションセンサ
10・・フィルタ
11・・電熱ヒータ
12・・圧力センサ
13・・差圧センサ
14・・大気圧センサ
30・・ECU

Claims (4)

  1. 一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
    前記排気通路に設けられるとともに排気中の微粒子物質を捕集するフィルタと、
    前記フィルタを昇温させることによって該フィルタに捕集された微粒子物質を酸化除去するPM再生処理を実施するPM再生手段と、
    前記PM再生手段によってPM再生処理が実施されているときにおける前記フィルタ内の圧力を取得するフィルタ圧力取得手段と、
    少なくとも前記フィルタ内の圧力に基づいて前記微粒子物質の再生速度を推定する再生速度推定手段と、
    前記再生速度に基づいて前記PM再生処理の終了時期を決定する再生終了時期決定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記再生終了時期決定手段は前記フィルタ内の圧力が高いほど前記PM再生処理の終了時期を早くすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記PM再生手段は前記排気通路における前記フィルタよりも下流側に設けられるとともに排気の流量を変更可能な排気絞り弁を更に有し、前記PM再生処理を実施するときに該排気絞り弁の開度を減少させることによって前記フィルタを昇温させ、
    前記再生終了時期決定手段は前記排気絞り弁の開度が小さいほど前記PM再生処理の終了時期を早くすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記フィルタ圧力取得手段は大気圧を取得するとともに、前記再生終了時期決定手段は該大気圧が高いほど前記PM再生処理の終了時期を早くすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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