JP4843851B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と酸素との化学反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池からなる燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポータブル発電器等の移動体に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
例えば電気自動車に搭載される燃料電池システムでは、燃料電池が車両走行に必要な電力を発電するための水素量および酸素量(空気量)を導出し、これらのガスを燃料電池に供給している。
【0003】
発電時における燃料電池の内部抵抗は、燃料電池内部の電解質膜の湿潤度に影響することが知られており、充分な湿潤が得られず電解質膜が乾燥した場合には、内部抵抗が大きくなり燃料電池内における電力損失が増大する。このため、効率のよい電力供給を行うためには、水素および空気を加湿した状態で供給し、燃料電池内部の湿潤を保つ必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現状では燃料電池に供給される水素および空気に対する加湿量の制御は行われていない。このため、経時的に変化する負荷に対して、燃料電池内部の水分が不足あるいは過剰となる場合がある。
【0005】
図12は燃料電池に対する負荷、セル電圧、平均電流密度、供給される空気の湿度の関係を示しており、負荷が急激に増大した場合に、燃料電池内部の水分量が不足していると燃料電池の出力が低下する。このように、水分が不足した場合には、内部抵抗が増大して燃料電池の出力および発電効率が低下するという問題がある。
【0006】
また、水分が過剰である場合には、燃料電池内部において凝縮した水がガス流路を塞いでしまい、発電のためのガスが充分行き渡らずに燃料電池の出力が低下したり、低温時において凝縮した水が凍結することで発電ができず起動が困難になるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、燃料電池内部の水分状態を最適に保ち、高効率な発電を可能とする燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、水素と酸素とを電気化学反応させて電気エネルギを発生させる燃料電池(10)を備える燃料電池システムであって、燃料電池(10)に供給される水素および酸素のうち少なくとも酸素を加湿する加湿手段(22、24)と、燃料電池(10)の出力電圧値および出力電流値を検出する電圧電流検出手段(13)と、燃料電池(10)に対する要求電力量(Pr)と、電圧電流検出手段(13)にて検出した出力電圧値および出力電流値から求められる燃料電池(10)の内部抵抗値(Rp)とに基づいて、燃料電池(10)に供給される酸素の加湿度を制御する制御部(40)とを備え、制御部(40)は、燃料電池(10)に供給される酸素の加湿度が目標加湿度になるように加湿量制御を行うものであり、要求電力量(Pr)における燃料電池(10)の内部抵抗理論値(Rr)に対する内部抵抗値(Rp)の比が所定値を超えている場合に、目標加湿度を所定値増加させることを特徴としている。
【0009】
このように、燃料電池(10)に対する要求電力量(Pr)と、燃料電池(10)の内部抵抗値(Rp)に基づいて酸素の加湿度を制御することにより、燃料電池(10)内部の電解質膜の湿潤度を最適状態に保つことができる。なお、本明細書中においては、「酸素」は酸素ガス単独のみならず、酸素ガスを含んでいる空気を含む。
【0010】
また、燃料電池(10)の内部抵抗値が大きい場合には、燃料電池内の水分が不足していると推定できるため、請求項1に記載の発明では、要求電力量(Pr)における燃料電池(10)の内部抵抗理論値(Rr)に対する内部抵抗値(Rp)の比が所定値を超えている場合に、目標加湿度を所定値増加させている。
【0012】
また、請求項2に記載の発明では、制御部(40)は、目標加湿度の初期値を設定し、内部抵抗理論値(Rr)に対する内部抵抗値(Rp)の比が所定値を超えている場合に、目標加湿度を初期値に対して所定値増加させるとともに、燃料電池(10)が要求電力量(Pr)を出力するために必要とされる燃料電池(10)の電流密度が所定電流密度を超えている場合には、電流密度が所定電流密度を超えていない場合に比較して、目標加湿度の初期値を高く設定することを特徴としている。
【0013】
このように、空気目標加湿度の初期値を、低負荷時には低く設定し、高負荷時には高く設定することで、空気目標加湿度をより速く適切な値にすることができる。なお、燃料電池(10)の電流密度に代えて、燃料電池に対する要求電力量に基づいて目標加湿度の初期値を設定してもよい。
【0014】
また、加湿手段は、請求項3に記載の発明のように、タンク内に貯蔵された水にガスを通過させるバブリング式の加湿装置(22)を用いることができ、あるいは、請求項4に記載の発明のように、燃料電池(10)に供給される酸素に水を噴射するインジェクタ式の加湿装置(24)を用いることができる。
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。本第1実施形態は、燃料電池システムを燃料電池を電源として走行する電気自動車(燃料電池車両)に適用したものである。
【0017】
図1は、実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池(FCスタック)10を備えている。本第1実施形態ではFCスタック10として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となるセルが複数積層されて構成されている。各セルは、電解質膜が一対の電極で挟まれた構成となっている。
【0018】
FCスタック10では、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。
(負極側)H2→2H++2e-
(正極側)2H++1/2O2 +2e-→H2O
FCスタック10は、インバータ11や図示しない2次電池等の電気機器に電力を供給するように構成されている。インバータ11は、FCスタック10から供給された直流電流を交流電流に変換して走行用モータ(負荷)12に供給し、モータ12を駆動している。図2は燃料電池システムにおけるFCスタック10の電圧電流検出部の拡大図であり、図2に示すようにFCスタック10には、FCスタック10の出力電圧値および出力電流値を検出する電圧電流検出部13が設けられている。
【0019】
図3は、燃料電池システムにおけるガス供給部の拡大図である。図3に示すように、燃料電池システムには、FCスタック10の酸素極(正極)側に空気(酸素)を供給するための空気経路20と、FCスタック10の水素極(負極)側に水素を供給するための水素経路30が設けられている。空気経路20には空気供給装置21が設けられ、水素経路30には水素供給装置31が設けられている。空気供給装置21としては、例えば空気圧送用の送風機(ガス圧縮機)を用いることができ、水素供給装置31としては、例えば水蒸気改質装置を用いることができる。
【0020】
発電時における電気化学反応のために、FCスタック10内の電解質膜を水分を含んだ湿潤状態にしておく必要がある。このため、空気経路20には空気に加湿を行うための加湿装置22が設けられている。同様に、水素経路30には水素に加湿を行うための加湿装置32が設けられている。図3に示すように、本第1実施形態では、加湿装置22、32には、タンク内の水にガスを通過させて加湿するバブリング方式の加湿装置を用いている。
【0021】
これらの加湿装置22、32により、空気経路20を通過する空気および水素経路30を通過する水素に加湿が行われ、FCスタック10には加湿された空気および水素が供給される。これにより、FCスタック10内部は湿潤状態で作動することとなる。
【0022】
本第1実施形態の燃料電池システムでは、図3に示すように、空気経路20および水素経路30には、それぞれ加湿装置22、32のバイパス経路20a、30aが設けられている。それぞれのガス経路20、30とバイパス経路20a、30aとの分岐点には、流路切替弁23、33が設けられている。流路切替弁23、33は、バルブオンでガスを加湿装置21、31側に流し、バルブオフでガスをバイパス通路20a、30a側に流すように構成されている。
【0023】
ここで、加湿装置22、32による空気あるいは水素への加湿量制御について説明する。FCスタック10に供給されるガスの加湿量制御は、流路切替弁23、33をデューティ比制御し、ガスが加湿装置22、32とバイパス通路20a、30aとを通過する時間割合を制御することで行う。
【0024】
図4は加湿装置22、32の制御説明図である。図4(a)は目標加湿度Hr(%RH:相対湿度)とバルブオンデューティDt(%)との関係を予め設定したマップであり、図4(b)はバルブ動作周期Tp(秒)とバルブオン時間Ton(秒)との関係を示している。バルブオンデューティDtは、バルブ動作周期Tpにおけるバルブオン時間Tonの割合である。図4(a)のマップは加湿装置22、32の種類等に従って適宜設定されるものである。バルブ動作周期Tpは任意に設定でき、本実施形態ではTp=5秒としている。
【0025】
図4(a)のマップから目標加湿度に基づいてバルブオンデューティDtを求め、バルブ動作周期Tpに対するバルブオン時間TonをTon=Tp×Dt/100(秒)で求める。
【0026】
図5はFCスタック10内部における水分の移動状態を示している。図5に示すように、FCスタック10内部では、空気極10c側の水分が電解質膜10b中を空気極10c側から水素極10a側に拡散する。この水分拡散により、電解質膜10bの伝導率がある程度大きく保たれることとなる。
【0027】
図6は、空気湿度が100%RHの場合における、水素湿度(%RH)、電流密度(A/cm2)、単セル電圧(V)の関係を示している。図6より、電流密度とセル電圧の関係は、水素湿度の変化にほとんど影響を受けないことが分かる。
【0028】
従って、本第1実施形態の燃料電池システムでは、水素の加湿量を極力低減し、主に空気の加湿量を制御することで、FCスタック10内部の湿度制御を行っている。
【0029】
本実施形態の燃料電池システムには各種制御を行う制御部(ECU)40が設けられている。制御部40には、ガスの目標加湿度を演算する目標値演算部41と、目標加湿度に基づいてガス加湿量を制御する加湿量制御部42を備えている。制御部40には、負荷11からの要求電力信号、電圧電流検出部13からの電圧値および電流値等が入力される。また、制御部50は、インバータ11、ガス供給装置21、31、流路切替弁23、33等に制御信号を出力するように構成されている。
【0030】
次に、上記構成の燃料電池システムの作動を図7に基づいて説明する。図7は本実施形態の燃料電池システムの作動を示すフローチャートである。なお、制御周期は数ミリ秒〜数十ミリ秒とする。
【0031】
まず、水素の目標湿度Hhを設定し(ステップS10)、空気の目標湿度基本値Hboを設定する(ステップS11)。水素目標湿度Hhを例えば20%RHに設定し、空気目標湿度基本値Hboを例えば30%RHに設定する。空気目標湿度補正値Hfboの初期値を0に設定する(ステップS12)。
【0032】
次に、アクセル開度、車速、ブレーキ等の信号に基づいて、車両走行に必要とされる要求電力Prを検出する(ステップS13)。現在の要求電力Pr(t)と前回制御時の要求電力Pr(t−1)との差ΔPrを算出し(ステップS14)、要求電力の変化量ΔPrが所定値α(例えば5kW)を超えているか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、FCスタック10に対する負荷変動が急激な増大であるか否かを判定する。
【0033】
この結果、要求電力の変化量ΔPrが所定値αを超えている場合には、まず、電圧電流検出部13によりFCスタック10の現在の出力電圧値Vpおよび出力電流値Ipを検出し(ステップS16)、FCスタック10の現在の内部抵抗値Rpを、Rp=Vp/Ipで算出する(ステップS17)。
【0034】
次に、上記ステップS13で検出した要求電力PrにおけるFCスタック10の内部抵抗基準値Rrを求める(ステップS18)。図8は、要求電力PrとFCスタック10の内部抵抗値Rrとの関係を予め設定したマップである。図8に示すマップから、FCスタック10が要求電力Prを出力した場合の内部抵抗基準値Rrを求める。
【0035】
次に、現在の内部抵抗値Rpの要求電力Prにおける内部抵抗基準値Rrに対する比が所定値β(例えば110%)を超えているか否か、Rp/Rr≧βであるか否かを判定する(ステップS19)。すなわち、要求電力量Prに対する内部抵抗理論値である内部抵抗基準値Rrに対して、実際の内部抵抗値Rpが大きすぎないか否かを判定する。
【0036】
この結果、内部抵抗基準値Rrに対して実際の内部抵抗値Rpが所定値以上大きい場合には、FCスタック10内の水分量が不足していると推定されるので、空気目標湿度補正値Hfboを所定値γ(例えば1%RH)だけ増加させる(ステップS20)。
【0037】
一方、内部抵抗基準値Rrに対して現在の内部抵抗値Rpが所定値より小さい場合には、FCスタック10内の水分量は不足していないと推定されるので、空気目標湿度補正値Hfboを所定値γだけ減少させる(ステップS21)。また、上記ステップS15で要求電力の変化量ΔPrが所定値αを超えていない場合にも、同様に空気目標湿度補正値Hfboを所定値γだけ減少させる。これにより、ステップS20で増加させる空気加湿量が無限に増大するのを防止することができる。
【0038】
次に、最終的な空気目標湿度Hoを、空気目標湿度基本値Hboと空気目標湿度補正値Hfboとの和から求める(ステップS22)。この空気目標湿度Hoに上下限値を設定する(ステップS23)。すなわち、空気目標湿度Hoが0%RHより小さい場合には0%RHに設定し、100%RHより大きい場合には100%RHに設定する。
【0039】
次に、空気目標湿度Hoおよび水素目標湿度Hhに基づいて、加湿装置22、32により空気あるいは水素の加湿制御を行う(ステップS24)。加湿制御は、上述したように、流路切替弁23、33を用いたデューティ比制御により、FCスタック10に供給される空気および水素の加湿度が、空気目標湿度Hoおよび水素目標湿度Hhとなるように行われる。以下、上記ステップS13〜S24の制御ループを繰り返し行う。
【0040】
以上のように、負荷の状態に応じて内部抵抗値を推定し、この内部抵抗値に基づいてガスの加湿量を制御することで、FCスタック10内部の水分状態を常に最適にすることが可能となる。これにより高効率な発電が可能となる。また、燃料電池内部の水分量を少なくできるので、低温時における燃料電池の起動性も向上させることができる。
【0041】
なお、水素目標湿度Hh、空気目標湿度基本値Hboおよび所定値α、β、γは、燃料電池の種類等に応じて任意に設定できる値である。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図9に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態に比較して、水素経路30に設けられていた加湿装置32を省略した点が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図9は、本第2実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。上記第1実施形態で図5、図6に基づいて説明したように、燃料電池の出力は供給水素の湿度にほとんど影響を受けない。このため、図9に示すように本第2実施形態の燃料電池システムでは、水素経路30には加湿装置を設けず、空気経路20にのみ加湿装置22を設け、供給空気の加湿量を制御することでFCスタック10内部の湿度制御を行っている。
【0044】
このような構成によっても、FCスタック10内部では空気極側の水分が電解質膜中を水素極側に拡散するため、電解質膜の伝導率がある程度大きく保たれる。従って、本第2実施形態の構成によっても、上記第1実施形態の燃料電池システムと同様の効果を得ることができる。また、本第2実施形態の構成によれば、システムの簡略化を図ることができる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図10に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態に比較して、空気目標湿度基本値Hboの設定方法が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
図10は空気目標湿度基本値Hboの設定手順を示すフローチャートであり、上記第1実施形態で説明した図7のステップS11に対応している。以下、図10に基づいて、本第3実施形態における空気目標湿度基本値Hboの設定方法を説明する。
【0047】
まず、アクセル開度、アクセル開度、車速、ブレーキ等の信号に基づいて、車両走行に必要とされる要求電力量Prを検出する(ステップS110)。次に、FCスタック10が要求電力量Prを出力するために必要な電流密度Irを算出する(ステップS111)。要求電力量Prに対する必要電流密度Irは、インバータ11の種類によって一義的に定まる。
【0048】
次に、必要電流密度Irが所定電流密度を超えているか否か、すなわちFCスタック10に対する負荷が高負荷であるか低負荷であるかを判定する(ステップS112)。高負荷であるか低負荷であるかの基準値である所定電流密度は、燃料電池の種類等に応じて任意に設定できる値であり、例えば図12に示すように0.3A/cm2と設定することができる。
【0049】
この結果、必要電流密度Irが所定値を超えている場合には、空気目標湿度基本値Hboを例えば80〜100%RHに設定する(ステップS113)。一方、必要電流密度Irが所定値を超えていない場合には、空気目標湿度基本値Hboを例えば20〜30%RHに設定する(ステップS114)。これらの値も、燃料電池の種類等に応じて任意に設定できる値である。
【0050】
このように、空気目標湿度Hoの初期値を、低負荷時には低く設定し、高負荷時には高く設定することで、空気目標加湿度Hoをより速く適切な値にすることができる。
【0051】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図11に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態に比較して、加湿装置22、32の構成が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
図11は、本第4実施形態の燃料電池システムの概略図である。上記第1実施形態と同様の部分は適宜図示を省略している。
【0053】
図11に示すように本第4実施形態では、インジェクタ式のガス加湿装置24、34が設けられている。インジェクタ式加湿装置24、34は、純粋タンク14から純水が供給され、制御部40からの制御信号に基づいてガス通路20、30内に水を噴射し、ガスに加湿するように構成されている。インジェクタ式加湿装置24、34では、空気目標湿度Hoおよび水素目標湿度Hhに基づいて水分噴射量が制御される。
【0054】
このようなインジェクタ式加湿装置24、34を用いることで、より応答性がよく、かつ高精度な加湿制御を行うことが可能となる。
【0055】
(他の実施形態)
なお、上記第1〜第3実施形態では、バブリング式加湿装置22、32にバイパス通路20a、30aを設けてデューティ比制御することで加湿度制御を行ったが、これに限らず、例えば加湿されたガスの温度を調整することによっても湿度制御を行うことができる。具体的には、ガス温度を上げることによって湿度を低くすることができ、ガス温度を下げることによって湿度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上記第1実施形態の燃料電池システムの概念図である。
【図2】図1の燃料電池の拡大概念図である。
【図3】図1の加湿装置の拡大概念図である。
【図4】加湿器の加湿制御を示す特性図である。
【図5】燃料電池内部における水分の移動状態を示す概念図である。
【図6】水素湿度、空気湿度、セル電圧、電流密度の関係を示す特性図である。
【図7】上記第1実施形態の燃料電池システムの加湿制御を示すフローチャートである。
【図8】要求電力と内部抵抗との関係を示す特性図である。
【図9】上記第2実施形態の燃料電池システムの概念図である。
【図10】上記第3実施形態の燃料電池システムのフローチャートである。
【図11】上記第4実施形態の燃料電池システムの概念図である。
【図12】燃料電池に対する負荷、セル電圧、平均電流密度、供給される空気の湿度の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10…燃料電池(FCスタック)、13…電圧電流検出部、20、30…ガス経路、21、31…ガス供給装置、22、32…加湿装置、40…制御部。
Claims (4)
- 水素と酸素とを電気化学反応させて電気エネルギを発生させる燃料電池(10)を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池(10)に供給される水素および酸素のうち少なくとも酸素を加湿する加湿手段(22、24)と、
前記燃料電池(10)の出力電圧値および出力電流値を検出する電圧電流検出手段(13)と、
前記燃料電池(10)に対する要求電力量(Pr)と、前記電圧電流検出手段(13)にて検出した前記出力電圧値および前記出力電流値から求められる前記燃料電池(10)の内部抵抗値(Rp)とに基づいて、前記燃料電池(10)に供給される酸素の加湿度を制御する制御部(40)とを備え、
前記制御部(40)は、前記燃料電池(10)に供給される酸素の加湿度が目標加湿度になるように加湿量制御を行うものであり、前記要求電力量(Pr)における前記燃料電池(10)の内部抵抗理論値(Rr)に対する前記内部抵抗値(Rp)の比が所定値を超えている場合に、前記目標加湿度を所定値増加させることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御部(40)は、前記目標加湿度の初期値を設定し、前記内部抵抗理論値(Rr)に対する前記内部抵抗値(Rp)の比が所定値を超えている場合に、前記目標加湿度を前記初期値に対して所定値増加させるとともに、前記燃料電池(10)が前記要求電力量(Pr)を出力するために必要とされる前記燃料電池(10)の電流密度が所定電流密度を超えている場合には、前記電流密度が所定電流密度を超えていない場合に比較して、前記目標加湿度の前記初期値を高く設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記加湿手段はタンク内に貯蔵された水にガスを通過させるバブリング式の加湿装置(22)であって、前記加湿装置(22)は前記燃料電池(10)に供給される酸素が前記加湿装置をバイパスできるバイパス経路(20a)を備えており、
前記制御部(40)は、前記酸素が前記加湿装置(22)を通過する時間と前記バイパス経路(20a)を通過する時間との割合を制御して、前記酸素の加湿度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。 - 前記加湿手段は、前記燃料電池(10)に供給される酸素に水を噴射するインジェクタ式の加湿装置(24)であって、
前記制御部(40)は、前記加湿装置(24)の水分噴射量を制御して、前記酸素の加湿度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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