JP4843397B2 - 受信装置 - Google Patents
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これらのような受信装置における利得制御が、さらに効果的に行われるようになると、受信可能な信号のダイナミックレンジが拡大して、好ましい結果が得られる。
上記目的を達成するために、本発明にかかる受信装置は、第1の利得制御データに従って、受信データを含むアナログ形式の受信信号に対する利得制御を行う第1の利得制御手段と、第2の利得制御データに従って、前記利得制御された受信信号を復調して得られるデジタル形式の受信データに対する利得制御を行う第2の利得制御手段と、前記受信データの強度を示す強度データを生成し、その平均値を算出する1つ以上の強度データ平均値算出手段と、前記1つ以上の強度データ平均値算出手段が算出した1つ以上の前記強度データの平均値から、総平均値および最小の平均化値を算出し、前記総平均値および前記最小の平均値のいずれかを選択して出力するデータ選択手段と、前記選択されたデータを用いて、前記第1の利得制御データを生成する第1の利得算出手段と、前記選択されたデータを用いて、前記第2の利得制御データを生成する第2の利得算出手段とを有する。
本発明の理解を助けるために、まず、本発明がなされるに至った背景を説明する。
図1は、第1の受信装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、第1の受信装置1は、アナログ信号処理部10、アナログ−デジタルコンバータ(A/Dコンバータ)12およびデジタル信号処理部14−1〜14−nを含む。
さらに、デジタル信号処理部14−1〜14−nは、直交検波部(Q−DET)140―1〜140−n、ベースバンドフィルタ142−1〜142−n、デジタル利得制御部16−1〜16−n、ベースバンド信号処理部144−1〜144−nおよびメモリ146−1〜146−nを含む。
また、以下、複数存在しうるデジタル信号処理部14−1〜14−nなどのいずれかが、特定されずに示されるときには、単にデジタル信号処理部14などと略記されることがある。
第1の受信装置1は、図1に示した各構成部分により、例えば、移動局148から複数の信号を受信して利得制御を行い、受信した信号からデータを復調する。
なお、以下、各図面において、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付される。
LNA104は、BPF102から入力される複数の受信信号に対して、出力信号レベルを上げ、周波数変換部106に対して出力する。
周波数変換部106は、LNA104から入力される複数の受信信号を局部発振(LO)信号と混合し、中間周波数(IF)信号に低下した信号をIF−BPF108に対して出力する。
IF−AMP110は、IF−BPF108から入力される複数の受信信号に対して、出力信号レベルを上げ、A/Dコンバータ12に対して出力する。
Q−DET140は、A/Dコンバータ12から入力される複数のデジタル信号を、対応するキャリア周波数に基づいて、それぞれ、実数成分のデジタルデータ(I成分データ)と虚数成分のデジタルデータ(Q成分データ)とに分解し、ベースバンドフィルタ142に対して出力する。
デジタル利得制御部16は、ベースバンドフィルタ142から入力されるデータに対して、利得制御を行い、ベースバンド処理部144に対して出力する(詳細は、図2を参照して後述)。
ベースバンド信号処理部144は、デジタル利得制御部16から入力されるデータに対し、データの出力先である他の機器(例えば、上位ネットワークに接続するためのインターフェイス部)に応じた適切な処理を行った後、他の機器に対して出力する。
メモリ146が保持する値は、適宜、デジタル利得制御部16によって読み出される。
なお、メモリ146は、第1の受信装置1内に設けても、第1の受信装置1外に設けてもよい(以下、他のメモリについても同様)。
図2に示すように、デジタル利得制御部16は、電力演算部160、dBfs変換器162、減算回路164、真値変換部166および乗算器168を含む。
例えば、電力演算部160−i(0<i<n)は、ある一定期間に瞬時電力値w1〜wiを取得した後、以下の数1を用いて平均値Wiを算出する。
他の電力演算部160−j(0<j<n)においても、同様に、平均値Wjが算出される。
dBfs変換器162は、0dBfsがベースバンド信号処理部144(図1)の入力信号レベルにおける最大値となるよう、変換を行うことができる。
例えば、dBfs変換器162から入力される信号レベルが+20dBfsであり、A/Dコンバータの入力信号レベルが−15dBfsであるとき、減算回路164は、−15dBfs −(+20dBfs)= −35dB というデータを出力する。
乗算器168は、ベースバンドフィルタ142から出力されたデータと、真値変換部166から入力されたデータとを乗算することによって、ベースバンドフィルタ142から出力されたデータの利得制御を行う。
さらに、乗算器168は、利得制御されたデータを、ベースバンド信号処理部144に対して出力する。
このダイナミックレンジの拡大は、例えば、下記(1)、(2)に示すように行われる。
(1)A/Dコンバータ12の出力ビット数の増大および
(2)A/Dコンバータ12直前における、アナログ的な利得制御の性能向上。
また、A/Dコンバータ12直前において、アナログ的な利得制御の性能を向上させるためには、A/Dコンバータ12直前に利得制御部が設けられ、利得制御部による信号の制御が行われる。
しかし、第1の受信装置1が複数の信号を受信する場合、受信レベルの低い信号に対しても減衰制御が行われるおそれがある。
図3は、本願発明にかかる第2の受信装置2の構成を示す図である。
図3に示すように、第2の受信装置2は、アナログ信号処理部18、A/Dコンバータ12、デジタル信号処理部26−1〜26−nおよび計算部20を含む。
さらに、デジタル信号処理部26は、Q−DET140(図1)、ベースバンドフィルタ142(図1)、デジタル利得制御部28、ベースバンド信号処理部144(図1)およびメモリ146(図1)を含む。
さらに、計算部20は、電力演算部160−1〜160−n(図2)、有効キャリア設定部200、最大レンジ閾値設定部202、微分部204、メモリ206、選択部22およびアナログ利得算出部24を含む。
第2の受信装置2は、これらの構成部分により、第1の受信装置1と同様に、移動局から信号を受信して利得制御を行い、データを復号し、さらに、復号したデータに対して所定の処理を行う。
つまり、アナログ利得制御部150は、アナログ利得算出部24とともに、フィードバックループによる利得制御を構成する。
計算部20において、有効キャリア設定部200は、第2の受信装置2が受信すべき変調キャリア信号と、その信号がいずれのデジタル信号処理部26に割り当てられるかというデータとを記憶し、これら記憶されたデータを選択部22に対して出力する。
なお、最大レンジ閾値とは、例えば、A/Dコンバータ12への入力に無視できないオーバーレンジが発生するレベルから、各キャリアのレベルが等しいと仮定して、キャリア合成数に相当するマージン(例えば、3キャリアの場合、10dB)を減じたレベルを示す値であり、絶対レベルで与えられる値である。
実際には、最大レンジ閾値設定部202において、最大レンジ閾値に比べて小さい値(例えば、受信レベルがアナログ信号処理部18のノイズフロアに近づき、弱いキャリアに対してS/N比を確保できなくなる値)が設定されうる。
メモリ206は、目標電力(A/Dコンバータ12における入力信号レベルの目標値)、乗算部244(図5を参照して後述)で乗算される定数などの情報を保持する(詳細は、図6を参照して後述)。
さらに、選択部22は、算出した総平均値から導出した値と、最大レンジ閾値設定部202から入力される値とを比較した後、適切な値をアナログ利得算出部24および微分部204に対して出力する(詳細は、図4を参照して後述)。
アナログ利得算出部24は、選択部22から入力される電力値に基づいて、適切な利得制御量を算出し、アナログ利得制御部150に対して出力する(詳細は、図5を参照して後述)。
選択部22は、最小値検出部220、合成部222、dBfs変換器224、加算器226、比較部228およびセレクタ230を含む。
さらに、最小値検出部220は、選択した最小値を、セレクタ230に対して出力する。
例えば、合成部222は、以下の数2を用いて、総平均値Wを算出する。
例えば、dBfs変換器224は、変換テーブルを用いて、合成部222から入力される総平均値を対数変換する。
比較部228は、加算器226から入力される加算値と、最大レンジ閾値設定部202から入力される最大閾値とを比較して、比較結果をセレクタ230に対して出力する。
(1)加算器226の出力値≦最大閾値の場合
(2)加算器226の出力値>最大閾値の場合
一方、読み出した比較結果が(2)の場合、セレクタ230は、合成部222から入力される電力値(総平均値)を、アナログ利得算出部24および微分部204に対して出力する。
図5に示すように、アナログ利得算出部24は、dBfs変換器240、減算回路242、乗算部244、比較部246、セレクタ248、加算器250および遅延器252(複数可)を含む。
アナログ利得算出部24は、選択部22(図3)から入力される値とメモリ206(図3)から読み出した値との差分値に基づき、適切な利得制御量(以下、アナログ利得制御量と記述)を算出し、アナログ利得制御部150(図3)に対して出力する。
なお、dBfs変換器240は、0dBfsがA/Dコンバータ12(図3)の入力信号レベルにおける最大値となるよう、変換を行うことも可能である。
例えば、dBfs変換器240から入力される信号レベルが−20dBfsであり、A/Dコンバータ12の目標入力信号レベルが−15dBfsであるとき、減算回路242は−15dBfs −(−20dBfs)= +5dB という差分データを出力する。
また、乗算部244において、乗算時定数を調整することで、収束時間を制御することができる。
減算回路242から出力された差分データ≧閾値であるとき、比較部246は、受信信号にバースト信号が含まれると判定し、その情報をセレクタ248に対して出力する。
このように、バースト信号が受信された場合であっても、利得制御は高速に動作することができる。
さらに、セレクタ248は、選択した差分データを、加算器250に対して出力する。
遅延器252は、直前に入力された利得制御量を保持して、加算器250に、保持した利得制御量をフィードバックするとともに、加算器250から入力される利得制御量をアナログ利得制御部150に対して出力する。
図6に示すように、メモリ206は、目標電力(A/Dコンバータ12(図3)における入力信号レベルの目標値)、乗算部244で乗算される定数、および、閾値(A/Dコンバータ12における入力信号レベルの目標値から導出される値)を保持する。
メモリ206が保持する各値は、適宜、減算回路242、乗算部244および比較部246によって読み出される。
デジタル利得制御部28は、電力演算部160、dBfs変換器162、減算回路164、加算器280、真値変換部166および乗算器168を含む。
デジタル利得制御部28は、ベースバンドフィルタ142(図3)から入力されるデータに対し、微分部204(図3)から入力されるデジタル利得制御量に基づく利得制御を行い、ベースバンド信号処理部144(図3)に対して出力する。
なお、デジタル利得制御部28における電力演算部160と、計算部20における電力演算部160とを共通化して、第2の受信装置2を構成することができる(以下、他の受信装置についても同様)。
以上説明したように、第2の受信装置2において、移動局148から受信された複数の信号は、BPF102、LNA104、周波数変換部106およびIF−BPF108による処理を経た後、アナログ利得制御部150において、アナログ利得制御量に基づく利得制御の対象となる。
利得制御された複数の信号は、それぞれ、A/Dコンバータ12によってデジタルデータに変換される。
フィルタリングされた複数のデジタルデータは、それぞれ、デジタル利得制御部28において、デジタル利得制御量に基づく利得制御の対象となる。
また、計算部20によって、複数のデータがベースバンドフィルタ142から出力される際の平均電力値がそれぞれ導出され、導出された複数の平均電力値に基づいて、アナログ利得制御量およびデジタル利得制御量が算出される。
このように、複数の信号の情報に基づいて利得制御量を算出し、これによる利得制御を行うことで、利得制御を効率的に行うことができる。
図8は、本願発明にかかる第3の受信装置3の構成を示す図である。
図8に示すように、第3の受信装置3は、アナログ信号処理部30、A/Dコンバータ12(図1)、デジタル信号処理部26(図3)、計算部20(図3)を含む。
さらに、アナログ信号処理部30は、アンテナ100(図1)、BPF102(図1)、LNA104(図1)およびアナログ利得制御部150(図3)を含む。
第3の受信装置3は、これらの構成部分により、上述した各受信装置と同様、移動局から信号を受信して利得制御を行い、データを復号し、さらに、復号したデータに対して所定の処理を行う。
つまり、第3の受信装置3は、LNA104から出力されたRF(Radio Frequency;高周波)信号を用いて利得制御を行う。
したがって、RF信号がサンプリングされる場合であっても、第3の受信装置3を使用することにより、第2の受信装置2と同様、利得制御を効率的に行うことができる。
図9に示すように、第4の受信装置4は、アナログ信号処理部18、A/Dコンバータ12、デジタル信号処理部26および計算部32を含む。
さらに、計算部32は、電力演算部160(図3)、有効キャリア設定部200(図3)、最大レンジ閾値設定部202(図3)、微分部204(図3)、メモリ206(図3)、選択部22(図3)、アナログ利得算出部24(図3)および受信レベル測定部34を含む。
第4の受信装置4は、これらの構成部分により、上述した各受信装置と同様、移動局から信号を受信して利得制御を行い、データを復号し、さらに、復号したデータに対して所定の処理を行う。
したがって、第4の受信装置4は、受信信号ごとに受信レベルを算出することにより、利得制御を効率的に行うことができる。
図10に示すように、受信レベル測定部34は、加算器340、平均化部342およびdBm変換部344を含む。
なお、受信信号のレベルに応じて精度が求められる場合等、必要に応じ、加算器340は、利得制御量に温度補正を行うことができる。
dBm変換部344は、平均化部342から入力されるデータをdBm変換し、ベースバンド信号処理部144に対して出力する。
例えば、dBm変換部344は、平均化部342の出力データを対数演算回路に通し、平均化部342のデータを対数変換する。
各受信装置は、効率的な利得制御を行うことで、ビット数の大きなA/Dコンバータを使用せずとも、A/Dコンバータにおけるダイナミックレンジを有効に活用することができる。
特に、ここに開示する受信装置は、セルラ電話通信システム以外の、その他システムに適用可能であり、ここに開示する構成要素もその他のシステムおよび用途に適用可能である。
10・・・アナログ信号処理部
100・・・アンテナ
102・・・BPF
104・・・LNA
106・・・周波数変換部
108・・・IF−BPF
110・・・中間周波数増幅器
12・・・A/Dコンバータ
14・・・デジタル信号処理部
140・・・直交検波部
142・・・ベースバンドフィルタ
16・・・デジタル利得制御部
160・・・電力演算部
162・・・dBfs変換器
164・・・減算回路
166・・・真値変換器
168・・・乗算器
144・・・ベースバンド処理部
146・・・メモリ
148・・・移動局
150・・・アナログ利得制御部
2・・・第2の受信装置
20・・・計算部
200・・・有効キャリア設定部
202・・・最大レンジ閾値設定部
204・・・微分部
206・・・メモリ
22・・・選択部
220・・・最小値検出部
222・・・合成部
224・・・dBfs変換部
226・・・加算器
228・・・比較部
230・・・セレクタ
24・・・アナログ利得算出部
240・・・dBfs変換部
242・・・減算回路
244・・・乗算器
246・・・比較部
248・・・セレクタ
250・・・加算器
252・・・遅延器
26・・・デジタル信号処理部
28・・・デジタル利得制御部
280・・・加算器
3・・・第3の受信装置
30・・・アナログ信号処理部
4・・・第4の受信装置
32・・・計算部
34・・・受信レベル測定部
340・・・加算器
342・・・平均化部
344・・・dBm変換部
Claims (1)
- 第1の利得制御データに従って、受信データを含むアナログ形式の受信信号に対する利得制御を行う第1の利得制御手段と、
前記利得制御された受信信号を、アナログ/デジタル変換するアナログ/デジタル変換手段と、
第2の利得制御データに従って、前記デジタル形式に変換された受信信号から、複数のディジタル形式の前記受信データを復調する復調手段と、
前記復調により得られた複数の受信データそれぞれに対する利得制御を行う第2の利得制御手段と、
前記複数の受信データの強度を示す複数の強度データを生成し、これらの強度データそれぞれの平均値を算出する複数の強度データ平均値算出手段と、
指定されたタイミングで、前記複数の強度データ平均値算出手段が算出した強度データそれぞれの平均値から、これらの平均値である総平均値を算出する総平均値算出手段と、
前記複数の強度データの平均値から、最小の平均値を選択する第1の選択手段と、
前記算出された総平均値および前記選択された最小の平均値のいずれかを選択して出力する第2の選択手段と、
前記選択された総平均値および前記最小の平均値のいずれかと、前記受信データの強度の目標値との差分を示す差分データを算出する差分算出手段と、
前記算出された差分データに基づいて、前記第1の利得制御データを算出する第1の利得制御データ算出手段と、
前記選択された総平均値および前記最小の平均値のいずれかに基づいて、前記第2の利得制御データを生成する第2の利得データ算出手段と
を有する受信装置。
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