JP4842753B2 - シリンダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダ装置に係り、例えば、部品を実装する実装装置に使用されるシリンダ装置に関する。
半導体部品の実装装置では、実装部品を吸着する吸着部が設けられたピストンロッドを備え、ピストンロッドを伸長させて吸着部を実装部品に当接させることで実装部品を吸着するシリンダ装置が使用されている。このシリンダ装置では、ピストンロッドとガイド部材を介して連結されたガイドロッドに軸方向に弾性変形する緩衝機構としてのバネを装着することで、ピストンロッドが伸長し実装部品に当接する際、ピストンロッドがバネの弾性力に抗して引き込まれるようにして実装部品に伝わるピストンロッドの押圧力を緩和する。ところが、従来のシリンダ装置は、ピストンロッドと緩衝機構とを備えるために軸方向と直交する方向の寸法(幅方向及び奥行き方向)が大きくなり、狭い箇所でシリンダ装置を複数並べて取り付けることができなかった。
そこで、狭い箇所においても複数のシリンダ装置を平行に並べて取り付けることができるシリンダ装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のシリンダ装置では、ピストンロッドが挿通される第1貫通孔と、ガイドロッドが挿通される第2貫通孔とが設けられたシリンダ本体を備え、第1貫通孔及び第2貫通孔にそれぞれピストンロッド及びガイドロッドを挿通することで、ピストンロッドとガイドロッドとを一方向(幅方向)に並設している。したがって、ピストンロッドとガイドロッドとが並設されている方向と直交する他方向(奥行き方向)におけるシリンダ本体の寸法を小さくすることができ、複数のシリンダ装置を平行に並べて設けても、他方向(奥行き方向)のサイズが大きくなることを抑制できる。
特開2006−70966号公報
ところが、特許文献1に記載のシリンダ装置では、ピストンロッド及びガイドロッドが並設されている並設方向(幅方向)の寸法を小さくすることはできないため、シリンダ装置を、複数列並べて取り付けた場合には、全体として並設方向(幅方向)の寸法が大きくなっていた。したがって、複数のシリンダ装置を軸方向と直交する幅方向及び奥行き方向に配列して使用することは可能ではあるが、同一ピッチにて複数並列する場合には、ピストンロッドとガイドロッドとが並設されているため配列方向が制限され自在に配列することができなかった。
また、特許文献1に記載のシリンダ装置では、圧力作用室を区画するピストンの外周に環状のシールリングが装着され、ピストンが往復動する時には、シールリングはチューブに密着した状態で摺動する。したがって、特許文献1に記載のシリンダ装置では、ピストンロッドが何度も往復動する間にシールリングが摩耗するため、シリンダ装置の耐久寿命が短くなるという問題があった。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、弾性手段と、ピストン部と、ロッド部とを同軸上に配置することで、自在に複数並列することが可能となるとともに複数並列に配置した場合でも全体としてのサイズをコンパクトにすることができ又、耐久寿命を長くすることができるシリンダ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、シリンダチューブ内部に区画されたシリンダ室と、作動流体が供給される圧力作用室と外部に連通している常圧室とに前記シリンダ室を区画するとともに、外周部に前記圧力作用室と前記常圧室との間をシールするシール部を備えたピストン部と、前記シリンダチューブ内の前記ピストン部に対して前記圧力作用室側において往復動可能に挿入されるとともに一端が前記シリンダチューブから突出するロッド部と、前記ロッド部の軸方向に作用する荷重を緩和する弾性手段とを備え、前記弾性手段と、前記ピストン部と、前記ロッド部とは、同軸状に配置され、前記ピストン部と前記ロッド部とは、一体的に移動可能に構成され、前記ピストン部は前記圧力作用室に作動流体が供給された状態で前記ロッド部を前記シリンダチューブ内に引き込むように移動可能に構成され、前記弾性手段は、前記シリンダチューブの内周に固定された第1永久磁石と、前記第1永久磁石と対向するように前記ロッド部に固定された第2永久磁石とで構成された磁気バネであって、前記ピストン部に作用する作動流体圧に抗して前記ロッド部を前記シリンダチューブから突出する方向に付勢し、前記シール部は、多孔質材料で形成されるとともに、前記圧力作用室と前記常圧室との間を隙間シールするように設けられ、前記シール部の外周面から前記圧力作用室に供給された作動流体の一部が吐出されることを要旨とする。
この発明によれば、ロッド部の軸方向に作用する荷重を緩和する機能を有する弾性手段と、ピストン部及びロッド部とが、同軸状に配置され、弾性手段とピストン部及びロッド部とが平行に配置されることはないため、シリンダ装置の軸方向と直交する方向(幅方向及び奥行き方向)の寸法を小さくすることができる。したがって、シリンダ装置を自在に複数並列することができるとともにシリンダ装置を複数並列に配置しても、全体としてのサイズをコンパクトにすることができる。また、圧力作用室と常圧室とを区画するピストン部は、シール部によって圧力作用室と常圧室との間を隙間シールしており、ピストン部が移動する際のシリンダチューブに対する摺動抵抗は小さく、ピストン部をなめらかに移動させることができる。そして、シール部は、多孔質材料で形成されるとともに、圧力作用室に供給された作動流体の一部がシール部の外周面から吐出されるため、シール部とシリンダチューブとの間の隙間を極力小さくしても、シール部とシリンダチューブとの摩擦抵抗を小さくすることができる。したがって、ピストン部が移動する際のピストン部の摩耗を低減してシリンダ装置の耐久寿命を延ばすことができる。
上記の目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、シリンダチューブ内部に区画されたシリンダ室と、作動流体が供給される圧力作用室と外部に連通している常圧室とに前記シリンダ室を区画するとともに、外周部に前記圧力作用室と前記常圧室との間をシールするシール部を備えたピストン部と、前記シリンダチューブ内の前記ピストン部に対して前記圧力作用室側において往復動可能に挿入されるとともに一端が前記シリンダチューブから突出するロッド部と、前記ロッド部の軸方向に作用する荷重を緩和する弾性手段とを備え、前記弾性手段と、前記ピストン部と、前記ロッド部とは、同軸状に配置され、前記ピストン部と前記ロッド部とは、一体的に移動可能に構成され、前記ピストン部は前記圧力作用室に作動流体が供給された状態で前記ロッド部を前記シリンダチューブ内に引き込むように移動可能に構成され、前記弾性手段は、前記シリンダチューブの内周に固定された第1永久磁石と、前記第1永久磁石と対向するように前記ロッド部に固定された第2永久磁石とで構成された磁気バネであって、前記ピストン部に作用する作動流体圧に抗して前記ロッド部を前記シリンダチューブから突出する方向に付勢し、前記シール部は、樹脂材料で形成されるとともに、前記圧力作用室と前記常圧室との間を隙間シールすることを要旨とする。
この発明によれば、ロッド部の軸方向に作用する荷重を緩和する機能を有する弾性手段とピストン部及びロッド部とが、同軸状に配置され、弾性手段とピストン部及びロッド部とが平行に配置されることはないため、シリンダ装置の軸方向と直交する方向(幅方向及び奥行き方向)の寸法を小さくすることができる。したがって、シリンダ装置を自在に複数並列することができるとともにシリンダ装置を複数並列に配置しても、全体としてのサイズをコンパクトにすることができる。また、圧力作用室と常圧室とを区画するピストン部は、シール部によって圧力作用室と常圧室との間を隙間シールしており、ピストン部が移動する際のシリンダチューブに対する摺動抵抗は小さく、ピストン部をなめらかに移動させることができる。そして、シール部は樹脂で形成されているため、シール部がシリンダチューブに対して摺動することによるシール部の摩耗は少なくなり、シリンダ装置の耐久寿命を延ばすことができる。
また、請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、ロッド部が移動した際には、ロッド部に磁気バネのバネ力が作用し、例えば、第1永久磁石と第2永久磁石とを軸方向にずらして配置すれば、ロッド部には軸方向の変位に関係なく一定のバネ力を作用させることができる。したがって、ロッド部を伸長させて実装部品を吸着するような場合には、ロッド部から実装部品に作用する押圧力を一定にすることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項に記載の発明において、前記シリンダチューブには、前記ロッド部を軸方向に往復動可能に支持する軸受が装着されており、前記ロッド部と前記ピストン部とは別体に形成されるとともに連結手段によって離間した状態で連結されていることを要旨とする。
この発明によれば、ピストン部のシール部の軸心とロッド部の軸心とがずれていても、ピストン部とロッド部とにそれぞれ存在する遊びによって、ピストン部はロッド部の悪影響を受けずにシリンダチューブの軸心と同軸状態をたもつことが可能となる。したがって、ピストン部のシール部がシリンダチューブをかみ込むような事態が生じることを回避できる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の発明において、前記シリンダチューブには、前記常圧室の前記ピストン部の端面と対向する箇所に、前記ロッド部を引き込む方向に移動する前記ピストン部の移動を規制する規制部が設けられ、前記ピストン部及び前記規制部のいずれか一方には、前記規制部と前記ピストン部の端面とに圧接されて前記常圧室と外部とを連通する孔からの作動流体の漏れを防止するシール部材が取り付けられていることを要旨とする。
この発明によれば、ピストン部はロッド部の引き込み方向に移動する際、規制部によって移動が規制されて停止する。この時、シール部材は、規制部とピストン部の引き込み側端面とに圧接される。その結果、常圧室と外部とを連通する孔からの圧力流体の漏れを防止することができる。
本発明によれば、弾性手段と、ピストン部と、ロッド部とを同軸上に配置することで、自在に複数並列することが可能となるとともに複数並列に配置した場合でも全体としてのサイズをコンパクトにすることができ又、耐久寿命を長くすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。なお、以下の説明では、図1(a)に示す右側をシリンダ装置1の伸長側とし、図1(a)に示す左側をシリンダ装置1の引き込み側としている。
図1(a)に示すようにシリンダ装置1は、略円筒状(筒状)のシリンダチューブ2を備え、シリンダチューブ2内には、ピストン部3がシリンダチューブ2の軸方向に沿って移動可能に収容されている。シリンダチューブ2内にはロッド部4がピストン部3と離間した状態で挿入されるとともに、軸受としてのブッシュ7,8を介して往復動可能に支持されている。ブッシュ7,8は、シリンダチューブ2の軸方向における中央部と、伸長側端部にそれぞれ接着固定されている。ブッシュ7,8は、樹脂(具体的には、ポリエステル樹脂)から構成されている。
また、シリンダチューブ2の引き込み側開口端部には、キャップ5が装着されている。キャップ5は、シリンダチューブ2の径方向に沿って螺入される止めネジ70によってシリンダチューブ2に対し固定されている。キャップ5は、ピストン部3がロッド部4を引き込む方向に移動するピストン部3の移動を規制する規制部として機能する。キャップ5には、軸方向に沿って延びる孔5aが設けられ、孔5aの途中には収容凹所5bが形成されている。そして、収容凹所5bに不織布フィルタ71が配置されるとともに、ウレタンワッシャ72が不織布フィルタ71より伸長側からキャップ5に圧入されている。そして、ウレタンワッシャ72は、不織布フィルタ71を収容凹所5bに押し付けている。
そして、シリンダチューブ2内には、キャップ5と、シリンダチューブ2と、ロッド部4と、ブッシュ7とによってシリンダ室6が区画されている。シリンダ室6は、ピストン部3によりキャップ5側の常圧室10と、ブッシュ7側の圧力作用室11とに区画されている。ピストン部3は、その外周部に固着された円環状のシール部としてのシールブロック20と、アルミ合金製のピストンブロック21とで構成されている。
シールブロック20は、圧力作用室11と常圧室10との間を隙間シールすることで圧力作用室11から常圧室10へ空気が漏れることを抑制する。また、シールブロック20は、多孔質材料としての多孔質カーボンから構成されている。
ピストンブロック21は、ブッシュ7側が大径になる段部を備えており、シールブロック20は伸長側端面が段差部に当接する状態でピストンブロック21に嵌着されている。ピストンブロック21には、圧力作用室11側に開口する穴21aが中心部に形成されるとともに、外周部に環状溝21cが形成され、穴21aは、径方向に延びる連通部21bを介して環状溝21cと連通されている。そして、環状溝21cと対応する部位には、シールブロック20が配置され、環状溝21cは、シールブロック20によってその開口部分が覆われている。
また、ピストンブロック21の伸長側端部には、ピストン部3の径方向に沿って連結孔21dが設けられるとともに、連結孔21dには、線材をV字状に屈曲して形成された連結手段としての連結部材30の両端が圧入されている。連結部材30は、ステンレスばね鋼で形成されるとともに、ピストン部3とロッド部4とを連結して一体的に移動可能にしている。
ロッド部4は、ピストン部3と一直線上に配置されるとともに、円筒形状で両端が開口するロッドパイプ40を有する。ロッドパイプ40は、ステンレス鋼によって構成されるとともにブッシュ7,8を介してシリンダチューブ2に支持されている。なお、ブッシュ7は、ブッシュ7とロッドパイプ40との間に圧力作用室11に供給された空気が入り込まないような状態で支持している。そして、ロッドパイプ40の引き込み側端部には、テールピース41が取り付けられている。
テールピース41には、圧力作用室11側に位置するようにフランジ部41aが形成されるとともに、フランジ部41aより小径の嵌着部41cがロッドパイプ40の引き込み側端部内に嵌着されている。テールピース41には、圧力作用室11側に開口する凹部41bが設けられ、凹部41bには、ロッド部4の径方向に沿って係合ピン42が配設されている。そして、係合ピン42は、連結部材30の屈曲部に係止されている。ロッド部4は、フランジ部41aがブッシュ7と当接した状態で最大突出状態となる。
また、ロッドパイプ40の先端には、段付の円筒状に形成された吸着部50の一部がその内部に挿入されて接着されている。吸着部50には、ロッド部4の中心軸に沿うように吸着孔50aが形成されている。
シリンダチューブ2の外周には、圧力作用室11に作動流体である空気を導入する流体導入ポートとしての加圧ポート61と、図示しない真空装置に連通される真空ポート62とが設けられている。加圧ポート61は、ブッシュ7の一端側(図1における左端側)端部近傍に形成されており、真空ポート62はブッシュ7の他端側端部近傍に形成されている。また、シリンダチューブ2の外周には、シリンダ装置1がヘッド部100(図3参照。)に装着された時に、加圧ポート61及び真空ポート62を外部からシールするシールリング60が複数(本実施形態では、4つ)装着されている。なお、シールリング60は、軸方向において加圧ポート61及び真空ポート62をそれぞれ挟むようにしてシリンダチューブ2に装着されている。
シリンダチューブ2の内周面には、第1永久磁石としての固定マグネット80が、真空ポート62より伸長側寄りに接着固定されるとともに、ロッドパイプ40の内周面には、第2永久磁石としての可動マグネット81が接着固定されている。固定マグネット80は、その内周面がロッドパイプ40を介して第2永久磁石としての可動マグネット81の外周面と対向するように配置され、固定マグネット80と可動マグネット81とによって磁気バネ機構9を構成している。
固定マグネット80及び可動マグネット81は、それぞれ円筒状であるとともに互いに同軸となるように配置されている。そして、固定マグネット80及び可動マグネット81は、それぞれ軸方向に連なるように複数(本実施形態では、それぞれ二つずつ)設けられるとともに、軸方向の長さ寸法が同一長さとなるように形成されている。固定マグネット80及び可動マグネット81は、ロッドパイプ40と同軸に設けられており、言い換えれば、磁気バネ機構9は、ロッドパイプ40と同軸状に配置されている。さらに、固定マグネット80と可動マグネット81とは、図1(b)に示すように、円周方向に4分割され、90度の幅で固定マグネット80の内面側と可動マグネット81の外面側とが交互に異なる磁極になるように構成されている。図1(b)においては、固定マグネット80の内面側の磁極と、可動マグネット81の外面側の磁極を図示するとともに、図1(a)の縮尺よりも拡大して図示している。磁気バネ機構9は、固定マグネット80と可動マグネット81とが互いに引き合うように磁極が配置されて構成されている。また、詳述すると、可動マグネット81は、図1(a)に示すように、ロッド部4がシリンダチューブ2から最も突出した状態において、固定マグネット80の一端(ブッシュ7側端部)よりブッシュ7側に突出するように配置されている。そのため、磁気バネ機構9は、軸方向においては、可動マグネット81を固定マグネット80内に吸引する磁力を常に発生させており、ロッド部4を突出側に付勢するバネ機能を発揮する。
ロッドパイプ40には、可動マグネット81の固着位置より吸着部50側に、その外周からロッドパイプ40の内部空間Pにまで貫通するように真空引き通路40aが設けられている。そして、吸着孔50aは、ロッドパイプ40の内部空間P、真空引き通路40a及びロッドパイプ40と固定マグネット80との隙間を介して真空ポート62と連通されている。
以下、本実施形態におけるシリンダ装置1の作用を説明する。
ロッド部4は、磁気バネ機構9によって伸長方向に付勢されており、図示しない加圧装置(例えば、コンプレッサ)から加圧ポート61に空気が供給されていない時は、図1(a)に示すように、ロッド部4は、シリンダチューブ2から最大に突出する。そして、シリンダ装置1は、ピストン部3に作用する空気圧がロッド部4に作用する磁気バネ機構9からの磁力より小さい間は、この状態が保持される。
ここで、図示しない加圧装置から加圧ポート61へ空気が供給される(図2(a)及び(b)の実線矢印で示す。)と、ピストン部3には、空気圧が作用する。そうすると、ピストン部3は、引き込み側(本実施形態では、図2(a)の左側)に付勢されて、シリンダチューブ2の内周面に沿って引き込み側に移動する。また、ピストン部3が引き込み側に移動するのに伴って、ロッド部4も一体的に移動するため、ロッド部4は、シリンダチューブ2内に引き込まれる。なお、シリンダ装置1は、例えば、空気が図示しない加圧装置から供給され圧力作用室11内の圧力が0.2〜0.5Mpa程度となった時にピストン部3が引き込み側に移動するように設計されている。
また、シールブロック20は、圧力作用室11と常圧室10との間を隙間シールしているため、例えばシールリング(Oリング)のようにシリンダチューブ2に密着してシールを行うシール部材によってシールする場合に比べて、ピストン部3が移動する時にピストン部3がシリンダチューブ2から受ける摺動抵抗は小さくなり円滑に移動することができる。しかも、シールブロック20は、多孔質カーボンで形成されるとともに、圧力作用室11に供給された圧縮空気の一部が、連通部21b及び環状溝21cを経た後、シールブロック20の内部を通過して(図2(a)及び(b)の点線矢印で示す。)シールブロック20の外周面からシリンダチューブ2の内周面に向かって吐出される。そのため、シールブロック20の外周面とシリンダチューブ2の内周面との隙間を、通常の隙間シールのように圧縮空気が吐出されない隙間シールを採用する場合に比較して狭くしても、シールブロック20の外周面とシリンダチューブ2内周面との摩擦抵抗が小さくなり、ピストン部3は円滑に移動する。また、圧力作用室11内の空気が常圧室10に漏れることがより抑制される。
圧力作用室11に空気が供給され続け、図2(b)に示すように、ピストンブロック21の引き込み側端部がキャップ5に当接すると、ピストン部3は、キャップ5により移動が規制されて停止する。ピストンブロック21の引き込み側端部がキャップ5に当接している状態で、ロッド部4はシリンダチューブ2に最大に引き込まれた状態となる。この状態は、ロッド部4に作用する磁気バネ機構9からの付勢力に打ち勝つ空気圧がピストン部3に加えられている間は、保持される。
そして、図示しない加圧装置による圧力作用室11への空気の供給が停止され、図示しない3ポート弁等の切り換え弁により、加圧ポート61が図示しない加圧装置に接続されている状態から外気と連通する状態に切り換えられると、圧力作用室11は大気開放状態に切り換えられる。圧力作用室11が大気開放状態に切り換えられると、ピストン部3がキャップ5に当接している状態から、ロッド部4は、磁気バネ機構9からの磁力によって伸長側に付勢され、なおかつ、自重が作用することによって、ピストン部3と共に伸長側への移動を開始する。ロッド部4は、テールピース41のフランジ部41aがブッシュ7に当接した時点でその移動が規制されて停止する。なお、ピストン部3が引き込み側に移動する時に、常圧室10内に存在している空気は、孔5aを介してピストン部3により外部に押し出される。また、ピストン部3が引き込み側に移動する時に、外部から常圧室10へ流入する空気は、孔5aを通る時、不織布フィルタ71を通過するため塵や埃は取り除かれる。
次に、このようなシリンダ装置1を真空吸着装置として用いた場合の動作について説明する。シリンダ装置1を真空吸着装置として使用する場合、水平方向及び垂直方向に移動するように駆動されるブロック状のヘッド部100にシリンダ装置1を取り付けて使用する。図3(a),(b)に示すように、ヘッド部100は、複数の装着孔101が複数列(本実施形態では、3列)に配列された状態で設けられており、各装着孔101は、シリンダチューブ2の外径より若干大きな径となるように設けられている。
そして、図3(a)に示すように、各装着孔101に各シリンダ装置1が挿通され、各シリンダ装置1がシリンダチューブ2において取り付けられた(固定された)状態で使用する。この状態で、各シリンダ装置1は、各列毎に等間隔に6つずつ設置され、シリンダ装置1は、全体として複数列(本実施形態では、3列)に等間隔に配列されている。なお、ヘッド部100には図示しない第1連通路と第2連通路とが各装着孔101にまで延びるように設けられている。各シリンダ装置1がヘッド部100に取り付けられた状態で、加圧ポート61は第1連通路と連通するとともに、真空ポート62は第2連通路と連通するようになっている。
真空吸着装置として使用する際には、図示しない第2連通路のポートが図示しない真空ポンプに接続され、真空ポンプが駆動されることで、各シリンダ装置1に設けられた真空ポート62、ロッドパイプ40の外周と固定マグネット80の内周との間の隙間、真空引き通路40a、ロッドパイプ40の内部空間P及び吸着孔50aを介して真空引きが開始される。そして、吸着孔50aが真空引きされると、各シリンダ装置1は、吸着部50の先端面50bに吸着対象物(例えば、ICチップ等)を吸着することが可能な状態となる。この状態でヘッド部100は駆動され、複数のシリンダ装置1は、一斉に吸着対象物が収められている部品トレイ上へ移動する。そして、各シリンダ装置1が備える吸着部50によって吸着対象物を吸着する時、ヘッド部100に設けられた図示しない3ポート弁により圧力作用室11は大気開放状態に切り換えられロッド部4は伸長する。そして、各吸着部50の先端面50bは、下方に位置する吸着対象物に向けて押圧され、吸着対象物は、吸着部50に吸着される。この時、ロッド部4には軸方向(引き込み方向)に反力が作用する。反力が大きな場合は、ロッド部4は、磁気バネ機構9の磁力に抗してシリンダチューブ2内に引き込まれるため、ロッド部4から吸着対象物に作用する押圧力は緩和され吸着対象物の損傷は抑制される。そして、各シリンダ装置1が吸着部50によって吸着対象物を吸着した後、図示しない第1連通路及び加圧ポート61を経て圧力作用室11に圧縮空気が供給されてロッド部4がシリンダチューブ2内に引き込まれた後、各シリンダ装置1はヘッド部100によって実装エリアにまで移送される。その後、シリンダ装置1は、ロッド部4を伸長させることで実装位置に吸着対象物を実装する。したがって、複数配列した状態でヘッド部100に取り付けることが可能なシリンダ装置1を真空吸着装置として使用した場合には、複数のシリンダ装置1によって一括して複数の吸着対象物を実装することができる。
本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)磁気バネ機構9は、ロッドパイプ40と同軸状となるように配置され、ピストン部3とロッド部4とは一直線状に配置されている。そして、ピストン部3は、空気圧が作用するとロッド部4をシリンダチューブ2内に引き込むように移動するとともに、磁気バネ機構9は、ピストン部3に作用する空気圧に抗しロッド部4がシリンダチューブ2から突出するように付勢する。このため、磁気バネ機構9とピストン部3及びロッド部4とが並設されることはないため、シリンダ装置1における軸方向と直交する幅方向及び奥行き方向の寸法を小さくすることができ、シリンダ装置1を複数並列に配置した場合でも高密度に配置することができ、全体としてサイズをコンパクトにすることができる。また、シリンダ装置1の配列方向が制限されることがなく、複数のシリンダ装置1を自在な方向に配列することができる。
(2)シールブロック20は、圧力作用室11と常圧室10との間を隙間シールするため、ピストン部3がシリンダチューブ2から受ける摺動抵抗は小さく、ピストン部3をなめらかに移動させることができる。そして、ピストン部3がシリンダチューブ2から受ける摺動抵抗は小さいため、ピストン部3と一体的に移動するロッド部4を伸長させる時に空気圧を作用させなくとも磁気バネ機構9による磁力と、ロッド部4の自重だけでロッド部4を伸長させることができる。したがって、吸着対象物を吸着しようとしてロッド部4が吸着対象物を押圧する際に吸着対象物に付与される押圧力を小さくすることができ、吸着対象物が傷つくことを抑制できる。
(3)シールブロック20は、多孔質材料で形成されるとともに、シールブロック20の外周面から圧力作用室に供給された作動流体の一部が吐出される。したがって、シールブロック20とシリンダチューブ2との間の隙間を作動流体の一部が吐出されない構成より小さくしても、ピストン部3とシリンダチューブ2との間の摩耗を低減することができ、シリンダ装置1の耐久寿命を延ばすことができるとともに、圧力作用室11から常圧室10への作動流体の漏れを単なる隙間シールより抑制することができる。
(4)シールブロック20には、多孔質材料として多孔質カーボンが用いられている。そして、多孔質カーボンであれば、多孔質樹脂や多孔質金属に比べて線膨張係数が小さいため、シールブロック20の熱変形を抑えることができる。
(5)磁気バネ機構9は、シリンダチューブ2の内周に固定された固定マグネット80と、固定マグネット80と対向するようにロッドパイプ40の内周に固定された可動マグネット81とから構成され、可動マグネット81は、固定マグネット80の一端(ブッシュ7側端部)よりロッド部4の引き込み側に突出するように配置されている。このため、ロッド部4には磁気バネ機構9による磁力が常に伸長方向へ作用し、ロッド部4に軸方向の変位に関係なく一定の力を作用させることができる。したがって、ロッド部4を伸長させて吸着対象物を吸着する際、ロッド部4から吸着対象物に作用する押圧力を一定にすることができる。
(6)シリンダチューブ2には、軸受としてのブッシュ7,8がシリンダチューブ2の軸方向における中央部と、図1(a)の右側である伸長側端部とにそれぞれ接着固定されている。そして、ピストン部3とロッド部4とは、離間した状態で連結部材30によって連結されている。そのため、シールブロック20の軸心とロッド部4の軸心とがずれていてもピストン部3とロッド部4とにそれぞれ存在する遊びによって、ピストン部3は、ロッド部4の悪影響を受けずにシリンダチューブ2の軸心と同軸状態をたもつことが可能となる。したがって、ピストン部3のシール部(シールブロック20)がシリンダチューブ2をかみ込むような事態が生じることを回避できる。
(7)シールブロック20は、ピストンブロック21の外周を一周するように設けられた環状溝21cを覆うように設けられている。したがって、圧力作用室11に空気が供給された時、圧力作用室11内の空気の一部はシールブロック20内部を通過して、シリンダチューブ2の内周面に向かって吐出される。したがって、圧力作用室11内の空気を好適にシールブロック20とシリンダチューブ2との間に吐出させることができる。
(8)ピストンブロック21は、アルミ合金によって構成されている。したがって、ピストンブロック21を鉄材によって構成する場合に比べて軽量化することができるため、ピストン部3の移動をより円滑にすることができる。
(9)シリンダチューブ2には、軸方向において加圧ポート61及び真空ポート62をそれぞれ挟むようにシールリング60が装着されている。したがって、図示しない第1連通路と第2連通通路とが設けられるとともに、シリンダ装置1を装着可能な装着孔101が複数列設けられたヘッド部100に複数のシリンダ装置1を取り付ける場合、第1連通路及び加圧ポート61の接続部や、第2連通路及び真空ポート62の接続部からの漏れを抑制できる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を図4にしたがって説明する。この実施形態では、ピストン部の構成及びロッド部4が最大引き込み位置に配置された状態において、圧力作用室11内の圧縮空気がキャップ5の孔5aから外部に排出されるのを防止する漏れ防止手段としてのシール部材90を備えている点が主に第1実施形態と異なっている。その他の構成は、前記第1実施形態とほぼ同じであり、第1実施形態と同様の構成部分は同一符号を付して説明を省略又は簡略する。
図4(a)に示すように、ピストンブロック91には、その外周に摺動抵抗の小さい摺動用樹脂材料(具体的には、ポリアセタール(POM)、ポリエーテルエーテルケント(PEEK)、ポリイミド(PI)、四フッ化エチレン(PTFE)、又はこれらの複合樹脂)によって形成されたシール部としてのシールリング92が設けられている。そして、シールリング92は、その外周部で圧力作用室11と常圧室10との間を隙間シールする。
また、ピストンブロック91には、その引き込み側寄りに外周を一周する嵌着溝93が設けられている。嵌着溝93には、ロッド部4が最大引き込み位置に配置された状態において、圧力作用室11内の圧縮空気が孔5aから外部に排出されるのを防止する漏れ防止手段としてのシール部材90(例えば、Oリング)が嵌着されている。
そして、キャップ5には、ピストンブロック91の引き込み側端部94が進入可能な凹部95が引き込み側端部94と対向する位置に形成されるとともに、引き込み側端部94がキャップ5と当接した時に、凹部95の周縁がシール部材90と当接するように形成されている。
以下、本実施形態におけるシリンダ装置1の作用を説明する。
シリンダ装置1は、圧力作用室11に空気が供給されると、ピストン部3に空気圧が作用し、ピストン部3は、シリンダチューブ2の内周面を摺動しつつ引き込み側に移動する。そして、図4(b)に示すように、ピストン部3の引き込み側端部94がキャップ5に当接すると、ピストン部3と共にロッド部4が停止する。この時、シール部材90は、凹部95の周縁とピストン部3とによって押圧されて潰れる。そして、シール部材90によって、圧力作用室11に供給された空気が外部に流出することを防止することができる。
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)、(2)、(5)、(6)、(9)の効果の他に以下の効果を得ることができる。
(10)シールリング92が摺動抵抗の小さい摺動用樹脂材料(例えば、ポリアセタール(POM)、ポリエーテルエーテルケント(PEEK)、ポリイミド(PI)、四フッ化エチレン(PTFE)、又はこれらの複合樹脂)によって構成されているため、ピストン部3の移動時にシールリング92がシリンダチューブ2の内周面に接触しても、ピストン部3とシリンダチューブ2とのかみこみを回避できる。したがって、ピストン部3及びロッド部4が往復動する際に、シリンダチューブ2に対してシールリング92が摺動しても、シールリング92の摩耗は少なくなり、シリンダ装置の耐久寿命を延ばすことができる。
(11)嵌着溝93には、圧力作用室11から孔5aへ空気が漏れることを防止する漏れ防止手段としてのシール部材90(例えば、Oリング)が嵌着されている。したがって、ロッド部4が最大引き込み位置に配置された状態において、圧力作用室11内の圧縮空気がキャップ5の孔5aから外部に排出されるのを防止できる。
実施形態は、前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第2実施形態において、漏れ防止手段としてのシール部材90をOリングからその他のシール部材に変更してもよい。シール部材として用いる部材は、規制部とピストン部とによって挟まれた時にキャップ5とピストン部3に密着してシール可能な部材であればよく、例えば、シール部材として樹脂リングやゴムパッキンを用いてもよい。
○ 第2実施形態において、漏れ防止手段としてのシール部材90をピストンブロック91に嵌着する代わりに、キャップ5に取り付けてもよい。この場合、キャップ5に凹部95を形成する代わりに、キャップ5のピストンブロック91側の端部に平面視環状の嵌着溝を設け、嵌着溝にシール部材90を嵌着する。そして、ピストンブロック91の引き込み側端部94に、シール部材90と対向するように延びる突部を設ける。なお、この突部の幅は、嵌着溝の幅より小さくなるように形成される。そして、このように構成した場合には、ロッド部4が最大引き込み位置に配置された状態において、シール部材90は、キャップ5と突部とによって押圧されて潰れることで、圧力作用室11に供給された空気が外部に流出することを防止できる。
○ 第1実施形態において、シールブロック20を多孔質カーボンからその他の多孔質材料に変更してもよい。例えば、シールブロック20を多孔質樹脂によって構成してもよい。この場合、シールブロック20の加工精度が粗く、シールブロック20がシリンダチューブ2と接触した場合でも、シールブロック20がシリンダチューブ2の内面をかじることがなく、シールブロック20が受ける摺動抵抗も小さい。また、シールブロック20を多孔質金属によって構成してもよい。この場合、シールブロック20とピストンブロック21とを同材質から構成することができるため、ピストン部3を容易に製造することができる。
○ 第1実施形態において、第2実施形態の漏れ防止手段としてのシール部材90を加えてもよい。この場合、例えば、ピストン部3及び規制部としてのキャップ5のいずれか一方にシール部材90を取り付け、ピストン部3の移動がキャップ5によって規制された時には、シール部材90がキャップ5とピストン部3の端面とに圧接されるようにすればよい。このように構成すれば、圧力作用室11に供給された圧縮空気が孔5aから漏れることを、ピストン部3がキャップ5によって規制された時にはシール部材90によって防止できる。
○ ピストン部3とテールピース41とを別体に構成する代わりに、ピストン部3とテールピース41とを一体にしてもよい。例えば、連結部材30を省略し、シールブロック20、ピストンブロック21、テールピース41を一つの部材として構成してピストン部としたうえで、ピストン部をロッドパイプ40に連結してもよい。なお、この場合、ピストン部は、樹脂材料によって構成される。
○ 連結手段として線状のバネ材からなる連結部材30の代わりに、柔軟性を有する連結ワイヤを連結手段として用いてもよい。この場合、例えば、図5に示すように、両端にカシメ端子96が設けられた柔軟性を有する連結ワイヤ97(例えば、ステンレスやケプラーからなる柔軟性を有する撚り線)を準備し、ピストン部3と、テールピース41とにそれぞれ連結孔部98を設ける。そして、カシメ端子96を連結孔部98に圧入して連結ワイヤ97の端部をカシメた後、連結ワイヤ97とカシメ端子96との間の隙間をうめるように接着剤を流し込む。さらに、固定用止めネジ99をテールピース41の連結孔部98に圧入されたカシメ端子96に向けて螺入させることで、カシメ端子96と連結孔部98との間のがたつきを少なくする。このように構成しても、ピストン部3とテールピース41とが一体的に移動するように連結したうえで、ピストン部3は、ロッド部4の悪影響を受けずにシリンダチューブ2の軸心と同軸状態を保つことが可能となる。なお、この場合、ピストン部3は、樹脂材料によって構成される。
○ シリンダチューブ2に嵌着されるキャップ5を規制部として用いなくともよい。例えば、シリンダチューブ2の引き込み側端部の内径を縮径して、その縮径部を規制部としてもよい。このように構成すれば、圧力作用室11に空気が供給された時には、ピストン部3が縮径部に当接することでピストン部3の移動は規制される。
○ 磁気バネ機構9を弾性手段として構成する代わりに、ロッド部4の軸方向に作用する荷重を緩和する弾性手段としてコイルバネを用いてもよい。この場合、例えば、ロッド部のブッシュ7とブッシュ8との間に対応する箇所に受け座を設け、ブッシュ7、8のいずれかと受け座との間にコイルバネを介装する。ブッシュ7との間にコイルバネを介装する際は引っ張りコイルバネを介装し、ブッシュ8との間にコイルバネを介装する際は圧縮コイルバネを介装する。このように構成すれば、ロッド部4の軸方向に荷重が作用した時には、コイルバネのバネ力によってロッド部4の軸方向に作用する荷重を緩和することができる。
○ 圧力作用室11として供給される流体は、空気でなくともよい。例えば、作動流体として窒素等の不活性ガスや、それらの混合物である気体を用いてもよい。
○ シリンダ装置1を真空吸着装置として用いる場合にヘッド部100に装着される複数のシリンダ装置1の配列態様を変更してもよい。複数列状に複数のシリンダ装置1を等間隔にならべる代わりに、例えば、図6に示すように、ヘッド部100に複数の装着孔を千鳥状に並ぶように設けて、その装着孔に各シリンダ装置1を装着することで、シリンダ装置1を千鳥状に配列してもよい。
○ ロッドパイプ40を用いてロッド部4を構成する代わりに、中実状の軸材によってロッド部4を構成してもよい。そして、シリンダ装置1を例えば、真空吸着装置としてではなく、組み立て搬送工程の際にロッド部4の先端に取り付けられたワークを昇降させることができる昇降装置として使用してもよい。
以下の技術的思想は、前記実施形態から把握できる。
○ 前記ピストン部は、前記圧力作用室に供給された空気が前記圧力作用室から外部へ漏れることを抑制する漏れ防止手段を備える請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
(a)第1実施形態におけるシリンダ装置の側断面図、(b)第1実施形態におけるシリンダ装置のA−A線断面図。 (a)第1実施形態において、圧力作用室に空気が供給されていない状態におけるシリンダ装置の一部側断面図、(b)第1実施形態において、圧力作用室において空気が供給された状態におけるシリンダ装置の一部側断面図。 (a)ヘッド部に複数のシリンダ装置が装着された状態を示す側断面図、(b)ヘッド部に装着された複数のシリンダ装置を吸着部側から見た図。 (a)第2実施形態におけるシリンダ装置の一部側断面図、(b)第2実施形態において、圧力作用室に空気が供給された状態におけるシリンダ装置の一部側断面図。 別の実施形態におけるシリンダ装置の一部側断面図。 別の実施形態におけるヘッド部に装着された複数のシリンダ装置を吸着部側から見た図。
符号の説明
1…シリンダ装置、2…シリンダチューブ、3…ピストン部、4…ロッド部、5a…孔、6…シリンダ室、7,8…軸受としてのブッシュ、9…磁気バネ機構、10…常圧室、11…圧力作用室、20…シール部としてのシールブロック、21,91…ピストンブロック、30…連結手段としての連結部材、80…第1永久磁石としての固定マグネット、81…第2永久磁石としての可動マグネット、90…シール部材、92…シール部としてのシールリング、97…連結手段としての連結ワイヤ。

Claims (4)

  1. シリンダチューブ内部に区画されたシリンダ室と、
    作動流体が供給される圧力作用室と外部に連通している常圧室とに前記シリンダ室を区画するとともに、外周部に前記圧力作用室と前記常圧室との間をシールするシール部を備えたピストン部と、
    前記シリンダチューブ内の前記ピストン部に対して前記圧力作用室側において往復動可能に挿入されるとともに一端が前記シリンダチューブから突出するロッド部と、
    前記ロッド部の軸方向に作用する荷重を緩和する弾性手段とを備え、
    前記弾性手段と、前記ピストン部と、前記ロッド部とは、同軸状に配置され、
    前記ピストン部と前記ロッド部とは、一体的に移動可能に構成され、
    前記ピストン部は前記圧力作用室に作動流体が供給された状態で前記ロッド部を前記シリンダチューブ内に引き込むように移動可能に構成され、
    前記弾性手段は、前記シリンダチューブの内周に固定された第1永久磁石と、前記第1永久磁石と対向するように前記ロッド部に固定された第2永久磁石とで構成された磁気バネであって、前記ピストン部に作用する作動流体圧に抗して前記ロッド部を前記シリンダチューブから突出する方向に付勢し、
    前記シール部は、多孔質材料で形成されるとともに、前記圧力作用室と前記常圧室との間を隙間シールするように設けられ、前記シール部の外周面から前記圧力作用室に供給された作動流体の一部が吐出されることを特徴とするシリンダ装置。
  2. シリンダチューブ内部に区画されたシリンダ室と、
    作動流体が供給される圧力作用室と外部に連通している常圧室とに前記シリンダ室を区画するとともに、外周部に前記圧力作用室と前記常圧室との間をシールするシール部を備えたピストン部と、
    前記シリンダチューブ内の前記ピストン部に対して前記圧力作用室側において往復動可能に挿入されるとともに一端が前記シリンダチューブから突出するロッド部と、
    前記ロッド部の軸方向に作用する荷重を緩和する弾性手段とを備え、
    前記弾性手段と、前記ピストン部と、前記ロッド部とは、同軸状に配置され、
    前記ピストン部と前記ロッド部とは、一体的に移動可能に構成され、
    前記ピストン部は前記圧力作用室に作動流体が供給された状態で前記ロッド部を前記シリンダチューブ内に引き込むように移動可能に構成され、
    前記弾性手段は、前記シリンダチューブの内周に固定された第1永久磁石と、前記第1永久磁石と対向するように前記ロッド部に固定された第2永久磁石とで構成された磁気バネであって、前記ピストン部に作用する作動流体圧に抗して前記ロッド部を前記シリンダチューブから突出する方向に付勢し、
    前記シール部は、樹脂材料で形成されるとともに、前記圧力作用室と前記常圧室との間を隙間シールすることを特徴とするシリンダ装置。
  3. 前記シリンダチューブには、前記ロッド部を軸方向に往復動可能に支持する軸受が装着されており、前記ロッド部と前記ピストン部とは別体に形成されるとともに連結手段によって離間した状態で連結されている請求項1又は請求項に記載のシリンダ装置。
  4. 前記シリンダチューブには、前記常圧室の前記ピストン部の端面と対向する箇所に、前記ロッド部を引き込む方向に移動する前記ピストン部の移動を規制する規制部が設けられ、前記ピストン部及び前記規制部のいずれか一方には、前記規制部と前記ピストン部の端面とに圧接されて前記常圧室と外部とを連通する孔からの作動流体の漏れを防止するシール部材が取り付けられている請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
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