JP4842256B2 - 遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法 - Google Patents

遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4842256B2
JP4842256B2 JP2007511232A JP2007511232A JP4842256B2 JP 4842256 B2 JP4842256 B2 JP 4842256B2 JP 2007511232 A JP2007511232 A JP 2007511232A JP 2007511232 A JP2007511232 A JP 2007511232A JP 4842256 B2 JP4842256 B2 JP 4842256B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
base
seq
analysis
guanine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007511232A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2006107031A1 (ja
Inventor
敬子 田中
エム ホプキン・ジュリアン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Sankyo Co Ltd filed Critical Daiichi Sankyo Co Ltd
Priority to JP2007511232A priority Critical patent/JP4842256B2/ja
Publication of JPWO2006107031A1 publication Critical patent/JPWO2006107031A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4842256B2 publication Critical patent/JP4842256B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、アトピー性皮膚炎の発症に係る因子の遺伝子変異に関する一塩基多型を解析し、複数の因子の遺伝子多型の組み合わせに係るオッズ比を算出することにより、特定の遺伝子多型を有するアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率を判定する方法、及びアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療薬に関する。
アトピー性皮膚炎は、増悪と寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする慢性疾患である(非特許文献1)。アトピー性皮膚炎の病状は多彩であり、その原因は今なお不明であるが、主にダニ、毛、羽毛、細菌及び真菌等の天然物や、卵や牛乳等の食物、或いは化学繊維や洗剤等の合成品等の種々の物質が抗原として関与する場合があると考えられている。またアトピー性皮膚炎においては、ドライスキン(乾燥肌)に起因する皮膚のバリア機能障害が重要な役割を持つことも指摘されている。更に最近では、ストレスがアトピー性皮膚炎の発症に関係する可能性も示唆されている。
アトピー性皮膚炎に対する治療薬としてはステロイド外用剤が一般に使用される(非特許文献1)。しかしながら、ステロイド外用剤は、重症度、ならびに、塗布する部位や時期によって種類を厳密に選択する必要があり、使用法を誤ることによって症状が悪化する例も報告されている。さらにステロイド外用剤を長期に使用した場合には、皮膚萎縮や酒さ様皮膚炎等の副作用が起こることが知られており、また、本剤の使用を途中で不適切に中止した場合には、皮膚症状が著しく悪化するリバウンドと呼ばれる現象が見られることもある。
ステロイド外用剤以外のアトピー性皮膚炎治療薬としては現在、ヒスタミン拮抗剤や抗アレルギー剤が用いられている。ヒスタミン拮抗剤は掻痒感を部分的に取り除くという意味では有効であるものの、一般に皮疹の改善には繋がらないと考えられている。また、トラニラスト、ケトチフェン、オキサトミド、塩酸アゼラスチン等の抗アレルギー剤も、アトピー性皮膚炎の皮膚症状に対しては無効か、或いは効果が有っても殆ど満足できるものではなく、通常、補助的に使用されているのが現状である。さらに最近、免疫抑制剤であるタクロリムスの塗布剤がアトピー性皮膚炎治療薬として開発されたが(非特許文献2)、皮膚への刺激が強い等の副作用の出現が懸念されている。
アトピー性皮膚炎に対する新しい治療薬候補としては、キマーゼ阻害剤や抗IgE抗体等が報告されている。例えば、SUN C8257(非特許文献3、4)やY−40613(非特許文献5)といったキマーゼ阻害剤は種々のマウス皮膚炎モデルで有効性を示すことが明らかになっている。キマーゼは肥満細胞から遊離されるキモトリプシン様酵素であり、肥満細胞自身の増殖に関与するstem cell factorのプロセシング(非特許文献6、7)や、好酸球の遊走に関与することが示されており、その阻害剤はアトピー性皮膚炎治療薬として有用である可能性が示唆されている(非特許文献8、非特許文献9)。また、抗IgE抗体は血中のIgEがマスト細胞等と結合するのを抑制する。抗IgE抗体としては例えばオマリズマブ(Omalizumab)があり、近年気管支喘息を対象とした臨床試験が進められ、医薬品として承認されている。アトピー性皮膚炎においてもIgEを介した肥満細胞の脱顆粒反応が重要な役割を担っていると考えられることから、オマリズマブのアトピー性皮膚炎への適応も期待される(非特許文献10)。
現在、薬効と副作用の両面で十分満足できるアトピー性皮膚炎治療薬がないことを考えると、将来、これらの薬剤が臨床で用いられる可能性が想定される。
アトピー性皮膚炎は通常、皮疹の外観上の特徴や分布及び掻痒の有無、ならびに臨床経過を調べることによって診断されるが、場合によっては血中のIgE値、家族性の有無、あるいは気管支喘息やアレルギー性鼻炎の合併の有無も診断の基準になる(非特許文献11)。従って、アトピー性皮膚炎の薬物治療としては、まず、主に外観所見によって診断を行った後、その重症度に従ってステロイド外用剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤の中から適当と思われる薬剤(一剤又は複数の薬剤)が選択され、投薬されるのが一般的である。しかしながら、アトピー性皮膚炎の発症原因は現時点では明確でなく、現行の治療薬の選択は必ずしも科学的根拠に基づいているとは言えず、寧ろ専門医の経験に依拠する所が大きい。さらに、アトピー性皮膚炎患者には血中IgE値の上昇を示さない非アレルギー型(non−allergic type)あるいは内因性型(intrinsic type)と呼ばれる患者も存在し、このこともまた正確な診断を困難にしている。
また、アトピー性皮膚炎は多くの場合、家族性であることから、遺伝的な因子が関与する可能性が古くから指摘されてきた。疾患が遺伝性である場合、原因となる遺伝子を特定することは、新たな特異的治療薬を開発する上でも貴重な情報になるだけでなく、遺伝子診断に基づく効率的な治療を行う観点からも極めて有用である。例えば、疾患の原因遺伝子が特定され、その原因遺伝子がコードするタンパク質の機能を阻害する物質を得ることができれば、その物質は、当然その疾患の治療薬として有用であると考えられる。個々人について、原因遺伝子の構造や発現量を調べることは、個々人の発症の危険率(易罹患性)を予見できることに加え、その原因遺伝子をターゲットとした治療薬の効果(感受性)の予測にも繋がり、個々人の疾患の原因に則した理想的な治療の実施が可能になると考えられる。
疾患の原因遺伝子を解析する手法としては、一般に連鎖解析と呼ばれる方法が使われ、アトピー性皮膚炎においてもこの手法を用いた解析が既にいくつか行われている。例えば、Leeらは、アトピー性皮膚炎患者を用いた全ゲノム領域における解析(genome−wide linkage study)を行い、その結果、染色体の3q21がその疾患原因候補領域であることを報告した(非特許文献12)。また、Cooksonのグループも同様の手法を用い、1q21、17q25及び20pを原因候補領域である可能性を示した(非特許文献13)。しかしこの手法においては、絞り込める遺伝子領域に限界があり、特定の原因遺伝子の同定には至っていないのが実情である。
疾患の原因遺伝子を探索する方法としては、連鎖解析の他に、その疾患の原因になり得る遺伝子に絞って一塩基多型(Single nucleotide polymorphism:SNPs)解析を行う方法がある。アトピー性皮膚炎に関しても、これまで、キマーゼ、高親和性IgE受容体(FcεRIβ)、IL−4受容体、RANTES等でSNPs解析がなされ、発症との相関性の有無が報告されている。例えば、Maoら(非特許文献14)はヒト肥満細胞キマーゼ遺伝子の3255番目のSNPsが、またShirakawaら(非特許文献15)は高親和性IgE受容体遺伝子の1343番目のSNPsがアトピー性皮膚炎の発症と相関があることを報告した。しかし、これらのSNPsとアトピー性皮膚炎の発症との相関性は必ずしも明確ではなく、同じ遺伝子の同じSNPsの解析においても、アトピー性皮膚炎との相関性がないという全く逆の報告もあり(非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18)、アトピー性皮膚炎の原因遺伝子が特定されたとは言えない状況である。
ザ・ジャーナル・オブ・アレルギー・アンド・クリニカル・イムノロジー(J.Allergy Clin.Immunol)、1999年、第104巻、S123 ザ・ジャーナル・オブ・アレルギー・アンド・クリニカル・イムノロジー(J.Allergy Clin.Immunol)、1999年、第104巻、S126 ラボラトリー・インベスチゲイション(Lab Invest)、2002年、第82巻、p.789 インターナショナル・アーカイブス・オブ・アレルギー・アンド・イムノロジー(Int Arch Allergy Immunol)、2002年、第128巻、p.229 ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Jpn J Pharmacol)、2002年、第90巻、p.214 プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステート・オブ・ザ・アメリカ(Proc Natl Acad Sci USA)、1997年、第94巻、p.9017 バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem Biophys Res Commun)、2002年、第290巻、p.1478 ジャーナル・オブ・ロイコサイト・バイオロジー(J Leukoc Biol)、2000年、第67巻、p.585 バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochem Pharmacol)、2002年、第64巻、p.1187 モナルディ・アーカイブス・フォー・チェスト・ディズィーズ(Monaldi Arch Chest Dis)、2003年、第59巻、p.25 日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン:日皮会誌、2004年、第114巻、p.135 ネイチャー・ジェネティクス(Nat Genet)、2000年、第26巻、p.470 ネイチャー・ジェネティクス(Nat Genet)、2001年、第27巻、p.372 ランセット(Lancet)、1996年、第48巻、p.1 ネイチャー・ジェネティクス(Nat Genet)、1994年、第7巻、p.125 ヒューマン・ヘレディティー(Hum Hered)、1998年、第48巻、p.271 ヒューマン・ヘレディティー(Hum Hered)、2001年、第51巻、p.177 インターナショナル・アーカイブス・オブ・アレルギー・アンド・イムノロジー(Int Arch Allergy Immunol)、1996年、第111巻、p.44
アトピー性皮膚炎(以下、ADと略記することもある。)の発症及び/又は進展(感受性)に係る数種の候補遺伝子が提唱されているが、それらの相互作用、及びどの遺伝子が疾患の進展により大きな影響を及ぼすかについては、殆ど知られていない。これまでに、ヒト肥満細胞キマーゼ(mast cell chymase;以下、MCCと略記する。)、好酸球の遊走因子であるRANTES、及び、ヒトIgE高親和性受容体β鎖(以下、FcεRIβと略記する。)の遺伝子変異がADの感受性に関与する可能性が示されているが、これらの遺伝子変異に係る遺伝子の相互作用及び/又はADの発症及び進展については未だ明らかにされてはいない。
本発明が解決しようとする課題は、ADの発症及び進展に係る主要な因子及びそれらの遺伝子間の相互作用の解析から、ADの相対罹患危険率の検出、及びその判定方法、それら遺伝子に基づくAD患者の薬物感受性の予測及び薬物有害反応を排除したAD予防及び/又は治療薬の選択方法、あるいは該相対罹患危険率の検出方法を用いることを特徴とするADの診断法及び治療法の決定方法、更には、該診断法及び治療法の決定方法に基づくADの診断法及び治療法を提供することである。
発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究をおこない、AD患者と正常人のアレルギー関連遺伝子の一塩基多型の遺伝子型、すなわちMCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目の一塩基多型の遺伝子型が、グアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体、アデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるか、FcεRIβ遺伝子の開始コドン(配列表:配列番号2の456..458)から1343番目(配列表:配列番号2の1798番目)の一塩基多型の遺伝子型がグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体、アデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるか、あるいはRANTES遺伝子のmRNAの転写開始点(配列表:配列番号3の959番目)から数えて上流側−403番目(配列表:配列番号3の556番目)の一塩基多型の遺伝子型がグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体、アデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるか、あるいはRANTES遺伝子のmRNAの転写開始点(配列表:配列番号3の959番目)から数えて上流側−28番目(配列表:配列番号3の931番目)の一塩基多型の遺伝子型がグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−シトシンのヘテロ接合体、シトシン−シトシンのホモ接合体のいずれであるか、あるいはインターロイキン−13遺伝子(配列表:配列番号4)の4257番目の一塩基多型の遺伝子型がグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体、アデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるか、を解析したところ、2以上のアレルギー関連遺伝子の一塩基多型の遺伝子型の組み合わせにより、AD罹患率が異なることを見出した。本発明者らはさらに研究を重ね、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1] 統計学的に意味のある個体数の健常人とアトピー性皮膚炎患者から採取した生体成分を試料として二以上のアトピー性皮膚炎発症関連遺伝子の遺伝子多型を解析し、それによって導かれる個々の遺伝子多型に係る相対比率(百分率%)を求め、その相対比率から特定の遺伝子多型に係るオッズ比を算出し、そのオッズ比が個々の遺伝子多型に係るオッズ比より相乗的に高いオッズ比を示す二以上の遺伝子多型の組み合わせを判定基準とする被験者のアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率を判定する方法、
[2] 二以上のアトピー性皮膚炎発症関連遺伝子の一つがMCC遺伝子であることを特徴とする前記[1]記載の方法、
[3] MCC遺伝子以外のアトピー性皮膚炎発症関連遺伝子が、FcεRIβ遺伝子、RANTES遺伝子及びインターロイキン−13遺伝子から選択される1以上の遺伝子であることを特徴とする前記[2]記載の方法、
[4] 下記の(a)〜(e)の工程から選択されるいずれか2種の工程の組み合わせにおける個々の遺伝子多型のオッズ比を求める工程を含むことを特徴とする前記[1]記載の方法;
(a)ヒトから分離した試料から抽出したMCC遺伝子である配列表の配列番号1で示される塩基配列の3255番目の塩基がグアニンとアデニンのいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程;
(b)ヒトから分離した試料から抽出したFcεRIβ遺伝子である配列表の配列番号2で示される塩基配列の開始コドンから1343番目の塩基がグアニンとアデニンのいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程;
(c)ヒトから分離した試料から抽出したRANTES遺伝子である配列表の配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側−403番目の塩基がグアニンとアデニンのいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程;
(d)ヒトから分離した試料から抽出したRANTES遺伝子である配列表の配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側−28番目の塩基がグアニンとシトシンのいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程;
(e)ヒトから分離した試料から抽出したインターロイキン−13遺伝子である配列表の配列番号4で示される塩基配列の4257番目の塩基がグアニンとアデニンのいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程、
[5] 2種の工程が、(a)(b)、(a)(c)、(a)(d)、又は(a)(e)の工程の組み合わせであることを特徴とする前記[4]記載の方法、
[6] 下記の(g)〜(k)の工程から選択されるいずれか2種の工程の組み合わせにおける個々の遺伝子多型のオッズ比を求める工程を含むことを特徴とする前記[1]記載の方法;
(g)ヒトから分離した試料から抽出したMCC遺伝子である配列表の配列番号1で示される塩基配列の3255番目の塩基の組み合わせが、グアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体、アデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程;
(h)ヒトから分離した試料から抽出したFcεRIβ遺伝子である配列表の配列番号2で示される塩基配列の開始コドンから1343番目の塩基の組み合わせがグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体、アデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程
(i)ヒトから分離した試料から抽出したRANTES遺伝子である配列表の配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側−403番目の塩基の組み合わせがグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体、アデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程;
(j)ヒトから分離した試料から抽出したRANTES遺伝子である配列表の配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側−28番目の塩基の組み合わせがグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−シトシンのヘテロ接合体、シトシン−シトシンのホモ接合体のいずれかであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程;
(k)ヒトから分離した試料から抽出したインターロイキン−13遺伝子である配列表の配列番号4で示される塩基配列の4257番目の塩基の組み合わせがグアニン−グアニンのホモ接合体、グアニン−アデニンのヘテロ接合体又はアデニン−アデニンのホモ接合体のいずれであるかを決定する遺伝子多型を解析する工程、
[7] 2種の工程が、(g)(h)、(g)(i)、(g)(j)、又は(g)(k)の工程の組み合わせであることを特徴とする前記[6]記載の方法、
[8] ヒトから分離した試料から抽出したMCC遺伝子である配列表の配列番号1で示される塩基配列の3255番目の塩基の組み合わせがグアニン−グアニンのホモ接合体であり、かつFcεRIβ遺伝子である配列表の配列番号2で示される塩基配列の開始コドンから1343番目の塩基の組み合わせがグアニン−アデニンのヘテロ接合体又はアデニン−アデニンのホモ接合体である場合、あるいはRANTES遺伝子である配列表の配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側−403番目の塩基の組み合わせがグアニン−アデニンのヘテロ接合体又はアデニン−アデニンのホモ接合体である場合、あるいはRANTES遺伝子である配列表の配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側−28番目の塩基の組み合わせがグアニン−シトシンのヘテロ接合体又はグアニンーグアニンのホモ接合体である場合、あるいはインターロイキン−13遺伝子である配列表の配列番号4で示される塩基配列の4257番目の塩基の組み合わせがアデニン−アデニンのホモ接合体又はグアニン−アデニンのヘテロ接合体である場合に、アトピー性皮膚炎に対する相対罹患危険率の蓋然性が高いと判定する前記[3]記載の方法、
[9] 前記[4]乃至[7]に記載の工程により算出したオッズ比が3.00以上の数値を示す組み合わせの遺伝子多型をもつ被験者をアトピー性皮膚炎発症及び/又は進展の相対罹患危険率が高いと判定する方法、
[10] 前記[4]乃至[7]に記載の工程により算出したオッズ比が3.50以上の数値を示す組み合わせの遺伝子多型をもつ被験者をアトピー性皮膚炎発症及び/又は進展の相対罹患危険率が高いと判定する方法、
[11] 前記[4]乃至[7]に記載の工程により算出したオッズ比が4.00以上の数値を示す組み合わせの遺伝子多型をもつ被験者をアトピー性皮膚炎発症及び/又は進展の相対罹患危険率が高いと判定する方法、
[12] 前記[4]乃至[7]に記載の工程により算出したオッズ比が4.50以上の数値を示す組み合わせの遺伝子多型をもつ被験者をアトピー性皮膚炎発症及び/又は進展の相対罹患危険率が高いと判定する方法、
[13] 前記[1]乃至[8]に記載する方法を用いて、アトピー性皮膚炎の予防薬及び/又は治療薬の有効性を予測する方法、
[14] 前記[1]乃至[8]に記載する方法を用いて、アトピー性皮膚炎の予防薬及び/又は治療薬を選択する方法、
[15] 前記[1]乃至[8]に記載する方法を用いて、アトピー性皮膚炎患者を選別する方法、
[16] 前記[1]乃至[8]に記載する方法を用いて、キマーゼ阻害剤の有効性が予測されるアトピー性皮膚炎患者を選別する方法、
[17] 前記[1]乃至[8]に記載する方法を用いることを特徴とするアトピー性皮膚炎の診断方法、
[18] 前記[1]乃至[8]に記載する方法を用いることを特徴とするアトピー性皮膚炎の診断用SNPチップ、
[19] 前記[14]に記載された方法で選択される予防薬及び/又は治療薬を投与することを特徴とするアトピー性皮膚炎の予防及び/又は治療方法、
[20] 予防薬及び/又は治療薬が、キマーゼ阻害剤、IgEとその受容体との結合を阻害する薬剤及びIgE受容体の機能を阻害する薬剤から選択される一種又は二種以上であることを特徴とするアトピー性皮膚炎の予防薬及び/又は治療薬の選択方法、
[21] 予防薬及び/又は治療薬が、キマーゼ阻害剤、IgEとその受容体との結合を阻害する薬剤及びIgE受容体の機能を阻害する薬剤から選択される少なくとも一種である前記[19]記載の予防及び/又は治療方法、
[22] 前記[1]乃至[8]に規定する方法を含んでなるアトピー性皮膚炎に係る遺伝子多型の検出用キット、
[23] 前記[1]乃至[8]に規定する方法を含んでなるアトピー性皮膚炎患者の診断用キット、
[24] 前記[1]乃至[8]に規定する方法を含んでなるアトピー性皮膚炎の予防薬及び/又は治療薬の有効性予測用キット、
に関する。
本発明の方法によれば、従来単一の遺伝子塩基多型の解析からでは明瞭に予測ができなかったADの相対罹患危険率を高い確率で予測することができる。また、本発明によればAD患者の薬物感受性の予測が可能となり、AD患者の遺伝子型に適応した薬剤の選択が可能となる。
図1は相対罹患危険率の算出方法を示す図である。 図2はオッズ比の算出方法を示す図である。
本明細書中において、「遺伝子多型」とは、個体のゲノムに刻まれたDNA塩基配列のうち、1つの塩基置換によって起こる多型、すなわち1塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNPs)をいうものとする。
本明細書中において、「遺伝子」という用語には、DNAのみならずそのmRNA、cDNA及びcRNAも含むものとする。したがって、本発明の遺伝子には、これらのDNA、mRNA、cDNA、及びcRNAの全てが含まれる。
本明細書中において、「相対罹患危険率」という用語は、AD危険因子を有さないヒトのAD罹患率に対するAD危険因子を有するヒトのAD罹患率の比をいい、相対危険度(relative risk)ともいう。「相対罹患危険率の検出」は、相対罹患危険率の算出により行われる。
キマーゼは、肥満細胞顆粒中に存在するキモトリプシン様セリンプロテアーゼをいう。キマーゼはヒト肥満細胞由来のキマーゼが好ましい。ヒト肥満細胞由来のキマーゼの遺伝子としては、公共データベースであるGenBank(NCBI)にアクセッション番号:M64269として登録されているものが好ましく例示される。該ヒト肥満細胞由来キマーゼ遺伝子の塩基配列を配列番号1に示した。この塩基配列において3255番目の塩基はグアニン(以下、Gと略記する。)であり、そのSNPsの対立遺伝子はアデニン(以下、Aと略記する。)である。
FcεRIβは、肥満細胞を活性化し、気管支喘息に関与することが知られている。FcεRIβ遺伝子としては、GenBank(NCBI)に登録(アクセッション番号:M89796)されている公知の配列が好ましく例示される。該FcεRIβ遺伝子の塩基配列を配列番号2に示した。この塩基配列において1798番目に相当し、開始コドン(配列表:配列番号2の456..458)から数えた1343番目(以下、本発明においてFcεRIβ遺伝子の1343番目という。)の塩基はGであり、そのSNPsの対立遺伝子はAである。
RANTESはRegulated upon Activation, Normal T cell Expressed and Secreted(Schall 1990)の短縮語であり、好塩基球からヒスタミンを遊離し、好酸球を活性化する。ヒトRANTES遺伝子としては、GenBank(NCBI)に登録(アクセッション番号:S64885)されている公知の配列が好ましく例示される。該RANTES遺伝子の塩基配列を配列番号3に示した。この塩基配列においてmRNAの転写開始点(配列表:配列番号の959番目)から数えて上流側−403番目(配列表:配列番号の556番目;以下、本発明においてRANTES遺伝子の−403番目という。)の塩基がAであり、そのSNPsの対立遺伝子はGである。ヒトでは、このSNPsに対してAA,AG(GA)あるいはGGの遺伝子型を持つ。また、この塩基配列においてmRNAの転写開始点(配列表:配列番号の959番目)から数えて上流側−28番目(配列表:配列番号の931番目;以下、本発明においてRANTES遺伝子の−28番目という。)の塩基はシトシン(以下、Cと略記する。)であり、そのSNPsの対立遺伝子はGである。ヒトでは、このSNPsに対してCC,CG(GC)あるいはGGの遺伝子型を持つ。
インターロイキン−13(以下、IL−13と略記する。)は、IgE産生調節や種々の接着因子の発現誘導等,いわゆるアレルギー素因に関与する多くの作用を有し、また喘息のエフェクター分子としても作用し、無感作動物にIL−13を投与するだけで、気道過敏性、好酸球性炎症、粘膜異形成といったアレルギー性喘息に特徴的な症状を発現することが知られている。 ヒトIL−13遺伝子は、GenBank(NCBI)に登録(アクセッション番号:U31120)されている公知の配列が好ましく例示される。該IL−13遺伝子の塩基配列を配列番号4に示した。この塩基配列において4257番目の塩基はGであり、そのSNPsの対立遺伝子はAである。ヒトでは、このSNPsに対してAA,AG(GA)あるいはGGの遺伝子型を持つ。 また、上記IL−13遺伝子の発現タンパク質のアミノ酸配列(配列表:配列番号5)における、この遺伝子多型部位(配列表:配列番号4の4247番目)を含むコドン(配列表:配列番号4の4256..4258)に対応するアミノ酸(配列表:配列番号5の130番目)はArgであり、そのSNPsの塩基(A)を含むコドンに対応するアミノ酸はGlnである。従って、IL−13の場合、発現タンパク質のアミノ酸配列を基準に遺伝子多型を解析することもできる。
本発明において「遺伝子多型を解析する」とは、解析対象の遺伝子多型について患者がどのような遺伝子型を有するかを調べることを意味し、特定遺伝子の多型が存在する位置の塩基(塩基配列)を調べることと同義である。例えばMCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目の塩基(G/A)多型の解析を例に採れば、患者から採取した試料、例えば患者のリンパ球におけるMCCの遺伝子型がGG(3255番目の塩基が両アレル共にGのホモ接合体)、GA(3255番目の塩基がGのアレルとAのアレルとのヘテロ接合体)、及びAA(3255番目の塩基が両アレル共にAのホモ接合体)の中のいずれであるかを調べることを意味する。同様にFcεRIβ遺伝子(配列表:配列番号2)の1343番目の塩基(G/A)多型の解析では、例えば患者のリンパ球におけるFcεRIβ遺伝子の遺伝子型がGG(1343番目の塩基が両アレル共にGのホモ接合体)、GA(1343番目の塩基がGのアレルとAのアレルとのヘテロ接合体)、及びAA(1343番目の塩基が両アレル共にAのホモ接合体);RANTES遺伝子(配列表:配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側)の−403番目の塩基(G/A)多型の解析では、例えば患者のリンパ球におけるRANTES遺伝子の遺伝子型がGG(−403番目の塩基が両アレル共にGのホモ接合体)、GA(−403番目の塩基がGのアレルとAのアレルとのヘテロ接合体)、及びAA(−403番目の塩基が両アレル共にAのホモ接合体);RANTES遺伝子(配列表:配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側)の−28番目の塩基(G/C)多型の解析では、例えば患者のリンパ球におけるRANTES遺伝子の遺伝子型がGG(−28番目の塩基が両アレル共にGのホモ接合体)、GC(−28番目の塩基がGのアレルとCのアレルとのヘテロ接合体)、及びCC(−28番目の塩基が両アレル共にCのホモ接合体);IL−13遺伝子(配列表:配列番号4)の4257番目の塩基(G/A)多型の解析では、例えば患者のリンパ球におけるIL−13遺伝子の遺伝子型がGG(4257番目の塩基が両アレル共にGのホモ接合体)、GA(4257番目の塩基がGのアレルとAのアレルとのヘテロ接合体)及びAA(4257番目の塩基が両アレル共にAのホモ接合体);IL−13(配列表:配列番号5)の130番目のアミノ酸(Arg/Gln)の解析では、例えば患者のリンパ球におけるIL−13の130番目のアミノ酸がArg/Arg(130番目のアミノ酸が両アレル共にArg)、Arg/Gln(130番目のアミノ酸がArgのアレルとGlnのアレル)、及びGln/Gln(130番目の塩基が両アレル共にGln)の中のいずれであるかを調べることを意味する。
各遺伝子多型を解析する方法は特に限定されるものではなく、各遺伝子多型を検出、遺伝子型を同定することにより行なうことができる。各遺伝子多型の検出、遺伝子型の同定は、まず患者から採取した試料からDNAを抽出する。DNAの抽出は、公知の方法、例えば陰イオン界面活性剤を含有するDNA抽出溶液で抽出する方法等で行なうことができるが、市販のDNA抽出用のキット、例えばIsoQuick kit(ORCA Research Inc.)、DNA抽出キット(島津理化器械株式会社)、GeneBall Genome Preparation Kit(タカラバイオ株式会社)等を用いることもできる。
次に、得られたDNAを含む試料から、公知の方法、例えば以下の方法、(1)PCR−RFLP(restriction fragment length polymorphism;制限酵素切断断片長多型)法;(2)PCR−SSCP(single strand conformation polymorphism;一本鎖DNA高次構造多型解析)法;(3)ASO(allele specific oligonucleotide:アレル特異的オリゴヌクレオチド)ハイブリダイゼーション法;(4)ARMS(Amplification Refracting Mutation System)法;(5)インベーダー法;(6)ARMS(Amplification Refracting Mutation System)法;(7)MALDI−TOF/MS(Matrix Assisted Laser Desorption−time of Flight/Mass Spectrometry)法;(8)DNAチップ又はマイクロアレイを用いた方法;(9)LAMP法(Loop−Mediated Isothermal Amplification;(10)RT−LAMP(Reverse Transcription−Loop−mediated Isothermal Amplification)法;(11)温遺伝子増幅法(ICAN法);(12)UCAN法(SNPタイピング法);(13)ダイレクトシークエンス法;(14)サイクリングプローブ法;(15)ALBUM(Aldehyde−Linker−Based−Ultrasensitive−Mismatch Scanning)法;(16)ドットハイブリダイゼーション法;(17)変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis、以下「DGGE」という)法;(18)RNaseA切断法;(19)DOL(Dye−labeled Oligonucleotide Ligation)法;(20)TDI(Template−directed Dye−terminator Incorporation)法;(21)TaqMan−PCR法;(22)モレキュラー・ビーコン(Molecular Beacons)法;(23)ダイナミック・アリルスペシフィック・ハイブリダイゼーション(Dynamic Allele−Specific Hybridization (DASH))法;又は、(24)ECA(Electrochemical Array)法等を用いて、MCC遺伝子、FcεRIβ遺伝子、RANTES遺伝子又はIL−13遺伝子の遺伝子多型を検出し、遺伝子型を同定できる。遺伝子多型の検出、遺伝子型の同定は、前記方法に限定されず、他の公知の遺伝子多型検出方法を本発明のために利用することもできる。また、本発明の方法においては、これらの遺伝子多型検出同定方法を単独で用いても、二つ以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の好適な実施形態の一つとして、後述する実施例では、PCR−RFLP法を用いた方法を示す。PCR−RFLP法は、遺伝子多型部位が制限酵素認識部位に含まれる場合、その制限酵素の消化により生じるDNA断片の長さの違いから、当該遺伝子多型を検出する方法である。具体的には、多型部位を含むDNA断片をPCR増幅後、制限酵素で切断し、電気泳動により切断されたDNA断片の大きさを解析する。この場合、PCRプライマーとしては、多型部位を含む約0.05〜4kbのDNA断片を増幅するための、15〜30merのオリゴヌクレオチドが好ましい。
また、遺伝子多型の解析には、試料が少量の場合には、検出感度乃至精度の面からPCR法を利用した方法(例えばPCR−RFLP法)により解析することが好ましい。また、PCR法等の遺伝子増幅法により試料を予め増幅(塩基配列の一部領域の増幅を含む)した後、上記いずれかの解析方法を適用することもできる。
上記解析において、増幅されるDNAは、解析の対象となる多型を含む遺伝子の当該多型部位を含む一定領域(部分DNA領域)に相補的な配列を有するDNAを挙げることができる。上記プライマー又はプローブは,目的とするSNPsに応じてデザインされるのが好ましく、解析対象の多型を含む遺伝子において当該多型部位を含む一定領域(部分DNA領域)に相補的な配列を有し、当該多型部分を含むDNAフラグメントを特異的に増幅できるように設計されたプライマー又はプローブを挙げることができる。該プライマー又はプローブの塩基はそれぞれの機能が発揮される長さ、通常約15〜30塩基程度が好ましい。また、該プライマーは増幅対象に特異的にハイブリダイズし、目的のDNAフラグメントを増幅することができる限りにおいて鋳型となる配列に対して多少のミスマッチがあってもよい。プローブの場合も同様に、検出対象の配列と特異的なハイブリダイズが行える限り、検出対象の配列に対して多少のミスマッチがあってもよい。ミスマッチの程度としては、1〜数個、好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個である。
このようなプライマーとしては、例えばMCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目の塩基(G/A)多型が解析対象の場合には、例えば配列番号6及び7で示される塩基配列からなるプライマー;FcεRIβ遺伝子(配列表:配列番号2)の1343番目の塩基(G/A)多型が解析対象の場合には、例えば配列番号8及び9で示される塩基配列からなるプライマー;RANTES遺伝子(配列表:配列番号3)の−403番目の塩基(G/A)多型が解析対象の場合には、例えば配列番号10及び11で示される塩基配列からなるプライマー;RANTES遺伝子(配列表:配列番号3)の−28番目の塩基(G/C)多型が解析対象の場合には、例えば配列番号12及び13で示される塩基配列からなるプライマー;IL−13遺伝子(配列表:配列番号4)の4257番目の塩基(G/A)多型が解析対象の場合には、例えば配列番号14及び15で示される塩基配列からなるプライマーを挙げることができる。
上記プライマー又はプローブは単なる一例であって、プライマー又はプローブであれば目的の増幅反応を支障なく行える限度において、該プライマー又はプローブの一部の塩基配列に改変が施されたものであってもよい。ここでの「一部の改変」とは、塩基の一部が欠失、置換及び/又は付加されていることを意味する。改変にかかる塩基数は例えば1〜7個、好ましくは1〜5個、更に好ましくは、1〜3個である。尚、このような改変は、原則として多型部位に対応する塩基以外の部分において行われる。
SNPs解析用プライマー又はプローブはホスホジエステル法等公知の方法によって合成することができる。尚、SNPs解析用プライマー又はプローブの設計、合成等に関しては、例えばMolecular Cloning,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York等を参考にすることができる。
SNPs解析用試料は、被験者の血液、皮膚細胞、粘膜細胞、毛髪又は尿等から公知の抽出方法、精製方法等を用いて調製することができる。SNPs解析の対象遺伝子を含むものであれば、任意の長さのゲノムDNAを試料として用いることができる。尚、試料においてSNPs解析の対象遺伝子が完全な状態(即ち、遺伝子の全長が存在する状態)でなくても、少なくとも解析される多型部位が存在すれば断片的、部分的DNAであってもよい。
また、解析対象の遺伝子の転写産物であるmRNAを利用して各遺伝子の多型を解析することもできる。例えば被験者の血液等の上記試料から解析対象である遺伝子のmRNAを抽出、精製した後、ノーザンブロット法(Molecular Cloning, Third Edition,7.42,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)、ドットブロット法(Molecular Cloning, Third Edition,7.46,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)、RT−PCR法(Molecular Cloning, Third Edition,8.46,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York)又はDNAチップ(DNAアレイ)等を用いた方法等を実行することにより、mRNAを出発材料としてSNPs解析を行うことができる。
さらに、上記の多型の中でアミノ酸の変化を伴うもの、例えばIL−13については、解析対象の遺伝子の発現産物を用いて多型解析を行うこともできる。この場合、多型部位に対応するアミノ酸(Arg又はGln)を含んでいれば部分タンパク質、部分ペプチドであってもSNPs解析用試料として用いることができる。この場合の方法としては、多型部位のアミノ酸を直接分析する方法、又は免疫学的方法等が挙げられる。前者としては、エドマン法等公知のアミノ酸配列分析法を用いることができる。後者としては、遺伝子の発現産物に特異的な結合活性を有するモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体を用いた方法、例えば、酵素結合免疫吸着定量法(ELISA法)、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降法又は免疫拡散法等を用いることができる。
上記により得られる多型情報を、統計学的に集計し、ADの診断、相対罹患危険率の検出、判定、治療薬の選択等に利用することができる。
なお、本発明に示すオッズ比とSNPsによるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率とは同等の意味である。すなわち、危険因子を有することによる相対罹患危険率は、危険因子(本特許ではSNPsに相当する。)を有さないヒトのAD罹患率に対する危険因子を有するヒトのAD罹患率の比(相対罹患危険率)により表され、またオッズ比はある事象が起きる確率と、起こらない確率の比で表される。ここで、危険因子を有する発症群と正常群の人数をそれぞれa及びb、又は危険因子を有さない発症群と正常群の人数をそれぞれc及びdとした場合の相対罹患危険率は、a(c+d)/c(a+b)で表される(図1)。
一方、オッズ比は、ad/bcで表される(図2)。
本来、危険因子を有することによる罹患危険率は、相対罹患危険率を求めることで表されるが、抽出したサンプル数が本来の母集団を反映しておらず、相対罹患危険率を求めても真の罹患危険率を求めていることにはならない。一方、アトピー性皮膚炎のように、全人口に対して罹患患者数が少ない疾患の場合(a≪b、c≪d)、相対罹患危険率は、
a(c+d)/c(a+b)≒ad/bc
と表され、オッズ比と相対罹患危険率が一致する。
上記により得られるSNPs情報から、オッズ比が約3以上、好ましくは、約3.5以上の数値、より好ましくは4以上の数値、とりわけ好ましくは4.5以上の数値を示す遺伝子型の組み合わせが検出できたときには、AD又は、ADを発症する罹患危険率が高いと判定することができる。より具体的には、例えば以下の(イ)〜(ホ)いずれか一つ又は二つ以上の遺伝子型の組合せが検出されたときには、AD又は、ADを発症する罹患危険率が高いと判定することができる。
(イ)MCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目の塩基のSNPsの遺伝子型がGGのホモ接合体と、FcεRIβ遺伝子(配列表:配列番号2)の1343番目(配列番号2の1343番目)塩基のSNPsの遺伝子型がAAのホモ接合体又はAGのヘテロ接合体の組み合わせ;
(ロ)MCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目(配列番号1の3255番目)の塩基のSNPsの遺伝子型がGGのホモ接合体と、RANTES遺伝子(配列表:配列番号3)の−403番目の塩基のSNPsの遺伝子型がAAのホモ接合体又はAGのヘテロ接合体の組み合わせ;
(ハ)MCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目の塩基のSNPsの遺伝子型がGGのホモ接合体と、RANTES遺伝子(配列表:配列番号3)の−28番目の塩基のSNPsの遺伝子型がGGのホモ接合体又はCGのヘテロ接合体;
(ニ)MCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目の塩基のSNPsの遺伝子型がGGのホモ接合体と、IL−13遺伝子(配列表:配列番号4)の4257番目の塩基のSNPsの遺伝子型がAAのホモ接合体又はAGのヘテロ接合体の組み合わせ;
(ホ)MCC遺伝子(配列表:配列番号1)の3255番目の塩基のSNPsの遺伝子型がGGのホモ接合体と、IL−13(配列表:配列番号5)の130番目のアミノ酸がArg/Arg又はArg/Glnの組み合わせ。
ADの罹患危険率を診断することにより、将来的にADを罹患するおそれの程度(発症し易さ)又は発症リスクが予測され、また遺伝子型という客観的指標に基づいてADの認定や病状の把握を行うことが可能となる。換言すれば、本発明の診断方法によってADの相対罹患危険率の評価、ADに罹患していることの判定、又は症状の把握を行うことができる。中でも相対罹患危険率の評価を行えることは臨床上極めて有意義である。相対罹患危険率を事前に知ることはADの一次予防に貢献し、適切な予防措置を講じることを可能とするからである。
本発明のADの診断方法によって得られる情報は、適切なADの治療法の選択や、予後の改善、患者の生活の質の向上、又は相対罹患危険率の低減等に応用することができる。
本発明の診断方法を実行することにより、例えば環境因子と投与薬剤等との間に相関関係が認められれば、この情報を基に環境因子の改善によるAD発症の低減や適切な投与薬剤の選択を図ることが可能となり得る。例えば、キマーゼ阻害剤がMCC遺伝子の3255番目の塩基の一塩基多型が、例えばGGのホモ接合体の遺伝子型を有する患者に有効であることが認められれば、該遺伝子型を指標にキマーゼ阻害剤を適用できる。同様に他の遺伝子の一塩基多型の遺伝子型と他の薬剤、例えばIgEとその受容体との結合を阻害する薬剤、RANTESあるいはIL−13の機能を抑制する薬剤を治療薬として選択できる。キマーゼ阻害剤としては、前記キマーゼ阻害剤、SUN C8257等が挙げられる。IgEに関してはIgEの抗体、Omalizumab等が挙げられる。RANTESに関しては、Met−RANTES等が挙げられる。IL−13に関しては中和抗体であるCAT−354等が挙げられる。
また、本発明で得られるADの発症に関連する遺伝情報はADの遺伝子治療に利用され得る。例えば本発明の診断方法を実施した結果、解析対象の多型がADの発症リスクを高める遺伝子型であった場合に、発症リスクの低い遺伝子型を有する遺伝子を生体内に導入して発現させれば、AD症状の軽減、発症の抑制、発症リスクの軽減等をもたらし得る。また、発症リスクの高い遺伝子型を有する遺伝子のmRNAに対するアンチセンス鎖を導入し、当該mRNAの発現を抑制する方法によっても、同様の治療効果が期待される。
遺伝子又はアンチセンス鎖の導入は例えば、遺伝子導入用プラスミド又はウイルスベクターを用いた方法、エレクトロポーレーション(Potter,H. et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.81,7161−7165(1984))、超音波マイクロバブル(Lawrie,A.,et al.Gene Therapy 7,2023−2027(2000))、リポフェクション(Felgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84,7413−7417(1984))、マイクロインジェクション(Graessmann,M.& Graessmann,A.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.73,366−370(1976))等の方法により行うことができる。これらの方法を利用して所望の遺伝子等を生体に対して直接的に導入(in vivo法)又は間接的に導入(ex vivo法)することができる。
本発明は、また、上述したAD関連遺伝子の一塩基多型を検出する上記プローブ又はプライマーを含むADの罹患危険率を判定するための遺伝子多型検出用キット、又はAD診断用キットを提供する。
本発明は、また、一塩基多型を含むAD関連遺伝子とハイブリダイズするDNAを固定したアトピー性皮膚炎の診断用チップを提供する。ここで、一塩基多型を含むAD関連遺伝子は、上記したAD関連遺伝子であり、一塩基多型を含むAD関連遺伝子とハイブリダイズするDNAは、上記したAD関連遺伝子のSNPsのそれぞれとハイブリダイズする塩基配列である。
以下に本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例で使用する各略号の意味は、次のとおりである。
A:アデニン
C:シトシン
G:グアニン
T:チミン
AD患者のMCC遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人AD患者359名、及び健常人112名を用い、MCC遺伝子の3255番目のSNPsの解析を行った。すなわち、各人から末梢血リンパ球を採取し、IsoQuick kit(ORCA Research Inc.)によりDNAを抽出し、PCR−RFLP法でMCC遺伝子のSNPs解析を行った。解析に当たり、まず、以下のプライマーを用い、PCR法によりMCC遺伝子の3255G/Aを含むDNAを増幅させた。
プライマー:
5’−CAGAGTCTAAGTCACATGACC−3’(配列表:配列番号6)
5’−TGACCAGAGTGATCCACTCC−3’(配列表:配列番号7)
増幅されたそれぞれのDNAに制限酵素BstXIを作用させ、切断されたDNA断片を、4%アガロースゲルを用い電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色し、解析を行った。なお、解析条件は、ヘテロ接合体とホモ接合体との組み合わせ、あるいはホモ接合体単独でAD患者における比率が健常人に比べて大幅に高くなる条件を選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体とのデータの組み合わせ及び他方のホモ接合体のデータとをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。MCC遺伝子の3255番目のSNPの場合、AA+AG及びGG間で解析を行った。また、分割表解析(Contingency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(Significance values)の算出はSPSS programme version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた)。
[結果]
AD及び健常人について、MCC遺伝子の3255番目の配列をPCR−RFLP法により解析し、GGの場合とそれ以外(AG+AA)に分類した結果、GGの配列を持ったヒトの場合は、AG+AAの配列を持ったヒトに比べ、AD罹患率は高かったが(表1)、そのオッズ比は必ずしも大きくはなかった(オッズ比=1.88、p<0.004)。この結果は、既報(非特許文献14)と一致するものの、他に今回の結果と一致しない報告もある(非特許文献16、17)。
表1乃至表5は、実施例1乃至実施例5におけるADとMCC遺伝子、FcεRIβ鎖遺伝子、RANTES−403遺伝子、RANTES−28遺伝子、IL−13遺伝子それぞれの単独遺伝子多型の関連解析を示す。
Figure 0004842256
AD患者のFcεRIβ遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人AD患者395名、及び健常人175名を用い、FcεRIβ遺伝子の1343番目のSNPsの解析を行った。すなわち、各人から末梢血リンパ球を採取し、IsoQuick kit(ORCA Research Inc.)によりDNAを抽出し、PCR−RFLP法でFcεRIβ遺伝子のSNPs解析を行った。解析に当たり、まず、以下のプライマーを用い、PCR法によりMCC遺伝子の1343A/Gを含むDNAを増幅させた。
プライマー:
5’−CAGAATGTTCTCATGACTGAATTG−3’(配列表:配列番号8)
5’−CAAGTACAGAGCAGACAACTG−3’(配列表:配列番号9)
増幅されたそれぞれのDNAに制限酵素RsaIを作用させ、切断されたDNA断片を、4%アガロースゲルを用い電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色し、解析した。なお、解析条件は、ヘテロ接合体とホモ接合体との組み合わせ、あるいはホモ接合体単独でAD患者における比率が健常人に比べて大幅に高くなる条件を選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体とのデータの組み合わせ及び他方のホモ接合体のデータとをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。FcεRIβ遺伝子の1343番目のSNPsの場合、AA+AG及びGG間で解析を行った。また、分割表解析(Contingency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(Significance values)の算出はSPSS programme version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた)。
[結果]
AD患者及び健常人について、FcεRIβ遺伝子の1343番目の配列をPCR−RFLP法により解析し、GGの場合とそれ以外(AG+AA)に分類した結果、AG+AAの配列を持ったヒトの場合は、GGの配列を持ったヒトに比べ、AD罹患率は高かったが(表2)、そのオッズ比は必ずしも大きくはなかった(オッズ比=1.59、p<0.028)。
Figure 0004842256
AD患者のRANTES−403遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人AD患者515名、及び健常人177名を用い、RANTES遺伝子の−403番目のSNPsの解析を行った。すなわち、各人から末梢血リンパ球を採取し、IsoQuick kit(ORCA Research Inc.)によりDNAを抽出し、PCR−RFLP法でRANTES遺伝子のSNPs解析を行った。解析に当たり、まず、以下のプライマーを用い、PCR法によりRANTES遺伝子の−403G/Aを含むDNAを増幅させた。
プライマー:
5’−GCCTCAATTTACAGTGTG−3’(配列表:配列番号10)
5’−TGCTTATTCATTACAGATGTT−3’(配列表:配列番号11)
増幅されたそれぞれのDNAに制限酵素MaeIIIを作用させ、切断されたDNA断片を、4%アガロースゲルを用い電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色し、解析した。なお、解析条件は、ヘテロ接合体とホモ接合体との組み合わせ、あるいはホモ接合体単独でAD患者における比率が健常人に比べて大幅に高くなる条件を選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体とのデータの組み合わせ及び他方のホモ接合体のデータとをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。RANTES−403遺伝子のSNPsの場合、AA+AG及びGG間で解析を行った。また、分割表解析(Contingency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(Significance values)の算出はSPSS programme version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた)。
[結果]
AD患者及び健常人について、RANTES遺伝子の−403番目の配列をPCR−RFLP法により解析し、AA+AGの場合とそれ以外(GG)に分類した結果、AA+AGの配列を持ったヒトの場合は、GGの配列を持ったヒトに比べ、AD罹患率は高かったが(表3)、そのオッズ比は必ずしも大きくはなかった(オッズ比=1.42、p<0.043)。
Figure 0004842256
AD患者のRANTES−28遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人AD患者389名、及び健常人177名を用い、RANTES遺伝子の−28番目のSNPsの解析を行った。すなわち、各人から末梢血リンパ球を採取し、IsoQuick kit(ORCA Research Inc.)によりDNAを抽出し、PCR−RFLP法でRANTES遺伝子のSNPs解析を行った。解析に当たり、まず、以下のプライマーを用い、PCR法によりRANTES遺伝子の−28G/Cを含むDNAを増幅させた。
プライマー:
5’−TGCAATTTCACTTATGATACCG−3’(配列表:配列番号12)
5’−AGCTCAGGCTGGCCCTTTAT−3’(配列表:配列番号13)
増幅されたそれぞれのDNAに制限酵素Mn1Iを作用させ、切断されたDNA断片を、4%アガロースゲルを用い電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色し、解析した。なお、解析条件は、ヘテロ接合体とホモ接合体との組み合わせ、あるいはホモ接合体単独でAD患者における比率が健常人に比べて大幅に高くなる条件を選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体とのデータの組み合わせ及び他方のホモ接合体のデータとをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。RANTES−28遺伝子のSNPsの場合、GG+GC及びCC間で解析を行った。また、分割表解析(Contingency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(Significance values)の算出はSPSS programme version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた)。
[結果]
AD患者及び健常人について、RANTES遺伝子の−28番目の配列をPCR−RFLP法により解析し、GG+GCの場合とそれ以外(CC)に分類した結果、GG+GCの配列を持ったヒトの場合は、CCの配列を持ったヒトに比べ、AD罹患率は高かったが(表4)、そのオッズ比は必ずしも大きくはなかった(オッズ比=1.95、p<0.001)。
Figure 0004842256
AD患者のIL−13遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人AD患者245名、及び健常人174名を用い、IL−13遺伝子の4257番目のSNPsの解析を行った。すなわち、各人から末梢血リンパ球を採取し、IsoQuick kit(ORCA Research Inc.)によりDNAを抽出し、PCR−RFLP法でIL−13遺伝子のSNPs解析を行った。解析に当たり、まず、以下のプライマーを用い、PCR法によりIL−13遺伝子の4257G/Aを含むDNAを増幅させた。
プライマー:
5’−GACCTCTTTGTCCTGCAGCA−3’(配列表:配列番号14)
5’−GCTTTCGAAGTTTCAGTAGTAC−3’(配列表:配列番号15)
増幅されたそれぞれのDNAに制限酵素ScaIを作用させ、切断されたDNA断片を、4%アガロースゲルを用い電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色し、解析した。なお、解析条件は、ヘテロ接合体とホモ接合体との組み合わせ、あるいはホモ接合体単独でAD患者における比率が健常人に比べて大幅に高くなる条件を選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体とのデータの組み合わせ及び他方のホモ接合体のデータとをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。IL−13遺伝子のSNPsの場合、AG+AA及びGG間で解析を行った。また、分割表解析(Contingency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(Significance values)の算出はSPSS programme version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた)。
[結果]
AD患者及び健常人について、IL−13遺伝子の4257番目の配列をPCR−RFLP法により解析し、GGの場合とそれ以外(AG+AA)に分類した結果、AG+AAの配列を持ったヒトの場合は、GGの配列を持ったヒトに比べ、AD罹患率は高かったが(表5)、そのオッズ比は必ずしも大きくはなかった(オッズ比=1.79、p<0.004)。
Figure 0004842256
AD患者のMCC及びFcεRIβ遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人のAD患者242名、及び健常人110名から末梢血リンパ球を採取し、実施例1及び実施例2に記載した方法と同様に、PCR−RFLP法によるMCC遺伝子、及びFcεRIβ遺伝子のSNPs解析を行った。なお、解析条件は、実施例1、及び実施例2において導いたホモ接合体とヘテロ接合体との組み合わせ、他方のヘテロ接合体をそれぞれ選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体の組合せ、及び他方のホモ接合体とをそれぞれ組合せたデータをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。MCC遺伝子とFcεRIβ遺伝子のSNPsの場合、最も高いオッズ比を示したMCC遺伝子の3255番目の塩基がAA+AGのヒトとFcεRIβ遺伝子の1343番目の塩基がGGのヒトとの組合せ、及びMCC遺伝子の3255番目の塩基がGGのヒトとFcεRI遺伝子の1343番目の塩基がAA+AGのヒトとの組合せの解析結果を示す。分割表解析(Contingency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(Significance values)の算出はSPSS programme version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた)。
[結果]
AD患者及び健常人について、MCC遺伝子及びFcεRIβ遺伝子の各々3255番目及び1343番目の塩基のSNPsについて解析し、各遺伝子のアレルがGGの場合とそれ以外(AG+AA)の場合に分類し、分類された各群の組み合わせのグループでのAD罹患率を求め、オッズ比を求めた結果、MCC遺伝子の3255番目の塩基のSNPsがGGであり、かつFcεRIβ遺伝子の1343番目の塩基のSNPsがGG以外(AG又はAA)の群(N=54)でAD罹患率が高く、MCC遺伝子のSNPsがGG以外(AG又はAA)で、かつFcεRIβ遺伝子のSNPsがGGの群(N=122)に対するオッズ比は4.82(p<0.001)であった(表6)。
Figure 0004842256
AD患者のMCC及びRANTES−403遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人のAD患者345名、及び健常人111名から末梢血リンパ球を採取し、実施例1、及び実施例3に記載した方法と同様に、PCR−RFLP法でMCC遺伝子及びRANTES遺伝子(−403番目の塩基)のSNPs解析を行った。なお、解析条件は、実施例1、及び実施例3において導いたホモ接合体とヘテロ接合体の組み合わせ、及び他方のヘテロ接合体をそれぞれ選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体の組合せ、及び他方のホモ接合体とをそれぞれ組合せたデータをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。MCC遺伝子とRANTES−403遺伝子のSNPsの場合、最も高いオッズ比を示したMCC遺伝子の3255番目の塩基がAA+AGのヒトとRANTES遺伝子の−403番目の塩基がGGのヒトとの組合せ、及びMCC遺伝子の3255番目の塩基がGGのヒトとRANTES遺伝子の−403番目の塩基がAA+AGのヒトとの組合せの解析結果を示す。分割表解析(Contigency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(significance value)の算出は SPSS program version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた。)
[結果]
AD患者及び健常人について、MCC遺伝子3255番目の塩基及びRANTES遺伝子の−403番目の塩基のSNPsについて解析し、各遺伝子のアレルがGGの場合とそれ以外(AG+AA)場合に分類し、分類された各群の組み合わせのグループでのAD罹患率を求め、オッズ比を求めた結果、MCC遺伝子の3255番目の塩基のSNPsがGGであり、かつRANTES遺伝子の−403番目の塩基のSNPsがGG以外(AG又はAA)の群(N=128)でAD罹患率が高く、MCC遺伝子のSNPsがGG以外(AG又はAA)で、かつRANTES遺伝子の−403番目の塩基のSNPsがGGの群(N=93)に対するオッズ比は2.48(p<0.003)であった(表7)。
Figure 0004842256
AD患者のMCC及びRANTES−28遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人のAD患者250名、及び健常人112名から末梢血リンパ球を採取し、実施例1、及び実施例4に記載した方法と同様に、PCR−RFLP法でMCC遺伝子及びRANTES遺伝子(−28番目の塩基)のSNPs解析を行った。なお、解析条件は、実施例1、及び実施例4において導いたホモ接合体とヘテロ接合体の組み合わせ、及び他方のヘテロ接合体をそれぞれ選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体の組合せ、及び他方のホモ接合体とをそれぞれ組合せたデータをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。MCC遺伝子とRANTES遺伝子(−28番目の塩基)のSNPsの場合、最も高いオッズ比を示したMCC遺伝子の3255番目の塩基がAA+AGのヒトとRANTES遺伝子の−28番目の塩基がCCのヒトとの組合せ、及びMCC遺伝子の3255番目の塩基がGGのヒトとRANTES遺伝子の−28番目の塩基がGG+CGのヒトとの組合せの解析結果を示す。分割表解析(Contigency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(significance value)の算出は SPSS program version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた。)
[結果]
AD患者及び健常人について、MCC遺伝子の3255番目の塩基及びRANTES遺伝子の−28番目の塩基のSNPsについて解析し、MCC遺伝子の3255番目のアレルがGGの場合とそれ以外(AG+AA)場合、またRANTES遺伝子の−28番目のアレルがCCの場合とそれ以外(GG+CG)の場合に分類し、分類された各群の組み合わせのグループでのAD罹患率を求め、オッズ比を求めた結果、MCC遺伝子の3255番目の塩基のSNPsがGGであり、かつRANTES遺伝子の−28番目の塩基のSNPsがCC以外(GG又はCG)の群(N=55)でAD罹患率が高く、MCC遺伝子のSNPsがGG以外(AG又はAA)で、かつRANTES遺伝子の−28番目の塩基のSNPsがCCの群(N=117)に対するオッズ比は4.39(p<0.001)であった(表8)。
Figure 0004842256
AD患者のMCC及びIL−13遺伝子のSNPs解析
[方法]
日本人のAD患者114名、及び健常人111名から末梢血リンパ球を採取し、実施例1、及び実施例5に記載した方法と同様に、PCR−RFLP法でMCC遺伝子及びIL−13遺伝子(4257番目の塩基)のSNPs解析を行った。なお、解析条件は、実施例1、及び実施例5において導いたホモ接合体とヘテロ接合体の組み合わせ、及び他方のヘテロ接合体をそれぞれ選択し、データの解析は、これらホモ接合体とヘテロ接合体の組合せ、及び他方のホモ接合体とをそれぞれ組合せたデータをAD患者及び健常人の間で比較することにより行った。MCC遺伝子とIL−13遺伝子(4257番目の塩基)のSNPsの場合、最も高いオッズ比を示したMCC遺伝子の3255番目の塩基がAA+AGのヒトとIL−13遺伝子の4257番目の塩基がGGのヒトとの組合せ、及びMCC遺伝子の3255番目の塩基がGGのヒトとIL−13遺伝子の4257番目の塩基がAG+AAのヒトとの組合せの解析結果を示す。分割表解析(Contigency table analysis)、及び、オッズ比、95%信頼区間、P値(significance value)の算出は SPSS program version 10.0を用い実施した(P値の算出は、χ検定又はFisherの直接確率法を用いた。)
[結果]
AD患者及び健常人について、MCC遺伝子の3255番目の塩基及びIL−13遺伝子の4257番目の塩基のSNPsについて解析し、MCC遺伝子のアレルがGGの場合とそれ以外(AA+AG)の場合に、またIL−13遺伝子のアレルがGGの場合とそれ以外(AG+AA)に分類し、分類された各群の組み合わせのグループでのAD罹患率を求め、オッズ比を求めた結果、MCC遺伝子の3255番目の塩基のSNPsがGGであり、かつIL−13遺伝子の4257番目の塩基のSNPsがAG又はAAの群(N=62)でAD罹患率が高く、MCC遺伝子のSNPsがGG以外(AA又はAG)で、かつIL−13遺伝子のSNPsがGGの群(N=63)に対するオッズ比は3.31(p=0.001)であった(表9)。
Figure 0004842256
実施例1乃至5の結果は、それぞれMCC遺伝子単独の解析(オッズ比=1.88、p<0.004)、FcεRIβ遺伝子単独の解析(オッズ比=1.59、p<0.028)、RANTES−403遺伝子単独の解析(オッズ比=1.42、p<0.043)、RANTES−28遺伝子単独の解析(オッズ比=1.95、p<0.001)、及びIL−13遺伝子単独の解析(オッズ比=1.79、p<0.004)によりADの罹患危険率をある程度予測できることを示す。
一方、実施例6乃至9に示すように、MCC遺伝子のSNPs解析に加え、FcεRIβ遺伝子のSNPs,あるいはRANTES遺伝子(−403番目、及び28番目)のSNPs、或いはIL−13遺伝子のSNPsをそれぞれ組み合わせて解析することにより、ADの罹患危険率をより高精度で診断できることを示す。
さらに、MCCがADの病態に関与し、MCC阻害剤がADモデルで有効であることや、IgEがADにおいて重要であるという事実や、IgEのアンタゴニストがアレルギーのモデルで有効であることを考えると、MCC遺伝子のSNPsとFcεRIβ遺伝子、或いはRANTES遺伝子、或いはIL−13遺伝子のSNPsを組み合わせて解析した結果、ADの罹患危険率が高い組み合わせであった患者においては、MCC阻害剤やIgEの機能を抑制する抗IgE抗体、RANTES或いはIL−13の機能を抑制する薬剤の投与が効率的な投与法になることを示している(表10)。
また、この診断法を用いればまた、血中IgE値が上昇しないnon−allergic type或いはintrinisic typeと呼ばれるAD患者の検出も可能であり、これらの患者に対する適切な治療法を決定することもできると考えられる。
Figure 0004842256
本発明の方法は、患者から採決した血液成分の遺伝子型を測定することにより、ADの相対罹患危険率を予測でき、ADの診断に利用できる。

Claims (1)

  1. 以下の(A)または(B)の場合にアトピー性皮膚炎の罹患危険率が高いと判定する方法。
    (A)ヒトから分離した試料から抽出したヒト肥満細胞キマーゼ遺伝子である配列表の配列番号1で示される塩基配列の3255番目の塩基の組み合わせがグアニン−グアニンのホモ接合体であり、かつヒトIgE高親和性受容体β鎖(FcεRIβ)遺伝子である配列表の配列番号2で示される塩基配列の開始コドンから1343番目の塩基の組み合わせがグアニン−アデニンのヘテロ接合体又はアデニン−アデニンのホモ接合体である場合
    (B)ヒトから分離した試料から抽出したヒト肥満細胞キマーゼ遺伝子である配列表の配列番号1で示される塩基配列の3255番目の塩基の組み合わせがグアニン−グアニンのホモ接合体であり、かつRANTES遺伝子である配列表の配列番号3で示される塩基配列のmRNAの転写開始点から数えて上流側−28番目の塩基の組み合わせがグアニン−シトシンのヘテロ接合体又はグアニン−グアニンのホモ接合体である場合
JP2007511232A 2005-04-04 2006-04-03 遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法 Expired - Fee Related JP4842256B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007511232A JP4842256B2 (ja) 2005-04-04 2006-04-03 遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005108045 2005-04-04
JP2005108045 2005-04-04
PCT/JP2006/307062 WO2006107031A1 (ja) 2005-04-04 2006-04-03 遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法
JP2007511232A JP4842256B2 (ja) 2005-04-04 2006-04-03 遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006107031A1 JPWO2006107031A1 (ja) 2008-09-25
JP4842256B2 true JP4842256B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=37073572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007511232A Expired - Fee Related JP4842256B2 (ja) 2005-04-04 2006-04-03 遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8071307B2 (ja)
EP (1) EP1876244A4 (ja)
JP (1) JP4842256B2 (ja)
WO (1) WO2006107031A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101646189B1 (ko) * 2009-09-28 2016-08-05 사회복지법인 삼성생명공익재단 내인성 아토피 피부염 진단용 마커 및 그의 용도
JP6644328B2 (ja) * 2013-02-28 2020-02-12 ロート製薬株式会社 アトピー性疾患の発症又は重症化リスクの評価法
JP6425352B2 (ja) * 2013-12-11 2018-11-21 学校法人 埼玉医科大学 C型肝炎ウイルスのns5aタンパク質の93番目のアミノ酸の変異の検出方法、及びc型肝炎ウイルスのns5aタンパク質の93番目のアミノ酸の変異の検出用キット
WO2019222583A2 (en) * 2018-05-17 2019-11-21 Avellino Lab Usa, Inc. Methods for detecting and treating atopic dermatitis
KR102102051B1 (ko) * 2018-09-18 2020-04-17 재단법인 아산사회복지재단 아토피 피부염 진단을 위한 마커 조성물 및 이를 이용한 아토피 피부염 예측또는 진단 방법
KR102341080B1 (ko) * 2019-03-19 2021-12-20 에스씨엠생명과학 주식회사 단일 클로날 줄기세포를 이용한 아토피 피부염 치료 방법
JP7137526B2 (ja) * 2019-04-24 2022-09-14 ジェネシスヘルスケア株式会社 アトピー性皮膚炎のリスクを判定する方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2716894B1 (fr) * 1994-03-07 1996-05-24 Pasteur Institut Marqueurs génétiques utilisés conjointement pour le diagnostic de la maladie d'Alzheimer, méthode et kit de diagnostic.
CA2382989A1 (en) 1999-08-27 2001-03-08 University Of Florida Materials and methods for inhibition of ige production
HUP0201282A3 (en) 2000-02-22 2003-02-28 Daiichi Asubio Pharma Co Ltd Preventive or therapeutic drugs for dermatitises containing quinazolindione derivative chymase inhibitors as the active ingredient
GB0319135D0 (en) 2003-08-14 2003-09-17 Isis Innovation Assay

Also Published As

Publication number Publication date
WO2006107031A1 (ja) 2006-10-12
US20090098107A1 (en) 2009-04-16
US8071307B2 (en) 2011-12-06
EP1876244A1 (en) 2008-01-09
EP1876244A4 (en) 2009-09-23
JPWO2006107031A1 (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8080371B2 (en) Markers for addiction
JP4842256B2 (ja) 遺伝子一塩基多型解析によるアトピー性皮膚炎の相対罹患危険率の検出方法
US7829282B2 (en) Methods and compositions for predicting drug responses
US20110070583A1 (en) Lsamp gene associated with cardiovascular disease
JP2009541336A (ja) アルツハイマー病の進行に関するバイオマーカー
KR101566064B1 (ko) 연령-관련 황반 변성에서의 유전자 다형성
JP2007507460A (ja) 炎症性疾患の治療効力と関連している遺伝子多型の使用
US20160160279A1 (en) Prognosis of response to treatment with anti-tnf-alpha in patients with rheumatoid arthritis
US6379890B1 (en) Method for determining asthma susceptibility
BG65988B1 (bg) Полиморфизъм на човешкия mdr - 1 ген и неговото използване за диагностика и терапевтични приложения
JP2016521987A (ja) 抑うつ症状及び不安症状の少なくとも一方を有する患者における、crhr1アンタゴニスト及びv1bアンタゴニストの少なくとも一方に対する治療応答を予測する方法
US20050255498A1 (en) APOC1 genetic markers associated with age of onset of Alzheimer's Disease
US20030170674A1 (en) Nitric oxide synthase gene diagnostic polymorphisms
WO2012018258A1 (en) Markers of febrile seizures and temporal lobe epilepsy
EP2006687A1 (en) Method of testing a subject thought to have or be predisposed to having asthma, allergie, atopic disease or atopic sensitization
JP4688492B2 (ja) 炎症性疾患の判定方法
CN115605608A (zh) 帕金森氏病的检测方法
US20030008301A1 (en) Association between schizophrenia and a two-marker haplotype near PILB gene
CN105765077B (zh) 测定抗甲状腺药物诱导的粒细胞缺乏症风险的检测方法以及测定用试剂盒
JP4979382B2 (ja) 薬剤誘発肝細胞毒性を予測するための遺伝子多型の使用
JP2005516626A (ja) Tpmtのヒト遺伝子における多型ならびに診断的適用および治療的適用におけるその使用方法
US20130064819A1 (en) Biomarkers
RU2182175C1 (ru) Способ диагностики генетической предрасположенности к инфаркту миокарда у мужчин
JP5111763B2 (ja) 気管支喘息の遺伝的素因検査方法
US20030198969A1 (en) Haplotypes of the TACR2 gene

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081112

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100804

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees