JP2009541336A - アルツハイマー病の進行に関するバイオマーカー - Google Patents

アルツハイマー病の進行に関するバイオマーカー Download PDF

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Abstract

遺伝子多形LRRK2(ロイシン豊富リピートキナーゼ2)−T1602Sは、軽度の認識機能障害からアルツハイマー病(AD)への移行に明らかに関連しており、TT遺伝子型を持つ患者はアルツハイマー病に進行する危険性が高い。LRRK2−T2352も、またアルツハイマー病に移行する傾向を示し、CC遺伝子型を持つ患者ではアルツハイマー病に移行する傾向がある。APOE−E4対立遺伝子と同様に、BuChE−K異型体の存在下、LRRK2−T1602SとLRRK2−T2352とは軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への移行速度に大きな関連があることを示した。プラセボ処置アルツハイマー病患者に関する他の研究では、LRRK2−T1602SとLRRK2−T2352とは同じ傾向の関連性を示した。LRRK2−T1602SのTT遺伝子型又はLRRK2−T2352のCC遺伝子型を持つアルツハイマー病患者は、特にBuChE−K異型体が存在すると、6ヶ月間に急速に認識能力が低下する傾向を示した。2種の一般的なLRRK2多形とアルツハイマー病進行との間の関連はLRRK2がアルツハイマー病の病因、特に疾患の進行に役割を果たしているかも知れないこと、及びLRRK2の多形体がこの進行のバイオマーカーとして使用できることを示す。

Description

本発明が属する分野
この発明は、一般的にインビトロにおける組織標本の分析的検査に関し、さらに特にロイシン豊富リピートキナーゼ2(LRRK2)遺伝子の遺伝子的な多形の側面に関する。
本発明の技術的背景
治療法に特異的な診断法(別名、テラノスティック:theranostics)は、病気を診断するために、正確な処置計画を選択するために、及び対象の応答を監視するために、有用な試験法を提供する、新興の医療技術分野である。つまり、テラノスティックは個々の対象における薬剤の応答を予知し、評価するために、すなわち、個別化医療のために有用である。テラノスティック試験はまた、ある処置法から利益を得る見込みが殊に大きく、その処置を施すべき患者を選択するために;あるいは処置計画を最短の遅延で訂正するために;個々の対象における処置の効率の迅速で客観的な療法を提供するために、有用である。
個々の患者の特定の薬剤に対する応答と遺伝子像との間の相関関係を確定する薬理遺伝学における進歩は、新しいテラノスティック的手法の進歩の基礎である。それ自体として、この分野では遺伝子配列と遺伝子発現の患者間における変動の鑑定が必要である。遺伝子像の一般的な形式は一塩基変異多形(SNP)と呼ばれるDNA配列の変化の確認に依存するが、これは個々の薬剤応答における患者間変動を導く遺伝子変異の一つのタイプである。その結果、この技術分野では、薬剤の応答性、副作用又は最適用量に関連する対象の遺伝子型を確認するために有用な、たとえばSNPのような遺伝子の変異体を同定し、特徴付ける必要性がある。
本発明の概要
ロイシン豊富リピートキナーゼ2(LRRK2)遺伝子の多形は、アルツハイマー病(AD)進行のバイオマーカーとして使用できる。特に、タンパク質に変化を起すLRRK2遺伝子の変異体(たとえば、T1602SとT2352、特にT2352M)は、アルツハイマー病に影響を及ぼし、アルツハイマー病の進行及びアルツハイマー病が発病する年齢のバイオマーカーとして使用できる。従って、本発明は、選択された患者集団のアルツハイマー病の処置を目的とする薬剤の製造におけるLRRK2調節剤の使用を提供する。この患者集団は、軽度の認識機能障害(MCI)からアルツハイマー病への進行の指標であるLRRK2遺伝子における多形に基づいて選択される。態様の一つでは、このLRRK2調節剤は軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への進行を遅延させるヘテロ環化合物である。他の態様では、LRRK2調節剤は、中程度のアルツハイマー病から重度のアルツハイマー病への進行を遅延させるヘテロ環化合物である。さらに別な態様では、LRRK2遺伝子における多形はT1602S又はT2352であることができる。本発明はまた、アルツハイマー病の進行又はアルツハイマー病が発病する年齢を予知する方法を提供する。
図面の簡単な説明
この図面は好適な態様を実例によって示すものであって、限定を目的とするものではない。
図1は、LRRK2タンパク質の構造及び一般的なLRRK2多形2種(T1602S及びT2352M)の位置を図示する。
本発明の詳細な説明
軽度認識機能障害(MCI)患者のアルツハイマー病への進行についての3〜4年にわたる研究データを用いて、一般的なLRRK2多形2種、T1602S及びT2352がアルツハイマー病への進行速度に及ぼす効果を研究した。この知見を検証するため、他の研究に登録されたプラセボ処理アルツハイマー病患者における一般的なLRRK2多形2種と6ヶ月間の認識能力との間の相関関係を評価した。
われわれは、LRRK2−T1602Sが軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への移行に、明らかに関与することを発見した。TT遺伝子型を持つ軽度の認識機能障害患者は、アルツハイマー病に進行する危険性が比較的高かった。LRRK2−T2352も、またアルツハイマー病へ移行する傾向を示した。CC遺伝子型を持つ軽度の認識機能障害患者は、アルツハイマー病に進行する傾向があった。APOE−E4対立遺伝子と同様に、LRRK2−T1602S及びLRRK2−T2352も、BuChE−K異型の存在下には、軽度認識機能障害からADへの移行速度との関連性が比較的高かった。
プラセボ処置アルツハイマー病患者の研究では、LRRK2−T1602SとLRRK2−T2352とは、軽度認識機能障害での研究で観察された関連性と同じ傾向を示した。LRRK2−T1602SのTT遺伝子型又はLRRK2−T2352のCC遺伝子型を持つアルツハイマー病患者は、殊にBuChE−K異型が存在すると、6ヶ月間に認識能力が急速に低下する傾向があった。
一般的なLRRK2多形2種とアルツハイマー病進行との間の関連はLRRK2がアルツハイマー病の病因、特に疾患の進行に一定の役割を演じていることを示唆し、さらにLRRK2の多形がこの進行のバイオマーカーとして使用できることを示唆する。
ヒトLRKK2遺伝子(配列番号1)は、染色体12q12上のPARK8遺伝子座に位置する。この遺伝子は多数のドメインを持つ。LRKK2タンパク質(配列番号2)は、受容体相互作用タンパク質(RIP)キナーゼの一つである。G2019S変異体は、LRRK2の最も一般的な病因学的変異体(常染色体優位5〜6%及び孤発性後期発病症例の〜1%)である。G2019S変異体は、LRKK2遺伝子のキナーゼドメインに位置する。
図1は、LRRK2タンパク質の構造及び他の一般的な多形2種の位置を示す。我々は次の理由で多形T1602Sと多形T2352Mとに主眼を置いた:これらは(1)いずれも一般的な多形であること;及び(2)いずれもミスセンス多形であること。
小さい方の対立遺伝子の頻度は次の通りである:T1602S=30%;T2352M=34%。この多形に起因するアミノ酸変化は次の通りである:T1602S−Thr→Ser(1602A>T);T2352M−Thr→Met(2352C>T)。連鎖不均衡(LD)分析によれば、T1602SとT2352Mとは強いLD(D’=0.979)状態にある。
本発明の実質的な理解を提供するために、様々な詳細さで本発明のある種の側面、モード、態様、変化及び特徴を、以下に記載することを認識すべきである。本発明の様々な側面は、疾患の素因がある個体を確認するために;又は薬剤の応答、副作用、又は最適薬剤用量に関して個体を分類するために、本発明のLRRK2変異体を利用する診断的な/テラノスティックな方法及びキットに関する。他の側面では、本発明は、化合物を検証する方法及び本発明のLRRK2変異体に関するデータを保存し、分析するための電算機システムを提供する。従って、これらの側面を例示する様々な特定的態様を以下に記述する。
定義。この明細書で使用するいくつかの用語の定義を以下に記載する。その他の用語の定義は、the U.S. Department of Energy, Office of Science, Human Genome Project (http://www.ornl. ov/sci/techresources/Human Genome/glossary/)が提供する用語辞典に見出すことができる。本発明の実施に当っては、分子生物学、微生物学及び組換えDNAで使用される通常の技術多数が使用される。これらの技術はよく知られており、次のような文献、たとえばCurrent Protocols in Molecular Biology, Vols. I−III, Ausubel, ed. (1997); Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989); DNA Cloning: A Practical Approach, Vols. I and II, Glover D, ed. (1985); Oligonucleotide Synthesis, Gait, ed. (1984); Nucleic acids, Hybridization, Hames & Higgins, eds. (1985); Transcription and Translation, Hames & Higgins, eds. (1984), Animal Cell Culture. Freshney, ed. (1986); Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press, 1986); Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning: the series, Methods in Enzymol. (Academic Press, Inc., 1984); Gene Transfer Vectorsfor Mammalian Cells, Miller & Calos, eds. (Cold Spring Harbor Laboratory, NY, 1987); and Methods in Enzymology, Vols. 154 and 155, Wu & Grossman, and Wu, eds.などに説明されている。
本明細書で使用する用語「対立遺伝子」は、特定の染色体位置(遺伝子座)における遺伝子またはDNA配列の特定的な形を意味する。
本明細書で使用する用語「抗体」は、これに限定するものではないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化又はキメラ抗体及び生物学的に機能性の抗体断片であって、タンパク質に結合するために充分なもの、を含む。抗体は、本発明の遺伝子多形が遺伝子のコード領域にある異型タンパク質及びペプチドの存在を検出するための検定に使用できる。
本明細書で使用する用語「臨床的応答」は、次の何れか又は全てを意味する:応答の定量的評価、無応答、及び不都合な応答(すなわち、副作用)。
本明細書で使用する用語「臨床試験」は特定の処置に応答する臨床的データを収集するように設計された研究を意味し、これに限定するものではないが、第I相、第II相、第III相の臨床試験を含む。患者集団と登録対象の決定には標準的方法を用いる。
本明細書で使用する用語、化合物の「有効量」は、所望の治療的及び/又は予防的効果を達成するために充分な量、例えば処置する疾患、たとえば本明細書に記載するLRRK2変異ポリヌクレオチド及びその変異ポリペプチドに関連する疾患(特にアルツハイマー病及びパーキンソン病)の予防を起す量又はその疾患に関連する兆候の減少を起す量、である。対象に投与する化合物の量は、疾患の型及び重篤度及び個体の特性、例えば一般的健康状態、年齢、性別、体重及び薬剤に対する認容性にも依存する。また、疾患の段階、重篤度及び疾患の型にも依存する。熟練した当業者は前記の因子及びその他の因子を斟酌して適当な用量を決定できる。典型的には、治療的又は予防的効果を達成するために充分な本発明化合物の有効量は、約0.000001mg/kg体重/日〜約10,000mg/kg体重/日の範囲である。好ましくは、用量範囲は約0.0001mg/kg体重/日〜約100mg/kg体重/日である。本発明の化合物はまた相互に又は追加的治療性化合物1種又はそれ以上と組み合わせて投与することができる。
本明細書で使用する「発現」は、これに限定するものではないが、次のもの:遺伝子から前駆体mRNAへの転写;前駆体mRNAからスプライシング及びその他のプロセッシングによるmRNAの成熟;mRNA安定;成熟mRNAのタンパク質への翻訳(コドンの使用及びtRNAの利用を含む);及び本来の発現及び機能のために必要なら翻訳産物のグリコシル化及び/又はその他の修飾;の1種又はそれ以上を含む。
本明細書で使用する用語「遺伝子」は、発現を制御するプロモーター、エクソン、イントロン、及びその他の非翻訳領域を含む、RNA産物の制御された生合成のための情報全てを含むDNAの部分を意味する。
本明細書で使用する用語「遺伝子型」は、個体の相同染色体のペア上にある遺伝子座の多形部位1個又はそれ以上に見られるヌクレオチドペアの非段階的(unphased)5'→3'配列を意味する。本明細書で使用する遺伝子型には、完全な遺伝子型及び/又は副次的遺伝子型を含む。
本明細書で使用する用語「遺伝子座」は、遺伝子又は物理的もしくは表現型的特性に対応する、染色体又はDNA分子、特にLRRK2遺伝子内の位置を意味する。
本明細書で使用する用語「LRRK2調節剤」は、そのLRRK2調節剤不在下におけるLRRK2ポリペプチドの発現レベル又は生物学的活性レベルと比較して、LRRK2ポリペプチドの発現レベル又は生物学的活性レベルを変化(たとえば、増加又は減少など)させる化合物のすべてである。LRRK2調節剤は、低分子、ポリペプチド、炭水化物、脂質、ヌクレオチド、又はその組み合わせであることができる。このLRRK2調節剤が有機化合物であっても無機化合物であってもよい。
本明細書で使用する用語「変異体」は、たとえば一塩基変異多形などの結果である、野生型からの遺伝可能な変化を意味する。用語「変異体」は、本明細書を通して用語「マーカー」、「バイオマーカー」及び「標的」と互換的に使用される。
本明細書で使用する用語「医学的状態」は、これに限定するものではないが、処置することが望ましい明確な身体的及び/又は心理的兆候1種又はそれ以上を示す病状又は疾患を含み、また、以前から確認されているか、新たに確認された疾患その他の障害を含む。
本明細書で使用する用語「ヌクレオチドペア」は、個体から得た染色体の2コピーにある多形部位に見られるヌクレオチドを意味する。
本明細書で使用する用語「多形部位」は遺伝子座内の位置を意味するが、そこではある集団で見出される配列が少なくとも2種類あり、その最多のものの頻度は99%を超えない。
本明細書で使用する用語「段階的(phased)」は、ある遺伝子座における多形部位2個又はそれ以上についてのヌクレオチドペアの配列に適用するときには、遺伝子座にある単一コピーにある多形部位複数に存在するヌクレオチドの組合せが知られることを意味する。
本明細書で使用する用語「多形」は、ある集団に>1%の頻度で存在する配列異型の何れかを意味する。この配列異型は、明らかに1%以上、たとえば5%又は10%又はそれ以上の頻度で存在してもよい。また、この用語は、一個体内で観察されるある多形部位における配列変化を示すために使用してもよい。多形には、ヌクレオチドの置換、挿入、欠失及びマイクロサテライトを含み、必須ではないが、遺伝子の発現又はタンパク質の機能に検出可能な変化を起すことがある。
本明細書で使用する用語「ポリヌクレオチド」は、RNA又はDNAを意味するが、それらは非修飾又は修飾されたRNA又はDNAであってもよい。ポリヌクレオチドは、一本鎖−及び二本鎖−DNA、一本鎖及び二本鎖領域の混合したDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域とが混合したRNA、及び一本鎖領域又は、より典型的には、二本鎖領域又は一本鎖領域と二本鎖領域とが混在してもよいRNA及びDNAを含むハイブリッド分子を含むが、これに限定されない。これに加えてポリヌクレオチドは、RNA又はDNA又はRNAとDNAとの双方からなる三本鎖領域も示す。用語、ポリヌクレオチドはまた、修飾された塩基1個又はそれ以上を含むDNA又はRNA及び安定性その他の理由で修飾された骨格構造を持つDNA又はRNAも含む。
本明細書で使用する用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合又は修飾されたペプチド結合、すなわち、ペプチド等価体、によって相互に結合する2個又はそれ以上のアミノ酸を含むポリペプチドを意味する。ポリペプチドは、通常ペプチド、グリコペプチド又はオリゴマーと呼ばれる短鎖、及び一般にタンパク質と呼ばれる長鎖の双方を示す。ポリペプチドは、遺伝子にコードされている20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含んでいてもよい。ポリペプチドは自然現象、たとえば翻訳後プロセッシングで又は本技術分野でよく知られている化学修飾技術で修飾されたアミノ酸配列を含む。このような修飾は基礎的文献及び詳細な成書、並びに無数の研究論文によく記載されている。
本明細書で使用する用語「SNP核酸」は、個体又は一群の個体間で、それがなければ同一であるヌクレオチド配列の中で可変なもの、すなわち対立遺伝子として存在するヌクレオチドを含む核酸配列を意味する。このSNP核酸は、好ましくは長さ約15〜約500ヌクレオチドである。SNP核酸は、染色体の一部であってもよく、又はたとえば、PCRによる染色体の一部の増幅、又はクローニングによる増幅、などによる、染色体の一部の正確なコピーであってもよい。SNP核酸は、本明細書では以下単に、「SNP」とのみ記載する。SNPは、ゲノムの中の一つの位置における、ヒト集団の中で2個の異なる塩基がかなりの頻度(すなわち、>1%)で存在する、ヌクレオチド変化の存在である。SNPは、1つの遺伝子内に存在してもよく、又はゲノムの遺伝子間領域内に存在してもよい。本発明のSNPプローブは、SNP核酸に対して相補的なオリゴヌクレオチドである。
本明細書で使用する用語「対象」は、好ましくは対象が哺乳類、たとえばヒトばかりでなく、動物、たとえば家畜など(たとえば、イヌ、ネコその他)、産業動物(たとえば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマその他)、及び実験動物(たとえば、サル(たとえば、シンモロガスモンキー、ラット、マウス、テンジクネズミその他)であることもできるものを意味する。
本明細書で使用する、薬剤又は薬品の対象又は患者への投与には、自己投与及び他人による投与を含む。記載する病状の処置又は予防の様々なモードは「実質的」であることを意味するものとすることを意図していることは理解されるものであって、ここでは完全な処置又は予防のみならず、完全以下の処置も予防も含み、ある生物学的又は医学的に関連する結果が達成されることも含む。
LRRK2調節剤。態様の一つでは、LRRK2調節剤は、LRRK2タンパク質(配列番号2)阻害剤であるヘテロ環化合物であることもできる。
数種の態様では、このヘテロ環化合物は、5−[5−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(3−アミノプロピル)−アミド;5−[6−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(3−アミノ−プロピル)−アミド;5−[7−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(3−アミノプロピル)−アミド;5−[5−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ジエチルアミノ−エチル)−アミド;又は5−[5−ジメチルスルファモイル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2−ジエチルアミノ−エチル)−アミド;であることができる。
他の態様では、ヘテロ環化合物は、3−[1−(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(Z)−メチリデン]−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;3−[1−(1H−インドール−2−イル)−(Z)−メチリデン]−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;5−メトキシ−3−[1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−2−イル)−(Z)−メチリデン]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;3−[1−(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(Z)−メチリデン]−5−メトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドール−4−カルボン酸メチルエステル;3−[1−(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(Z)−メチリデン]−5−メトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドール−4−カルボン酸エチルエステル;3−[1−(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(Z)−メチリデン]−5−メトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドール−4−カルボン酸メチルエステル;又は3−[1−(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(Z)−メチリデン]−5−メトキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドール−4−カルボン酸;であることができる。
あるいは、ヘテロ環化合物は、次の化合物から選択してもよい:
Figure 2009541336
LRRK2調節剤の薬理学的性質は、例えば、薬剤プルダウン法実験で評価することができる。前記ヘテロ環化合物は、薬剤プルダウン法実験では20μM以下の濃度で活性を示すことができる。化合物12はIC50値〜1μMを示す。
LRRK2遺伝子(配列番号1)は、軽症認識機能障害からアルツハイマー病への進行及び中程度のアルツハイマー病からさらに重度のアルツハイマー病への進行に一定の役割を果たし得る。それ故、LRRK2調節剤は、軽症認識機能障害からアルツハイマー病への進行又は中程度のアルツハイマー病からさらに重度のアルツハイマー病への進行を遅延させる目的でMCI又はアルツハイマー病の患者を処置するために使用できる。
遺伝子配列変化の確認及び特徴付け。その普及及び広範囲に及ぶ性質のために、SNPにはヒトの病状に関与する遺伝子を発見するための重要な道具になる可能性がある。たとえば、Wang et al., Science 280: 1077−1082 (1998)などを参照。普通の疾患の多くが進行する危険性及びこれらの病状を処置するために使用する薬物の代謝が、異型一つ一つの影響は少ないかも知れないが、基礎をなすゲノムの変化によって実質的に影響を受けることが次第に解明されてきた。
SNPは、ある種のあるメンバーは非変異配列(すなわち、本来の対立遺伝子)を持ち、他のメンバーは変異配列(すなわち、異型又は変異対立遺伝子)を持つことがあり、多形が存在する点で「対立遺伝子的」であると言われている。
SNPと特定の表現型との間の関連は、必ずしもそのSNPがその表現型の原因であることを示すものではなく、その原因である必要もない。その代わりに、この関連は単にSNPとその表現型の原因である遺伝子的因子との間のゲノム的近接がSNPと遺伝子的因子が密接に連結するほど近い結果であるかも知れない。すなわち、SNPが「真実の」機能的異型と連鎖不均衡(「LD」)にあるのかも知れない。LD(別名:対立遺伝子関連)は、ゲノムの明らかに異なる位置2ヶ所にある対立遺伝子が、予期される以上に高度に関連しているときに存在する。そこで、SNPは、特定の表現型を起す変異に近接する故に価値があるマーカーとして役立つかもしれない。
本発明の多形部位を記載するに当り、便宜のために遺伝子のセンス鎖について記述する。しかしながら、熟練した当業者が認識しているように、その遺伝子を含む核酸分子は相補性の二本鎖分子であってもよく、そこでセンス鎖の特定部位の参照は、同様にして相補性アンチセンス鎖の対応する部位をも参照する。すなわち、どちらの鎖の同じ多形部位を参照してもよく、オリゴヌクレオチドは、多形部位を含む標的領域にあるどちらかの鎖に特異的にハイブリッド形成するように設計してもよい。そこで、本発明にはまた本明細書に記載するゲノムの異型センス鎖に相補性の一本鎖ポリヌクレオチドも含む。
SNPの確認と特性決定。多数の異なる技術がSNPを確認し、特徴付けるために使用できるが、それには一本鎖DNA高次構造多型(SSCP)分析、変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)によるヘテロ2本鎖分析、及び直接的なDNA配列決定及び電算機を用いる方法を含むShi et al., Clin. Chem. 47:164−172 (2001)。公開されているデータベースには莫大な配列情報が存在する。
現在最も常用されるSNP型決定法は、ハイブリッド形成、プライマー延長及び切断の各方法を含む。これらの各方法は適当な検出システムと結合させなければならない。検出技術には、蛍光偏光法(Chan et al., Genome Res. 9: 492499 (1999))、ピロホスフェート放出の照度検出(ピロセクェンシング)(Ahmadiian et al., Anal. Biochem. 280:103−10 (2000))、蛍光共鳴エネルギー変換(FRET)に基づく切断分析、DHPLC、及び質量分析(Shi, Clin. Chem. 47:164−172 (2001); U.S. Pat. No. 6300076 Bl)を含む。SNPを検出し、特徴付ける他の方法はU.S. Pat. Nos. 6297018および6300063に開示されている。
多形は購入可能な製品、たとえばINVADER(商品名)技術(Third Wave Technologies Inc. Madison, Wisconsin, USAから入手可能)を用いて検出することもできる。この検定では、特定の上流「インベーダー」オリゴヌクレオチドと部分的に重複する下流のプローブとが一緒になって、相補性のDNAテンプレートに結合するときに特殊な構造を形成する。この構造はクリーバーゼ酵素によって認識され、特定の位置で切断されて、プローブオリゴヌクレオチドの5'−フラップを放出する。この断片は次に反応混合物中に含まれる合成的二次標的及び二次蛍光標識シグナルプローブに関する「インベーダー」オリゴヌクレオチドとして役立つ。Ryan D et al., Molecular Diagnosis 4(2): 135−144 (1999) and Lyamichev V et al., Nature Biotechnology 17: 292−296 (1999), U.S. Pat. Nos. 5846717および6001567も参照。
多形の同一性は、これに限定するものではないが、リボプローブを用いるRNase 保護法(Winter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:7575 (1985); Meyers et al., Science 230:1242 (1985))及びヌクレオチドのミスマッチを認識するタンパク質、たとえば大腸菌mutSタンパク質(Modrich P, Ann Rev Genet 25: 229−253 (1991))を含むミスマッチ検出技術を使用して決定してもよい。あるいは、異型対立遺伝子は一本鎖配座多形(SSCP)分析(Orita et al., Genomics 5: 874−879 (1989); Humphries et al., in Molecular Diagnosis of Genetic Diseases, R. Elles, ed., pp. 321−340 (1996))又は変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Wartell et al. Nucl. Acids Res. 18: 2699−2706 (1990); Sheffield et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 232−236 (1989))によって確認できる。ポリメラーゼ介在プライマー延長法も多形の確認に使用できる。そのような方法数種が特許及び科学文献に記載されており、「遺伝子ビット分析」法(WO 92/15712)及びリガーゼ/ポリメラーゼ介在遺伝子ビット分析法(U.S. Pat. No. 5679524)を含む。関連する方法がWO 91/02087, WO 90/09455, WO 95/17676、および、U.S. Pat. Nos. 5302509および5945283に開示されている。多形を含む延長されたプライマーはU.S. Pat. No. 5605798に記載の質量スペクトル法によって検出できる。もう一つのプライマー延長法は、対立遺伝子特異的PCR(Ruatio et al., Nucl. Acids. Res. 17: 8392 (1989); Ruafio et al., Nucl. Acids. Res. 19: 6877−6882 (1991); WO 93/22456; Turki et al., J Clin. Invest. 95: 1635−1641 (1995))である。これに加えて、多数の多形部位をPCT patent application WO 89/10414に記載の対立遺伝子特異的プライマーのセットを用いて、核酸の多数の領域を同時に増幅することによって研究してもよい。
態様の一つでは、下記実施例に示す結果に適用できるが、患者をスクリーニングするときに患者の血液標本を採取し、DNAを例えばPUREGENE(商品名)DNA Isolation Kit(D−50K)を用いて抽出できる。遺伝子型決定は、TaqMan(商標)技術を用いて又はThird Wave Technologies Invader Assay技術を用いて行うことができる。
オリゴヌクレオチドのハプロタイプ決定及び遺伝子型決定。本発明は個体内にある遺伝子のハプロタイプ決定及び/又は遺伝子型決定のための方法及び組成物を提供する。本明細書で使用する用語「遺伝子型」と「ハプロタイプ」は、本明細書に記載する多形部位1個又はそれ以上に存在するヌクレオチドペア又はヌクレオチドを含む遺伝子型又はハプロタイプを意味するが、要すればその遺伝子の別な多形部位1個又はそれ以上に存在するヌクレオチドペア又はヌクレオチドを含んでいてもよい。この追加的多形部位は現在知られている多形部位であっても今後発見される多形部位であってもよい。
本発明の組成物は、多形部位を含むか多形部位に近接する標的領域1個又はそれ以上と特異的にハイブリッドを形成するように設計されたプライマーとオリゴヌクレオチドプローブとを含む。本発明のオリゴヌクレオチド組成物は、個体内にある遺伝子の遺伝子型決定法及び/又はハプロタイプ決定法のために有用である。本明細書に記載する個体の多形部位における遺伝子型又は、ハプロタイプを確定する方法又は組成物は、タンパク質の発現及び機能によって影響を受ける疾患の病因における多形の効果を研究するために;薬剤指向性の効率を研究するために;タンパク質の発現及び機能に影響を受ける疾患に対する個体の罹患性を予見するために;及び遺伝子産物を標的とする薬剤に対する個体の応答性を予見するために;有用である。
本発明のオリゴヌクレオチドは、遺伝子型決定に当って、たとえばマイクロチップ、ビーズ、又はガラススライドのような、固体表面上に固定化するか、その上で合成してもよい。たとえば、WO 98/20020およびWO 98/20019を参照。
遺伝子型決定に当って、オリゴヌクレオチドを本明細書に定義する多形部位1個の下流1〜数ヌクレオチドに存在する標的領域とハイブリッドを形成させてもよい。そのようなオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載する多形の一つを検出するためのポリメラーゼ介在プライマー延長法において有用であり、それ故本明細書ではこのような遺伝子型決定用オリゴヌクレオチドを「プライマー延長オリゴヌクレオチド」と命名する。
本発明の直接的遺伝子型決定法。本発明の遺伝子型決定法は、個体から目的とする遺伝子又はその断片を2コピー含む核酸混合物を分離すること;及びそのコピー2個中にある多形部位1個又はそれ以上のヌクレオチドペアの同一性を決定すること;を含んでいてもよい。熟練した当業者が容易に理解するように、個体にある遺伝子の2個の「コピー」は、同一の対立遺伝子であってもよく、異なる対立遺伝子であってもよい。殊に好適な態様では、この遺伝子型決定法は、各多形部位におけるヌクレオチドペアの同一性の決定を含む。典型的には、たとえば血液標本又は組織標本のような個体から採取した生物学的標本から核酸混合物を分離する。適切な組織標本には、全血、精液、唾液、涙、尿、糞、汗、口腔標本、皮膚及び毛髪を含む。
本発明の直接的ハプロタイプ決定法。本発明のハプロタイプ決定法は、目的とする遺伝子又はその断片の2コピーの一つのみを含む核酸分子を個体から分離すること;及びそのコピーにある多形部位1個又はそれ以上におけるヌクレオチドの同一性を決定すること;を含んでいてもよい。直接的ハプロタイプ決定法には、例えばCLASPER System(商品名)技術(U.S. Pat. No.5866404)又は対立遺伝子特異的な遠距離PCR(Michalotos−Beloin et al. Nucl. Acids. Res. 24: 4841−4843 (1996))を含む。この核酸は、遺伝子または断片2コピーを分離できる如何なる方法を用いて分離してもよい。熟練した当業者は容易に認識するが、個々のクローンはいずれもその個体に存在する遺伝子2コピーの一つのハプロタイプ情報のみを提供することになる。態様の一つでは、個体のハプロタイプペアは、各個体について個体に存在する遺伝子の各コピーにある多形部位1個又はそれ以上にあるヌクレオチドの段階的配列を確認することによって、決定する。好適な態様では、このハプロタイプ決定法は、遺伝子の各コピー中の各多形部位にあるヌクレオチドの段階的配列を確認することを含む。
この遺伝子型決定法及びハプロタイプ決定法の双方では、多形部位にあるヌクレオチド(又はヌクレオチドペア)の同一性は:多形部位を含む標的領域をその遺伝子の1コピー又は両コピー又はその断片から直接的に増幅すること;及び増幅した領域を通常の方法によって配列決定すること;によって決定してもよい。個体の遺伝子について遺伝子型又はハプロタイプは、遺伝子1コピー又は両コピーを含む核酸標本をたとえばPublished PCT patent application WO 95/11995に記載されているような核酸アレイ及びサブアレイとハイブリッド形成させることによって決定してもよい。
標的多形と連鎖不均衡にある多形部位を用いる間接的遺伝子型決定法。これに加えて、本発明の多形部位の何れかに存在する対立遺伝子の同一性は、目的とする部位と連鎖不均衡にある他の多形部位を遺伝子型決定することによって、間接的に決定してもよい。前記の通り、もしも第一の部位にある特定の異型の存在が第二の部位にある別な異型の存在の指標であるならば、2個の部位は、連鎖不均衡にあるとされる。Stevens JC. Mol. Diag. 4: 309−317 (1999)。本発明の多形部位と連鎖不均衡にある多形部位は、同じ遺伝子の領域に又は他のゲノム領域に位置してもよい。
標的遺伝子領域の増幅。標的領域は、これに限定するものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(U.S. Pat. No. 4965188)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Barany et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 189−193 (1991); published PCT patent application WO 90/01069)、及びオリゴヌクレオチド連結検定法(OLA)(Landegren et al., Science 241: 1077−1080 (1988))を含むいかなるオリゴヌクレオチド指向性増幅法を用いて増幅してもよい。この方法でプライマー又はプローブとして有用なオリゴヌクレオチドは、多形部位を含むか、多形部位に隣接する核酸のある領域と特異的にハイブリッドを形成するものである。典型的には、オリゴヌクレオチドは、長さ10〜35ヌクレオチド、好ましくは長さ15〜30ヌクレオチドである。最も好ましくは、オリゴヌクレオチドは、長さ20〜25ヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドの実際の長さは、熟練した当業者が常用的に考慮し、実行できる多数の因子に依存するものである。
他の公知核酸増幅手法を、転写に基づく増幅システム(U.S. Pat. No. 5130238; EP 329822; U.S. Pat. No. 5169766; published PCT patent application WO 89/00700)及び等温法(Walker et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:392−396 (1992) )を含む標的領域を増幅するために使用してもよい。
対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの標的遺伝子へのハイブリッド形成。標的領域内の多形は、当技術分野で知られているハイブリッド形成に基づく方法数種の一つを用いて増幅の前又は後に検定してもよい。典型的には、この方法を実施するには対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドを利用する。対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドは、種々のラベルを付けたプローブペアとして使用してもよく、ここにペアメンバーの一方は標的配列の異型1個に完全にマッチさせ、他方のメンバーは他方の異型に完全にマッチさせる。ある態様では、対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドペアのセットを用いて複数の多形部位を一度に検出してもよい。好ましくは、このセットのメンバーは、検出すべき複数の多形部位の各々とハイブリッドを形成するときに、互いに5℃以内、より好ましくは2℃以内の融点を持つ。
対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの標的ポリヌクレオチドへのハイブリッド形成は、溶液中の両品を用いて行ってもよく、又はこのハイブリッド形成はオリゴヌクレオチドか標的ポリヌクレオチドの何れかが固体支持体に共有結合又は非共有結合で固定されているときに行ってもよい。結合には、例えば抗体抗原相互作用、ポリ−L−Lys、ストレプトアビジン又はアビジン−ビオチン、塩ブリッジ、疎水性相互作用、化学結合、UV交差結合、焼成、などが介在してもよい。対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、固体支持体上で直接合成してもよく、また合成後に固体支持体に結合させてもよい。本発明の検出法での使用に適する固体支持体は、シリコン、ガラス、プラスチック、紙その他でできた基質を含み、それを、例えば、ウェル(96ウェルプレートのようなもの)、スライド、シート、膜、繊維、チップ、皿、及びビーズなどに成型してもよい。固体の支持体は、対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチド又は標的核酸の固定化を促進するために処理し、コーティングし、又は誘導体化してもよい。
集団の遺伝子型及びハプロタイプの決定及び特徴との関連付け。本発明は、集団内にある遺伝子型又はハプロタイプの頻度を決定する方法も提供する。この方法は、集団の各メンバーに存在する遺伝子の遺伝子型又はハプロタイプを決定すること(ここに、遺伝子型又はハプロタイプは、遺伝子内の多形部位1個又はそれ以上に検出されるヌクレオチドペア又はヌクレオチドを含む);及びその遺伝子型又はハプロタイプが集団に見出される頻度を計算すること;を含む。この集団は、参照集団、ファミリー集団、同性集団、集団群、又は特徴集団(たとえば、病状又は薬剤処置に対する応答など、目的とする特徴を示す個人の群)であってもよい。
本発明の別な側面では、参照集団における遺伝子型及び/又はハプロタイプのための頻度データを、特徴と遺伝子型又はハプロタイプとの間の関連性を確認する方法に使用する。この特徴は検出可能な表現型の何れであってもよく、これに限定するものではないが、罹病性又は処置に対する応答を含む。この方法は、参照集団における目的とする遺伝子型又はハプロタイプの頻度に関するデータを得ること;及びその特徴を示す集団における遺伝子型又はハプロタイプの頻度のデータと比較すること;を含む。参照集団と特徴集団の一方又は双方の頻度データは、前記方法の一つを使用する、その集団内の各個体の遺伝子型決定又はハプロタイプ決定によって得てもよい。特徴集団のハプロタイプは、直接決定してもよく、あるいは前記の予測的遺伝子型→ハプロタイプ手法によって決定してもよい。
参照集団及び/又は特徴集団の頻度データは、書類にしてあるか又は電子的な形であってもよい以前に決定した頻度データにアクセスすることによって得られる。例えば、この頻度データはコンピュータでアクセスできるデータベースに入れてあってもよい。頻度データが得られると、参照集団と特徴集団での目的とする遺伝子型又はハプロタイプの頻度と比較する。
多形を分析するときには、偶然見出されるかも知れない有意な関連を補正するような計算をしてもよい。本発明の方法に有用な統計的方法は、Statistical Methods in Biology, 3rd edition, Bailey NTJ, (Cambridge Univ. Press, 1997); Waterman MS, Introduction to Computational Biology (CRC Press, 2000) and Bioinformatics, Baxevanis AD & Ouellette BFF editors (John Wiley & Sons, Inc., 2001)を参照。
他の態様では、異なる群のハプロタイプ頻度データを検査してハーディーワインベルグ平衡(Hardy−Weinberg equilibrium)を満足するかどうかを決定する。D.L. Hartl et al., Principles of Population Genomics, 3rd Ed. (Sinauer Associates, Sunderland, Massachusetts, 1997)。
他の態様では、統計的分析をBonferoni補正付標準的ANOVA検定;又は多回遺伝子型表現型相関をシミュレートするブーツストラッピング法;を用いて及び有意値の計算;を用いて行う。ANOVAは、反応変数が測定可能な特徴あるいは変数1個又はそれ以上によって起きているかどうか、又はそれと相関しているかどうかという仮説を検証するために使用する。L.D. Fisher, G. vanBelle. Biostatistics: A Methodology for the Health Sciences. Ch. 10 (Wiley−Interscience, New York, 1993)。
ハプロタイプペアを予告するための態様の一つでは、この分析は次のような割当段階を含む:第一に、可能なハプロタイプペアの各々を参照集団のハプロタイプペアと比較する。一般に、参照集団のハプロタイプペアの一つのみが可能性のあるハプロタイプペアに合致し、そのペアをその個体に割り付ける。時には、参照ハプロタイプペアに代表されるハプロタイプ1個のみが可能な個体のハプロタイプペアに適合し、そのような場合、その個体はこの既知のハプロタイプ及び可能性のあるハプロタイプペアから既知のハプロタイプを引算して誘導した新ハプロタイプを含むハプロタイプペアに割付ける。
他の態様では、目的とする遺伝子型又はハプロタイプと連鎖不均衡の関係にある検出可能な遺伝子型又はハプロタイプを、代理マーカーとして使用してもよい。他の遺伝子型と連鎖不均衡な関係にある遺伝子型は、所与の遺伝子についての特定的な遺伝子型又はハプロタイプがその集団内での頻度が参照集団におけるよりも高くて、代理マーカー遺伝子型の可能性があることが示されれば示唆される。頻度が統計的に有意であれば、そのマーカー遺伝子型はその遺伝子型又はハプロタイプを予測し、代理マーカーとして使用できる。
ハプロタイプ含量と臨床的応答との間の相関を見出すための他の方法は、誤差を最低限にする最適化アルゴリズムに基づく予測モデルを使用するが、その一つは遺伝的アルゴリズムである。R Judson, "Genetic Algorithms and Their Uses in Chemistry" in Reviews in Computational Chemistry. Ch. 10. KB Lipkowitz & DB Boyd, eds. (VCH Publishers, New York, 1997) pp. 1−73を参照。焼き鈍し法(Press et al. Numerical Recipes in C: The Art of Scienttfic Computing, Ch. 10 (Cambridge University Press, Cambridge, 1992)、神経回路網(E Rich & K Knight. Artificial Intelligence, 2nd Edition, Ch. 10 (McGraw−Hill, New York, 1991)、標準的勾配下降法(Press et al., supra Ch. 10)又はその他の一般的又は局所的最適化手法(前記Judsonの議論も参照)も使用できる。
対象の遺伝子型又はハプロタイプと処置応答との相関。好適な態様では、この特性は疾患への罹患性、疾患の重症度、疾患の段階又は薬剤への応答である。このような方法は、効果の測定、薬物動態学的測定及び副作用測定を含めて、遺伝子型と処置の結果との間に関連の可能性があるときには、診断用検査法の開発及び薬理遺伝学応用の全てについての治療用処置に適用できる。
別な好適な態様では、目的とする特性は、治療的処置に対して患者が示す臨床的応答、例えば薬剤標的に対する応答又は医学的病状に対する治療的処置など、である。
処置に対する臨床的応答と遺伝子型又はハプロタイプとの間の相関を推測するために、遺伝子型又はハプロタイプのデータを、以後本明細書で「臨床集団」と呼ぶその処置を受けた個体の集団が示す臨床的応答について取得する。この臨床データは、既に実施した臨床試験の結果を分析することによって;及び/又は新しい臨床試験1回又はそれ以上を設計し、実行することによって;得てもよい。
臨床集団に含まれる個体は、通常、目的とする医学的病状の存在に従って段階付ける。予測される患者の段階付けには、標準的な身体検査又は臨床試験1種又はそれ以上を採用できよう。あるいは、患者の段階付けは、ハプロタイプペアと疾患への感受性又は重症度との間に強い相関がある場合には、ハプロタイプ決定を用いることができよう。
目的とする治療的処置を治験集団内の各個体に適用して、各個体の、その処置に対する応答を所定の判断基準1種又はそれ以上を用いて測定する。多くの場合、治験集団は一定範囲の応答を示し、研究者は様々な応答を示す応答者群多数を選択する(たとえば、低、中、高)ことが予期される。これに加えて、治験集団内の各個体の遺伝子について、処置の前又は後のどちらでもよいが遺伝子型決定及び/又はハプロタイプ決定を行う。
次にこれらの結果を分析して、多形群間の臨床的応答に観察される変動が統計的に有意かどうか判定する。これに使用できる統計分析法はL.D. Fisher & G. vanBelle, Biostatistics: A Methodology for the Health Sciences (Wiley−Interscience, New York, 1993) に記載されている。この分析は、遺伝子内のどの多形部位が表現型の相違に最も明確に寄与するかについて回帰計算することを含んでいてもよい。
態様の一つでは、第一パス分析として遺伝子型の関数として応答を評価するためにフィッシャーの直接確率検定を行う。
臨床的データ及び多形データの双方を得た後、個々の応答と遺伝子型又はハプロタイプ含有量との間の相関を算出する。相関関係は数種の方法で算出してもよい。一つの方法では、個体を遺伝子型又はハプロタイプ(又はハプロタイプペア)によって分類し(多形群とも称する)、次に各多形群のメンバーが示す臨床的応答の平均値と標準偏差を算出する。
前記の分析から、遺伝子型又はハプロタイプ含有量の関数として臨床的応答を予測する熟練した当業者は容易に数学的モデルを構築するであろう。遺伝子についての臨床的応答と遺伝子型又はハプロタイプ(又はハプロタイプペア)との間の関連性の確認は、処置に応答するか応答しない個体を決定するための診断方法を設計するための基礎になるかも知れず、あるいは、応答が低いレベルで、もっと多くの処置すなわち高い用量の薬剤が必要になる個体を決定するための診断方法を設計するための基礎になるかもしれない。この診断法は数種:例えば、直接的DNA検査(すなわち、遺伝子内の多形部位1個又はそれ以上の遺伝子型決定又はハプロタイプ決定)、血清学的検査、又は身体検査測定のうちの一つの形を取る。ただ一つの要件は、診断的検査結果と基盤となる遺伝子型又はハプロタイプとの間に良い相関があるべきことである。好適な態様では、この診断法は前記の予測的ハプロタイプ決定法を使用する。
態様の一つでは、処置と「高応答者(治療的処置に対する)」遺伝子型状況とに加えて性別及び年齢を斟酌するためにロジスティックリモデルを用いて分析を行う。これに加えて、定量的共変数として患者応答評価の基準値を用いてANCOVAモデルを適用できる。
遺伝子型群への対象の割当。熟練した当業者が理解するように、この決定を行うにはある程度の不確実性がある。それ故に、対照群レベルの標準偏差は確率的決定を行うために使用でき、また、この発明の方法は広範囲な確率論に基づく遺伝子型群決定に適用できよう。そこで、限定ではなく、例ではあるが、態様の一つでは、もしも遺伝子発現産物のレベル測定値が何れかの対照群における平均値の標準偏差の2.5倍以内であるならば、その個体をその遺伝子群に割当ててもよい。別な態様では、もしも遺伝子発現産物のレベル測定値が何れかの対照群における平均値の標準偏差の2.0倍以内ならば、その個体をその遺伝子群に割当ててもよい。さらに別な態様では、もしも遺伝子発現産物のレベル測定値が何れかの対照群における平均値の標準偏差の1.5倍以内ならば、その個体をその遺伝子群に割当ててもよい。その他の態様では、もしも遺伝子発現産物のレベル測定値が何れかの対照群における平均値の標準偏差の1.0倍又はそれ以下であれば、その個体をその遺伝子群に割当ててもよい。
そこで、この手法は様々な確率で特定の対象が所属すべき群の決定を可能にし、そのような遺伝子型群への割当で、その個体が属すべきリスク分類が決定される。
臨床的応答と遺伝子型又はハプロタイプとの間の相関関係。処置に対する臨床的応答と遺伝子型又はハプロタイプとの間の相関を推測するためには、その処置を受けた個体の集団(以後本明細書では「臨床集団」と称する)が示す臨床的応答に関するデータを得る必要がある。この臨床データは、既に実施した臨床試験の結果を分析して得たものでもよく、及び/又はこの臨床データは、新しく臨床試験1種又はそれ以上を設計し、実行して入手してもよい。
こうして様々な対照群から得られた遺伝子発現産物の標準的対照レベルを、次に所与の患者で測定された遺伝子発現産物のレベルと比較する。この遺伝子発現産物は、特定の遺伝子型群に関連する独特なmRNAであってもよく、又は遺伝子型群のポリペプチド遺伝子発現産物であってもよい。次に、その測定レベルが所定の群の対照レベルと比較してどのくらい類似しているかに基づいて、患者を特定の遺伝子型群に分類し又は割当てることができる。
多形データを保存し、又は表示するコンピュータシステム。本発明はまた、各遺伝子について決定された多形データを保存し、表示するコンピュータシステムを提供する。このコンピュータシステムは、コンピュータの処理装置、ディスプレイ、及び多形データを含むデータベースを含む。この多形データは、参照集団中の所与の遺伝子について確認された多形、遺伝子型及びハプロタイプを含む。好適な態様では、このコンピュータシステムは、進化的関係に従って編成したハプロタイプを示すディスプレイを表示することができる。コンピュータに、本発明方法の実行に含まれる分析的及び数学的手順の何れか又は全てを実行させてもよい。これに加えて、コンピュータは、ディスプレイ装置の画面(スクリーン)に表示するプログラムを実行し、それによってユーザーは遺伝子及びそのゲノム変異に関する大量の情報[染色体位置、遺伝子構造、及び遺伝子ファミリー、遺伝子発現データ、多形データ、遺伝子配列データ、及び臨床集団データ(たとえば、集団1個又はそれ以上についての生態地理学的(ethnogeographic)素性、臨床的応答、遺伝子型、及びハプロタイプなどに関するデータ)を含む]を読み、分析するために相互作用できる。本明細書に記載する多形データは、関係型データベース(たとえば、オラクルデータベースの一例又はASCIIフラットファイルのセット)の部分として保存してもよい。これら多形データはコンピュータのハードドライブに保存してもよく、又は例えばCD−ROMなどに保存してもよく、又はコンピュータがアクセスできるその他のストレージ装置1個又はそれ以上に保存してもよい。例えば、本データはネットワークを介してコンピュータと接続しているデータベース1個又はそれ以上に保存してもよい。
核酸に基づく診断法。他の側面では、本発明は遺伝子変異の型に従って対象を分類するために有用なSNPプローブを提供する。本発明のSNPプローブは、通常の対立遺伝子識別検定でSNPを識別するオリゴヌクレオチドである。好適なある態様では、本発明のこの側面によるオリゴヌクレオチドは、SNP核酸の対立遺伝子1個には相補性であるが、そのSNP核酸にある他の対立遺伝子の何れにも相補性ではない。本発明のこの態様のオリゴヌクレオチドは、様々な方法でSNPを識別できる。例えば、ストリンジェントなハイブリッド形成条件では、適当な長さのオリゴヌクレオチドは、一つのSNPとハイブリッドを形成するが、他のものとは形成しない。このオリゴヌクレオチドは放射能標識又は蛍光分子タグを用いて標識してもよい。あるいは、3'−末端ヌクレオチドがSNPを含む対立遺伝子一つには相補的であるが、他の対立遺伝子には相補的でなければ、適当な長さのオリゴヌクレオチドをPCR用プライマーとして使用できる。この態様では、PCRによる増幅の可否がSNPのハプロタイプを決定する。
本発明のゲノム断片及びcDNA断片は、本明細書に規定する多形部位少なくとも1ヶ所を含み、長さは少なくとも10ヌクレオチドから遺伝子全長までの範囲である。好ましくは、本発明の断片は、長さ100〜3000ヌクレオチド、より好ましくは長さ200〜2000ヌクレオチド、最も好ましくは長さ500〜1000ヌクレオチドである。
本発明のキット。本発明は、個体の中にある遺伝子のハプロタイプ決定及び/又は遺伝子型決定のために有用な核酸及びポリペプチド検出キットを提供する。このようなキットは個体を分類する目的のために有用である。特に、本発明は、たとえばこれに限定するものではないが、血清、血漿、リンパ液、嚢胞液、尿、便、脳脊髄液、腹水又は血液、及び体組織の生検標本などを含む体液などの生物学的標本中にある本発明のマーカーに対応するポリペプチド又は核酸の存在を検出するためのキットを含む。例えば、このキットは、生物学的標本中にある本発明のマーカーに対応するポリペプチド又はポリペプチドをコードするmRNAを検出できる標識化合物又は薬剤及び標本中にあるポリペプチド又はmRNAの量を測定する手段、たとえば、ポリペプチドをコードするDNA又はmRNAに結合するポリペプチド又はオリゴヌクレオチドプローブを結合する抗体を含有できる。本キットは、このキットを用いて得た結果を解釈するための説明書を含むことができる。
他の態様では、本発明は別々の容器に封入した少なくとも2種の遺伝子型決定用オリゴヌクレオチドを含むキットを提供する。このキットは他の成分、たとえば、別の容器に封入したハイブリッド形成用緩衝液(このオリゴヌクレオチドはプローブとして使用する場合)、を含んでいてもよい。あるいは、オリゴヌクレオチドが標的領域を増幅するために用いるものであるときには、このキットは、たとえばPCRの場合には、ポリメラーゼが媒介するプライマー延長用に最適化された、別々の容器に封入したポリメラーゼ及び反応緩衝液を含んでいてもよい。好適な態様では、このキットにはさらにDNA標本採取手段を含んでいてもよい。
抗体に基づくキットについて述べれば、このキットは、たとえば(1)たとえば固体支持体に結合している第一の抗体であって、本発明のマーカーに対応するポリペプチドに結合するもの;及び、要すれば(2)ポリペプチドか第一の抗体かのいずれかに結合する第二の異なる抗体であって、検出可能な標識に結合するもの;を含むことができる。
オリゴヌクレオチド基づくキットについて、このキットは、たとえば(1)たとえば検出可能に標識したオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドであって、本発明のマーカーに対応するポリペプチドをコードする核酸配列とハイブリッドを形成するもの;又は(2)本発明のマーカーに対応する核酸分子を増幅するために有用なプライマーのペア;を含むことができる。
このキットは、たとえば、緩衝液剤、保存剤又はタンパク質安定化剤なども含むことができる。このキットはさらに、たとえば、酵素又は基質などの検出可能な標識を検出するために必要な成分を含むことができる。このキットはまた、対照標本又は一連の対照標本であって、検定の後に被検標本と比較できるものを含むことができる。このキットの各成分は別々の容器に封入でき、また様々な容器は全てを、このキットを用いて行った検定の結果を解釈するための説明書とともに1個の包装内に入れることができる。
本発明の核酸配列。側面の一つでは、本発明は分離されたポリヌクレオチド1種又はそれ以上を含む。本発明はまた、その対立遺伝子変種、すなわち分離されたポリヌクレオチドの天然起源の異型であって、そのポリヌクレオチドにコードされるものと同一であるか、その同族体であるか又はそれと関連する変異ポリペプチドをコードするものも含む。あるいは、非天然起源変種は突然変異生成技術によって又は本技術分野でよく知られている直接合成技術によって製造してもよい。
従って、本発明の変異ポリペプチドをコードする核酸配列と低いストリンジェンシーでハイブリッドを形成できる核酸配列は、本発明の範囲内にあると解釈する。標準的なストリンジェンシー条件は標準的分子生物学のクローニング文献に詳記されている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual, 2nd Ed., ed., Sambrook, Fritsch, & Maniatis (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989); DNA Cloning, Volumes I and II, D.N. Glover, ed. (1985); Oligonucleotide Synthesis, M.J. Gait, ed. (1984); Nucleic Acid Hybridization, B .D. Hames & S.J. Higgins, eds (1984)を参照。
遺伝子発現レベルの特徴付け。mRNAレベル(すなわち、遺伝子転写レベル)及びポリペプチド遺伝子発現産物のレベル(すなわち、遺伝子翻訳レベル)を検出し、測定する方法は当技術分野でよく知られており、ヌクレオチドマイクロアレイの使用及び質量分析計を含むポリペプチド検出法及び/又は抗体の検出及び定量技術を含む。Tom Strachan & Andrew Read, Human Molecular Genetics, 2nd Edition. (John Wiley and Sons, Inc. Publication, New York, 1999)も参照。
標的遺伝子転写の定量。たとえば、個体の組織又は体液など生物学的標本内の遺伝子発現産物のレベル定量は、様々な方法で行える。用語「生物学的標本」には、対象から分離した組織、細胞、体液及びその分離物、並びに対象内に存在する組織、細胞及び体液を含むものとすることが意図されている。発現検出法の多くは分離されたRNAを使用する。インビトロ法では、何れのRNA分離技術もmRNAを分離できれば細胞からRNAを精製するために利用できる。たとえば、Ausubel et al., Ed., Curr. Prot. Mol. Biol. (John Wiley & Sons, New York, 1987〜1999) を参照。
態様の一つでは、標的遺伝子のmRNA発現産物のレベルを定量する。特定のmRNAレベルの測定法は当技術分野でよく知られており、ノーザンブロット分析、逆転写PCR及び即時定量的PCRを含み、又はオリゴヌクレオチドアレイ又はマイクロアレイへのハイブリッド形成によるものを含む。さらに好適な他の態様では、発現レベルの定量は、これに限定するものではないが血液又は血清を含む体液又は組織標本内にある遺伝子のタンパク質又はポリペプチド発現産物のレベルを定量することによって行ってもよい。当技術分野の熟練者によく知られている技術、たとえばU.S. Pat. No. 4843155に記載されている単一段階RNA分離法を使用すれば、多数の組織標本を容易に処理できる。
分離したmRNAは、ハイブリッド形成又はこれに限定するものではないが、サザン又はノーザン分析、PCR分析及びプローブアレイを含む増幅検定法に使用できる。mRNAレベルを検出するための好適な診断的方法の一つは、分離したmRNAを、検出すべき遺伝子がコードするmRNAとハイブリッドを形成できる核酸分子(プローブ)と接触させることを含む。核酸プローブは、たとえば、全長cDNA又はその一部、たとえば長さが少なくとも7、15、30、50、100、250又は500ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであって、本発明のマーカーをコードするmRNA又はゲノムDNAにストリンジェント条件下に特異的にハイブリッドを形成するに充分な長さであることができる。本発明の診断的検定で使用するための他の適当なプローブは本明細書に記述する。mRNAとプローブとのハイブリッド形成は、問題のマーカーが発現されていることを示す。
方式の一つでは、プローブを固体表面に固定し、mRNAをプローブ、例えばAffymetrix遺伝子チップアレイ(Affymetrix, Calif. USA)と接触させる。熟練した当業者は本発明のマーカーがコードするmRNAのレベルを検出するために使用する目的で既知のmRNA検出法を容易に適合させることができる。
標本中の本発明のマーカーに対応するmRNAのレベルを定量するための別な方法は、たとえばRT−PCR(実験的態様はU.S. Pat. No. 4683202に記載);リガーゼ連鎖反応(Barany et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 189−193(1991))、自動継続配列複製(Guatelli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 87: 1874−1878 (1990));転写増幅システム(Kwoh et al., Proc. Natl. Aced. Sci. USA 86: 1173−1177 (1989));Q.−βレプリカーゼ(Lizardi et al., Biol. Technology 6: 1197 (1988));ローリングサークル複製(U.S. Pat. No. 5854033);又はその他の核酸増幅法;による核酸増幅のプロセスとそれに続く、当技術分野の熟練者によく知られている技術を用いる増幅した分子の検出を含む。これらの検出法は、分子が極めて低い数で存在するならば核酸分子検出のために特に有用である。本明細書で使用する「増幅プライマー」は、遺伝子(各々プラス及びマイナス鎖、又はその逆)の5'−又は3'−領域にアニーリングでき、また、その間に短い領域を含む核酸分子のペアであると定義される。一般に、増幅プライマーは長さ約10〜30ヌクレオチドであり、長さ約50〜200ヌクレオチドの領域に接する。
リアルタイム定量PCR(RT−PCR)は、たとえば目的とするSNP及び多形を含む本発明の遺伝子などのようなものの遺伝子発現レベルを評価する方法の一つである。RT−PCR検定は、mRNA鎖を含むRNA鎖からのDNA鎖の合成を触媒するためにRNA逆転写酵素を利用する。生成するDNAは、特異的に検出し、定量でき、このプロセスをmRNAの特定種のレベルを定量するために使用してもよい。これを行う方法の一つはTAQMAN(商標)(PE Applied Biosystems, Foster City. Calif., USA)であって、PCR反応中にAMPLITAQ GOLD(商品名)DNAポリメラーゼの5'−ヌクレアーゼ活性を利用してプローブの特定の構造を切断する。これをTAQMAN(商品名)プローブと呼ぶ。Luthra et al., Am. J. Pathol. 153: 63−68 (1998); Kuimelis et al., Nucl. Acids Symp. Ser. 37: 255−256 (1997); and Mullah et al., Nucl. Acids Res. 26(4): 1026−l031 (1998)を参照。反応中にプローブが切断されてレポーター色素とクエンチャー色素とが分離し、レポーターの蛍光増加をもたらす。PCR産物の蓄積は、レポーター色素の蛍光増加を監視して直接的に検出する。Heid et al., Genome Res. 6(6): 986− 994 (1996)。出発核酸標的のコピー数が大きいほど、蛍光の明らかな増加が早期に観察される。Gibson. Heid & Williams et al., Genome Res. 6: 995−1001 (1996)を参照。
細胞の転写状態を測定する他の技術、たとえば段階的プライマーの二重制限酵素消化を結合する方法(たとえば、EP 0534858 A1を参照)、又は所定のmRNA末端に最も近い部位を持つ制限断片を選択する方法(たとえば、Prashar & Weissman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93(2) 659−663 (1996) を参照)は、電気泳動分析のために複雑さが限定された制限断片のプールを作成する。
他の方法は、たとえば各cDNAを確認するために多数のcDNAの各々にある充分な塩基、たとえば20〜50塩基を配列決定することによって;又は所定のmRNA末端経路パターンに関して知られている位置に作製される、たとえば9〜10塩基の短いタグを配列決定することによって;統計的にcDNAプールを抽出する。たとえばVelculescu, Science 270: 484−487 (1995)を参照。標本内のcDNAレベルを定量し、当技術分野の熟練者によく知られている標準的な統計的手法Norman T.J. Bailey, Statistical Methods In Biology, 3rd Edition (Cambridge University Press, 1995) を用いて、各cDNAの平均及び標準偏差を決定する。
ポリペプチドの検出:免疫学的検出法。本発明の遺伝子がコードするタンパク質の発現は、検出可能に標識されているか、又は後で標識できるプローブによって検出できる。プローブ又は抗体に関する用語「標識された」は、検出可能な物質をプローブ又は抗体に物理的に結合するカップリングすることよるプローブ又は抗体の直接的標識;並びに直接的に標識された別な試薬との反応によるプローブ又は抗体に間接的標識;を含むものとすることが意図されている。間接的標識の例には、蛍光標識された二次抗体を用いる一次抗体の検出;及び蛍光標識されたストレプトアビジンを用いて検出できるようにビオチンを用いるDNAプローブの最終的標識;を含む。一般に、プローブは発現されたタンパク質を認識する抗体である。標本が所与の抗体に結合する標的タンパク質を含むかどうかを決定するためには、様々な方法を採用できる。本発明の標的ポリペプチドの検出に有用な免疫検定法には、これに限定するものではないが、たとえば、ドットブロッティング、ウェスタンブロッティング、タンパク質チップ、競合的及び非競合的タンパク質結合検定、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、免疫組織化学、蛍光活性化細胞選別(FACS)、及びその他の普通に使われており、科学文献及び特許文献に広く記載され、また商業的に多数採用されているものを含む。熟練した専門家は、細胞が本発明のマーカーを発現するかどうかの決定;及び血液又はその他の組織内にある特定のポリペプチド発現産物の相対的濃度の決定;で使用するために公知のタンパク質/抗体検出法を容易に適合させることができる。個体からのタンパク質は、当技術分野の熟練者によく知られた技術を用いて分離できる。採用するタンパク質分離法は、たとえばHarlow & Lane, Antibodies: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1988))に記載されているようなものであることができる。
開示した遺伝子がコードするタンパク質に対する抗体を産生するためには、様々な宿主動物にそのポリペプチド又はその一部を注射して免疫してもよい。このような宿主動物は、これに限定するものではないが、ウサギ、マウス及びラットを含む。宿主の種に依存して様々なアジュバントを使用して免疫学的応答を強化させてもよいが、このアジュバントはこれに限定するものではないが、フロイントアジュバント(完全及び不完全)、ゲル状鉱物、たとえば水酸化アルミニウム;界面活性剤、たとえばリゾレシチン、プルロンポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン及びジニトロフェノール;及び有用である可能性のあるヒトのアジュバント、たとえばカルメットゲラン桿菌(BCG)及び嫌気性コリネ菌を含む。
特定の抗原に対する均質な抗体の集団であるモノクローナル抗体(mAb)は、培地中の連続的細胞系統によって抗体分子の産生を行う何れの技術によって製造してもよい。これに限定するものではないが、これにはKohler & Milstein, Nature 256: 495−497 (1975);およびU.S. Pat. No. 4376110のハイブリドーマ法; Kosbor et al., Immunol. Today 4: 72 (1983); Cole et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 2026−2030 (1983) のヒトB細胞ハイブリドーマ技術;及びCole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy (Alan R. Liss, Inc., 1985), pp. 77−96のEBVハイブリドーマ法を含む。
これに加えて、適当な抗原特異性を持つマウス抗体分子から得た遺伝子を適当な生物活性を持つヒト抗体分子から得た遺伝子と共にスプライシングして「キメラ抗体」を産生するために開発された技術(Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6851−6855 (1984); Neuberger et al., Nature 312: 604−608 (1984);およびTakeda et al., Nature 314: 452−454 (1985) を参照)も使用できる。キメラ抗体は異なる部分が異なる動物種から誘導されている分子であって、たとえばマウスmAbから誘導した可変領域又は超可変領域とヒトの免疫グロブリンの定常領域とを持つ分子である。
あるいは、一本鎖抗体産生のために記載された技術(U.S. Pat. No. 4946778; Bird, Science 242: 423−426 (1988); Huston et al., Proc. Natl. Aced. Sci. USA 85: 5879−5883 (1988);およびWard et al., Nature 334: 544−546 (1989) )を、様々な形で発現される遺伝子一本鎖抗体を産生するように適合させることもできる。
「ヒト化抗体」の産生のために有用な技術を、タンパク質、その断片又は誘導体に対する抗体の産生に適合させることができる。この技術はU.S. Pat. Nos. 5932448; 5693762; 5693761; 5585089; 5530101; 5569825; 5625126; 5633425; 5789650; 5661016; 5770429に開示されている。
抗体又は抗体断片は、たとえば発現されたタンパク質を検出するためのウェスタンブロット又は免疫蛍光技術などの方法に使用できる。この使用では、一般に抗体又はタンパク質のいずれかを固体支持体上に固定化するのが好ましい。適当な固相支持体又は担体は、抗原又は抗体を結合できる如何なる支持体をも含む。良く知られた支持体又は担体には、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然及び加工セルロース、ポリアクリルアミド、斑レイ岩及び磁鉄鉱を含む。
検出の容易さから有用な方法は、サンドイッチELISAであるが、これには多数の変法が存在し、その全てが本発明の方法と検定法に使用できるものとすることが意図されている。本明細書で使用する「サンドイッチ検定法」は、基本的二部位技術の全ての変化を含むものとすることが意図されている。免疫蛍光技術とEIA技術は、共に当技術分野で確立されている。しかし、他のレポーター分子、たとえば放射性同位元素、化学発光分子又は生物発光分子なども使用できる。熟練した当業者には操作を必要な使用に適合させる方法が容易に明白となろう。
タンパク質の全ゲノム、すなわち、「プロテオーム」の測定は、結合部位が固定化された、細胞のゲノムがコードする複数のタンパク質種への特異的抗体、好ましくはモノクローナル抗体を含むマイクロアレイを構築することによって実施できる。好ましくは、各抗体は、コードされたタンパク質のかなりの部分に存在するか、又は少なくとも目的とする生物学的ネットワークモデルを試験するか又は確認するために適切なタンパク質について存在する。前記の通り、モノクローナル抗体の製法はよく知られている。たとえば、Harlow & Lane, Antibodies: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press. Cold Spring Harbor, New York, 1988)を参照。好適な態様では、モノクローナル抗体は、細胞のゲノム配列に基づいて設計された合成ペプチド断片について作製する。このような抗体アレイで、細胞からのタンパク質をアレイと接触させ、その結合を当技術分野で知られている検定法で測定する。
ポリペプチドの検出:二次元ゲル電気泳動。二次元ゲル電気泳動は当技術分野でよく知られており、典型的には第一の次元では等電点電気泳動を、続いて第二の次元ではSDS−PAGE電気泳動を含む。たとえば、Hames et al. Gel Electrophoresis of Proteins: A Practical Approach (IRL Press, New York, 1990); Shevchenko et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 14440−14445 (1996); Sagliocco et al., Yeast 12: 1519−1533 (1996);およびLander, Science 274: 536−539 (1996) を参照。
ポリペプチドの検出:質量スペクトル。標的ポリペプチドの同一性並びに発現レベルは、質量スペクトル技術(MS)を用いて決定できる。MSに基づく分析方法論は、分離された標的ポリペプチドの分析並びに生物学的標本中にある標的ポリペプチドの分析のために有用である。標的ポリペプチド分析における使用のためのMSの方式は、イオン化(1)技術、たとえばこれに限定するものではないがマトリックス支援レーザー脱離(MALDI)、連続又はパルスエレクトロスプレーイオン化(ESI)、及び関連する方法、たとえばイオンスプレー又は熱スプレー、及びマッシブクラスター衝撃(MCI)を含む。このようなイオン源は、線形又は非線形リフレクトロン飛行時間(TOF)、単一又は多数の四重極、単一又は多数の磁場型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)、イオントラップ及びその結合、たとえばイオンタップ/TOFを含む、検出の方式に適合させることができる。イオン化のためには、多数のマトリックス/波長の組合せ(たとえばマトリックス支援レーザー脱離(MALDI))又は溶媒の組合せ(たとえば、ESI)を採用できる。
質量スペクトル(MS)分析のためには、標的ポリペプチドを適当な溶液又は試薬システムに可溶化することができる。たとえば有機又は無機溶媒など、溶媒又は試薬システムの選択は、標的ポリペプチドの性質及び実行するMSのタイプに依存し、また当技術分野でよく知られている方法に基づく。たとえば、MALDIについてVorm et al., Anal. Chem. 61: 3281 (1994);ESIについてValaskovic et al. Anal. Chem. 67: 3802 (1995) を参照。ペプチドのMSも報告されている、たとえばInternational PCT Application No. WO 93/24834およびU.S. Pat. No. 5792664を参照。溶媒は、蒸発の過程で導入されるエネルギーによって標的ポリペプチドが分解される危険性が低下するように選択される。標的ポリペプチド分解の危険性低下は、たとえば標本をマトリックスに埋没させることによって達成できる。適当なマトリックスは有機化合物、たとえば糖類、たとえばペントース又はヘキソース、又はたとえばセルロースのような多糖類であることができる。このような化合物は熱分解されてCOとHOとになり、化学反応を起こす残渣を形成しない。このマトリックスは、たとえば硝酸アンモニウムのような無機化合物であることができるが、これは残渣を残さずに分解される。これらを含む溶媒の使用は当技術分野の熟練者に知られている。たとえば、U.S. Pat. No. 5062935を参照。エレクトロスプレーMSは、Fenn et al., J. Phys. Chem. 88: 4451−4459 (1984); 及びPCT Application No. WO 90/14148が記載しており、最近の適用例は総説に記載されている。Smith et al., Anal. Chem. 62: 882−89 (1990);およびArdrey, Spectroscopy 4: 10−18 (1992) を参照。
MSで測定した標的ポリペプチドの質量は、対応する公知ポリペプチドの質量と比較できる。例えば、標的ポリペプチドが変異タンパク質であれば、対応する公知ポリペプチドは対応する非変異タンパク質、たとえば野生型タンパク質であることができる。ESIを用いれば、フェムトモル量の標本での分子量測定は多数のイオンピークが存在するために非常に正確であって、その全てを質量の計算に使用できる。アトモル以下のレベルのタンパク質が、たとえばESI−MS(Valaskovic et al., Science 273: 1199−1202 (1996))及びMALDI−MS(Li et al., J. Am. Chem. Soc, 118: 1662−1663 (1996) )を用いて検出されている。
マトリックス支援レーザー脱離(MALDI)。生物学的標本、たとえば体液又は組織標本中の標的タンパク質のレベルは、これに限定するものではないが、当技術分野で知られている技術たとえばマトリックス支援レーザー脱離/イオン化、飛行時間型質量分析(MALDI−TOF−MS)及び以下に詳述する表面増強レーザー脱離/イオン化・飛行時間型質量分析(SELDI−TOF−MS)を含む質量スペクトル(MS)法によって測定してもよい。MALDIを行う方法は当業者によく知られている。MALDIとディレイドエクストラクション法の記載については、たとえばJuhasz et al., Analysis, Anal. Chem. 68: 941−946 (1996) 及び、たとえば U.S. Pat. Nos. 5777325; 5742049; 5654545; 5641959; 5654545および5760393を参照。感度を向上する方法も多数知られている。MALDI−TOF−MSはHillenkamp et al., Biological Mass Spectrometry, Burlingame & McCloskey, eds. (Elsevier Science Publ., Amsterdam, 1990) pp. 49−60に記載されている。
質量スペクトルを用いる多様な技術がマーカー検出に使用できる。Bordeaux Mass Spectrometry Conference Report, Hillenkamp, Ed., pp. 354−362 (1988); Bordeaux Mass Spectromety Conference Report, Karas & Hillenkamp, eds., pp. 416−417 (1988); Karas & Hillenkamp, Anal. Chem. 60: 2299−2301 (1988);およびKaras et al., Biomed. Environ. Mass Spectrum 18: 841−843 (1989) を参照。TOF−MSでのレーザー光線の使用は、たとえば本明細書に参考のために全体を引用するU.S. Pat. Nos. 4694167; 4686366, 4295046および5045694に記載されている。その他のMS技術は高分子量バイオポリマーの断片化のない蒸発を可能にして、質量スペクトルによる広範な生物学的巨大分子の分析が可能になった。
表面増強レーザー脱離/イオン化(SELDI)。プローブエレメントが特定の検体の捕捉と結合とに積極的に参画することが可能な表面を持つ、アフィニティー質量分析法(AMS)と呼ばれる新しいMSプローブエレメント組成物を使用する他の技術が使用されている。SELDI特許群U.S. Pat. Nos. 5719060; 5894063; 6020208; 6027942; 6124137;およびU.S. Patent application No. U.S. 2003/0003465を参照。表面増強アフィニティー捕捉(Surfaces Enhanced for Affinity Capture:SEAC)を持つ新しいMSプローブエレメントが数種考案されている。Hutchens & Yip, Rapid Commun. Mass Spectrom. 7: 576−580 (1993) を参照。SEACプローブエレメントは、タンパク質の表面構造及び生物特異的分子認識について知られていることを利用することによって生物高分子の様々な群、特にタンパク質を取出し、繋留(theter)するために成功裡に使用されている。MSプローブエレメント表面上への固定化されたアフィニティー装置、すなわちSEACは、プローブ表面での検体の位置及び親和性(特異性)を決定するので、後続する分析に使うMSの工程が効率的になる。
SELDIの一般的カテゴリーの中には、サブカテゴリーが次の3種ある:
(1)表面増強ニート脱離(Surfaces Enhanced for Neat Desorption:SEND):これはプローブエレメント表面(すなわち標本提示手段)が表面に直接(ニート)に加えられた検体の脱離/イオン化を促進するために「マトリックス」の代わりにエネルギー吸収分子(EAM)を含むように設計されている。
(2)SEAC:これはプローブエレメント表面、すなわち検体をプローブ表面に様々な機構(多くは非共有結合である)によって検体の特異的又は非特異的な付着又は吸着(いわゆる結合又は繋留)のいずれかを促進するために、標本提示手段を化学的に規定され及び/又は生物学的に規定された親和性捕捉装置を含むように設計されている。
(3)表面増強光活性付着・分離(Surfaces Enhanced for Photolabile Attachment and Release:SEPAR):これはプローブエレメント表面、すなわち標本提示手段を共有結合装置として役立つように化学的に規定された架橋分子1個又はそれ以上の型を含むように設計又は修飾される。SEPAR標本提示手段(すなわち、プローブエレメント表面)と検体(たとえば、タンパク質)との間の感光性分子結合点の型及び数を決定する化学的特異性には、検体中にある多数の様々な残基又は化学構造(たとえばタンパク質及びペプチドの場合、His、Lys、Arg、Tyr、Phe及びCys残基)の1個又はそれ以上が関与していてもよい。
生物学的状態のその他の側面。本発明の様々な態様において、生物学的活性状態の側面、又は混合した側面を薬剤及び回路の応答を得るために測定することができる。細胞機能の特徴付けに関連するタンパク質の活性は測定でき、この発明の態様はそのような測定に基づくことができる。活性の測定は、その測定すべき特定の活性に適する機能的、生化学的又は物理的手段のいずれかによって行うことができる。その活性が化学的変換を含む場合には、その細胞のタンパク質を天然の基質に接触させて、変換速度を測定することができる。その活性が、たとえば活性化されたDNA結合とDNAとの複合体の会合など、多量体ユニットの会合を含む場合には、会合したタンパク質の量又は会合の二次的結果、たとえば転写されたmRNAの量などを測定できる。また、たとえば細胞周期制御など機能的活性のみが知られている場合、機能の成果が観察される。しかしながら、公知のものであっても測定されたものであってもタンパク質活性の変化がこの発明の方法によって分析された応答データを形成する。他の態様及び非限定的態様では、応答データは細胞の生物学的状態の混成した側面から形成されていてもよい。応答データは、たとえばあるmRNAの存在量の変化;あるタンパク質の存在量の変化;及びあるタンパク質活性における変化;から構築することができる。
次の実施例は、本発明の好適な態様をさらに詳細に例示するために提供する。この実施例には添付する請求項に規定する本発明の範囲を限定する目的は全くない。
LRRK2遺伝子における一般的な多形とアルツハイマー病(AD)の進行との関連性
この実施例の目的は、LRRK2遺伝子における変異が、対象の軽度な認識機能障害からアルツハイマー病(AD)への進行と関連があるかどうかについて検証することにある。
LRRK2遺伝子の一般的な多形2個:T1602S及びT2352Mについて検証した。LRRK2遺伝子(配列番号1)の連鎖不均衡(LD)ペア分析は、T1602S及びT2352Mが強いLD(D’=0.979)にあることを示した。T1602S変異について、患者集団では対立遺伝子頻度(小さい方の対立遺伝子)は次の通りであった:PD=27%、AD=28%、MCI=29%、ALS=31%。
THR1602SER変異。対象537人でのアルツハイマー病への3〜4年間にわたる進行データ研究を用いて、ADへの進行の恐れに対する一般的なLRRK2多形2種の影響を研究した。Exelon(商標)によるアルツハイマー病診断までの遅延についての研究(InDDex)は、軽度の認識機能障害に罹患した個体におけるExelon(商標)の効果を評価するための4年間と長期にわたるプラセボを対照とする研究であった。この臨床試験では軽度の認識機能障害を患う患者を追跡したが、様々な用量のExelonR(rivastigmine)又はプラセボを投与して、そのアルツハイマー病(AD)への移行を追跡した。Feldman H et al., Neurology 62: 1199−1201 (2004)。この試験では最適なDNA採集用具を用いた。
InDDex(MCI)試験では多形T1602SのTT遺伝子型(又はThr/Thr)が明らかにアルツハイマー病への高速度な進行に関連することを見出した(表1)。
Figure 2009541336
APOE−E4対立遺伝子と同様にしてBuChE−K異型もその存在下、LRRK2多形T1602Sは、軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への移行速度について大きな関与を示した。
この知見を検証するために、さらにIDEAL研究に登録したプラセボ処置AD患者178人についてこの一般的なLRRK2多形と認識能力との間の相関を6ヶ月間検討した。IDEAL(AD)研究では、LRRK2多形T1602SはMCI研究で観察した関連性と同じ傾向を示した。T1602SのTT遺伝子型を持つアルツハイマー病患者、特にBuChE−K異型があると6ヶ月間に認識能力のより急速な低下傾向を示した。
THR2352MET変異。これに加えてInDDeX研究ではT2352のCC遺伝子型(又はThr/Thr)が軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への明らかに急速な移行に関与する傾向を示した(表2)。
Figure 2009541336
これらの知見を検証するために、さらにIDEAL試験に登録したプラセボ処置AD患者178人について一般的なLRRK2多形2種(前記参照)と6ヶ月間の認識能力との間の相関を試験した。IDEAL(AD)試験では、LRRK2多形T1602S及びT2352は双方ともMCI研究で観察した関連性と同じ傾向を示した。LRRK2−T2352のCC遺伝子型を持つアルツハイマー病患者は、特にBuChE−K異型の存在下では、認識能力が6ヶ月間に急速に低下する傾向を示した。
このように、LRRK2遺伝子における一般的な多形が軽度の認識機能障害を持つ対象のアルツハイマー病への進行速度に影響を与え、LRRK2がアルツハイマー病の病因に影響を与えることを示唆する。
LRRK2遺伝子変異の分析
GLY2019SER変異。配列再検で確認した結果のある患者のスクリーニングで次の結果を得た:パーキンソン病(PD):患者483人中6人がG2019S変異を持っていた(1.24%)。認知症を伴うパーキンソン病(PDD):患者391人中1人がG2019S変異を持っていた(0.26%)。アルツハイマー病(AD):患者373人中0人がG2019S変異を持っていた。軽度の認識機能障害:患者448人中0人がG2019S変異を持っていた。筋萎縮性側索硬化症(ALS):患者483人中0人がG2019S変異を持っていた。
G2019S変異のある対象6人中4人だけに臨床データがあった。4人は全て男性白人である。進行は比較的急速で(変異型vs野生型、26週間)次の結果を示した:UPDRSII:1vs0.27。UPDRSIII:4vs0.15。
われわれは、孤発性遅発症例の約1.24%にこの変異があり、これは文献報告の頻度と類似していると結論した。PDD症例の僅か約0.26%にのみG2019S変異がある。この変異はAD、MCI及びALSでは共通ではない。この変異は運動機能の急速な低下と関連しているかもしれない。
均等
本発明の態様1種又はそれ以上の詳細を前記した。本発明の実施と試験に当り、本明細書に記載したものと類似又は均等な方法及び材料を使用できるが、好適な方法及び材料をここに明記した。本発明のその他の特徴、目的及び利点は本記載及び特許請求の範囲から明白である。明細書と特許請求の範囲において、文脈から明白である場合を除き単数形は複数形も含む。別段の記載がない限り、本明細書に使用する技術的及び科学的用語は全て、この発明が属する技術分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を持つ。本明細書に引用する参考文献は全て参考のためにその全体を全ての目的について同程度に、各出版物、特許又は特許出願を具体的に且つ個々に参考のためにその全体を全ての目的について組入れるものであるとして本明細書に引用する。
本発明は、本発明の個々の側面の例示の一つであるこの明細書に記載した特定の態様によっては限定されない。この発明の修飾及び変化多数を当業者には明白になるようにその精神と範囲から逸脱せずに行うことができる。本明細書に記載するものに加えて本発明範囲内の機能的に均等な方法及び装置は熟練した当業者にとっては、前記記載から明白になる。このような修飾及び変化は添付する特許請求の範囲内にあるものとすることが意図されている。本発明は特許請求の範囲とこの特許請求の範囲に与えられる均等範囲によってのみ限定されるべきである。

Claims (11)

  1. 選択された患者集団のアルツハイマー病を処置するための薬剤製造におけるLRRK2調節剤の使用であって、ここに患者集団は軽度の認識機能障害(MCI)からアルツハイマー病への進行の指標であるロイシン豊富リピートキナーゼ2(LRRK2)遺伝子における多形に基づいて選択される使用。
  2. LRRK2調節剤がヘテロ環化合物である、請求項1に記載の使用。
  3. アルツハイマー病の処置が患者の軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への進行を遅延させる、請求項1に記載の使用。
  4. アルツハイマー病の処置が患者の中程度のアルツハイマー病から重度のアルツハイマー病への進行を遅延させる、請求項1に記載の使用。
  5. LRRK2遺伝子における多形がT1602S及びT2352から構成される群から選択される、請求項1に記載の使用。
  6. 患者のT1602S遺伝子座がTT(Thr/Thr)遺伝子型を持つ、請求項5に記載の使用。
  7. 患者のT2352遺伝子座がCC(Thr/Thr)遺伝子型を持つ、請求項5に記載の使用。
  8. 次の各段階:
    (a)対象から組織標本を取得する段階;
    (b)対象の標本を軽度の認識機能障害(MCI)からアルツハイマー病への進行の指標である遺伝子多形の存在について検定する段階;
    を含む、対象におけるアルツハイマー病の進行を予知する方法であって、
    但し、ここに、軽度の認識機能障害からアルツハイマー病に進行する指標である遺伝子多形の対象における存在は、対象が軽度の認識機能障害からアルツハイマー病に進行する危険性が高いことを予知するものである方法。
  9. 組織標本が血液標本である、請求項8に記載の方法。
  10. 遺伝子多形がT1602S及びT2352から構成される群から選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 追加的に次の段階:
    (c)もしも対象が軽度の認識機能障害からアルツハイマー病に進行する指標である遺伝子多形を持つと予知されたらば、その対象にLRRK2調節剤を投与して、軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への進行又は中程度のアルツハイマー病から重度のアルツハイマー病への進行を遅延させること;
    を含む、請求項8に記載の方法。
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