JP4841904B2 - 眼球観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、白内障,飛蚊症或いは硝子体混濁等による眼球内の濁りの有無や状態について、観察者が自己の眼球内を観察するための眼球観察器である。
白内障は、眼球内の水晶体に白い濁りが生じる病気であり、人体の老化現象に伴って生じることが多い。白内障の発症によって眼球の水晶体濁りが生じた場合には、発症者の視力が低下し、日常生活に支障が生ずるものとなる。この白内障が発症した場合は、濁った水晶体を回復させる薬は存在しない為、手術により、白内障が生じて濁った水晶体を取り除き、プラスチック製の眼内レンズを入れることにより、ほぼ正常な視力を回復することが可能である。しかし、白内障により水晶体が濁ることの進行を遅らせることができる薬は存在しており、早期に白内障の発症を知ることができればこの薬の服用により手術をする必要性がなくなることが多いため、白内障の発症を容易に知ることが可能な手段が望まれている。従来は、このような白内障の発症等を知るために、眼球内を観察する機器として、細隙燈という機器が用いられていたが、この細隙燈は眼科医等の他人が眼球内を観察する機器であることから、白内障の疑いがある者が自身で気軽に観察することができない。このため、自身が観察者となって自己の眼球を観察し、容易に自分自身の眼球内の水晶体の状態を知るために、ピンホールを介して光源を観察することにより、水晶体内の濁りの有無を容易に観察することができる機器が用いられている(特許文献1参照)。なお、上述の白内障は、眼球内の水晶体内に濁りが生じるものであるが、他の眼球内に濁りが生じる病気としては、飛蚊症や硝子体混濁等もある。
実公平5−45283号公報
しかしながら、上記の特許文献1に見られるような従来の機器では、眼球内の濁りがある場合に、ピンホールから入る光によりできた濁りの影が眼底の網膜上に投影されることによってこの影を濁りとして網膜が認識して観察する構成であることから、眼球内の濁りの有無は判るものの、この濁りの詳細な形状を知ることができない。また、ピンホールと網膜とを結ぶ直線上に濁りが位置すること、すなわち、眼球内に濁りが位置していることは判るものの、その濁りが眼球内の何処に生じたのか(例えば、水晶体内に生じたのか、或いは、硝子体内に生じたのか)については、知ることができない。
そこで、本発明は、上述した従来の眼球観察器が有する課題を解決するために提案されたものであって、眼球内の何処に濁りが生じたかを知ることができるとともに、その濁りをより鮮明に観察することができる新規な眼球観察器を提供することを目的とするものである。
本発明は、上述した課題を達成するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、管体と、この管体の一端を閉塞する円板と、この円板の中心に形成されてなり、外部からの光線を上記管体内に入射させるピンホールと、上記管体の他端又は他端側中途部に位置されてなり、上記ピンホールから管体内に入射した光線が通過するとともに、観察者の眼底から反射した光線を結像させる凸レンズと、を備えてなるとともに、上記凸レンズは、上記ピンホールに対して近接又は離間可能とされてなり、観察者が、凸レンズと観察者の眼球との距離を適宜変えることにより、実像が結像する結像点を変え、眼球の角膜,眼房水,水晶体及び硝子体の何れかの断面について任意に観察する箇所を変えることができ、また、上記凸レンズをピンホールに対して近接又は離間させることにより、該凸レンズと発光体との距離が、眼球を観察するのに適した距離となるように調節することができることを特徴とするものである。
なお、この第1の発明の眼球観察器は、管体を備えるものであるが、この管体は、ピンホールから入射する光が、内部で均等に一端から他端へと到達し、凸レンズに入射するべきであることから、特に断面形状が円形とされた円筒体であることが望ましいが、断面形状が四角形状とされた角管であっても良い。また、この眼球観察器を使用する環境等の条件に応じ、ピンホール,管体及び凸レンズを介して観察者の眼球内で反射するのに十分な量の光を管体内に入れられるように、上記のピンホールの径を適宜変更することができるものとされても良い。すなわち、ピンホールの径の大きさと、観察者が観察することができる眼球内の濁りの鮮明さとは、互いに反比例の関係にあることから、この眼球観察器により自己の眼球を観察する観察者が、自己が観察するのに適当と思われる状態に調節可能とするために、上記ピンホールの径を変更可能としても良い。このピンホールの径を変更する手段としてはどのような手段であっても良く、カメラの絞りのようにピンホールが形成された円板の作動によってピンホールの径が変更される機構を備えるものであっても良く、或いは、予めそれぞれ異なる径のピンホールが形成されて管体に着脱可能とされた円板を複数用意し、これらの円板から適宜必要な円板を選択して管体に取り付けられるものとしても良い。また、ピンホールの直前には、該ピンホールから管体内に入射する光線を、観察者が自己の眼球を観察するのに適切な強度に弱めるために、透光性の素材からなるフィルターを取付可能とされても良い。また、凸レンズは、管体に対して、ピンホールが形成された円板が取り付けられた一端とは反対側の他端の側に位置するものであれば良く、この凸レンズの位置は必ずしも端部である必要は無く、管体内に取り付けられたものとしても良い。また、この眼球観察器とその備える管体や凸レンズ等の大きさは、ピンホール,凸レンズ及び観察者の眼球を介して光線が適宜入射し、観察者の眼底から反射した光線が結像されるように構成されてなるものであれば、適宜任意の大きさとされてよい。なお、これら管体及び円板は、外部からの光線を内部に透過させることがないものであれば、金属,プラスチック,厚紙或いは段ボール等のように、どのような素材からなるものであっても良い。また、後述するように、この第1の発明の眼球観察器を用いる際には、観察者が管体の位置及び方向を手で保持した上で凸レンズより該管体内を観察するものであるが、該管体を他の部材により位置及び方向を固定し、観察者は該管体の保持に自己の手を用いる必要が無いものとしてもよい。すなわち、床上又は卓上に安定して配置された台座に管体を保持させ、観察者は該管体の位置及び方向の微調整にのみ自己の手を用いるものとし、観察者が該管体から手を離した場合には、観察者が微調整した状態を継続しつづけるものとしても良い。また、この第1の発明の眼球観察器において凸レンズを上記ピンホール又は発光体に対して近接又は離間可能とする構成としては、管体を全長が不変とした上で凸レンズを移動可能としても良く、或いは、管体を伸縮して全長が変わるものとするとともに該管体の他端に凸レンズが固定され、該管体の全長が変わることにより、該凸レンズを移動可能としても良い。特に、管体を伸縮して全長が代わるものとする構成の一例としては、該管体を、ピンホールが形成されてなる円板又は発光体が配置されてなる第一の管体と、端部に凸レンズを固定してなる第二の管体と、の二つから構成されてなるものとし、これらの何れか一方が他方の内部に挿入されて互いに摺動可能とされてなるものとしても良い。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記管体の外部であって前記ピンホールの近傍には、該ピンホール,管体の内部及び前記凸レンズを介して観察者の眼球に入射する光線を発する発光体が固定されてなることを特徴とするものである。
なお、この第2の発明の眼球観察器は、管体の一端側の外部に発光体を固定されてなるものであるが、この発光体は、ピンホール,管体及び凸レンズを介した上で観察者の眼球内で反射するのに十分な量の光を発するものであれば、どのようにして発光するものであっても良く、例えば電球やLED等を用いることができる。特に、電球やLEDを用いる場合には、電源を操作可能として、観察者が観察しやすい光量を発するように電圧の印加量を調整可能なものとしてもよい。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、管体と、この管体の一端側内部又は一端側外部に配置されてなる発光体と、上記管体の他端又は他端側中途部に位置されてなり、上記発光体から入射した管体内に光線が通過するとともに、観察者の眼底から反射した光を結像させる凸レンズと、を備えてなるとともに、上記凸レンズは、上記発光体に対して近接又は離間可能とされてなり、観察者が、凸レンズと観察者の眼球との距離を適宜変えることにより、実像が結像する結像点を変え、眼球の角膜,眼房水,水晶体及び硝子体の何れかの断面について任意に観察する箇所を変えることができ、また、上記凸レンズを発光体に対して近接又は離間させることにより、該凸レンズと発光体との距離が、眼球を観察するのに適した距離となるように調節することができることを特徴とするものである。
なお、この第3の発明の眼球観察器も、上記第1の発明の眼球観察器と同様に、管体を備えるものであるが、この管体は、一端から入射する光が、内部で均等に一端から他端へと到達し、凸レンズに入射するべきであることから、特に断面形状が円形とされた円筒体であることが望ましいが、断面形状が四角形状とされた角管であっても良い。また、管体の一端であって発光体よりも他端側中途に位置する箇所には、管体内に入射する光線を、観察者が自己の眼球を観察するのに適切な強度に弱めるために、透光性の素材からなるフィルターを取付可能とされても良い。また、凸レンズは、管体の発光体が配置されてなる一端とは反対側の他端の側に取り付けられてなるものであれば良く、この凸レンズの位置は必ずしも端部である必要は無く、管体内に取り付けられたものとしても良い。また、この眼球観察器とその備える管体や凸レンズ等の大きさは、発光体,凸レンズ及び観察者の眼球を介して光線が適宜入射し、観察者の眼底から反射した光線が結像されるように構成されてなるものであれば、適宜任意の大きさとされてよい。なお、これら管体及び円板は、外部からの光線を内部に透過させることがないものであれば、金属,プラスチック,厚紙或いは段ボール等のように、どのような素材からなるものであっても良い。また、後述するように、この第3の発明の眼球観察器を用いる際には、観察者が管体の位置及び方向を手で保持した上で凸レンズより該管体内を観察するものであるが、該管体を他の部材により位置及び方向を固定し、観察者は該管体の保持に自己の手を用いる必要が無いものとしてもよい。すなわち、床上又は卓上に安定して配置された台座に管体を保持させ、観察者は該管体の位置及び方向の微調整にのみ自己の手を用いるものとし、観察者が該管体から手を離した場合には、観察者が微調整した状態を継続しつづけるものとしても良い。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1,第2又は第3の発明において、前記管体の他端近傍には、該管体に対して摺動可能とされてなる接眼筒が取り付けられてなることを特徴とするものである。
なお、この第4の発明の眼球観察器に取り付けられる接眼筒は、管体の他端近傍に取り付けられるものであって、観察者が凸レンズを介してピンホール又は発光体を見る際に、該観察者はこの接眼筒を該観察者の眼球近傍が接するようにする。この接眼筒は、凸レンズと観察者の眼球との距離を適切に規定するものであるが、管体又は接眼筒に目盛りを記し、該目盛りを基準とすることにより、凸レンズと観察者の眼球との距離をより精密に規定するものとしても良い。また、この接眼筒を管体に対して摺動する際には、これら接眼筒及び管体それぞれにネジ溝を形成することにより、いずれか一方を捩じることにより互いに摺動する構成としても良い。
また、第の発明(請求項5記載の発明)は、上記第1,第2,第3又は第4の発明において、前記管体の内部であって該管体の一端の近傍には、前記ピンホール又は発光体から該管体の内部に入射する光線を前記凸レンズへ集光する他の凸レンズが位置されてなることを特徴とするものである。
なお、この第の発明の眼球観察器を構成する他の凸レンズは、上記ピンホール又は発光体と凸レンズが作る直線上に位置するものであって、ピンホール又は発光体から管体の内部に入射する光線を凸レンズへ集光するものである。
また、第の発明(請求項記載の発明)は、上記第1,第2,第3,第4又は第5の発明において、前記管体の一端の近傍には、前記ピンホール又は発光体から該管体の内部へ入射する光線を均一化するフィルターが固定されてなることを特徴とするものである。
なお、この第の発明の眼球観察器を構成するフィルターとしては、高い透明度を有して一定の率で光線を一方の面から他方の面へ透過するとともに、この一方の面より入射する光線を他方の面から均一化した上で透過する性質を有する物体を用いることが考えられ、すりガラスや乳白板等が用いられる。
上記第1の発明(請求項1記載の発明)では、観察者がこの眼球観察器を用いて、外部からピンホールを介して管体内に入射する光線を凸レンズにより観察することによって、該観察者は自己の眼球内にできた濁りを観察することができる。すなわち、観察者が、この第1の発明に係る眼球観察器を、ピンホールを適切に発光体に指向させて保持することにより、ピンホールが形成された円板が位置する管体の一端側から入射した光線は、該管体の他端側に位置する凸レンズを透過して、さらに、観察者の眼球内に入射する。この眼球内に入射する光線は、観察者の眼球を構成する角膜,眼房水,水晶体及び硝子体を透過し、該眼球の最も奥に位置して網膜が形成されてなる眼底において反射し、この反射した光線は、さらに、該観察者の眼球の硝子体,水晶体,眼房水及び角膜を透過し、該眼球の前端より飛び出し、上記凸レンズを透過し、再度上記管体内に入射する。すなわち、ピンホールから入射した光線は、この眼球観察器を用いる観察者の眼球内に、該眼球を構成する虹彩程度に広がりつつ入射し、この入射した光線は、上記の通り、眼球の眼底において反射し、再度硝子体,水晶体,眼房水及び角膜を透過するとともに凸レンズを透過することにより、該管体内において、該硝子体,水晶体,眼房水又は角膜の何れかのものについての任意の箇所についての実像を結像する。したがって、観察者は、この凸レンズにより作られた実像を観察することにより、自己の眼球を構成する硝子体,水晶体,眼房水又は角膜の何れかに付いての任意の箇所の状態を観察することができ、特にこれら硝子体,水晶体,眼房水又は角膜に濁りが有る場合には、この濁りの状態を観察することができる。また、凸レンズと観察者の眼球との間の距離に応じて、上記の実像が結像する結像点が変わることから、観察者が、凸レンズと観察者の眼球との距離を適宜変えることにより、観察者は、眼球の角膜,眼房水,水晶体及び硝子体の何れかの断面について任意に観察する箇所を変えることができる。すなわち、上記の従来の眼球観察器によれば、眼球内の濁りが陰となって見えるのに対し、この第1の発明によれば、眼球内の濁りについて、任意の箇所についての断面について、より鮮明に形状を観察することも可能である。すなわち、上記の従来の眼球観察器により観察した場合には、眼球内の濁りが陰となって見えることから、眼球内に濁りがあることは判るものの、その濁りが眼球内のどの箇所にあるかは不明であったが、この第1の発明によれば、眼球内の濁りが眼球内のどの箇所にあるかについても特定することができる。なお、この第1の発明の眼球観察器について、観察者が自己の眼球を観察する際に、自己の手によりピンホールを適切に発光体に指向させて保持するものとして述べたが、観察者の手による事無く他の部材により保持をするものとした場合には、より安定した状態で自己の眼球を観察することができる。すなわち、人間が物体を正確に静止した状態で保持することは非常に難しく、凸レンズと観察者の眼球との位置関係にはずれが生じやすいが、眼球観察器を他の部材により保持するものとした場合には、少なくとも観察者自身の手の微小な震えにより観察が妨げられることは防ぐことができる。
上記第2の発明(請求項2記載の発明)では、上記第1の発明の眼球観察器に比べ、より安定した状態で確実に自己の眼球の観察をすることができる。すなわち、上述の通り、上記第1の発明の眼球観察器を用いる場合には、該眼球観察器のピンホールを適切に発光体に指向させる必要があるが、この第2の発明によれば、管体の外部であってピンホールの近傍には、該ピンホール,管体の内部及び前記凸レンズを介して観察者の眼球に入射する光線を発する発光体が固定されてなることから、観察者はこの眼球観察器を発光体に指向する事無く、自己の眼球を観察することができ、また、この眼球観察器の管体内に入射する光線の強さが一定で安定したものとなることから、観察により見ることができる眼球内の濁りについて、同一の条件下で観察したものとすることができ、安定した観察結果を得ることができる。
上記第3の発明(請求項3記載の発明)では、観察者がこの眼球観察器を用いて、発光体から発せられて管体内に入射する光線を凸レンズにより観察することによって、該観察者は自己の眼球内にできた濁りを観察することができる。すなわち、観察者が、この第3の発明に係る眼球観察器を適切に保持することにより、発光体が位置する管体の一端側から入射した光線は、該管体の他端側に位置する凸レンズを透過して、さらに、観察者の眼球内に入射する。この眼球内に入射する光線は、観察者の眼球を構成する角膜,眼房水,水晶体及び硝子体を透過し、該眼球の最も奥に位置して網膜が形成されてなる眼底において反射し、この反射した光線は、さらに、該観察者の眼球の硝子体,水晶体,眼房水及び角膜を透過し、該眼球の前端より飛び出し、上記凸レンズを透過し、再度上記管体内に入射する。すなわち、発光体から入射した光線は、この眼球観察器を用いる観察者の眼球内に、該眼球を構成する虹彩程度に広がりつつ入射し、この入射した光線は、上記の通り、眼球の眼底において反射し、再度硝子体,水晶体,眼房水及び角膜を透過するとともに凸レンズを透過することにより、該管体内において、該硝子体,水晶体,眼房水又は角膜の何れかのものについての任意の箇所についての実像を結像する。したがって、観察者は、この凸レンズにより作られた実像を観察することにより、自己の眼球の内部である硝子体,水晶体,眼房水又は角膜の何れかに付いての任意の箇所の状態を観察することができ、特にこれら硝子体,水晶体,眼房水又は角膜に濁りが有る場合には、この濁りの状態を観察することができる。また、凸レンズと観察者の眼球との間の距離に応じて、上記の実像が結像する結像点が変わることから、観察者が、凸レンズと観察者の眼球との距離を適宜変えることにより、観察者は、眼球の角膜,眼房水,水晶体及び硝子体の何れかの断面について任意に観察する箇所を変えることができる。すなわち、上記の従来の眼球観察器によれば、眼球内の濁りが陰となって見えるのに対し、この第3の発明によれば、眼球内の濁りについて、任意の箇所についての断面について、より鮮明に形状を観察することも可能である。すなわち、上記の従来の眼球観察器により観察した場合には、眼球内の濁りが陰となって見えることから、眼球内に濁りがあることは判るものの、その濁りが眼球内のどの箇所にあるかは不明であったが、この第3の発明によれば、眼球内の濁りが眼球内のどの箇所にあるかについても特定することができる。なお、この第3の発明の眼球観察器について、観察者が自己の眼球を観察する際に、自己の手によりピンホールを適切に発光体に指向させて保持するものとして述べたが、観察者の手による事無く他の部材により保持をするものとした場合には、より安定した状態で自己の眼球を観察することができる。すなわち、人間が物体を正確に静止した状態で保持することは非常に難しく、凸レンズと観察者の眼球との位置関係にはずれが生じやすいが、眼球観察器を他の部材により保持するものとした場合には、少なくとも観察者自身の手の微小な震えにより観察が妨げられることは防ぐことができる。
上記第4の発明(請求項4記載の発明)では、管体の他端近傍に、観察者が眼球の付近を接する接眼筒が取り付けられており、この接眼筒は、該管体の他端近傍で、該管体に対して摺動可能とされてなる。このため、観察者がこの眼球観察器により自己の眼球を観察する際に、該眼球観察器を支持するのは該観察者の両手のみならず、該観察者が該眼球観察器を自身の眼球付近に押さえるようにしつつ支持することにより、該観察者はより安定した状態を維持しつつ自己の眼球を観察することができる。また、接眼筒が取り付けられた眼球観察器により眼球を観察する場合には、該接眼筒を該眼球観察器に対して相対的に一定箇所に維持することにより、該眼球観察器を構成する凸レンズと、該観察者の眼球との距離を、一定に保つことが容易にでき、特に、眼球観察器及び接眼筒それぞれに目盛りを形成した場合には、該眼球観察器を構成する凸レンズと、該観察者の眼球との距離を容易に計測することができ、観察者の眼球のどの箇所を観察中であるか(角膜,眼房水,水晶体或いは硝子体の何れを観察中であるか)を知ることの助けとなる。
上記第の発明(請求項記載の発明)では、眼球観察器に上記凸レンズへ集光する他の凸レンズが位置されてなるものであることから、上記ピンホール又は発光体から発する光が弱い場合であっても、観察者が自己の眼球を観察するために必要な光を得ることができる。
上記第の発明(請求項記載の発明)では、前記管体の一端の近傍には、前記ピンホール又は発光体から該管体の内部へ入射する光線を均一化するフィルターが固定されてなることから、上記ピンホール又は発光体から発する光が強い場合であっても、観察者が自己の眼球を観察するために適当なように光を弱めることができるとともに、偏光のように、この光に偏りがある場合にも、観察者は視界全体に均等に光に均一化した状態で観察することができる。
以下、本発明に係る眼球観察器の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この眼球観察器1は、図1及び図2に示すように、円筒体2,円板3,円環板4及び凸レンズ5とを備えてなるものである。この円筒体2は、厚紙を丸めて筒状に整形したものであって、全長は約30センチメートル,直径は約4センチメートルの大きさとされている。なお、この円筒体2は、本発明を構成する管体である。また、円板3は、厚紙により作られたものであって、直径は約4センチメートルとなされ、周縁が上記円筒体2の内面に接着され、該円筒体2の一端を閉塞している。このため、該円筒体2の一端側からは、該円板3の中心に形成された後述するピンホール6から入射する光線以外の外部の光の入射を完全に遮蔽している。また、円環板4は、厚紙により環状に作られたものであって、上記円板3と同様に外径が約4センチメートルで、また、内径は約1センチメートルの大きさとされている。この円環板4は、外周縁は上記円筒体2の内面に接着されており、該円筒体2の他端を閉塞するものとされ、該円筒体2の他端側からは、該円環板4に形成されて上記凸レンズ5が固定される開口(符号は省略する。)から入射する光線以外の外部の光の入射を完全に遮蔽するものとなっている。また、凸レンズ5は、ガラス製のものであって、直径が約1センチメートルとされている。この凸レンズ5は、上記円環板4に形成された開口(符号は省略する。)内に完全に嵌められて固定されている。なお、この凸レンズ5の焦点距離は約2センチメートルとされている。また、上記円板3の中心には、直径約0.5ミリメートルの開口であるピンホール6が形成されている。なお、この眼球観察器1の断面図を図3に示すが、これら図1及び図3においては、ピンホール6は、眼球観察器1全体に対する比率よりもやや大きめに図示している。
本発明に係る眼球観察器1は、上記のような構成からなるものであるが、次に、観察者がこの眼球観察器1により自己の眼球を観察する方法について説明する。先ず、観察者はこの眼球観察器1を、上記円筒体2の一端側を、近くに位置する図示しない電球等の発光体に指向させて保持するとともに、図3に示すように、該円筒体2の他端側の凸レンズ5近傍に自己の眼球Eを位置させる。そして、上記凸レンズ5を介して、ピンホール6から円筒体2内に入射する光線を観察する。このように、観察者が、眼球観察器1を、ピンホール6を適切に発光体に指向させて保持することにより、ピンホール6から入射した光線は、上記凸レンズ5を透過した上で、観察者の眼球E内に入射する。この眼球E内に入射する光線は、観察者の眼球を構成する角膜,眼房水,水晶体及び硝子体を透過し、該眼球Eの最も奥に位置して網膜が形成されてなる眼底において反射し、この反射した光線は、さらに、該観察者の眼球Eの硝子体,水晶体,眼房水及び角膜を透過し、該眼球Eの前端より飛び出し、上記凸レンズ5を透過し、再度該円筒体2内に入射する。すなわち、ピンホール6から入射した光線は、上記眼球Eの眼底において反射し、再度硝子体,水晶体,眼房水及び角膜を透過するとともに凸レンズ5を透過することにより、上記円筒体2内において、該硝子体,水晶体,眼房水又は角膜の何れかの部分ついての実像を結像する。したがって、観察者は、この凸レンズ5により作られた実像を観察することにより、自己の眼球Eの内部である硝子体,水晶体,眼房水又は角膜の状態を観察することができ、特にこれら硝子体,水晶体,眼房水又は角膜に濁りが有る場合には、この濁りの状態に付いて知ることができる。また、上記凸レンズ5と観察者の眼球Eとの距離に応じて上記の実像が結像する結像点が変わることから、観察者が凸レンズ5と観察者の眼球との距離を適宜変えることにより、観察者は眼球Eの角膜,眼房水,水晶体及び硝子体の何れかの断面について任意に観察する箇所を変えることができる。
すなわち、観察者が自己の眼球Eを上記凸レンズ5に近接した状態とした場合には、観察者は自己の眼球Eの後方側、すなわち、眼球Eを構成する角膜,眼房水,水晶体或いは硝子体において、該凸レンズ5に近い眼底(網膜)側での濁りの状態を観察することができる。また、逆に、観察者が、上記凸レンズ5から徐々に眼球Eを離した場合には、観察者は該凸レンズ5と眼球Eとの距離に応じて、徐々に自己の眼球Eの前方側、すなわち、眼球Eを構成する角膜,眼房水,水晶体或いは硝子体において、該凸レンズ5から近い角膜側での濁りの状態を観察することができる。つまり、図3にあるように、眼球Eと上記凸レンズ5とが近接した状態(眼球Eと上記凸レンズ5とが近接した距離Lである状態)であれば、眼球の断面について詳細に示す図4のα線の断面に位置する眼底(網膜)Eに近い硝子体Eでの濁りを観察することができ、観察者が、図3に示す状態から図5に示す状態のように、眼球Eを該凸レンズ5から離された状態になるにつれて(眼球Eと上記凸レンズ5とが上記距離Lより徐々に大きくされて距離L´となるにつれて)、順にβ線の断面に位置する眼底(網膜)Eから離れた硝子体E,γ線の断面に位置する水晶体E,δ線の断面に位置する眼房水E,或いはε線の断面に位置する角膜Eでの濁りの状態を観察することができる。なお、一般的な成人の眼球の平均直径は、23ミリメートルから24ミリメートルであるとされ、この眼球観察器1で用いる凸レンズ5の焦点距離は20ミリメートルとしており、観察者は眼球Eの網膜において該凸レンズ5により作られた像を見ることから、観察者は焦点距離よりも外から該像を観察することとなり、この眼球観察器1により自己の眼球Eを観察する観察者は、常に凸レンズ5により作られた実像を観察することとなり、このため、眼球E内に生じた濁りを鮮明に観察することができる。また、観察者が観察した濁りが、自己の眼球内の何処に位置するものであるかについて知りたい場合には、上述の眼球の平均直径,上述の凸レンズ5の焦点距離及び該観察者の眼球Eと凸レンズ5との距離等を数値に基づいて計算することにより、いま見ている像が、眼球Eの先端から眼底側へ何センチメートルの位置の断面の像である、というように知ることができる。なお、この眼球観察器1により自己の眼球を観察する場合に、眼球内に濁りが無い観察者、又は、他の箇所には濁りがあるものの濁りが無い箇所を観察中の観察者には、図6の(A)に示すように視界内に何ら濁りを観察することができないが、眼球内に濁りが有ってその濁りが生じている箇所を観察中の観察者には、図6の(B)に示すように視界内に濁りMを観察することができる。また、詳細については省略するが、観察者が上記凸レンズ5により自己の眼球Eを観察する際に、適切にピンホール6を発光体に指向したにもかかわらず、光が暗くて十分に眼球Eを観察することができない場合には、より明るい発光体を用いる以外にも、それぞれ異なる径のピンホール6が形成された複数の円板3を用意して眼球観察器1の円板3を着脱可能とするとともに、任意の円板3を取り付け可能なものとしても良い。すなわち、径が大きいピンホールが形成された円板3を取り付けた場合には、観察者は明るい状態(但し、鮮明さにおいては劣る状態)で濁りを観察することが可能となり、逆に、径が小さいピンホールが形成された円板3を取り付けた場合には、観察者は暗い状態(但し、鮮明さにおいては優れた状態)で濁りを観察することが可能となる。
本発明に係る眼球観察器1の最良の実施の形態について上記の通り説明したが、この眼球観察器としては、他の形態に係るものとしても良い。すなわち、図7に示す眼球観察器11のように、円筒体12,円板13,接眼筒14,電球15及び図示しない円環板と凸レンズとを備えてなるものである。この眼球観察器11を構成する円筒体12,円板13,図示しない円環板と凸レンズ及び該円板13に形成されたピンホール16は、上記の眼球観察器11を構成する円筒体2,円板3,円環板4,凸レンズ5及びピンホール6と同じ構成からなるものであり、一端に円板が位置する円筒体12の他端には、円環板及び凸レンズが上記眼球観察器1と同様に位置するものであることから、説明は省略する。また、接眼筒14は、上記円筒体12の外径より僅かに大きい内径を有する円筒体であって、全長は約10センチメートル程度である。この接眼筒14は、上記円筒体2と同様に厚紙により作られたものであり、中の開口内には上記円筒体12の他端側が挿入されている。また、電球15は、上記円筒体12の一端側に取付片15aを介して固定されており、特に該電球15は上記ピンホール16の近傍に位置するものとされている。なお、上記電球15の電源コード15bは、図示を省略した電源及びスイッチに接続されており、この眼球観察器11を使用する観察者は、該スイッチを操作することにより、該電球15の点灯及び消灯をすることができる。
本発明に係る眼球観察器11は、上記のような構成からなるものであるが、観察者は、この眼球観察器11を上記眼球観察器1とほぼ同様な方法により自己の眼球を観察することができるが、特にこの眼球観察器11では、該眼球観察器1とは異なり、ピンホール16を発光体に指向する必要が無い。すなわち、観察者はこの眼球観察器11により自己の眼球を観察する場合には、上記電球15を発光させるためにスイッチを入れ、その後に凸レンズを介して、該電球15から発してピンホール16から円筒体内12内に入射する光線を観察する。この場合にも、観察者の眼球E内には上記電球15から発した光線が入射し、上記眼球観察器1の場合と同様に、該観察者は自己の眼球を観察することができる。なお、上記眼球観察器1は、観察者が円筒体2を両手のみで支持しつつ自己の眼球を観察しながら凸レンズ5と自己の眼球Eとの距離を適切にする必要があるが、該凸レンズ5と自己の眼球Eとの距離を適切なものとしつつ一定に保持することは難しく、該距離も大まかなものとなるのに対し、この眼球観察器11では、図示しない凸レンズと自己の眼球Eとの距離を適切なものとしつつ保持することが容易であり、該距離もより正確なものとすることができる。すなわち、円筒体12は接眼筒14内に挿入されてなり該円筒体12と接眼筒14とは互いに摺動可能であり、円筒体12の他端から接眼筒14の端部が突出した長さは任意に定めることができる。このため、この円筒体12の他端から接眼筒14の端部が突出した長さを適切なものとした後に、観察者は、円筒体14の端部を自己の眼球Eの上から僅かに押圧しつつ、両手で円筒体12を支持することにより、単に両手で円筒体を支持した場合に比べ、より安定した状態で自己の眼球Eを観察することができる。なお、観察者が自己の眼球Eをより適切な明るさにより観察することができるように、上記電球15の明るさを適宜変更可能とするボリュームスイッチを取り付けても良い。また、詳細な説明は省略するが、凸レンズと接眼筒14の他端との距離を正確かつ容易に測るために、円筒体12及び/又は接眼筒14に定規のように目盛りを形成しても良い。さらに、このように目盛りを形成した場合には、該目盛りに対応して、上記0028において述べた観察者がいま観察している箇所が自己の眼球内のどの部分であるかについて記載を付するものとしても良い。また、円筒体12及び接眼筒14それぞれに互いに対応するネジ溝を形成し、これらが係合することにより円筒体12に対して接眼筒14が前進又は後進するものとしても良い。
さらに、本発明に係る眼球観察器としては、上記の眼球観察器1,11以外の他の形態に係るものとしても良い。すなわち、図8及び図9に示す眼球観察器21のように、円筒体22,内筒23,円環板24,凸レンズ25及び電球26とを備えてなるものである。この眼球観察器21を構成する円筒体22は、上記の眼球観察器1を構成する円筒体2と同じ構成からなるものであることから、説明は省略する。また、内筒23は、上記円筒体12の外形より僅かに小さい内径を有する円筒体であって、全長は約10センチメートル程度である。この接眼筒14は、上記円筒体2と同様に厚紙により作られたものであり、上記円筒体12の他端側の開口内に挿入されている。また、円環板24は、上記円環板4と同様なものであって、厚紙により環状に作られたものであって、外径が約4センチメートルで、また、内径は約2センチメートルの大きさとされている。この円環板24は、外周縁は上記内筒23の内面と密接し、該内筒23の他端を閉塞するものとされ、該内筒23の他端側からは、該円環板24に形成されて上記凸レンズ25が固定される開口(符号は省略する。)から入射する光線以外の外部の光は完全に遮蔽するものとなっている。なお、この眼球観察器21においては、円筒体22と内筒23とを合わせて、本発明を構成する管体である。このため、この眼球観察器21の全長は伸縮可能とされてなり、この全長の伸縮に伴って、凸レンズ25は電球26と近接又は離間可能とされてなる。また、電球26は、上記の眼球観察器11の電球15と同様なものであって、上記円筒体22の一端側に取付片26aを介して固定されており、特に該電球26は上記円筒体22の一端側開口の近傍に位置するものとされている。なお、上記電球26の電源コード26bは、図示を省略した電源及びスイッチに接続されており、この眼球観察器21を使用する観察者は、該スイッチを操作することにより、該電球26の点灯及び消灯をすることができる。
本発明に係る眼球観察器21は、上記のような構成からなるものであるが、観察者は、この眼球観察器21を上記眼球観察器1,11とほぼ同様な方法により自己の眼球を観察することができる。すなわち、観察者はこの眼球観察器11により自己の眼球を観察する場合には、上記電球26を発光させるためにスイッチを入れ、その後に凸レンズ25を介して、該電球26から発して円筒体内22内に入射する光線を観察する。この場合にも、観察者の眼球E内には上記電球26から発した光線が入射し、上記眼球観察器1,11の場合と同様に、該観察者は自己の眼球を観察することができる。なお、この眼球観察器21では、上記の眼球観察器1,11とは異なり、円筒体22の一端に円板及びピンホールが位置しない構成とされているが、これは、電球26(特に電球26内で発光するフィラメントの箇所)が点光源として扱うことができる程度に小さいものであるときに、特に有効に眼球Eの観察をすることができる。また、この眼球観察器21では、観察者が円筒体22及び内筒23をそれぞれ両手で支持しつつ自己の眼球を観察するものであり、円筒体22に対して内筒23を前後に摺動することができる。このため、この眼球観察器21を用いる場合には、観察者は、凸レンズ25と電球26との距離が、特に眼球Eを観察するのに適した距離となるように調節することができると共に、円筒体22と観察者の眼球Eの位置を一定に保ちつつ、内筒23を前後に動かして凸レンズ25を前後に動かすことにより、観察者の眼球E中の各部分を観察することができる。
さらに、本発明に係る眼球観察器としては、上記の眼球観察器1,11,21において、さらに他の凸レンズやフィルターを取り付けられたものとしても良い。すなわち、図10に断面を示す眼球観察器31は、円筒体32,円環板33,凸レンズ34,他の円環板35,他の凸レンズ36及びフィルター37を備えてなるものである。この眼球観察器31を構成する円筒体32,円環板33及び凸レンズ34は、上記の眼球観察器1を構成する円筒体2,円環板4及び凸レンズ5とそれぞれ同じ構成からなるものであることから、説明は省略する。また、円筒体32の一端側中途部の開口内には、他の円環板35が固定されている。この他の円環板35は、厚紙により環状に作られたものであって、外径が約4センチメートル,内径は約2センチメートルの大きさとされている。この他の円環板35は、外周縁は上記円筒体32の内面と密接し、該円筒体32の一端側からは、上記フィルター37を経て、該他の円環板35に形成されて上記他の凸レンズ36が固定される開口(符号は省略する。)から入射する光線以外の外部の光は完全に遮蔽するものとなっている。また、他の凸レンズ36は、上記他の凸レンズ36の開口内に固定されており、この眼球観察器31の一端側から入る光線を、上記凸レンズ34に集光させるものである。また、上記フィルター37は、この眼球観察器31の円筒体32内に入射する光線を拡散させ、均一化された光線とした上で上記他の凸レンズ36及び凸レンズ34に入射させるものであり、この眼球観察器31の例では、すりガラスを用いている。
本発明に係る眼球観察器31は、上記のような構成からなるものであるが、観察者は、この眼球観察器31を上記眼球観察器1,11,21とほぼ同様な方法により自己の眼球を観察することができる。すなわち、先ず、観察者はこの眼球観察器31を手にとり、上記円筒体32の一端側を、近くに位置する図示しない電球等の発光体に向けて保持するとともに、図10に示すように、該円筒体32の他端側の凸レンズ5近傍に自己の眼球Eを位置させる。そして、上記凸レンズ34を介して、フィルター37から円筒体32内に入射する光線を観察する。この場合にも、観察者の眼球E内には上記フィルター37から発した光線が入射し、上記眼球観察器1,11,21の場合と同様に、該観察者は自己の眼球を観察することができる。なお、この眼球観察器31では、円筒体32内に入射する光を拡散するフィルター37が取り付けられてなるとともに、該円筒体32内に入射する光を凸レンズ34に集光する他の凸レンズ36が固定されてなることから、円筒体32内に入射する光が弱い場合であっても十分に観察することができ、また、光に偏りがある場合にも、観察者の視界全体に偏り無く観察をすることができる。なお、特に上述の眼球観察器1,11,21,31に示した例のように、発光体として電球を用いた場合には、該電球の発光箇所であるフィラメントを直接観察するものとなり、観察者の視界内の光の分布に偏りが出ることがあるが、このような場合であっても、上記のようにフィルターを介して観察するものとすることにより、より確実な観察をすることができるものとなる。また、上述した実施例に係る眼球観察器1,11,21,31の何れも、観察者自身が手により眼球観察器をそれぞれ保持するものとしているが、ここには図示しない安定して卓上に載置することができる台状の部材に円筒体2,12,22,32を固定することにより、観察者が眼球観察器1,11,21,31を手で保持する必要を無くすものとしても良い。この場合には、観察者は自己の手によるぶれ等によって観察が安定しないといった事態を防ぐことができる。
本発明の第1の実施の形態に係る眼球観察器を一端側から観察した外観を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る眼球観察器を他端側から観察した外観を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る眼球観察器の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る眼球観察器により観察される眼球内の断面を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る眼球観察器の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る眼球観察器により観察者が観察する眼球の断面を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る眼球観察器を一端側から観察した外観を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る眼球観察器を一端側から観察した外観を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る眼球観察器を他端側から観察した外観を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係る眼球観察器の構成を示す断面図である。
1 眼球観察器
2 円筒体
3 円板
5 凸レンズ
6 ピンホール
11 眼球観察器
12 円筒体
13 円板
14 接眼筒
15 電球
16 ピンホール
21 眼球観察器
22 円筒体
23 内筒
25 凸レンズ
26 電球
31 眼球観察器
32 円筒体
34 凸レンズ
36 他の凸レンズ
37 フィルター
E 眼球
眼底

Claims (6)

  1. 管体と、この管体の一端を閉塞する円板と、この円板の中心に形成されてなり、外部からの光線を上記管体内に入射させるピンホールと、上記管体の他端又は他端側中途部に位置されてなり、上記ピンホールから管体内に入射した光線が通過するとともに、観察者の眼底から反射した光線を結像させる凸レンズと、を備えてなるとともに、上記凸レンズは、上記ピンホール又は発光体に対して近接又は離間可能とされてなり、
    観察者が、凸レンズと観察者の眼球との距離を適宜変えることにより、実像が結像する結像点を変え、眼球の角膜,眼房水,水晶体及び硝子体の何れかの断面について任意に観察する箇所を変えることができ、また、上記凸レンズをピンホールに対して近接又は離間させることにより、該凸レンズと発光体との距離が、眼球を観察するのに適した距離となるように調節することができることを特徴とする眼球観察器。
  2. 前記管体の外部であって前記ピンホールの近傍には、該ピンホール,管体の内部及び前記凸レンズを介して観察者の眼球に入射する光線を発する発光体が固定されてなることを特徴とする請求項1記載の眼球観察器。
  3. 管体と、この管体の一端側内部又は一端側外部に配置されてなる発光体と、
    上記管体の他端又は他端側中途部に位置されてなり、上記発光体から入射した管体内に光線が通過するとともに、観察者の眼底から反射した光を結像させる凸レンズと、を備えてなるとともに、上記凸レンズは、上記発光体に対して近接又は離間可能とされてなり、
    観察者が、凸レンズと観察者の眼球との距離を適宜変えることにより、実像が結像する結像点を変え、眼球の角膜,眼房水,水晶体及び硝子体の何れかの断面について任意に観察する箇所を変えることができ、また、上記凸レンズを発光体に対して近接又は離間させることにより、該凸レンズと発光体との距離が、眼球を観察するのに適した距離となるように調節することができることを特徴とする眼球観察器。
  4. 前記管体の他端近傍には、該管体に対して摺動可能とされてなる接眼筒が取り付けられてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の何れかの眼球観察器。
  5. 前記管体の内部であって該管体の一端の近傍には、前記ピンホールから該管体の内部に入射する光線を前記凸レンズへ集光する他の凸レンズが位置されてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の何れかの眼球観察器。
  6. 前記管体の一端の近傍には、前記ピンホールから該管体の内部へ入射する光線を均一化するフィルターが固定されてなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の何れかの眼球観察器。
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