JP4840863B2 - 転写材搬送装置、および画像形成装置 - Google Patents

転写材搬送装置、および画像形成装置 Download PDF

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この発明は、電子写真方式、静電記録方式、イオノグラフィ、磁気記録方式等の画像形成方式を採用した複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などに備えて、第1の回転体とそれに押し当てる第2の回転体との間に通して、用紙・OHPフィルム等の転写材を搬送する転写材搬送装置に関する。
例えば、電子写真式の画像形成装置では、ドラム状やベルト状の感光体の回転とともに、その感光体上に帯電、書込みを行って静電潜像を形成して後、現像装置でトナーを付着することにより可視像化してトナー画像を形成し、そのトナー画像を直接、または多くはベルト状の中間転写体を介して間接的に転写して、搬送する用紙、OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する。
このような画像形成装置にあっては、感光体や中間転写体等の像担持体上のトナー画像を転写材に転写する転写装置、転写材上に転写した画像を定着する定着装置、所定のタイミングを取って転写ニップに向けて転写材を送り出すレジスト装置などの転写材搬送装置を備える。
この種の転写材搬送装置では、従来、例えば図13(a)に示すように、圧接転写が行われる転写位置よりも用紙搬送経路上流側に変位ローラ1を設置し、その変位ローラ1を、(b)に示すような転写材4の通過に伴い下方に変位して、変位ローラ1と連結アーム2により連結された加圧ローラ3の圧接力を、変位ローラ1の移動量に応じて変化し、これにより(c)に示すように転写材4が圧接転写位置に突入時の衝撃が低減するようにしたものがある(特許文献1、2参照)。
しかし、変位ローラ1の設置、連結アーム2の設置等により転写装置が大型になる。また、転写圧力が転写材4の厚みで異なり、適切な転写加圧条件が実現できない。本来、転写および定着部の加圧装置の目的は、トナー画像に所望の圧力を与えることである。つまり、転写材4の厚みに関わらず、一定の圧力を与えたい。この装置では、転写材4の厚みで連結アーム2による押し下げ力で加圧条件が変化する。厚紙を使用した際に転写不良、定着不良が生じやすいという大きな問題がある。
また、特許文献3に記載されるように、駆動手段の駆動力により加圧ローラを移動させて圧接部の離間を行う機構がある。楕円カムの回転力で、加圧ローラを支持するアームを押し下げ、予め離間しておき、圧接部へ用紙が進入するタイミングと同期させて、離間状態を解除して加圧ローラを圧接させる。
ところが、このような転写材搬送装置では、加圧力に対向するアームの高速動作の実現には、アームを含むアクチュエータの高剛性、高トルクが必要である。近年、生産性向上のため、用紙の搬送速度は高くなっている。また、用紙上の画像領域の拡大(余白部分の低減、ふち無し画像)の要望が高まっている。したがって、この手法では、離間、圧接状態を瞬時に切り換える動作が必要となる。例えば、用紙の搬送速度が200mm毎秒で搬送する画像形成装置で、用紙先端部2mmの位置から画像を転写したい場合、用紙突入後、約0.01秒で離間から圧接状態に切り換える必要がある。このような高速応答で、圧接状態を変化させるトルクを発生する駆動制御機構の実現は難しい。また、圧接時の衝撃が振動となりやすい、という問題がある。
さらには、特許文献4および5に記載されるように、加圧ローラ部を用紙の進行方向に揺動可能な構成とした転写装置がある。用紙先端が感光体ドラムと転写ローラ間のような加圧ニップ部に突入する時と、用紙後端がニップ部を抜けるときに、紙の厚みの段差によって感光体ドラムと転写ローラ(固定ローラと加圧ローラ)双方に衝撃を与え、その結果、感光体ドラムの負荷トルクが変動し、感光体ドラムの回転速度が変動する。この課題に対して、この転写装置は、加圧ローラを紙の進行方向と平行に揺動可能にすることで、紙の突入および抜けによって生じる衝撃力に応じて、加圧ローラ部が揺動して衝撃力を吸収することが可能である。特許文献4では、加圧ローラ部の両端が紙の進行方向と平行にバネで保持された機構を提案している。特許文献5では、前記文献に対して、ジャム紙除去時のメンテナンス性、加圧ローラの位置決め精度の向上を実現した改良機構を提案している。
しかしながら、紙の衝突による衝撃や、離間した加圧ローラが固定ローラに接触する際の衝撃は微小である。上記手法により、紙突入時の衝突による衝撃力は緩和されるが、実際に負荷トルク変動を低減することは難しい。特許文献4、5では、用紙突入時や抜け時の現象を、外力(紙突入)による衝撃と説明している。しかし、本発明者らの研究によると、用紙のニップ突入時やニップ抜け時の駆動トルク変動の要因は、紙の衝突によるものではなく、詳しくは後述するが、紙を介して行われる加圧ローラの上下運動によるものである。
またさらには、特許文献6に記載されるように、無端ベルト上で2次転写を行う構成で、駆動ローラを2次転写部に近接配置するものがあり、これにより2次転写部で発生する負荷変動に対し強い駆動系となっている。ところが、このような提案は、発生する負荷変動に対するアプローチであり、負荷変動そのものを低減しているものでないため、紙厚の条件によっては完全に低減することができなかった。
特許第2883916号公報 特開昭61−90167号公報 特開平6−274051号公報 特許第3505969号公報 特開2001−265127号公報 特開2004−109706号公報
ところで、電子写真装置内に設置される一般的な加圧力を用いた転写や定着装置構成、例えば転写装置では、固定ローラと該ローラ方向に圧接する加圧ローラのニップ部に、用紙等の転写部材を搬送し、ローラ上の形成画像を転写材に転写する装置、または、一方のローラ上を搬送するベルト体とローラとのニップ部に転写部材を通過し、ベルト上の形成画像を転写材に転写する装置において、転写材がニップ部に突入する時とニップ部から抜ける時に負荷トルク変動が生じ、転写部材の速度変動が生じるという問題がある。
本発明者らの研究により、上記特許文献4および5では、転写部材が該ローラに衝突する際の衝撃力を緩和するが、負荷トルク変動を大きく抑制するに至らないことが分かった。用紙重量、用紙搬送速度、用紙剛性(用紙のこし)を考慮して用紙の推進力算出し、金属やプラスチック等の部材およびその混合で形成されたローラ部に衝突する際の衝撃力を算出したところ、衝撃による該ローラ回転の負荷トルク変動は小さいことが分かった。また、用紙がニップ部から抜けた際に加圧ローラが固定ローラに衝突する際の衝撃力のベクトルは、回転トルクのベクトルと直交するため、これも小さい。その他、ニップ部に関わる詳細な負荷トルク変動のメカニズムは解明されていない。
そこで、この発明の目的は、加圧ニップ部に転写材が突入する時、また、ニップ部を抜ける時の負荷トルク変動の発生メカニズムを解明し、負荷トルク変動を大きく低減することである。
このため、かかる目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、ドラム状やベルト状などの第1の回転体と、その第1の回転体に対して接触したり離れたり移動自在に設けるローラ状等の第2の回転体と、その第2の回転体を付勢して前記第1の回転体に押し当てる圧縮バネ等の付勢手段とを備え、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に通して、用紙・OHPフィルム等の転写材を搬送する転写材搬送装置において、
前記付勢手段と前記第2の回転体の回転軸との間に介在し、前記付勢手段による付勢方向に移動する圧接手段であって、前記第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動する接触面を有する圧接手段と、前記第2の回転体の回転軸を、前記付勢手段による付勢方向に対して斜め方向に移動する規制手段とで、前記第2の回転体の回転軸の両端を各々移動可能に保持し、
前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に転写材を通したとき、前記第2の回転体の回転軸を前記規制手段により規制しつつ前記接触面上を移動させ、転写材搬送方向に移動しながらも、前記付勢手段に抗して前記第1の回転体から離れる方向に移動させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の転写材搬送装置において、前記圧接手段が前記第2の回転体の回転軸と接触する接触面を、その第2の回転体の回転軸が移動する方向に凹状に湾曲して形成することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の転写材搬送装置において、前記規制手段に、前記第2の回転体の回転軸が接触する規制面を設け、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に転写材を通したとき、前記第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動しながらも、前記付勢手段に抗して移動する方向に逃がすことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の転写材搬送装置において、前記規制面を、前記第2の回転体の回転軸が移動する方向に、凹状の曲面で形成し、または連続する多面で全体凹状に形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の転写材搬送装置において、前記規制面を、転写材搬送方向に対して傾斜する傾斜面とすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3ないし5のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記規制手段の規制面と前記第2の回転体の回転軸との間にベアリング等の軸受を介在することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の転写材搬送装置において、前記軸受として、自動調芯型スライドベアリングを用いることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項3ないし7のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記規制面の設置角度を変えることができるように前記規制手段を回動可能とすることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項3ないし7のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記規制手段をスライド可能とすることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の転写材搬送装置において、前記規制手段をスライド方向とそれと交差する方向に移動可能とすることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に通す転写材の厚さに応じて前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1または2に記載の転写材搬送装置において、前記規制手段に、前記第2の回転体を保持して支軸を中心として回動するアーム状等の回動部材を設け、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に転写材を通したとき、前記回動部材を前記支軸を中心として回動して、前記第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動しながらも、前記付勢手段に抗して移動する方向に逃がすことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記第1の回転体がドラム状の像担持体であり、前記第2の回転体が転写ローラであり、その転写ローラで前記像担持体上の画像を転写材に転写する転写装置であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記第1の回転体が、支持ローラに掛けまわすベルト状の像担持体であり、前記第2の回転体が転写ローラであり、その転写ローラで前記像担持体上の画像を転写材に転写する転写装置であることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載の転写材搬送装置において、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間の転写ニップを転写材の先端部が通過して後、その転写材の後端部が通過する前に、前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記第1の回転体が熱源により加熱されるローラ状やベルト状等の加熱部材であり、前記第2の回転体がローラ状等の加圧部材であり、転写材上に転写された画像を定着する定着装置であることを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の転写材搬送装置において、転写材の先端部が転写ニップを通過する前と通過した後に、前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置において、前記第1の回転体と前記第2の回転体が一対のレジスト部材であり、転写材を所定のタイミングで送り出すレジスト装置であることを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の転写材搬送装置において、転写材の後端部が転写ニップを通過する前と通過した後に、前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置において、請求項1ないし19のいずれか1に記載の転写装置、定着装置、レジスト装置などの転写材搬送装置を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、圧接手段と規制手段とで第2の回転体の回転軸の両端を各々移動可能に保持し、第1の回転体と第2の回転体との間に転写材を通したとき、第2の回転体の回転軸に付勢手段により圧接手段を介して所望の方向に付勢力を与えながら、規制手段により第2の回転体の回転軸を付勢手段による付勢方向に対して斜め方向に移動して、第2の回転体の回転軸を規制手段により規制しつつ接触面上を移動させ、転写材搬送方向に移動しながらも、付勢手段に抗して第1の回転体から離れる方向に移動させるようにし、負荷トルク変動を大きく低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、圧接手段が第2の回転体の回転軸と接触する接触面を、その第2の回転体の回転軸が移動する方向に凹状に湾曲して形成するので、移動した第2の回転体の回転軸を常に第1の回転体の回転中心に向けて戻そうとする力を付与することができる。
請求項3に記載の発明によれば、規制手段に、第2の回転体の回転軸が接触する規制面を設け、第1の回転体と第2の回転体との間に転写材を通したとき、第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動しながらも、付勢手段に抗して移動する方向に逃がし、負荷トルク変動を大きく低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、規制面を、第2の回転体の回転軸が移動する方向に、凹状の曲面で形成し、または連続する多面で全体凹状に形成するので、多様な傾斜角度条件を実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、規制面を、転写材搬送方向に対して傾斜する傾斜面とするので、傾斜角度を徐々に大きくする簡易な構成で負荷トルク変動の発生を効果的に低減する一方、設計の自由度も上げることができる。
請求項6に記載の発明によれば、規制手段の規制面と第2の回転体の回転軸との間に軸受を介在するので、それらの間の摩擦抵抗を低減して負荷トルク変動を大きく抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、軸受として、自動調芯型スライドベアリングを用いるので、第2の回転体が斜めに傾いても、回転軸に歪みを発生させることなく、回転軸をスムーズに回転し、また移動することができる。
請求項8に記載の発明によれば、規制面の設置角度を変えることができるように規制手段を回動可能とするので、転写材の厚みや搬送状態に応じて規制手段を回動して規制面の設置角度を調整し、より高い負荷トルク変動低減効果を発揮することができる。
請求項9に記載の発明によれば、規制手段をスライド可能とするので、転写材の厚みや搬送状態に応じて規制手段をスライドして規制面の設置角度を調整し、より高い負荷トルク変動低減効果を発揮することができる。
請求項10に記載の発明によれば、規制手段をスライド方向とそれと交差する方向に移動可能とするので、転写材の厚みや搬送状態に応じて規制手段を上下左右にスライドして規制面の設置角度を調整し、より高い負荷トルク変動低減効果を発揮することができる。
請求項11に記載の発明によれば、第1の回転体と第2の回転体との間に通す転写材の厚さに応じて規制手段の設置位置調整を行うので、より高い負荷トルク変動低減効果を発揮することができる。また、転写材の厚さに応じて規制手段の設置位置を調整して第2の回転体の可動範囲を既定範囲内に収めるので、第2の回転体が移動することによる転写条件の不具合(放電現象や転写条件の変化)を防止することができる。
請求項12に記載の発明によれば、規制手段に、第2の回転体を保持して支軸を中心として回動する回動部材を設け、第1の回転体と第2の回転体との間に転写材を通したとき、回動部材を支軸を中心として回動して、第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動しながらも、付勢手段に抗して移動する方向に逃がし、負荷トルク変動を大きく低減することができる。
請求項13に記載の発明によれば、第1の回転体がドラム状の像担持体であり、第2の回転体が転写ローラであり、その転写ローラで像担持体上の画像を転写材に転写する転写装置であるので、ドラム状像担持体と転写ローラとの間に転写材を通したとき、ドラム状の像担持体の回転軸に付勢手段により圧接手段を介して所望の方向に付勢力を与えながら、規制手段により転写ローラの回転軸を付勢手段による付勢方向と異なる方向に逃がすので、負荷トルク変動を大きく低減して転写ローラに回転速度変動を発生することなく、高画質な転写画像を期待することができる。
請求項14に記載の発明によれば、第1の回転体が、支持ローラに掛けまわすベルト状の像担持体であり、前記第2の回転体が転写ローラであり、その転写ローラで前記像担持体上の画像を転写材に転写する転写装置であるので、ベルト状像担持体と転写ローラとの間に転写材を通したとき、ベルト状の像担持体の回転軸に付勢手段により圧接手段を介して所望の方向に付勢力を与えながら、規制手段により転写ローラの回転軸を付勢手段による付勢方向と異なる方向に逃がすので、負荷トルク変動を大きく低減して転写ローラに回転速度変動を発生することなく、高画質な転写画像を期待することができる。
請求項15に記載の発明によれば、像担持体と転写ローラとの間の転写ニップを転写材の先端部が通過して後、その転写材の後端部が通過する前に、規制手段の設置位置調整を行うので、負荷トルク変動を大きく低減して転写ローラに回転速度変動を発生することなく、高画質な転写画像を期待することができる。
請求項16に記載の発明によれば、第1の回転体が加熱部材であり、前記第2の回転体が加圧部材であり、転写材上に転写された画像を定着する定着装置であるので、加熱部材と加圧部材との間に転写材を通したとき、加熱部材の回転軸に付勢手段により圧接手段を介して所望の方向に付勢力を与えながら、規制手段により加圧部材の回転軸を付勢手段による付勢方向と異なる方向に逃がすので、負荷トルク変動を大きく低減して加圧部材に回転速度変動を発生することなく、高画質な転写画像を期待することができる。
請求項17に記載の発明によれば、転写材の先端部が転写ニップを通過する前と通過した後に、規制手段の設置位置調整を行うので、負荷トルク変動を大きく低減して転写ローラに回転速度変動を発生することなく、高画質な転写画像を期待することができる。定着ニップでは、転写材の突入時の負荷トルク変動だけを抑制すればよい。転写材の後端抜け時の変動は画像へ影響しない。したがって、転写材の先端突入時のみの作用が発生するように、動作としては、転写材の先端部が通過する前と通過した後に、規制手段を動かせばよい。これによって、動作の応答速度を下げても対応できる。
請求項18に記載の発明によれば、第1の回転体と前記第2の回転体が一対のレジスト部材であり、転写材を所定のタイミングで送り出すレジスト装置であるので、一対のレジスト部材間に転写材を通したとき、一方のレジスト部材の回転軸に付勢手段により圧接手段を介して所望の方向に付勢力を与えながら、規制手段により他方のレジスト部材の回転軸を付勢手段による付勢方向と異なる方向に逃がすので、負荷トルク変動を大きく低減してレジスト部材に回転速度変動を発生することなく、高画質な転写画像を期待することができる。レジスト装置における転写材抜け時の負荷トルク変動を抑制し、転写材に搬送速度変動が発生することなく、高画質な画像が期待できる。
請求項19に記載の発明によれば、転写材の後端部が転写ニップを通過する前と通過した後に、規制手段の設置位置調整を行うので、負荷トルク変動を大きく低減して転写ローラに回転速度変動を発生することなく、高画質な転写画像を期待することができる。レジストニップでは、転写材抜け時の負荷トルク変動だけを抑制すればよい。転写材の後端抜け時の変動は画像に影響しない。したがって、転写材の後端抜け時のみの作用が発生するように、動作としては、後端部が通過する前と通過した後に、規制手段を動かせばよい。これによって、動作の応答速度を下げても対応できる。
請求項20に記載の発明によれば、請求項1ないし19のいずれか1に記載の転写材搬送装置を備えるので、第1の回転体と第2の回転体との間に転写材を通したとき、第1の回転体の回転軸に付勢手段により圧接手段を介して所望の方向に付勢力を与えながら、規制手段により第2の回転体の回転軸を付勢手段による付勢方向と異なる方向に逃がすようにし、負荷トルク変動を大きく低減することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
(画像形成装置の説明)
図1には、感光体ベルトを用いた画像形成装置の感光体ベルトユニット部の全体概略構成を示す。
感光体ベルト10は、駆動ローラ11、従動ローラ12、テンションローラ13、対向ローラ14によって張架されており、駆動モータM1により駆動ローラ11が駆動されることにより図中時計まわりに搬送される。対向ローラ14には、感光体ベルト10を介して、付勢手段である圧縮バネ16により付勢されて転写ローラ17が押し当てられ、転写装置18の転写ニップが形成される。
感光体ベルト10と転写ローラ17間には、転写材20を転写ニップを通して図中右から左へと搬送する転写材搬送路が形成される。転写材搬送路の上流には、レジスト装置21を構成する一対のレジストローラ22、23が設けられている。一対のレジストローラ22、23は、一方のレジストローラ22が駆動モータM2により駆動されることにより付勢手段である圧縮バネ24により付勢されて押し当てられる他方のレジストローラ23が従動回転され、転写材20が搬送されるようになっている。一対のレジストローラ22、23の下流には、転写材20を転写装置18の転写ニップへと案内する一対のガイド板25が配置されている。また、転写ニップの下流位置には、定着装置26が設置される。定着装置26は、熱源を有する加熱ローラ27と、圧縮バネ29により付勢されてそれに押し当てられる加圧ローラ28とで構成されている。
そして、この感光体ベルトユニット部には、図示しない給紙部から転写材20が給紙され、一対のレジストローラ22、23間に突き当てられて、一時待機する。一方、駆動モータM1により駆動ローラ11が駆動されて感光体ベルト10が走行されながら、不図示の作像装置によりその感光体ベルト10上に画像が形成される。その感光体ベルト10上の画像先端にタイミングを合わせて駆動モータM2により一方のレジストローラ22を回転し、転写材20が転写ニップに送り込まれる。そして、圧縮バネ16による加圧力と、転写ローラ17に印加する転写バイアスによって、感光体ベルト20で担持されているトナー画像が転写材20に転写される。その後、定着装置26を通して加熱ローラ27と加圧ローラ28とで熱と圧力とを加えられ、トナー画像が転写材20に定着される。
(負荷トルク変動の現象説明)
図2には、上記した転写装置18において、圧接された対向ローラ14と転写ローラ17間を転写材20が通過するとき、感光体ベルト10の搬送位置誤差を計測した結果を示す。横軸は時間で、転写ニップに転写材20が突入したタイミングを0秒としている。縦軸は、位置変動である。これは、所望の搬送距離(位置)に対する感光体ベルト搬送距離の誤差推移を示している。図中丸枠で囲ったように、転写材20の突入により感光体ベルト10の位置誤差がマイナス方向に変動していることが確認された。これは、転写材突入の負荷トルク変動により感光体ベルト10の搬送が遅れていることを示している。このような位置変動は、感光体ベルト10上で作像中の画像部に大きな影響を与える。
定着装置26においても、同様の現象が発生する。定着ニップに転写材20が突入することで加熱ローラ27の回転が負荷トルク変動(負荷トルク急増)により低下する。同時に、定着ニップに突入した転写材20の搬送量も低下する。上記画像形成装置は、転写装置18の直後に定着装置26が設けられており、定着装置26に転写材20が突入した時には、定着装置26と転写装置18の両方に転写材20がニップした状態となっている。そのため、転写材20の搬送量の低下は、転写装置18の転写画像に大きな影響を与えることとなる。
さらに、レジスト装置21においても、同様の現象が発生する。ここでは、一対のレジストローラ22、23のレジストニップを転写材20が抜けることで負荷トルクが急減する負荷トルク変動が発生する。これにより、一対のレジストローラ22、23の回転速度が高まり、転写材20の搬送速度が増加する。このとき、転写装置18とレジスト装置21の両方に転写材20がニップした状態であると、転写装置18の転写画像に大きな影響を与えることとなる。
以下に説明するこの発明による転写材搬送装置は、対向ローラ14、レジストローラ22、加熱ローラ27などの第1の回転体と、その第1の回転体に対して接触したり離れたり移動自在に設ける、転写ローラ17、レジストローラ23、加圧ローラ28などの第2の回転体と、その第2の回転体を付勢して第1の回転体に押し当てる、圧縮バネ16、24、29などの付勢手段とを備え、第1の回転体と第2の回転体との間に通して転写材20を搬送する転写装置18、レジスト装置21、定着装置26などに適用することができる。
(負荷トルク変動発生メカニズムの説明)
本発明者らの解析の結果、転写材20の突入時の感光体ベルト10の速度低下は、主に転写材20が転写ローラ17と対向ローラ14で形成される転写ニップに進入するために転写ローラ17を下に移動させるために発生する負荷トルク増加によって発生していることが判った。転写材20を剛体として扱い、質量、加速度を用いて運動方程式から転写ニップに突入した時の衝撃による負荷トルクを計算した。また、転写材20が転写ニップを通過するために転写ローラ17を押し下げる(押し上げる)ために必要な負荷トルクを計算した。その両者を比較した結果、突入衝撃による負荷トルクは小さく、負荷トルク変動の大きな要因は、転写ニップにおいて転写材20の厚み分だけ、転写ローラ17を移動させるために必要な負荷トルクであることが判った。また、図2に示した位置誤差は、転写材20の剛性、速度を変化させても、同様にマイナス方向に発生することが確認された。転写ローラ17の移動負荷は、転写材20の速度に関わらず発生するもので、転写材20が高速で搬送されると、短時間で負荷変動が発生するため衝撃的に観測されるが、実際は衝撃ではなく、転写ローラ17の移動のためのトルク変動である。以下に、その詳細を述べる。
図3を用いて、転写材搬送装置の1つである転写装置18に、転写材20が突入したときのトルク負荷変動の発生メカニズムを説明する。図3は、第1の回転体である対向ローラ14と、第2の回転体である転写ローラ17との圧接部に転写材20が突入した際の力学的な力の関係を示したものである。なお、上記画像形成装置の例では、対向ローラ14と転写ローラ17の間に感光体ベルト10が存在するが、負荷トルク変動への影響が少ないことから、この図では省略する。影響が少ない理由としては、感光体ベルト10は、対向ローラ14にテンションローラ13による張力で巻き付いていることからすべりが少なく、よって対向ローラ14と一体で動くものとして考えられるため、対向ローラ14に含めてモデル化できるからである。つまり、モデル上では、感光体ベルト10の厚さを対向ローラ14の径に反映させる。
まず、対向ローラ14と転写ローラ17の転写ニップと転写材20の関係を説明する。対向ローラ14は、水平方向、鉛直方向ともに固定されており、回転方向のみに動くことができる。
図示画像形成装置では、対向ローラ14の回転軸は、図示しない軸受で支持されている。その軸受は、画像形成装置本体の筐体、または、感光体ベルト搬送ユニットの筐体に固定されている。対向ローラ14は、回転方向のみに動く。転写ローラ17は、水平および鉛直方向、回転方向に動くことができ、回転軸が固定されていない状態である。また、転写ローラ17の回転軸上には、図1に示すように付勢手段である圧縮バネ16が接触しており、対向ローラ14方向に加圧力aが働き、対向ローラ14に転写ローラ17を圧接している。転写材20は、厚さtを持ち、転写ニップに対して水平方向に突入される。転写材20の搬送時の推進力をbとする。ここでは、対向ローラ14、転写ローラ17のどちらか一方に先に接触するのではなく、転写材20が水平方向搬送され、転写ニップで双方に同時に接触する様子を示している。
図3より、転写材20が接触した時の力の釣り合い(静的な力学平衡状態)を説明する。まず、対向ローラ14の回転方向における力の釣り合いについて説明する。対向ローラ14は、時計まわりの回転力(回転トルク)cをもつ。この回転トルクcは、図示しない駆動源(モータ)から供給される。実際には、対向ローラ14は、所望の平均速度で回転しており、既定の負荷トルクを発生している。ここでは、転写材20が転写ニップに突入した時の負荷トルク変動を説明するために、既定の負荷トルクは除いて静的モデルで説明する。対向ローラ14の回転方向における力の釣り合いは、負荷トルク変動ΔTを用いて(1)式となる。
Figure 0004840863
ただし、
は対向ローラ14の半径、
は対向ローラ14と転写材20の接触部の回転方向の摩擦力d、
は転写ローラ17接触部の回転方向の摩擦力e
である。
次に、転写ローラ17の回転方向における力の釣り合いについて説明する。転写ローラ17は、対向ローラ14の回転に従動するとして(2)式となる。
Figure 0004840863
ただし、
は転写ローラ17の半径、
は転写ローラ17と転写材20の接触部の回転方向の摩擦力f、
′は対向ローラ14接触部の回転方向の摩擦力g
である。
次に、転写材20の水平方向における力の釣り合いを説明する。転写材20が対向ローラ14と転写ローラ17の両方に接触して、それぞれから与えられる力が釣り合う状態として(3)式が成立する。
Figure 0004840863
ただし、
は対向ローラ14と転写材20の接触部の垂直抗力h、
は転写ローラ17と転写材20の接触部の垂直抗力i、
′は対向ローラ14と転写材20の接触部の回転方向摩擦力j、
′は転写ローラ17と転写材20の接触部の回転方向摩擦力k
θは転写材接触面mと対向ローラ回転中心から接触部を結ぶ線による角度
θは転写材接触面mと転写ローラ回転中心から接触部を結ぶ線による角度
である。
ちなみに、転写材20が転写ニップに対して水平に入射すれば、接触面mは両ローラの回転中心を結ぶ線と平行になるため、角度θと角度θ、角度θと角度θはともに等しい。
同様に、転写材20の鉛直方向における力の釣り合いは、(4)式となる。
Figure 0004840863
次に、転写ローラ17の回転軸における力の釣り合いを説明する。
鉛直方向において(5)式が成り立つ。
Figure 0004840863
ただし、
′は転写ローラ17と転写材20の接触部の垂直抗力n、
は対向ローラ14と転写ローラ17の接触部の垂直抗力o、
Pは転写ローラ17の加圧力p、
である。
ここで、転写ローラ17が、対向ローラ14に対して離れる方向に移動するために必要なトルクΔTを求める。転写ローラ17と対向ローラ14が離れると、(6)式が成立する。
Figure 0004840863
以上、(1)式〜(6)式の変形、代入を行い、トルクΔTと転写ローラ17の加圧力や固定力との関係を求める。ここで、トルクΔTを転写ローラ17が鉛直方向に移動するためのトルクΔTと水平方向に移動するためのトルクΔTに分解して導出すると、それぞれ(7)、(8)式になる。
Figure 0004840863
ただし、Nは、転写ローラ17の水平方向の加圧力(固定力)である。
負荷トルク変動の鉛直成分(7)式と水平成分(8)式の和が、転写ローラ17を押し下げて転写材20が転写ニップを搬送するために必要な負荷トルク変動ΔTとなる。この負荷トルク変動が対向ローラ14を駆動するモータから対向ローラ14へ供給可能なトルク(許容トルク)を超えると、対向ローラ14の回転変動を発生させて、感光体ベルト10の線速変動となり画像劣化を発生させる。したがって、負荷トルク変動ΔTを減らすことができれば、感光体ベルト10の位置誤差を減らすことができる。
上記説明は、転写材突入時の現象について説明したが、転写材20が転写ニップを抜ける時の現象についても同様である。転写ローラ17が押上げる力Pで、負荷トルクが減少する。つまり、(7)、(8)式において、符号がマイナス(逆)となる方向に負荷トルク変動が発生する。よって、感光体ベルト10の位置変動は、プラス側に変動する。
上記モデルは、対向ローラ14、転写ローラ17、転写材20を剛体とみなした場合であるが、弾性体であったとしても定性的な傾向は変わらない。弾性体である場合との違いは後述する。
(負荷トルク変動低減転写装置)
図4(a)は、この発明に対応する従来技術を示している。図4(b)は、この発明の特徴部である。圧縮バネ16は転写ローラ17の回転軸32を図中下方向qに加圧している。対向ローラ14は、省略している。従来では、転写材20が転写ニップを通過するときの転写ローラ17の移動方向は、図中、軸受ガイド部材33にしたがい、上方向rとなる。この場合、圧縮バネ16の力に対向するために大きな力が必要となる。一方、図4(b)の本発明構成では、第2の回転体である転写ローラ17の移動方向を斜めに規制する規制手段としてガイドスロープ34を設置している。また、付勢手段である圧縮バネ16は、圧接手段として回転軸接触部材35を介して転写ローラ17の回転軸32を、図中下方向qに加圧している。ここで、回転軸接触部材35は、支持筐体36によって横方向に支持規制され、図示の水平状態を保ったまま上下方向に運動する。また、回転軸32が、可動範囲のどの位置にあっても下方向に加圧可能となるように幅をもった形状となっている。これによって、所望の加圧方向に加圧しながらも、転写ローラ17の押上げ方向が矢印sの方向となるため、図4(a)に比べ押し上げに必要な力が大きく低減される。そして、ガイドスロープ34に、転写ローラ17の回転軸32が接触する規制面40を設け、対向ローラ14と転写ローラ17との間に転写材20を通したとき、転写ローラ17の回転軸32を転写材搬送方向に移動しながらも、圧縮バネ16に抗して移動する方向に逃がすようにする。
また、転写ローラ17の移動方向を斜めに規制する規制手段として、図4(c)示すような回動アーム38を用いることができる。所望の転写ローラ17の移動方向を、図中破線で示す。この転写ローラ17の移動傾斜ラインに対して転写ローラ17の回転軸32が移動するように回動部材である回動アーム38を設置する。回動アーム38は、アーム回転軸37を支軸として転写ローラ17の回転軸32を支持しながら回動する。アーム回転軸37は、図示しない筐体に固定されている。回動方向は、図中矢印uとなる。その他、(b)と同様に、圧縮バネ16は回転軸接触部材35を介して転写ローラ17の回転軸32を、図中下方向qに加圧している。
(特許文献4、5との差異)
特許文献5の構成図において、転写ローラ17は、上下左右に可動方向を持つ構成ため、図4(b)矢印sの方向に転写ローラ17が可動することが可能である。しかし、特許文献5では、水平方向の可動を規制するバネ部材が設置されている。この水平方向規制バネ部材があるために、矢印s方向に可動するためのトルクが増加してしまう。よって、斜め方向に可動することによるトルク低減効果が薄くなる。この発明は、水平方向の位置規制のための加圧は行わずに、規制手段としてガイドスロープ34を用いることで、位置規制も実現することができる。
(具体的構成説明)
図5に、実施構成の斜視図を示す。転写材20が、矢印方向に搬送され、転写ローラ17と対向ローラ14が圧接している転写ニップを通過する。対向ローラ14の不図示の回転軸は、ユニット筐体上の軸受けで回転可能に固定されている。転写ローラ17の回転軸32上には、軸方向奥側と手前側の両側に、図4(b)で示した機構が設置されている。奥側と手前側のどちらか一方でも効果は期待できるが、軸方向において加圧力分布(加圧力偏差)が生じやすい。転写ローラ17の回転軸32上では、ガイドスロープ34が接触している。また、同回転軸32上の別の箇所で、圧縮バネ16の加圧力を回転軸32へ伝達する回転軸接触部材35が接触している。この回転軸接触部材35は、支持筐体36で水平状態を保ったまま上下方向のみの運動するように規制されている。この構成により、転写ローラ17の回転軸32は、所定の方向(ここでは対向ローラ14の方向である鉛直方向)への加圧力を受けながら、ガイドスロープ34上を移動することができる。
(ガイドスロープ部材のスロープ形状説明)
ガイドスロープ34の形状について説明する。ガイドスロープ34の形状例を図6に示す。図6(a)は、規制面40が、転写材搬送方向に対して傾斜する平面である傾斜面として構成されたものである。転写ローラ17の回転軸32を接触する規制面40は、転写材20の搬送方向(水平面)に対して傾斜角度θとなっている。この傾斜角度θは、上述した負荷トルク低減効果により、負荷トルク変動が転写装置18の駆動系の許容トルク変動値内、または、トルク変動により発生する感光体ベルト10や転写材搬送速度の許容速度変動値の範囲内に収まるように設定される。
ガイドスロープ34の高さHと長さLは、傾斜角度θと対応する転写材20の厚さ範囲、組付け公差(マージン)で決定される。例えば、傾斜角度θが30度で、対応する転写材厚さが1mmの場合、転写ニップで1mmの空隙を設けるため、ガイドスロープ34の高さHは1mm、長さLは1.73mmとなる。しかし、実際には、組付け公差や組付け容易性、転写材20の厚さ誤差も考慮してより大きいものを用意する。また、規制面40は、接触する回転軸32に対して低摩擦係数を持つ材質が望ましい。一般的に金属の回転軸32に対しては、ポリアセタール(POM)やポリアミド(PA)の層を規制面40に設ける。または、ポリラトラフルオロチレン(PTFE)などのフッ素樹脂コーティングを施してもよい。
これらの低摩擦係数を持つ材質のみでガイドスロープ34を構成してもよいが、ガイドスロープ34全体の剛性を確保する必要がある。ガイドスロープ34の剛性が低い場合、ガイドスロープ34の変形によって傾斜角度θの変化が発生してしまう。ガイドスロープ34の変形が起きないように剛性を確保する形状、または金属、硬質の樹脂を基盤に表面層を低摩擦係数の材質で構成するガイドスロープ34が望ましい。また、ガイドスロープ34の他の構成として、潤滑方式を用いてもよい。一般にグリス等の潤滑材を塗布することで実現するが、画像形成装置内で用いられる無端状ベルトの表面やその近傍でグリスを塗布することは、画像や無端状ベルトの駆動性能に悪影響を与えてしまう。このことを考慮して、気体潤滑を用いる方式を採用してもよい。
ガイドスロープ34の規制面40に、気体潤滑を実現するヘリカルボーン溝の処理を施したものがある。このヘリカルボーン溝群の幅や設置間隔、傾き等は、回転軸32の移動速度によって決定される。この処理によって、規制面40に圧接する転写ローラ17の回転軸32は、滑らかに回転しながら、移動する。また、同様の気体潤滑を用いた方式として、規制面40に通気孔を設置して裏側から空気を規制面に向けて吹き付けるものがある。このように、気体潤滑を用いることで画像形成装置内に用いられるベルト搬送系のベルト表面部へ影響を与えることなく、回転軸32の移動を容易にすることが可能となる。奥行き方向のスロープ幅Bは、規制面40の耐久性や回転軸32との摩擦抵抗を考慮して任意に設定する。
図6(b)には、規制面40が凹状である例を示す。規制面40は、凹状の曲面でもよいが、図6(b)に示す例では、連続する多面で全体凹状に形成してなる。規制面40を凹状にすることで、負荷トルク変動をより効果的に低減することができる。図7に、(7)、(8)式を用いて計算される負荷トルク変動を示している。縦軸が負荷トルク変動で、横軸が転写ニップ中央と転写材20の位置を示す角度θ、θである。便宜上、対向ローラ14と転写ローラ17は、同径として2つの角度が常に等しい条件とした。
角度は、それぞれ図3中の角度θとθを示しており、転写材20の進入にともない、転写ニップに至るまでにこの角度は減少する。この計算結果より、角度が大きいほど負荷トルクが大きいことがわかる。つまり、転写材20が転写ニップに突入直後が最も負荷トルク変動が大きく、転写ニップに搬送されるにつれて負荷トルク変動が小さくなる。この現象を踏まえて転写材20の突入初期のガイドスロープ34の傾斜角度を小さくして負荷トルクを小さくし、転写材20が転写ニップに近づくにつれて傾斜角度を大きくして、転写ローラ17を下方向へ移動させる方が、最終的に負荷トルク変動の影響を小さく抑えることが可能である。
規制面40の形状は、これに限らない。この発明の効果を得るためにガイドスロープ34で重要な点は、対向ローラ14と転写ローラ17との転写ニップを通過する転写材20の搬送方向と規制面40で決定する傾斜角度である。上記モデルでは、転写ニップが短いので、転写材20はローラに巻き付くことなく、搬送方向は直線としてガイドスロープ34の形状を決定している。したがって、ローラ表面の曲率が大きく、ニップ範囲が広く、転写材20の搬送方向が曲線となる場合は、この曲線と傾斜角度で決定される曲面が規制面40となる。
(回転軸接触部材35)
次に、回転軸接触部材35の構成を説明する。図8(a)および(b)に、回転軸接触部材35の構成例を示す。回転軸接触部材35は、圧縮バネ16と固定される基盤部材42と転写ローラ17の回転軸32を接触する加圧接触部材43、44から構成されている。基盤部材42は、圧縮バネ16に組付け固定される。加圧接触部材43、44は、基盤部材42に強固に固定されており、回転軸32が加圧接触部材43、44上のどの位置にあっても同じ加圧力となる。加圧接触部材43、44の材質も、回転軸32との低摩擦を実現するために、上述した規制面40の材質を利用できる。
図8(b)の加圧接触部材44は、回転軸32との接触面が凹状に湾曲して形成されている。これは、回転軸32が加圧接触部材44上のどの位置にあっても、対向ローラ14の回転中心部に向かって加圧できるようにするためである。また、転写ニップに感光体ベルト10がある場合、特に後述する図11で示す画像形成装置のように、ローラ対の設置位置が中間転写ベルト60を、転写ローラであるバイアスローラ66に少し巻き付けるようにして、広範囲に転写ニップを形成しているときには、ベルトに対して垂直に加圧できるように転写ニップのベルト搬送経路に合わせた曲面形状とする。
(軸受部材)
規制手段の規制面40と転写ローラ17の回転軸32との間、および加圧接触部材43、44と転写ローラ17の回転軸32との間に、軸の加圧、軸の回転支持、軸の移動、これらを同時に低摩擦で実現させるために軸受としてベアリングを介在するとよい。それぞれの接触部でボールベアリング等を用いる。また、自動調芯型スライドベアリングを用いるとよい。転写ローラ17は、奥側、手前側で独立して可動できるため、対向ローラ14の軸に対して斜めとなる可能性がある。軸が傾いた場合に、通常のベアリングの場合、ベアリングと回転軸、ベアリングと規制面40、加圧接触部材43、44とにひずみが生じて転写ローラ17の移動性が損なわれる。このような転写ローラ17の回転軸32の傾斜に対応する自動調芯型スライドベアリングを用いることが望ましい。
(実施例の効果の説明)
図9に、この発明の効果を示す。図9の(a)と(b)はこの発明の実施前、実施後の負荷トルク変動を比較している。発明構成として、図6(a)の直線スロープ型のガイドスロープ34を採用した。グラフの横軸は、時間である。tは、転写材20の転写ニップ突入タイミングを示している。縦軸は、対向ローラ14の回転軸にかかる負荷トルクの時間推移を示している。負荷トルクTaveは、対向ローラ14が所望の一定角速度で回転している時の定常負荷トルクを示している。破線で示しているトルク変動許容範囲は、対向ローラ14にかかるトルク変動の許容範囲である。駆動モータのトルク許容値や駆動伝達系の剛性等で決定される(画像劣化の許容範囲を含めてもよい)。負荷トルクがこの範囲を超えると、モータ回転速度の低下、駆動伝達系(歯車、歯車締結部、軸カップリング)で変形が生じる。その結果、感光体ベルト10の速度変動、転写材20の速度変動が顕著になり、画像品質を大きく劣化させる。
上述した(7)、(8)に基づき負荷トルク変動を計算した結果を実線で示し、実測結果を点線で示している。傾向はほぼ一致しており、この発明で説明した負荷トルク変動発生メカニズムの妥当性を示している。計算と実測値との差は、転写ローラ17および対向ローラ14の表面の弾性部材の変形によるものである。ローラ表面上に弾性部材をコーティング、または、ローラ部材を弾性体にすることで、負荷トルク変動の低減が併せて見込めることがわかる。(a)の実施前では、負荷トルク変動が許容範囲を大きく超えている。一方、(b)の実施後では、負荷トルク変動が大きく低減されている。ガイドスロープ34の形状を、図6(b)の曲面形状に変更することでさらに高い効果が期待できる。
(転写材抜け時の加速現象に対する効果)
ガイドスロープ34による負荷トルク変動低減効果は、転写材20の先端の突入時と転写材20の後端の抜け時に期待できる。転写材抜け時には、加圧力によって、対向ローラ14に加速方向にトルク変動が発生する。この負荷トルク変動は、(7)、(8)式を用いて同様に算出することができる。この負荷トルク変動によって対向ローラ14の回転速度が上がり、その結果として、転写材20を搬送方向へ押し出す力が発生している。よって、ガイドスロープ34を用いることにより対向ローラ14の加速方向のトルク変動を抑制して、感光体ベルト10や転写材搬送速度の増加を抑制することができる。
(ガイドスロープ可動構成)
別の実施例として、ガイドスロープ34を可動とした例を示す。ガイドスロープ34を可動とする目的には、以下の2つがある。
1)転写材20の厚さに応じてガイドスロープ34の傾斜角度を変化させること。
2)画像転写時(または画像定着時など)にガイドスロープ34の傾斜角度を変化させ、またはガイドスロープ34を退避させること。
まず、1)の目的について説明する。電子写真方式の転写装置18では、転写ローラ17に高電圧の転写電圧を与える。この発明では、加圧接触部材43、44等を介して転写ローラ17に電圧を印加する方式が採用されている。このとき、転写ローラ17が加圧接触部材43、44上を大きく移動すると、放電現象が発生し、ノイズ源となるだけでなく、転写画像にも影響を与える。そのため、転写ローラ17の可動範囲を転写材20の厚さに依らず、ある範囲内で一定にしたい。そこで、ガイドスロープ34の傾斜角度を転写材20の厚さに応じて変化させて、可動範囲を一定に制御する。転写材20の厚さは、画像形成装置内の転写材膜厚センサの情報、または、ユーザーからの転写材20の厚さに応じて変更されるモード指定から推定してもよい。
次に、上記2)の目的について説明する。ガイドスロープ34による効果は、転写材先端が転写ニップに突入する時と、転写材後端が転写ニップを抜ける時に必要である。画像転写時(または画像定着時など)には必要ない。画像転写時の転写材20への加圧力が転写材20とガイドスロープ34に分担されてしまい、所望の加圧が得られない場合が発生する。先述したように規制面40を曲面にして、転写材20が転写ニップ通過時の傾斜角度が大きくなるようにガイドスロープ34を設計することで、この荷重分担の課題は解決できるが、ここでは、ガイドスロープ34の傾斜角度を外部から任意に制御する。または、ガイドスロープ34そのものを退避させて、画像転写時における転写材20への加圧力を所望の値にする構成を提案する。
ガイドスロープ34の可動構成を図10に示す。図10(a)が左右への可動構成で、図10(b)が回転方向への可動構成である。図10(a)は、偏心カム46の回転でガイドスロープ34が水平方向へスライドする。偏心カム46の回転力は、図示しない駆動モータから供給される。ガイドスロープ34は、図示しない支持部で鉛直方向の移動は規制されている。これによって、ガイドスロープ34を転写ローラ17の回転軸32から退避させ、非接触状態へ移動することが可能となる。また、規制面40が曲面の場合は、回転軸32と接触する箇所を考慮して移動させることで、傾斜角度を変化させることが可能である。可動構成は、これに限るものではなく、同様に上下方向への可動構成でもよく、さらにスライド方向とそれと交差する方向に移動可能としてもよい。さらに、上下、左右方向への可動構成でもよい。図10(b)は、偏心カム46の回転で伝達アーム47を介してガイドスロープ34を図中矢印方向に回転する。これによって、ガイドスロープ34の傾斜角度を任意に変化させることができる。
また、転写ローラ17の移動方向規制部材として、回転アーム50を用いた場合を図10(c)に記載する。アーム回転軸51は、図中直線矢印v方向のみに移動可能で、直線矢印vと直交方向には、図示しない筐体に固定されている。直線矢印v方向の位置は、偏心カム52の回転位置にて規制される。転写ローラ17の回転軸32を回転可能に支持するアーム軸受部53は、回転アーム50上を移動することが可能である。つまり、対向ローラ14と圧接している転写ローラ17の位置と回転アーム50の位置関係によっては、図中符号54で示す空隙部が発生する。回転アーム50の底面部とアーム軸受部53との間にこの符号54で示す空隙部が発生することで、上述した転写ローラ17の移動方向規制部材を退避した状態となる。空隙部54が発生するように偏心カム52が回転して回転アーム50を図中矢印v方向に移動させる。図中直線矢印vの方向は、任意に設定することができる。
(転写材突入時、厚紙検知時などの動作説明)
ガイドスロープ34の移動動作について説明する。まず、1枚目の搬送時には予めガイドスロープ34を転写ローラ17の回転軸32に接触させておく。このとき、ユーザーに指定された転写材膜厚情報、画像形成装置本体からの転写材膜厚情報、または、転写材搬送経路上に設置された膜厚センサ情報から、適切なガイドスロープ34の傾斜角度となるように接触させておく。転写材20の先端が転写ローラ17、対向ローラ14間の転写ニップを通過し、画像転写、または画像定着が開始される前にガイドスロープ34を退避、または、ガイドスロープ34の傾斜角度を大きくする。転写材20への加圧力が所望の値となるように、退避、傾斜角度を変化させた状態で、画像転写、画像定着が行われ、転写材20の後端が転写ニップを抜ける前に、ガイドスロープ34を突入時と同じ状態に戻す。そして、転写材20の後端が転写ニップを抜ける際に回転軸32はガイドスロープ34に接触する。このときのガイドスロープ34の状態は、突入時と同じであるため、そのまま次の転写材20の先端部突入を待てばよい。転写材20の厚さが異なる場合は、その厚さ情報に応じてガイドスロープ34の傾斜角度を調整する。
ガイドスロープ34の移動は、転写ローラ17の押し上げとは関係ない(転写ローラ17の加圧力の影響は少ない)ため、容易である。つまり、ガイドスロープ34を移動させるためのトルクは小さいため小型の駆動源で実現できる。また、高速応答が可能であるため、高速に搬送される転写材20に応じて可動および調整が可能である。図4(c)に示す回動部材の移動の場合も、同様である。偏心カム86の回転で、傾斜角度の調整、回動アーム38の退避を行う。
(画像形成装置の他例の説明)
図11には、この発明を適用する画像形成装置の他例の主要構成を示す。
図示画像形成装置は、図示する主要構成部を装置本体に備え、その装置本体が、用紙を大量に保持する給紙テーブル上に設置され、またその装置本体上に、スキャナやさらにその上に原稿自動搬送装置(ADF)が設置されて構成される。この画像形成装置は、タンデム型で中間転写(間接転写)方式を採用する電子写真装置である。
画像形成装置には、像担持体として無端状ベルト状の中間転写ベルト60が設けられている。この中間転写ベルト60は、4つの支持ローラ61、62、63、64に掛け渡されており、図中反時計まわりに回転移動される。図示しないが、これら4つの支持ローラのうち、支持ローラ62の図中左側には、画像転写後に中間転写ベルト60上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置が設けられている。また、4つの支持ローラのうち、支持ローラ63、64間に張り渡されたベルト部分には、そのベルト移動方向に沿って、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の4つの作像部が並べられてタンデム画像形成部が形成されている。
各画像形成部には、時計方向に回転するドラム状の像担持体65が設けられる。各色の画像形成部は、それぞれ同一の構成となっており、像担持体65のまわりに帯電装置、現像装置、1次転写装置、クリーニング装置などが配置されている。1次転写装置には、中間転写ベルト60を挟んでバイアスローラ66が設けられている。図12には、1つの1次転写装置の構成を示し、対向ローラである像担持体65に転写ローラであるバイアスローラ66が付勢手段である圧縮バネ67により押し当てられている。転写ローラであるバイアスローラ66は、筐体68により支持されて、圧縮バネ67とともに別の複数のバネ69により上下左右に移動可能に支持されている。また、タンデム画像形成部の下方には、潜像形成手段としての露光装置70が設けられている。
一方、駆動ローラである支持ローラ61には、中間転写ベルト60を挟んで2次転写装置としての2次転写ローラ72が設けられている。この2次転写ローラ72により、中間転写ベルト60上の画像を転写材である用紙73に転写する。この発明の規制手段を含む負荷トルク変動抑制機構は、この2次転写ローラ72の回転軸まわりに設置されている。これによって、2次転写装置ニップでの用紙搬送時に発生する負荷トルク変動を抑制し、中間転写ベルト60の速度変動、用紙73の搬送速度変動の発生を抑制する。
また、この2次転写ローラ72の図中上方には、用紙73上に転写された画像を定着する定着装置74が設けられている。この発明の規制手段を含む負荷トルク変動抑制機構は、この定着装置74の加圧力を与えるローラ側の回転軸まわりも設置されている。これによって、定着装置74の定着ニップへ用紙73が搬送される際に発生する負荷トルク変動を抑制する。定着装置74の定着ニップへ用紙73が突入した際の搬送速度変動の発生を抑制している。よって、用紙73が定着装置74に突入の際に、2次転写装置において2次転写中の画像への影響が少ない。上述した支持ローラ61には、2次転写ローラ72を接触駆動し、画像転写後の用紙73を定着装置74へと搬送する用紙搬送機能も備わっている。もちろん、2次転写装置として、転写ベルトや非接触のチャージャを配置してもよい。支持ローラ61と2次転写ローラ72との転写ニップ間に用紙73が下方から挿入され、トナー像が用紙73に転写される構成となっている。
上記画像形成装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置の原稿台上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置を開いてスキャナのコンタクトガラス上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置を閉じてそれで押さえる。その後、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス上へと移動する。他方、コンタクトガラス上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナを駆動する。スキャナの走行と同時に光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して結像レンズを通して読取りセンサにて原稿内容を読み取る。または、パソコン、デジタルカメラ等からデジタル画像情報を受信する。
この原稿読取り、画像情報の受信に並行して、図示しない駆動源である駆動モータで支持ローラ61を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト60が図中反時計まわり方向に移動するとともに、この移動にともなって残りの支持ローラ(従動ローラ)が連れ回り回転される。また、これと同時に、個々の画像形成部において像担持体65を回転させ、各像担持体65上に、イエロ、シアン、マゼンダ、ブラックの色別情報を用いてそれぞれ露光現像し、単色のトナー画像(顕像)を形成する。そして、各像担持体65上のトナー画像を中間転写ベルト60上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト60上に合成カラー画像を形成する。
このような画像形成に並行して、2次転写装置に用紙73が搬送される。給紙テーブルの1つを選択し、ペーパーバンクに多段に備える給紙カセットの1つから用紙73を繰り出し、分離ローラで1枚ずつ分離して給紙路に入れ、搬送ローラで搬送して給紙路に導き、レジストローラに突き当てて止める。または、給紙ローラを回転して手差しトレイ上の用紙73を繰り出し、分離ローラで1枚ずつ分離して手差し給紙路に入れ、同じくレジストローラに突き当てて止める。そして、中間転写ベルト60上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラを回転し、中間転写ベルト60と2次転写ローラ72との間に用紙73を送り込み、2次転写ローラ72で転写して用紙73上にカラー画像を転写する。画像転写後の用紙73は、支持ローラ61の搬送力により対向ローラの2次転写ローラ72で搬送して定着装置74へと送り込み、定着装置74で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、排出ローラで排出し、排紙トレイ上にスタックする。
なお、画像転写後の中間転写ベルト60は、中間転写ベルトクリーニング装置で、画像転写後に中間転写ベルト60上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラは、一般的には接地されて使用されることが多いが、用紙73の紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
この画像形成装置を用いて、黒のモノクロコピーをとることもできる。その場合には、図示しない手段により、中間転写ベルト60をイエロ、シアン、マゼンダのカラー3色の像担持体65から離れるようにする。これら3色の像担持体65の駆動を一時的に停止する。ブラック用の像担持体65のみを中間転写ベルト60に接触させ、画像の形成と転写を行う。
感光体ベルトを用いた画像形成装置の感光体ベルトユニット部の全体概略構成図である。 その転写装置において、圧接された対向ローラと転写ローラ間を転写材が通過するとき、感光体ベルトの搬送位置誤差を計測した結果を示す図である。 その転写装置に転写材が突入したときのトルク負荷変動の発生メカニズムの説明図である。 (a)はこの発明に対応する従来技術を示す構成図であり、(b)はこの発明でガイドスロープを使用した場合、(c)は回動アームを使用した場合の特徴構成図である。 実施構成を示す斜視図である。 (a)は規制面が傾斜面であるガイドスロープの斜視図、(b)は連続する多面であるガイドスロープの斜視図である。 ガイドスロープの角度と負荷トルク変動との関係図である。 (a)、(b)は、回転軸接触部材の構成例を示す斜視図である。 (a)と(b)はこの発明の実施前、実施後の負荷トルク変動を比較して示す図である。 (a)ないし(c)は、ガイドスロープの可動構成を示す図である。 この発明を適用する画像形成装置の他例の主要構成図である。 その1次転写装置の構成図である。 (a)ないし(c)は、従来の転写材突入時の衝撃を低減する作動構成図である。
符号の説明
10 感光体ベルト
14 対向ローラ(第1の回転体)
16 圧縮バネ(付勢手段)
17 転写ローラ(第2の回転体)
18 転写装置(転写材搬送装置)
20 転写材
21 レジスト装置(転写材搬送装置)
22 一方のレジストローラ(第1の回転体)
23 他方のレジストローラ(第2の回転体)
24 圧縮バネ(付勢手段)
26 定着装置(転写材搬送装置)
27 加熱ローラ(第1の回転体)
28 加圧ローラ(第2の回転体)
29 圧縮バネ(付勢手段)
32 転写ローラの回転軸
34 ガイドスロープ(規制手段)
35 回転軸接触部材(圧接手段)
38 回動アーム(規制手段)
40 規制手段の規制面
42 基盤部材
43 加圧接触部材
44 加圧接触部材
46 偏心カム
47 伝達アーム
50 回転アーム
52 偏心カム
53 アーム軸受部
54 空隙部
60 中間転写ベルト
61 支持ローラ(第1の回転体)
65 像担持体(第1の回転体)
66 バイアスローラ(第2の回転体)
67 圧縮バネ(付勢手段)
69 バネ
72 2次転写ローラ(第2の回転体)
73 用紙(転写材)
74 定着装置(転写材搬送装置)

Claims (20)

  1. 第1の回転体と、その第1の回転体に対して接触したり離れたり移動自在に設ける第2の回転体と、その第2の回転体を付勢して前記第1の回転体に押し当てる付勢手段とを備え、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に通して転写材を搬送する転写材搬送装置において、
    前記付勢手段と前記第2の回転体の回転軸との間に介在し、前記付勢手段による付勢方向に移動する圧接手段であって、前記第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動する接触面を有する圧接手段と、前記第2の回転体の回転軸を、前記付勢手段による付勢方向に対して斜め方向に移動する規制手段とで、前記第2の回転体の回転軸の両端を各々移動可能に保持し、
    前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に転写材を通したとき、前記第2の回転体の回転軸を前記規制手段により規制しつつ前記接触面上を移動させ、転写材搬送方向に移動しながらも、前記付勢手段に抗して前記第1の回転体から離れる方向に移動させることを特徴とする、転写材搬送装置。
  2. 前記圧接手段が前記第2の回転体の回転軸と接触する接触面を、その第2の回転体の回転軸が移動する方向に凹状に湾曲して形成することを特徴とする、請求項1に記載の転写材搬送装置。
  3. 前記規制手段に、前記第2の回転体の回転軸が接触する規制面を設け、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に転写材を通したとき、前記第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動しながらも、前記付勢手段に抗して移動する方向に逃がすことを特徴とする、請求項1または2に記載の転写材搬送装置。
  4. 前記規制面を、前記第2の回転体の回転軸が移動する方向に、凹状の曲面で形成し、または連続する多面で全体凹状に形成することを特徴とする、請求項3に記載の転写材搬送装置。
  5. 前記規制面を、転写材搬送方向に対して傾斜する傾斜面とすることを特徴とする、請求項3に記載の転写材搬送装置。
  6. 前記規制手段の規制面と前記第2の回転体の回転軸との間に軸受を介在することを特徴とする、請求項3ないし5のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  7. 前記軸受として、自動調芯型スライドベアリングを用いることを特徴とする、請求項6に記載の転写材搬送装置。
  8. 前記規制面の設置角度を変えることができるように前記規制手段を回動可能とすることを特徴とする、請求項3ないし7のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  9. 前記規制手段をスライド可能とすることを特徴とする、請求項3ないし7のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  10. 前記規制手段をスライド方向とそれと交差する方向に移動可能とすることを特徴とする、請求項9に記載の転写材搬送装置。
  11. 前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に通す転写材の厚さに応じて前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする、請求項8ないし10のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  12. 前記規制手段に、前記第2の回転体を保持して支軸を中心として回動する回動部材を設け、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に転写材を通したとき、前記回動部材を前記支軸を中心として回動して、前記第2の回転体の回転軸を転写材搬送方向に移動しながらも、前記付勢手段に抗して移動する方向に逃がすことを特徴とする、請求項1または2に記載の転写材搬送装置。
  13. 前記第1の回転体がドラム状の像担持体であり、前記第2の回転体が転写ローラであり、その転写ローラで前記像担持体上の画像を転写材に転写する転写装置であることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  14. 前記第1の回転体が、支持ローラに掛けまわすベルト状の像担持体であり、前記第2の回転体が転写ローラであり、その転写ローラで前記像担持体上の画像を転写材に転写する転写装置であることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  15. 前記第1の回転体と前記第2の回転体との間の転写ニップを転写材の先端部が通過して後、その転写材の後端部が通過する前に、前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする、請求項13または14に記載の転写材搬送装置。
  16. 前記第1の回転体が加熱部材であり、前記第2の回転体が加圧部材であり、転写材上に転写された画像を定着する定着装置であることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  17. 転写材の先端部が転写ニップを通過する前と通過した後に、前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする、請求項16に記載の転写材搬送装置。
  18. 前記第1の回転体と前記第2の回転体が一対のレジスト部材であり、転写材を所定のタイミングで送り出すレジスト装置であることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1に記載の転写材搬送装置。
  19. 転写材の後端部が転写ニップを通過する前と通過した後に、前記規制手段の設置位置調整を行うことを特徴とする、請求項18に記載の転写材搬送装置。
  20. 請求項1ないし19のいずれか1に記載の転写材搬送装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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