本発明は、デジタル伝送装置において、特に伝送状態を可視化する2次元表示用信号出力方法およびデジタル伝送装置に関する。
近年、デジタル伝送の変調方式としてQAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が用いられ始めている。
データは、映像や音声信号をMPEG処理で圧縮したトランスポートストリーム(以後TSと呼ぶ)等である。
数年前はアナログFMによる方法で映像や音声を伝送していた。アナログFMは、受信電界レベルによって映像や音声のS/Nが変化する。受信電界レベルの変化が激しいマラソン中継等の移動体伝送においては、中継された映像信号が、ノイズや乱れの多い品位の低い信号となり易かった。
デジタル伝送では、情報をデジタル化し、かつ、エラー訂正処理を併用する。そのため、受信電界レベルが変化する状態でも、エラー訂正が働く範囲であれば、同一品位の映像を中継伝送できる。電界レベルが限界値を下回る状態にまで低下するとエラー訂正不能となり、画像伝送も不可能となる。この限界は、復調後の信号状態によって、ある程度把握可能である。
例えば、伝送量60Mbpsと多い64QAMモードであれば、限界C/Nは27dB程度であり、受信電界の限界は約−70dBm以上が必要になる。伝送量35Mbpsと小さい、16QAMモードであれば、限界C/Nは18dB程度であり、受信電界の限界は約−80dBm以上で映像を伝送できる。
図12は、従来のデジタル伝送装置の全体構成図である。図12において、映像信号は、MPEGエンコーダ1に入力され圧縮データTSとなる。圧縮データTSは、変調モードを決めるマッピング回路2によって、2次元のデータDmとなる。
データDmは、変調部(MOD)3により変調され、例えば、130MHz帯の中間周波信号であるDmodとなり、送信高周波部(Th)4−1へ送られる。
送信高周波部(Th)4−1は、中間周波信号Dmodをマイクロ波帯の信号に周波数変換し、電力増幅して、アンテナ4−2から送信する。
伝送路5を経由して受信用のアンテナ6−1に届いた電波は、受信高周波部(Rh)6−2に入力される。受信高周波部(Rh)6−2は、微弱な信号を増幅し、130MHz帯の中間周波信号Ddemに変換する。
このDdem信号は、復調部(DEM)7によって、時間タイミング再生や周波数再生が行なわれ、2次元のデータI,Qとなる。データI,Qは識別判定器8に送られ、再生圧縮データTSrに戻される。再生圧縮データTSrは、MPEGデコーダ9に入力され、映像信号に伸張される。
ここで、伝送状態や同期再生状態の良否を把握するため、通常は復調部(DEM)7の出力I,Qデータを、オシロスコープ10のX−Y入力に接続し、観測する。伝送状態が良ければ、受信信号の各マッピング点(信号点)は図13の(a)のように小さく纏まる。しかし、伝送状態が悪いと、各マッピング点は図13の(b)のように、大きな範囲に散らばり、表示される。
なお、OFDM方式で変調された伝送信号を受信し復調して、オシロスコープに表示することにより、各データを観測することは、例えば特許文献1で公知である。
しかしながら、オシロスコープ10のX軸の周波数応答は通常1MHz未満であり、高速な信号点変化には追従できないため、通常は観測用に専用の間引きした信号を用意しなければならない。
また、伝送路5の状態は、常に一定ではなく、伝送路途中にある、川や海または水田の水位等によって時々刻々変化する。従って、時々刻々変化するデジタル伝送における特定キャリアの劣化状況の把握が困難である。
次に、特定キャリアの劣化状況の把握が可能な従来のデジタル伝送装置について、以下説明する。
図14は、従来のデジタル伝送装置の他の全体構成図である。図14は、図12の全体構成を示す図において、オシロスコープ10を取り去り、タイミングコントローラ(以下CNTという)11とサンプリングホールド器(以下SHという)12とを付加し、さらにビデオ化処理器13を付加した。
このことにより、図14のビデオ化処理器13の出力に図示していないモニタを接続することで、例えば図15の(b)に示すように、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した受信信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量からなる2次元表示画像をモニタに表示する。なお、図15の(a)は、周波数選択性フェージングの影響で、伝送帯域に、例えば、劣化帯域1,2が発生した場合の受信信号の周波数スペクトルを表すものである。
図14において、復調部(DEM)7からのFST(フレーム・スタート・パルス)信号は、CNT11に入力される。
CNT11は、sp信号(サンプリングパルス)をSH12に出力するとともに、Ys信号(Y成分のこぎり波)を出力し、Ys信号はビデオ化処理器13に入力される。
SH12は、復調部(DEM)7の出力Iデータを入力とする。SH12の出力Xh(I)信号(IデータのX成分サンプルホールド)は、ビデオ化処理器13のもう一方の端子に入力される。
図16は、図14におけるタイミングコントローラCNT11とサンプリングホールド器SH12の動作を示すタイミング図である。
復調部(DEM)7からのFST(フレーム・スタート・パルス)信号に応じて、CNT11は、1シンボル期間(周期)毎に、FFT処理期間×Nずつ位相をずらしたsp信号を出力する。これにより、SH12は、I信号の1FFT期間毎に並んだ各キャリアのレベルを1シンボル期間毎に低い周波数成分のデータから順次サンプルしたXh(I)信号を出力する。
また、CNT11は、1シンボル期間毎に一定にレベル増加するYs信号を作成して出力する。Ys信号の増加回数Nは、キャリア本数分と同一値でも良い。または、FFT処理の最大数(例えば1024)等でも良い。
図17は、図14におけるビデオ化処理器13の構成図である。ビデオ化処理器13は、図14におけるSH12の出力であるXh(I)信号と、CNT11の出力であるYs信号とが入力信号である。
入力信号であるXh(I)信号とYs信号は、各々A/D変換器14iと14qに入力される。A/D変換器14iと14qの出力は、各々変化点検出器15iと15qに入力されるとともに、書き込み部16に入力される。変化点検出器15iと15qの出力は、書き込み部16に入力される。
書き込み部16のアドレス出力、データ出力、書き込みイネーブル(WE)出力は、コントロール部19に入力される。初期化部17のアドレス出力、データ出力、WE出力は、コントロール部19に入力される。読出し表示部18のアドレス出力、読出しイネーブル(RE)出力は、コントロール部19に入力される。
コントロール部19は、図14のMPEGデコーダ9の出力である映像信号に基づき、書き込み部16、初期化部17、読出し表示部18に、動作を許可するイネーブル(EN)信号を出力する。また書き込み部16、初期化部17、読出し表示部18のアドレス出力、データ出力、コントロール信号であるWEやREを、メモリ20aとメモリ20bに切換え選択して出力する。更にメモリ20aと20bから読出したデータを加算器21に出力する。
加算器21は、メモリ20aと20bから読出したデータを、図14のMPEGデコーダ9の出力である映像信号に重畳して映像化XY信号として出力する。
図18は、図17における変化点検出器15i,15qの構成図である(変化点検出器15iと15qは同じ構成である)。また図19は、変化点検出と次に説明する書き込み処理の動作を説明する図である。
図14の復調部(DEM)7の出力であるI,Qデータは、8サンプル周期で変化するものとする。この場合、ビデオ化処理器13の入力信号であるXh(I)信号,Ys信号は、ラッチ15−1に入力され、14.3MHzでサンプリング(図19の▲1▼)される。ラッチ15−1の出力信号は、ラッチ15−2と減算器15−3に入力される。ラッチ15−2の出力信号は、減算器15−3のもう一方に入力される。
減算器15−3の出力信号、つまり、入力の微分信号は絶対値化器15−4に入力され、正負の成分が絶対値化される。絶対値化器15−4の出力信号は判定器15−5に入力され、判定器15−5で基準値Thと比較され、基準値Th以上の成分を変化分とみなした“henka”を示す変化点パルス(図19の▲2▼)が出力される。
図20は、図17における書き込み部16の構成図である。Xh(I)信号とYs信号は、合成器16−1により、表示空間の2次元アドレスに変換される。その変換結果は、WE発生器16−2(EN入力に応じて、動作もしくは停止する)からのS1パルスによってホールドされ、アドレスを出力する。ゲート16−3は、Xh(I)信号とYs信号の“henka”を示す変化点パルス(図19の▲2▼)の論理和をとったパルスh1を出力する。
このパルスh1は、ゲート16−4とゲート16−5に入力される。
ゲート16−4はWEパルスの源である。ゲート16−4には、WE発生器16−2からのW1パルス(14.3MHzを10分周して作成したサンプリングパルスW1(図19の▲3▼))が入力され、サンプリングパルスW1の発生タイミングが、変化点パルス(図19の▲2▼)の論理和をとったパルスh1と一致するかを調べる。
不一致の場合(図19の▲4▼)はそのままサンプルして(SRAMアドレスに“1”と書き込む)、WEパルスを出力し、一致する場合(図19の▲5▼)は、サンプルを取り止めて、WEをOFFする。この場合は次回サンプルも変化点に当たる確立が高いため、サンプル位相をずらす(図19の▲6▼)。また書き込み部16はデータHを常に出力する。結果的に、I,Qデータの値に応じたメモリ空間にレベル“H”のデータが書き込まれる。
ここで、書き込み部16の動作を、図19を用いてもう一度説明する。図14の復調部(DEM)7の出力であるI,Qデータは、8サンプル周期で変化するものとする。この場合、ビデオ化処理器13の入力信号であるXh(I)信号,Ys信号は、また、I,Qデータの値は、4,10,16,…,(6n+4)番目のサンプルパルス、即ち、6サンプル周期のタイミングで書き込み部16に取り込まれるものとする。
このような場合、16番目のサンプルパルスタイミングでは、“henka”とサンプルパルスのタイミングが一致してしまう(図19の▲5▼)。そのため、この16番目のサンプル点で、I,Q値の取り込みを行うと、本来は図13の(a)の正規の信号点イから別の正規の信号点ロに過渡的に移動しつつある軌跡の中間点の値を取り込んでしまうことになる。このような軌跡の中間点を多数取り込むと、受信状態が良いのにもかかわらず、図13の(b)のように信号点が散乱した状態に見えてしまう。
そこで、“henka”とサンプルパルスのタイミングが一致するサンプル点でのXh(I)信号,Ys信号値の取り込みを休止する。更に、次回のサンプルタイミングも変化点に当る確率が高いため、サンプルパルスの発生タイミングを変更する(図19の▲6▼)。そして、上記タイミングが一致しないサンプル点のXh(I)信号,Ys信号値は、そのまま書き込み部16に取り込む。
図21は、図17における初期化部17の構成図である。アドレス発生器17−1とWE発生器17−2は、EN入力に応じて動作もしくは停止する。アドレス発生器17−1はEN入力に対応するアドレスを出力する。WE発生器17−2はEN入力に対応するWEを出力する。またデータとしては“L”を出力する。全体的な動作としては、EN入力に従い、アドレス発生器17−1に応じたメモリアドレス空間にデータ“L”を書き込む。具体的には、コンスタレーションを累積した表示空間を黒とする形で初期化する。
図22は、図17におけるコントロール部19の動作を説明する図である。まず、入力された映像信号からフレーム周期のタイミングとしてFパルスを内部で生成する。そして、そのFパルスに応じて、2つのメモリ20a,20bに対して、表示(読出し)、消去(初期化)、コンスタレーション書き込み(書き込み)を行う。
具体的には、メモリ20aが表示(読出し)、消去(初期化)の場合、メモリ20bはコンスタレーション書き込み(書き込み)を行う。またメモリ20aが▲1▼コンスタレーション書き込み(書き込み)の場合、メモリ20bはフィールド1の▲2▼表示(読出し)、▲3▼消去(初期化)およびフィールド2の▲4▼表示(読出し)、▲5▼消去(初期化)を行う。
ここで、上記▲1▼コンスタレーション書き込みでは、サンプルしたXh(I),Ys値に対応したSRAMアドレスに、“1”を書き込む(1フレーム期間(周期)行う)。上記▲2▼表示(フィールド1)では、走査線に対応した上記SRAMアドレスのデータを、1画素毎に読み出す。対応するXh(I),Ys値が存在していれば読み出し値が“1”となり、NTSC画面の1画素を白く表示する。
上記▲3▼消去(フィールド1)では、上記▲2▼で読み出したアドレスに“0”を書き込む(メモリを初期化し、表示済み画素エリアのメモリ内容を黒に戻しておく)。上記▲4▼表示(フィールド2)では、上記▲2▼表示(フィールド1)と同様の動作をする。上記▲5▼消去(フィールド2)では、上記▲3▼消去(フィールド1)と同様の動作をする。
また、メモリ20aが表示(読出し)、消去(初期化)をし、メモリ20bがコンスタレーション書き込み(書き込み)を行う場合は、下記を繰り返す。
・フレーム1のフィールド1の前半:メモリ20aの偶数アドレスの読出し。
・フレーム1のフィールド1の後半:メモリ20aの偶数アドレスの消去。
・フレーム1のフィールド2の前半:メモリ20aの奇数アドレスの読出し。
・フレーム1のフィールド2の後半:メモリ20aの奇数アドレスの消去。
・フレーム2のフィールド1:メモリ20aへXh(I),Ys信号対応アドレスに書き込み。
・フレーム2のフィールド2:メモリ20aへXh(I),Ys信号対応アドレスに書き込み。
・フレーム3のフィールド1の前半:メモリ20aの偶数アドレス読出し。
・フレーム3のフィールド1の後半:メモリ20aの偶数アドレス消去。
以後、上記動作を繰り返す。
逆に、メモリ20bが表示(読出し)、消去(初期化)をし、メモリ20bがコンスタ書き込み(書き込み)を行う場合は、下記を繰り返す。
・フレーム1のフィールド1:メモリ20bへXh(I),Ys信号対応アドレスに書き込み。
・フレーム1のフィールド2:メモリ20bへXh(I),Ys信号対応アドレスに書き込み。
・フレーム2のフィールド1の前半:メモリ20bの偶数アドレスの読出し。
・フレーム2のフィールド1の後半:メモリ20bの偶数アドレスの消去。
・フレーム2のフィールド2の前半:メモリ20bの奇数アドレスの読出し。
・フレーム2のフィールド2の後半:メモリ20bの奇数アドレスの消去。
以後、上記動作を繰り返す。
これにより、復調部(DEM)7からのIデータの値は対応するメモリアドレス空間に変換され、メモリ20aもしくはメモリ20bにレベル“H”が書き込まれる。各メモリ20a,20bは、読出し期間において、相当するメモリアドレスから、レベル“H”が読み出される。対応しないメモリアドレスの内容は、“L”のままとなる。読出し完了後に行われる消去(初期化)は、読出しに対応するアドレス空間に、“L”を書き込むことで、マッピング点の累積内容を初期化する。
図23は、図17における読出し表示部18の構成図である。アドレス発生器18−1とRE発生器18−2の動作は、EN入力に応じて動作もしくは停止する。アドレス発生器18−1は表示画面に応じたアドレスを出力する。RE発生器18−2はREを出力する。全体的な動作としては、EN入力に従い、表示用のアドレス発生器18−1に応じたメモリアドレス空間のデータを読み出す。即ち、コンスタレーションを累積した表示空間を、表示用の走査線タイミングに応じて出力する。
読み出されたコンスタレーションの空間は、図17の加算器21によって、図14のMPEGデコーダ9の出力である映像信号に重畳され、映像化XY信号として出力される。したがって、図14のビデオ化処理器13の出力に図示していないモニタを接続することで、例えば図15の(b)に示すように、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した受信信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量からなる2次元表示画像をモニタに表示する。
図15の(b)は、モニタの画面に表示される2次元表示画像の例を、受信信号の周波数スペクトル(図15の(a))と対比して示した図であり、2次元表示画像は、受信信号の周波数スペクトルの劣化帯域1および劣化帯域2のところで、劣化のないときの基準信号点位置に相当する信号レベルに対して、劣化状態に応じて上下方向にずれた信号レベルの画像として表示されるものである。
本実施の形態では、書き込みに関して、帯域制限が無いため、従来のオシロスコープ等で生じるような表示が歪む等の問題が無い。
また、本実施の形態によれば、モニタの表示画面における図15の(b)の2次元表示信号において、劣化した帯域のキャリアは雑音成分が増加するため、2次元表示すると、状態の良い帯域と比べ、横線の上下方向へのずれ量が大きく表示される。また、その劣化の程度に応じてずれ量も変化する。このため、使用している帯域に周波数選択性フェージングが生じて部分的に劣化しているのか、または、帯域全体に劣化が生じ改善が困難であるかを容易に判別することが可能である。
なお周波数選択性フェージングであれば、受信アンテナの方向を変更すること等により、悪影響を生じる原因であるマルチパス波のレベルを低減し、結果的に周波数選択性フェージングを回避できる可能性がある。
図24は、従来のデジタル伝送装置のさらに他の全体構成図である。図25は、図24におけるビデオ化処理器13Aの構成図である。
図24は、図12の全体構成を示す図において、オシロスコープ10を取り去り、ビデオ化処理器13Aを付加した。ビデオ化処理器13Aは、復調部(DEM)7の出力Iデータを入力とする。図25に示すビデオ化処理器13Aは、図17のビデオ化処理器13におけるA/D変換器14qと変化点検出器15pを取り去り、変化なし期間検出器22とSAW(のこぎり波)発生器23を付加した。図26は、図25のビデオ化処理器13Aにおける動作を示すタイミング図である。
復調部(DEM)7からのIデータは、AD変換器14iに入力される。AD変換器14iの出力は、変化点検出器15iと書き込み部16とに入力される。変化点検出器15iの出力henkaは、書き込み部16および変化なし検出器22に入力される。変化なし検出器22の出力nasi信号は、SAW発生器23に入力される。SAW発生器23の出力Ys信号は、書き込み部16に入力される。
変化点検出器15iは、Iデータにレベル変化があったタイミングをhenkaとして出力する。
変化なし期間検出器22は、一定期間henkaの無い状態を検知して、その期間がレベルHとなるnasi信号を出力する。
SAW発生器23は、nasi信号が立ち下がるタイミングから1シンボル期間毎に一定にレベル増幅するSAW波を発生し、再度nasiが立ち下がると当初のレベルから再度SAW波を出力するYs信号を出力する。
書き込み部16のアドレス出力、データ出力、WE出力は、コントロール部19に入力される。
初期化部17のアドレス出力、データ出力、WE出力は、コントロール部19に入力される。
読出し表示部18のアドレス出力、RE出力は、コントロール部19に入力される。
コントロール部19は、図24のMPEGデコーダ9の出力である映像信号に基づいて、書き込み部16、初期化部17、読出し表示部18に、動作を許可する2つのEN信号を出力する。また、書き込み部16、初期化部17、読出し表示部18のアドレス出力、データ出力、コントロール信号であるWEやREを、メモリ20aとメモリ20bに切換選択して出力する。さらにメモリ20a,20bから読出したデータを加算器21に出力する。
加算器21は、メモリ20aと20bから読出したデータを、図24のMPEGデコーダ9の出力である映像信号に重畳して映像化XY信号として出力する。
これにより、復調部(DEM)7からのI,Qデータの値は相当するメモリアドレス空間に変換され、メモリ20aもしくはメモリ20bにレベルHが書き込まれる。各メモリ20a,20bは、読出し期間において、相当するメモリアドレスは、レベル“H”が読み出される。相当しないメモリアドレスの内容は、“L”のままとなる。読出し完了後に行なわれる、消去(初期化)は読出しに相当するアドレス空間に、“L”を書き込むことで、マッピング点の累積内容を初期化する。
読み出されたコンスタレーションの空間は、加算器21によって、図24のMPEGデコーダ9の出力である映像信号に重畳され、映像化XY信号として出力される。ビデオ化処理器13Aの出力に図示していないモニタを接続することで、例えば図11の(b)に示すように、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した受信信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量からなる2次元表示画像をモニタに表示する。
書き込みに関しても、帯域制限が無いため、オシロで生じるような表示が歪む等の問題も無い。
また、モニタにおける図15の(b)の2次元表示画像において、劣化した帯域のキャリアは雑音成分が増加するため、2次元表示すると、状態の良い帯域と比べ、横線の上下方向へのずれ量が大きく表示される。また、その劣化の程度に応じてずれ量も変化する。このため、使用している帯域に周波数選択性フェージングが生じて部分的に劣化している、または、帯域全体に劣化が生じ改善が困難であるかを容易に判別することが可能である。
なお、以上の説明においては、2次元のI,Qデータの表示についてのみで説明したが、重畳される映像信号は、遅延プロファイルや、ビットエラー、入力電界に関連した情報、伝送装置の同期状態、MPEGコーデックの伸張状態が、含まれた映像信号でも良い。
なお、デジタル変調方式により変調され、2次元にマッピングされた伝送信号を送信し、受信した2次元のデータを識別することで伝送信号を再生するデジタル伝送装置において、特定キャリアの劣化状況を把握することは、例えば特許文献2で公知である。
特開2002−340937号公報
特開2004−357106号公報
図14から図26のデジタル伝送装置においては、図14,図24のビデオ化処理器13,13Aの出力を図示していないモニタに入力し、モニタに例えば図15の(b)に示すように、X軸方向に周波数成分,Y軸方向に復調した受信信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量からなる2次元表示画像を表示することで、特定キャリアの劣化状況の把握が可能である。
しかしながら、受信装置で受信する伝送信号は、伝送路途中にある、川や海または水田の水位等によって時々刻々変化したり変動したりする信号であったり、受信電界レベルの変化が激しいマラソン中継等の信号であったりする。
そこで、受信装置で受信する伝送信号の劣化状態を変化させて、モニタに表示される2次元表示画像を観察してみたところ、図15の(b)に示す、受信信号の周波数スペクトルの劣化帯域1および劣化帯域2での劣化状態に応じて、受信信号の正規信号点位置からのずれ量が上下方向に大きく変化するため、伝送信号の劣化状態の時々刻々の変化にともない、ちらちら揺れて、みにくいことが判った。
本発明の目的は、伝送信号の劣化状態に応じて動く受信信号の正規信号点位置からのずれ量をモニタではっきり可視することが可能な2次元表示用信号出力方法およびデジタル伝送装置を提供することにある。
本発明は、デジタル変調方式により変調され、2次元にマッピングされた伝送信号を送信し、受信した2次元のデータを識別することで伝送信号を再生するデジタル伝送装置の2次元表示用信号出力方法であって、受信装置側に、受信復調した前記伝送信号を、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した前記伝送信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量に相当する信号成分であって、前記正規の信号点位置から前記ずれ量までの間を塗潰し表示するための前記信号成分を出力することを特徴とする2次元表示用信号出力方法である。
また本発明は、デジタル変調方式により変調され、2次元にマッピングされた伝送信号を送信し、受信した2次元のデータを識別することで伝送信号を再生するデジタル伝送装置であって、受信装置側に、受信復調した前記伝送信号を、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した前記伝送信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量に相当する信号成分であって、前記正規の信号点位置から前記ずれ量までの間を塗潰し表示するための前記信号成分を出力する2次元表示用信号出力装置を備えたことを特徴とするデジタル伝送装置である。
また本発明は、デジタル変調方式により変調され、2次元にマッピングされた伝送信号を送信し、受信した2次元のデータを識別することで伝送信号を再生するデジタル伝送装置の2次元表示用信号出力方法であって、受信装置側に、受信復調した前記伝送信号を、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した前記伝送信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量に相当する信号成分であって、前記正規の信号点位置を所定の距離離して2個所設け、該2個所の前記正規の信号点位置間に、前記正規の信号点位置からの下方向および上方向ずれ量に相当する2方向の信号成分を、ずれ量が大きいほど互いに近づけて表示するための前記信号成分を出力することを特徴とする2次元表示用信号出力方法である。
また本発明は、デジタル変調方式により変調され、2次元にマッピングされた伝送信号を送信し、受信した2次元のデータを識別することで伝送信号を再生するデジタル伝送装置であって、受信装置側に、受信復調した前記伝送信号を、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した前記伝送信号の各周波数における正規の信号点位置からのずれ量に相当する信号成分であって、前記正規の信号点位置を所定の距離離して2個所設け、該2個所の前記正規の信号点位置間に、前記正規の信号点位置からの下方向および上方向ずれ量に相当する2方向の信号成分を、ずれ量が大きいほど互いに近づけて表示するための前記信号成分を出力する2次元表示用出力装置を備えたことを特徴とするデジタル伝送装置である。
本発明によれば、伝送信号の劣化状態に応じて動く受信信号の正規信号点位置からのずれ量をモニタではっきり可視することが可能な2次元表示用信号出力方法およびデジタル伝送装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態による2次元表示用信号出力方法を用いたデジタル伝送装置の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1におけるビデオ化処理器13Bの構成図である。
図1は、図14の従来のデジタル伝送装置の全体構成におけるビデオ化処理器13を、ビデオ化処理器13Bにしたことにあり、図2のビデオ化処理器13Bは、図17のビデオ化処理器13において、加算器21を取り去り、コントロール部19の出力と読出し表示部18のアドレス出力を入力とする塗潰し処理器24を付加し、塗潰し処理器24の出力を、図示していないモニタに入力するようにした構成である。
図3は、図2における塗潰し処理器24の構成図である。塗潰し処理器24は、図2のコントロール部19の出力である映像信号と読出し表示部18のアドレス出力を各々入力とする下塗潰し処理器25および上塗潰し処理器26と、下塗潰し処理器25および上塗潰し処理器26に接続されたOR器27から構成される。
図4は、図3における下塗潰し処理器25の構成図であり、図5は、図3における上塗潰し処理器26の構成図である。また図6と図7は、図3〜図5の塗潰し処理器24の動作を説明する図である。
図2のコントロール部19の出力である映像信号を、塗潰し処理器24を経由しないで直接図示していないモニタに接続した場合の、モニタの画面上に表れる2次元表示画像が図6の(a)であり、本実施の形態では、この映像信号を、図3において塗潰し処理器24を構成する下塗潰し処理器25および上塗潰し処理器26に入力する。
図6の(a)は、図15の(b)と同様、X軸方向に周波数成分、Y軸方向に復調した受信信号の各周波数における正規の基準信号点位置aからのずれ量b,c,d,e,f,g,h,iからなる2次元表示画像である。ずれ量b,c,d,e,f,g,h,iは、正規の基準信号点位置aに相当する信号レベルに対して、劣化状態に応じて上下方向にずれた信号信号である。
図2の読出し表示部18のアドレス出力が、図4の下塗潰し処理器25におけるデコーダ25−1,25−2と、図5の上塗潰し処理器26におけるデコーダ26−1,26−2に入力される。
図5の上塗潰し処理器26の動作について説明する。
図2の読出し表示部18のアドレスにしたがい、まず、図5の上塗潰し処理器26におけるデコーダ26−1が、図6の(b)に示すパルス26−1aを出力し、デコーダ26−2が、図6の(b)に示すパルス26−2aを出力する。
図5の上塗潰し処理器26におけるデコーダ26−1からの、図6の(b)に示すパルス26−1aのHighレベルが、図5のOR器26−3を介してAND器26−4に入力されている期間において、映像信号(図6の26−5a)がNOT器26−5に入力される。
しかし、パルス26−1aがHighレベルになった当初は、図6の(b)に示すように、映像信号が入力されないので、NOT器26−5の出力がHighレベルとなりAND器26−4に入力されるので、AND器26−4の出力がHighレベルとなり、1H遅延器26−6で1H遅延され、1H遅延信号が1H遅延器26−6で蓄積されるとともに、ゲート器26−7に入力される。
ゲート器26−7には、デコーダ26−2のパルス26−2aが入力されるが、パルス26−1aがHighレベルになった当初は、図6の(b)に示すように、パルス26−2aが入力されないので、ゲート器26−7に入力された1H遅延信号はゲート器26−7を通過する。
したがって、ゲート器26−7を通過した1H遅延信号を、図示していないモニタに入力すると、モニタの画面には、図6の(b)に示すように、画面の一番上の走査線と同じ位置に、1H遅延信号に相当する信号mが全周波数帯域にわたって出力されているように表示される。
1H遅延器26−6で1H遅延された1H遅延信号は、OR器26−3を介してAND器26−4に入力され、そのときデコーダ26−1からは引続きHighレベルが入力されるので、AND器26−4はHighレベルで、1H遅延器26−6でさらに1H遅延され、1H遅延信号が1H遅延器26−6で蓄積されるとともに、ゲート器26−7を通過する。
このことで、ゲート器26−7を通過した1H遅延信号が、モニタの画面では、図6の(b)に示すように、1H遅延信号に相当する信号mのすぐ下の走査線と同じ位置に、1H遅延信号に相当する信号m’が全周波数帯域にわたって出力されているように表示される。
以下、同様にして、1H遅延信号に相当する信号が、図6の(b)において、1H遅延信号に相当する信号m’の下方向に向かって走査線と同じ位置に全周波数帯域にわたって出力されているように表示される。
そして、図6の(a)に示すずれ量bに相当する映像信号が入力されると、図6の(a)に示すずれ量bに相当する映像信号が入力された時のみ、NOT器26−5の出力がLowレベルとなりAND器26−4に入力されるので、AND器26−4の出力がLowレベルとなり、1H遅延信号がでないので、1H遅延器26−6で蓄積されず、また画面の対応個所には1H遅延信号が表示されない。
しかし同じレベルにおいて、映像信号が入力されなくなると、NOT器26−5の出力がHighレベルとなりAND器26−4に入力されるので、AND器26−4の出力がHighレベルとなり、1H遅延器26−6で1H遅延され、1H遅延信号が1H遅延器26−6で蓄積されるとともに、ゲート器26−7を介して出力される。
したがって、画面において、1H遅延信号に相当する信号が表示されない部分と同じレベルの部分には上記と同じ1H遅延信号に相当する信号が出力されているように表示される。以下、同様に表示される。
その結果、図6の(b)に示すように、画面の一番上から図6の(a)に示す、ずれ量b,c,d,e,f,g,h,iの信号成分に相当するレベルまでは、1H遅延信号が逐次1H遅延器26−6で蓄積されるとともに、ゲート器26−7を通過する。そしてこのレベルより下では1H遅延信号がでないので、1H遅延器26−6で蓄積されず、また画面の対応レベルには1H遅延信号に相当する信号が表示されない。
そして、デコーダ26−2が、図6の(b)に示すパルス26−2aを出力した時、ゲート器26−7を閉じて、終了する。
このようにして、1H遅延器26−6では、図6の(b)に示す1H遅延信号に相当する信号を表示するために蓄積する。
この蓄積した1H遅延信号に対して、図6の(a)における正規の基準信号点位置aに相当する図6の(b)のX−Xで示すレベルのスライスに相当する信号を、1H遅延器26−6に入力することで、図6の(b)のX−Xで示すレベルより上の,蓄積した1H遅延信号を削除した図6の(c)の信号成分を、1H遅延器26−6から出力させる。
次に、図4の下塗潰し処理器25について説明する。図4の下塗潰し処理器25のデコーダ25−1は、図7の(a)に示すパルス25−1aを出力し、デコーダ25−2が、図7の(a)に示すパルス25−2aを出力する。
図4の下塗潰し処理器25のデコーダ25−1からの、図7の(a)に示すパルス25−1aのHighレベルが、図4のAND器25−4に入力されている期間において、図6の(a)に示すずれ量bの位置に相当する信号レベルが映像信号として入力されると、OR器25−3を介してAND器25−4に入力される。したがってAND器25−4の出力がHighレベルとなり、1H遅延器25−5で1H遅延され、1H遅延信号が1H遅延器25−5で蓄積されるとともに、ゲート器25−6に入力される。
ゲート器25−6には、デコーダ25−2のパルス25−2aが入力されるが、パルス25−1aがHighレベルになった当初は、図7の(a)に示すように、パルス25−2aが入力されないので、ゲート器25−6に入力された1H遅延信号がゲート器27−6を通過する。
したがって、ゲート器25−6を通過した1H遅延信号を、図示していないモニタに供給すると、モニタの画面では、図7の(a)に示すように、ずれ量bの走査線のすぐ下の走査線と同じ位置に、1H遅延信号に相当する信号nが出力されているように表示される。
1H遅延器25−5で1H遅延された1H遅延信号は、OR器25−3を介してAND器25−4に入力され、そのときデコーダ25−1からは引続きHighレベルが入力されるので、AND器25−4はHighレベルで、1H遅延器25−5でさらに1H遅延され、1H遅延信号が1H遅延器25−5で蓄積されるとともに、ゲート器25−6を通過する。
このことで、ゲート器25−6を通過した1H遅延信号が、モニタの画面では、図7の(a)に示すように、1H遅延信号に相当する信号nのすぐ下の走査線と同じ位置に、1H遅延信号に相当する信号n’が出力されているように表示される。
以下、同様にして、1H遅延信号に相当する信号が、図7の(a)において、1H遅延信号に相当する信号n’の下方向に向かって走査線と同じ位置に出力されているように表示される。
図6の(a)に示すずれ量c,d,e,f,g,h,iに相当する映像信号が入力された場合も、同様に動作する。
そして、デコーダ25−2が、図7の(a)に示すパルス25−2aを出力した時、ゲート器25−6を閉じて、終了する。
このようにして、1H遅延器25−5では、図7の(a)に示す1H遅延信号に相当する信号を表示するために蓄積する。
この蓄積した1H遅延信号に対して、図6の(a)における正規の基準信号点位置aに相当する図7の(a)のX−Xで示すレベルのスライスに相当する信号を、1H遅延器25−5に入力することで、図7の(a)のX−Xで示すレベルより下の,蓄積した1H遅延信号を削除した図7の(b)の信号成分を、1H遅延器25−5から出力させる。
図5の上塗潰し処理器26の出力と図4の下塗潰し処理器25の出力は、図3で示すように、OR器27に入力されるため、図3の塗潰し処理器24としては、図6の(c)の信号と図7の(b)の信号成分を合わせた図7の(c)の2次元表示画像が出力される。
したがって、モニタの画面では、図7の(c)の2次元表示画像が表示される。
図7の(c)に示す2次元表示画像は、図15の(b)に示す2次元表示画像に比べ、伝送信号の劣化を示す受信信号レベルが、1H遅延信号に相当する信号が走査線単位で縦方向に表示された画像として表示されるため、伝送信号の劣化を示す受信信号レベルが変化したり変動したりしてもモニタではっきり可視することができる。
図6,図7においては、1つの2次元表示用画像を出力する場合で説明したが、伝送信号の変調方式が16QAMの場合は、図11の(b)に示すような4つの2次元表示用画像が、図2の塗潰し処理器24に入力されるので、塗潰し処理器24の出力を、図示していないモニタに入力すると、図8に示す4つの2次元表示用画像が表示される。
なお、図2の塗潰し処理器24の出力を、図示していない加算器に入力し、加算器で、2次元表示用画像を重畳した映像信号にしてから出力するようにしても良い。
図9は、本発明の実施の形態による2次元表示用信号出力方法を用いたデジタル伝送装置の他の全体構成を示すブロック図である。図10は、図9におけるビデオ化処理器13Cの構成図である。
図9は,図1のデジタル伝送装置の全体構成におけるビデオ化処理器13Bを、ビデオ化処理器13Cにしたことにあり、図10のビデオ化処理器13Cは、A/D変換器14iと書き込み部16の間に信号変換器28を付加した構成である。
図11は、伝送信号の変調方式が16QAMの場合の、図10の信号変換器28の動作を説明するための図である。
図11の(a)は、図10において信号変換器28がなく且つ塗潰し処理器24がない場合の図示していないモニタの画面に表示される4つの2次元表示用画像A,B,C,Dであり、図15の(b)に示す4つの2次元表示用画像と同じである。
図11の(a)において、2次元表示用画像Aは、受信信号の各周波数における正規の信号点位置が走査線32の位置であり、走査線1から32の間と走査線33から63の間の上下両方向に、正規の信号点位置からのずれ量が表示される。
2次元表示用画像Bは、受信信号の各周波数における正規の信号点位置が走査線96の位置であり、走査線64から96の間と走査線97から127の間の上下両方向に、正規の信号点位置からのずれ量が表示される。
2次元表示用画像Cは、受信信号の各周波数における正規の信号点位置が走査線160の位置であり、走査線128から160の間と走査線161から191の間の上下両方向に、正規の信号点位置からのずれ量が表示される。
2次元表示用画像Dは、受信信号の各周波数における正規の信号点位置が走査線224の位置であり、走査線192から224の間と走査線225から256の間の上下両方向に、正規の信号点位置からのずれ量が表示される。
本実施の形態では、図11の(a)のように表示される4つの2次元表示用画像を、図11の(b)に示すような2つの2次元表示用画像にして、表示することにある。
このため、図11で説明すると、図11の(a)の4つの2次元表示用画像A,B,C,Dにおいて、正規の信号点位置より上方向に表示される上方向ずれ量を、各々4倍に拡大してから、各々を走査線256の位置に移動し、正規の信号点位置より下方向に表示される下方向ずれ量を、各々4倍に拡大してから、各々を走査線1の位置に移動する。
この図11の(b)に示す2次元表示用画像を表示できるようにするため、図9,図10のビデオ化処理器13Cは、図10に示すように、書き込み部16の前段に信号変換器28を付加して、書き込み部16に入力される4つの2次元表示用画像A,B,C,Dを、図11の(b)に示すような表示ができるように信号変換を行う。
具体的には、図11の(a)における走査線1から32の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を4倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線64から96の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を64減算した後4倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線128から160の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を128減算した後4倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線192から224の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を192減算した後4倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線33から63の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を4倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線97から127の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を96減算した後4倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線161から191の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を160減算した後4倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線225から256の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を224減算した後4倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
このことにより、図10の塗潰し処理器24の入力としては、図11の(b)に示す2次元表示画像を表示するための2次元表示用画像となる。すなわち信号変換器28は、図11の(b)において、正規の信号点位置を走査線1と256の2つの位置に設け、走査線1と256の2つの位置の間に、正規の信号点位置からの下方向および上方向ずれ量に相当する2方向の信号を、ずれ量が大きいほど互いに近づけて表示するための2次元表示用画像を出力する。
この2次元表示用画像を図示していないモニタに入力することで、モニタの画面では、図11の(b)に示す2次元表示画像が表示される。
また、この2次元表示用画像を塗潰し処理器24に入力するようにすれば、塗潰し処理器24で図6,図7で説明の処理を行い、図7の(c)に示すように、1H遅延信号に相当する信号が走査線単位で縦方向に表示された画像を表示することができる。
伝送信号の変調方式が64QAMの場合は、モニタの画面に8つの2次元表示用画像A〜Hが表示される。この8つの2次元表示用画像A〜Hを図11の(b)で示す2つの2次元表示用画像とするために、図10の信号変換器28は、入力される映像信号に対して以下の信号変換を行ってから、書き込み部16に入力する。
モニタの画面の走査線1から16の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線33から48の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を32減算した後8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線65から80の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を64減算した後8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線97から112の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を96減算した後8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線129から144の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を128減算した後8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線161から176の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を160減算した後8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線193から208の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を192減算した後8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線225から240の間の,正規の信号点位置からの上方向ずれ量に相当する信号に対しては、上方向ずれ量を224減算した後8倍し128を加えてから書き込み部16に入力する。
走査線17から32の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線49から64の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を32減算した後8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線81から96の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を64減算した後8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線113から128の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を96減算した後8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線145から160の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を128減算した後8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線177から192の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を160減算した後8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線209から224の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を192減算した後8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
走査線241から256の間の,正規の信号点位置からの下方向ずれ量に相当する信号に対しては、下方向ずれ量を224減算した後8倍し128引いてから書き込み部16に入力する。
このことにより、図10の塗潰し処理器24の入力としては、図11の(b)に示す2次元表示画像を表示するための2次元表示用画像となる。すなわち信号変換器28は、図11の(b)において、正規の信号点位置を走査線1と256の2つの位置に設け、走査線1と256の2つの位置の間に、正規の信号点位置からの下方向および上方向ずれ量に相当する2方向の信号を、ずれ量が大きいほど互いに近づけて表示するための2次元表示用画像を出力する。
この2次元表示用画像を図示していないモニタに入力することで、モニタの画面では、図11の(b)に示す2次元表示画像が表示される。
また、この2次元表示用画像を塗潰し処理器24に入力するようにすれば、塗潰し処理器24で図6,図7で説明の処理を行い、図7の(c)に示すように、1H遅延信号に相当する信号が走査線単位で縦方向に表示された画像を表示することができる。
本実施の形態によれば、伝送信号の劣化を示す受信信号レベルが変化したり変動したりした場合、走査線1と256の位置の間に、正規の信号点位置からの下方向および上方向ずれ量に相当する2方向の信号を、ずれ量が大きいほど互いに近づけて表示するので、ずれ量をよりはっきり可視することが可能である。
本発明の実施の形態による2次元表示用信号出力方法を用いたデジタル伝送装置の全体構成を示すブロック図である。
図1におけるビデオ化処理器の構成図である。
図2における塗潰し器の構成図である。
図3における下塗潰し処理器の構成図である。
図3における上塗潰し処理器の構成図である。
図3〜図5の塗潰し処理器の動作を説明する図である。
図3〜図5の塗潰し処理器の動作を説明する図である。
伝送信号の変調方式が16QAMの場合の、4つの2次元表示用画像の表示を示す図である。
本発明の実施の形態による2次元表示用信号出力方法を用いたデジタル伝送装置の他の全体構成を示すブロック図である。
図9におけるビデオ化処理器の構成図である。
伝送信号の変調方式が16QAMの場合の、図10の信号変換器の動作を説明するための図である。
従来のデジタル伝送装置の全体構成図である。
図12のオシロスコープで観測される、受信信号の各マッピング点(信号点)を示す図で、(a)は伝送状態が良い場合、(b)は伝送状態が悪い場合の図である。
従来のデジタル伝送装置の他の全体構成図である。
図14のデジタル伝送装置に接続されるモニタの画面に表示される2次元表示画像の例を、受信した伝送信号と対比して示した図である。
図14におけるタイミングコントローラとサンプリングホールド器の動作を示すタイミング図である。
図14におけるビデオ化処理器の構成図である。
図17における変化点検出器の構成図である。
変化点検出と書き込み処理の動作を説明する図である。
図17における書き込み部の構成図である。
図17における初期化部の構成図である。
図17におけるコントロール部の動作を説明する図である。
図17における読出し表示部の構成図である。
従来のデジタル伝送装置のさらに他の全体構成図である。
図24におけるビデオ化処理器の構成図である。
図25のビデオ化処理器における動作を示すタイミング図である。
符号の説明
1:MPEGエンコーダ、2:マッピング回路、3:変調部(MOD、4−1:送信高周波部(Th)、4−2:アンテナ、5:伝送路、6−1:アンテナ、6−2:受信高周波部(Rh)、7:復調部(DEM)、8:識別判定器、9:MPEGデコーダ、9a:MPEGデコーダの出力に接続された図示していないモニタ画面に表示される画像、10:オシロスコープ、11:タイミングコントローラ(CNT)、12:サンプリングホールド器(SH)、13,13A,13B,13C:ビデオ化処理器、14i,14q:A/D変換器、15i,15q:変化点検出器、16:書き込み部、17:初期化部、18:読出し表示部、19:コントロール部、20a,20b:メモリ、21:加算器、22:変化なし期間検出器、23:SAW発生器、24:塗潰し処理器、25:下塗潰し処理器、25−1,25−2:デコーダ、25−3:OR器、25−4:AND器、25−5:1H遅延器、25−6:ゲート器、26:上塗潰し処理器、26−1,26−2:デコーダ、26−3:OR器、26−4:AND器、26−5:NOT器、26−6:1H遅延器、26−7:ゲート器、27:OR器、28:信号変換器。